JP2018095317A - カートリッジおよび噴出装置 - Google Patents

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和博 川内
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Abstract

【課題】シンプルな密閉構造を有する交換可能なカートリッジおよび該カートリッジを備える噴出装置を提供する。【解決手段】カートリッジ1は、気体を流入させるための気体流入口と、気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、揮発性物質を収納する収納部2と、収納部2の気体流入口に接続された第1の逆止弁3と、収納部の気体噴出口に接続された第2の逆止弁4と、を備える。第1の逆止弁3および第2の逆止弁4のそれぞれは、気体が流入する側の上流側圧力P1と、気体が流出する側の下流側圧力P2との差圧(P1−P2)が所定の値以上となったときに、気体を通過させるよう構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、一般に、カートリッジおよび噴出装置に関し、より具体的には、シンプルな密閉構造を有し、交換可能なカートリッジおよび該カートリッジを備える噴出装置に関する。
従来より、リラックス効果や覚醒効果等の様々な効果を有する様々な種類の芳香成分を空気中に噴出させる匂い噴出装置が知られている。例えば、特許文献1は、風力源と、揮発性の芳香成分を含む芳香物質を収納している香源カートリッジとを備える匂い噴出装置を開示している。特許文献1の匂い噴出装置では、風力源によって供給された空気が、香源カートリッジ内を通過し、匂い噴出装置の外部へ噴出する。この際、供給された空気によって芳香成分が搬送され、空気と共に芳香成分が匂い噴出装置の外部へ噴出する。
しかしながら、特許文献1の匂い噴出装置では、香源カートリッジが密閉構造を有していないため、風力源によって空気が供給されていないときであっても、芳香成分が匂い噴出装置の外部へ流出してしまう。そのため、香源カートリッジ内の芳香物質に含まれる芳香成分の減りが早く、匂い噴出装置の使用期間が短くなってしまうという問題があった。
特開2014−92673号公報
本発明は、上記従来技術における問題点を鑑みたものであり、その目的は、シンプルな密閉構造を有する交換可能なカートリッジおよび該カートリッジを備える噴出装置を提供することにある。
このような目的は、以下の(1)〜(13)の本発明により達成される。
(1)気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、揮発性物質を収納する収納部と、
前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の逆止弁と、
前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の逆止弁と、を備え、
前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁のそれぞれは、
前記気体が流入する側の上流側圧力Pと、前記気体が流出する側の下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値以上となったときに、前記気体を通過させるよう構成されていることを特徴とするカートリッジ。
(2)前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁のそれぞれは、前記気体を通過させるための気体流路を有する弁座と、
前記気体流路を閉塞および開放するための弁体と、を備え、
前記弁体は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に設けられ、前記気体流路を閉塞および開放するよう構成されている上記(1)に記載のカートリッジ。
(3)前記弁体は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に設けられ、前記気体流路を閉塞および開放する膜状の弾性部材である上記(2)に記載のカートリッジ。
(4)前記弁体は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に設けられ、前記気体流路を閉塞および開放する球状の弾性部材である上記(2)に記載のカートリッジ。
(5)前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁の少なくとも一方は、前記弁体を前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に保持するための保持部材をさらに備える上記(2)ないし(4)のいずれかに記載のカートリッジ。
(6)前記保持部材は、前記弁座に取り付けられた通気性膜であり、
前記弁体は、前記保持部材と、前記弁座の前記気体流路との間に保持されている上記(5)に記載のカートリッジ。
(7)前記弁体の一部分は、前記弁体が前記弁座の前記気体流路を閉塞および開放可能なように、前記弁座に固定されている上記(2)または(3)に記載のカートリッジ。
(8)前記弁座は、前記弁体を挿入するための挿入孔をさらに備え、
前記弁体は、前記弁体の前記挿入孔に挿入される軸部と、前記軸部の一方の端部に設けられたアンブレラ状の傘部とを有し、
前記弁体の前記傘部は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に位置している上記(2)に記載のカートリッジ。
(9)前記揮発性物質は、繊維束芯に担持されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のカートリッジ。
(10)気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、物質を収納する収納部と、
前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の逆止弁と、
前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の逆止弁と、を備え、
前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁のそれぞれは、
前記気体が流入する側の上流側圧力Pと、前記気体が流出する側の下流側圧力Pとの差圧(P−P)が開弁圧以上となったときに、前記気体を通過させるよう構成されていることを特徴とするカートリッジ。
(11)気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、物質を収納する収納部と、
前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の弁と、
前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の弁と、を備え、
前記第1の弁および前記第2の弁のそれぞれは、
前記気体が流入する側の上流側圧力Pと、前記気体が流出する側の下流側圧力Pとの差圧(P−P)が開弁圧以上となったときに、前記気体を通過させるよう構成されていることを特徴とするカートリッジ。
(12)上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のカートリッジを備えることを特徴とする噴出装置。
(13)前記カートリッジを複数備え、
前記複数のカートリッジ内にそれぞれ収納されている物質は、互いに異なっている上記(12)に記載の噴出装置。
本発明に係るカートリッジは、気体流入口および気体噴出口を有し、揮発性物質等の任意の物質を収納する収納部と、気体流入口に接続された第1の弁と、気体噴出口に接続された第2の弁とを備える。任意の物質を収納する収納部は、気体流入口側の第1の弁と、気体噴出口側の第2の弁とによって密閉されているので、収納部内に収納されている任意の物質(または任意の物質に由来する成分)が外部に噴出してしまうことを防止することができる。さらに、カートリッジは、第1の弁と、収納部と、第2の弁とから構成されるシンプルな密閉構造を有しているので、低コストである。
本発明のカートリッジの第1実施形態の斜視図である。 図1に示すカートリッジの縦断面図である。 図1に示すカートリッジの第1の弁の機能を説明するための図である。 図1に示すカートリッジの変形例を示すための図である。 図1に示すカートリッジの別の変形例を示すための図である。 図1に示すカートリッジの別の変形例を示すための図である。 本発明のカートリッジの第2実施形態において用いられる弁の縦断面図である。 図7に示す弁の分解斜視図である。 本発明のカートリッジの第3実施形態において用いられる弁の縦断面図である。 本発明のカートリッジの第4実施形態において用いられる弁の縦断面図である。 図10に示す弁の分解斜視図である。 本発明のカートリッジの第5実施形態において用いられる弁を示す図である。 本発明のカートリッジの第6実施形態において用いられる弁を示す図である。 本発明の噴出装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図14に示す噴出装置の内部構造を示す斜視図である。 図14に示す噴出装置の内部構造を示す上面図である。 図14に示す噴出装置の送風機構およびカートリッジを示す斜視図である。 図14に示す噴出装置を概略的に示すブロック図である。 本発明の噴出装置の第2実施形態を示す斜視図である。 図19に示す噴出装置を概略的に示すブロック図である。 図20に示す噴出装置に対するユーザー端末による操作の例示的様態を示す図である。 本発明の噴出装置の第3実施形態を概略的に示すブロック図である。 図22に示す噴出装置に対するユーザー端末による操作の例示的様態を示す図である。 本発明の噴出装置の第4実施形態を示す斜視図である。 図24に示す噴出装置の機能を説明するための図である。 本発明のカートリッジを備える物質捕集装置を示す概略図である。
以下、本発明のカートリッジおよび噴出装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
<カートリッジ>
<<第1実施形態>>
最初に、図1〜図6を参照して、本発明のカートリッジの第1実施形態を説明する。図1は、本発明のカートリッジの第1実施形態の斜視図である。図2は、図1に示すカートリッジの縦断面図である。図3は、図1に示すカートリッジの第1の弁の機能を説明するための図である。図4は、図1に示すカートリッジの変形例を示すための図である。図5は、図1に示すカートリッジの別の変形例を示すための図である。図6は、図1に示すカートリッジの別の変形例を示すための図である。
なお、以下の説明では、図1の紙面左奥側、並びに、図2、図4、図5、および図6の左側を「基端側」と言い、図1の紙面右手前側、並びに、図2、図4、図5、および図6の右側を「先端側」と言う。
図1に示すカートリッジ1は、気体を流入させるための気体流入口と、気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、任意の物質5を収納する収納部2と、収納部2の気体流入口に接続された第1の弁(逆止弁)3と、収納部2の気体噴出口に接続された第2の弁(逆止弁)4と、を備えている。なお、収納部2内に気体流入口を介して流入され、収納部2内から気体噴出口を介して外部に噴出する気体は、特に限定されず、例えば、空気(外気)、炭酸ガス、不活性ガス、希ガス等が挙げられる。
収納部2は、長尺の円筒形状を有し、その内部に、任意の物質5を収納している。収納部2の基端側には、気体を流入させるための気体流入口が形成されており、収納部2の先端側には、気体を噴出させるための気体噴出口が形成されている。したがって、気体流入口を介して収納部2内に流入した気体は、収納部2を通過した後、気体噴出口を介して収納部2外に噴出する。
収納部2の構成材料は、特に限定されないが、金属、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合)樹脂、複数の材料を積層させて得られる加工樹脂であるラミネート樹脂、ガラス等の高ガスバリア性を有する材料であることが好ましい。これら収納部2の構成材料の特性を以下の表1に示す。
Figure 2018095317
なお、ここでいう、対物質吸着性とは、収納部2の構成材料に、収納部2内に収納された物質5が吸着されやすいか否かを示す性能であり、「対物質吸着性が優れる」といった場合、収納部2の構成材料に物質5が吸着されにくいことを示し、「対物質吸着性が劣る」といった場合、収納部2の構成材料に物質5が吸着されやすいことを示す。
カートリッジ1の試作時等のカートリッジ1を少量製作すれば十分な場合には、加工性の高い金属を用いて収納部2を構成することが好ましい。収納部2の構成材料として金属を用いる場合には、アルミニウム、ステンレス、真鍮等を切削、鋳造等、またはこれらを組み合わせて加工することにより、収納部2を形成することができる。
一方、カートリッジ1の量産時等のカートリッジ1を大量製作する必要がある場合には、加工性およびコスト性に特に優れ、さらに、重量も軽い樹脂(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、EVOH樹脂、ラミネート樹脂等)を用いて、収納部2を構成することが好ましい。樹脂の中でも、熱可塑性樹脂の中で最高レベルのガスバリア性を有するEVOH樹脂を用いて収納部2を構成することが好ましい。収納部2の構成材料として樹脂を用いる場合には、樹脂を切削、射出成型等、またはこれらを組み合わせて加工することにより、収納部2を形成することができる。
また、1種の材料では所望の性能を満足する収納部2を得られない場合等には、複数の材料を積層させて得られる加工樹脂であるラミネート樹脂を用いて、収納部2を構成することが好ましい。例えば、軽量で、高い加工性を有するもののガスバリア性が低いポリプロピレン樹脂に、ガスバリア性が高いアルミフィルムをラミネートしたラミネート樹脂を用いて収納部2を形成することにより、軽量、かつ、高い加工性およびガスバリア性を備える収納部2を得ることができる。
また、ガラスを用いて、収納部2を形成してもよい。収納部2の構成材料としてガラスを用いる場合には、ガラスを管引き成形、プレス成形、吹き型成形、機械加工等、またはこれらを組み合わせて加工することにより、収納部2を形成することができる。収納部2の形状がシンプルである場合には、これらのガラス加工コストは低く、そのため、収納部2を安価に形成することができる。
また、上述の材料によって収納部2を形成した後に、収納部2の表面(内側面や外側面)に機能性材料をオーバーコートしてもよい。例えば、収納部2の表面にフッ素加工やアルミ蒸着等を行う。これにより、収納部2の表面に機能性材料の特性を付与することができる。
なお、対物質吸着性が低い(物質5が吸着しやすい)材料(例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂)を用いて収納部2を構成する場合、カートリッジ1は、使い捨てで用いられる。すなわち、この場合、収納部2内に収納されている物質5を入れ替えて、カートリッジ1を再利用することは行われない。なお、カートリッジ1を使い捨てで用いる場合、コスト性に優れる樹脂(例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂)を用いて収納部2を構成することが好ましい。
一方、対物質吸着性が高い材料(例えば、金属やガラス)を用いて収納部2を構成する場合、カートリッジ1は、再利用される。すなわち、この場合、収納部2内に収納されている物質5を取り出し、超音波洗浄や高温洗浄により収納部2内および収納部2の表面上から物質5を除去した後、同じ種類または異なる種類の物質5を収納部2内に再収納することにより、カートリッジ1を再利用することができる。
収納部2内に収納される物質5の様態は、特に限定されず、固体状物質、粉末状物質、液状物質等を収納部2内に収納することができる。物質5が粉末状物質である場合には、粉末状物質をジェル状または固体状の担体に担持させた状態で、物質5を収納部2内に収納することが好ましい。また、物質5が液状物質である場合には、スポンジ、布、繊維束芯の様な液体を染み込ませ保持することができる担体に物質5を担持させた状態で、物質5を収納部2内に収納することが好ましい。
特に、物質5が液状物質である場合には、ポリエステル繊維等を束ねて得られた繊維束芯に物質5を染み込ませ、該繊維束芯を収納部2内に収納することが好ましい。ポリエステル繊維等を束ねて得られた繊維束芯には、スポンジや布等と比較して、より多くの物質5を染み込ませることができる。そのため、物質5用の担体として、このような繊維束芯を用いることにより、収納部2内に収納される物質5の量を増大させることができる。
また、収納部2内に収納される物質5の種類は、特に限定されず、例えば、揮発成分を含む揮発性物質、活性炭等の気体中の物質を吸着するための吸着物質、薬、ニコチンや酒等の任意の天然由来の物質、人工的に得られた任意の化学物質等、およびこれらの2種以上の組み合わせを収納部2内に収納することができる。
収納部2内に収納される揮発性物質としては、揮発性の芳香成分を含む芳香物質(香料)が挙げられる。収納部2内に収納される芳香物質は、揮発性の芳香成分を含んでいれば特に限定されず、例えば、コーヒー豆、茶葉、ハーブ、花、香木のような固体状の芳香物質、固体状の芳香物質を粉末状にすることにより得られるスパイスのような紛体状の芳香物質、香水、香油のような液状の芳香物質、人工的に合成した芳香成分等を収納部2内に収納することができる。これら芳香成分は、種類に応じて、リラックス効果、目覚まし(覚醒)効果、食欲増進効果、集中力向上効果、鎮痛効果、消臭効果等の様々な効果を有している。
第1の弁3および第2の弁4は、収納部2を密閉し、収納部2内への気体の供給および収納部2内から外部への気体の流出を制御する機能を有する。第1の弁3および第2の弁4としては、電磁石と弁体とを組み合わせ、電気のON/OFFで弁の開閉を実行する電磁弁、アンブレラ型の弁体を有し、所定の方向へしか気体を通さないよう構成されたアンブレラ型の逆止弁、鳥のくちばし(ダックビル)型の弁体を有し、所定の方向へしか気体を通さないように構成されたダックビル型の逆止弁、膜(シート)状または球状の弁体とその弁体を挟み込む容器で構成され、所定の方向へしか気体を通さないよう構成されたガス抜き型の逆止弁、スリットを開閉させることにより気体の通過を制御するスリット式バルブ等を用いることができる。
本実施形態において、第1の弁3および第2の弁4は、それぞれ、図2に示すようなアンブレラ型の逆止弁である。第1の弁3は、収納部2の気体流入口に接続されており、第1の弁3に対して気体が流入する側から加えられる圧力である上流側圧力Pと、第1の弁3に対して気体が流出する側から加えられる圧力である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となったときに、気体を通過させるよう構成されている。
すなわち、第1の弁3は、上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となったときにのみ、収納部2内へ気体を流入させ、それ以外のときは、収納部2内へ気体を流入させない弁として機能する。
また、第1の弁3は、上流側圧力Pが収納部2の内圧である下流側圧力Pよりも、所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上大きいときにのみ、気体を通過させるための気体流路を開放するので、第1の弁3を介した収納部2内から外部への気体の逆流が防止されている。すなわち、第1の弁3は、収納部2内から外部への気体の逆流を防止する逆止弁としての機能も有している。
図2に示すように、第1の弁3は、アンブレラ形状を有し、弾性材料により構成された弁体31と、基端側に開口する凹部形状を有し、弁体31を支持する弁座32と、を備えている。弁座32の先端側は、収納部2の気体流入口に接続されている。
第1の弁3の弁体31は、長尺状の軸部311と、軸部311の途中に設けられた拡径部312と、軸部311の先端に設けられた傘部313と、を備える。第1の弁3の弁座32は、弁体31の軸部311を挿入する挿入孔321と、気体を収納部2内に供給するための複数の気体流路322とを備えている。弁体31の軸部311は、弁座32の挿入孔321内に挿入されており、弁体31の傘部313が収納部2側(気体流路322の気体が流出する側、気体の流れの下流側)に位置し、拡径部312が弁座32の基端開口側(気体流路322の気体が流入する側、気体の流れの上流側)に位置している。
図3(a)には、第1の弁3の弁体31の傘部313に対して気体が流入する側から加えられる圧力である上流側圧力Pと、第1の弁3の弁体31の傘部313に対して気体が流出する側から加えられる圧力である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満の場合における第1の弁3の状態が示されている。一方、図3(b)には、上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合における第1の弁3の状態が示されている。
図3(a)に示すように、上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満の場合、弁体31の傘部313は、収納部2側において弁座32に接触しており、弁座32の気体流路322は、弁体31の傘部313によって閉塞されている。
一方、図3(b)に示すように、上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合、上流側圧力Pによって傘部313が弾性変形または上側に押し上げられ、傘部313が弁座32から離間し、気体流路322が開放される。この際、気体が収納部2内に流入する。その後、上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満になると、傘部313が弁座32に再び接触し、気体流路322が閉塞される。
図2に戻り、第2の弁4は、収納部2の気体噴出口に接続されており、第2の弁4に対して気体が流入する側から加えられる圧力である上流側圧力Pと、第2の弁4に対して気体が流出する側から加えられる圧力である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となったときに、気体を通過させるよう構成されている。
すなわち、第2の弁4は、収納部2の内圧である上流側圧力Pと、下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となったときにのみ、収納部2内から外部へ気体を流出させ、それ以外のときは、収納部2内から外部へ気体を流出させない弁として機能する。
また、第2の弁4は、収納部2の内圧である上流側圧力Pが下流側圧力Pよりも、所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上大きいときにのみ、気体を通過させるための気体流路を開放するので、第2の弁4を介した外部から収納部2内への気体の逆流が防止されている。すなわち、第2の弁4は、外部から収納部2内への気体の逆流を防止する逆止弁としての機能も有している。
図2に示すように、第2の弁4は、アンブレラ形状を有し、弾性材料により構成された弁体41と、先端側に開口する凹部形状を有し、弁体41を支持する弁座42と、を備えている。弁座42の基端側は、収納部2の気体噴出口に接続されている。そのため、収納部2内を通過した気体は、第2の弁4を介してカートリッジ1(収納部2)外へ噴出する。
第2の弁4の弁体41は、長尺状の軸部411と、軸部411の途中に設けられた拡径部412と、軸部411の先端に設けられた傘部413と、を備える。第2の弁4の弁座42は、弁体41の軸部411を挿入する挿入孔421と、収納部2内から外部に気体を流出させるための複数の気体流路422とを備えている。弁体41の軸部411は、弁座42の挿入孔421内に挿入されており、弁体41の傘部413が弁座42の先端開口側(気体流路422の気体が流出する側、気体の流れの下流側)に位置し、拡径部412が収納部2側(気体流路422の気体が流入する側、気体の流れの上流側)に位置している。
第2の弁4は、図3を参照して説明した第1の弁3の動作と同様の動作を実行するよう構成されている。すなわち、上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上である場合、傘部413が弁座42から離間し、気体流路422が開放される。一方、上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)未満の場合、弁体41の傘部413は、弁体41の先端開口側において弁座42に接触しており、弁座42の気体流路422は、弁体41の傘部413によって閉塞されている。
なお、第1の弁3の収納部2の気体流入口への接続方法および第2の弁4の収納部2の気体噴出口への接続方法は、特に限定されず、ねじ式接続、圧入嵌合式接続、接着等の接続方法を用いることができる。
また、第1の弁3の弁体31および第2の弁4の弁体41を構成する弾性材料は、樹脂材料またはゴム等の高い弾性を有する材料であることが好ましく、高い弾性を有し、さらに、優れた耐ガス性および耐溶液性を有するフッ素系樹脂であることがさらに好ましい。
このような構成を有する第1の弁3および第2の弁4によって、収納部2は密閉されている。そのため、収納部2内への気体の不要な流入および収納部2内から外部への気体の不要な流出を防ぐことができる。これにより、収納部2内に収納されている物質5の不要な乾燥を防ぐことができる。
このようなカートリッジ1を用いた場合、第1の弁3に対する上流側圧力Pを調整することにより、収納部2への気体の流入を制御することができる。同様に、第2の弁4に対する下流側圧力Pを調整することにより、収納部2内から外部への気体の流出を制御することができる。
そのため、カートリッジ1の第1の弁3に対する上流側圧力Pを増加および/またはカートリッジ1の第2の弁4に対する下流側圧力Pを減少させることにより、収納部2内への気体の流入および収納部2内から外部への気体の流出を制御することができる。
より具体的には、カートリッジ1の未使用時においては、第1の弁3に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満なので、第1の弁3は閉弁している。そのため、収納部2内へ気体が流入しない。同様に、カートリッジ1の未使用時においては、第2の弁4に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)未満なので、第2の弁4は閉弁している。そのため、収納部2内から外部へ気体が流出しない。その結果、カートリッジ1の未使用時においては、収納部2は第1の弁3および第2の弁4により密閉されている。
一方、カートリッジ1の使用時には、カートリッジ1の第1の弁3に対する上流側圧力Pが増加および/またはカートリッジ1の第2の弁4に対する下流側圧力Pが減少される。最初に、カートリッジ1の使用時に、カートリッジ1の第1の弁3に対する上流側圧力Pが増加される場合を説明する。
カートリッジ1の使用時には、カートリッジ1の第1の弁3に対して気体が供給され、第1の弁3に対する上流側圧力Pが増加する。その後、第1の弁3に対する上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となると、第1の弁3が開弁し、第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入する。
第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入すると、収納部2の内圧が増加し、第2の弁4に対する上流側圧力Pが増加する。その後、第2の弁4に対する上流側圧力Pと、第2の弁4に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となると、第2の弁4が開弁し、第2の弁4を介して収納部2内から外部へ気体が流出する。
その後、カートリッジ1の第1の弁3に対する気体の供給が停止すると、第1の弁3に対する上流側圧力Pが減少する。その後、第1の弁3に対する上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満となると、第1の弁3が閉弁し、第1の弁3を介した収納部2内への気体の流入が停止する。
第1の弁3を介した収納部2内への気体の流入が停止すると、収納部2の内圧が減少し、第2の弁4に対する上流側圧力Pが減少する。その後、第2の弁4に対する上流側圧力Pと、第2の弁4に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)未満となると、第2の弁4が閉弁し、第2の弁4を介した収納部2内から外部への気体の流出が停止する。
次に、カートリッジ1の使用時に、カートリッジ1の第2の弁4に対する下流側圧力Pが減少される場合を説明する。この場合、カートリッジ1の使用時には、カートリッジ1の第2の弁4に対して気体の吸引が実行され、第2の弁4に対する下流側圧力Pが減少する。その後、収納部2の内圧である第2の弁4に対する上流側圧力Pと、第2の弁4に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となると、第2の弁4が開弁し、第2の弁4を介して収納部2内から外部へ気体が流出する。
第2の弁4を介して収納部2内から外部へ気体が流出すると、収納部2の内圧が減少し、第1の弁3に対する下流側圧力Pが減少する。その後、第1の弁3に対する上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となると、第1の弁3が開弁し、第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入する。
その後、カートリッジ1の第2の弁4に対する気体の吸入が停止すると、第2の弁4に対する下流側圧力Pが増加する。その後、収納部2の内圧である第2の弁4に対する上流側圧力Pと、第2の弁4に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)未満となると、第2の弁4が閉弁し、第2の弁4を介した収納部2内から外部への気体の流出が停止する。
第2の弁4を介した収納部2内から外部への気体の流出が停止すると、収納部2の内圧が増加し、第1の弁3に対する下流側圧力Pが増加する。その後、第1の弁3に対する上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満となると、第1の弁3が閉弁し、第1の弁3を介した収納部2内への気体の流入が停止する。
このように、カートリッジ1の第1の弁3に対して気体の供給を実行することにより、および/または、カートリッジ1の第2の弁4に対して気体の吸引を実行することにより、収納部2内への気体の流入および収納部2内から外部への気体の流出を制御することができる。
また、本発明のカートリッジ1では、収納部2内に収納されている物質5の変化(蒸発等)により収納部2の内圧が増加し、収納部2の内圧である第2の弁4に対する上流側圧力Pと、第2の弁4に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となった場合にも、第2の弁4が開弁し、第2の弁4を介して収納部2内から外部へ気体が流入する。そのため、収納部2の内圧を自動的に減少させることができる。このため、収納部2内に収納されている物質5の変化(蒸発等)により収納部2の内圧が増加し、収納部2が破裂や破損することを防止することができ、カートリッジ1の安全性を高めることができる。
また、本発明のカートリッジ1では、カートリッジ1の外部圧力(大気圧等)が気圧変化等により減少または増大した場合であっても、カートリッジ1の外部圧力と収納部2の内圧との差圧が一定の範囲に保たれている。例えば、カートリッジ1の外部圧力が気圧変化等により増大した場合、第1の弁3に対する上流側圧力Pが増大する。その後、第1の弁3に対する上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となると、第1の弁3が開弁し、第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入する。その結果、収納部2の内圧が増加し、カートリッジ1の外部圧力と収納部2の内圧との差圧が一定の範囲に保たれる。
一方、カートリッジ1の外部圧力が気圧変化等により減少した場合、第2の弁4に対する下流側圧力Pが減少する。その後、第2の弁4に対する上流側圧力Pと、下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となると、第2の弁4が開弁し、第2の弁4を介して収納部2内から外部へ気体が流出する。その結果、収納部2の内圧が減少し、カートリッジ1の外部圧力と収納部2の内圧との差圧が一定の範囲に保たれる。
また、第1の弁3の基端側開口および第2の弁4の先端側開口に、第1の弁3および第2の弁4を密閉するキャップを取り付けてもよい。これにより、上述のような気圧変化等によってカートリッジ1の外部圧力が変化した場合の第1の弁3および/または第2の弁4の開弁を防止することができる。
また、本実施形態では、第1の弁3および第2の弁4は、同一の構成を有しているため、第1の弁3の開弁圧Thと第2の弁4の開弁圧Thは、同一であるが、本発明はこれに限られない。例えば、第1の弁3の開弁圧Thと第2の弁4の開弁圧Thは、互いに異なっていてもよい。
例えば、蒸気圧の高い物質5(揮発しやすい物質5)を収納部2内に収納した場合に、第2の弁4の開弁圧Thが第1の弁3の開弁圧Thよりも大きくなるように(Th>Th)、カートリッジ1を構成してもよい。これにより、収納部2の内圧が物質5の揮発により上昇した場合であっても、揮発した物質5が気体と共に、第2の弁4を介して収納部2の外部へ意図せず流出してしまうことを防止することができ、揮発した物質5の漏れやカートリッジ1の試用期間が短くなってしまうことを防止することができる。
また、液体状の物質5を収納部2内に収納した場合にも、第2の弁4の開弁圧Thが第1の弁3の開弁圧Thよりも大きくなるように(Th>Th)、カートリッジ1を構成してもよい。これにより、収納部2の内圧を大気圧と比較して高く保つことができる。これにより、収納部2内に収納されている液体状の物質5の沸点を上げることができ、液体状の物質5の蒸発を抑制することができる。
また、第1の弁3の開弁圧Thが第2の弁4の開弁圧Thよりも大きくなるように(Th>Th2)、カートリッジ1を構成してもよい。これにより、第2の弁4の開弁圧Thが第1の弁3の開弁圧Thよりも低くなるため、第1の弁3の開弁圧Thと第1の弁3に対する上流側圧力P1のみを制御することだけで、第2の弁4の開閉を制御することができる。
以上、図1〜図3を参照して本発明のカートリッジ1の第1実施形態を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、図4〜図6に示すような様態でカートリッジ1を用いることができる。
図4に示すカートリッジ1aは、図2および図3に示したカートリッジ1を2つ連結することにより構成されている。すなわち、基端側(図4中の左側)のカートリッジ1の第2の弁4には、先端側(図4中の右側)のカートリッジ1の第1の弁3が接続されている。
このように、図2および図3に示したカートリッジ1を複数連結することで、気体を複数のカートリッジ1の収納部2内を通過させた後、外部に噴出させることができる。そのため、例えば、2つのカートリッジ1の収納部2内に収納されている物質5がそれぞれ異なる種類である場合、それぞれ異なる種類の物質5(または、それぞれ異なる物質5に由来する成分)に接触させた気体を外部に噴出させることができる。
このような様態のカートリッジ1aは、物質5が揮発成分を含む揮発性物質、特に、揮発性の芳香成分を含む芳香物質である場合に特に有用である。それぞれ異なる芳香物質を2つのカートリッジ1の収納部2内に収納することにより、基端側のカートリッジ1の収納部2内に収納されている芳香物質の芳香成分を、先端側のカートリッジ1の収納部2内に気体と共に供給し、さらに、基端側のカートリッジ1の収納部2内に収納されている芳香物質の芳香成分と先端側のカートリッジ1の収納部2内に収納されている芳香物質の芳香成分の双方を、気体と共にカートリッジ1aの外部に噴出させることができる。すなわち、このような様態のカートリッジ1aを用いることにより、混合された複数の芳香成分を、気体と共にカートリッジ1aの外部に噴出させることができる。この場合、収納部2内に供給され、収納部2内から外部へ噴出される気体として、空気(外気)や炭酸ガス等を用いることが好ましい。
また、このような様態のカートリッジ1aは、2つのカートリッジ1の収納部2内に収納されている物質5が活性炭等の気体中の物質(例えば、不純物等)を吸着するための吸着物質である場合にも有用である。気体中のそれぞれ異なる物質を吸着するそれぞれ異なる種類の吸着物質を2つのカートリッジ1の収納部2内にそれぞれ収納することにより、各収納部2内で気体中の異なる物質を吸着させることができる。これにより、複数の物質が除去された状態の気体をカートリッジ1aの外部に噴出させることができる。この場合、収納部2内に供給され、収納部2内から外部へ噴出される気体として、空気(外気)を用いることが好ましい。これにより、カードリッジ1aが設けられた場所の空気を洗浄することができる。
なお、図4に示すカートリッジ1aにおいて用いられるカートリッジ1の数は特に限定されず、2以上の任意の数のカートリッジ1をカートリッジ1aにおいて用いることができる。また、複数のカートリッジ1同士の接続は、図4に示したような基端側のカートリッジ1の第2の弁4と先端側のカートリッジ1の第1の弁3との直接接続に限られず、例えば、チューブ等の任意の接続部材を介して基端側のカートリッジ1の第2の弁4と先端側のカートリッジ1の第1の弁3とを接続することにより、複数のカートリッジ1を接続してもよい。
図5に示すカートリッジ1bは、図4に示したカートリッジ1aから、先端側のカートリッジ1の第1の弁3を省略したものである。すなわち、図5に示すカートリッジ1bでは、基端側(図5の左側)のカートリッジ1の第2の弁4に、基端側(図5の右側)のカートリッジ1の収納部2の気体流入口が接続されている。
このような様態のカートリッジ1bも、図4に示したカートリッジ1aと同様の機能を提供することができる。また、図4に示したカートリッジ1aと同様に、図5に示すカートリッジ1bにおいて用いられるカートリッジ1の数は特に限定されず、2以上の任意の数のカートリッジ1をカートリッジ1bにおいて用いることができる。また、複数のカートリッジ1同士の接続は、図5に示したような基端側のカートリッジ1の第2の弁4と先端側のカートリッジ1の収納部2との直接接続に限られず、例えば、チューブ等の任意の接続部材を介して基端側のカートリッジ1の第2の弁4と先端側のカートリッジ1の収納部2とを接続することにより、複数のカートリッジ1を接続してもよい。
図6に示すカートリッジ1cは、図2および図3に示したカートリッジ1から、収納部2を省略したものである。図6(a)には、カートリッジ1cの斜視図が示されている。図6(b)には、カートリッジ1cの縦断面図が示されている。
図6に示すカートリッジ1cでは、第1の弁3の弁座32の先端側開口に第2の弁4の弁座42の基端側開口が直接接続されている。この場合、第1の弁3の弁座32の先端側開口と、第2の弁4の弁座42の基端側開口とによって規定される空間内に物質5(図6中では図示せず)が収納される。すなわち、第1の弁3の弁座32の先端側開口と、第2の弁4の弁座42の基端側開口とが前述のカートリッジ1の収納部2として機能する。この場合、収納部2(第1の弁3の弁座32の先端側開口および第2の弁4の弁座42の基端側開口)が、第1の弁3および第2の弁4と一体成型されているものと見なすことができる。
また、図6に示すカートリッジ1cにおいて用いられる第1の弁3と第2の弁4の数は、図示の形態に限られず、任意の数とすることができる。また、第1の弁3と第2の弁4との接続は、図6に示したような第1の弁3の弁座32の先端側開口と第2の弁4の弁座42の基端側開口との直接接続に限られず、例えば、チューブ等の任意の接続部材を介して第1の弁3の弁座32の先端側開口と第2の弁4の弁座42の基端側開口とを接続することにより、第1の弁3と第2の弁4とを接続してもよい。この場合、チューブ等の任意の接続部材内に物質5が収納され、該接続部材が、前述のカートリッジ1の収納部2として機能する。
<<第2実施形態>>
次に、図7および図8を参照して、本発明のカートリッジの第2実施形態について説明する。図7は、本発明のカートリッジの第2実施形態において用いられる弁の縦断面図である。図8は、図7に示す弁の分解斜視図である。なお、以下の説明では、図7および図8の上側を「上」または「上方」と言い、図7および図8の下側を「下」または「下方」と言う。なお、図8では、弁の内部構造を示すため、一部が切り欠かれた状態で弁が示されている。
以下、第2実施形態のカートリッジについて、第1実施形態のカートリッジとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。第2実施形態のカートリッジ1では、第1の弁3および第2の弁4の構成が異なり、それ以外は、第1実施形態のカートリッジ1と同様である。以下、第2実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4について説明する。
第2実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4は、同様の構成を有しているので、以下、代表して第1の弁3の構成を説明する。
図7および図8に示すように、第2実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3は、弾性材料から構成された膜状の弁体31と、気体を通過させるための気体流路322を有する弁座32と、膜状の弁体31を弁座32上に保持するための保持部材33とを備えている。
本実施形態の弁体31は、弾性材料から構成された膜状部材であって、弁座32に形成された気体流路322を閉塞および開放する機能を有する。弁体31を構成する弾性材料としては、第1実施形態のカートリッジ1の第1の弁3および第2の弁4において用いられた弁体31、41を構成する弾性材料と同様のものを用いることができる。
弁座32は、略円筒形状の全体形状を有している。弁座32は、図7中下側に開口する円筒状の基端側開口部323と、基端側開口部323の上面に設けられた円筒状の接続部324と、接続部324の上面に接続部324の上面を貫通するように形成された円形の気体流路322と、接続部324の上面縁部に形成されたリング状のフランジ部325とを備えている。
基端側開口部323の外径は、接続部324の外径よりも大きい。また、基端側開口部323の中空部と接続部324の中空部とは連通している。そのため、基端側開口部323側から供給された気体は、基端側開口部323の中空部および接続部324の中空部を通過し、気体流路322を介して弁座32の外部へ流出する。したがって、本実施形態の弁座32において、図7中の下側(基端側開口部323側)が気体の流れの上流側であり、図7中の上側(接続部324側)が気体の流れの下流側である。また、接続部324の外周面には、保持部材33と係合するリング状の突出部326が形成されている。
フランジ部325は、接続部324の上面縁部に上側に突出するよう形成されており、膜状の弁体31を載置するための空間を規定している。膜状の弁体31は、接続部324の上面上であって、フランジ部325によって規定される空間内に載置される。すなわち、膜状の弁体31は、弁座32の気体流路322の気体が流出する側(下流側)に載置されている。
保持部材33は、膜状の弁体31を弁座32の接続部324の上面上に保持する機能を有する。保持部材33によって、膜状の弁体31が弁座32の気体流路322の気体が流出する側(気体の流れの下流側)に保持されている。
保持部材33は、略円筒形状の全体形状を有している。保持部材33は、図7中下側に開口し、弁座32の接続部324に接続される円筒状の接続部331と、接続部331の上面に設けられた円筒状の先端側開口部332とを備えている。
保持部材33の接続部331の外径は、弁座32の基端側開口部323の外径と略等しい。また、保持部材33の接続部331の中空部は、弁座32の接続部324に対応した形状を有している。さらに、保持部材33の接続部331の内周面には、弁座32の接続部324の外周面上に形成されたリング状の突出部326と係合するリング状の突出部333が形成されている。
接続部331の中空部と先端側開口部332の中空部とは、先端側開口部332の下面に形成されたリング状の挿通孔334を介して、連通している。そのため、弁座32の気体流路322を介して保持部材33内に流入した気体は、リング状の挿通孔334を介して保持部材33の先端側開口部332の中空部内に流入し、その後、先端側開口部332外へ流出する。
また、先端側開口部332の下面には、先端側開口部332の下面から下側に突出するよう形成された押当部335が形成されている。図7に示す第1の弁3が組み立てられた状態において、押当部335が膜状の弁体31の上面の略中央部に接触し、膜状の弁体31を弁座32の接続部324の上面上に保持する。
弁座32の接続部324の上面上に膜状の弁体31を載置した状態で、弁座32の接続部324を保持部材33の接続部331の中空部内に挿入し、弁座32の接続部324の外周面上に形成されたリング状の突出部326と、保持部材33の接続部331の内周面上に形成されたリング状の突出部333とを係合させることにより、膜状の弁体31を弁座32と保持部材33との間に保持することができる。
このような構成を有する本実施形態の第1の弁3は、膜状の弁体31に対して気体の流れの上流側から加えられる上流側圧力Pと、膜状の弁体31に対して気体の流れの下流側から加えられる下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となったときに、気体を通過させるよう構成されている。すなわち、本実施形態の第1の弁3は、第1実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と同様の機能を提供する。
具体的には、膜状の弁体31に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満である場合、膜状の弁体31は、弁座32の気体流路322を閉塞する。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させない。
一方、膜状の弁体31に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合、膜状の弁体31の押当部335と接触していない部分(膜状の弁体31周辺部)が、上流側圧力Pによって上側に向かって弾性変形または押し上げられ、膜状の弁体31と弁座32の接続部324の上面との間に隙間が生じ、弁座32の気体流路322が開放される。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させる。
また、膜状の弁体31と弁座32の接続部324の上面との間にオイルを塗布してもよい。これにより、膜状の弁体31と弁座32の接続部324の上面と密着性を向上させることができる。
このような構成を有する第1の弁3も、第1実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と同様の機能を提供することができる。
<<第3実施形態>>
次に、図9を参照して、本発明のカートリッジの第3実施形態について説明する。図9は、本発明のカートリッジの第3実施形態において用いられる弁の縦断面図である。なお、以下の説明では、図9の上側を「上」または「上方」と言い、図9の下側を「下」または「下方」と言う。
以下、第3実施形態のカートリッジについて、第2実施形態のカートリッジとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。第3実施形態のカートリッジ1では、第1の弁3および第2の弁4の構成が異なり、それ以外は、第2実施形態のカートリッジ1と同様である。以下、第3実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4について説明する。
第3実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4は、同様の構成を有しているので、以下、代表して第1の弁3の構成を説明する。
図9に示すように、第3実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3は、弾性材料から構成された球状の弁体31と、気体を通過させるための気体流路322を有する弁座32と、球状の弁体31を弁座32上に保持するための保持部材33とを備えている。本実施形態では、保持部材33の先端側開口部332の上面には円筒状の押当部335が形成されている。また、円筒状の押当部335の内面には、スリット336が形成されており、弁座32の気体流路322を通過した気体は、スリット336を介して保持部材33の先端側開口部332から外部に流出するようになっている。
本実施形態の弁体31は、弾性材料から構成された球状部材であって、弁座32の接続部324の上面に形成された気体流路322を閉塞および開放する機能を有する。弁体31を構成する弾性材料としては、第1実施形態および第2実施形態のカートリッジ1の第1の弁3および第2の弁4において用いられた弁体31、41を構成する弾性材料と同様のものを用いることができる。
第2実施形態の第1の弁3と同様に、球状の弁体31は、弁座32と保持部材33との間に保持されている。図9に示す第1の弁3が組み立てられた状態において、球状の弁体31は、弁座32の接続部324の上面に形成された気体流路322を閉塞するように配置されている。
このような構成を有する本実施形態の第1の弁3は、球状の弁体31に対して気体の流れの上流側から加えられる上流側圧力Pと、球状の弁体31に対して気体の流れの下流側から加えられる下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となったときに、気体を通過させるよう構成されている。すなわち、本実施形態の第1の弁3は、第1実施形態および第2実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と同様の機能を提供する。
具体的には、球状の弁体31に対して気体の流れの上流側から加えられる上流側圧力Pと、球状の弁体31に対して気体の流れの下流側から加えられる下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満である場合、球状の弁体31は、弁座32の気体流路322を閉塞する。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させない。
一方、球状の弁体31に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合、球状の弁体31が上流側圧力Pによって弾性変形され、球状の弁体31と弁座32の間との間に隙間が生じ、弁座32の気体流路322が開放される。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させる。
また、球状の弁体31は、保持部材33の構成材料よりも高い硬度を有する硬質材料によって構成されていてもよい。この場合、球状の弁体31に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合、上流側圧力Pによって上側に押された球状の弁体31が保持部材33を変形させる。この際、球状の弁体31と弁座32の間との間に隙間が生じ、弁座32の気体流路322が開放される。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させる。
このような構成を有する第1の弁3も、第1実施形態および第2実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と同様の機能を提供することができる。
<<第4実施形態>>
次に、図10および図11を参照して、本発明のカートリッジの第4実施形態について説明する。図10は、本発明のカートリッジの第4実施形態において用いられる弁の縦断面図である。図11は、図10に示す弁の分解斜視図である。なお、以下の説明では図10および図11の上側を「上」または「上方」と言い、図10および図11の下側を「下」または「下方」と言う。なお、図11では、弁の内部構造を示すため、一部が切り欠かれた状態で弁が示されている。
以下、第4実施形態のカートリッジについて、第2実施形態のカートリッジとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。第4実施形態のカートリッジ1では、第1の弁3および第2の弁4の構成が異なり、それ以外は、第2実施形態のカートリッジ1と同様である。以下、第4実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4について説明する。
第4実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4は、同様の構成を有しているので、以下、代表して第1の弁3の構成を説明する。
本実施形態の保持部材33は、通気性膜であり、弁座32のフランジ部325の上面に取り付けられている。本実施形態の保持部材33の構成材料は、通気性を有していれば特に限定されないが、例えば、ラミネートフィルムPET/AL/ONY/CPP、単層フィルム、ニトリルゴム等のゴム弾性体等で本実施形態の保持部材33を形成することができる。また、弁座32のフランジ部325の上面への保持部材33の取り付けは、接着等の方法によって実現される。
このような構成を有する本実施形態の第1の弁3は、膜状の弁体31に対して気体の流れの上流側から加えられる上流側圧力Pと、膜状の弁体31に対して気体の流れの下流側から加えられる下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となったときに、気体を通過させるよう構成されている。すなわち、本実施形態の第1の弁3は、第1実施形態〜第3実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と同様の機能を提供する。
具体的には、膜状の弁体31に対して気体の流れの上流側から加えられる上流側圧力Pと、膜状の弁体31に対して気体の流れの下流側から加えられる下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満である場合、膜状の弁体31は、弁座32の接続部324の上面と接触し、弁座32の気体流路322を閉塞する。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させない。
一方、膜状の弁体31に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合、膜状の弁体31が上流側圧力Pによって上側に持ち上げられ、膜状の弁体31と弁座32の間に隙間が生じ、弁座32の気体流路322が開放される。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させる。
また、本実施形態において、保持部材33を省略してもよい。この場合、膜状の弁体31の一部分が、弁座32の接続部324の上面に固定される。このような構成において、膜状の弁体31に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となると、膜状の弁体31の弁座32の接続部324の上面に固定されていない部分のみが上流側圧力Pによって上側に持ち上げられ、膜状の弁体31と弁座32の間に隙間が生じ、弁座32の気体流路322が開放される。一方、膜状の弁体31の一部分が、弁座32の接続部324の上面に固定されているので、膜状の弁体31は、弁座32の接続部324の上面に保持され続ける。なお、膜状の弁体31の一部分の弁座32の接続部324の上面への固定は、接着やはめ込み式等の任意の固定方法により実現することができる。
このような構成を有する第1の弁3も、第1実施形態〜第3実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と同様の機能を提供することができる。
<<第5実施形態>>
次に、図12を参照して、本発明のカートリッジの第5実施形態について説明する。図12は、本発明のカートリッジの第5実施形態において用いられる弁を示す図である。図12(a)は、本発明のカートリッジの第5実施形態において用いられる弁の斜視図である。図12(b)は、本発明のカートリッジの第5実施形態において用いられる弁の縦断面図である。
以下、第5実施形態のカートリッジについて、第1実施形態のカートリッジとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。第5実施形態のカートリッジ1では、第1の弁3および第2の弁4の構成が異なり、それ以外は、第1実施形態のカートリッジ1と同様である。以下、第5実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4について説明する。
第5実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4は、同様の構成を有しているので、以下、代表して第1の弁3の構成を説明する。
図12に示すように、第5実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3は、弾性材料から構成されたアンブレラ型の弁体31と、気体を通過させるための気体流路322を有する弁座32と、アンブレラ型の弁体31を保持するための保持部材33とを備えている。
本実施形態の弁体31は、弾性材料から構成されたアンブレラ型の部材であって、保持部材33に形成された気体流路338を閉塞および開放する機能を有する。弁体31を構成する弾性材料としては、第1実施形態のカートリッジ1の第1の弁3および第2の弁4において用いられた弁体31、41を構成する弾性材料と同様のものを用いることができる。
本実施形態の弁体31は、第1実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3の弁体31と同様に、長尺状の軸部311と、軸部311の途中に設けられた拡径部312と、軸部311の先端に設けられた傘部313と、を備える。ただし、本実施形態の弁体31の傘部313は、第1実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3の弁体31と異なり、球の上側半分を切り取ることにより形成される半球形状を有している。
本実施形態の弁座32は、第1実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3の弁座32と同様に、弁体31の軸部311を挿入する挿入孔321と、気体を収納部2内に供給するための気体流路322とを備えている。
本実施形態の保持部材33は、略円筒状の全体形状を有しており、その先端側(図12(b)中の上側)の中空部の上側の内周部分からは、中空部の中心に向かって延伸するリング状の突出部337が形成されており、該突出部337によって気体流路338が規定されている。
図12(b)に示す第1の弁3が組み立てられた状態において、弁体31の傘部313の半球形状の下側表面が、保持部材33の突出部337と接触しており、保持部材33の気体流路338が弁体31の傘部313によって閉塞されている。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させない。
一方、半球状の傘部313に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合、半球状の傘部313が上流側圧力Pによって弾性変形または上側に押し上げられ、半球状の傘部313と保持部材33の間に隙間が生じ、保持部材33の気体流路338が開放される。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させる。
このような構成を有する第1の弁3も、第1実施形態〜第4実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と同様の機能を提供することができる。
<<第6実施形態>>
次に、図13を参照して、本発明のカートリッジの第6実施形態について説明する。図13は、本発明のカートリッジの第6実施形態において用いられる弁を示す図である。図13(a)は、本発明のカートリッジの第6実施形態において用いられる1ピース式のスリット弁を示す図である。図13(b)は、本発明のカートリッジの第6実施形態において用いられる2ピース式のスリット弁を示す図である。
以下、第6実施形態のカートリッジについて、第1実施形態のカートリッジとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。第6実施形態のカートリッジ1では、第1の弁3および第2の弁4の構成が異なり、それ以外は、第1実施形態のカートリッジ1と同様である。以下、第6実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4について説明する。
第6実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4は、同様の構成を有しているので、以下、代表して第1の弁3の構成を説明する。
図13(a)に示す本実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3は、1ピース式のスリット弁である。第1の弁3は、弾性材料により構成された膜(シート)の中央部にスリット34を入れることにより形成することができる。第1の弁3を構成する弾性材料としては、シリコーン、ニトリルゴム、フッ素ゴム等のゴム弾性体を用いることができる。
このような構成を有する第1の弁3は、第1実施形態〜第5実施形態のカートリッジ1において用いられた第1の弁3と異なり、収納部2内から外部への気体の逆流を防止する逆止弁としての機能を有していない。
すなわち、本実施形態の第1の弁3に対して気体の流れの上流側から加えられる上流側圧力Pと、膜状の弁体31に対して気体の流れの下流側から加えられる下流側圧力Pとの差圧(P−P)または(P−P)、すなわち、差圧の絶対値が、所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満である場合、スリット34は閉塞されている。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させない。
一方、第1の弁3に対して気体の流れの上流側から加えられる上流側圧力Pと、膜状の弁体31に対して気体の流れの下流側から加えられる下流側圧力Pとの差圧(P−P)または(P−P)、すなわち、差圧の絶対値が、所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上である場合、スリット34が開かれる。そのため、この状態では、第1の弁3は、気体を通過させる。
このように、本実施形態の第1の弁3では、膜状の弁体31に加えられる圧力に応じて、膜状の弁体31に形成されたスリット34が開閉する。したがって、本実施形態の第1の弁3では、スリット34が気体を通過させるための気体流路として機能する。
図13(b)に示す本実施形態のカートリッジ1において用いられる第1の弁3は、2ピース式のスリット弁である。第1の弁3は、弾性材料により構成された2つの膜(シート)の端面の一部分(例えば、両端部)同士を熱融着等により接着することにより構成されている。2つの膜の端面の互いに接着されていない部分は、スリット34を形成する。このような2ピース式のスリット弁も上述の1ピース式のスリット弁と同様の機能を提供することができる。
以上、本発明のカートリッジ1を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
本発明の属する分野および技術における当業者であれば、本発明の原理、考え方、および範囲から有意に逸脱することなく、記述された本発明のカートリッジ1の構成の変更を実行可能であろうし、変更された構成を有する匂い噴出装置もまた、本発明の範囲内である。
また、各実施形態では、第1の弁3および第2の弁4が同じ構成を有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、第1の弁3および第2の弁4の少なくとも一方が上述した第1実施形態〜第6実施形態のいずれかの第1の弁3および第2の弁4と同様の構成を有しており、第1の弁3および第2の弁4の他方が、それとは異なる実施形態の第1の弁3および第2の弁4と同様の構成を有していてもよい。
また、本発明のカートリッジ1において用いられる第1の弁3および第2の弁4は、第1実施形態〜第6実施形態において説明されたような弁に限られない。例えば、第1の弁3および第2の弁4の少なくとも一方を、電気のON/OFFで弁の開閉を実行する電磁弁に置き換えてもよい。この場合、第1の弁3および第2の弁4の開閉は、カートリッジ1の第1の弁3および第2の弁4に接続されたCPUやマイコン等の制御装置によって電気的に制御される。
また、本発明のカートリッジ1は、円筒状の全体形状を有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、本発明のカートリッジ1は、楕円筒形状、角筒形状、多角筒形状等、任意の筒状形状を有していてもよい。
<噴出装置>
<<第1実施形態>>
次に、図14〜図18を参照して、上述したカートリッジ1を備える噴出装置の第1実施形態について説明する。
図14は、本発明の噴出装置の第1実施形態を示す斜視図である。図15は、図14に示す噴出装置の内部構造を示す斜視図である。図16は、図14に示す噴出装置の内部構造を示す上面図である。図17は、図14に示す噴出装置の送風機構およびカートリッジを示す斜視図である。図18は、図14に示す噴出装置を概略的に示すブロック図である。
なお、以下の説明では、図14、図15、および図17の上側を「上」または「上方」と言い、図14、図15、および図17の下側を「下」または「下方」と言う。また、図14、図15、および図17の紙面左奥側、並びに、図16の左側を「基端側」と言い、図14、図15、および図17の紙面右手前側、並びに、図16の右側を「先端側」と言う。なお、図15および図16中では、噴出装置の内部構造を示すため、噴出装置のハウジングの上面および両側面が省略されている。
なお、本発明の噴出装置においては、上述した第1実施形態〜第6実施形態のカートリッジ1のいずれも用いることができるが、第1実施形態のカートリッジ1が用いられているものとして、本実施形態の噴出装置を説明する。すなわち、本実施形態の噴出装置のカートリッジ1において用いられている第1の弁3および第2の弁4は、図2および図3を参照して説明したアンブレラ型の逆止弁である。
また、カートリッジ1の収納部2内に収納されている物質5は、揮発性成分を含む揮発性物質、より具体的には、揮発性の芳香成分を含む液状の芳香物質(例えば、液状の香料)であり、ポリエステル繊維等を束ねて得られた繊維束芯に担持されているものとして、本実施形態の噴出装置を説明する。
図14〜図16に示す噴出装置100は、噴出装置100の各部品を収納するハウジング110と、ハウジング110内に設けられた第1の基板120aと、第1の基板120a上に載置された送風機構130と、送風機構130に接続され、芳香物質を収納しているカートリッジ1と、送風機構130の上側に設けられた第2の基板120bと、第2の基板120b上に載置され、送風機構130を制御する制御ユニット140と、ハウジング110の底面上に載置された2つのバッテリー150と、を備えている。また、噴出装置100は、噴出装置100の内部または外部に設けられたセンサー170(図18参照)から、有線通信または無線通信を介して、信号を受信するよう構成されていてもよい。
ハウジング110は、噴出装置100の各部品を収納する。ハウジング110は、例えば、160mm×50mm×45mm程度のサイズの長尺の角筒形状を有している。ハウジング110の上面には、送風機構130を手動でオン/オフするための電源スイッチ141をハウジング110外へ突出させるための楕円状の開口111が形成されている。また、ハウジング110の基端側面には、噴出装置100から噴出される芳香成分の噴出量を手動で調整するための調整ツマミ142をハウジング110外へ突出させるためのスリット112が形成されている。また、ハウジング110の先端側面には、カートリッジ1の第2の弁4の先端側開口に接続された気体噴出経路160をハウジング110外へ突出させるための開口113が形成されている。また、ハウジング110の基端側の底面上には、第1の基板120aおよび第2の基板120bを保持するための複数の円柱状のスペーサー114が設けられている。
ハウジング110の構成材料は、特に限定されないが、例えば、金属材料、セラミック材料、樹脂材料、カーボン材等が挙げられる。これらの中でも、ハウジング110の加工の容易さおよびハウジング110の強度向上の観点からは、金属材料を用いてハウジング110を構成することが好ましい。また、ハウジング110の軽量化およびコスト削減の観点からは、樹脂材料を用いてハウジング110を構成することが好ましい。
第1の基板120aは、長尺の平板形状を有しており、ハウジング110内の基端側において、複数のスペーサー114によって、ハウジング110の底面から離間した状態で固定的に保持されている。第1の基板120aの長手方向の長さは、ハウジング110の長手方向の長さよりも短い。そのため、第1の基板120aがハウジング110内の基端側に固定的に配置されると、ハウジング110内の先端側には、2つのバッテリー150を収納するためのスペースが形成される。
送風機構130は、第1の基板120a上に固定的に取り付けられており、カートリッジ1内に気体を供給する機能を有している。送風機構130としては、例えば、モーターポンプ、ピエゾポンプ、扇風機、空気洗浄機、エアコン、ファンヒーター、ノック式ポンプ、口での気体(主として空気)の吸引または吹込により送風する機構、手動式のポンプ等を用いて送風する機構、ガスボンベ等の圧縮された気体(例えば、炭酸ガス、不活性ガス、希ガス等)を噴出することにより送風する機構、および、気流を発生させることによりカートリッジ1内に気体を送風することができるその他任意の機構を挙げることができる。本実施形態では、送風機構130は、送風部131と、送風部131からカートリッジ1へ供給される気体の流入経路として機能する接続部132とを備えている。本実施形態では、送風部131は、制御ユニット140によって駆動(制御)されるモーターと、モーターの駆動によって回転するファン(ローター)と、モーターおよびファンを収納するケースとから構成され、カートリッジ1内に空気(大気)を供給する。制御ユニット140からの制御に応じて、送風部131のファンが回転されると、接続部132内に気体が送り出される。接続部132内に送り出された気体(空気)は、カートリッジ1の収納部2の気体流入口に接続された第1の弁3を介して、カートリッジ1内へ流入する。
送風機構130からカートリッジ1内へ供給される気体の供給量は、ファンの回転速度に依存する。そのため、制御ユニット140を用いて、ファンの回転速度を制御することにより、送風機構130からカートリッジ1内へ供給される気体の供給量を調整することができる。送風機構130からカートリッジ1内へ供給される気体の供給量は、少なくとも、カートリッジ1に対し、カートリッジ1の第1の弁3の開弁圧Thおよび第2の弁4の開弁圧Th以上の圧力を加えることができるよう調整されている。
このような条件を満たしたうえで、さらに、送風機構130からカートリッジ1内へ供給される気体の供給量は、0.001L/min〜2.0L/min程度であることが好ましく、0.01L/min〜1.0L/min程度であることがより好ましい。気体の供給量が上記下限値未満であると、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を十分に確保できず、芳香成分の種類によっては、ユーザーが芳香成分の匂いを確認できない場合がある。一方、気体の供給量が上記上限値を超えると、送風部131のファンの回転速度が増加し、送風機構130から発生するノイズや振動が顕著になる場合がある。
図15〜図17に示すように、カートリッジ1の第1の弁3の基端側開口には送風機構130の接続部132が接続されており、カートリッジ1の第2の弁4の先端側開口には円筒状の気体噴出経路160が接続されている。
送風機構130からカートリッジ1の第1の弁3に気体が供給されると、第1の弁3に対して送風機構130側から加えられる気体圧である上流側圧力Pが増加する。その後、第1の弁3に対する上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となると、第1の弁3が開弁し、第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入する。
第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入すると、収納部2の内圧が増加し、第2の弁4に対する上流側圧力Pが増加する。その後、第2の弁4に対する上流側圧力Pと、第2の弁4に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となると、第2の弁4が開弁し、第2の弁4を介して収納部2内から外部へ気体が流出する。
気体が収納部2内を気体が通過し、第2の弁4を介して外部へ気体が流出する際、収納部2内を漂っている揮発性の芳香成分が気体によって搬送され、気体と共に収納部2の気体噴出口から噴出する。これにより、気体と共に揮発性の芳香成分をカートリッジ1外に噴出させることができる。
気体噴出経路160は、円筒状の形状を有し、噴出装置100(カートリッジ1)外へ噴出する気体および芳香成分の噴出経路として機能する。気体噴出経路160の基端側の開口(流入口)は、第2の弁4の先端側開口に接続されている。気体噴出経路160の先端部は、ハウジング110の開口113を介して、ハウジング110外へ突出しており、気体噴出経路160の先端側の開口(噴出口)は、噴出装置100の外部に開口している。そのため、収納部2内を通過した気体は、収納部2内に漂っている芳香成分と共に、第2の弁4および気体噴出経路160を介して噴出装置100(カートリッジ1)外へ噴出する。
気体噴出経路160の構成材料としては、収納部2の構成材料と同じものを用いることができる。また、送風機構130からカートリッジ1内へ供給される気体の供給量が上述の範囲内である場合、気体噴出経路160の開口(噴出口)の直径は、0.1mm〜10.0mm程度であることが好ましく、0.2mm〜8.0mm程度であることがより好ましい。気体噴出経路160の開口(噴出口)の直径が上記下限値未満であると、送風機構130から供給された気体が、カートリッジ1内で滞る可能性がある。一方、気体噴出経路160の開口(噴出口)の直径が上記上限値を超える場合、気体噴出経路160の開口(噴出口)から噴出される気体の圧力が低下してしまい、芳香成分を遠くまで噴出させることができない場合がある。
また、本実施形態においては、カートリッジ1には、カートリッジ1を特定するために読み取られるRFID(Radio Frequency Identifier)タグ等の認識タグ6(図18参照)が取り付けられている。制御ユニット140は、カートリッジ1の認識タグ6を読み込むことにより、カートリッジ1を特定することができる。
図15および図16に戻り、バッテリー150は、ハウジング110内の先端側に固定的に配置されており、制御ユニット140の電源ポート143(図18参照)を介して制御ユニット140に接続され、制御ユニット140に電力を供給する。バッテリー150は、リチウムイオン二次電池のような再充電が可能なバッテリーであってもよいし、乾電池のような使い捨てのバッテリーであってもよい。また、図14〜図16に示す例では、2つのバッテリー150は、長尺の円筒形状を有しており、ハウジング110内の先端側に、平面視において、カートリッジ1を挟むように配置されている。
第2の基板120bは、複数のスペーサー114によって、送風機構130の上側に固定的に保持されている。すなわち、本実施形態において、送風機構130は、第1の基板120aと、第2の基板120bとの間に設けられている。第2の基板120bは、第1の基板120aと同様に、長尺の平板形状を有している。第2の基板120bの長手方向の長さは、第1の基板120aの長手方向の長さよりも短く、第2の基板120bの幅(短手方向の長さ)は、第1の基板120aの幅と略等しい。
制御ユニット140は、第2の基板120bの上に固定的に取り付けられており、送風機構130を制御する機能を有する。図18に示すように、制御ユニット140は、送風機構130を手動でオン/オフするための電源スイッチ141と、噴出装置100から噴出される芳香成分の噴出量を手動で調整するための調整ツマミ142と、電力を制御ユニット140に入力するための電源ポート143と、送風機構130のモーターに電力を供給するための電力供給部144と、送風機構130のモーターに供給する電力量を調整するための可変抵抗器145と、制御ユニット140の動作を制御する制御部146と、制御ユニット140の動作を実行するためのデータ、プログラム、モジュール等を記憶している記憶部147と、を備えている。
また、制御ユニット140の制御部146は、記憶部147内に保存されているデータ、プログラム、モジュール等を利用することにより、タイマー機能、送風機構130のファンの回転数をカウントするカウント機能、スマートフォン、携帯電話、タブレットのようなユーザー端末や外部サーバー等の外部機器と無線通信を実行するBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)やZigbee、WiFi等の無線通信機能、およびカートリッジ1の認識タグ6を識別する認識タグ識別機能を実行することができる。
また、制御部146は、噴出装置100の内部または外部に設けられた1つ以上のセンサー170から、有線通信または無線通信を介して、信号を受信するよう構成されていてもよい。この場合、制御部146は、センサー170から受信した信号に基づいて、噴出装置100を制御可能となっている。制御部146に信号を送信するセンサー170としては、匂いセンサー、温度センサー、湿度センサー、音センサー、光センサー、熱センサー、人感センサー、圧力センサー、加速度センサー、力覚センサー、電流(または電圧)センサー、煙センサー、画像センサー、位置センサー等の任意の種類のセンサー、またはこれらの組み合わせを用いることができる。
電力供給部144は、送風機構130のモーターに接続されており、制御ユニット140は、バッテリー150からの電力を、電力供給部144のレギュレーターIC(Integrated Circuit)やDCDCコンバーターIC等を介して送風機構130のモーターに供給し、送風機構130を駆動させることができる。
電源スイッチ141は、制御ユニット140の電力供給部144から送風機構130のモーターへの電力の供給を手動でオン/オフするために用いられる。図14に示すように、電源スイッチ141は、ハウジング110の開口111から、ハウジング110の外部に突出している。そのため、ユーザーは、電源スイッチ141を手動で操作し、電力供給部144から送風機構130への電力の供給を手動でオン/オフすることができる。
調整ツマミ142は、制御ユニット140の可変抵抗器145の抵抗値を手動で調整するために用いられる。調整ツマミ142を用いて可変抵抗器145の抵抗値を変更することにより、電力供給部144のレギュレーターICやDCDCコンバーターIC等を介して送風機構130のモーターへ出力される電圧の値を変更することができる。送風機構130のファンの回転速度(モーターの回転速度)は、電力供給部144から送風機構130のモーターへ出力される電圧値に依存する。そのため、調整ツマミ142を用いて可変抵抗器145の抵抗値を変更することにより、送風機構130のファンの回転速度、すなわち、送風機構130からカートリッジ1の収納部2内への気体の供給量を調整し、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を制御することができる。
図14に示すように、調整ツマミ142は、ハウジング110のスリット112から、ハウジング110の外部に突出している。そのため、ユーザーは、調整ツマミ142を手動で操作し、送風機構130からカートリッジ1の収納部2内への気体の供給量を調整し、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を制御することができる。
電源ポート143は、バッテリー150等の電源から制御ユニット140に電力を入力するために用いられる。電源ポート143は、バッテリー150等の電源から制御ユニット140に電力を入力できれば特に限定されず、例えば、電源供給線を接続するための端子、USB電源ポート、ATAポート等が挙げられる。
なお、電源スイッチ141および調整ツマミ142は、ユーザーが制御ユニット140を直接操作するために用いられるが、電力供給部144から送風機構130のモーターへの電力の供給のオン・オフおよびカートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量の変更は、制御部146が記憶部147内に記憶されているデータ、プログラム、モジュール等、または1つ以上のセンサー170から受信した信号を用いて実行してもよい。なお、制御部146によるカートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量の変更は、制御部146が、記憶部147内に記憶されているデータ、プログラム、モジュール等、または1つ以上のセンサー170から受信した信号に基づいて、制御部146から送風機構130のモーターへ出力されるPWM(Pulse Width Modulation)信号を変更することにより実行される。
例えば、制御部146は、タイマー機能を利用して、所定の時間間隔毎に送風機構130を駆動し、送風機構130から収納部2内に気体を供給させてもよい。また、制御部146は、認識タグ識別機能を利用してカートリッジ1の認識タグ6を識別することにより、カートリッジ1を特定し、さらに、カートリッジ1の収納部2内に収納されている芳香物質(物質5)の種類に応じて、可変抵抗器145の抵抗値を変更してもよい。
例えば、収納部2内に収納されている芳香物質が比較的強い匂いの芳香成分を含んでいる場合、制御部146は、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を減らす。逆に、収納部2内に収納されている芳香物質が比較的弱い匂いの芳香成分を含んでいる場合、制御部146は、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を増やす。
さらに、制御部146は、認識タグ識別機能を利用して、カートリッジ1が取り換えられたことを検知し、さらに、上述のカウント機能を利用してカートリッジ1が取り換えられたときからの送風機構130のファンの回転数をカウントし、送風機構130のファンの回転数に基づいて収納部2内の芳香成分の残量を判別してもよい。判別された収納部2内の芳香成分の残量は、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を一定に保つために利用することができる。
具体的には、収納部2内の芳香成分の残量が多い場合には、収納部2内を漂う芳香成分の密度が高い。そのため、制御部146は、送風機構130からカートリッジ1の収納部2内への気体の供給量を減らす。一方、収納部2内の芳香成分の残量が少ない場合には、収納部2内を漂う芳香成分の密度が低い。そのため、制御部146は、送風機構130からカートリッジ1の収納部2内への気体の供給量を増やす。このような制御により、収納部2内の芳香成分の残量に関わらず、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を一定にすることができる。
また、制御部146は、収納部2内の芳香成分の残量が所定の量以下になったと判別した場合、無線通信機能を用いて、ユーザー端末や外部サーバー等の外部機器に、カートリッジ1の取り換え時期が近付いてきていることを通知してもよい。また、制御部146は、所定の時間間隔で、無線通信機能を用いて、ユーザー端末や外部サーバー等の外部機器に、収納部2内の芳香成分の残量を送信してもよい。これにより、ユーザーまたは匂い噴出装置100の管理者は、カートリッジ1の取り換え時期や収納部2内の芳香成分の残量を正確に把握することができる。
また、制御部146は、所定の期間(例えば、数時間、1日、1週間、1ヶ月)における収納部2内の芳香成分の噴出量、バッテリー150の電力残量、送風機構130の駆動時間(すなわち、収納部2内の芳香成分の噴出時間)、収納部2内の芳香成分の種類等の噴出装置100に関する各種情報を、無線通信機能を用いて、ユーザー端末や外部サーバーに送信してもよい。これにより、噴出装置100のユーザーまたは管理者は、ユーザー端末や外部サーバー内に蓄積された噴出装置100に関する各種情報に基づいて、噴出装置100の状態を知ることができる。また、噴出装置100のユーザーまたは管理者は、ユーザー端末や外部サーバー内に蓄積された噴出装置100に関する各種情報を分析することにより、噴出装置100の使用やマーケティングに有用な情報を取得することができる。例えば、噴出装置100のユーザーまたは管理者は、ユーザー端末や外部サーバー内に蓄積された噴出装置100に関する各種情報を分析することにより、どの程度の頻度でカートリッジ1の取り換えが発生するか、どの種類の芳香成分が最も良く消費されるか等の情報を取得することができる。
また、ユーザー端末や外部サーバーは、様々な環境内に設けられた複数の噴出装置100から、上述の噴出装置100に関する各種情報を受信してもよい。さらに、各噴出装置100の制御部146は、上述の噴出装置100に関する各種情報と共に、センサー170から取得した各種情報(例えば、噴出装置100が設けられている環境の匂い、温度、湿度、音、光量、熱、圧力、位置情報、タイムスタンプ等)を、無線通信機能を用いて、ユーザー端末や外部サーバーに送信してもよい。これにより、ユーザー端末や外部サーバー内には、複数の噴出装置100に関する各種情報と、センサー170から取得した各種情報とが紐づけられて、ビックデータとして蓄積されることになる。このようなビックデータを分析することにより、噴出装置100のユーザーまたは管理者は、噴出装置100の使用やマーケティングに有用な情報を取得することができる。
このようなビックデータを用いて噴出装置100の使用やマーケティングに有用な情報を取得するための噴出装置100の使用様態として、例えば、以下のような使用様態が考えられる。例示的な使用様態では、香水メーカーの各店舗内に、それぞれ異なる種類の芳香成分を噴出させる噴出装置100が複数設置され、各噴出装置100からユーザー端末や外部サーバーへ、複数の噴出装置100に関する各種情報と、センサー170から取得した各種情報が送信され、ビックデータとして蓄積される。このようにして蓄積されたビックデータを分析することにより、香料のマーケティングに有用な様々な情報を取得することができる。
例えば、収納部2内の芳香成分の種類と、所定の期間における収納部2内の芳香成分の噴出量とを関連付けて分析することにより、どの香りが最もお客様に嗅がれたかについての情報(例えば、芳香成分の人気ランキング)を取得することができる。また、噴出装置100が設けられている各店舗の位置情報と、所定の期間における収納部2内の芳香成分の噴出量とを関連付けて分析することにより、各店舗や地域ごとの香りの好みの傾向(違い)を取得することができる。また、噴出装置100が設けられている環境の温度や湿度と、所定の期間における収納部2内の芳香成分の噴出量とを関連付けて分析することにより、天気や温度等の環境条件に応じてお客様の香りに対する好みがどのように変化するかについての情報を取得することができる。
また、制御部146は、認識タグ識別機能を利用して、特定の種類のカートリッジ1が噴出装置100に取り付けられている場合にのみ、送風機構130を駆動してもよい。例えば、制御部146は、記憶部147内にユーザーが事前に指定した使用可能なカートリッジ1の種類が記憶されており、制御部146が識別したカートリッジ1の種類と、記憶部147内に保存されている使用可能なカートリッジ1の種類とが合致した場合にのみ、送風機構130を駆動してもよい。これにより、危険性を有する芳香成分(例えば、催涙効果を有する芳香成分)が誤って噴出されるといった危険な用途での噴出装置100の使用を防止することができる。
また、制御部146は、1つ以上のセンサー170から受信した信号に基づいて、電力供給部144から送風機構130のモーターへの電力の供給のオン・オフおよびカートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量の変更を実行してもよい。
例えば、センサー170が人感センサーである場合、センサー170を用いることにより、所定の場所に人が存在することを検出することができる。センサー170が所定の場所に人が存在することを検出し、制御部146に信号を送信すると、制御部146は、噴出装置100を駆動させる。これにより、確実に人が存在するときに、自動で噴出装置100を駆動させることや、人が存在するときに、カートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量を自動で増やす(または減らす)といった制御が可能となる。
また、例えば、センサー170が光センサーである場合、センサー170を用いることにより、噴出装置100が取り付けられた場所(例えば、寝室、玄関等)の明るさを検出することができる。制御部146は、センサー170から受信した信号に基づいて、噴出装置100の駆動の自動的なオン・オフおよび/またはカートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量の自動的な制御を実行する。噴出装置100が寝室に取り付けられている場合、制御部146は、寝室の明るさの急激な低下を示す信号をセンサー170から受信すると、寝室の灯りが消されたものと判断し、リラックス効果または安眠効果のある芳香成分を噴出させるよう構成されていてもよい。また、制御部146は、寝室の明るさが徐々に増加しており、かつ、ある所定の閾値を越えたことを示す信号をセンサー170から受信すると、夜が明けたものと判断し、覚醒効果のある芳香成分を噴出させるよう構成されていてもよい。また、制御部146は、寝室の明るさの増加に応じて、覚醒効果のある芳香成分の噴出量を徐々に増加させるよう構成されていてもよい。
このように、制御部146を、1つ以上のセンサー170から受信した信号に基づいて、電力供給部144から送風機構130のモーターへの電力の供給のオン・オフおよびカートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量の変更を実行するよう構成することにより、様々な状況に応じた噴出装置100の駆動の自動的なオン・オフおよびカートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量の自動的な制御が可能となる。
また、制御部146は、無線通信機能を用いて、ユーザー端末や外部サーバー等の外部機器からの制御信号を受信し、受信した制御信号に応じて、電力供給部144から送風機構130のモーターへの電力の供給のオン・オフおよびカートリッジ1外へ噴出される芳香成分の噴出量の変更を実行してもよい。これにより、噴出装置100を遠隔操作することが可能となる。
上述のように、本発明の噴出装置100で用いられるカートリッジ1においては、芳香物質(物質5)を収納する収納部2は、気体流入口側の第1の弁3と、気体噴出口側の第2の弁4とによって密閉されている。そのため、送風機構130からカートリッジ1内へ気体が供給されていない状態(噴出装置100が駆動されていない状態)において、収納部2内の芳香成分が、噴出装置100の外部に流出しない。
また、カートリッジ1の第1の弁3は、送風機構130の接続部132に着脱可能に接続されているので、カートリッジ1を容易に取り外すことが可能である。そのため、噴出装置100を利用するユーザーは、カートリッジ1を交換することにより、噴出させる芳香成分を容易に変更することができる。
また、カートリッジ1の密閉構造は、第1の弁3、収納部2、および第2の弁4により構成され、非常にシンプルであるため、カートリッジ1の製造コストが安い。そのため、カートリッジ1を使い捨てにすることもできる。そのため、噴出装置100を利用するユーザーは、カートリッジ1を交換することにより、噴出させる芳香成分を低コストで変更することができる。
<<第2実施形態>>
次に、図19〜図21を参照して、本発明の噴出装置の第2実施形態を説明する。図19は、本発明の噴出装置の第2実施形態を示す斜視図である。図20は、図19に示す噴出装置を概略的に示すブロック図である。図21は、図20に示す噴出装置に対するユーザー端末による操作の例示的様態を示す図である。以下の説明では、図19の上側を「上」または「上方」と言い、図19の下側を「下」または「下方」と言う。また、図19の紙面左奥側を「基端側」と言い、図19の紙面右手前側を「先端側」と言う。
図19および図20に示す匂い噴出装置200は、複数(図示の例では、5つ)の噴出装置100と、複数の噴出装置100のカートリッジ1の第2の弁4に、気体噴出経路160を介して接続された噴出キャップ210とを備えている。
複数の噴出装置100のそれぞれは、上述の第1実施形態において説明された噴出装置100と同じ構成を有している。図20に示すように、複数の噴出装置100のカートリッジ1の収納部2のそれぞれに収納されている芳香物質(物質5)は、互いに異なっていてもよい。
噴出キャップ210は、複数の噴出装置100のカートリッジ1の第2の弁4に、気体噴出経路160を介して接続されたブレンド部220と、ブレンド部220から先端側に突出するよう形成され、先端部に噴出口を有する円筒部230とを備える。
複数の噴出装置100のそれぞれが駆動されると、複数の噴出装置100のカートリッジ1の収納部2から、第2の弁4および気体噴出経路160を介して、ブレンド部220内に複数の芳香成分が噴出され、ブレンド部220内において複数の芳香成分がブレンドされる。その後、ブレンドされた複数の芳香成分は、円筒部230に形成された噴出口から、噴出キャップ210外(噴出装置100外)に噴出する。このような構成により、ブレンドされた複数の異なる芳香成分を外部に噴出させることができる。
また、本実施形態の噴出装置200では、複数の噴出装置100のそれぞれが制御ユニット140および送風機構130を有している。すなわち、本実施形態の噴出装置200は、複数のカートリッジ1と、複数のカートリッジ1のそれぞれに対応する複数の送風機構130と、複数の送風機構130のそれぞれに対応する複数の制御ユニット140と、を有している。そのため、複数の噴出装置100のカートリッジ1のそれぞれからの芳香成分の噴出タイミングおよび噴出量を任意に設定することが可能である。これにより、噴出装置200は、複数の噴出装置100(カートリッジ1)のうちの任意の1つ以上から、芳香成分を選択的に噴出させることができる。
例えば、噴出装置200を居住空間の調香器として用いる場合、朝には、複数の噴出装置100のうちの任意の1つ以上から、覚醒効果(目覚まし効果)のある芳香成分を噴出させ、ランチタイムには、複数の噴出装置100のうちの任意の1つ以上から、食欲増進効果のある芳香成分を噴出させ、夜には、複数の噴出装置100のうちの任意の1つ以上から、リラックス効果のある芳香成分を外部に噴出させることができる。
このような稼働させる噴出装置100の選択および噴出量の調整は、ユーザーが複数の噴出装置100のそれぞれの制御ユニット140の電源スイッチ141および調整ツマミ142を用いて手動で行ってもよいし、噴出装置100のそれぞれの制御ユニット140の制御部146が所定の条件に基づいて自動で行ってもよい。また、図21に示すように、稼働させる噴出装置100の選択および噴出量の調整は、スマートフォン、携帯電話、タブレット等のユーザー端末によって実行することができる。この場合、各噴出装置100の制御ユニット140の制御部146は、無線通信機能を用いて、ユーザー端末と通信を実行し、自身のバッテリー150の電力残量や芳香成分の現在の噴出量等の噴出装置100の選択および芳香成分の噴出量の調整に必要な情報をユーザー端末に送信する。一方、ユーザー端末は、ユーザー端末に対するユーザーの操作に応じて、各噴出装置100の電源のオン・オフの実行、または、各噴出装置100からの噴出量を調整するための信号を、各噴出装置100の制御ユニット140の制御部146に送信する。これにより、ユーザーは、ユーザー端末に操作を加えることにより(ユーザー端末がスマートフォンの場合であれば、スマートフォンの画面に表示された各噴出装置100に対応するアイコンに対しタッチ操作やスライド操作を加えることにより)、複数の噴出装置100を一括または個別にオン・オフすることや、噴出装置100からの芳香成分の噴出量を一括または個別に調整することができる。図示の形態では、ユーザー端末(スマートフォン)の表示部に、各噴出装置100のバッテリー150の電力残量を表すデータバーと、各噴出装置100からの芳香成分の現在の噴出量を表すスライドバーとを含むアイコンが表示されており、ユーザーは、ユーザー端末の表示部に対しスライド操作およびタッチ操作を加え、操作したい噴出装置100に対応するアイコン(噴出装置1〜5のいずれかがラベル付けされている略四角形状のアイコン)を選択し、アイコン内の噴出量調整用のスライドバーをスライド操作することにより、各噴出装置100からの芳香成分の噴出量を調整することができる。
また、噴出装置100の制御ユニット140のそれぞれは、同一のセンサー170から信号を受信するよう構成されていてもよいし、それぞれ異なる複数のセンサー170から信号を受信するよう構成されていてもよい。噴出装置100の制御ユニット140のそれぞれがそれぞれ異なる複数のセンサー170から信号を受信するよう構成されている場合、例えば、噴出装置100の任意の1つ以上が、匂いセンサーから受信した信号に基づいて、芳香成分を噴出させ、複数の噴出装置100のその他任意の1つ以上が、人感センサーから受信した信号に基づいて、芳香成分を噴出させるといった、様々な状況に応じた、様々な種類および組み合わせの芳香成分の噴出が可能となる。
<<第3実施形態>>
次に、図22および図23を参照して、本発明の噴出装置の第3実施形態を説明する。図22は、本発明の噴出装置の第3実施形態を概略的に示すブロック図である。図23は、図22に示す噴出装置に対するユーザー端末による操作の例示的様態を示す図である。
図22に示す匂い噴出装置300は、複数のカートリッジ1と、複数のカートリッジ1の第2の弁4に、気体噴出経路160を介して接続されたブレンド部320および円筒部330を有する噴出キャップ310と、複数のカートリッジ1の第1の弁3に接続された複数のバルブ340と、複数のバルブ340のそれぞれに接続された送風機構130と、送風機構130用の制御ユニット140と、を備えている。
また、第2実施形態の噴出装置200と同様に、複数のカートリッジ1の収納部2のそれぞれに収納されている芳香物質(物質5)は、互いに異なっていてもよい。
本実施形態のカートリッジ1、送風機構130、および制御ユニット140は、それぞれ、前述した第1実施形態の噴出装置100において用いられたカートリッジ1、送風機構130、および制御ユニット140と同じ構成を有している。また、本実施形態の噴出キャップ310は、前述した第2実施形態の噴出装置200において用いられた噴出キャップ210と同じ構成を有している。一方、本実施形態では、1つの送風機構130から送られる気体は、各カートリッジ1の第1の弁3に接続されたバルブ340を介して、各カートリッジ1内に供給される。
各バルブ340は、自身の気体の流路の開口率を変更可能に構成されており、ユーザー、または、制御ユニット140の制御部146は、各バルブ340の流路の開口率を変更することにより、送風機構130から各カートリッジ1内へ供給される気体の供給量を変更することができる。なお、図23に示すように、本実施形態の噴出装置300では、各カートリッジ1からの芳香成分の噴出量の設定は、ユーザー端末によって実行することができる。この場合、制御ユニット140の制御部146は、無線通信機能を用いて、ユーザー端末と通信を実行し、噴出装置300のバッテリー150の電力残量、各カートリッジ1からの芳香成分の現在の噴出量等の情報をユーザー端末に送信する。一方、ユーザー端末は、ユーザー端末に対するユーザーの操作に応じて、各カートリッジ1からの芳香成分の噴出量を調整するための信号(すなわち、各バルブ340の流路の開口率を調整するための信号)を制御ユニット140の制御部146に送信する。これにより、ユーザーは、ユーザー端末に操作を加えることにより(ユーザー端末がスマートフォンの場合であれば、スマートフォンの画面に表示された各カートリッジ1に対応するアイコンに対しタッチ操作やスライド操作を加えることにより)、複数のカートリッジ1を一括または個別にオン・オフすることや、カートリッジ1からの噴出量を一括または個別に調整することができる。図示の形態では、ユーザー端末(スマートフォン)の表示部に、噴出装置300のバッテリー150の電力残量を表すデータバーを含むアイコンと、各カートリッジ1からの芳香成分の現在の噴出量を表すスライドバーを含むアイコンとが表示されており、ユーザーは、ユーザー端末の表示部に対しスライド操作およびタッチ操作を加え、操作したいカートリッジ1に対応するアイコン(カートリッジ1〜5のいずれかがラベル付けされている略四角形状のアイコン)を選択し、選択したアイコン内の噴出量用のスライダーバーをスライド操作することにより、各カートリッジ1からの芳香成分の噴出量を調整することができる。
また、制御ユニット140の制御部146は、1つ以上のセンサー170から受信した信号に基づいて、各バルブ340の流路の開口率を変更するよう構成されていてもよい。これにより、様々な状況に応じた、様々な種類および組み合わせの芳香成分の噴出が可能となる。
本実施形態の噴出装置300では、各バルブ340の流路の開口率を制御することにより、複数のカートリッジ1のそれぞれからの芳香成分の噴出タイミングおよび噴出量を任意に設定することが可能である。そのため、本実施形態の噴出装置300によっても、上述した第2実施形態の匂い噴出装置200と同じ効果・機能を提供することができる。
また、本実施形態の噴出装置300では、1組の制御ユニット140と送風機構130しか用いていないため、複数組の制御ユニット140と送風機構130を用いる第2実施形態の噴出装置200と比較して、匂い噴出装置300の小型化の点で有利である。
<<第4実施形態>>
次に、図24および図25を参照して、本発明の噴出装置の第4実施形態を説明する。図24は、本発明の噴出装置の第4実施形態を示す斜視図である。図25は、図24に示す噴出装置の機能を説明するための図である。
図24および図25に示す噴出装置400は、本発明のカートリッジ1と、カートリッジ1の第1の弁3の基端側開口に接続された送風機構130とを備えている。本実施形態における送風機構130は、スポイド式送風機構であって、蛇腹状の本体部133と、本体部133の基端側面上に形成された外気取り入れ孔134とを有している。
本実施形態の送風機構130の外気取り入れ孔134を指等で塞いだ状態で蛇腹状の本体部133を押圧すると、図25に示すように、蛇腹状の本体部133がその長手方向に収縮する。その結果、蛇腹状の本体部133内部の気体が圧縮され、第1の弁3に対する上流側圧力Pが増大する。その後、第1の弁3に対する上流側圧力Pと、収納部2の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となると、第1の弁3が開弁し、第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入する。
第1の弁3を介して収納部2内へ気体が流入すると、収納部2の内圧が増加し、第2の弁4に対する上流側圧力Pが増加する。その後、第2の弁4に対する上流側圧力Pと、第2の弁4に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となると、第2の弁4が開弁し、第2の弁4を介して収納部2内から外部へ気体が流出する。この際、収納部2内に収納されている物質5(または物質5を由来とする成分)が気体と共に収納部2内から外部へ流出する。
その後、送風機構130の外気取り入れ孔134に対する閉塞が解除されると、外気取り入れ孔134がオープンとなり、外気が蛇腹状の本体部133内へ流入し、蛇腹状の本体部133は元の状態へ復元する。なお、本実施形態において、蛇腹状の本体部133内部から収納部2内に流入し、収納部2から外部に流出する気体は、空気(外気)である。
このような構成の噴出装置400は、主として、ユーザーがカートリッジ1の収納部2内に収納されている物質5を吸引するための吸引器具として利用される。噴出装置400が吸引器具として利用される場合、ユーザーは、噴出装置400のカートリッジ1の第2の弁4の先端側開口を口で咥え、さらに、送風機構130の外気取り入れ孔134を指で塞いだ状態で蛇腹状の本体部133を収縮させるよう押圧する。このような操作により、ユーザーは、カートリッジ1の第2の弁4の先端側開口から噴出される気体(空気)と共に、収納部2内に収納されている物質5(または物質5を由来とする成分)を吸引することができる。
また、ユーザーは、噴出装置400のカートリッジ1の第2の弁4の先端側開口を口で咥え、気体(空気)を吸引することによっても収納部2内に収納されている物質5を吸引することができる。この場合、第2の弁4に対する下流側圧力Pが減少する。その結果、カートリッジ1の第2の弁4を介して、収納部2内の気体(空気)と共に物質5(または物質5を由来とする成分)が噴出し、ユーザーは、物質5を吸引することができる。
このように、噴出装置400が吸引器具として利用される場合、粉薬、揮発性の薬効成分を含む吸引薬、アロマ、ニコチン等が収納部2内に収納される物質5として用いられる。物質5として粉薬や揮発性の薬効成分を含む吸引薬のような薬を用いた場合、本実施形態の噴出装置400を用いることにより、薬の有効成分を、吸引によりユーザーの気管や肺に直接届けることができる。
物質5としてアロマやニコチンを用いた場合、本実施形態の噴出装置400を電子タバコのような吸引器具として用いることができる。特に、物質5として、ニコチンを用いる場合、本実施形態の噴出装置400を、禁煙治療用の吸引器具として用いることができる。タバコ中毒の主たる原因はニコチンであることがよく知られているので、ニコチンのみをユーザーに吸引させることにより、本実施形態の噴出装置400を禁煙治療に役立てることができる。
また、本実施形態の噴出装置400においては、送風機構130を省略し、さらに、第1の弁3および第2の弁として、カートリッジ1の第6実施形態で用いられたようなスリット式バルブを用いてもよい。スリット式バルブは逆止弁としての機能を有さないので、ユーザーは、カートリッジ1の第1の弁3の基端側開口または第2の弁4の先端側開口のいずれか一方を口で咥え、気体(空気)を吸引することにより、物質5(または物質5を由来とする成分)を吸引することができる。
以上、本発明の噴出装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
本発明の属する分野および技術における当業者であれば、本発明の原理、考え方、および範囲から有意に逸脱することなく、記述された本発明の噴出装置の構成の変更を実行可能であろうし、変更された構成を有する噴出装置もまた、本発明の範囲内である。例えば、本発明の噴出装置の第1実施形態〜第4実施形態の任意の構成を組み合わせることができる。
<物質捕集装置>
次に、図26を参照して、本発明のカートリッジ1を備える物質捕集装置について説明する。図26は、本発明のカートリッジを備える物質捕集装置を示す概略図である。なお、以下の説明では、図26の左側を「基端側」と言い、図26の右側を「先端側」と言う。
なお、本発明の物質捕集装置においては、上述した第1実施形態〜第6実施形態のカートリッジ1のいずれも用いることができるが、第1実施形態のカートリッジ1が用いられているものとして、本発明の物質捕集装置を説明する。すなわち、本発明の物質捕集装置のカートリッジ1において用いられている第1の弁3および第2の弁4は、図2および図3を参照して説明したアンブレラ型の逆止弁である。また、本発明の物質捕集装置において、カートリッジ1の収納部2内に収納されている物質5は、活性炭等の気体中の物質を吸着するための吸着物質である。
図26に示す物質捕集装置500は、空気中の浮遊物質(例えば、匂い物質、塵、埃、カビの胞子、花粉、ハウスダスト、PM2.5等の浮遊粒子状物質)をカートリッジ1の収納部2内に収納されている吸着物質により捕集するために用いられる。物質捕集装置500は、本発明のカートリッジ1と、カートリッジ1の第2の弁4の先端側開口に接続された密閉容器510と、密閉容器510内に設けられた送風機構520とを備えている。
図26に示すように、密閉容器510は、基端側開口と先端側開口とを有する略円筒状の容器である。密閉容器510の構成材料は、密閉容器510内からの気体の漏れ出しを防ぐことができれば特に限定されず、カートリッジ1の収納部2と同様の構成材料を用いて密閉容器510を構成することができる。密閉容器510の基端側開口は、カートリッジ1の先端側開口に接続されており、密閉容器510の先端側開口は、送風機構520の気体排出口によって封止されている。これにより、密閉容器510の内部空間が密閉されている。
送風機構520は、密閉容器510内に固定的に取り付けられており、密閉容器510内の気体を密閉容器510(物質捕集装置500)外へ排出する機能を有している。送風機構520は、密閉容器510内の気体を密閉容器510(物質捕集装置500)外へ排出する機能を有していれば特に限定されず、例えば、上述した本発明の噴出装置100の送風機構130と同様に、モーターポンプ、ピエゾポンプ、扇風機、エアコン、ファンヒーター、ノック式ポンプ、手動式のポンプ等の任意の機構を送風機構520として用いることができる。
送風機構520の気体流入口は、密閉容器510の内部空間に対して開口しており、送風機構520の気体排出口は、密閉容器510の先端側開口を介して密閉容器510(物質捕集装置500)の外部へ開口している。送風機構520が駆動されると、密閉容器510内の気体が密閉容器510外へ排出され、密閉容器510の内圧が低下する。密閉容器510の内圧が低下すると、カートリッジ1の第2の弁4に対する下流側圧力Pが低下する。その後、カートリッジ1の第2の弁4に対する上流側圧力Pと下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)以上となると第2の弁4が開弁し、第2の弁4を介して収納部2内から密閉容器510内へ気体が流出する。
収納部2内から密閉容器510内へ気体の流出により収納部2の内圧が低下すると、カートリッジ1の第1の弁3に対する下流側圧力Pが低下する。その後、カートリッジ1の第1の弁3に対する上流側圧力P(大気圧等)と下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)以上となると第1の弁3が開弁し、第1の弁3を介して、物質捕集装置500の外部から収納部2内へ気体が流入する。この際、物質捕集装置500の外部の気体と共に、物質捕集装置500の外気中に浮遊している浮遊物質が収納部2内に流入する。その結果、収納部2内に流入した浮遊物質は、収納部2内に収納されている吸着物質に吸着する。
その後、送風機構520の駆動が停止されると、密閉容器510内からの気体の排出(密閉容器510内の減圧)が停止される。その後、密閉容器510内からの気体の排出(密閉容器510内の減圧)が停止された状態で、第2の弁4を介した収納部2から密閉容器510内への気体の流入が続き、カートリッジ1の第2の弁4に対する下流側圧力Pと、第2の弁4に対する上流側圧力Pとの差圧(P−P)が減少する。その結果、該差圧(P−P)が所定の値Th(第2の弁4の開弁圧)未満となると、第2の弁4が閉弁する。その後、第2の弁4が閉弁した状態で、収納部2内に気体が流入し、カートリッジ1の第1の弁3に対する下流側圧力Pと、カートリッジ1の第1の弁3に対する上流側圧力Pとの差圧(P−P)が減少する。その結果、該差圧(P−P)が所定の値Th(第1の弁3の開弁圧)未満となると、第1の弁3が閉弁する。
このように、本発明の物質捕集装置500を用いることにより、物質捕集装置500の外部の気体中に浮遊している浮遊物質を収納部2内の吸着物質に吸着させることができる。また、物質捕集装置500の使用後(送風機構520の駆動後)に収納部2内の吸着物質を回収することにより、浮遊物質を捕集することができる。これにより、例えば、任意の場所の気体中に浮遊している浮遊物質を分析することが可能となる。
また、本発明の物質捕集装置500では、密閉容器510がカートリッジ1の第2の弁4の先端側開口に接続されており、さらに、送風機構520が密閉容器510の内部に設けられている。そのため、送風機構520を介さずにカートリッジ1の収納部2内に直接外気を吸引することができるため、送風機構520(例えば、ポンプやファン等)から発する余計な不純物(例えば、送風機構520内部の埃や塵、送風機構520の駆動に伴って発生する摩耗片)が収納部2内に流入しない。そのため、そのような不純物が収納部2内の吸着物質に吸着することを防止することができる。これにより、対象とする気体中の浮遊物質のみを収納部2内の吸着物質に吸着させ、捕集することができる。
以上、本発明の物質捕集装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
本発明の属する分野および技術における当業者であれば、本発明の原理、考え方、および範囲から有意に逸脱することなく、記述された本発明の物質捕集装置の構成の変更を実行可能であろうし、変更された構成を有する物質捕集装置もまた、本発明の範囲内である。例えば、物質捕集装置の密閉容器の形状を変更することや、物質捕集装置の送風機構の構成を任意に変更することができる。
1、1a、1b、1c…カートリッジ 2…収納部 3…第1の弁 31…弁体 311…軸部 312…拡径部 313…傘部 32…弁座 321…挿入孔 322…気体流路 323…基端側開口部 324…接続部 325…フランジ部 326…突出部 33…保持部材 331…接続部 332…先端側開口部 333…突出部 334…挿通孔 335…押当部 336…スリット 337…突出部 338…気体流路 34…スリット 4…第2の弁 41…弁体 411…軸部 412…拡径部 413…傘部 42…弁座 421…挿入孔 422…気体流路 5…物質 6…認識タグ 100…噴出装置 110…ハウジング 111…開口 112…スリット 113…開口 114…スペーサー 120a…第1の基板 120b…第2の基板 130…送風機構 131…送風部 132…接続部 133…本体部 134…外気取り入れ孔 140…制御ユニット 141…電源スイッチ 142…調整ツマミ 143…電源ポート 144…電力供給部 145…可変抵抗器 146…制御部 147…記憶部 150…バッテリー 160…気体噴出経路 170…センサー 200…噴出装置 210…噴出キャップ 220…ブレンド部 230…円筒部 300…噴出装置 310…噴出キャップ 320…ブレンド部 330…円筒部 340…バルブ 400…噴出装置 500…物質捕集装置 510…密閉容器 520…送風機構 P…上流側圧力 P…下流側圧力

Claims (13)

  1. 気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、揮発性物質を収納する収納部と、
    前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の逆止弁と、
    前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の逆止弁と、を備え、
    前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁のそれぞれは、
    前記気体が流入する側の上流側圧力Pと、前記気体が流出する側の下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値以上となったときに、前記気体を通過させるよう構成されていることを特徴とするカートリッジ。
  2. 前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁のそれぞれは、前記気体を通過させるための気体流路を有する弁座と、
    前記気体流路を閉塞および開放するための弁体と、を備え、
    前記弁体は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に設けられ、前記気体流路を閉塞および開放するよう構成されている請求項1に記載のカートリッジ。
  3. 前記弁体は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に設けられ、前記気体流路を閉塞および開放する膜状の弾性部材である請求項2に記載のカートリッジ。
  4. 前記弁体は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に設けられ、前記気体流路を閉塞および開放する球状の弾性部材である請求項2に記載のカートリッジ。
  5. 前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁の少なくとも一方は、前記弁体を前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に保持するための保持部材をさらに備える請求項2ないし4のいずれかに記載のカートリッジ。
  6. 前記保持部材は、前記弁座に取り付けられた通気性膜であり、
    前記弁体は、前記保持部材と、前記弁座の前記気体流路との間に保持されている請求項5に記載のカートリッジ。
  7. 前記弁体の一部分は、前記弁体が前記弁座の前記気体流路を閉塞および開放可能なように、前記弁座に固定されている請求項2または3に記載のカートリッジ。
  8. 前記弁座は、前記弁体を挿入するための挿入孔をさらに備え、
    前記弁体は、前記弁体の前記挿入孔に挿入される軸部と、前記軸部の一方の端部に設けられたアンブレラ状の傘部とを有し、
    前記弁体の前記傘部は、前記弁座の前記気体流路の前記気体が流出する側に位置している請求項2に記載のカートリッジ。
  9. 前記揮発性物質は、繊維束芯に担持されている請求項1ないし8のいずれかに記載のカートリッジ。
  10. 気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、物質を収納する収納部と、
    前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の逆止弁と、
    前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の逆止弁と、を備え、
    前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁のそれぞれは、
    前記気体が流入する側の上流側圧力Pと、前記気体が流出する側の下流側圧力Pとの差圧(P−P)が開弁圧以上となったときに、前記気体を通過させるよう構成されていることを特徴とするカートリッジ。
  11. 気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、物質を収納する収納部と、
    前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の弁と、
    前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の弁と、を備え、
    前記第1の弁および前記第2の弁のそれぞれは、
    前記気体が流入する側の上流側圧力Pと、前記気体が流出する側の下流側圧力Pとの差圧(P−P)が開弁圧以上となったときに、前記気体を通過させるよう構成されていることを特徴とするカートリッジ。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のカートリッジを備えることを特徴とする噴出装置。
  13. 前記カートリッジを複数備え、
    前記複数のカートリッジ内にそれぞれ収納されている物質は、互いに異なっている請求項12に記載の噴出装置。
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