JP2002542476A - 容量性変位エンコーダ - Google Patents

容量性変位エンコーダ

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JP2002542476A JP2000612706A JP2000612706A JP2002542476A JP 2002542476 A JP2002542476 A JP 2002542476A JP 2000612706 A JP2000612706 A JP 2000612706A JP 2000612706 A JP2000612706 A JP 2000612706A JP 2002542476 A JP2002542476 A JP 2002542476A
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ネッツァー,イシェイ
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ネッツァー プレシジョン モーション センサーズ リミティド
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Abstract

(57)【要約】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性移動量エンコーダ140は、静止体に結合された少なくとも1つの静止素子141と、静止素子の近傍において移動体に結合された移動素子148とを含む。電界送信手段142が静電界を発生させ、この静電界は、両素子の相対移動に伴って両素子間に現れるキャパシタンス変化によって変調される。導電性シールド154は移動体からも静止体からも電気的に絶縁され、移動素子および静止素子を封入することによって両素子を外部の電気的干渉から保護する。処理回路138が変調された静電界を感知し、これに呼応して移動体の位置測定量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の分野] 本発明は、一般的に言うと位置センサに関するものであり、特定して言うと回
転または線形位置の容量性エンコーダに関するものである。 [発明の背景] 回転角度および線形(linear)変位の測定は、各種の分野において位置、速度
および加速の制御に広く使用されている。この目的に使用される非接触センサは
、DDC ILC Data Device Corp.(ニューヨーク州、ボヘミア、1994年)によって
出版されたシンクロ/レゾルバ変換ハンドブック(Synchro/Resolver Conversion
Handbook)第4版の第1章において一般的に説明されており、これは参照により
本文書に組込まれる。
【0002】 市販の非接触フル回転トランスデューサ(一般に回転角度エンコーダとして知
られている)は、ほとんどがオプティカル・シャフト・エンコーダか電磁レゾル
バである。どちらのタイプのトランスデューサも技術上周知である。これらのタ
イプのトランスデューサは、自身のシャフトおよびベアリングを含む統合装置と
してもホスト・シャフトに据付けられるモジュラー装置としても販売されている
【0003】 オプティカル・エンコーダは、バイナリ・レベル出力信号を与えるものであり
、絶対タイプと増分タイプに分けることができる。後者のタイプのエンコーダは
、以下の欠点があるにもかかわらず平面構造であり低コストなので、より人気が
高い。
【0004】 ・相対位置しか測定されない。
【0005】 ・この種のエンコーダは機械的組立ておよび据付け誤差に対して敏感である ・この種のエンコーダの構成は機械的耐久性が限られている。 絶対オプティカル・エンコーダは、より高価で、より嵩が大きく、通常非モジュ
ラー式である。最近、バイナリ・レベル出力ではなく、解像度を強化するために
補間できる正弦波出力を与える修正された絶対エンコーダが導入された。
【0006】 上記のSynchro/Resolver Conversion Handbookにおいて詳細に説明されている
電磁レゾルバは、巻線誘導コンポーネントである。電磁レゾルバは比較的嵩が大
きく高価であるが、非常に耐久性がある。シングルポールペア・レゾルバはsin
θおよびcosθに比例する2つの出力電圧を持つ。ここで、θは回転角度である。
マルチポールペア・レゾルバは、sin(nθ)およびcos(nθ)に比例する出力電圧を
持つ。ここで、nはポールペアの数である。マルチポールペア・レゾルバの解像
度および確度は高いが、出力信号はフル回転以上についてはっきりと回転角度を
定義しない。
【0007】 二速式レゾルバは、シングルポールペア・レゾルバとマルチポールペア・レゾ
ルバを同一のシャフト上に結合したものに等しい。このレゾルバは、粗チャネル
および微細チャネルと呼ばれる2対の出力電圧を同時に与える。両方のチャネル
を処理することにより、正確で明白な読取り値が得られる。しかし、この種のレ
ゾルバは、そのシングルポールペアまたはマルチポールペアの同等品に比べてさ
らに嵩張って、高価である。
【0008】 線形オプティカル・エンコーダは、増分回転エンコーダと同様、ルーラ(定規
)に対して相対的に移動し出力パルスを発生する読取りヘッドを含む増分デジタ
ル装置である。磁気原理に基づく線形エンコーダがいくつかあるが、現在、高確
度でストロークの長い線形エンコーダは、ほとんどオプティカル・タイプである
。独立コンポーネントとして市販される容量性線形エンコーダはないが、線形容
量性エンコーダは、デジタル・カリパス(測径両脚器)において広く使用されて
いる。
【0009】 本特許出願およびクレームにおいて、「エンコーダ」という用語は、静止素子
と移動素子の間の相互作用が反復的パターンに基づいており、バイナリ信号また
は連続出力信号を発する変位トランスデューサを指す。「移動素子」および「回
転子」という用語は、「静止素子」および「固定子」と同様、回転エンコーダに
関して交換可能に使用される。同様に、「読取りヘッド」および「ルーラ」はそ
れぞれ線形エンコーダの移動素子および静止素子を指す。
【0010】 開発から長い時間を経ても、オプティカル・シャフト・エンコーダも電磁レゾ
ルバも下記の好ましい特徴を全ては兼ね備えていない。
【0011】 ・高確度および高解像度の絶対読取り値 ・単純な構成で凹凸の少ないパッケージ ・低製造コスト [容量性回転角度エンコーダの基本概念] 容量性フル回転絶対角度エンコーダ(CFRAAE)は、回転子と固定子の間の容量
相互作用に基づいて回転角度を出力信号に変換する。このエンコーダは、多速レ
ゾルバだけでなく、シングルポールまたはマルチポール電磁レゾルバすなわち1
回転に付き1回または複数回反復する出力信号を持つレゾルバをエミュレートす
るように構成することができる。
【0012】 CFRAAEは、特許文献において説明されるとおり、オプティカル・エンコーダお
よび誘導エンコーダに比べて大きな利点があることが期待される。しかし、CFRA
AE装置は、以下のような多様な障害があり、その全てが十分に特定、評価または
解決されているわけではないので、市場にはまったくない。
【0013】 ・正確なCFRAAEの動作には、寄生キャパシタンスおよび外部干渉が存在すると
き1フェムト・ファラド(10-15ファラド)以下のキャパシタンスの区別を必要と
する。従って、外部干渉に対する遮蔽は非常に重要である。
【0014】 ・CFRAAEは、コスト高で、非常に正確で安定した電子コンポーネントを必要と
するものと仮定されてきた。例えば、ドイツ特許出願 DE 42 15 702号は、キャ
パシタンスがレーザー・トリミングによって個別に修正される容量性角度エンコ
ーダについて説明している。
【0015】 ・特許文献において説明されるCFRAAEにおいては、複雑な信号条件付けが必要
とされる。このような状況に使用される信号処理システムは、例えば、参照によ
り本文書に組込まれるドイツ特許出願 DE 36 37 529号および対応する米国特許
第4,851,835号において説明されている。
【0016】 ・各種の既知のエンコーダ・タイプの体系的分類および分析が欠けていた。従
って、新規の構成および改良の可能性が発見されていない。
【0017】 従って、この分野においては、CFRAAEは商業的に実現可能ではないのではない
かという意見が支配的であった。限定回転(実質的に360°未満)の容量性トラ
ンスデューサのみが、ホスト・システムトランスデューサが統合されている限定
された用途においてのみ主にオプティカル・ミラー・スキャナにおいて実用化さ
れている。典型的な限定回転トランスデューサについては、参照により本文書に
組込まれる米国特許第3,312,892号、3,732,553号、3,668,672号、5,099,386号お
よび4,864,295号において説明されている。
【0018】 (デジタルまたはパルス・カウンティング・トランスデューサと異なり)電磁
レゾルバ・トランスデューサなどアナログフル回転トランスデューサは、一般に
、回転角度の正弦および余弦に比例する2つの直交出力信号を発する。誘導結合
と異なり容量結合は常に正なので、一般的に言って容量性トランスデューサにお
いてバイポーラ出力を得るための唯一の方法は、2つの変位依存キャパシタンス
の間の差異を測定することである。
【0019】 図1は、この原理を説明する典型的な概略回路図である(これは容量性線形変
位トランスデューサにも適用できる)。2つの相補的励起電圧QおよびQ’が、そ
れぞれ静止送信機・プレート41および42に加えられる。移動受信機・プレート40
は、両方の送信機・プレートに容量結合され、技術上既知のとおり電荷増幅器43
に接続される。電荷増幅器43の出力電圧は、受信機・プレート40と送信機・プレ
ート41および42の間のそれぞれのキャパシタンスC1およびC2の差に比例する。増
幅器43の出力は処理されて微分キャパシタンスC1-C2の振幅および極性を示し、
これから、プレート41および42に対して相対的なプレート40の位置が導出される
【0020】 電磁レゾルバとの類似により、CFRAAEは、シングルポール構成およびマルチポ
ール構成の両方で作ることができる。参照により本文書に組込まれる米国特許第
5,598,153号は、典型的なシングルポールCFRAAEについて説明している。フラン
ス特許出願第77 29354号は、回転子と固定子の間の重なりが1回転ごとに6回変動
するマルチポール・エンコーダについて説明している。上記の米国特許第4,851,
835号は、単一の回転子が粗信号および精密信号の両方を発するエンコーダにつ
いて説明している。
【0021】 関連特許文献においては、可変的キャパシタンスを出力信号に変換するための
各種の方法が説明されている。これらの方法は下記の2つの系列に分けることが
できる。
【0022】 1. その周波数またはデューティ・サイクルを変動することにより応答する発
振器回路に可変キャパシタンスを組込む。この種の方法は、例えば欧州特許出願
第 0 459 118 A1号、ドイツ特許出願第 DE 33 28 421号およびElektronpraxis(
1989年3月)において発表されたArnoldおよびHeddergott著の“Kapacitives Sen
sorprinzip zur Absoluten Drehwinkelmessung”(絶対回転角度測定のための容
量性センサの原理)と題する論文において説明されている。
【0023】 2. エンコーダにおける角度依存キャパシタンスの関数である少なくとも1つ
のACまたはDC出力信号を得るためのAC励起源を組込む。フル回転をカバーしよう
とすると,この種の出力が2つ必要とされる。例えば、参照により本文書に組込ま
れる米国特許第4,092,579号は、1つの励起電圧源およびそれぞれ回転角度の正弦
および余弦に比例する2つの出力電圧信号を有する容量性レゾルバについて説明
している。同じく参照により本文書に組込まれる米国特許第4,429,307号は、相
対する極の2つの励起電圧が使用される点を除いて同様の回路配列を有する容量
性エンコーダについて説明している。
【0024】 例えば、欧州特許出願第 0 226 716号、ドイツ特許出願第 DE 36 37 529号お
よびIEEE Transactions on Instrumentation and Measuremet,45:2(1996年4月
)p.516−520において発表されたXiujun Liその他による“An Accurate Low-Cos
t Capacitive Absolute Angular-Position Sensor with A Full-Circle Range”
(全円範囲の正確で低コストの容量性絶対角度位置センサ)と題する論文におい
て、同様の方法が説明されている。
【0025】 AC励起を土台とするこの種のCFRAAEの確度は、励起電圧の質に依存する。励起
信号が高い調和純度を持たず、振幅が等しくない程の不正確さであったり、正確
な90°相対移相から逸脱するほどになったりする場合がある。これに伴う支障は
、上記のドイツ特許出願第 DE 36 37 529号において図3に示される通り回路の複
雑さで克服できる。解決法には、欧州特許出願第 0 226 716号において提案され
るアナログ正弦波電圧の複雑なデジタル・エミュレーション、または上記のLiそ
の他による論文に示される正確で安定したアナログ回路素子の採用が含まれる。
【0026】 ドイツ特許出願 DE 37 11 062号も、AC方形波励起を使用する容量性位置測定
装置について説明している。回転角度は、方形波励起電圧と回転子の回転に伴っ
て変動するキャパシタンスの相互作用から生じる段階的信号のタイム・サンプリ
ングに基づいて計算される(前記の出願の図2-dに示される通り)。この離散サ
ンプリングの欠点は、入力電圧のサンプリングがサンプリング時とサンプリング
時の間の値を無視し雑音を発する傾向があるので、信号雑音比(SNR)が劣るこ
とである。 [容量性エンコーダのタイプ] エンコーダにおいて要求される送信、回転依存の変調および静電界の感知が得
られるようにCFRAAEの回転子および固定子素子を電気的に接続するための各種の
方法は、技術上既知である。例えば、参照により本文書に組込まれる米国特許第
3,873,916号および4,404,560号は、図1の一般的電気構成を有する。この構成に
おいて、送信プレート41および42は固定子を表し、受信プレート40は回転子を表
す。この構成は、回転子を処理用素子機器に電気接続しなければならないという
問題がある。自由回転を可能にするために、摩擦および非信頼性という既知の不
利点を持つスリップ・リングを、電気接続を行うために使用しなければならない
【0027】 他のエンコーダ・タイプでは、静電界送信機および受信機の両方が1つまたは
それ以上の固定子素子上に配置される。例えば、参照により本文書に組込まれる
米国特許第5,099,386号は、送信固定子および受信固定子の間の誘電パターン化
非導電性回転子を有するエンコーダについて説明している。従って、回転子に電
気接続する必要はないが、回転角度は限定される。
【0028】 参照により本文書に組込まれる米国特許第3,668,672号および3,732,553号は、
回転子がパターン化導電性コーティングを有する点を除いて全般的に米国特許第
5,099,386号と同様の構成のCFRAAEについて説明している。このコーティングは
電気的に接地されており、固定子素子間の測定キャパシタンスを選択的に変動さ
せる電気遮蔽として作用する。これまでに回転子を接地するための様々な方法が
提案されている。例えば、米国特許第3,668,672号の図10は、このために使用さ
れるスリップ・リングを示している。この方法は、摩擦、信頼性の低さ、および
高コストという不利点を有する。米国特許第3,732,553号は、回転子が固定され
るシャフトを通じて接地されたエンコーダ・ハウジングと回転子の間を接触させ
ることにより回転子を接地するが、この接触も、下でさらに説明するとおり問題
を生じる可能性がある。
【0029】 欧州特許出願第0 459 118号は、(その図2において)、回転子を接地するために
使用されるコンタクトチップを示している。この方法は、上に述べた米国特許と
同様の欠点を持つ。同様に、接地された回転子は、上記のLiその他による論文お
よびSensors and Actuators A.25-27(1991年)、p.835−843において発表され
たWolffenbuttelおよびVan Kampenによる“An Integrable Capacitive Angular
Displacemnet Sensor with Improved Linearity”(改良された線形性を有する
統合可能な容量性角度変位センサ)と題する論文において説明される容量性エン
コーダにおいて使用されている。
【0030】 CFRAAEの別のタイプは、回転子の両側に導電性コーティングを有し、これが相
互に電気接続されているが、その他の点では浮遊している。少なくとも一方のコ
ーティングがパターン化される場合、回転子は固定子上の送信機・プレートと受
信機・プレートの間の角度依存結合ブリッジとして作用する。このタイプのエン
コーダについては、参照により本文書に組込まれる米国特許第3,845,377号、3,3
12,892号、4,092,579号、4,851,835号、4,238,781号および4,788,546号において
、またドイツ特許出願第 DE 42 15 702号において説明されている。米国特許第4
,851,835号においては、マルチポール回転子パターンの片側が複数の個別の素子
に分離される。
【0031】 参照により本文書に組込まれる米国特許第3,961,318号および4,429,307号にお
いて説明されるもう1つの「フォールドバック」構成においては、送信機・プレ
ートおよび受信機・プレートは、回転子の片側において単一固定子の共通の静止
基板上に配置され、回転子上の導電性パターンによって結合される。その代わり
に、このタイプのエンコーダの対称形バージョンにおいては、各々自身の送信機
・プレートおよび受信機・プレートを有する2つの固定子素子が回転子の両側に
配置される。このタイプのCFRAAEについては、参照により本文書に組込まれる米
国特許第4,788,546号、およびドイツ特許出願第DE 37 11 062号および英国特許
出願第GB 2 176 013号において説明されている。 [容量性線形変位エンコーダ] 容量性線形変位エンコーダ(CLDE)も、技術上既知であるが、CFRAAE文献にお
いて示唆される可能なトポロジーの一部しか使用していない。例えば、参照によ
り本文書に組込まれる米国特許第4,429,307号は、2つの相補的励起電圧によって
励起される2つの正弦波導電性パターンを含むヘッドを有するCLDEについて説明
している。電圧は、ルーラにおいて発生され、結合ストリップまたは送信機・プ
レートを通じてヘッドに容量結合される。ヘッド上のパターンは戻ってルーラ上
の正弦および余弦受信機・プレートに結合する。従って、この可動ヘッドは、ル
ーラに容量結合され、電気配線を必要としない。この特許においては、受信機・
プレートが外部干渉からどのように保護されるか、また結合ストリップから受信
機・プレートへの直接結合がどのように排除されるかについての言及がない。ま
た、正弦および余弦チャネルの利得は、そのそれぞれの結合ストリップの空隙に
依存するので、空隙間に差があると相対的利得に影響を及ぼす。従って、確度は
ヘッドとルーラの間の傾斜に敏感に反応するので、非常に安定した正確な電子コ
ンポーネントを必要とする。
【0032】 参照により本文書に組込まれる米国特許第3,961,318号は、タイプ5 CLDEの2つ
の異なるバージョンについて説明している。第一のバージョンにおいては、ルー
ラは電気配線されず、ヘッドに容量結合され、ヘッドは励起源および受信機の両
方を含む。ルーラ電極は、いくつのもルーラを電気的に相互接続することなく突
き合わせて、測定範囲を拡大するように、区分して相互に絶縁することができる
。第二のバージョンは、上記の米国特許第4,429,307号に示されるのと同様であ
る。前記の特許の場合と同様、正弦および余弦信号の比は、傾斜およびコンポー
ネントの許容差の両方に対して敏感に反応し、隣接する送信機・プレートと受信
機・プレートの間の寄生容量結合の問題または外部干渉に対する保護の問題につ
いて何の答えも示されない。
【0033】 参照により本文書に組込まれる米国特許第4,586,260号は、容量性線形エンコ
ーダを採用するデジタル・バーニア・カリパスについて説明している。このエン
コーダについては、Larry K.Baxter著Capacitive Sensors(容量性センサ)(IE
EE Press、1997年)の第18章においてさらに説明されている。2つの相補的方形
波によって励起が与えられ、ヘッドは正弦部分および余弦部分に分割されて、各
自が自身の受信機・プレートおよび増幅器を含む。ルーラは配線されない。この
CLDEの欠点は下記のとおりである。
【0034】 1. 空間的および電子的に分離された信号チャネルが2つあるので、その利得
整合がヘッドの傾斜および電子コンポーネントの許容差および温度安定性に対し
て敏感である。
【0035】 2. ルーラ・パターンは正弦波でなく矩形波である。その結果生じるパターン
の空間高調波は、空隙によってかなり縮小されるが、補間によって得られる確度
を制限する。
【0036】 3. 個別のルーラ素子の間に運動の方向に直交しさらに空間高調波を付加する
ギャップがある。
【0037】 技術上既知の高確度のCLDE装置は、増分式である。すなわち、絶対的でなく相
対的な変位読取り値を示す。一方、参照により本文書に組込まれる米国特許第3,
312,892号は、三角の静止プレートと方形の可動プレートの間の重なりに基づく
容量性変位トランスデューサについて説明している。この構成は、絶対的な、し
かし基本的に「粗い」エンコーダを構成する。 [発明の概要] 容量性位置感知のための改良された装置および方法を提供することが、本発明
の目的である。
【0038】 改良された容量性回転角度エンコーダおよび特にフル回転絶対角度エンコーダ
を提供することが、本発明の一部の形態の目的である。
【0039】 改良された容量性線形変位エンコーダを提供することが、本発明の他の形態の
目的である。
【0040】 コンパクトな内蔵式容量性位置エンコーダを提供することが、本発明の一部の
形態のさらなる目的である。
【0041】 確度を改良し外部干渉および環境条件への感度を縮小したエンコーダを提供す
ることが、本発明の一部の形態のさらなる目的である。
【0042】 本発明の好ましい実施形態において、静止物体に対して相対的な移動物体の位
置を感知するための容量性移動量エンコーダは、静止物体に結合される少なくと
も1つの静止素子、および移動物体に結合される移動素子を含む。周期的(時変
調された)静電界は、送信機・プレートによって伝送される。送信機・プレート
は静止素子上にあることが好ましいが、その代わりに移動素子上にあってもよい
。素子の一方一般に移動素子上にある電気的に能動的なパターンは、移動物体の
移動に応答して時変調される静電界の包絡線を変調する。パターン化誘電体移動
素子を作る方法を使用することもできるが、パターンは、素子にメッキされる導
電性材料から成ることが好ましい。本特許およびクレームにおいて使用される場
合「電気的に能動的」とは、上記のようなどのパターンでも意味することができ
る。処理回路構成は、変調された静電界を感知し、包絡線変調を解析して、移動
物体の位置の測定量を決定する。
【0043】 移動素子および静止素子は、実質的に導電性遮蔽によって囲まれており、導電
性遮蔽は、移動物体および静止物体の両方から電気的にデカップリングされ、移
動素子および静止素子を電気的干渉から遮蔽する。発明者は、技術上既知の容量
性位置センサと対比して、遮蔽をエンコーダの周りの他の物体と分離することが
、外部干渉および静電界を発生しエンコーダを作動するために与えられる励起電
圧への寄生結合に対してエンコーダにおける固有の低い信号レベルを守る優れた
保護となることを発見した。導電性遮蔽は移動素子および静止素子だけでなく処
理回路構成も囲うことが好ましい。
【0044】 本発明の一部の好ましい実施形態においては、エンコーダは、回転角度エンコ
ーダを備え、フル回転絶対角度エンコーダを備えることが好ましい。この実施形
態においては、移動素子は回転子を備え、移動物体は回転シャフトを備え、少な
くとも1つの静止素子は1つまたはそれ以上の固定子を備え、処理回路構成は、シ
ャフトの回転位置の測定量を決定する。電気干渉の遮蔽への漏出を防止するよう
に、遮蔽および回転子は、回転子がシャフトに取り付けられる領域において迷路
構成を有することが好ましい。
【0045】 本発明の他の好ましい実施形態においては、エンコーダは線形変位エンコーダ
を備える。この実施形態においては、静止素子は線形ルーラを備えることが好ま
しい。実際にはこれを遮蔽で囲むには長すぎる場合がある。その場合には、遮蔽
は、移動素子およびある所与の時点で移動部分で被れた静止素子の部分を囲むこ
とが好ましい。
【0046】 本発明の一部の好ましい実施形態においては、回転シャフトの位置を感知する
ための容量性回転角度エンコーダは、送信機および受信機を、一般には1つまた
はそれ以上の固定子上の送信プレートおよび受信プレートの形で、備える。送信
機は、シャフトの周りに配置される複数のセグメントによって構成され、その各
々が共通周波数で、しかし他のセグメントとは異なる予め決められた位相を有す
る周期的静電界を発生する。回転子上の1つまたはそれ以上の極の各々に4つのセ
グメントが使用されることが好ましい。送信機のセグメントは、相互に直交する
AC電圧で励起される。その結果生じる電界は、回転子の回転によって変調され、
変調された電界は受信機によって受信される。
【0047】 エンコーダに合体される処理回路構成は、2つの同期ディテクタ回路を備え、
このディテクタ回路は、回転角度の正弦および余弦を示す出力を生成するように
、2つのそれぞれの送信機励起源からの周期的入力を受信し、発生する電界と同
期して受信機からの信号を処理する。ディテクタ回路の前に単一の電荷増幅器が
あり、これを通じて、送信機・セグメント全てから派生する信号が処理のために
受信されることが好ましい。このような位相/直交励起(PQE)および同期検出に
よって、一般に全同期検出ではなく信号サンプリングを使用するまたは本発明の
単一の電荷増幅器ではなく複数の信号処理チャネルを採用する技術上既知のエン
コーダより、正確に、優れた信号雑音比で、成分値偏差に対して低い感度で、回
転子の角度を決定することが可能になる。従って、高安定性も、精密回路構成も
コンポーネント・トリミングも必要ない。その結果できる単純な回路構成を回転
子および固定子と一緒にパッケージし、導電性遮蔽内部で保護できて、都合がよ
い。
【0048】 その代わりに、エンコーダは、ユニタリー・送信機および区分された受信機・
プレートを備え、上述のとおり正弦および余弦信号を出力する。この種の好まし
い実施形態の1つにおいては、エンコーダは、さらに、エンコーダが都合よく誘
導レゾルバの代わりとなれるように、DC電圧をディテクタ回路に与えるようにエ
ンコーダへのAC入力を整流する整流器を備える。
【0049】 本発明の他の好ましい実施形態においては、同様の利点を容量性線形エンコー
ダに与えるために位相/直交励起の原理が応用される。
【0050】 本発明の一部の好ましい実施形態においては、エンコーダは多速エンコーダを
備え、このエンコーダにおいて、電気的に能動的なパターンは、円滑に変動する
粗いおよび精密の周期的な電気的に能動的パターンであり、パターンは正弦波形
であることが好ましい。粗パターンおよび精密パターンは、パターンが形成され
る素子上の位置の関数としてそれぞれ低空間周波数および高空間周波数を有する
。移動素子が移動するとき、パターンは低空間周波数および高空間周波数に従っ
て静電界の包絡線を変調する。処理回路構成は、変調を感知して、移動物体の位
置の粗解像度および精密解像度測定量を決定する。処理回路構成の復調された出
力は、技術上既知の多速エンコーダと異なり、パターンの変動が円滑なので、非
常に正確である。粗測定量は回転位置または線形位置の絶対測定量であることが
好ましい。
【0051】 これらの好ましい実施形態の1つにおいて、移動素子は、さらに、その上に、
高周波数と低周波数の間の空間周波数を有する中間の電気的に能動的なパターン
を有する。処理回路構成は、中間パターンに対応する電界の変調も感知して、粗
測定量および精密測定量の中間の解像度で移動物体の位置の測定量を決定する。
【0052】 これらの多速実施形態の一部においては、粗パターンは、固定子に対して相対
的な回転子の傾斜による電界の変調において生じる変動を縮小するように、移動
素子の表面全体に配分される複数のセグメントに分割される。この目的のための
パターンの区分化は、本発明の単速実施形態においても応用できる。
【0053】 エンコーダが粗パターンおよび精密パターンを備える本発明の一部の好ましい
実施形態においては、静電界が2つのパターンよって交互に変調されるように、
処理回路構成は静電界を切り替える。従って、この回路構成は、移動物体の位置
の粗測定量および精密測定量を交互に決定する。切替えは、静止素子の異なる送
信領域を交互に励起することによって実施されることが好ましい。このような領
域間の切替えにより、信号処理回路における重複なしに、単一の静止素子および
単一の移動素子、一般には単一の固定子および単一の回転子を使用して、粗測定
および精密測定の両方を行うことができる。
【0054】 本発明の他の好ましい実施形態においては、容量性回転角度エンコーダの回転
子は電気的に能動的なパターンを有し、このパターンが予め決められた角度周波
数でシャフトの周りで複数回反復し、偏心など回転非対称性を特徴とする(すな
わち、このパターンは非軸対称である)。処理回路構成は、パターンによる静電
界の変調を感知して回転角度の精密測定量を決定し、偏心による変調も感知して
シャフトの回転角度の粗測定量を決定する。従って、前の好ましい実施形態の場
合のように、別個の粗パターンおよび検出チャネルの必要がないので、エンコー
ダの中央の穴−中空シャフト・エンコーダの場合−を比較的大きくして、より大
きなサイズのシャフトを収めることができる。
【0055】 本発明の一部の好ましい実施形態においては、移動素子は、電気的に能動的な
複数のセグメントを備え、これらのセグメントはモイスチャ・フィルム効果を排
除するために基板において空間によって相互に分離される。セグメントは、電気
的絶縁されてもされなくてもよい。移動素子は回転子を備え、電気的に能動的な
セグメントがシャフトの周りで半径方向外向きに突き出ることが好ましい。電気
的および機械的に分離されたセグメントの使用は、傾斜に対するエンコーダの感
度を縮小すると共に、水分蓄積が読取り値に影響を及ぼすのを防ぐ。技術上既知
の一部の容量性エンコーダは三次元の電気的に能動的なパターンを使用するが、
どれも本発明の方式には適用されていない。
【0056】 本発明の一部の好ましい実施形態においては、移動素子を通じて静電界が伝送
されるように、第一および第二の静止素子は移動素子の相対する側に配置される
。電位安定化回路は、第一の静止素子でAC電位を感知し第二の静止素子に相対す
る電位を与えることにより、移動素子を定常の仮想接地電位に維持する。移動素
子との物理的または電気的な接触は必要ない。移動素子を接地することは、ある
種のエンコーダにおいて有利であることが技術上既知である。しかし、本発明と
異なり、先行技術のこのタイプのエンコーダは、移動素子を接地するために例え
ばスリップ・リングを使って移動素子と接触する必要がある。
【0057】 本発明の一部の好ましい実施形態においては、エンコーダは、線形変位エンコ
ーダを備え、このエンコーダにおいて、静止素子はルーラを備え、移動素子はこ
のルーラに沿って走行する読取りヘッドを備える。この種の好ましい実施形態の
一部においては、送信機・プレートおよび受信機・プレートはヘッドに配置され
、これらのプレートと相互作用する電気的に能動的なパターンはルーラ上にある
。他の実施形態においては、送信機・プレートはルーラ上にあり、受信機・プレ
ートはヘッド上にある。
【0058】 これらの好ましい実施形態の一部においては、ルーラは可撓性プリント回路材
料を備え、静止物体の表面に沿って、例えばエンコーダを使って制御される機械
上にこれが固定される。この表面は、平面でも曲面でもよい。この種の好ましい
実施形態の1つにおいては、静止物体は一般的に円筒形であり、エンコーダは円
筒の軸を中心とする角度を測定するために使用される。
【0059】 ルーラ上またはヘッド上のパターンは、技術上既知の容量性線形エンコーダと
比較して、特に読取りヘッドとルーラの間の整合、角度および間隔の変化に対す
る免疫(immunity)並びに外部干渉および湿気に対する免疫の点で、測定の安定
性および確度が改良されるよう設計されることが好ましい。パターンは、傾斜感
度を縮小するように、上下方向にも左右方向にもヘッドとルーラの相対的傾斜に
関して対称的であることが好ましい。特にパターンがルーラ上にある実施形態に
おいては、パターンによる干渉の読取りヘッドへの結合を防ぐために、パターン
はギャップによって間欠的であることがさらに好ましい。位相/直交励起は、送
信機・プレートに加えられ、単一の受信プレートおよびこれに合体される増幅器
の出力は、上述のとおり同期検出を使って処理されることが好ましい。
【0060】 本発明の一部の好ましい実施形態においては、容量性線形変位エンコーダは絶
対位置測定量を示す。測定は、読取りヘッドまたはルーラ上の精密パターンおよ
び粗パターンを交互に感知することにより行われることが好ましい。その代わり
に、またはそれに加えて、1つのインデックス(指標)がルーラの一端に配備さ
れ、その後の増分測定のための絶対基準位置を示すためにこのインデックスを使
って読取りヘッドのインデックス位置が感知される。同様に、本発明の好ましい
実施形態に従って回転角度エンコーダにインデックスを配備することができる。
【0061】 従って、本発明の好ましい実施形態に従って、以下のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性移動量エンコーダが提供
される。このエンコーダは、 静止物体に結合される少なくとも1つの静止素子、 移動物体に結合され静止素子に近接する移動素子、 静電界を発生する静電界送信機であり、静電界が、静止素子と移動素子の相対
的移動に応答する静止素子と移動素子の間のキャパシタンスの変化によって変調
される、静電界送信機、 移動物体および静止物体の両方から電気的に絶縁され、移動素子および静止素
子を外部電気干渉から遮蔽するようにこれらの素子を囲む、導電性遮蔽;および 変調された静電界を感知しこれに応答して移動物体の位置の測定量を決定する
ために結合される処理回路、を含む。
【0062】 処理回路構成がシャフトの回転位置の測定量を決定するように、移動素子は回
転子を含み、移動物体は回転シャフトを含み、少なくとも1つの静止素子が少な
くとも1つの固定子を含むことが好ましい。導電性遮蔽は、回転子および少なく
とも1つの固定子と共に処理回路の少なくとも一部を囲むことがさらに好ましい
。少なくとも1つの固定子および回転子はプリント回路板を含み、そのうち少な
くとも1つの上に、処理回路の少なくとも一部が据付けられることが最も好まし
い。
【0063】 回転子は、全体的に平面のプレートおよび回転子をシャフトに結合するための
実質的に非平面の環状ハブを含み、遮蔽は、電気的干渉がシャフトから回転子に
通るのを防ぐようにハブに隣接する回転子の平面まで伸びることが好ましい。エ
ンコーダは、回転子が固定子に対して相対的に少なくとも360°回転できるよう
に構成されることが好ましい。
【0064】 好ましい実施形態においては、エンコーダは、移動素子および静止素子の周り
に機械的ハウジングを含み、このハウジングは、遮蔽から電気的に絶縁される。
この少なくとも1つの静止素子は2つの全体的に平行で相互に間隔を置いた静止素
子を含み、一方が静電界送信機を、他方が静電界受信機を含み、これらがその間
にある可撓性の導電性部材に対するこれらの素子の圧力によってハウジング内に
おいて相互に電気的に結合されることが好ましい。
【0065】 静止素子は遮蔽を通って突き出す延長部を含むプリント回路板を含み、エンコ
ーダに対する電気接続がこれに対して行われることが好ましい。
【0066】 好ましい実施形態においては、静電界送信機は静止素子に取り付けられ、導電
性遮蔽の一部を形成するように結合される。
【0067】 静電界送信機は静止素子に取り付けられ、移動素子は上に電気的に能動的なパ
ターンを有し、このパターンが静電界を変調することが好ましい。電気的に能動
的なパターンは、導電性材料またはその代わりにまたはこれに加えて誘電性材料
を含むことが好ましい。少なくとも1つの静止素子は、静電界の受信機を含み、
これが処理回路構成に結合されることが好ましい。移動素子上の導電性の電気的
に能動的なパターンは、全体的に一定の電位に保持されることが好ましい。その
代わりに、移動素子上の導電性の電気的に能動的なパターンは、電気的に浮遊し
ている。好ましい実施形態においては、少なくとも1つの静止素子は、送信機と
受信機の両方が取り付けられる単一の素子を含む。別の好ましい実施形態におい
ては、エンコーダは、送信機および受信機の両方が取り付けられる第二の静止素
子を含む。
【0068】 その代わりに、移動素子上の導電性材料は処理回路構成に結合されて、静電界
の受信機として作用する。
【0069】 本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む回転シャフトの位置を
感知するための容量性角度エンコーダも提供される。このエンコーダは、 シャフトの周りに配置される複数のセグメントを含む送信機であり、各セグメ
ントが共通の周波数で、しかし他のセグメントとは異なる予め決められた位相を
有する周期的静電界を発生する、送信機、 電界の各々の受信の強さがシャフトの回転の関数として送信機と受信機の間の
キャパシタンスの変化によって変調されるように、複数のセグメントからの場に
応答して信号を発する受信機、および 回転角度を示す出力を生成するように発生される電界と同期で信号を処理する
、少なくとも1つの同期ディテクタを含むディテクタ回路、を含む。
【0070】 上記の少なくとも1つの同期ディテクタは、それぞれ回転角度の正弦および余
弦に比例する出力を生成する2つの同期ディテクタを含むことが好ましい。受信
機は、単一の入力増幅回路を含み、これを通じて全ての送信機・セグメントから
の信号が処理のために受信されることが好ましい。
【0071】 送信機・プレートは、シャフトの軸の周りに配置される複数のセグメントに分
割される全体的に平面の送信固定子を含むことが好ましく、複数のセグメントが
4つの四円分に配置されることが最も好ましい。
【0072】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む回転シャフト
の位置を感知するための容量性角度レゾルバが提供される。このレゾルバは、 所与の周波数でAC電気入力に応答して周期的静電界を発生する送信機、 セグメントの各々で受信される電界がシャフトの回転の関数として送信機と受
信機の間のキャパシタンスの変化によって変調されるように送信機からの電界に
応答して信号を発する、シャフトの周りに配置される複数のセグメントを含む受
信機、 回転角度を示すAC出力を生成するように受信機・セグメントからの信号を処理
する信号処理回路、および ディテクタ回路にDC電圧を与えるようにAC入力を整流する整流回路、を含む。
【0073】 回転子の回転が受信機で受信される電界を変調するように、エンコーダは、シ
ャフトと一緒に回転するために結合され上に電気的に能動的なパターンを有する
回転子を含むことが好ましい。電気的に能動的なパターンは導電性材料を含むこ
とが望ましく、導電性材料が接地電位に維持されることが最も好ましい。
【0074】 本発明の好ましい実施形態に従って、さらに、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性移動量エンコーダが、提
供される。このエンコーダは、 静止物体に結合される少なくとも1つの静止素子、 移動物体に結合され静止素子に近接する移動素子、 静止素子または移動素子の1つと合体される静電界送信機、 別の静止素子および移動素子と合体され、素子上に円滑に変動する粗いおよび
精密の周期的な電気的に能動的なパターンを含む静電界変調器であり、パターン
が、それぞれ低および高空間周波数で素子の次元に沿って変動し、パターンが,
実質的に空間調和なしに、低および高空間周波数に対応する変調周波数で、素子
の相対的移動に応答して静止素子と移動素子の間のキャパシタンスの変化を誘導
することによって静電界を変調する、変調器、および 変調された静電界を感知しこれに応答して移動物体の位置の粗測定量および精
密測定量を決定するために結合される処理回路構成、を含む。
【0075】 静止素子は、複数の導電性エリアを含む単一の平面的素子から作られる固定子
を含み、エリアのうち少なくとも1つは静電界送信機であり、別のエリアは電界
を受信することが好ましい。
【0076】 移動素子が回転子を含み、その上に、粗い周期的パターンがシャフトの周りに
偏心的に配置される回転子上の全般的に円形のエリアを含み、精密な周期的パタ
ーンがシャフトの周りの円周に配置される回転子上の正弦波パターンを含むよう
に、電気的に能動的なパターンが形成されることがさらに好ましい。
【0077】 好ましい実施形態においては、静電界変調器は、さらに、高周波数および低周
波数の中間の空間周波数を有する中間の電気的に能動的なパターンを含み、処理
回路構成は中間周波数に対応する電界の変調を感知する。
【0078】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性移動量エンコーダが提供
される。このエンコーダは、 静止物体に結合される少なくとも1つの静止素子、 移動物体に結合され静止素子に近接する移動素子、 静止素子または移動素子の1つと合体される静電界送信機、 別の静止素子および移動素子と合体され、素子上に粗いおよび精密な周期的な
電気的に能動的なパターンを含む静電界変調器であり、パターンが、それぞれ低
空間周波数および高空間周波数で素子の次元に沿って変動し、パターンが,低お
よび高空間周波数に対応する変調周波数で素子の相対的移動に応答して静止素子
と移動素子の間のキャパシタンスの変化を誘導することによって静電界を変調す
る、変調器、および 粗パターンまたは精密パターンによって交互に変調されるように静電界を切り
替え、変調された静電界を感知してこれに応答して移動物体の位置の粗測定量お
よび精密測定量を交互に決定する処理回路構成、を含む。
【0079】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性移動量エンコーダが、提
供される。このエンコーダは、 静止物体に結合され、静電界送信機および受信機を含む、静止素子、 移動物体に結合され静止素子に近接し、移動素子上に粗い及び精密な周期的な
電気的に能動的なパターンを含む静電界変調器を含む移動素子であり、パターン
が、それぞれ低空間周波数および高空間周波数で素子の次元に沿って変動し、か
つ低空間周波数および高空間周波数に対応する変調周波数で静止素子と移動素子
の相対的移動に応答して静止素子と移動素子の間のキャパシタンスの変化を誘導
することによって静電界を変調する、移動素子、および 変調された静電界を感知しこれに応答して移動物体の位置の粗測定量および精
密測定量を決定するために結合される処理回路構成、を含む。
【0080】 本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む回転シャフトの位置を
感知するための容量性角度エンコーダも提供される。このエンコーダは、 1つまたはそれ以上の固定子であり、そのうち1つが静電界を発生する静電界送
信機を含む、固定子、 シャフトと一緒に回転するように結合され、その上に、シャフトの各回転ごと
に1回反復する固定子と回転子の間のキャパシタンスの変動を誘導することによ
りシャフトの回転に応答して静電界を変調する回転非対称の電気的に能動的なパ
ターンを有する回転子であり、パターンが、固定子に対して相対的な回転子の傾
斜のために電界の変調に生じる変動を縮小するように複数のサブエリアに分割さ
れる、回転子、および 変調された静電界を感知し粗変動および精密変動に応答してシャフトの角度の
粗測定量および精密測定量を決定するために結合される処理回路構成、を含む。
【0081】 回転子上の電気的に能動的なパターンは、シャフトの軸に対して偏心的に配置
される全体的に円形のエリアを含むことが好ましい。
【0082】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む回転シャフト
の位置を感知するための容量性角度エンコーダが提供される。このエンコーダは
、 シャフトに結合され、シャフトの軸の周りで非軸対称であり予め決められた角
度周波数でシャフトの周りで複数回反復する回転子の円周に配置されるパターン
を含む電気的に能動的な領域を有する、回転子、 対応付けられる静電界を有する少なくとも1つの固定子であり、この静電界が
回転子の回転により電気的に能動的な領域によって誘導されるキャパシタンスの
変動により変調される、固定子、および 前記の領域の非軸対称性のためにシャフトの1回転に1回生じる電界の変調を感
知して、これに応答してシャフトの回転角度の粗測定量を決定し、かつパターン
による電界の変調を感知して、回転角度の精密測定量を決定する、処理回路構成
、を含む。
【0083】 好ましい実施形態において、エンコーダは、1つまたはそれ以上の固定子の1つ
に結合される受信機を含み、受信機は、角度の粗測定量が精密パターンと受信機
の非軸対称性間の相互作用に応答して決定されるようにシャフト軸に対して非軸
対称であることを特徴とする。
【0084】 別の好ましい実施形態においては、エンコーダは、交互に角度の粗測定量およ
び精密測定量を決定するために作動されるスイッチを含む。
【0085】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための耐湿性の容量性移動量エンコー
ダが、提供される。このエンコーダは、 静止物体に結合され、対応付けられる静電界を有する少なくとも1つの静止素
子、 移動物体に結合され、スペースによって相互に分離される複数の電気的に能動
的なセグメントを含む移動素子であり、セグメントが、移動素子が動くとき静止
素子と移動素子の間のキャパシタンスの変化により静電界を変調するパターンを
形成する、移動素子、および 変調された静電界を感知しこれに応答して移動物体の位置の測定量を決定する
ために結合される処理回路構成、を含む。
【0086】 移動素子上の流体インピンジング(impinging)は、セグメントから
セグメントを分離するスペースに変位されることが好ましい。
【0087】 好ましい実施形態においては、移動物体は、回転シャフトを含み、移動素子は
回転子を含み、ここから電気的に能動的なセグメントがシャフトの周りで半径方
向外向きに突き出し、少なくとも1つの静止素子は少なくとも1つの固定子を含ん
で、処理回路がシャフトの回転位置の測定量を決定する。
【0088】 本発明の好ましい実施形態に従って、さらに、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性移動量エンコーダが、提
供される。このエンコーダは、 移動物体に結合され、上に電気的に能動的なパターンを有する移動素子、 静止物体に結合され、移動素子を通して交互の静電界を伝送するように移動素
子の相対する側に配置される第一および第二の静止素子、 電気的に能動的なパターンの移動による静止素子間のキャパシタンスの変動に
応答する静電界の変調を感知し、これに応答して移動物体の位置の測定量を決定
するために結合される処理回路構成、および 第一の静止素子において交互の電位を感知し第二の静止素子に相対する電位を
加えることにより移動素子を全体的に定常の電位に維持する電位等化回路、を含
む。
【0089】 全体的に定常の電位は、仮想接地を含むことが好ましい。電位等化回路は、移
動素子と実質的に全く電気接触を行わないことが好ましい。
【0090】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性線形変位エンコーダが、
提供される。このエンコーダは、 静止物体に固定されるルーラ、 ルーラに沿って移動するように移動物体に固定され、読取りヘッドの付近に静
電界を発生する静電界送信機を含む、読取りヘッド、 ルーラ上に形成される電気的に能動的なパターンであり、このパターンがルー
ラに対して相対的な読取りヘッドの移動に応答して静電界を変調するようにルー
ラと読取りヘッドの間のキャパシタンスを変動させ、変調がルーラに対して相対
的なヘッドの傾斜によって実質的に影響を受けないようにパターンが対称的であ
る、パターン、および 変調を検出してこれに応答して移動物体に位置の測定量を決定するように、変
調された静電界を感知するために結合される処理回路構成、を含む。
【0091】 パターンは、二重正弦波を含むことが好ましい。読取りヘッドは変調された静
電界を受信する受信機を含み、パターンは、パターンに沿った干渉が読取りヘッ
ドに結合するのを防ぐようにギャップによって間欠的に分断され、ギャップがル
ーラの縦軸に対して鋭角に形成されることが好ましい。
【0092】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性線形変位エンコーダが、
提供される。このエンコーダは、 静止物体に固定され、ルーラ付近に静電界を発生する静電界送信機を含むルー
ラ、 ルーラに沿って移動するように移動物体に固定され、上に電気的に能動的なパ
ターンが形成される読取りヘッドであり、このパターンがルーラに対して相対的
な読取りヘッドの移動に応答して静電界を変調するようにルーラと読取りヘッド
の間のキャパシタンスを変化させ、このパターンが、ルーラに対して相対的なヘ
ッドの傾斜によって変調が実質的に影響を受けないように対称形を有する、読取
りヘッド、および 変調を検出してこれに応じて移動物体の位置の測定量を決定するように、変調
された静電界を感知するために結合される処理回路構成、を含む。
【0093】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性線形変位エンコーダが、
提供される。このエンコーダは、 静止物体の曲面に固定されるルーラ、 ルーラに沿って移動するように移動物体に固定される読取りヘッド、 読取りヘッドの付近に静電界を発生する静電界送信機、 ルーラまたは読取りヘッドに形成される電気的に能動的なパターンであり、ル
ーラに対して相対的な読取りヘッドの移動に応答して静電界を変調するようにル
ーラと読取りヘッドの間のキャパシタンスを変化させる、パターン、および 変調を検出して前記の曲面に沿った移動物体の位置の測定量を決定するように
、変調された静電界を感知するために結合される処理回路構成、を含む。
【0094】 好ましい実施形態において、静止物体は全体的に円筒形の形状を有し、移動物
体の位置の測定が静止物体の軸の周りの角度測定を含む。
【0095】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための容量性線形変位エンコーダが提
供される。このエンコーダは、 静止物体に固定されるルーラ、 ルーラに沿って移動するように移動物体に固定される読取りヘッド、 読取りヘッドの付近に静電界を発生しこれを受信するようにルーラに固定され
る送信プレートであり、粗読取りおよび精密読取り構成を有する、プレート、 読取りヘッド上の電気的に能動的な受信プレートであり、ルーラに対して相対
的な読取りヘッドの移動が送信プレートと受信プレートの間のキャパシタンスを
変化させるように構成され、受信プレートによって受信される静電界を変調する
、プレート、および 粗読取り構成において電界の変調を検出して、これに応答して移動物体の位置
の粗測定量を決定するように、また精密読取り構成において電界の変調を検出し
て、これに応答して移動物体の位置の精密測定量を決定するように、変調された
静電界を感知するために結合される処理回路構成、を含む。
【0096】 粗測定量は絶対位置測定を含むことが好ましい。
【0097】 好ましい実施形態において、送信プレートは、少なくともまとめて2つの三角
領域に分割される複数の送信バーを含み、粗構成において、各々の領域の送信バ
ーがまとめて励起される。受信プレートは、全体的に四辺形の領域に重ねられる
導電性の周期的パターンを含み、送信プレートが粗読取り構成で動作するとき四
辺形領域全体が共通の電位に保持されることが、好ましい。
【0098】 本発明の好ましい実施形態に従って、下記のものを含む、静止物体に対して相
対的な移動物体の位置を感知するための容量性移動量エンコーダが提供される。
【0099】 静止物体に結合される少なくとも1つの静止素子、 移動物体に結合される移動素子、 移動物体の付近に静電界を発生しこれを受信するように静止素子または移動素
子に固定される送信および受信プレートであり、静止素子上のインデックス位置
に少なくとも1つのインデックス・プレートを含んで、この少なくとも1つのイン
デックス・プレート付近において移動素子が遭遇する静電界が、静止素子に沿っ
た他の位置での静電界と明白に異なる、送信および受信プレート、 素子の1つに形成される電気的に能動的なパターンであり、このパターンが静
止素子に対して相対的な移動素子の移動に応答して静電界を変調するように、素
子間のキャパシタンスを変動させる、パターン、および 変調された静電界を感知するためおよび移動素子がインデックス・プレート付
近にあるときの電界の差を識別してこれに応答して移動素子がインデックス位置
にあることを判定するために結合され、かつ変調を検出して、これに応答してイ
ンデックス位置に対して相対的な移動物体の位置の測定量を決定する処理回路構
成、を含む。
【0100】 本発明の好ましい実施形態に従って、さらに、以下のことを含む回転シャフト
の位置を感知するための方法が提供される。この方法は、 シャフトの周りの複数の角度位置で共通周波数を有する周期的静電界を伝送す
るステップであり、各電界が他の信号とは異なる予め決められた位相を有する、
ステップ、 前記の複数の位置からの電界を感知し、シャフトの回転の関数としてキャパシ
タンスの変化によって生じる電界の変調に応答して信号を発生するステップ、お
よび 回転角度を示す出力を生成するように伝送される電界の周波数と同期に信号を
処理するステップ、を含む。
【0101】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のことを含む回転シャフト
の位置を感知するための方法が提供される。この方法は 所与の周波数のAC電気入力を受信するステップ、 AC入力に応答して周期的静電界を発生するステップ、 DC電圧をディテクタ回路に与えるようにAC入力の一部を整流するステップ、 複数の場所で電界を感知して、シャフトの回転の関数としてキャパシタンスの
変化により生じる電界の変調に応答して信号を発するステップ、および 回転角度を示す所与の周波数のAC出力を生成するようにディテクタ回路を使っ
て信号を処理するステップ、を含む。
【0102】 本発明の好ましい実施形態に従って、さらに、下記のことを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための方法が、提供される。この方法
は、 移動物体の付近において静電界を伝送するステップ、 円滑に変動する粗い及び精密な周期的な、電気的に能動的なパターンを移動物
体と合体するステップであり、パターンがそれぞれ低空間周波数および高空間周
波数で物体の移動の次元に沿って変動し、実質的に空間調和なしに、低空間周波
数および高空間周波数に対応する変調周波数で素子の相対的移動に応答して静止
素子および移動素子の間のキャパシタンスの変化を誘導することにより静電界を
変調する、ステップ、および 変調された静電界を感知し、これに応答して移動物体の位置の粗測定量および
精密測定量を決定するステップ、を含む。
【0103】 さらに、本発明の好ましい実施形態に従って、以下のことを含む、静止物体に
対して相対的な移動物体の位置を感知するための方法が、提供される。この方法
は、 移動物体の付近において静電界を伝送するステップ、 粗いおよび精密な周期的な、電気的に能動的なパターンを移動物体と合体する
ステップであり、パターンがそれぞれ低空間周波数および高空間周波数で物体の
移動の次元に沿って変動し、低空間周波数および高空間周波数に対応する変調周
波数で素子の相対的移動に応答して静止素子および移動素子の間のキャパシタン
スの変化を誘導することにより静電界を変調する、ステップ、 粗パターンによってまたは精密パターンによって交互に変調されるように静電
界を切替えるステップ、および 変調された静電界を感知して、これに応答して移動物体の位置の粗測定量およ
び精密測定量を交互に決定するステップ、を含む。
【0104】 本発明の好ましい実施形態に従って、さらに、以下のことを含む回転シャフト
の位置を感知するための方法が提供される。この方法は、 シャフトの軸に対して非軸対象であり回転子の円周に配置されるパターンを含
む電気的に能動的な領域を持つ回転子をシャフトに結合するステップであり、こ
のパターンが予め決められた角度周波数でシャフトの周りで複数回反復する、ス
テップ、 移動物体の付近において静電界を伝送するステップ、 前記の領域の非軸対称性により1回転に1回生じる電界の変調を感知して、これ
に応答してシャフトの回転角度の粗測定量を決定するステップ、および パターンによる電界の変調を感知して、回転角度の精密測定量を決定するステ
ップを、含む。
【0105】 本発明の好ましい実施形態に従って、下記のことを含む、静止物体に対して相
対的な移動物体の位置を感知するための方法も、提供される。この方法は、 上に電気的に能動的なパターンを有する移動素子を移動物体に結合するステッ
プ、 移動素子を通して静電界を伝送するように移動素子の相対する側に第一および
第二の静止素子を配置するステップ、 第一の静止素子の電位を感知し、移動素子を全体的に定常の電位に維持するよ
うに第二の静止素子に相対する電位を加えるステップ、および 電気的に能動的なパターンの移動による静止素子間のキャパシタンスの変化に
応答する静電界の変調を感知して、これに応答して移動物体の位置の測定量を決
定するステップを、含む。
【0106】 同様に、本発明の好ましい実施形態に従って、下記のことを含む、曲面に対し
て相対的な移動物体の位置を感知するための方法が提供される。この方法は、 読取りヘッドを移動物体に固定するステップ、 曲面に沿ってたわみ性ルーラを固定するステップ、 ルーラまたは読取りヘッド上に電気的に能動的なパターンを配備するステップ
であり、このパターンがルーラに対して相対的な読取りヘッドの移動に応答して
静電界を変調するようにルーラと読取りヘッドの間のキャパシタンスを変動させ
る、ステップ、 読取りヘッドの付近において静電界を発生するステップ、および 変調を検出してこれに応答して曲面に沿った移動物体の位置の測定量を決定す
るように、変調された静電界を感知するステップを、含む。
【0107】 本発明は、下記の図面と共に以下の好ましい実施形態の詳細な説明からより良
く理解されるだろう。 〔望ましい実施形態の詳細な説明〕 〔容量エンコーダの類型学的分類〕 本発明の出願の目的に対し、容量型回転エンコーダおよび線形エンコーダを型
式により分類することは有用である。各々の型式は、静電界送信プレートおよび
受信プレートの位置と、電気的特性およびロータの接続により特徴づけられる。
分類は以下に記載され、本発明の望ましい具体例の記述の明快と便宜のために用
いられ、従来技術の容量エンコーダにも同様に適用することが出来る。しかしな
がら、そのような限定が明らかに述べられている箇所を除いて、本発明の原理が
特定の型式に限定されるものではない。
【0108】 図2は、本発明の望ましい実施例に従う、ロータ(回転子)エレメント54お
よび4つの四分円56、58、60、62を含む単一のステータ(固定子)エレ
メント52とを伴う、単極CFRAAE50の模式的な上面図である。この型式
のエンコーダはここでは、「型式1」に分類される。四分円は、等しい周波数で
相対位相がそれぞれ0、90、18、270ずれている交流電圧で励起される。
ステータエレメントとロータエレメントの双方が、その上に導電パターンが蒸着
された、絶縁体の基板(単純化のために図示省略)を普通含んでいる。従ってロ
ータエレメントとステータエレメントの間のキャパシタンスは、ロータの移動に
つれて変動する。
【0109】 ロータ54のパターンは、例えば参考文献としてここに添付されている「サー
ボセンサー−要素と応用」Y・オーシマおよびY・アキヤマ編インターテックコ
ミュニケーションズ社(カリフォルニア州ベンチュラ)に記載されているように
、偏心的に配置されている。この偏心円形パターンとステータプレート52の各
々の対角線上の四分円の組56、60と58、62の間の差動結合は、それぞれ
回転角度のサイン(正弦)またはコサイン(余強)に比例する。
【0110】 ロータに接続されたチャージアンプ64の出力電圧は、4つの励起電圧の重み
付けした和に比例し、必要な回転角のサインおよびコサインを引き出すために処
理されることが出来る。以下ではこのアプローチは、位相四分円励起(PQE)
として参照される。先に言及した米国特許5,598,153号は、構造におい
てCFRAAE50と同様のエンコーダを記載しているが、サイン波の出力を有
さない。
【0111】 この型式1のエンコーダは図2に示されているように、ロータ54が処理電子
回路と電気的に接続されていなければならないという点で、欠陥がある。しかし
ながらそれは、ロータが装着されているシャフトが予め電力に接続され、処理電
子回路とともに自由に回転することが出来るという状況では有用である。
【0112】 図3A−3Eは、本発明の望ましい実施例に従う型式2から6と現された、他
の5つのCFRAAEの型式を示す断面図である。これらの型式は、ロータへの
電気的接続の束縛なく回転部材の変位が比例したキャパシタンスの変化に転換さ
れるようにする。それらは回転の制限のない角度エンコーダに都合良く使用され
ることが出来、そのうちのいくつかは同様に線形の変位の検出に使用されること
が出来る。
【0113】 図3Aは、型式2のエンコーダ70を描いたものである。パターン化された電
気的に非伝導(絶縁体)のロータ76が、各々が非伝導の基板73を含む、二つ
の静止ステータエレメント72、74の間に配置されている。エレメント72は
導電性の送信プレート78、80で被覆され、エレメント74は導電性の受信プ
レート82で被覆されている。送信プレート78、80は電気的に励起され、受
信プレート82と容量的に相互作用する。ロータ76の存在は、その誘電率に従
ってプレートの間のキャパシタンスを増加させる。エンコーダのこの型式は、ロ
ータの傾斜と軸方向の位置に関し相対的に敏感でない。この型式のエンコーダは
、先に言及した米国特許5,099,386号に記載されている。
【0114】 図3Bは型式3のエンコーダ90を示し、これはロータ76がパターン化され
た導電被覆を有することを除き型式2と同様で、被覆は電気的に接地されてステ
ータエレメント72,74の間の測定されたキャパシタンスを選択的に変化させ
る電気シールドとして機能する。型式2と同様この型式もまた、ロータの傾斜と
軸方向の位置に関し敏感でない。型式3では従来技術で既知のエンコーダは、し
かしながらロータの接地で問題がある。スリップリングは例えば、先に言及した
米国特許3,668,672号に記載されているように、摩擦、低い信頼性およ
び高コストの欠点を有する。先に言及した米国特許3,732,553号に記載
されているように、接地されたエンコーダのハウジングとの接触により、ロータ
が固定されているシャフトを通してロータを接地することは可能であるが、この
方法は二つの致命的な欠点を有する。
【0115】 1.ロータとの信頼できないグラウンドとの接触は、シャフトのベアリング上
の潤滑フィルムの形成に由来する。
【0116】 2.ハウジングの電気的ノイズはロータに課せられ、受信機に結合される。
【0117】 図3Cは、型式4のエンコーダを示し、ロータ76の両側がそれぞれ導電性の
被覆96、98により被覆されて電気的に相互に接続されているが、その他は浮
游していることを除き、型式3と同様である。その被覆がパターン化されている
場合は、ロータは送信プレート78、80と受信プレート82の間の、角度に依
存するカップリングブリッジとして機能する。従来技術で既知の型式4のエンコ
ーダは、先に言及した米国特許3,845,377号、3,312,892号、
4,092,579号、4,851,835号、4,238,781号および4
,788,546号に記載されている。
【0118】 図3Dは、型式5のエンコーダ100を示し、型式4の「折り返し版」と見な
しうる。この型式では送信プレート78、80および受信プレート82は、ロー
タ76の一方の一つのステータ102の共通の静止基板73の上に配置されてい
る。ロータ上の導電パターン104は、送信プレートにより励起され、受信プレ
ートに戻って結合されている。受信プレートからの出力信号は、ロータとステー
タの間の相互の変化するキャパシタンスに比例する。従来技術で既知の型式5の
エンコーダは、先に言及した米国特許3,961,318号および4,429,
307号に記載されている。
【0119】 図3Eは型式6のエンコーダ110を示し、本質的に型式5のエンコーダ10
0の対称版である。エンコーダ110は、双方の側面に導電パターン114を有
する、ロータ76の各々の側面に対して一つづつの相互に接続された同一のステ
ータエレメント112を含んでいる。従来技術で既知の型式6のエンコーダは、
ドイツ特許出願DE3711062号および英国特許出願GB2176013号
とともに、先に言及した米国特許4,788,546号に記載されている。その
対称性の故にこの構造は、型式5よりも回転軸に比しロータの傾斜誤差に対して
より敏感ではない。 〔CFRAAEの構成と静電シールドの考察〕 図4は、本発明の望ましい実施例に従う容量型フル回転絶対角度エンコーダ(
CFRAAE)140の部分断面図である。エンコーダ140は、望ましくはプ
リント配線基盤で形成された、二つの一般的に平面のステータ141、142と
平面のロータ148とを含んでいる。このエンコーダは、望ましくはスナップで
接続された、短い円筒の筐体143とカバー144でできたハウジング139に
含まれている。このハウジングは、ポリカーボネートのような、プラスチックの
射出成型で望ましくは形成される。代案として、金属で形成されることも出来る
。ステータ141、142は、電気的に導電性のスペーサリング145で分離さ
れており、また以下に詳細に記載するようにエンコーダの電気シールドの一部と
して機能する。
【0120】 望ましくは図19に模式的に示されている形式のものであるロータ148は、
クランプリング151による主シャフト150への直接装着用の、中心孔を伴う
延長軸149を有する。この窪みとシャフトの接合のスキームは、簡潔性とコン
パクト性の利点を有する。周辺の溝155は、サーボマウントとして従来技術で
は既知の方法でハウジング139を保持する、装着ネジ(図示せず)を受ける。
内部の導電スリーブ152(オプションの外部スリーブ153と共に図6に示さ
れている)は、迷路137を生成するように機能する。この迷路は以下に詳述す
るように、スペースを含むロータ148と回路138との電気的シールドを提供
するために、内側ハウジング139の導電被覆154に結合されている。このシ
ールドは、シャフト150を経由してハウジングに浸透する以外の干渉と同様に
、外部の電気的干渉からエンコーダを保護する。ハウジング139が金属で出来
ている場合は、導電性被覆154は非導電性の内層により、望ましくはハウジン
グと分離されている。
【0121】 エンコーダ140の窪みとシャフトの簡潔な構成は、以下に詳述されるように
本発明により提供される、誤差を許容する高度に機構的な装着により可能にされ
、エンコーダ140が多極のCFRAAEである場合に特に顕著である。対照的
に窪みとシャフトの概念を光学エンコーダに適用することは、ロータとステータ
との間の径方向のアライメントを保つための内部ベアリングのみならず、エンコ
ーダの窪みシャフトとそれが装着される主シャフトとの間の機構的アライメント
ミスを吸収するために、エンコーダのハウジングをフレキシブル装着フレームに
完全に装着することを必要とする。この型式の典型的な光学エンコーダは、イリ
ノイ州ガーニーのダナハーコントロール社により製造されている、モデルHS3
5シールド窪みシャフトである。
【0122】 機構的装着誤差への許容度に起因する、エンコーダ140のデザインの他の利
点は、この型式の単一CFRAAEがある範囲のシャフト径に対して使用可能で
あることである。これは、ロータ148の中心孔を可能な限り大きく形成したり
、小さい直径のシャフトに装着するために一組のアダプター(図示せず)を用い
たりすることで達成される。非常な高精度が必要な場合、ロータとステータとの
間のアライメントミスを最少にするために、エンコーダ140はシャフトとベア
リングを合体して同様に生産することが出来る。
【0123】 図5は、本発明の代替の望ましい実施例に従うエンコーダ160を示す。エン
コーダ160の構成は、エンコーダ140のそれと同様の原理に基づいているが
、単一のステータプレート162のみを有している。この版は、図3Dに描かれ
た型式5のエンコーダに特に有用である。エンコーダ160のハウジング139
の内側の導電被覆156は、エンコーダ140でのステータプレート142によ
り提供されるシールドの代わりに、ロータ148をシールドする。エンコーダ1
60の他の電気的構成では、接地された連続の被覆よりむしろ、送信プレートと
して機能する部分を含んでもよい。どちらの場合も、被覆はゼブラコネクタを経
由してプレート162に接続される。
【0124】 図4、5に示された構成を有するエンコーダは、本発明者により製作された。
これらのエンコーダは典型的には57mmの外径を有し、最大12mmのシャフ
トの使用が可能である。ロータ148は、典型的には32極の組を含むように設
計されている。こうして得られた分解能は20ビット(約1/1000度)で、
成型に誤差の無い場合の精度は16ビット(約1/100度)である。電力消費
は、約20mWである。これらの特性が如何に得られたかは、以下に記載される
【0125】 ここに記載された望ましい実施例は、ステータとロータが一般的に平面(かつ
フォトリソグラフプロセスを用いて、都合良く作製されることが出来るもの)で
あるエンコーダに関したものであるにもかかわらず、本発明の原理は他の構成の
容量エンコーダに対して、同様に適用可能であることが理解されるべきである。
例えば図示されていない本発明の代替の具体例では、CFRAAEは円筒型のロ
ータとステータからなる。
【0126】 容量的に結合された干渉から受信プレートを保護する必要は従来技術で知られ
ているが、現存するCFRAAEデバイスは十分に有効な保護の提供に成功して
いない。従来技術のエンコーダの機構的構成の例は、本発明の背景で引用された
参考文献に示されている。これらの例の全てで、金属製のメカニカルハウジング
は信号のグラウンドに接地されている静電シールドとして機能する。しかしなが
ら、エンコーダが動作している機構的環境は同じ信号のグラウンドポテンシャル
に同様に接続されているので、この保護の実際の有効性には限界がある。エンコ
ーダが電気モーターのシャフトに結合され(かつ特にそれがモーターのハウジン
グの内側に装着されている場合)典型的なアプリケーションでは、エンコーダの
出力信号は接地電流に起因して悪影響を受ける。ブラシレスの直流または交流ベ
クター制御モーターでのように、スイッチングパワーサプライが用いられたとき
にはこれは特に深刻な問題である。
【0127】 従来技術では認識されていない別の問題は、シャフトを通してエンコーダに結
合された干渉である。シャフトは普通金属製で、かつ保護されていると考えられ
るエンコーダの内側のスペースを貫通しているので、シャフトへの全てのノイズ
が受信プレートに結合されている。再度言うが、エンコーダがスイッチモードの
モーターと共通のシャフトを共有している場合に、この状況は最も深刻である。
ベアリングボール上に形成された潤滑フィルムがロータとハウジングとの間の電
気的な連続性を散漫に中断するので、この問題はあるシャフト速度以上で一層悪
化する。ロータとステータは事実上電気的に浮游し、モーターステータの巻き線
からエンコーダの受信プレートへのノイズを結合する容量ブリッジとして機能す
る。
【0128】 図6は、本発明の望ましい実施例に従う静電保護スキームの詳細を示す、エン
コーダ140の断面の模式図である。ステータ141、142は、それぞれ受信
プレート170と送信プレート172をその上に有する、プリント回路基板16
8,169を含んで示されている。ロータ148は、電気的に動的なパターン、
即ち送信プレートと受信プレートの間でキャパシタンスを変化するパターンを有
している。必要であるわけでないが望ましくはロータは、パターンを形成するた
めにその上にメッキされた、導電部のついたプリント回路基板からなる。ステー
タ、ロータとその間のエアギャップは、主に受信アンプである処理回路138の
少なくとも一部と同様に、静電シールド173により保護されている。このシー
ルドは、導電性の内層154と、二つのステータ141、142を区分する導電
リング145と、シャフト150からのシールド内の領域への容量的結合を有効
にブロックするスリーブ152、153を含む迷路137とからなるが、それで
もシャフトとロータ148との間の機構的結合を可能にしている。
【0129】 エンコーダのハウジング139(図4に示す)とシャフト150の双方が、電
気的に中立でなんらのポテンシャルを有さないと仮定されてよい。従来技術で既
知のエンコーダとは異なり、ハウジングは電気的な機能を果たさず安価にプラス
チックで作ることが出来る。回路138を覆うシールド166は、望ましくはハ
ウジングの内側にシールド173と共通に接地されている導電性被覆を含んでい
る。シールド166へのグラウンドの接続は、ステータ141のプリント回路基
板のグラウンドまたはフレキシブルな切片(図示せず)との接触により得られる
。他に、シールド166を、金属シートで作製することも出来る。
【0130】 シールド173は同様に送信プレート172も封包しているので、その電界を
制限してエンコーダ140の外側に放射される潜在的な干渉を除去する。他方プ
レート172はグラウンドでもなく他の固定のポテンシャルも有さないにもかか
わらず、それらはエンコーダ内のロータのスペースを保護する筐体の一部として
機能する。ポテンシャルがグラウンド以外の値に保持されているシールドについ
ての考察は、ジャーナルオブフィジックスE:科学機器 19(1986)pp
.97−906のHeerensによる「センサーの設計におけるキャパシタンス技術
の応用」と標題された論文に記載されており、それはここに参考文献として添付
されている。
【0131】 要約するとエンコーダ140の内部のエレメントは、以下のいくつかのユニー
クな特徴をもつスキームにより、環境から双方向的に隔離されている: 1.用意されたシールド173は、メカニカルハウジングとは独立に用いられて
いる。 2.シールドは全ての方向への保護を提供しながら、その内部のロータとの回転
の結合を可能にする。 3.シールドは、エンコーダとして使用されるプリント回路基板168、169
上の導電層154を含む、いくつかの要素からなる。 4.送信プレートのようないくつかの要素は、固定ポテンシャルである必要はな
い。 〔ロータの仮想的接地〕 ロータが接地されたエンコーダ(型式3)は多数の利点を有するにも関わらず
、従来技術で既知のそのようなエンコーダの全てが、本発明の背景で記載された
多数の付随する欠点を伴う、ロータに印加される物理的接触を通したグラウンド
ポテンシャルを必要とする。
【0132】 図7は容量エンコーダ188の断面図であり、そこではロータ194上の導電
被覆195が本発明の望ましい具体例に従い、回転しないどのエレメントとも実
際は電気的に接触することなく、効果的に(または仮想的に)接地されている。
被覆195は、ロータ194の表面にあるパターンを形成している。この具体例
の目的のためには、この塗布されたパターンは、グラウンドや他の特定の直流の
ポテンシャルではない、ある固定のポテンシャルに保持されていれば十分である
。本質的にそのパターンが、発信ステータ191に課される電気的励起の周波数
におけるステータ191と196との間の、容量的相互作用をブロックすれば十
分である。エンコーダ188は単極エンコーダとして示されているにも関わらず
、任意の数の極を使用することが出来る。
【0133】 送信プレート191は、A、B、C、Dと付号された4つの送信プレート19
2を含んでいる。これらのプレートは、先に記述したようにそれぞれの励起電圧
により励起され、受信ステータ196上の環状プレート197およびロータ19
4上の導電パターン195と、容量的に相互作用する。パターン195が接地さ
れているか、又はある固定のポテンシャルに保持されている限り、そのパターン
により覆われている領域での受信プレート196との相互作用から、4つの送信
プレートの交流の励起を選択的にブロックする。
【0134】 パターン195はアンプ182を手段として固定のポテンシャルに保持されて
おり、アンプはステータ196上の補助環状プレート198とステータ191上
の補助送信プレート190との間に結合されている。パターン195が電気的に
浮游している範囲で、その瞬間ごとの位置に従ってそれは送信プレートから交流
のポテンシャルを取得する。この交流のポテンシャルは電圧を生じるようにプレ
ート198と相互作用し、それはアンプ182により増幅されて反転される。結
果の電圧Vo2は、導電パターン195を通した容量的結合を経由して、プレー
ト198上の電圧を低下させるためにプレート190に印加される。エンコーダ
188の配置は、プレート198がロータパターン195のみに対向し、送信プ
レート192、190からは隔離されているような配置である。アンプ182の
動作の結果として、プレート198およびパターン195上の交流電圧は実質的
に相殺される。パターンはこのようにして固定のポテンシャルに保持され、送信
プレート192から受信プレート197への容量結合を選択的にブロックする、
遮蔽として機能する。受信プレート197に結合されたチャージアンプ180の
出力での出力電圧Vo1は、それ故望まれるようにプレート197の覆われてい
ない部分に誘起される電荷を反射する。 〔信号コンディショニング〕 図8は、本発明の好ましい実施例による信号コンディショニング回路200を
簡略に示す回路図である。回路200は、単速度CFRAAE、即ち、後述するように
、2対の(粗および精密)出力を有する多重速度方式とは異なり、1対の出力信
号のみを出力するエンコーダとの併用に好適である。回路200は、例えば、エ
ンコーダの位相/直角位相励起(PQE)との併用による同期検出方法を可能にし、
この回路は多重速度タイプのエンコーダとも併用できる。
【0135】 回路200は、図2に示す固定子52のような、4つの象限を有する送信固定
子と併用するのが好ましい。象限と受信固定子との間の電気的結合を、典型的に
は互いに直交する10kHz方形波を供給する4相AC電源によって励起される
可変キャパシタンス206〜209で図示した。電荷増幅器210が4つのチャ
ンネルすべてを一括増幅する。増幅器の出力が2つのまったく同じチャンネルに
向けられて、正弦および余弦出力をそれぞれ供給する。
【0136】 各チャンネルは同期検出器211または212および低域フィルタ213また
は214を含む。同期検出器211は電源202から同相基準信号を供給され、
その出力は低域フィルタ213によってフィルタされて正弦信号を形成する。同
期検出器212は電源203から直角位相基準信号を供給され、その出力は低域
フィルタ214によってフィルタされて余弦信号を形成する。正弦および余弦信
号を、公知のように、ディジタル化し、(図示しないが)マイクロコンピュータ
またはディジタル信号プロセッサによって処理することが好ましい。信号処理の
典型的な態様としては、除算によって回転角度の正接を求め、次いで、代数計算
または探索表によって角度そのものを求める。
【0137】 この信号処理方式の長所は、簡単であることのほかに、電子部品に公差があっ
ても、4つのチャンネルすべてのゲインがほとんど同じという点にある。しかも
、出力におけるDCオフセットが低く、このことは算出角度の誤差を極力小さく
するためには必須の条件である。
【0138】 同期的な正弦および余弦検出を目的とする回路200のPQEアプローチは、
容量性エンコーダの分野では未知である。上記ドイツ出願DE 3711062
も共通の電荷増幅器によるPQEを利用しているが、電荷増幅器の出力を、本発
明のように同期的に復調するのではなく、サンプリングする。同期検出器211
および213は機能的にはアナログ・マルチプライヤと同様であり、増幅器21
0からの入力電圧およびそれぞれの基準方形波を供給される。低域フィルタ21
3および214は所定の帯域幅にわたって出力信号を平均化する。出力電圧が基
準周波数と同相の入力電圧の総エネルギーに比例するという点で、作用全体はフ
ーリエ分析と等価である。公知の容量性エンコーダの正弦および余弦出力におけ
るS/N比は、上述したように、t/Tの平方根に比例する。但、Tは基準方形
波の周期であり、tは常にTよりもはるかに短いサンプリングのアパーチャ・タ
イムである。出力が周期Tにわたって得られる多数のサンプルの平均値に近いか
ら、同期検出からは、タイム・サンプルで得られるよりもはるかにすぐれたS/
N比が得られる。
【0139】 図9は本発明の好ましい実施例としての回路200を略示する回路図である。
1はゲインが−R3/R2の電圧インバータであるU2に給電する入力電荷増幅器
である。但し、R2=R3である。U1は適当なタイプの離散的または集積FET
−入力演算増幅器で構成することができる。U2は汎用演算増幅器である。U3
例えば、Maxim Integrated Products of Sunnyvale(California)製のMAX 3
93のような低電荷注入アナログ・スイッチである。U3は電源202および2
03からの方形波パルスSync1またはSync2による制御下に、U1またはU2の出
力を選択する。これら2つの出力を、好ましくはそれぞれの3次のSallen-and-K
ey能動フィルタによって低域フィルタする。Sallen-and-Key能動フィルタは、公
知のように、それぞれが3つの抵抗器と、3つのコンデンサと、1つの電圧フォ
ロアを含む。この種のフィルタは、受動部品に公差があっても、低周波数の単一
ゲインを有する。増幅器U4およびU5としては、低入力オフセット、低バイアス
電流演算増幅器を使用することができる。所要の安定した単一ゲインを提供する
他のタイプの低域フィルタとしては、ゼロ−DC−オフセット・スイッチド−コ
ンデンサ・タイプがあり、これもまた公知である。
【0140】 正弦および余弦処理チャンネルのゲインは、これらのチャンネルがU1および
2を共有し、U3におけるスイッチ抵抗にほとんど影響されないから、互いにほ
とんど同じである。全体として、これら2つのチャンネルは低域フィルタ213
および214を除いて同じ電子部品を共有し、しかも、2つの低域フィルタは単
一のゲインを有する。増幅器210と連携するコンデンサC1に現れる変動が主
因となって、実際の信号ゲインが変動することがある。しかし、角度測定量は2
つの出力の比に基づいて計算されるから、ゲイン変分は両チャンネルにおいて同
じであり、正確または安定な部品は不要である。この信号処理方法の性能は極め
て良好である。例えば、32極対バージョン出力信号を12ビットA/D変換す
ることによって、10kHzの帯域幅にわたって19ビットの解像度が得られた
【0141】 特に公知の容量性位置エンコーダ回路と比較して、回路200は簡単であるか
ら、受信固定子に使用されるのと同じプリント回路板、例えば、図6に示す基板
離散的回路素子を設けることができる。この実施例の場合、回路板は、遮蔽層1
54および受信プレート170に2つの信号層を加えた4層プリント回路板であ
ることが好ましい。これらの層を重ねる際には、励起導線と信号導線との間の距
離を極力大きくするように留意しなければならない。
【0142】 図10は容量性回転角度エンコーダ230およびこれと連携する信号処理回路
を略示する分解図であり、エンコーダと回路は、本発明の好ましい実施例として
、クラシックな巻線レゾルバに匹敵するように構成されている。エンコーダ23
0は、単極対レゾルバの手軽な代用装置として作用する、即ち、レゾルバよりも
サイズがはるかに小さく、製造コストが低いにも拘わらず、レゾルバの入出力性
向に匹敵することを目指している。レゾルバが受動素子−本質的にはAC入力お
よびAC出力を有する可変トランスであるのに対して、容量性エンコーダは信号
処理回路を有する能動素子であるから、エンコーダ230はAC入力電圧を電子
回路に給電するための±DC供給電圧に変換する清流回路245を含む。
【0143】 エンコーダ230は、公知のレゾルバに広く使用されている入力AC搬送電圧
、即ち、7.5kHzの7V RMSから成る電源244から給電される。この
電圧はが整流回路245に供給され、整流回路245は±DC電圧+Vccおよ
び−Vccを回路素子に供給する。電源244は公知の二重電圧ダブラーである
ことが好ましいが、他の適当なAC/DCコンバータ回路を使用してもよい。図
7に関連して上述したように、回転子174は仮想接地されていることが好まし
い。あるいは、タイプ2またはタイプ4エンコーダのような、電気的に浮遊状態
であってもよい。タイプ4CFRAAEを使用するなら、後述するように、回転
子の傾斜に対する感度を鈍らせるため、回転子パターンを区分することが好まし
い。
【0144】 エンコーダ自体は送信固定子240、受信固定子248および回転子174か
ら成る。送信固定子240は仮想接地補助プレート170と共に、送信プレート
241を含む。受信固定子248は、仮想接地ループ増幅器182を介してプレ
ート170と接続する仮想接地補助プレートと共に、4つの受信象限プレートA
,B,CおよびDを有する。4つの受信象限プレートはそれぞれ4つの電荷増幅
器250,251,252および253と接続し、これらの電荷増幅器は対応の
電圧Va,Vb,VcおよびVdを発生させる。差動増幅器254および255
が発生させる電圧Va−VcおよびVb−Vdの振幅は、誘導レゾルバの場合と
同様に、回転角度の正弦および余弦に比例する。
【0145】 発明者の所見によれば、回転速度が限界を超えると、出力信号にランダム・ノ
イズが加わるという問題がエンコーダ230に起こる。ノイズの主要スペクトル
成分は回転周波数−典型的には50〜100Hzに存在する。問題の源を追跡し
たところ、空気摩擦の結果として回転子174に蓄積される静電荷であることが
判明した。回転子は電気的に接地されていないから、この電荷は消散することが
できない。電荷は回転子面上にランダムに拡散しているから、受信プレート24
7上に不均一な電圧を発生させ、これが出力ノイズとして現れる。この問題の解
決策として、増幅器254および255と直列に、励起周波数を中心とする2つ
の(図示しない)帯域フィルタを加える。励起周波数は回転周波数よりもはるか
に高いから、厳密な選択は不要であり、帯域フィルタとして、簡単なウィーンブ
リッジ回路を使用することができる。また、上記PQE方式とは異なり、エンコ
ーダ230は4つの別々の信号チャンネルを有し、ゲイン整合は保証されないか
ら、製造に際しては、多くの場合、抵抗器トリミングによるゲイン等化が必要で
ある。 〔多重速度エンコーダ〕 単極対CRAAFEsはその精度に限界があり、特にタイプ5のそれは固定子
に対する回転子の傾斜に極めて敏感である。原理的に、多重極対エンコーダは、
その出力信号が複数の極で平均化されるから、精度が比較的高く、機械的な不完
全性の影響からはるかに自由である。しかし、後述するように、単極対エンコー
ダと組合わせない限り、絶対位置測定量を提示しない。
【0146】 簡略化するため、図7−10に示すエンコーダは単極対タイプであるが、ここ
で実施されている原理は多極および多重速度エンコーダにも応用できる。本願明
細書において、多重速度エンコーダとは、単極および多極可変キャパシタンスの
双方を含むエンコーダを指す。単極キャパシタンスは粗チャンネルとして作用し
、その出力信号が1回転ごとに反復するのに対して、多極キャパシタンスは精密
チャンネルとして作用し、その出力信号は1回転に数回反復する。粗および精密
測定量を組合わせることにより、高い精度および解像度で、曖昧さのない回転子
位置を得ることができる。
【0147】 図11Aおよび11Bは、本発明の好ましい実施例によるタイプ5の多重速度
容量性角度エンコーダにおいて、回転子260に形成した多極導電パターンと、
固定子270に設けた送信プレートをそれぞれ示す頂面図である。図面を簡略化
するため、固定子および回転子の双方に設けた粗チャンネル・プレートおよび結
合プレートの図示を省いた。単一の固定子270を含めて、このエンコーダは8
極レゾルバと等価である。回転子260は8つの正弦波サイクルを有する。固定
子270は32枚の送信プレート272を含む。それぞれ4枚目のプレートは共
通の励起電圧線V1〜V4に接続されている。4つの励起電圧は相互直角位相関係
にある。
【0148】 双方のチャンネルに単一の固定子および単一の回転子を採用するタイプ5の多
重速度CFRAAEsは、恐らくは両チャンネル間の相互干渉が実用を妨げると
考えられていたため、公知技術には提案されていない。この構成は、上記Arnold
およびHeddergottの論文では明確に退けられている。
【0149】 図11Cは、本発明の好ましい実施例による、回転子260の負バージョンと
しての回転子262に形成された、異なる形態の導電パターンを示す頂面図であ
る。回転子262は、エンコーダの信号極性が逆であることを除けば、回転子2
60と等価である。
【0150】 図12Aおよび12Bは、本発明の好ましい実施例による、タイプ5(単一固
定子)2速度エンコーダの固定子300および回転子310にそれぞれ設けられ
た導電プレートの頂面図である。固定子300は精密送信プレート317、近似
送信プレート314および受信プレート312を含む。回転子310は、精密パ
ターン・プレート317、近似パターン・プレート315および受信プレート3
12と対向する結合プレート316を含む。回転子プレートはすべて互いにつな
がっている。プレート315および316間の分離は不要であり、図示の便宜上
分離したに過ぎない。なお、回転子310の粗パターンおよび精密パターンはい
ずれも円滑に変化し、公知の多速回転子に見られるような明確な境界点は存在し
ない。従って、固定子300からの信号が後述の回路によって処理される時、エ
ンコーダは、角度測定量精度の低下につながるような歪みをほとんど伴わない、
円滑且つ明瞭な正弦波出力を提供する。
【0151】 図12Cは、本発明の他の実施例による、回転子320に設けた導電プレート
の頂面図である。回転子320は機能的には回転子310と同様であり、これに
代わることができる。上記プレート317の“負バージョン”である精密パター
ン・プレート318を有する点で先に述べた実施例と異なる。
【0152】 図13は、本発明の好ましい実施例による、2速度エンコーダと併用される信
号コンディショニング回路330の簡略図である。回路330は回路200に関
連して上述したのとほとんど同じであるが、近似処理チャンネル328と精密処
理チャンネル329を別々に設けたPQEアプローチを採用する。
【0153】 粗チャンネル可変キャパシタンス336〜339は、典型的には10kHz方
形波の4相AC電圧332〜335によって励起される。精密チャンネル可変キ
ャパシタンス344〜347は、典型的には40kHz方形波によって励起され
る。この電子装置は、粗および精密チャンネルすべてによって共用されるように
、受信プレート312(図12A)と接続する電荷増幅器348を含む。増幅器
出力は、粗および精密処理チャンネルに向けられ、同期検出器349〜352お
よび低域フィルタ354〜357を含む。同期検出器349および351はそれ
ぞれ同相基準信号332および340を供給され、低域フィルタ354および3
56によってフィルタされて粗および精密正弦波信号を形成する。同期検出器3
50および352はそれぞれ直角位相基準信号333および341を供給され、
低域フィルタ355および357によってフィルタされて粗および精密正弦波信
号を形成する。次いで、上述したように、これらのアナログ信号をディジタル化
し、マイクロコンピュータによって処理することが好ましい。
【0154】 図14は、本発明の他の好ましい実施例による、3速、タイプ5のCFRAA
Eの回転子380に設けた導電プレートの頂面図である。回転子は精密チャンネ
ル382、中程度チャンネル384、粗チャンネル386および結合プレート3
88を含む。これは適当に適合させた固定子および信号コンディショニング回路
と併用され、2つではなく3つの処理チャンネルと併用される。図14の構成は
、例えば、精密チャンネルに多数のサイクルを有する大径エンコーダに有用であ
る。この場合、粗チャンネルは、固有精密サイクルを正しく識別できるほど正確
でなくてもよい。粗および精密チャンネルのサイクル数の中間サイクル数を有す
る中程度チャンネルを加えることにより、先ず中程度チャンネルの固有サイクル
を識別し、次いで、精密チャンネルの固有サイクルを識別することによって問題
を解決することができる。
【0155】 図15は、本発明の好ましい実施例による、図12A−Bに示すような2速度
回転エンコーダと併用される2状態切替可能信号コンディショニング回路420
を略示する回路図である。回路420は、図13に示すような多チャンネル回路
よりも簡単であり、部品数が少ないという点で有益である。
【0156】 可変キャパシタンス429〜432はエンコーダの精密相互キャパシタンスを
表し、可変キャパシタンス433〜436は粗チャンネル相互キャパシタンスを
表す。スイッチ425〜428は、(図示しない)共通の論理信号によって指令
されて、精密チャンネルまたは粗チャンネル・キャパシタンスに励起電圧421
〜424または値電位を印加することにより、精密または粗角度測定量を得る。
先に挙げた実施例に関連して述べたように、電荷増幅器447からの出力電圧が
同期検出器448および449と低域フィルタ450および451によって処理
されて、スイッチ・オンされたチャンネル(精密または粗)に対応する正弦およ
び余弦出力が形成される。
【0157】 好ましくは、粗チャンネルを使用してエンコーダの絶対位置を識別する。典型
的には、この粗信号はシステム初期化にのみ必要である。システムがONになる
と、論理指令が先ずスイッチ425〜428を介して、励起波形を粗チャンネル
送信プレート(キャパシタンス433〜436)に伝送する。この粗位置測定を
利用して、回転子の位置に対応する特定の精密サイクルを識別する。次いで、励
起電圧を精密チャンネル送信プレート(キャパシタンス429〜432)に印加
し、精密チャンネル信号を処理することによって、回転子の絶対的且つ正確な位
置を得る。
【0158】 図16Aおよび16Bは、本発明の好ましい実施例による、2速度のタイプ5
CFRAAEを構成する、固定子460および回転子470の導電プレートをそ
れぞれ示す頂面図である。この実施例では、回転子と固定子の間の多極可変キャ
パシタンスを利用して、粗および精密角度測定量を発生させる。実用上の利点は
、エンコーダの所与の外径に対して、比較的大きい中心孔を形成することができ
、従って、比較的広い範囲のシャフト径に対応できることにある。
【0159】 固定子460は精密送信プレート467と四分円受信プレート463〜466
を含む。精密プレートは回転子470に設けた精密パターン・プレート468と
相互作用する。回転子に設けた偏心結合プレート461はこの相互作用を受信プ
レートに結合する。プレート461は偏心関係にあるから、4つの象限キャパシ
タンスが合計されない限り、結合キャパシタンスは回転的に独立ではない。合計
すると、正確な精密チャンネルの測定量が得られる。この場合、精密チャンネル
出力信号をA=Rsin(nθ)およびB=Rcos(nθ)とすれば、そのベクトル和Rは
下記式で与えられる定数である: R=√(A2+B2) 但し、受信四分円のすべてを使用しない場合、ベクトル和Rは変調され、粗チャ
ンネルの測定量を求めるのに利用できる。
【0160】 図17は、本発明の好ましい実施例による、図16Aおよび16Bのエンコー
ダと併用される信号処理回路480を略示するブロックダイヤグラムである。好
ましくはシャフトが静止したままの初期化段階において、回路480の正弦およ
び余弦チャンネルの出力から、4対のDC電圧A1、A2、A3およびA4およびB 1 、B2、B3およびB4が得られる。そのためには、スイッチ490,491,4
92および493を順次閉じ、フィルタ509および510の出力に現れる出力
DC電圧をサンプリングすればよい。各DC電圧は精密キャパシタンス482,
483,484および485と、特定象限結合キャパシタンス486,487,
488または489(図16Aの象限463,464,465および466にそ
れぞれ対応)と、電荷増幅器506、同期復調器507および508および低域
フィルタ509および510の固定ゲインの結果である。次いで、各電圧対の対
応ベクトル和を計算することにより、特定シャフト角度における象限結合キャパ
シタンス値に比例する振幅R1、R2、R3およびR4を求める。対角対差R1−R3 およびR2−R4は粗シャフト角度の所要の正弦および余弦に比例する。
【0161】 この初期化の後、4つのスイッチ490〜497を閉じてエンコーダを精密モ
ードに切り替える。このモードでは、精密固定子プレートが精密回転子パターン
と相互作用するから、電源494〜497および可変キャパシタンス482〜4
85を利用して精密シャフト角度を求める。
【0162】 図18A,18Bおよび18Cは、本発明の好ましい実施例による、タイプ4
エンコーダを構成する送信固定子520、回転子525および受信固定子527
をそれぞれ示す頂面図である。このエンコーダは多極相互キャパシタンスから単
極信号を得る第2方式の一例である。
【0163】 固定子520は図11Bに示した回転子270に設けたのと同様の、複数の送
信プレート529から成る多極送信列を含む。但し、ここではプレート529が
4つの象限軍521〜524に分割され、それぞれが別々に給電される。固定子
527は環状受信プレート528を含む。回転子525はその両側に多極導電パ
ターン526を有し、これら2つの導電パターンは電気的に接続されている。
【0164】 受信固定子527から受信された信号は、図8に示した回路200とほぼ同様
の回路によって処理される。この場合、キャパシタンス206〜209は、各象
限における送信プレート群に起因する可変キャパシタンスを表す。回転子525
のプレート526が理想的な多極パターンを有する限り、送信象限の1つが給電
されるか、2つ以上が給電されるかに関係なく、低域フィルタ213および21
4からの出力正弦および余弦信号は精密チャンネルを表す。しかし、もし回転子
パターンが、例えば、回転軸心に対する偏心性または軸心にたいする傾斜または
サイクル毎の厚さ変動のため、理想の状態的でなければ、象限のすべてが同時に
給電されない場合、出力信号が回転毎に振幅変調を含むことになる。このような
偏心性またはその他の偏りはままありうることである。即ち、個々の象限が順次
給電され、振幅R1−R3およびR2−R4が計算されれば、粗シャフト角度の正弦
および余弦が得られる。すべての象限が同時に給電される場合、精密チャンネル
の正弦および余弦が正確に得られる。
【0165】 これと等価の方式は他にも考えられるが、共通点として、いずれも1回転毎に
何らかの形で対称性が崩れる多極回転子と、2つの構成、即ち、対称性の構成と
対称性を崩す特徴を有する構成との間で切替可能な固定子とを有する。例えば、
理想的な多極パターンを有する回転子を使用し、1つまたは2つ以上のサイクル
が欠落している場合、固定子が対称(複数象限)モードにある時、信号はその影
響を受けない。しかし、固定子が非対称(単一象限)モードに切替えられると、
信号振幅は1回転毎に変調される。
【0166】 本発明のさらに他の好ましい実施例として、サイクル毎に対称性が崩れる多極
回転子を、同様に対称性を欠く回転子と連携させる。この場合、スイッチングは
不要である。例えば、(図11Bに示す)固定子270を偏心させるか、または
固定子の1つのセグメントを除けばよい。回転子と固定子の欠陥が信号振幅Rを
周期的に変調することになる。回転子が回転している初期化の段階において、R
が最大または最小値に達する位置を識別するため、Rをモニターする。この位置
を回転子の指標位置とする。次いで、本来の測定段階で、好ましくは、上記サイ
クル毎の変調と関連する精密信号中のサイクル毎のエラーを修正することにより
、正確な絶対値を得る。このような実施例の長所は、結合または粗パターン・プ
レートを必要とせず、精密パターンだけでよいから、回転子の中心孔をさらに大
きく形成できることである。 〔区分された3次元回転子〕 図19は、本発明の好ましい実施例による、3次元導電パターンを有する回転
子520を略示する斜視図である。この実施例では、導電パターンに沿って回転
子を切り抜き、ベタの中心部分から複数の放射状突出部522を形成し、突出部
間に開放凹部524を介在させる。この回転子構成は、湿気のある環境で作用し
なければならないエンコーダでは特に有益である。公知技術において多く見られ
るように、回転子面が扁平な場合、水分が膜を形成して導電パターンを水浸しに
するから、エンコーダは機能不能に陥る。回転子520を使用すれば、水膜が存
在しても性能は同じであり、回転子は正確な測定量を提供し続ける。パターンの
ある領域と空白領域との間に現れる単位面積当りのキャパシタンス差は水膜のな
い時よりも大きくなるから、信号レベルが増大する。開放凹部524は精密チャ
ンネルに適用されるだけであるが、このチャンネルはエンコーダの性能にとって
最も重要である。本発明の一実施例では、基板を薄くすることによって粗チャン
ネル・パターンを部分的に凹ませ、濡れた、凹みのない領域よりも、凹んだパタ
ーンにおける単位面積当りキャパシタンスを小さくすることによって、水分の影
響を軽減する。
【0167】 上記ヨーロッパ特許出願0226716号は、エンコーダにおける静電界分布
を精度を高めるための3次元回転子パターンを有するタイプ4の容量性エンコー
ダを記述している。この出願は水分の影響には触れておらず、記述されているパ
ターンの凹部は閉ざされている。従って、回転子520は、特に、回転子パター
ンが部分的に凹んでいるかどうかに関係なく接地水膜が連続的なスクリーンとし
て作用する接地回転子(タイプ3)実施態様において、公知の3次元回転子より
も優れている。回転子520の構成はタイプ4のエンコーダにも有用である。
【0168】 回転子520だけでなく、ここに記載の他の実施例における回転子についても
、その基材としては、使用目的に応じて、導電パターンでコーティングされる、
銅張りガラス−エポキシまたは真空蒸着ガラス・ディスクのような非導電材で形
成することができる。回転子ディスクおよび中心部分526は、ガラス充填ポリ
カーボネートのような強化プラスチックから成形された単一片であることが好ま
しい。この実施例において、回転子に導電性コーティングを選択的に施す好まし
い方法の1つとしては、いわゆる箔押しを採用する。この方法では、薄い金属膜
を連続的なロールから基材へ選択的に移行させ、パターンを有する加熱プレート
の圧力によってコーティングする。好ましい実施例としては、射出される基材に
、先ずレリーフでパターンを形成し、扁平な、パターンのない加熱プレートを使
用してコーティングする。このような成形回転子の長所は、回転シャフトに対し
てパターンを正確に、且つ固定的に整合させることができる点にある。
【0169】 (図示しないが)本発明の他の好ましい実施例としては、回転子の外縁をパター
ンのある部分の高さよりもやや上方へ起立させる。起立部分はスペーサとして作
用し、パターンのある部分とこれと対向する固定子プレートとの接触を防止する
ことにより、エンコーダの最終組立てにおいて固定子と回転子との間に適正な分
離が達成される前に、コーティングが損傷するのを防ぐ。起立パターンのもう1
つの利点は、上述したように、回転子上に水膜が形成されるような高湿度条件下
で顕著に現れる。
【0170】 カーボン充填またはその他の導電性ポリマーを、回転子の他の部分となる非導
電性ポリマーと一緒に射出して、回転子の導電性領域を形成することも可能であ
る。
【0171】 およそすべての回転センサーに要求される重要な条件は、回転以外の回転子の
機械的変位、例えば、回転軸心に対する偏心または傾斜、または軸取付けエラー
に起因する変位に感応しないことである。本発明の好ましい実施例によるCFR
AAEsはいずれも、軸取付けエラーがあっても、高々正弦および余弦チャンネ
ルの共通ゲインに影響するだけであって、角度計算値を決定する両者の比には影
響しないから、ほとんど感応しない。多極容量性エンコーダにおける信号は複数
極の複合分布である。従って、このようなエンコーダは、光学的エンコーダとは
異なり、固定子に対する回転子の傾斜または半径方向不整列には顕著な自己補正
および許容能力を発揮する。
【0172】 しかし、単極CFRAAEはその性質上、回転子の偏心エラーに敏感である。
傾斜エラーに対する感度はタイプに応じて異なり、タイプ2および3の感度は最
も低い。タイプ4CFRAAEはその簡単な構成が利点であるから、回転子の傾
斜に対する不感度の向上が望ましい。
【0173】 図20は回転子傾斜の影響を説明するための、公知のような、タイプ4のCF
RAAE538を略示する断面図である。エンコーダ538は、送信導電パター
ン・コーティング541および545を有する第1固定子540、受信導電コー
ティング543を有する第2固定子542、および電気的に互いに接続する導電
コーティング547および548を有する、やや傾斜している回転子544を含
む。エンコーダ右側の、固定子540と回転子544との間の狭いエア・ギャッ
プは、固定子542が受信する信号全体に対する送信パターン541の寄与を、
パターン545の寄与よりも大きくする。寄与の差は両チャンネル間のゲイン比
に影響し、出力エラーの原因となる。回転子544と受信コーティング543と
の間のキャパシタンスは傾斜によって変化させられるが、この影響は双方の寄与
に共通であり、ゲイン比には影響しない。
【0174】 図21は、本発明の好ましい実施例による、タイプ4のCFRAAE560を
略示する断面図である。回転子561の両側の導電パターンは複数素子562−
572に分割され、それぞれが互いに電気的に絶縁されている。ぞれぞれのコー
ティング547および548を有する各素子の両面は電気的に互いに接続してい
る。この場合、周縁電界効果を無視すれば、コーティング545と回転子素子5
62、回転子素子とコーティング543の間のキャパシタンスC1およびC2の直
列接続は、回転子素子562の位置からはほとんど独立である。阻止570と連
携するキャパシタンスC1およびC2の直列接続も、他の回転子素子と連携するキ
ャパシタンスの直列接続も、位置からはほとんど独立である。従って、パターン
の総キャパシタンスは傾斜にほとんど影響されない。
【0175】 図22は、本発明の好ましい実施例による、回転子561を略示する頂面図で
ある。図示のように、コーティング547は複数のセグメント572に分割され
、単極対構成における、図21に示すセグメント562−570と同様に構成さ
れている。米国特許第4,851,835号は、タイプ4のCFRAAEの回転
子に形成した多極パターンのセグメント構成を記述している。しかし、この公知
例では、回転子の傾斜に対するエンコーダの不感度の向上に重きを置いていない
。即ち、上述したように、個々の極の自己補正により、多極回転子は本来的に傾
斜に感応いないからである。公知エンコーダとは異なり、本発明は傾斜に対する
不感度に優れた単極回転子561を提供する。
【0176】 図23は、本発明の好ましい実施例による、2つのCFRAAEタイプを1つ
の装置として組合わせたハイブリッド回転子580を略示する頂面図である。回
転子580は3次元多極精密チャンネル・パターン582を形成するように成形
された絶縁性基材から成る。従って、このパターンはタイプ2である。上述した
ように、好ましくは区分された導電性パターン584を回転子基材上に形成し、
粗チャンネルとして作用させる。従って、粗パターンはタイプ4のCFRAAE
として作用する。ほかにも、異なるタイプの組合わせがかのうである。 〔容量性線形変位エンコーダ〕 回転角度測定に関する上記概念は、容量性線形変位エンコーダ(CLDE)に
も応用できる。このようなエンコーダは、移動の全範囲にまたがる固定素子−ル
ーラ−と、実用的な範囲で短く形成された読取ヘッドと呼称される移動素子とを
含む。ルーラは、例えば、後述するように、導電性ベローズなどで遮蔽すること
ができるが、ルーラよりもはるかに短いヘッドを遮蔽する方がより便利である。
従って、必須条件ではないが、CLDEのヘッド部分が受信手段を含むことが好
ましい。傾斜エラーを自己補正する多極対CFRAAEとは異なり、CLDEに
は円対称性はなく、ルーラとヘッドの相対傾斜の影響から自由ではない。本発明
の好ましい実施例はこの欠点を克服するように構成されている。
【0177】 図24および25は、本発明の好ましい実施例による、2プレート読取ヘッド
602を有するCLDE600の簡略図である。図24は、タイプ2,3または
4エンコーダとして実施できるエンコーダの基本構成を示す側面図である。図2
5は、タイプ2としての実施を例示する、図24におけるXXV−XXV線にお
ける簡略化断面図である。
【0178】 CLDE600はヘッド602と共にルーラ604を含む。図25に示すよう
に、ヘッドは受信プレート606および送信プレート608を含む。タイプ2と
して実施する場合、ルーラ604が絶縁材から成り、直線状エッジではなく、好
ましくは正弦波形の、反復的な3次元エッジを含む。タイプ3または4のCLD
Eの場合、後述するように、ルーラの導電性コーティングでパターンをプリント
する。ルーラ・パターンは、図19に示す3次元の回転子パターンと同様に3次
元でよいが、この場合には、取付けのため、図24および25に示すように底部
ではなく、中心線に沿ってルーラを固定する必要がある。好ましくは、ヘッド6
02を接地外部シールド610による電気的干渉から保護する。
【0179】 図26Aは、本発明の好ましい実施例による、タイプ1のCLDEの読取ヘッ
ド604を略示する側面図である。タイプ1のCLDEは、ルーラ上の送信プレ
ートおよび対称性の二重サイノソイド(sinusoid)・パターン612を有するヘ
ッド604上の単一の受信プレートを含む。二重サイノソイドは2つの軸を中心
に対称である。従って、移動方向と平行な長手軸を中心とするおよびヘッドとル
ーラの間のエア・ギャップに垂直な軸を中心とするエラーは実質的に自己補正さ
れる。パターン612を利用することによって、エンコーダ600のヘッド傾斜
に対する感度を、公知のCLDE装置よりも軽減することになる。移動方向と直
交する軸を中心とする傾斜に起因するエラーは、パターン中のサイクル数に比例
して軽減される。
【0180】 図26Bは、本発明の好ましいタイプ1の実施例による読取ヘッド620を略
示する側面図である。この場合、対称的な、二重サイノソイド受信パターン62
2は、その両側の導電接地層621および623によって外部的干渉に対して保
護される。
【0181】 図27は、本発明の好ましい実施例による、送信プレート608を有するタイ
プ1のCLDEルーラ602を略示する側面図である。ルーラ602はヘッド6
04または620と併用することが好ましい。送信プレートはCFRAAE実施
例に関連して上述したように、4相AC電圧、好ましくは方形波によって励起さ
せられる複数のバー624から成るパターンを含む。好ましくは、図8に示す単
一チャンネル検出および復調方式と共にPQE励起を利用することにより、部品
公差に対するCLDEの感度を鈍らせ、正弦および余弦チャンネルにおいてほぼ
等しいゲインを得る。
【0182】 図28は、本発明の他の好ましい実施例による、タイプ4のCLDEに使用さ
れるルーラ630に形成された二重シノサイド・パターン632を略示する側面
図である。接地シールド610(図25)は、タイプ2および3のCLDEsに
おける読取ヘッド602に電気的干渉が作用するのをほぼ防止できるが、タイプ
4のCLDEでは、ルーラ上の導電パターンが連続的であるから、干渉をピック
アップし、受信手段606に伝導する恐れがある。図28に示すように、傾斜ギ
ャップ634を有する区分パターン632によって、干渉が伝導されるこの懸念
が著しく軽減される。従って、常時能動的であるパターンはヘッド602の内側
に遮蔽され、シールド610の外側にあって保護されないセグメントから絶縁さ
れる。セグメント間のギャップ634は傾斜しているから、ヘッドの移動に応じ
たキャパシタンス測定量のシノサイド依存性が損なわれることがない。公知のよ
うな垂直ギャップの場合、パターンに起因して、サイノソイド状に変化するキャ
パシタンスに不連続性を発生させることになる。即ち、パターン632を採用す
ることで、達成可能な補間深さが増大し、その結果、エンコーダの精度が公知C
LDE装置よりも高くなる。
【0183】 図29は、本発明の好ましい実施例による、他のCLDE640を略示する断
面図である。CLDE640の構成は、長手方向スロットと隣接する受信プレー
ト646および送信プレート648を有する固定ルーラ644を含むという点で
、CLDE600(図24および25)に対して“倒立関係”である。移動ヘッ
ド642はスロットの内側を移動する。この倒立構成は、移動ヘッドに電気的に
アクセスできないか、または何らかの理由で電気的に受動的でなければならない
場合に有用である。
【0184】 図30は、本発明のさらに他の好ましい実施例による、遮蔽された倒立CLD
Eを略示する断面図である。ルーラ654は迷路状の長手方向スロットを有し、
プレート646および648とヘッド652を保護するための接地シールド65
6を含む。CLDE650は原理的にはCLDE640と同様であるが、外部干
渉に対する抵抗は比較的高い。
【0185】 ルーラ644もヘッド642(図29)も、公知のFR−4基板材料を使用す
る多層プリント回路技術に基づくプリント回路であることが好ましい。典型的に
は、ルーラ・プリント回路板の表層が送信プレート648を含み、内側層が励起
線および遮蔽接地プレートを含む。他の好ましい実施例にも同様の技術を利用で
きる。ルーラが単一送信(または受信)プレートを含み、ヘッドとは反対側の、
ルーラの裏側が空白である、本発明のタイプ1およびタイプ5実施例の場合、薄
い多層基板からルーラを作成し、エンコーダを使用する機械にこれを接着すれば
よい。この可撓ルーラを円筒面に接着すれば、角度測定が可能になる。他の可能
性として、図28に示すように、複数のルーラ素子を直列に突合わせる方法があ
る。突合せで得られる精度はCLDEの精度に匹敵できないから、素子の位置検
出エラーを記憶するため、校正処理を採用することが好ましい。
【0186】 本発明の好ましい実施例の典型的な製法では、厚さ0.3mm、幅12mm、
長さ500mmのFR−4の材料片からルーラを形成する。ヘッド・パターンの
長さは2mm、測定解像度は0.1μmである。
【0187】 図31Aは、本発明の好ましい実施例による、タイプ5のCLDE660を略
示する断面図である。CLDEはルーラ662と、送信プレート668および6
70および受信プレート674を内面に有する移動ヘッド664とを含む。ルー
ラ662の内面には、図28に示したパターン632のようなセグメント状のパ
ターンを形成することが好ましい。上述したように、干渉のピックアップを極力
抑制するため、パターンを区分してあるが、ヘッドの受信プレートはCLDE6
00(図25)の場合のように対向プレートによって保護されない。従って、ルー
ラ662の裏面を接地コーティング666で被覆することにより、受信プレート
674と対向するセグメントを外部干渉から保護する。同様の目的で、ヘッド6
64の外面を接地コーティング676で被覆する。
【0188】 図31Bは、本発明の好ましい実施例による、原理的にはCLDE660と同
様の、他のタイプ5CLDE680を略示する断面図である。CLDE680で
は、移動ヘッド682の延長部684によって接地保護を達成する。従って、ル
ーラ662が接地接続を含む必要はない。
【0189】 図32は、送信プレート668および570と受信プレート674の構成を略
示する、ヘッド664の側面図である。送信プレートは受信プレート674のい
ずれかの側に、上下2列に配置された、図27に示したようなバーから成ること
が好ましく、受信プレートはルーラ・パターン632(図28)の中央部とキャパ
シタンス結合している。ヘッドおよびパターンの対称的な構成は、ヘッドの傾斜
および回転に対するCLDEの感度を最小限に軽減するのに寄与する。CLDE
のための好ましい信号コンディショニング方式は、図8に示したようなPQE方
式である。
【0190】 図32のCLDEに実施された原理を利用して(図示しない)タイプ6構成を実
施することもできる。この場合、ヘッドは送信および受信プレートを有する2つ
の回路基板を含み、それぞれがルーラのいずれかの側に配置される。同様に、ル
ーラはその両面にパターン632のようなパターンを有し、両パターンは互いに
電気的に接続している。このように実施すれば、干渉からの保護効果を高め、信
号ゲインを増大させ、ヘッド傾斜に対する感度を抑えることができる。
【0191】 図33Aおよび33Bは、本発明の好ましい実施例による、タイプ1の絶対C
LDEにおけるルーラ700およびヘッド714をそれぞれ略示する側面図であ
る。この場合のCLDEは、構造において、CLDE660(図31A)と同様で
あり、作用において、切替可能な2速度CFRAAEsと同様である。即ち、ル
ーラ700に対するヘッド714の絶対位置を示唆する近似モードと、増分CL
DE660と等価の作用を有する精密モードとの間で切替可能である。近似モー
ドにおける測定量エラーが精密チャンネル・サイクルの長さより小さければ、粗
および精密測定量を組合わせることによって、精密チャンネルによってのみ制限
される精度および解像度で、絶対変位量測定量を得ることができる。
【0192】 図33Aから明らかなように、ルーラ700の送信パターン702は、パター
ンの個々のバー708が対角分離線710によって2つの三角形グループ704
および706に分割されている点を除けば、図27のそれとほとんど同様である
。各グループ704および706に属するバー708は4本のPQE線で別々に
給電され、個々の垂直バーとして、または集合的な三角形送信手段として作用す
るように切替えることができる。ヘッド714は、図26Bに示したパターン6
22と同様のパターン716を有することが好ましい。
【0193】 増分位置検出を行う精密モード動作では、各バー708の2つの部分のそれぞ
れのPQE線が互いに接続して、増分CLDE動作が行われる。ヘッド714の
パターン716の上下領域が中央の正弦波部分722との接続を解かれ、図26
Bに関連して上述したように接地される。
【0194】 粗モードでは、絶対位置測定量を得るため、2グループ704および706の
それぞれに属する部分的バーのすべてが互いに接続する。読取ヘッドの上下領域
が接地を解かれ、部分722と接続して四辺形プレートを形成する。読取ヘッド
714と三角形グループ704との間のキャパシタンスがC2ならば、差C1−C 2 はルーラ700に対するヘッドの変位量に比例する。バー708間のギャップ
に起因する、粗モードにおける測定出力のリップルを極力小さくするため、読取
ヘッドの前後縁724,726を斜行させて、プレートを平行四辺形にすること
が好ましい。
【0195】 粗チャンネルの精度は、識別可能な精密サイクルの最大数を決定する。従って
、精密パターンの所与のサイクル長さに対して、粗チャンネル精度は総測定長さ
を決定する。同様に、所与の測定長さに対して、粗チャンネル精度は最小精密サ
イクル長さを、従って、得られる解像度を決定する。近時チャンネルの精度を最
大限に高めるためには、2つの重大なエラー発生源を極力排除することが好まし
い: 1.C1にもC2にも影響するルーラ700とヘッド714との間のエア・ギャ
ップ公差。エア・ギャップはC1およびC2に影響するから、差C1−C2を和C1
+C2によって正規化することによってこのエラーを除くことができる。
【0196】 2.移動方向と平行な軸線に対するヘッド714の傾斜はC1とC2の間のバラ
ンスに影響する。このエラーは計算では克服できない。
【0197】 図34は、本発明の好ましい実施例による、上記傾斜に対する感応度の問題を
克服するように構成された、ルーラ730上の互い違い送信パターン732を略
示する側面図である。ここでは、2グループではなく、3グループの三角形73
4,736,738を近似モードに使用し、傾斜軸に対して対称の構成を得る。
1が三角形734および738による複合キャパシタンスであり、C2が三角形
736によるキャパシタンスならば、C1およびC2の変動は少なくとも1桁まで
自己補正される。
【0198】 増分エンコーダから絶対測定量を得るために利用できる他の方法としては、機
械的ゼロと定義される既知位置−線形エンコーダの場合ならルーラの一方の端部
において指標パルスを発生させる。システムがONになると、指標位置上をヘッ
ドが移動し、次いで、絶対位置が検出される。この技術は容量性角度エンコーダ
にも線形エンコーダにも利用できる。
【0199】 図35は、この指標位置設定の概念を説明するため、本発明の好ましい実施例
による、タイプ1の線形エンコーダ750を略示する側面図である。上述したよ
うに、複数の送信バー756から成るルーラ754は、典型的にはその端部に、
指標送信プレート751および752が補足されている。読取ヘッド753は矩
形受信プレートを含む。好ましくは、ヘッド753はヘッド714(図33B)に
おけるパターン716のような切替パターンを有することによって、精密測定チ
ャンネルおよび指標チャンネルに共通の受信手段として作用できるようにする。
【0200】 図36Aおよび36Bはヘッド753とプレート751の間、およびヘッド7
53とプレート752の間でそれぞれ感知されるキャパシタンスC1、C2を、ヘ
ッドの移動に対応させて示すグラフであり、図36Bは和C1+C2を示す。差チ
ャンネルにおけるゼロ出力信号と和チャンネルにおける所定閾値以上の出力信号
が一致する点が指標位置である。
【0201】 エンコーダのための信号コンディショニングは、図13に示す回路を簡略化し
た回路によって行うことが好ましい。この場合、位置チャンネルと連携するバー
756は、共通周波数の4相電圧340〜343によって励起されて、低域フィ
ルタ356および357の出力において、指標キャパシタンスC1およびC2に比
例する正弦および余弦信号を出力する。
【0202】 CLDEsに関連して上述した特徴に加えて、CFRAAE装置に関連して述
べたその他の特徴をCLDEsと併用することもでき、その逆もまた可能である
。上記好ましい実施態様において、容量性移動量エンコーダの特徴を種々の組み
合わせおよび構成について説明したが、本発明の原理に基づき、同様の素子およ
び構成要件を他の装置にも適用できる。6つのタイプのエンコーダのそれぞれに
関連して説明した本発明の構成要件はその他のタイプのエンコーダにも適用でき
る。このような組合わせ、適用および構成はすべて本発明の範囲に包含される。
【0203】 上記好ましい実施形態は実施例として説明したものであって、本発明の範囲は
請求項によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 技術上既知である単純化された容量性位置センサを示す概略回路図である。
【図2】 本発明の好ましい実施例に従ったシングルポールの容量性回転角度エンコーダ
およびこれに合体される回路構成の上面図を示す略図である。
【図3A】 本発明の好ましい実施例に従った容量性移動量エンコーダのタイプを示す概略
断面図である。
【図3B】 本発明の好ましい実施例に従った容量性移動量エンコーダのタイプを示す概略
断面図である。
【図3C】 本発明の好ましい実施例に従った容量性移動量エンコーダのタイプを示す概略
断面図である。
【図3D】 本発明の好ましい実施例に従った容量性移動量エンコーダのタイプを示す概略
断面図である。
【図3E】 本発明の好ましい実施例に従った容量性移動量エンコーダのタイプを示す概略
断面図である。
【図4】 本発明の好ましい実施例に従った容量性回転角度エンコーダの部分的断面図で
ある。
【図5】 本発明の別の好ましい実施例に従った容量性回転角度エンコーダの部分的断面
図である。
【図6】 本発明の好ましい実施例に従った容量性回転角度エンコーダの電気遮蔽の詳細
を示す概略断面図である。
【図7】 本発明の好ましい実施例に従った、仮想接地回転子を有する容量性回転角度エ
ンコーダの概略分解図である。
【図8】 本発明の好ましい実施例に従った、容量性回転角度エンコーダから発せられる
信号を同期的に位相/直交処理するための回路を示す概略ブロック図である。
【図9】 本発明の好ましい実施例に従った図8の回路の構成の詳細を示す概略回路図で
ある。
【図10】 本発明の好ましい実施例に従った、電磁レゾルバをエミュレートするための、
容量性回転角度エンコーダおよびこれに合体される回路の概略分解図である。
【図11A】 本発明の好ましい実施例に従った、マルチポール回転子上の導電性プレートの
上面図である。
【図11B】 本発明の好ましい実施例に従った、図11Aの回転子と使用される固定子上の導
電性プレートの上面図である。
【図11C】 本発明の別の好ましい実施例に従った、図11の回転子の代わりに使用するため
の回転子上の導電性プレートの上面である。
【図12A】 本発明の好ましい実施例に従った、二速エンコーダに使用するための固定子上
の導電性プレートの上面図である。
【図12B】 本発明の好ましい実施例に従った、図12Aの固定子と使用するための回転子上
の導電性プレートの上面図である。
【図12C】 本発明の好ましい実施例に従った、図12Aの固定子と使用するための回転子上
の導電性プレートの上面図である。
【図13】 本発明の好ましい実施例に従った、図12Aの固定子および図12Bの回転子を使用
する容量性回転角度エンコーダから発せられる信号を同期的に位相/直交処理す
るための回路を示す概略ブロック図である。
【図14】 本発明の好ましい実施例に従った、三速エンコーダに使用するための回転子上
の導電性プレートの上面図である。
【図15】 本発明の好ましい実施例に従った、図12Aの固定子および図12Bまたは12Cの回
転子を使用する切り替え粗/精密容量性回転角度エンコーダから発せられる信号
を同期的に位相/直交処理するための回路を示す概略ブロック図である。
【図16A】 本発明の好ましい実施例に従った、粗パターンなしの二速エンコーダに使用す
るための固定子上の導電性プレートの上面図である。
【図16B】 本発明の好ましい実施例に従った、16Aの固定子と使用するための回転子上の
導電性プレートの上面図である。
【図17】 本発明の好ましい実施例に従った、図16Aの固定子および図16Bの回転子を使用
する容量性回転角度エンコーダから発せられる信号を同期的に位相/直交処理す
るための回路を示す概略ブロック図である。
【図18A】 本発明の好ましい実施例に従った、粗パターンなしの別の二速エンコーダに使
用するためのそれぞれ送信固定子および受信固定子上の導電性プレートの上面図
である。
【図18B】 本発明の好ましい実施例に従った、図18Aおよび18Cの固定子と使用するための
回転子上の導電性プレートの上面図である。
【図18C】 本発明の好ましい実施例に従った、粗パターンなしの別の二速エンコーダに使
用するためのそれぞれ送信固定子および受信固定子上の導電性プレートの上面図
である。
【図19】 本発明の好ましい実施例に従った、容量性回転角度エンコーダに使用するため
の三次元パターンを有する回転子の略図である。
【図20】 エンコーダの確度に対する回転子の傾斜の影響を示す、技術上既知である容量
性回転角度エンコーダの概略断面図である。
【図21】 本発明の好ましい実施例に従った、区分された回転子を有する容量性回転角度
エンコーダの概略断面図である。
【図22】 図21に示される区分化を採用するシングルポール回転子の概略上面図である。
【図23】 本発明の好ましい実施例に従った、二速容量性回転角度エンコーダに使用する
ためのハイブリッド・タイプの回転子の概略上面図である。
【図24】 本発明の好ましい実施例に従った容量性線形変位エンコーダの概略側面図であ
る。
【図25】 線XXV-XXVに沿って見た図24のエンコーダの概略断面図である。
【図26A】 本発明の好ましい実施例に従った、上に電気的に能動的なパターンを示す容量
性線形エンコーダに使用するための読取りヘッドの側面図である。
【図26B】 本発明の好ましい実施例に従った、上に電気的に能動的なパターンを示す容量
性線形エンコーダに使用するための読取りヘッドの側面図である。
【図27】 本発明の好ましい実施例に従った、容量性線形エンコーダに使用するためのル
ーラの側面図である。
【図28】 本発明の好ましい実施例に従った、容量性線形エンコーダに使用するためのル
ーラ上の区分された導電性パターンの側面図である。
【図29】 本発明の好ましい実施例に従った容量性線形エンコーダの概略断面図である。
【図30】 本発明の好ましい実施例に従った容量性線形エンコーダの概略断面図である。
【図31A】 本発明の他の好ましい実施例に従った容量性線形エンコーダの概略断面図であ
る。
【図31B】 本発明の他の好ましい実施例に従った容量性線形エンコーダの概略断面図であ
る。
【図32】 本発明の好ましい実施例に従った、上に送信プレートおよび受信プレートを示
す、図31Aのエンコーダにおける読取りヘッドの概略側面図である。
【図33A】 本発明の好ましい実施例に従った、絶対示度容量性線形エンコーダのそれぞれ
ルーラおよび読取りヘッドの概略側面図である。
【図33B】 本発明の好ましい実施例に従った、絶対示度容量性線形エンコーダのそれぞれ
ルーラおよび読取りヘッドの概略側面図である。
【図34】 本発明の別の好ましい実施例に従った、絶対示度容量性線形エンコーダに使用
するためのルーラの概略側面図である。
【図35】 本発明の好ましい実施例に従ったインデックス付き容量性線形エンコーダの概
略側面図である。
【図36A】 図35のエンコーダから派生する読取り値を概略して示すグラフである。
【図36B】 図35のエンコーダから派生する読取り値を概略して示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (81)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止物体に対する移動物体の位置を感知するための容量性移
    動量エンコーダであって、 前記静止物体に結合された少なくとも1つの静止素子と、 前記移動物体に結合され、前記静止素子の近傍に位置する移動素子と、 前記両素子の相対移動に応じて、該静止および移動素子間のキャパシタンス
    に現れる変化によって変調され、静電界を発生させる電界送信手段と、 前記移動および静止物体のいずれとも電気的に絶縁され、前記移動および静
    止素子を封入することによって、該両素子を外部からの電気的干渉から遮断する
    導電性シールドと、 前記変調された静電界を感知し、これに応じて前記移動物体の位置測定量を
    求めるように接続された処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性移動量エンコーダ。
  2. 【請求項2】 前記移動素子が回転子を有し、前記移動物体が回転シャフト
    を有し、少なくとも1つの前記静止素子が少なくとも1つの固定子を有し、前記
    処理回路が前記シャフトの前記回転位置の測定量を求める、請求項1に記載のエ
    ンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記導電性シールドが、前記回転子および前記少なくとも1
    つの固定子と共に前記処理回路の少なくとも一部を封入する、請求項2に記載の
    エンコーダ。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1つの固定子および回転子が、プリント回路
    板を含み、その少なくとも1つに前記処理回路の少なくとも一部が設けられてい
    る、請求項3に記載のエンコーダ。
  5. 【請求項5】 前記回転子が、ほぼ扁平なプレートと、前記回転子を前記シ
    ャフトに結合するための、実質的に非扁平な環状ハブとを有し、前記シールドが
    前記ハブの近傍に達するように、前記回転子平面内に延びて、前記シャフトから
    前記回転子への電気的干渉を防止している、請求項2に記載のエンコーダ。
  6. 【請求項6】 前記回転子が前記固定子に対して少なくとも360°回転で
    きるように、エンコーダが構成されている、請求項2に記載のエンコーダ。
  7. 【請求項7】 前記移動素子および前記静止素子の周りに、前記シールドか
    ら電気的に絶縁された機械的ハウジングを含む、請求項1〜6のいずれか1項に
    記載のエンコーダ。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも1つの静止素子がほぼ平行に、互いに間隔を
    保つ2つの静止素子を有し、その一方が前記電界送信手段を含み、他方が電界受
    信手段を含み、これら送受信手段が、両手段間に配置された可撓導電部材に前記
    2つの素子を押圧することによって、前記ハウジング内で互いに電気的に結合す
    る、請求項7に記載のエンコーダ。
  9. 【請求項9】 前記静止素子が、前記シールドを通って突出し、前記エンコ
    ーダと電気的に接続する延長部を含むプリント回路板を含む、請求項1乃至6の
    いずれか1項に記載のエンコーダ。
  10. 【請求項10】 前記電界送信手段が前記静止素子に取り付けられて、前記
    導電シールドの一部を形成する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエンコ
    ーダ。
  11. 【請求項11】 前記電界送信手段が前記静止素子に取り付けられ、前記移
    動素子が、前記静電界を変調する電気的能動パターンを有する、請求項1乃至6
    のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  12. 【請求項12】 前記電気的能動パターンが絶縁材を有する、請求項11に
    記載のエンコーダ。
  13. 【請求項13】 前記電気的能動パターンが導電材を有する、請求項11に
    記載のエンコーダ。
  14. 【請求項14】 前記導電材が前記処理回路と結合し、前記静電界の受信手
    段として作用する、請求項13に記載のエンコーダ。
  15. 【請求項15】 前記少なくとも1つの静止素子が、前記処理回路と結合す
    る前記静電界の受信手段を含む、請求項13に記載のエンコーダ。
  16. 【請求項16】 前記移動素子上の前記導電性電気能動パターンが、ほぼ一
    定の電位に保持される、請求項15に記載のエンコーダ。
  17. 【請求項17】 前記移動素子上の導電性電気能動パターンが、電気的に浮
    遊している、請求項15に記載のエンコーダ。
  18. 【請求項18】 前記少なくとも1つの静止素子が、前記送信手段および前
    記受信手段の双方が取り付けられている単一素子を有する、請求項15に記載の
    エンコーダ。
  19. 【請求項19】 送信手段および受信手段の双方が取り付けられている第2
    静止素子を含む、請求項16に記載のエンコーダ。
  20. 【請求項20】 回転シャフトの位置を感知するための容量性角度エンコー
    ダであって、 前記回転シャフトの周りに配置された複数のセグメントを備え、それぞれの
    セグメントが周波数は共通であるが他のセグメントとは異なる所定の位相を有す
    る周期静電界を発生させる送信手段と、 前記複数セグメントからの電界に応じて信号を発生し、受信される前記電界
    の各々の強度を、前記シャフトの回転の関数として前記送信手段との間に現れる
    キャパシタンスの変化によって変調する受信手段と、 発生した前記電界と同期して、前記信号を処理し、前記回転角度を表す出力
    を発生する、少なくとも1つの同期検出器を含む検出回路と、 を備えたことを特徴とする容量性角度エンコーダ。
  21. 【請求項21】 前記少なくとも1つの同期検出器が、前記回転角度の正弦
    および余弦に比例する出力をそれぞれ発生させる2つの同期検出器を有する、請
    求項20に記載のエンコーダ。
  22. 【請求項22】 前記受信手段が、単一の入力増幅チャンネルを含み、処理
    のため、すべての前記送信手段セグメントからの信号がこのチャンネルを介して
    受信される、請求項20に記載のエンコーダ。
  23. 【請求項23】 前記送信プレートが、複数のセグメントに分割されて、前
    記シャフトの軸心の周りに配置されたほぼ扁平な送信固定子を含む、請求項20
    乃至22のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  24. 【請求項24】 前記複数のセグメントを4つの象限状に配置した、請求項
    23に記載のエンコーダ。
  25. 【請求項25】 前記受信手段が、前記シャフトの軸心を中心に非線対称の
    関係にあり、且つ、前記固定子の近傍において前記シャフトと共に回転する受信
    領域を有する、ほぼ扁平な回転子を含む、請求項23に記載のエンコーダ。
  26. 【請求項26】 前記受信領域が、前記シャフトの軸心に対して偏心関係に
    あるほぼ円形を呈する、請求項25に記載のエンコーダ。
  27. 【請求項27】 前記受信手段がほぼ扁平な受信固定子を含むと共に、ほぼ
    扁平な回転子をも含み、前記回転子が前記シャフトの軸心に対して非線対称の関
    係にある電気的能動領域を有し、前記シャフトと一緒に回転して前記受信信号を
    変調する、請求項23に記載のエンコーダ。
  28. 【請求項28】 前記回転子の前記電気的能動領域が、前記シャフトの軸心
    に対して偏心関係にあるほぼ円形を呈する、請求項27に記載のエンコーダ。
  29. 【請求項29】 回転シャフトの位置を感知するための容量性角度レゾルバ
    であって、 所与の周波数のAC電気入力に応答する周期静電界を発生させる送信手段と
    、 前記回転シャフトの周りに配置された複数のセグメントを有し、それぞれの
    該セグメントにおいて受ける前記電界が、前記シャフトの回転の関数として前記
    送信手段との間のキャパシタンスの変化によって変調されるように、前記送信手
    段からの前記電界に応じる信号を発生する受信手段と、 前記受信手段セグメントからの信号を処理することにより、回転角度を表す
    AC出力を発生する信号処理回路と、 前記AC入力を整流することにより、検出回路にDC電圧を供給する整流回
    路と、 を備えたことを特徴とする容量性角度レゾルバ。
  30. 【請求項30】 前記信号処理回路が前記発生電界と同期して前記信号を処
    理し、前記AC出力が、前記回転角度の正弦および余弦にそれぞれ比例する2つ
    の出力から有する、請求項29に記載のエンコーダ。
  31. 【請求項31】 前記シャフトと一緒に回転し、電気的能動パターンを有す
    る回転子を含み、前記受信手段において受信された前記電界を、前記回転子の回
    転が変調する、請求項29に記載のエンコーダ。
  32. 【請求項32】 前記電気的能動パターンが導電材を有する、請求項31に
    記載のエンコーダ。
  33. 【請求項33】 前記導電材がグラウンド電位に維持される、請求項32に
    記載のエンコーダ。
  34. 【請求項34】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性移動
    量エンコーダであって、 前記静止体に結合された少なくとも1つの静止素子と、 前記移動体に結合され、前記静止素子の近傍に位置する移動体素子と、 前記静止素子および前記移動素子のいずれか一方と連携する静電界送信手段
    と、 前記静止素子および前記移動素子の他方と連携し、この素子の寸法に沿って
    、それぞれ低および高空間周波数で円滑にその素子上で変化する、粗および精密
    周期電気的能動パターンを有し、これら電気的能動パターンが、前記静止および
    移動素子の相対移動に伴ってその両素子間にキャパシタンス変化を誘導させるこ
    とにより、空間高周波を殆ど伴わない低および高空間周波数に対応する変調周波
    数で、前記静電界を変調するように構成された電界変調手段と、 前記変調された静電界を感知し、これに応じて前記移動体位置の粗および精
    密測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性移動量エンコーダ。
  35. 【請求項35】 前記移動素子が回転子を有し、前記移動体が回転シャフト
    を有し、前記静止素子が固定子を有し、前記処理回路が前記シャフトの回転位置
    の測定量を求める、請求項34に記載のエンコーダ。
  36. 【請求項36】 前記固定子が複数の導電領域を有する単一の扁平素子を有
    し、該導電領域の1つが電界送信手段であり、該導電領域の他の1つが電界を受
    信する、請求項35に記載のエンコーダ。
  37. 【請求項37】 前記粗周期パターンが、前記シャフトに対して偏心関係と
    なるように前記回転子に形成されたほぼ円形の領域を有し、前記精密周期パター
    ンが、前記シャフト周りに位置するように前記回転子に形成された正弦パターン
    を有するように、前記電気的能動パターンを前記回転子に形成した、請求項35
    に記載のエンコーダ。
  38. 【請求項38】 前記粗パターンのほぼ円形の領域を、前記回転子面上に配
    分された複数の部分領域に分割することによって、前記固定子に対する前記回転
    子の傾斜に起因する前記電界の変調の変動を軽減する、請求項37に記載のエン
    コーダ。
  39. 【請求項39】 前記電界変調手段が、高および低周波数の中間に設定され
    た空間周波数を有する中間電気的能動パターンをも含み、前記処理回路が該中間
    周波数に応じる前記電界の変調を感知する、請求項34乃至38のいずれか1項
    に記載のエンコーダ。
  40. 【請求項40】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性移動
    量エンコーダであって、 前記静止体に結合された少なくとも1つの静止素子と、 前記移動体に結合され、前記静止素子の近傍に位置する移動体と、 前記静止素子および前記移動素子のいずれか一方と連携する静電界送信手段
    と、 前記静止素子および前記移動素子の他方と連携し、この素子の寸法に沿って
    この素子上で、それぞれ低および高空間周波数で変化する、粗および精密周期電
    気的能動パターンを有し、これら電気的能動パターンが、前記静止および移動素
    子の相対移動に応じて両素子間にキャパシタンス変化を誘導することにより、前
    記低および高空間周波数に対応する変調周波数で前記静電界を変調するように構
    成された電界変調手段と、 前記粗および精密パターンによって交互に変調されるように前記静電界を切
    替え、前記変調された電界を感知することにより、これに応じて前記移動体の位
    置の粗および精密測定量を交互に求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする、容量性移動量エンコーダ。
  41. 【請求項41】 前記移動素子が回転子を有し、前記移動体が回転シャフト
    を有し、少なくとも1つの前記静止素子が固定子を有し、前記処理回路が前記シ
    ャフトの回転位置測定量を求める、請求項40に記載のエンコーダ。
  42. 【請求項42】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性移動
    量エンコーダであって、 前記静止体に結合され、静電界送信手段および受信手段を含む静止素子と、 前記移動体に結合され、前記静止素子の近傍に位置し、粗および精密周期電
    気的能動パターンを有する電界変調手段を含む移動素子であって、粗および精密
    周期電気的能動パターンが前記移動素子の寸法に沿って、低および高空間周波数
    で変化し、前記静止および移動素子の相対移動に応じて両素子間にキャパシタン
    ス変化を誘導することにより、前記低および高空間周波数に対応する変調周波数
    で前記静電界を変調するように構成された移動素子と、 前記変調された静電界を感知することにより、これに応じて前記移動体の位
    置の粗および精密測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする、容量性移動量エンコーダ。
  43. 【請求項43】 前記移動素子が回転子を有し、前記移動体が回転シャフト
    を有し、前記静止素子が複数の導電領域を有する固定子を有し、該導電領域の少
    なくとも1つが前記電界送信手段であり、他の1つの導電領域が前記受信手段で
    あり、前記処理回路が前記シャフトの回転位置測定量を求める、請求項42に記
    載のエンコーダ。
  44. 【請求項44】 回転シャフトの位置を感知するための容量性角度エンコー
    ダであって、 少なくとも1つが静電界を発生させる電界送信手段を有する1つまたは複数
    の固定子と、 前記シャフトと一緒に回転するよう結合され、その上に回転非対称の電気的
    能動パターンを有する回転子であって、該電気的能動パターンが、前記シャフト
    の回転に応じて、該シャフトが1回転するごとに前記固定子と前記回転子の間の
    キャパシタンスを繰り返し誘導することにより前記静電界を変調し、前記パター
    ンを複数の部分領域に分割することによって、前記固定子に対する前記回転子の
    傾斜に起因する前記電界の変調に生じる変化を軽減するように構成された回転子
    と、 前記変調された静電界を感知するよう結合され、粗および精密変化に応じて
    前記シャフトの角度の粗および精密測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性角度エンコーダ。
  45. 【請求項45】 前記回転子上の前記電気的能動パターンが、前記シャフト
    の軸心に対して偏心位置を占めるほぼ円形の領域を有する、請求項44に記載の
    エンコーダ。
  46. 【請求項46】 回転シャフトの位置を感知するための容量性角度エンコー
    ダであって、 前記シャフトに結合され、前記シャフトの軸心に対して非線対称の関係にあ
    り該回転子周りに配置されたパターンを含む電気的能動領域を有し、このパター
    ンが所定の角度周波数で該シャフト周りを複数回反復するように構成された回転
    子と、 連携する静電界が、前記回転子の回転に伴って前記電気的能動領域が誘導す
    るキャパシタンスの変化によって変調される少なくとも1つの固定子と、 前記領域の非線対称性に起因して前記シャフトの1回転ごとに起こる電界変
    調を感知し、これに応じて、前記シャフトの回転角度の粗測定量を求め、前記パ
    ターンに起因する電界変調を感知することによって前記回転角度の精密測定量を
    求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性角度エンコーダ。
  47. 【請求項47】 前記電気的能動領域が、前記シャフト軸心に対して偏心関
    係にある、ほぼ円形の領域を有する、請求項46に記載のエンコーダ。
  48. 【請求項48】 1つまたは複数の前記固定子の1つに結合され、前記シャ
    フト軸心に対する非線対称性を特徴とし、前記パターンおよび前記受信手段の非
    線対称性間の相互作用に応じて角度の粗測定量が求められる、請求項46に記載
    のエンコーダ。
  49. 【請求項49】 前記角度の粗および精密測定量を交互に求めるために操作
    されるスイッチを含む、請求項46乃至48のいずれか1項に記載のエンコーダ
  50. 【請求項50】 前記固定子が複数の導電セクターを含み、それぞれの該セ
    クターが前記処理回路に結合され、該処理回路が該スイッチの作動に応じて前記
    セクターから受信される信号をグループ分けして、粗および精密角度測定量を交
    互に求める、請求項49に記載のエンコーダ。
  51. 【請求項51】 静止体に対する移動体の位置を感知するための耐湿容量性
    移動量エンコーダであって、 前記静止体に結合され、連携する静電界を有する、少なくとも1つの静止素
    子と、 前記移動体に結合され、スペースを挟んで互いに分離された複数の電気的能
    動セグメントを含む移動素子であって、これらのセグメントが、該移動素子の移
    動に伴う静止および移動素子間のキャパシタンス変化によって前記静電界を変調
    するパターンを形成するように構成された移動素子と、 前記変調された静電界を感知するよう結合され、これに応じて、前記移動体
    の位置測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする耐湿容量性移動量エンコーダ。
  52. 【請求項52】 前記移動体に衝突する流体が、前記セグメントから該セグ
    メントを分離しているスペースへ移動する、請求項51に記載のエンコーダ。
  53. 【請求項53】 前記移動体が回転シャフトを有し、前記移動素子が前記シ
    ャフトを中心に半径方向外方に突出する電気的能動セグメントを有する回転子を
    有し、少なくとも1つの前記静止素子が少なくとも1つの固定子を有し、前記処
    理回路が前記シャフトの回転位置の測定量を求める、請求項51または52に記
    載のエンコーダ。
  54. 【請求項54】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性移動
    量エンコーダであって、 前記移動体に結合され、その上に電気的能動パターンを有する移動素子と、 前記静止体に結合され、前記移動素子の両側に配置されて、交互の静電界を
    送信する第1および第2静止素子と、 前記電気的能動パターンの移動に起因する前記静止素子間のキャパシタンス
    の変化に応じる前記静電界の変調を感知し、これに応じて、前記移動体の位置測
    定量を求める処理回路と、 第1静止素子における交番電位を感知し、逆電位を第2静止素子に印加する
    ことによって、前記移動素子をほぼ一定の電位に維持する電位等化回路と、 を備えたことを特徴とする耐湿容量性移動量エンコーダ。
  55. 【請求項55】 前記ほぼ一定の電位が仮想グラウンド電位である、請求項
    54に記載のエンコーダ。
  56. 【請求項56】 前記電位等化回路が実質的に前記移動素子と電気的に接触
    しない、請求項54に記載のエンコーダ。
  57. 【請求項57】 前記移動体が回転シャフトを有し、前記移動素子が前記シ
    ャフトに結合された回転子を有し、前記第1および第2静止素子が1対の固定子を
    有し、前記処理回路が前記シャフトの回転位置測定量を求める、請求項54乃至
    56のいずれか1項に記載のエンコーダ。
  58. 【請求項58】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性線形
    移動量エンコーダであって、 前記静止体に固定されたルーラと、 前記ルーラに沿って移動するように前記移動体に固定された読取ヘッドであ
    って、該読取ヘッドの近傍に静電界を発生させる静電界送信手段を含む読取ヘッ
    ドと、 前記ルーラ上に形成され、該ルーラに対する前記読取ヘッドの移動に応じて
    前記静電界を変調するように、前記ルーラと前記読取りヘッドの間のキャパシタ
    ンスの変化を引起こし、前記ルーラに対して前記読取ヘッドが傾斜しても、変調
    がほとんど影響されないように、対称性を有する電気的能動パターンと、 前記変調された静電界を感知するよう結合され、変調を検出し、これに応じ
    て,前記移動体の位置測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性線形移動量エンコーダ。
  59. 【請求項59】 前記パターンが二重サイノソイドを有する、請求項58に
    記載のエンコーダ。
  60. 【請求項60】 前記読取ヘッドが、前記変調された静電界を受信する受信
    手段を有し、前記パターンが該パターン中のギャップによって間歇的に分断され
    ていて、前記パターンに沿った干渉が前記読取ヘッドに結合されるのを防止し、
    前記ギャップが前記ルーラの長手軸に対して鋭角に形成されている、請求項58
    または59に記載のエンコーダ。
  61. 【請求項61】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性線形
    移動量エンコーダであって、 前記静止体に固定されたルーラであって、該ルーラの近傍において静電界を
    発生させる静電界送信手段を含むルーラと、 前記ルーラに沿って移動するように前記移動体に固定され、その上に電気的
    能動パターンが形成されている読取ヘッドであって、前記パターンが、前記ルー
    ラに対する前記読取ヘッドの移動に応じて前記静電界を変調するように、前記ル
    ーラと前記読取ヘッドの間のキャパシタンスの変化を引起こさせ、前記ルーラに
    対して前記ヘッドが傾斜しても、変調がほとんど影響されないように、前記パタ
    ーンが対称性を有するように構成された読取ヘッドと、 前記変調された静電界を感知するよう結合され、前記変調を検出し、これに
    応じて、前記移動体の位置測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性線形移動量エンコーダ。
  62. 【請求項62】 前記パターンが二重サイノソイドである、請求項60に記
    載のエンコーダ。
  63. 【請求項63】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性線形
    変位エンコーダであって、 前記静止体の湾曲面に固定されたルーラと、 前記ルーラに沿って移動するように前記移動体に固定された読取ヘッドと、 前記読取ヘッドの近傍に静電界を発生させる静電界送信手段と、 前記ルーラまたは前記読取ヘッドに形成され、前記ルーラに対する前記読取
    ヘッドの移動に応じて前記静電界を変調するように、前記ルーラと前記読取ヘッ
    ドの間にキャパシタンスの変化を引起こさせる、電気的能動パターンと、 前記変調された静電界を感知するよう結合され、前記変調を検出し、これに
    応じて、前記湾曲面に沿った前記移動体の位置測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性線形変位エンコーダ。
  64. 【請求項64】 前記静止体がほぼ円筒形を呈し、前記移動体の位置測定量
    が前記静止体の軸心周りの角度測定量を含む、請求項63に記載のエンコーダ。
  65. 【請求項65】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性線形
    変位エンコーダであって、 前記静止体に前記固定されたルーラと、 前記ルーラに沿って移動するように前記移動体に固定された読取ヘッドと、 前記読取ヘッドの近傍において静電界を発生し、且つ受信するように前記ル
    ーラに固定され、粗および精密読取部を有する送信プレートと、 前記読取ヘッドに設けられた電気的能動受信プレートであって、前記ルーラ
    に対する前記読取ヘッドの移動に伴い、前記送信プレートと前記受信プレートの
    間にキャパシタンスの変化を引起こし、前記受信プレートによって受信された前
    記静電界を変調するように構成された電気的能動受信プレートと、 前記変調された静電界を感知するように結合され、前記粗読取部における前
    記電界変調を検出し、これに応じて前記移動体位置の粗測定量を求める一方、前
    記精密読取部における前記電界の変調を検出し、これに応じて前記移動体位置の
    精密測定量を求める、処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性線形変位エンコーダ。
  66. 【請求項66】 前記粗測定量が位置測定絶対値を含む、請求項65に記載
    のエンコーダ。
  67. 【請求項67】 前記送信プレートが複数の送信バーを有し、これらの送信
    バー全体が少なくとも2つの三角形領域に分割されており、粗読取部においては
    、前記領域の各々のバーがまとめて励起される、請求項65または66に記載の
    エンコーダ。
  68. 【請求項68】 前記受信プレートが、ほぼ四辺形の領域に重ねられた導電
    性の周期パターンを含み、前記粗読取領域において前記送信プレートが動作中に
    は、前記四辺形領域全体が共通の電位に維持される、請求項67に記載のエンコ
    ーダ。
  69. 【請求項69】 静止体に対する移動体の位置を感知するための容量性移動
    量エンコーダであって、 前記静止体に結合された少なくとも1つの静止素子と、 前記移動体に結合された移動素子と、 前記移動素子の近傍において静電界の発生および受信のために、前記静止ま
    たは移動素子に固定された送信および受信プレートであって、これらのプレート
    が前記静止素子上の指標位置に、少なくとも1つの指標プレートを含み、前記少
    なくとも1つの指標プレートの近傍に位置するときに前記移動素子が遭遇する静
    電界が、前記静止素子に沿った他の位置における静電界とは明確に異なるように
    構成された送信および受信プレートと、 前記素子の1つに形成され、前記静止素子に対する前記移動素子の移動に応
    じて前記素子間のキャパシタンスを変化させることにより、前記静電界を変調す
    る電気的能動パターンと、 前記変調された静電界を感知し、前記移動素子が前記指標プレートの近傍に
    位置する時の電界差を識別し、これに応じて前記移動素子が前記指標位置にある
    ことを判断すると共に、前記変調を検出し、これに応じて、前記指標位置に対す
    る前記移動体の位置測定量を求める処理回路と、 を備えたことを特徴とする容量性移動量エンコーダ。
  70. 【請求項70】 前記静止素子がその一端に前記指標プレートを有する線形
    ルーラを有し、前記移動素子が前記ルーラに沿って移動する前記読取ヘッドを有
    する、請求項69に記載のエンコーダ。
  71. 【請求項71】 回転シャフトの位置感知方法であって、 前記回転シャフトの周りの複数の角度位置において共通の周波数を有し、そ
    れぞれが他の信号とは異なる所定の位相を有する周期静電界を送信し、 前記複数の位置から前記電界を感知し、前記シャフトの回転の関数としてキ
    ャパシタンスの変化で引起される前記電界変調に応じる信号を発生させ、 前記回転角度を表す出力を発生させるように、前記送信される電界の周波数
    と同期して信号を処理する、 ステップを備えたことを特徴とする回転シャフトの位置感知方法。
  72. 【請求項72】 前記信号処理ステップが、前記回転角度の正弦および余弦
    に比例する出力を発生させるステップを有する、請求項71に記載の方法。
  73. 【請求項73】 回転シャフトの位置感知方法であって、 所与の周波数のAC電気的入力を受信し、 前記AC入力に応じて周期静電界を発生させ、 前記AC入力の一部を整流することにより、検出回路にDC電圧を供給し、 複数位置における電界を感知し、前記シャフトの回転の関数としてキャパシ
    タンスの変化により引起される前記電界の変調に応じる信号を発生させ、 回転角度を表す所与の周波数のAC出力を発生させるように、前記検出回路
    を用いて前記信号を処理する、 ステップを備えたことを特徴とする回転シャフトの位置感知方法。
  74. 【請求項74】 前記信号処理ステップが、前記回転角度の正弦および余弦
    に比例する出力を発生させるステップを有する、請求項73に記載の方法。
  75. 【請求項75】 静止体に対する移動体の位置感知方法であって、 前記移動体の近傍に静電界を送信し、 前記移動体の移動の寸法に沿って、それぞれ低および高空間周波数で円滑に
    変化する粗および精密周期電気的能動パターンを前記移動体に連携させ、前記静
    止および移動素子の相対移動に伴って、両素子間にキャパシタンスの変化を引起
    こさせることにより前記静電界を、空間高周波をほとんど含まない低および高空
    間周波数に対応する変調周波数で変調し、 前記変調された静電界を感知し、これに応じて、前記移動体位置の粗および
    精密測定量を求める、 ステップを備えたことを特徴とする静止体に対する移動体の位置感知方法。
  76. 【請求項76】 前記移動体が回転シャフトを有し、前記移動体と粗パター
    ンとを連携するステップが、前記シャフト周りにこれと偏心関係に配置された、
    前記回転子上のほぼ円形の領域を規定する、請求項75に記載の方法。
  77. 【請求項77】 静止体に対する移動体の位置感知方法であって、 前記移動体近傍の静電界を送信し、 前記移動体の移動の寸法に沿って、それぞれ低および高空間周波数で変化す
    る粗および精密周期電気的能動パターンを前記移動体に連携させ、前記静止およ
    び移動素子の相対移動に応じて、両素子間にキャパシタンスの変化を引起こすこ
    とにより静電界を、前記低および高空間周波数に対応する変調周波数で変調し、 前記粗または精密パターンによって交互に変調されるように前記静電界を切
    替え、 前記変調された静電界を感知し、これに応じて、前記移動体位置の粗および
    精密測定量を交互に求める、 ステップを備えたことを特徴とする静止体に対する移動体の位置感知方法。
  78. 【請求項78】 回転シャフトの位置感知方法であって、 前記回転シャフトの軸心に対して非線対称関係であり、回転子周りに配置さ
    れたパターンを含む電気的能動領域を有する回転子を前記シャフトに結合し、所
    定の角度周波数で、前記パターンを前記シャフト周りに複数回反復させ、 前記移動体の近傍に静電界を送信し、 前記領域が非線対称性であるため1回転ごとに起こる前記電界の変調を感知
    し、これに応じて、前記シャフトの回転角度の粗測定量を求め、 前記パターンに起因する前記電界変調を感知することにより、前記回転角度
    の精密測定量を求める、 ステップを備えたことを特徴とする回転シャフトの位置感知方法。
  79. 【請求項79】 前記回転子を結合するステップが、前記シャフトの回転軸
    心周りに非線対称性であることを特徴とする電気的能動領域を有する回転子を結
    合するステップを含む、請求項78に記載の方法。
  80. 【請求項80】 静止体に対する移動体の位置感知方法であって、 前記電気的能動パターンを有する移動素子を前記移動体に結合し、 前記静電界を送信するための第1および第2静止素子を前記移動体の両側に
    配置し、 前記第1静止素子における電位を感知し、前記移動素子をほぼ一定の電位に
    維持するように、前記第2静止素子に逆電位を印加し、 前記電気的能動パターンの移動による両静止素子間のキャパシタンスの変化
    に応じる前記静電界の変調を感知し、これに応じて、前記移動体の位置測定量を
    求める、 ステップを備えたことを特徴とする静止体に対する移動体の位置感知方法。
  81. 【請求項81】 湾曲面に対する移動体位置の感知方法であって、 前記移動体に読取ヘッドを固定し、 前記湾曲面に沿って可撓ルーラを固定し、 前記ルーラまたは前記読取ヘッドに、前記ルーラに対する前記読取ヘッドの
    移動に応じて、前記ルーラと前記読取ヘッドの間のキャパシタンスの変化を引起
    こさせる電気的能動パターンを設けることにより、前記静電界を変調し、 前記読取ヘッドの近傍に静電界を発生させ、 前記変調された静電界を感知することにより、前記変調を検出し、これに応
    じて、前記湾曲面に沿った前記移動体の位置測定量を求める、 ステップを備えたことを特徴とする湾曲面に対する移動体位置の感知方法。
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