JP2002537961A - 芳香エアゾールの局所送達のための方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、制御された量の芳香を標的ユーザーへと送達するためのシステムおよび方法を提供する。このような方法およびシステムは、好ましくは、芳香の直接のボーラスまたは流れを慎重に単一または小集団の個人へと、ボーラス生成器を用いて提供して、その結果、他の個人および他の位置を伴う芳香の交叉汚染を回避する。本発明は、好ましくは空気リング（３２）のような芳香のボーラスを送達する。芳香付けされた空気リング（３２）は、芳香生成デバイス（２０）の間の空気を通って、空気の粘着ユニットとしてユーザーへと直接移動する。この減少は、喫煙者から排出される「煙のリング」に類似する。芳香は、単一ユーザーの鼻ほどの局所化された標的へと正確に指向され得、その結果、ユーザーの直接の近辺へのみ投薬量全体が送達され得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （関連出願の引用） 本願は、以下の仮出願に対する利益を主張する：第６０／１２３，９７０号（
１９９９年３月１２日出願）（米国特許施行規則１．７８条のもと、その全開示
が本明細書において参考として援用される）。

【０００２】 （発明の背景） 本発明は、化学物質の送達に概して関し、そしてより詳細には、芳香付きエア
ゾールを局所的な標的へ制御された送達をするための方法およびシステムに関す
る。

【０００３】 データまたは情報の普及に関連づけた娯楽または他の活動に対して芳香を付加
することが知られている。コンピュータ、ゲームコンソール（ゲーム機）、イン
ターネットアプライアンス、および他の個々に方向付けられたデバイスの使用の
増加は、これらおよび他の自動化活動に関連した芳香の送達を同調させることに
ついて増加した所望をもたらした。ヒト嗅覚器は、非常に感度がよく、そしてそ
の芳香の精度および一致性は、重要である。成功の主要な基準は、ユーザーに対
して芳香を正確、迅速および明らかに、他の人々に影響を与えずにその付近に送
達する能力である。

【０００４】 殆どの慣用されるシステムは、標的ユーザーの方向へと方向付けされた化学物
質を吹き流すファン（ｆａｎ）の使用を包含する。不幸にも、従来のデバイスは
、その芳香を、特定の標的へと送達することを制御し、そしてしばしば、大量の
その芳香化学物質で部屋全体を満たす手段を欠如する。芳香付けされた油および
化学物質の性質のために、しばしば、芳香化学物質を、新たな芳香の導入の前に
除去することが困難である。結果として、困難な芳香の送達を確実にすることで
、しばしば、すでに送達された芳香の残留芳香で汚染される。

【０００５】 従って、理解され得るように、以前の送達からの残留芳香で新規の芳香が汚染
されるレベルを減少しながら、個々の芳香の体験を提供し得るシステムおよび方
法に対する必要性が存在する。

【０００６】 （発明の要旨） 本発明は、概して、制御された量の芳香を標的ユーザーへ送達するためのシス
テムおよび方法を提供する。そのような方法およびシステムは、好ましくは、直
接のボーラスまたは流れの芳香を、単一または小集団の個体へと慎重に提供して
、その結果、他人および他の位置への芳香の交叉汚染を回避する。

【０００７】 本発明は、好ましくは、空気リングとして芳香のボーラスを送達する。方向付
けされた空気リングは、芳香生成デバイスの間の空気を通じて、直接、ユーザー
に対して凝集ユニットの空気として移動する。この現象は、喫煙者によって排出
される「煙のリング」に類似する。この芳香リングは、単一のユーザーの鼻ほど
の小ささの局所的な標的に正確に指向され得る。その結果、その投薬量の全体が
そのユーザーの直接の近辺にのみ送達され得る。そのような標的化された送達は
、その標的位置での所望レベルの芳香を達成するために送達されねばならない芳
香の量を最小限化する。結果として、そのユーザーの領域から除去または消散さ
せねばならない芳香の量もまた減少し、そして異なる芳香との交叉汚染も減少す
る。

【０００８】 本発明のシステムは、代表的に、排出チャンバへ連結された複数の格納チャン
バを有する。電気信号生成器およびボーラス生成器（例えば、振動可能なダイア
フラムまたはオーディオスピーカ）を使用して、芳香化学物質を送達するための
パルスを作製し得る。電気信号生成器は、機械的手段、記録された媒体中に埋め
込まれた電気的信号、双方向プログラムのよって生成される電気的信号などによ
って活性化され得る。殆どの実施において、電気的信号生成器およびボーラス生
成器は、その芳香を保持するその排出チャンバにおける空気圧力の迅速な増加を
付与する。本発明の芳香リングの送達は、代表的には、その排出チャンバ内のオ
リフィスまたは開口部を通ってである。ほとんどの実施形態において、そのオリ
フィスは、そのユーザーの鼻の直接の近傍へと向けられ得、その結果、その標的
ユーザーの芳香体験を最大化する。その芳香リングの移動の大きさおよび速度は
、異なる状況について、パルスの頻度および数を変化させること、開口部の大き
さを変化させること、開口部の数を変化させることなどによって調整され得る。

【０００９】 本発明の別の局面において、芳香生成システムは、以前に送達された芳香化学
物質の残留（ｌｉｎｇｅｒｉｎｇ）芳香から、新規芳香の汚染のレベルを減少す
るように構成され得る。いくつかの実施形態において、排気ファンおよび空気フ
ィルタを使用して、その排出チャンバ中に残留する芳香付けされた空気を除去す
る。必要に応じて、空気はさらにフィルタリングされ得、その間に、そのチャン
バ中に引き込まれて、その排出チャンバに引き込まれた汚染空気の量を減少させ
得る。従って、新規に生成された芳香は、限定された量の所望されない汚染のみ
を含む。

【００１０】 その排出チャンバ中に保持された芳香のすべてを除去することは困難であるこ
とから、本発明のいくつかの実施は、その排出チャンバの少なくとも一部にわた
って位置付けされた吸着性物質（例えば、吸着性粘度）を有し得る。この吸着性
物質は、その芳香化学物質を誘引し、そしてそれらを捕捉効果をもって吸着し、
その結果、その排出チャンバをとおって移動する続いての芳香化学物質の汚染を
妨害する。

【００１１】 その吸着性物質の代替として、次の芳香の汚染を減少するために使用され得る
別の方法は、排出チャンバおよび芳香化学物質の両方に類似の電荷を付与するこ
とである。この２つの類似の荷電されたエレメントは、互いに反撥し、そしてそ
の排出チャンバの芳香の付着を制限する。

【００１２】 個々の芳香化学物質は、各々、代表的には、その囲いの内側のレセプタクルへ
と挿入される別個のカートリッジ内に含まれる。少なくとも１つの芳香化学物質
は、複数の芳香カートリッジから選択され、そしてそれは、送達システムを通じ
てその排出チャンバへと移動する。１つの実施形態において、その送達システム
は、小さなポンプを有し、このポンプは、そのカートリッジの１つの開口部へ安
定した圧力を付与する。安定した圧力は、一方向のチェックバルブを通じて侵入
し、そしてそのカートリッジの内部の空気圧を増加する。第二のチェックバルブ
が開き、そして芳香付けされた空気が、その排出チャンバから放出され、そのユ
ーザーへと送達される。殆どの実施形態において、電気信号は、そのチェックバ
ルブを通じて空気圧の流れを可能にする調節バルブの開口部を制御する。芳香の
漏れを最小化するためのさらなる予防的手段を付加するために、そのカートリッ
ジは、外側を囲む封入Ｏリングを有し得、これは、そのカートリッジとその保持
レセプタクルの内壁との間の摩擦して付着する接続を提供する。

【００１３】 そのカートリッジから移動された後、芳香化学物質は、液体形態である場合、
種々の方法（例えば、その芳香化学物質を、マイクロポンプまたはナノポンプを
通じて流すこと、多孔性膜を飽和させること、または電気的に活性化された圧電
セラミックプレート、レーザなどを用いて液体を気化すること）を用いて、気化
され得る。

【００１４】 芳香生成システムの制御は、代表的に、その放出の時機および頻度を制御する
マイクロプロセッサ回路の使用を通じてである。その制御回路は、代表的に、標
準的な連絡リンク（例えば、ケーブル、ワイヤレス（無線）接続、赤外線、無線
など）を通じてプログラム可能な電気的な活性化手段に連結される。

【００１５】 別の局面において、本発明は、芳香化学物質を送達するためのシステムを提供
する。このシステムは、オリフィスを有する排出チャンバを有する。複数のカー
トリッジは、個々の化学物質を保持する。そのカートリッジの少なくとも１つが
活性化されて、その芳香化学物質をその排出チャンバへと放出し得る。ボーラス
生成器アセンブリは、その排出チャンバへと連結されて、その結果、そのボーラ
ス生成器アセンブリは、空気パルスを送達し、このパルスは、その化学物質のリ
ングボーラスを、オリフィスを通じてその排出チャンバ中へと押し込む。

【００１６】 別の局面において、本発明は、局所化された標的に芳香化学物質を送達するた
めのシステムを提供する。このシステムは、オリフィスを有する排出チャンバを
備える。複数の格納手段が個々の芳香化学物質を格納する。この格納手段は、少
なくとも１つの選択された芳香化学物質の、その排出チャンバへの放出を制御す
る。パルス手段は、リングボーラスの形状においてそのオリフィスを通じてその
芳香化学物質を追い出す排出チャンバ内にその芳香化学物質に制御された空気パ
ルスを送達する。

【００１７】 なお別の局面において、本発明は、局所的な標的に芳香化学物質を送達するた
めのシステムを提供する。そのシステムは、開口部を備える排出チャンバを有す
る。その排出チャンバは、芳香化学物質の流れを受けるように適合される。拡散
機構は、その排出チャンバと連絡し、その結果、その拡散機構は、その芳香化学
物質を、その排出チャンバを通じて移動させる。吸着内張りを、その排出チャン
バの少なくとも一部にわたって形成して、その芳香化学物質がその排出チャンバ
を通って移動した後に、その排出チャンバに残るその芳香化学物質を吸着させる
。

【００１８】 さらに別の局面において、本発明は、芳香を分散するためのシステムを提供す
る。そのシステムは、芳香化学物質に電気的に荷電させるための手段を有する。
電気的に荷電された芳香化学物質を受けるための排出チャンバは、同様の荷電を
有し、その結果、その排出チャンバは、その芳香化学物質を追い出し、そしてそ
の化学物質による汚染を減少させる。送達機構は、その排出チャンバを通ってそ
の芳香化学物質に力を与えるように構築される。

【００１９】 別の局面において、本発明は、方法を提供する。芳香化学物質は、複数の芳香
化学物質から選択される。芳香リングが形成され、そしてユーザーに向けて指向
される。

【００２０】 なお別の局面において、本発明は、芳香の局在化した送達のための方法を提供
する。芳香化学物質は、複数の芳香化学物質から選択される。空気パルスが生成
されて、リングボーラスの形態においてその排出チャンバを制御可能に分散する
。

【００２１】 なお別の局面において、本発明は、方法を提供する。第一の芳香化学物質は、
排出チャンバを通じて移動する。その排出チャンバのその第一の少なくとも一部
の芳香化学物質の残渣は、その排出チャンバを通じて移動した第二の芳香化学物
質の汚染が阻害されるように吸着される。

【００２２】 別の局面において、本発明は、方法を提供する。電気的に荷電された芳香化学
物質は、排出チャンバへと移動する。類似の荷電がその排出チャンバへと提供さ
れ、その結果、類似の荷電の排出チャンバが実質的に、その芳香化学物質を追い
出し、その結果、その芳香化学物質が、その壁に付着することを阻害する。

【００２３】 本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に
鑑み明らかである。その中では、同じ参照番号は、図面を通じて同じ特徴を表す
。

【００２４】 （特定の実施形態の説明） 図１は、本発明に従う芳香遺伝子レート付けシステム２０の構成要素の単純化
したブロック図を示す。このシステムは、一般に、格納システム２２（例えば、
カートリッジまたはリザーバ）を備え、この格納システムは、各々の芳香化学物
質を格納する。格納システム２２は、送達アセンブリ２６を通じて芳香排出チャ
ンバ２４へと連結される。送達アセンブリ２６は、代表的に、いくつかの組合せ
のバルブ、コンジット、ポンプおよび気化器を有し、そしてカートリッジ２２か
ら排出チャンバ２４への芳香化学物質の流れを測定および制御するように構成さ
れ得る。制御システム２８からの信号は、送達アセンブリ２６を活性化して、選
択された芳香化学物質を、選択されたカートリッジ２２から排出チャンバ２４へ
と移動させる。一旦その選択された芳香化学物質が排出チャンバ２６へと移動し
た、ボーラス生成器３０（例えば、振動可能なダイアフラムまたはスピーカ）が
信号生成器（示さず）によって活性化されて、空気パルスを生成する。この空気
パルスは、その芳香化学物質を、オリフィス（示さず）を通ってその排出チャン
バ２４内へと送達し、そしてリングボーラスまたは芳香リング３２を作製し、こ
れが、個々のユーザーに制御可能に指向され得る。

【００２５】 操作者またはユーザーは、代表的に、ユーザーインターフェース３４を通じて
芳香生成システムおよびユーザー入力３６と相互作用する。ユーザー入力３６（
例えば、ボタン、レバー、スイッチ、ジョイスティック、キーボードなど）は、
制御信号を、ＣＰＵ４８を通じて、その芳香生成システム２０におけるマイクロ
プロセッサボード２８へと送達する。殆どの実施形態において、その制御信号は
、接続インターフェイス４２（例えば、ケーブル４４またはワイヤレス接続４６
）を通じて送信されて、その芳香化学物質の送達を活性化し得る。図１に示すよ
うに、そのユーザーインターフェイスは、その芳香生成システムへと直接付着さ
れ得るか、またはその芳香生成システムへと遠隔的に接続され得る。しかし、本
発明の他の実施形態において、その芳香生成システムは、ネットワーク（例えば
、インターネット）を通じて遠隔的に活性化され得る。そのような実施形態にお
いて、送達された芳香を受けるそのユーザーは、送達された芳香がインターフェ
イス３４またはユーザー入力３６を用いて直接インターフェイスする必要はない
。

【００２６】 芳香化学物質およびの特定の選択および一定時間に亘る種々の選択の配列は、
マイクロプロセッサ２８およびＣＰＵ３８によって制御される。そのマイクロプ
ロセッサは、予備記録された提示を行うときに、芳香化学物質の予め構成された
配列を提供するように予めプログラミングされ得るか、またはそのマイクロプロ
セッサボードは、インタラクティブであり得、そしてその芳香送達パターンは、
特定のユーザーの入力に依存する。

【００２７】 図２〜７は、本発明の芳香生成システム２０の１つの例示的実施形態を例示す
る。この芳香生成システム２０は、構造的囲い４８であり、この囲いは、前面パ
ネル５０、ベースハウジング５４、および方向付けられたオリフィス５２を有す
る。芳香生成システム２０は、そのユーザーの鼻に直接向けられるようにその芳
香リングの芳香付けを可能にする調整可能な足５６の上に装着され得る。個々の
芳香化学物質、化学物質蒸気６０またはその両方を含む取り外し可能なカートリ
ッジ２２は、代表的に、２つ以上の線形アレイ中の個々のレセプタクル６２に位
置付けられ、その結果、送達アセンブリ２６の少なくとも一部は、マニホルド６
４内にある（図３、４、７および８）。マイクロプロセッサボーロおよび／また
は電気回路２８は、電子ハウジング６６内に備えられ、そして従来のデータポー
ト６８を通じてアクセスされ得る。従って、ユーザーインターフェース、ユーザ
ー入力またはネットワーク接続は、そのマイクロプロセッサボード２８に対して
、そのデータポート６８を通じて接続され得る。マイクロプロセッサボード２８
もまた、送達アセンブリおよびそのボーラス生成器３０に電気的に接続されて、
その芳香化学物質５８および６０の放出および分配を調整する。

【００２８】 例示的な格納システム２２は、図１および８Ａ〜８Ｄに示される。カートリッ
ジは、バルブ送達アセンブリ２６を有して、その芳香化学物質の排出チャンバ２
４への移動を制御し得る。カートリッジ２２は、内側のチャンバ７０を備え、こ
のチャンバは、芳香化学物質５８（およびいくつかの実施形態において、その蒸
気６０）を保持する。殆どの実施形態において、空気ポンプ７２を使用して、空
気の連続流、空気の可変流、またはコンジットアセンブリ７４を通じた空気のパ
ルス流を送達し得る（図１）。ソレノイド調節バルブ７５は、マイクロプロセッ
サボード２８に電気的に接続され、そして空気流のカートリッジ２２へを妨害す
る。ソレノイド調節バルブ７５の少なくとも１つは、マイクロプロセッサ２８か
らの電気的制御信号に応答して開き得、そして空気の圧縮された流れは、内部の
チェックバルブ７６を通じて選択されたカートリッジ２２に進入し得る。チャン
バ７０に進入した後、圧縮空気は、芳香化学物質５８および６０を拾い出し、そ
して一旦そのカートリッジチャンバ７０の内部圧力が上部チェックバルブ７８を
開き得る圧力に達すると、空気流および芳香化学物質５８および６０は、上部チ
ェックバルブ７８を通って、その排出チャンバ２４へとそのカートリッジを排出
させる。１つの特定の構成において、芳香化学物質は、そのカートリッジ内のス
ポンジ（示さず）内に液体形態で格納される。そのスポンジを通じて圧縮された
空気が通るときに、その芳香化学物質５８は、それがカートリッジから移動して
でるときに蒸気形態へと直接移動する。ソレノイド型のバルブの他の実施形態は
、米国特許第５，５９１，４０９号に記載される。その全開示は、本明細書にお
いて参考として援用される。

【００２９】 空気がチェックバルブ７６および７８を通じて流れない場合、そのバルブは、
その芳香化学物質５８および６０が、そのカートリッジから逃げることを予防す
るに充分強い閉鎖強度を有する。さらに、内部チェック７６および上部チェック
バルブ７８は、好ましくは、一方向低圧バルブであって、これは、バルブを通じ
た逆流をさせない。

【００３０】 図６、８Ｂおよび８Ｄに示すように、いくつかの実施形態において、ゴム封入
リング８０は、芳香カートリッジ２２を周囲を回り、その結果、そのカートリッ
ジは、そのレセプタクル６２へと挿入され、そのカートリッジとレセプタクル６
２との間に堅い封入が生じる。この封入は、そのカートリッジのベースでの気圧
が漏れることを防ぎ、そしてさらに、カートリッジ２２内のその芳香化学物質が
雰囲気および排気チャンバへと逃げ出すことを妨害する。

【００３１】 別の例示的な芳香生成システムは、図９Ａ〜９Ｃに例示される。芳香生成シス
テム２０のこの実施形態は、圧電機構に付着する複数のカートリッジ２２を備え
る。この圧電機構は、電荷がその圧電機構に印加されるときに液体の芳香化学物
質の気化を引き起こす。次いで、気化した芳香液体は、その排出チャンバへ、回
転送達ドアアセンブリを通じて移動し得る。

【００３２】 図９Ａおよび９Ｃの実施形態にしめすように、カートリッジアセンブリ２２は
、圧電超音波ネブライザ８２を有する。このネブライザは、芳香化学物質５８と
連続的に接触する。ネブライザを通じた電荷の送達は、その芳香液体５８を気体
蒸気６０へと昇華させ、これは、液体化学物質５８の上で起こる。充分な量の芳
香蒸気６０が収集された後、回転送達ドア８４が活性化および１８０°回転され
て、蒸気６０を収集チャンバ８６中で受け取り得る。蒸気６０が収集された後、
そのドアは、さらに１８０°回転し、その結果、測定された量の芳香蒸気６０は
、排気チャンバ２４へと移動する。蒸気のように、一旦芳香蒸気６０が排出チャ
ンバ２４へと送達されると、信号は、ボーラス生成器３０に一連のパルスで振動
させて、その各々が、気体性蒸気の芳香リング３２がオリフィス５２を通じて、
排出チャンバの末端で追い出されることを可能にする。芳香リング３２は、ユー
ザーの顔面のほぼ付近に指向され、そしてより特定するとユーザーの鼻へと指向
される。

【００３３】 図９Ｂに示す代替の実施形態において、ホール（ｈｏｌｅ）を有する圧電セラ
ミック振動プレート８６が芳香化学物質５８の上部付近に付着されて、その芳香
液体を蒸気へと昇華させ得る。液体芳香化学物質は、プレート８６と連続的に接
触し得るか、または個々の小滴がウイッキング（ｗｉｃｋｉｎｇ）方法、エラス
トマー漏斗を通じてまたは他のいくつかの小滴配置手段によって塗布され得る。
特定の示される実施形態において、ブリスターパック８８を使用して、芳香化学
物質を含ませ得る。トラック９２内の移動可能なローラ９０を用いた定常圧は、 その芳香化学物質を、その圧電振動プレート８６への接触を強いる。その芳香
化学物質が気化すると、その移動可能なローラ９０が上方へと移動して、その芳
香化学物質と、その圧電振動プレート８６との間での接触を維持し得る。次いで
、図９Ａの実施形態と同様に、回転ドアアセンブリ８４または他の送達アセンブ
リを使用して、排出チャンバ２４へとその蒸気を送達し得る。

【００３４】 本発明のさらに他の実施形態において、送達アセンブリ２６はまた、少なくと
も１つの気化器、ナノポンプまたはマイクロポンプを備えて、蒸気またはエアゾ
ール芳香化学物質をその排出チャンバへと送達し得る。エアゾールの形成によっ
て、芳香化学物質の非常に小さな正確に測定された小滴が作製され、これは、容
積に対する表面積を最適化する。芳香化学物質のサイズの最適化は、気化速度お
よび大気への芳香化学物質の分散速度を改良する。図１０Ａ〜１０Ｂを今度は参
照すると、１つの例示的な実施形態は、マイクロポンプ９４および超音波スプレ
ー気化器９６を備える。示される実施形態において、芳香カートリッジ２２は、
芳香化学物質を充填したゴムスリーブを備える。ゴムスリーブ９８上のカートリ
ッジ２２内の圧力は、コンジット１００を通じてその芳香化学物質を、マイクロ
ポンプ９４へと移動させるに充分である。マイクロポンプ９４は、代表的に１０
μｍと２０μｍとの間の範囲にある小滴を生成する。この小滴は、超音波気化器
９６へと移動し、そこで、その小滴は気化し、そして排出チャンバ２４へとスプ
レーされる。１つの例示的な微小測定ポンプ９４は、ＩＶＥＫ Ｃｏｒｐｏｒａ
ｔｉｏｎ、Ｎｏｒｔｈ Ｓｐｒｉｎｇｆｉｅｌｄ、 Ｖｅｒｍｏｎｔにより製造
される。マイクロポンプ９４および気化器９６の代替として、ナノスケールの微
小ミニチュアポンプ（示さず）が、コンジット１００に接続されて、気化する必
要のないより小さく測定された小滴を作製し得る。

【００３５】 別の例示的な送達システムは、図１１Ａおよび１１Ｂに例示される。芳香化学
物質は、しばしば、液体媒体であることから、小さな濃縮された量の芳香化学物
質５８は、泡噴出型のカートリッジ１０４から小滴形態１０１で排出され得る。
図１１Ａおよび１１Ｂに示されるように、泡噴出カートリッジ１０４は、列で配
置され得、その結果、その泡噴出発射器１０６は、その芳香化学物質５８をより
大きなビーム１０８の経路へと分配する。レーザ１０９生成されたレーザビーム
１０８は、一列のカートリッジの前面で通過し、そして鏡１０９で反射されて第
二または第三の列のカートリッジの前面で通過し得る。特定の実施形態において
、そのカートリッジ１０４は、およそ２インチの長さａであり、そしておよそ０
．５インチ×０．５インチの断面サイズを有する。したがって、６０ほどの異な
る方向が１２インチ×２インチ×４インチのコンソール中に含められ得る。１つ
の例示的な泡噴出発射器回路および機構は、Ｈｅｗｌｅｔｔ Ｐａｃｋａｒｄに
より製造される。

【００３６】 泡噴出発射器の代替の実施形態を図１１Ｃに示す。泡噴出発射器に代えて、μ
バルブ１１０を使用して、小滴１０３をレーザービーム１０８へと送達し得る。
マイクロバルブ１１０によって生成されるこの小滴１０３は、代表的に、約１０
μｍである。例示的なマイクロバルブは、Ｌｅｅ Ｃｏｍｐａｎｙによって製造
される。

【００３７】 泡噴出およびマイクロバルブの両方の実施形態において、レーザービーム１０
８は、小滴１０３を気体６０またはエアゾールへと気化させ得、これらは、排出
チャンバ２４へ気流により引き込まれる。図１１Ｄに示すように、ボーラス生成
器（示さず）を使用して、芳香化学物質のボーラスリング３２を、直接の芳香ス
プラウト１１２を通じてユーザーへと指向させ得る。

【００３８】 なお別の実施形態において、カートリッジ２２は、キャピラリーチューブ１１
４および封入ゲート１１６および１１８を有する送達アセンブリ２６を備え得る
。図１２に示すように、封入ゲート１１６および１１８を、チューブの両端に含
むキャピラリーチューブ１１４は、測定された量の芳香蒸気がその排出チャンバ
８示さず）に送達されることを可能にする。下の封入ゲート１１６を開いて、測
定された量の芳香蒸気６０が、キャピラリーチューブ１１４へと進入することを
可能にする。一旦キャピラリーチューブ１１５が充填されると、下の封入ゲート
１１８が閉じる。蒸気が排出チャンバ２４へと放出されるために、上部封入ゲー
ト１１８が開けられる。空気がそのキャピラリー１１４の開放末端にわたって流
入するとき、その測定された量の芳香蒸気６０は、排出チャンバ２４へと引き込
まれる。

【００３９】 本発明の別の局面は、続いて送達される芳香の汚染を減少する能力である。芳
香化学物質汚染を減少するために、排出チャンバ２４には、種々の汚染対策手段
が装着され得る。１つの実施形態において、空気は、フィルタ１１５で濾過され
得、このとき、空気は、排出チャンバへと引き込まれ、その結果、大気にある芳
香化学物質を除去する（図９Ｃ）。図３〜５にジ召すように、排出チャンバはま
た、排気ファン１１７およびフィルタ１１９を有して、その排出チャンバ中の残
留気体および芳香化学物質を除去し得る。排気ファン１１７は、残留空気を、フ
ィルタ１１９を通じておよびユーザーから離れて押出す。

【００４０】 必要に応じて、恒常的または取り外し可能な吸着内張り１２０が、芳香生成シ
ステム２０内、そして特に排出チャンバ２４の内に配置されて、芳香化学物質の
任意の残渣を吸着し得る。吸着内張り１２０は、科学的に処理された物質であっ
て、芳香化学物質５８および６０のすくなくともいくらかを吸着し得るものから
作製され得る。図４に示されるように、吸着内張り１２０は、オリフィス５２、
ボーラス生成器３０およびカートリッジ２２に対応する開口部に適合され得る。
吸着内張り１２０は、任意の芳香吸着物質（例えば、粘度、木粘度の組合せ、活
性炭素、バーミキュライト、シリカゲル、ゼオライト、活性アルミナ、Ｇｒａｙ
Ｍａｔｔｅｓ^TM、マイクロスポンジなど）から作製され得る。当然、吸着内張
り１２０は、排出チャンバの内壁全体を覆い得るか、またはそれが排出チャンバ
の選択された部分を覆い得るのみであることが理解される。例えば、吸着内張り
は、より小さな片から構成され得、そして種々の他の戦略的な場所（たとえば、
コンジット）中に配置され得る。

【００４１】 吸着内張りの代替として、電力源１２２（図１）を使用して類似のの電荷を、
排出チャンバ２４の内壁ならびに芳香化学物質５８および６０に印加し得る。類
似の電荷は、芳香化学物質５８および６０が、排出チャンバ２４によって追い出
されることを引き起こし、そして芳香化学物質５８および６０の内壁への付着を
制限する。図５に示すように、電力源１２２は、代表的に、電力コード１２４を
通じて芳香送達システム２０に供給され、これは、ハウジングの後ろ側の電力コ
ンセントに付着する。さらに、電荷を生成することに加え、電力源１２２はまた
、ポンプ、マイクロプロセッサボード、ボーラス生成器などに電力を与えるため
に使用され得る（図１）。

【００４２】 再び図１０Ａおよび１０Ｂを参照すると、芳香生成デバイスのいくつかの実施
形態は、マニュアルまたは自動でボーラスリング３２がユーザーの鼻へと向けら
れることを引き起こすように調整され得る排出チャンバ２４の末端の方向付けさ
れた円柱１２４を有する。図１０Ａおよび１０Ｂに示される実施形態において、
自動的な方向付け機構１２７は、電気ポテンショメーターであり、これは、方向
付けされた円柱１２４を、位置または運動センサ１２６からの信号に応答して移
動させる。しかし、自動てき方向付け機構１２７は、ビデオ画像カメラ、赤外線
イメージャまたはカメラ、あるいはユーザーおよびユーザーの鼻の位置を決定す
る他の手段に応答して移動し得る。

【００４３】 個人の運動を追跡するために位置または運動センサ１２６を用いることに加え
て、この運動センサを使用して、おおよその近辺へとその個人が進入することを
単純に判定し得る。例えば、その運動センサ１２６がその芳香生成システムに付
随するデバイスの付近をある個人が歩行することを検知する場合、その運動セン
サは、そのマイクロプロセッサに信号を送信して、ビデオデバイスに近寄る潜在
的ユーザーを「誘惑」することを試みるような芳香を送達し得る。

【００４４】 本発明の実施形態のこの説明は、例示および説明の目的で提示される。本発明
を網羅的にすることまたは説明された正確な形態へと制限することは意図しない
。そして多くの改変および変更が、上記説明に鑑み可能である。実施形態は、本
発明の原理およびその実際の適用の最良型を説明するために選択および記載され
る。実施態様の説明は、種々の実施形態において、かつ意図される特定の使用に
適合されるように種々の改変を用いて当業者が最もよく本発明を利用しそして実
施することを可能にする。本発明の範囲は、上記の特許請求の版にによって規定
されることが意図される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明を取り込む１つの実施形態の単純ブロック図である。

【図２】 図２は、本発明に従う芳香生成システムの等高図である。

【図３】 図３は、前面パネルが除かれた図２のシステムの等高図である。

【図４】 図４は、図２のシステムの展開等高図である。

【図５】 図５は、図２のシステムの展開した後等高図である。

【図６】 図６は、カートリッジマニホルドアセンブリの展開図である。

【図７】 図７は、図２のシステムの切断面図である。

【図８Ａ】 図８Ａは、そのカートリッジの切断面図である。

【図８Ｂ】 図８Ｂは、そのカートリッジの側面図である。

【図８Ｃ】 図８Ｃは、そのカートリッジの上面図である。

【図８Ｄ】 図８Ｄは、そのカートリッジの展開透視図である。

【図９Ａ】 図９Ａは、圧電機構を有するカートリッジの切断面図である。

【図９Ｂ】 図９Ｂは、圧電機構を有するカートリッジの別の実施形態の切断面図である。

【図９Ｃ】 図９Ｃは、圧電機構を有する芳香生成システムの切断面図である。

【図１０Ａ】 図１０Ａは、微小ポンプおよび気化器を有するシステムの切断面図である。

【図１０Ｂ】 図１０Ｂは、図１０Ａのシステムの正面図である。

【図１１Ａ】 図１１Ａは、泡噴出発射カートリッジおよびレーザビームを示す切断面図であ
る。

【図１１Ｂ】 図１１Ｂは、泡噴出発射器から発射される小滴を示す。

【図１１Ｃ】 図１１Ｃは、本発明の微小バルブを示す。

【図１１Ｄ】 図１１Ｄは、本発明のシステムの透視図である。

【図１２】 図１２は、キャピラリー送達システムを有するカートリッジを示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ０５Ｃ 11/10 Ｂ０５Ｃ 11/10 ４Ｇ０３５ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 2C001 BC10 BD07 4C002 AA03 BB04 BB06 CC10 DD01 DD07 DD13 EE07 FF02 FF06 HH04 KK04 4F033 QA05 QB02Y QB03X QB12Y QB16Y QC03 QC06 QD02 QD15 QE01 QF04X QF04Y QK00 4F035 AA04 BA11 BA21 BB01 BB21 BC06 4F042 AA01 AB00 BA08 CB02 CB03 CB07 CB27 ED05 4G035 AB01 AE13 AE19

Claims (20)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芳香化学物質を送達するためのシステムであって、該システ
   ムは、以下： オリフィスを有する排出チャンバ； 個々の芳香化学物質を保持する複数のカートリッジであって、該カートリッジ
   の少なくとも１つは、その芳香化学物質を該排出チャンバへと放出する、カート
   リッジ；および 該排出チャンバに連結されたボーラス生成器アセンブリであって、該ボーラス
   生成器アセンブリは、空気パルスを送達し、該空気パルスは、該オリフィスから
   出た該芳香化学物質のリングボーラスを強要する、ボーラス生成器アセンブリ、
   を備える、システム。
2. 【請求項２】 前記排出チャンバの内部部分は、少なくとも芳香吸着物質を
   用いて内張されている、請求項１に記載のシステム。
3. 【請求項３】 前記芳香吸着物質は、粘土、バーミキュライト、シリカゲル
   、ゼオライト、活性アルミナ、または木粘土の組合せを含む、請求項２に記載の
   システム。
4. 【請求項４】 電力供給源をさらに含み、該電力供給源は、前記排出チャン
   バの内部部分および前記芳香化学物質に対して静電気電荷を提供し、その結果、
   該排出チャンバの該内部部分は、実質的に、該芳香化学物質を追い出して、該芳
   香化学物質が該排出チャンバに付着することを阻害する、請求項１に記載のシス
   テム。
5. 【請求項５】 前記カートリッジは、蒸気またはエアゾールとして前記排出
   チャンバに前記芳香化学物質を送達する、請求項１に記載のシステム。
6. 【請求項６】 前記オリフィスは、直径が調整可能である、請求項１に記載
   のシステム。
7. 【請求項７】 排出ファンおよびフィルターをさらに含み、該排出ファンお
   よび該フィルターは、前記排出チャンバに残る前記芳香化学物質の少なくとも部
   分を除去し、そして該排出ファンは、ユーザーから離れて指向される、請求項１
   に記載のシステム。
8. 【請求項８】 前記ボーラス生成器アセンブリは、ダイアフラムまたはオー
   ディオスピーカである、請求項１に記載のシステム。
9. 【請求項９】 前記ボーラス生成器アセンブリは、信号生成器に接続され、
   該信号生成器は、波形信号を提供して空気のパルスを生成する、請求項８に記載
   のシステム。
10. 【請求項１０】 送達アセンブリをさらに備え、該送達アセンブリは、前記
    カートリッジに接続され、該送達アセンブリは、前記芳香化学物質の測定された
    量を、該カートリッジから前記排出チャンバへと移動させる、請求項１に記載の
    システム。
11. 【請求項１１】 以下の工程： 複数の芳香化学物質から１つの芳香化学物質を選択する工程； 芳香リングを形成する工程；ならびに 該芳香リングをユーザーに向けて指向させる工程、 を包含する、方法。
12. 【請求項１２】 前記芳香化学物質を測定する工程をさらに包含する、請求
    項１１に記載の方法。
13. 【請求項１３】 前記指向させる工程が、振動可能なダイアフラムまたはオ
    ーディオスピーカを用いて行われる、請求項１１に記載の方法。
14. 【請求項１４】 前記芳香化学物質を、格納領域から排出領域へと移動させ
    る工程をさらに包含する、請求項１１に記載の方法。
15. 【請求項１５】 前記排出領域の汚染を阻害する工程をさらに包含する、請
    求項１４に記載の方法。
16. 【請求項１６】 前記芳香化学物質がチェックバルブを通じて格納領域から
    排出領域と指向させる工程を包含する、請求項１４に記載の方法。
17. 【請求項１７】 前記移動させる工程は、気体またはエアゾールへと前記化
    学物質を気化することを包含する、請求項１４に記載の方法。
18. 【請求項１８】 さらに、ユーザーの鼻のほぼ近辺へと前記芳香化学物質を
    指向させることを包含する、請求項１１に記載の方法。
19. 【請求項１９】 前記選択する工程は、１つを超える芳香化学物質を選択す
    ることを包含する、請求項１１に記載の方法。
20. 【請求項２０】 前記ユーザーの存在を検知する工程をさらに包含する、請
    求項１１に記載の方法。