WO2013141087A1 - ゴムクローラ - Google Patents

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Abstract

 ゴム突起間に対応する部位の内周面を形成するゴムに過度な応力が作用するのを抑制すること。ゴムクローラ(10)が複数の車輪に巻き掛けられる無端状のゴムベルト(12)と、ゴムベルト(12)にクローラ周方向に間をあけて複数設けられ、ゴムベルト(12)の内周側に突出し、車輪と当接して該車輪のクローラ幅方向への移動を制限するゴム突起(14)と、ゴムベルト(12)の内周面の一部を構成し、互いに隣り合うゴム突起(14)間に配置され、ゴム突起(14)よりも低硬度のゴムにより形成された低硬度ゴム部(24)と、を有すること。

Description

ゴムクローラ
 本発明は、ゴムクローラに関するものである。
 近年、農業用機械をはじめ、建設機械や土木作業用機械の走行部に無端状のゴムクローラが使用されている。
 特開2006-160069号公報には、内周面に機体側の駆動輪と係合して駆動力が入力されるゴム突起をクローラ周方向に一定間隔で形成したゴムクローラが開示されている。このゴムクローラでは、互いに隣り合うゴム突起とゴム突起間に対応する部位の内周面を形成するゴム(以下、単に、内周面ゴムと記載する。)を一体形成している。
 ところで、特開2006-160069号公報に開示のゴムクローラが地面上の石や突起物などを踏んだ場合、ゴム厚みの薄い(剛性の低い)ゴム突起間に対応する部位がクローラ内側に凹むように曲げられて逆曲げ状態となる。このとき、ゴムクローラのゴム突起間に対応する部位に曲げ応力が作用する。
 ここで、特開2006-160069号公報に開示のゴムクローラでは、駆動輪からの駆動力の入力を考慮してゴム突起の硬度を高くしていることから、ゴム突起間に対応する部位の内周面ゴムの硬度も高くなっている。このため、逆曲げの状態(曲げ角度)によっては、ゴム突起間に対応する部位の内周面ゴムに過度な引張応力(曲げ応力)が作用する虞がある。
 本発明は、ゴム突起間に対応する部位の内周面を形成するゴムに過度な応力が作用するのを抑制することを目的とする。
 本発明の第1態様のゴムクローラは、複数の車輪に巻き掛けられる無端状のゴム体と、前記ゴム体に該ゴム体周方向に間をあけて複数設けられ、前記ゴム体の内周側に突出し、前記車輪と当接して該車輪の前記ゴム体幅方向への移動を制限するゴム突起と、前記ゴム体の内周面の一部を構成し、互いに隣り合う前記ゴム突起間に配置され、前記ゴム突起よりも低硬度のゴムにより形成された低硬度ゴム部と、を有している。
 以上説明したように、本発明のゴムクローラは、ゴム突起間に対応する部位の内周面を形成するゴムに過度な応力が作用するのを抑制することができる。
第1実施形態のゴムクローラをクローラ幅方向から見た側面図。 第1実施形態のゴムクローラの一部断面を含む斜視図。 第1実施形態のゴムクローラを内周側から見た平面図。 第1実施形態のゴムクローラを外周側から見た平面図。 図4の5X-5X線断面図。 第1実施形態のゴムクローラをクローラ幅方向の中央で切断した側断面図。 第2実施形態のゴムクローラをクローラ幅方向の中央で切断した側断面図。 第3実施形態のゴムクローラのクローラ幅方向に沿った断面図(図4の5X-5X線断面に対応)。 第4実施形態のゴムクローラの一部断面を含む斜視図。 図9の矢印10X部の拡大図。 第4実施形態のゴムクローラを内周側から見た平面図。 第4実施形態のゴムクローラを外周側から見た平面図。 図12の13X-13X線断面図。 第4実施形態のゴムクローラをクローラ幅方向の中央を通る中央線に沿って切断した断面図。 第5実施形態のゴムクローラの一部断面を含む斜視拡大図。 第5実施形態のゴムクローラを内周側から見た平面図。 図16の17X-17X線断面図。 第4実施形態の第1変形例の窪み部を有するゴムクローラを内周側から見た平面図。 第4実施形態の第1変形例の窪み部を有するゴムクローラをクローラ幅方向の中央を通る中央線に沿って切断した断面図。 第4実施形態の第2変形例の窪み部を有するゴムクローラを内周側から見た平面図。 第4実施形態の第2変形例の窪み部を有するゴムクローラをクローラ幅方向の中央を通る中央線に沿って切断した断面図。
(第1実施形態)
 以下、本発明の第1実施形態に係るゴムクローラについて図1~図6を用いて説明する。第1実施形態に係るゴムクローラの一例としての無端状のゴムクローラ10は、芯金をもたない、いわゆる芯金レスタイプのゴムクローラである。
 図1に示すように、ゴムクローラ10は、機体としてのクローラ車の駆動軸に連結された駆動輪100とクローラ車に回転自在に取付けられた遊動輪102とに巻き掛けられて用いられる。また、ゴムクローラ10の内周を、駆動輪100と遊動輪102の間に配置され且つクローラ車に回転自在に取り付けられた複数の転輪104が転動するようになっている。なお、駆動輪100、遊動輪102、及び転輪104は、それぞれ本発明の車輪の一例である。
 本実施形態では、無端状のゴムクローラ10の周方向(図3、図4の矢印S方向)を「クローラ周方向」と記載し、ゴムクローラ10の幅方向(図3、図4の矢印W方向)を「クローラ幅方向」と記載する。なお、クローラ周方向とクローラ幅方向は、ゴムクローラ10を外周側または内周側から見た場合に直交する。
 また、本実施形態では、駆動輪100、遊動輪102、及び転輪104に巻き掛けて環状となったゴムクローラ10の内周側(図5、図6の矢印IN方向側)を「クローラ内周側」と記載し、上記ゴムクローラ10の外周側(図5、図6の矢印OUT方向側)を「クローラ外周側」と記載する。なお、図5、図6の矢印IN方向(環状の内側方向)、矢印OUT方向(環状の外側方向)は、巻き掛け状態のゴムクローラ10の内外方向を示している。
 また、本実施形態では、ゴムクローラ10を駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛ける構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、駆動輪100、遊動輪102、及び複数の転輪104の配置によっては、駆動輪100及び遊動輪102に加えて、一つまたは複数の転輪104にゴムクローラ10が巻き掛かる構成としてもよい。
 図1に示すように、駆動輪100、遊動輪102、転輪104、及び駆動輪100と遊動輪102に巻き掛けられたゴムクローラ10によって、クローラ車の走行部としての第1実施形態に係るクローラ走行装置90が構成されている。
 図1に示すように、駆動輪100は、クローラ車の駆動軸に連結される円盤状の一対の輪部100Aを有している。この輪部100Aは、外周面100Bが後述するゴムクローラ10の車輪転動面16に接触して転動するようになっている。また、一対の輪部100Aには、互いの周縁部に架け渡されるようにピン部(不図示)が円周方向に一定間隔で形成されている。このピン部は、後述するゴム突起14に係合する(噛み合う)ようになっており、ゴム突起14と係合することでクローラ車からの駆動力をゴムクローラ10に伝達するようになっている。このようにして駆動力が伝達されたゴムクローラ10は、駆動輪100及び遊動輪102の間を循環する。そして、ゴムクローラ10の循環により、後述するラグ18が地面を捉えて、クローラ走行装置90を有するクローラ車が移動(走行)する。
 遊動輪102は、クローラ車に回転自在に取付けられる円盤状の一対の輪部102Aを有している。この輪部102Aは、外周面102Bが後述するゴムクローラ10の車輪転動面16に接触するようになっている。また、遊動輪102は、クローラ車側が備える図示しない油圧等の加圧機構によって駆動輪100から離間する方向へ押圧されて、ゴムクローラ10の車輪転動面16に押し付けられてゴムクローラ10のテンション(張力)を保持するものである。
 転輪104は、クローラ車の重量を支持するものであり、クローラ車に回転自在に取付けられる円盤状の輪部104Aを有している。この輪部104Aは、外周面104Bが後述するゴムクローラ10の車輪転動面16に接触するようになっている。
 上記遊動輪102及び転輪104は、駆動輪100及び遊動輪102の間を循環するゴムクローラ10に対して従動回転するようになっている。
 図1に示すように、ゴムクローラ10は、ゴム材を無端帯状に形成したゴムベルト12を有している。なお、本実施形態のゴムベルト12は、本発明の無端状のゴム体の一例である。また、本実施形態のゴムベルト12の周方向、幅方向、内周側、外周側は、それぞれクローラ周方向、クローラ幅方向、クローラ内周側、クローラ外周側と一致している。
 図1~3に示すように、ゴムベルト12の内周(具体的には、内周面12S)には、クローラ内周側に突出するゴム突起14がクローラ周方向に間隔をあけて複数形成されている。このゴム突起14は、ゴムベルト12のクローラ幅方向の中央に配置され、後述する車輪転動面16上を転動する車輪のクローラ幅方向への移動を当接により制限するようになっている。具体的には、ゴム突起14のクローラ幅方向の側壁面に、車輪の側面が当接するようになっている。
 また、本実施形態では、車輪と接触するゴム突起14の硬度を80~90の範囲内に設定している。なお、本明細書中に記載されている「硬度」は、JIS K6253(タイプAデュロメーター)で規定される硬度である。
 図2及び図3に示すように、ゴムベルト12のゴム突起14を挟んでクローラ幅方向両側には、クローラ周方向に沿って延びる車輪転動面16がそれぞれ形成されている。この車輪転動面16は、平坦状とされ、ゴムベルト12の内周面12Sの一部を構成している。また、車輪転動面16上を、駆動輪100、遊動輪102、及び転輪104が転動するようになっている。
 図4、図5に示すように、ゴムベルト12の外周には、クローラ外周側に突出し、地面と接地するブロック状のラグ18が形成されている。このラグ18は、図4に示すように、中央線CLを挟んで左右にそれぞれ配置される一対のラグ18Aと、中央線CLを横切るように配置される一対のラグ18Bとで構成されており、ラグ18Aとラグ18Bはクローラ周方向に交互に形成されている。また、ラグ18A及びラグ18Bはともに、一部がゴム突起14のクローラ外周側に重なるように配置されている。
 図5、図6に示すように、ゴムベルト12には、クローラ周方向に沿って延びる無端帯状のメインコード層20が埋設されている。このメインコード層20は、クローラ周方向に沿って螺旋状に巻回された1本のメインコードをゴム被覆して形成、または、クローラ周方向に沿う複数本のメインコードを並列(クローラ幅方向に並列)させると共にゴム被覆して形成されている。
 なお、本実施形態では、引っ張り強度に優れるスチールコードを上記メインコードとして用いているが、本発明はこの構成に限定されず、十分な引張り強度を有していれば、有機繊維(例えば、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維など)で構成した有機繊維コードをメインコードとして用いてもよい。
 なお、本実施形態では、ゴムベルト12にメインコード層20を1層埋設しているが、本発明はこの構成に限定されず、メインコード層20のクローラ内周側及び外周側の少なくとも一方に、上記メインコードに対して交差する交差コードをクローラ周方向に並列させると共にゴム被覆して形成された交差コード層を1層乃至複数層積層する構成としてもよい。
 図5に示すように、本実施形態のゴムベルト12は、クローラ内周側の内周側ゴム部12Aと、クローラ外周側の外周側ゴム部12Bで構成されている。なお、本実施形態では、内周側ゴム部12Aの表面(クローラ内周側の面)が内周面12Sを形成している。また、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間に対応する部位の内周面(内周面12Sの一部)を符号12SXで示す。
 内周側ゴム部12Aは、クローラ幅方向の中央部を形成する低硬度ゴム部24と、この低硬度ゴム部24のクローラ幅方向両外側の部位を形成する外側ゴム部26とで構成されている。
 また、図6に示すように、低硬度ゴム部24及び外側ゴム部26はともに、クローラ周方向に連続して延びている。なお、本実施形態では、図5、図6に示すように、ゴム突起14は、低硬度ゴム部24の上に設けられている。このため、図3の平面図で示すように、低硬度ゴム部24は、互いに隣り合うゴム突起14間に配置されている。すなわち、本実施形態では、低硬度ゴム部24の表面(クローラ内周側の露出した面)が内周面12SXを形成している。
 低硬度ゴム部24は、ゴム突起14よりも硬度が低いゴムによって形成されている。具体的には、低硬度ゴム部24の硬度を、78~88の範囲内に設定している。
 また、ゴム突起14と低硬度ゴム部24との硬度差は、12以内に設定することが好ましい。これは、硬度差が12を超えると、ゴム突起14と低硬度ゴム部24との間(境界)に硬度差(ここでは、剛性差と同じ意味)によって亀裂が生じやすくなるためである。
 外側ゴム部26は、低硬度ゴム部24よりも硬度が低いゴムによって形成されている。具体的には、外側ゴム部26の硬度を、68~78の範囲内に設定している。
 なお、本実施形態では、低硬度ゴム部24よりも外側ゴム部26の硬度を低くする構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、低硬度ゴム部24と外側ゴム部26とが同じ硬度、または、低硬度ゴム部24よりも外側ゴム部26の硬度が高い構成としてもよい。また、低硬度ゴム部24を形成するゴムと外側ゴム部26を形成するゴムを同じ硬度にしつつ、求められる性能に応じてゴム質を異ならせてもよいことはもちろんである。
 また、本実施形態では、外側ゴム部26上に車輪転動面16を形成している。
 低硬度ゴム部24を形成するゴムは、ゴム成分、ノボラック型フェノール樹脂、及びノボラック型フェノール樹脂の硬化剤を含有している。
 ゴム成分としては、公知の天然ゴムや、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン・イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エポキシ化天然ゴム、アクリレートブタジエンゴム等の合成ゴム、及び、これら天然ゴム又は合成ゴムの分子鎖末端が変性されたもの等を用いることができ、これらの中から1種又は2種以上を適宜選択すればよい。
 ノボラック型フェノール樹脂は、ゴムの高剛性化と伸びを向上させるために配合されるものであり、フェノールもしくは変性フェノールとホルムアルデヒドとを、ホルムアルデヒド/フェノール(モル比)が通常0.6~1.0の範囲となるように縮合重合して得られる固形の樹脂である。該樹脂の融点は、50~120℃の範囲である。
 ノボラック型フェノール樹脂の具体例としては、ストレート型フェノール、アルキル置換フェノール及びオイル変性フェノール等が挙げられる。
 また、ノボラック型フェノール樹脂の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、5~20質量部に設定することが好ましい。配合量が20質量部を超えると、ゴムの剛性が高くなりすぎて、柔軟性に乏しいものとなるため、耐疲労性の悪化を招くおそれがあり、5質量部未満になると十分な剛性向上効果が得られないおそれがある。
 ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤としては、ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤として公知の化合物を用いることができ、特に制限されるものではないが、本実施形態では、ヘキサメチレンテトラミンを用いている。
 硬化剤の配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、5~20質量部に設定することが好ましい。配合量が20質量部を超えると、耐疲労性が低下するおそれがあり、5質量部未満になると硬化が十分に進行せず、必要とされる剛性を達成できないおそれがある。
 次に、本実施形態のゴムクローラ10の作用効果について説明する。
 ゴムクローラ10では、内周面12SXをゴム突起14よりも低硬度のゴムで形成している、言い換えると、低硬度ゴム部24で内周面12SXを形成していることから、例えば、内周面12SXをゴム突起14と同じ硬度のゴムで形成したものと比べて、ゴム突起14間に対応する部位が曲げ変形(弾性変形)しやすい。
 ここで、ゴムクローラ10が、例えば、地面上の石や突起物を踏んで逆曲げ状態となって、ゴムベルト12のゴム突起14間に対応する部位のクローラ内周側に引張応力(曲げ応力)が作用したとしても、内周面12SXを形成するゴムが弾性変形する(伸びる)ため、この内周面12SXを形成するゴムに過度な引張応力が作用するのを抑制することができる。
 なお、ここでいう、「逆曲げ」とは、ゴムクローラ10が駆動輪100や遊動輪102に巻き掛かったときの曲げ方向に対して逆方向の曲げを指している。
 また、ゴムクローラ10では、駆動輪100や遊動輪102に巻き掛かった場合に主に曲げ変形するゴム突起14間に対応する部位の内周面12SXがゴム突起14よりも低硬度のゴム(低硬度ゴム部24を形成するゴム)で形成されていることから、ゴムクローラ10の駆動輪100及び遊動輪102に対する巻き掛け抵抗を低減することができる。
 特に、ゴムクローラ10では、ゴムベルト12の外側ゴム部26を、低硬度ゴム部24よりも低硬度のゴムで形成していることから、駆動輪100及び遊動輪102に対する巻き掛け抵抗をさらに低減することができる。
 このようにゴムクローラ10の巻き掛け抵抗が低減されると、クローラ車側のエネルギーロスが減少し、燃費が向上する。また、駆動輪100のピン部とゴムクローラ10のゴム突起14との係合性(噛み合い)が向上する。
 また、ゴムクローラ10では、ゴム突起14を低硬度ゴム部24上に設けることで、ゴム突起14と低硬度ゴム部24の境界がゴムベルト12の内側に向わないようにしている。これにより、仮に、ゴム突起14と低硬度ゴム部24との間に硬度差によって亀裂が生じたとしても、この亀裂はゴムベルト12の内側に進行しないため、ゴムベルト12の耐久性を確保することができる。また、ゴムベルト12の内側に亀裂が進行することによって生じるメインコード層20の劣化を抑制することができる。
 またさらに、ゴムクローラ10の製造時には、低硬度ゴム部24となる未加硫の帯状低硬度ゴムを配設した後で、その両側に外側ゴム部26となる未加硫の帯状外側ゴムを配設するため、帯状低硬度ゴムの位置決めが容易になる。そして、未加硫の帯状低硬度ゴムの上にゴム突起14となる未加硫のゴム塊を一定の間隔で配置し、加硫するため、ゴム塊の位置決めが容易になる。このため、ゴムクローラ10の製造が容易になる。
 低硬度ゴム部24を形成するゴムにノボラック型フェノール樹脂、及びノボラック型フェノール樹脂の硬化剤を含有させていることから、低硬度ゴム部24の硬度を確保しつつ、伸びを向上させられる。
 また、低硬度ゴム部24を形成するゴムに含有されるノボラック型フェノール樹脂の硬化剤を、ヘキサメチレンテトラミンとしていることから、低硬度ゴム部24の耐疲労性が向上する。これにより、ゴムクローラ10のゴム突起14間に対応する部位に曲げや逆曲げなどの曲げ応力が繰り返し作用しても、低硬度ゴム部24に不具合が生じるのを抑制することができる。
 またさらに、ゴムクローラ10は、長期保管により、駆動輪100や遊動輪102に巻き掛かっていた部分に、駆動輪100や遊動輪102の外周に沿った巻き癖がつくことがある。このように巻き癖がついた部分が、引き延ばされると、ゴムベルト12のゴム突起14間に対応する部位のクローラ内周側に引張応力が作用するが、ゴム突起14間に対応する部位の内周面12SXが低硬度ゴム部24で形成され、かつこの低硬度ゴム部24が上記ノボラック型フェノール樹脂、及びノボラック型フェノール樹脂の硬化剤の含有によって耐久性及び耐疲労性が向上していることから、ゴム突起14間に対応する部位の内周面12SXを形成するゴムに過度な応力(引張応力)が作用するのを抑制することができ、さらに低硬度ゴム部24に不具合が生じるのを抑制することができる。
 第1実施形態では、内周側ゴム部12Aを低硬度ゴム部24と外側ゴム部26とで構成しているが、本発明はこの構成に限定されず、それぞれ必要とされる機能に応じて内周側ゴム部12Aの各部位を、異なる硬度のゴムで形成してもよい。例えば、車輪が転動する車輪転動面16を形成するゴムを低硬度ゴム部24よりも硬いゴムで形成してもよい。
(第2実施形態)
 次に、本発明に係る第2実施形態のゴムクローラについて図7を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
 図7に示すように、本実施形態のゴムクローラ30は、ゴムベルトの内周側ゴム部の構成以外は、第1実施形態のゴムクローラ10と同一の構成である。このため、以下では、内周側ゴム部32Aの構成について説明する。
 図7に示すように、本実施形態のゴムベルト32は、クローラ内周側の内周側ゴム部32Aと、クローラ外周側の外周側ゴム部12B(第1実施形態の外周側ゴム部12Bと同じ)で構成されている。なお、本実施形態では、内周側ゴム部32Aの表面(クローラ内周側の面)がゴムベルト32の内周面32Sを形成している。また、ゴムベルト32の互いに隣り合うゴム突起14間に対応する部位の内周面(内周面32Sの一部)を符号32SXで示す。
 内周側ゴム部32Aは、互いに隣り合うゴム突起14間を形成する低硬度ゴム部34と、それ以外の部分を形成する外側ゴム部36と、で構成されており、ゴム突起14は、外側ゴム部36の上に設けられている。低硬度ゴム部34は、第1実施形態の低硬度ゴム部24と同じゴムによって形成され、外側ゴム部36は、第1実施形態の外側ゴム部26と同じゴムによって形成されている。なお、本実施形態では、内周面32SX全域が低硬度ゴム部34によって形成されている。
 次に、第2実施形態のゴムクローラ30の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
 ゴムクローラ30では、図7に示すように、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間の内周面32SXを低硬度ゴム部34のみで形成していることから、ノボラック型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂の硬化剤(ヘキサメチレンテトラミン)を含有させたゴムの使用量を減らすことができる。これにより、ゴムクローラ30の製品コストを抑えることができる。
 第2実施形態では、図7に示すように、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間の内周面32SX全域を低硬度ゴム部34で形成しているが、本発明はこの構成に限定されず、上記内周面32SXの一部を低硬度ゴム部で形成してもよい。例えば、ゴムベルト12のゴム突起14間の内周面32SXのクローラ周方向の中央部をクローラ幅方向に延びる低硬度ゴム部で構成してもよい。
(第3実施形態)
 次に、本発明に係る第3実施形態のゴムクローラについて図8を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
 図8に示すように、本実施形態のゴムクローラ40は、ゴムベルトの内周側ゴム部の構成以外は、第1実施形態のゴムクローラ10と同一の構成である。このため、以下では、内周側ゴム部42Aの構成について説明する。
 図8に示すように、本実施形態のゴムベルト42は、クローラ内周側の内周側ゴム部42Aと、クローラ外周側の外周側ゴム部12B(第1実施形態の外周側ゴム部12Bと同じ)で構成されている。なお、本実施形態では、内周側ゴム部42Aの表面(クローラ内周側の面)がゴムベルト42の内周面42Sを形成している。
 内周側ゴム部42Aは、車輪転動面16を含むクローラ周方向の中央部を形成する低硬度ゴム部44と、低硬度ゴム部44のクローラ幅方向両外側の部位を形成する外側ゴム部46と、で構成されている。
 低硬度ゴム部44及び外側ゴム部46はともに、クローラ周方向に連続して延びており、ゴム突起14は、低硬度ゴム部44の上に設けられている。なお、本実施形態では、ゴムベルト42の互いに隣り合うゴム突起14間に対応する部位の内周面(図示省略)が低硬度ゴム部44によって形成されている。
 なお、低硬度ゴム部44は、第1実施形態の低硬度ゴム部24と同じゴムによって形成され、外側ゴム部46は、第1実施形態の外側ゴム部26と同じゴムによって形成されている。
 次に、第3実施形態のゴムクローラ40の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
 ゴムクローラ40では、図8に示すように、外側ゴム部46よりも硬度の高いゴムで形成された低硬度ゴム部44で車輪転動面16を形成していることから、車輪の転動による車輪転動面16の摩耗の進行を効果的に抑制することができる。
 第1~第3実施形態では、本発明の無端状のゴム体(ゴム弾性を有する物体(すなわちゴム弾性体))の一例としてゴム材を無端帯状に形成したゴムベルト12、32、42をそれぞれ用いているが、本発明はこの構成に限定されず、ゴム弾性を有するエラストマ材を無端帯状に形成したエラストマベルトを用いてもよい。このエラストマベルトを用いる場合には、本発明の低硬度ゴム部(低硬度ゴム弾性体部)を低硬度エラストマ部とし、外側ゴム部(外側ゴム弾性体部)を外側エラストマ部とする。
 第1~第3実施形態では、各々の低硬度ゴム部24、34、44を形成するゴムにノボラック型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂の硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミンを含有させているが、本発明はこの構成に限定されず、ゴム突起14やゴムベルトの他の部位(例えば、外側ゴム部や外周側ゴム部など)に、ノボラック型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂の硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミンを含有させる構成としてもよい。なお、ゴム成分100質量部に対するノボラック型フェノール樹脂の配合量や、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対するヘキサメチレンテトラミンの配合量は、ゴム突起14やゴムベルトに求められる条件に応じて設定することが好ましい。
(第4実施形態)
 次に、本発明に係る第4実施形態のゴムクローラについて図9~図14を参照しながら説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
 図9に示すように、本実施形態のゴムクローラ110は、ゴムベルト12の内周面12Sに窪み部122が形成されている構成以外は、第1実施形態のゴムクローラ10と同一の構成である。このため、以下では、窪み部122の構成について説明する。
 図10、図11、図14に示すように、ゴムベルト12の内周面12Sのクローラ周方向に互いに隣り合うゴム突起14間には、クローラ外周側に窪む窪み部122が形成されている。具体的には、図13に示すように、本実施形態の窪み部122は、内周面12Sの一部を構成する車輪転動面16を基準として該車輪転動面16よりもクローラ外周側に窪んでいる。すなわち、ゴムクローラ10が駆動輪100や遊動輪102に巻き掛かったときの曲げの中立面(中立軸)となるメインコード層20を基準として、車輪転動面16に対応する部位のゴム厚みT1よりも窪み部122に対応する部位のゴム厚みT2が薄くなっている。
 なお、ゴム厚みT1は、メインコード層20の内周面と車輪転動面16との間のクローラ内外方向に沿って計測した距離であり、ゴム厚みT2は、メインコード層20の内周面と窪み部122の底面と間のクローラ内外方向に沿って計測した距離である。
 また、ゴム厚みT2は、ゴム厚みT1の半分よりも薄くすることが好ましい。
 図10、図11に示すように、窪み部122は、クローラ幅方向に沿って延び、互いに隣り合うゴム突起14間からクローラ幅方向外側へクローラ幅方向外側まで延出している。このため、本実施形態では、窪み部122のクローラ幅方向の両端部122Aが、車輪転動面16に入り込んでいる。すなわち、本実施形態の窪み部122は、低硬度ゴム部24と両側の外側ゴム部26に跨って形成されている。また、車輪転動面16の幅を符号W1、該車輪転動面16への窪み部122の端部122Aの入り込み量を符号W2としたとき、入り込み量W2は、幅W1の1~30%程度とすることが好ましい。
 さらに、窪み部122は、ゴムベルト12の内周面12Sの互いに隣り合うゴム突起14間に亘って形成されている(図14参照)。
 また、本実施形態では、窪み部122の端部122Aが、クローラ幅方向外側へ向かって円弧状に湾曲している。この構成により、窪み部122の端部122Aに局所的に応力が集中するのを抑制することができる。
 図14に示すように、本実施形態の窪み部122は、底部122Bに向かって窪み壁122Cが円弧状に湾曲している。これにより、窪み部122の底部122Bと窪み壁122Cとの間に局所的に応力が集中するのを抑制することができる。なお、本実施形態では、内周面12SXが窪み部122の底面や壁面によって形成されている。
 次に、第4実施形態のゴムクローラ110の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第1実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
 ゴムクローラ110では、ゴムベルト12の内周面12Sの互いに隣り合うゴム突起14間にクローラ外周側に窪む窪み部122を形成していることから、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間の部位の曲げ剛性(ゴムベルト12を内側または外側に曲げる曲げ剛性)が低くなる。これにより、ゴムベルト12が駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛かるときの巻き掛け抵抗が低減される、すなわち、ゴムクローラ110の巻き掛け抵抗が低減される。この結果、ゴムクローラ110が用いられるクローラ車のエネルギーロスが減り、燃費が改善される。
 また、ゴムクローラ110が駆動輪100の外周面100Bに沿って曲がりやすくなるため、駆動輪100のピン部(不図示)とゴム突起14の係合性(噛み合い性)が向上し、歯飛び現象(ピン部がゴム突起14を乗り越える現象)の発生が抑制される。
 また、上記ゴムクローラ110では、ゴムベルト12の内周面12Sの互いに隣り合うゴム突起14間に窪み部122を形成していることから、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間の部位のゴム量(ゴムボリューム)が減少し、走行時に駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛けられて繰り返し曲げられるゴムベルト12の上記ゴム突起14間の部位の発熱量が低減される。
 さらに、上記ゴムクローラ110では、窪み部122の形成により、重量が低減される。これにより、ゴムクローラ110が用いられるクローラ車の燃費をさらに改善することができる。
 ゴムクローラ110では、窪み部122をクローラ幅方向に延ばしていることから、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間の部位の曲げ剛性がさらに低減される。これにより、ゴムベルト12が車輪(駆動輪100及び遊動輪102)に巻き掛かるときの巻き掛け抵抗が低減される。
 また、ゴムクローラ110では、窪み部122をゴムベルト12の内周面12Sの互いに隣り合うゴム突起14間に亘って形成していることから、ゴムベルト12が駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛かるときの巻き掛け抵抗を効果的に低減することができる。
 そして、走行時にゴムクローラ110が例えば、地面上の突起物(石など)や、路面上の縁石などを踏んで逆曲げ状態となり、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間のメインコード層20(曲げの中立面(中立軸))よりもクローラ内周側に引張応力(曲げ応力)が作用しても、上記のように内周面12Sの互いに隣り合うゴム突起14間に亘って窪み部122を形成して上記互いに隣り合うゴム突起14間のメインコード層20からのゴム厚みを薄くすることで、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間のメインコード層20よりもクローラ内周側に過度な引張応力が作用するのを抑制することができる。
 なお、ゴムクローラ110では、窪み部122を互いに隣り合うゴム突起14間からクローラ幅方向外側へ延出させていることから、ゴムベルト12が駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛かるときの巻き掛け抵抗をさらに低減することができる。
 第4実施形態のゴムクローラ110では、図11に示すように、ゴムベルト12の内周面12Sの互いに隣り合うゴム突起14間に亘って窪み部122を形成しているが、本発明はこの構成に限定されず、互いに隣り合うゴム突起14間の一部にクローラ外周側に窪む窪み部が形成されれば、ゴムクローラ10の巻き掛け抵抗を低減することができる。例えば、ゴムベルト12の互いに隣り合うゴム突起14間に開口形状が円形、楕円形、略多角形状などの窪み部を1つまたは複数形成してもよい。また、窪み部122の変形例として図18A、図18B、図19A、図19Bに示す窪み部124、126を用いてよい。
 図18A及び図18Bに示す窪み部124(窪み部122の第1変形例)は、内周面12Sの互いに隣り合うゴム突起14間にのみ形成されている、すなわち、クローラ幅方向の端部124Aが上記互いに隣り合うゴム突起14間に形成されている。これにより、車輪転動面16を転動する車輪(特に転輪104)の窪み部124に起因する上下動が抑制される。
 図19A及び図19Bに示す窪み部126(窪み部122の第2変形例)は、クローラ周方向に互いに隣り合うゴム突起14間にのみ形成され、クローラ幅方向に延び、ゴム突起14のクローラ周方向の根元部に隣接配置されている。また、窪み部126は、底部126Bがクローラ外周側に円弧状に湾曲している。このように底部126Bを円弧状に湾曲させることで、窪み部126の底部126Bへの局所的な応力集中を抑制することができる。
 また、第2実施形態のゴムクローラ30、及び第3実施形態のゴムクローラ40に、第4実施形態の窪み部122の構成を適用してもよい。
(第5実施形態)
 次に、本発明に係る第5実施形態のゴムクローラについて図15~図17を参照しながら説明する。なお、第4実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
 図15、図16に示すように、本実施形態のゴムクローラ130は、窪み部及び周方向溝の構成以外は、第4実施形態のゴムクローラ110と同一の構成である。このため、以下では、窪み部132及び周方向溝134の構成について説明する。
 図15、図16に示すように、窪み部132は、互いに隣り合うゴム突起14間からクローラ幅方向外側へ延出し、かつ互いに隣り合うゴム突起14間に亘って形成されている。また、窪み部132は、底部132Bに向かって窪み壁132Cが円弧状に湾曲している。これにより、窪み部132の底部132Bと窪み壁132Cとの間に局所的に応力が集中するのを抑制することができる。
 ゴムベルト12の内周面12Sのゴム突起14を挟んでクローラ幅方向両外側には、ゴム突起14の根元に隣接してクローラ周方向に沿って直線状に延びる周方向溝134が形成されている。この周方向溝134により、クローラ周方向に互いに隣り合う窪み部132のクローラ幅方向の端部132A側同士が連結されている。
 図15、図17に示すように、周方向溝134の溝深さは、窪み部132の深さよりも浅くなっている。
 次に、第5実施形態のゴムクローラ130の作用効果について説明する。なお、本実施形態の作用効果のうち、第4実施形態と同様の作用効果は、その説明を適宜省略する。
 ゴムクローラ130では、ゴムベルト12の内周面12Sのゴム突起14の根元に隣接してクローラ周方向に延びる周方向溝134を形成し、この周方向溝134でクローラ周方向に互いに隣り合う窪み部132のクローラ幅方向の端部132A側同士を連結していることから、例えば、地面上の突起物(石など)や路面上の縁石などに、ゴムベルト12の端部側(クローラ幅方向の端部側)が乗り上げて、片側端部が持ち上げられた状態となった場合に、周方向溝134が変形(溝幅が狭まるように弾性変形)して、ゴム突起14とゴムベルト12との境界部分に過度な曲げ応力(クローラ幅方向の曲げ応力)が作用するのを抑制することができる。
 また、ゴムベルト12に周方向溝134を形成することで、ゴムベルト12が駆動輪100及び遊動輪102に巻き掛かるときの巻き掛け抵抗も低減することができる。
 さらに、ゴムクローラ130では、ゴム突起14が車輪からクローラ幅方向の力(車輪のスラスト力)を受けても、ゴム突起14の根元に隣接して周方向溝134を形成していることから、ゴム突起14とゴムベルト12との境界に過度な応力が作用するのを抑制することができる。
 第5実施形態では、周方向溝134をクローラ周方向に沿って直線状に延ばす構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、クローラ周方向に互いに隣り合う窪み部132同士を連結することができれば、周方向溝134はクローラ周方向に波形状(サイン波、方形波なども含む)に延びてもよく、ジグザグ状に延びてもよい。
 また、第5実施形態の周方向溝134の構成を用いて、クローラ周方向に互いに隣り合う第1変形例の窪み部124同士を連結してもよく、クローラ周方向に互いに隣り合う第2変形例の窪み部126同士を連結してもよい。
 また、第2実施形態のゴムクローラ30、及び第3実施形態のゴムクローラ40に、第5実施形態の窪み部132及び周方向溝134の構成を適用してもよい。
 第1~第5実施形態では、駆動輪100のピン部(不図示)がゴム突起14に係合してクローラ車からの駆動力をゴムクローラに伝達する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、駆動輪100にピン部を設けずに、駆動輪100の外周面100Bとゴムクローラの内周面(車輪転動面16)との間の摩擦力でクローラ車からの駆動力をゴムクローラに伝達する構成としてもよい。
 以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
(試験例)
 本発明の効果を確かめるために、本発明に含まれる実施例のゴムクローラと、本発明に含まれない比較例のゴムクローラとを以下のように試験した。試験には、同じサイズの供試クローラを用いた。
<供試ゴムクローラ>
 ・実施例:第1実施形態と同じ構造のゴムクローラである。
 ・比較例:第1実施形態のゴムクローラと同じ構造であるが、ゴム突起を形成するゴムと、ゴム突起間を形成するゴムとが同じ硬度であり、且つゴム突起間を形成するゴムにノボラック型フェノール樹脂及びヘキサメチレンテトラミンが含有されていない。
<試験方法>
 供試ゴムクローラを実験装置の駆動輪及び従動輪に巻き掛け、所定の張力を付与し、駆動輪と従動輪との間の部分に従動回転するローラを押し付けて逆曲げを再現した状態でゴム突起間の内周面を形成するゴムに亀裂が生じるまで、供試ゴムクローラを駆動輪及び従動輪の間で循環させた。試験結果については、表1に示す。なお、表1中の亀裂発生までの走行距離(回転数)については、比較例を100とした指数表示とし、数値が大きいほど良好な結果を表す。また、表1中のノボラック型フェノール樹脂の配合量は、ゴム成分100質量部に対する値であり、ヘキサメチレンテトラミンの配合量は、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対する値である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1から分かるように、本発明に含まれる実施例のゴムクローラは、比較例のゴムクローラと比べて、繰り返し逆曲げされた場合に、ゴム突起間に対応する部位の内周面を形成するゴムに亀裂が発生するまでの走行距離が向上している。すなわち、実施例のゴムクローラは、ゴム突起間に対応する部位の内周面を形成するゴムに過度な引張応力が作用するのが抑制されていることが分かる。

Claims (11)

  1.  複数の車輪に巻き掛けられる無端状のゴム体と、
     前記ゴム体に該ゴム体周方向に間をあけて複数設けられ、前記ゴム体の内周側に突出し、前記車輪と当接して該車輪の前記ゴム体幅方向への移動を制限するゴム突起と、
     前記ゴム体の内周面の一部を構成し、互いに隣り合う前記ゴム突起間に配置され、前記ゴム突起よりも低硬度のゴムにより形成された低硬度ゴム部と、
     を有するゴムクローラ。
  2.  前記低硬度ゴム部は、前記ゴム体周方向に連続して延び、
     前記ゴム突起は、前記低硬度ゴム部上に設けられている、請求項1に記載のゴムクローラ。
  3.  前記ゴム体は、前記低硬度ゴム部の前記ゴム体幅方向外側の部位が前記低硬度ゴム部よりも低硬度のゴムにより形成されている、請求項1または請求項2に記載のゴムクローラ。
  4.  前記低硬度ゴム部を形成するゴムには、ノボラック型フェノール樹脂、及び前記ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤が含有されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のゴムクローラ。
  5.  前記ノボラック型フェノール樹脂の硬化剤は、ヘキサメチレンテトラミンである、請求項4に記載のゴムクローラ。
  6.  前記内周面の互いに隣り合う前記ゴム突起間に形成され、前記ゴム体の外周側に窪む窪み部、を有する請求項1~5のいずれか1項に記載のゴムクローラ。
  7.  前記窪み部は、前記ゴム体幅方向に沿って延びている請求項6に記載のゴムクローラ。
  8.  前記窪み部は、互いに隣り合う前記ゴム突起間に亘って形成されている、請求項6または請求項7に記載のゴムクローラ。
  9.  前記窪み部は、互いに隣り合う前記ゴム突起間から前記ゴム体幅方向外側へ延出している請求項6~8のいずれか1項に記載のゴムクローラ。
  10.  前記内周面の前記ゴム突起を挟んで前記ゴム体幅方向両側に前記ゴム突起の根元に隣接して形成され、前記ゴム体周方向に延び、前記ゴム体周方向に互いに隣り合う前記窪み部の前記ゴム体幅方向の端部側同士を連結する周方向溝、を有する請求項7または請求項9に記載のゴムクローラ。
  11.  前記窪み部は、底部が前記ゴム体外周側に向かって円弧状に湾曲している請求項6~10のいずれか1項に記載のゴムクローラ。
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