JP2019136411A - 匂い噴出装置 - Google Patents

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善則 村上
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和博 川内
康志 加藤
Koji Kato
康志 加藤
俊成 山本
Toshinari Yamamoto
俊成 山本
倫英 池田
Michihide Ikeda
倫英 池田
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Abstract

【課題】所望の温度の芳香成分を噴出可能な匂い噴出装置を提供すること。【解決手段】匂い噴出装置1は、気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、揮発性の芳香成分を含む芳香物質100を収納する収納部62と、収納部62の気体流入口に接続された第1の逆止弁61と、収納部62の気体噴出口に接続された第2の逆止弁63とを備えるカートリッジ6と、カートリッジ6を加熱するための加熱機構12と、カートリッジ6の第1の逆止弁61を介して収納部62に接続され、カートリッジ6の収納部62内に気体を供給する送風機構5と、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、一般に、匂い噴出装置に関し、より具体的には、揮発性の芳香成分を含む芳香物質を収納するためのカートリッジと、カートリッジを加熱するための加熱機構とを含む匂い噴出装置に関する。
従来より、リラックス効果や覚醒効果等の様々な効果を有する様々な種類の芳香成分を空気中に噴出させる匂い噴出装置が知られている。例えば、特許文献1は、芳香成分を含む芳香物質が内部に収納された筒状の容体と、容体の一方の端部から加圧空気を供給することにより、容体の他方の端部から、空気と共に芳香物質の芳香成分を外部に噴出させるためのコンプレッサーとを備える匂い噴出装置を開示している。
特許文献1の匂い噴出装置では、容体の一方の端部(気体流入口)および他方の端部(気体噴出口)のそれぞれが、逆止弁によって密閉されている。そのため、コンプレッサーが稼働していないときに、芳香物質の芳香成分が匂い噴出装置の外部へ流出してしまうことが防止されている。
しかしながら、芳香物質の中には、低い温度では揮発しづらい芳香成分を含むもの(例えば、お香、茶葉、香草)がある。そのような芳香物質が容体内に収納された状態で、室温のまま特許文献1に開示されている匂い噴出装置を用いても、ユーザーが芳香物質の匂いを強く感じられないという問題があった。
また、一般に、揮発性の芳香成分の揮発量は、高温環境下において多くなる。そのため、上述の特許文献1に開示されているような匂い噴出装置を、冬場や寒冷地等の低温環境下において用いた場合、匂い噴出装置から噴出される芳香成分の量が不十分となり、ユーザーが匂いを強く感じられないという問題があった。
また、化粧品、香水、スパイス、アロマオイル等の匂いをアピールポイントとする商品は、多くの場合、様々な芳香物質を含んでいる。芳香物質の芳香成分の揮発量は、温度に依存するので、これら商品の匂いも、温度に応じて変化する。そのため、例えば、化粧品や香水の匂いに関し、常温(室温)での匂いと、化粧品や香水の使用環境である人肌の表面温度での匂いとは、異なるものとなる。このことは、香水の購入を希望する顧客が、香水の匂いを確認する際に、香水瓶中の香水を直接嗅がずに、一度香水を自身の手首や手の甲に少量滴下し、自身の手首や手の甲に馴染ませた後に、香水の匂いを確認することが一般に行われていることから、容易に理解されるであろう。
そのため、これら商品の開発現場では、商品の使用環境の温度での匂いを容易に確認することができる匂いテスターに対するニーズが存在している。例えば、化粧品や香水の商品開発を行う場合、人肌の表面温度(約30〜37℃)での化粧品や香水の匂いを確認する必要があり、さらに、スパイスの商品開発を行う場合、スパイスが用いられる料理の加熱温度(例えば、50〜80℃)でのスパイスの匂いを確認する必要がある。また、商品を販売する店舗等においても、顧客に、商品の使用環境での匂いを嗅がせることができる匂いテスターに対するニーズが存在している。しかしながら、上述の特許文献1のような匂い噴出装置は、芳香物質の温度を変化させるための加熱機構を有しておらず、このようなニーズに対応することができていなかった。
さらに、特許文献1の匂い噴出装置では、容体の両端部を密閉している逆止弁のそれぞれは、容体の通風孔を密閉するための弁体と、該弁体を容体に押し付けるように付勢するための圧縮スプリングとから構成されている。そのため、特許文献1の匂い噴出装置の容体内に収納されている芳香物質を別の種類の芳香物質に交換する際には、異なる種類の芳香物質の混合を防ぐため、洗浄等により、容体内部および逆止弁に付着している芳香物質を除去する必要がある。
容体内部および逆止弁に付着している芳香物質を取り除くためには、超音波洗浄や高温洗浄(例えば、300℃程度)等の煩雑で高コストな洗浄処理を行う必要がある。特許文献1の匂い噴出装置では、弁体と圧縮スプリングから構成される複雑な構造の逆止弁が用いられており、このような逆止弁を洗浄し、逆止弁に付着した芳香物質を除去することは、困難かつ高コストである。
また、逆止弁を新しいものに交換することにより、逆止弁の洗浄の必要性を除去するとしても、弁体と圧縮スプリングから構成される逆止弁は、高コストである。そのため、逆止弁を新しいものに交換するとしても、容体内に収納されている芳香物質を異なる種類の芳香物質に変え、噴出させる芳香成分を変更することは高コストである。このように、特許文献1の匂い噴出装置を用いた場合、容体内に収納されている芳香物質を異なる種類の芳香物質に変え、噴出させる芳香成分を気軽に変更することができなかった。
特開昭62−217967号公報
本発明は、上記従来の問題点を鑑みたものであり、その目的は、所望の温度で芳香成分を噴出可能な匂い噴出装置を提供することにある。
このような目的は、以下の(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1)気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、揮発性の芳香成分を含む芳香物質を収納する収納部と、前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の逆止弁と、前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の逆止弁とを備えるカートリッジと、
前記カートリッジを加熱するための加熱機構と、
前記カートリッジの前記第1の逆止弁を介して前記収納部に接続され、前記カートリッジの前記収納部内に前記気体を供給する送風機構と、を含むことを特徴とする匂い噴出装置。
(2)前記加熱機構は、前記カートリッジを加熱する電熱線またはペルチェ素子から構成されている上記(1)に記載の匂い噴出装置。
(3)前記収納部は、長尺の円筒形状を有しており、
前記電熱線は、前記カートリッジの前記収納部の外周部の少なくとも一部分を覆うパターンを形成している上記(2)に記載の匂い噴出装置。
(4)前記カートリッジの温度を検出するための温度センサーをさらに含み、
前記匂い噴出装置は、前記温度センサーによって検出される前記カートリッジの前記温度に応じて、前記加熱機構の制御を実行する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の匂い噴出装置。
(5)前記加熱機構による前記カートリッジの加熱のオン・オフと、前記カートリッジの温度設定を実行するためのスライダー式のスイッチをさらに含む上記(4)に記載の匂い噴出装置。
(6)前記カートリッジの前記収納部は、金属材料で構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の匂い噴出装置。
(7)前記カートリッジの前記収納部は、断熱材層により覆われている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の匂い噴出装置。
(8)前記加熱機構によって前記カートリッジが加熱されているときに発光する発光部をさらに含む上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の匂い噴出装置。
本発明によれば、加熱機構を用いて、揮発性の芳香成分を含む芳香物質が収納されているカートリッジを加熱することができ、所望の温度で芳香成分を匂い噴出装置から噴出させることができる。所望の温度で芳香成分を噴出できるため、常温での匂いが弱い芳香物質(例えば、お茶、茶葉、香草)の匂いを、より強く空気中に噴出させることができる。また、芳香物質が収納されているカートリッジを加熱することができるため、冬場や寒冷地等の低温環境下において本発明の匂い噴出装置を用いた場合であっても、ユーザーは、芳香物質の匂いを強く感じることができる。
さらに、本発明によれば、商品(例えば、化粧品、香水、スパイス、アロマオイル)の使用環境における温度での芳香物質の匂いを容易に確認することができるため、本発明の匂い噴出装置を、商品開発や販売促進のための匂いテスターとして有効に活用することができる。
さらに、本発明の匂い噴出装置のカートリッジでは、芳香物質を収納する収納部の空気流入口および空気噴出口のそれぞれに、弾性材料(例えば、樹脂材料やゴム)製のダックビル型またはアンブレラ型の弁体および該弁体を支持する弁座を有する第1の逆止弁および第2の逆止弁が着脱可能に接続されている。第1の逆止弁および第2の逆止弁を収納部から取り外すことにより、収納部内を容易に洗浄することができる。そのため、カートリッジの収納部内に収納されている芳香物質を別の種類の芳香物質に変更する際には、洗浄により、収納部内部に付着している芳香物質を容易に除去することができる。
また、第1の逆止弁および第2の逆止弁は、弾性材料製の弁体を弁座から取り外すことにより、容易に分解することができ、弁体が取り外された弁座は容易に洗浄することができる。そのため、カートリッジの収納部内に収納されている芳香物質を別の種類の芳香物質に変更する際には、洗浄により、弁座に付着している芳香物質を容易に除去することができる。
また、第1の逆止弁および第2の逆止弁の弾性材料製のダックビル型またはアンブレラ型の弁体は、安価に製造することができる。そのため、カートリッジの収納部内に収納されている芳香物質を別の種類の芳香物質に交換する際には、第1の逆止弁および第2の逆止弁のダックビル型またはアンブレラ型の弁体を、新しい弁体に低コストで交換することができる。そのため、本発明の匂い噴出装置によれば、カートリッジの収納部内に収納されている芳香物質を異なる種類の芳香物質に変え、噴出させる芳香成分を気軽に変更することができる。
本発明の実施形態に係る匂い噴出装置の全体構成を示す斜視図である。 図1に示す匂い噴出装置の内部構造を示す斜視図である。 図1に示す匂い噴出装置のカートリッジ、温度センサー、加熱機構、断熱材層、および絶縁層の位置関係を示すための分解斜視図である。 図1に示す匂い噴出装置を概略的に示すブロック図である。 図1に示す匂い噴出装置の送風機構およびカートリッジを示す斜視図である。 図5に示すカートリッジの縦断面図である。 加熱機構の制御方法のフローチャートである。
以下、本発明の匂い噴出装置を、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて、説明する。なお、各図において、同様または類似した機能を発揮するコンポーネントには、同一の参照符号を付す。
図1は、本発明の実施形態に係る匂い噴出装置の全体構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す匂い噴出装置の内部構造を示す斜視図である。図3は、図1に示す匂い噴出装置のカートリッジ、温度センサー、加熱機構、断熱材層、および絶縁層の位置関係を示すための分解斜視図である。図4は、図1に示す匂い噴出装置を概略的に示すブロック図である。図5は、図1に示す匂い噴出装置の送風機構およびカートリッジを示す斜視図である。図6は、図5に示すカートリッジの縦断面図である。図7は、加熱機構の制御方法のフローチャートである。
なお、以下の説明では、図1、図2、および図5の上側を「上」または「上方」と言い、図1、図2、および図5の下側を「下」または「下方」と言う。また、図1、図2、および図5の紙面左奥側、並びに、図3および図6の左側を「基端側」と言い、図1、図2、および図5の紙面右手前側、並びに、図3および図6の右側を「先端側」と言う。なお、図2中では、匂い噴出装置の内部構造を示すため、匂い噴出装置のハウジングが省略されている。また、匂い噴出装置のカートリッジ、温度センサー、加熱機構、断熱材層、および絶縁層の位置関係を示すために、図3の分解斜視図の角度は、図中のXYZ軸に示されているように、図1および図2の斜視図の角度とは異なっている。
図1〜図4に示す匂い噴出装置1は、芳香物質100を収納しているカートリッジ6を所望の温度まで加熱し、所望の温度で芳香物質100の揮発性の芳香成分を外部に噴出させるために用いられる。匂い噴出装置1は、匂い噴出装置1の各部品を収納するハウジング2と、ハウジング2内に設けられた基板3と、基板3の下面に搭載され、匂い噴出装置1の制御を行う制御ユニット4と、制御ユニット4からの制御に応じて、カートリッジ6内に気体を供給するための送風機構5と、送風機構5に接続され、芳香物質100を収納するカートリッジ6と、基板3の上面に搭載され、外部機器との無線通信を実行するための無線通信ユニット7と、カートリッジ6の加熱のオン・オフと、カートリッジ6の温度設定を実行するためのスライダー式の加熱スイッチ8aと、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の流量を調整するための流量調整スイッチ8bと、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出をオン・オフするための噴出ボタン8cと、発光によりカートリッジ6が加熱されていることを表示するための発光部9と、カートリッジ6の温度を測定するための温度センサー10(図3参照)と、カートリッジ6を覆うよう配置された上側断熱材層11aおよび下側断熱材層11bと、カートリッジ6を加熱するための加熱機構12(図3参照)と、加熱機構12の短絡(ショート)を防止するための絶縁層13(図3参照)と、バッテリー14と、を備えている。
ハウジング2は、匂い噴出装置1の各コンポーネントを収納する機能を有している。ハウジング2は、長さ115mm×幅20mm×高さ25mm程度のサイズを有し、その角部がR面取り加工された長尺の角筒形状を有している。図1および図3に示すように、ハウジング2の下面には、カートリッジ6の取り換えを可能とするためのキャップ21が着脱自在に取り付けられている。図3に示すように、匂い噴出装置1が組み立てられた状態において、ハウジング2の本体とキャップ21とによって規定される空間内に、カートリッジ6、温度センサー10、上側断熱材層11a、下側断熱材層11b、加熱機構12、絶縁層13、および送風機構5の接続部52が位置する。匂い噴出装置1のユーザーは、ハウジング2に取り付けられたキャップ21を取り外すことにより、カートリッジ6を交換することができる。匂い噴出装置1のユーザーは、カートリッジ6を、別の芳香物質100が収納されている別のカートリッジ6と交換することにより、匂い噴出装置1から外部に噴出される芳香成分を容易に変更することができる。
また、図1に示すように、ハウジング2の側面には、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱のオン・オフと、カートリッジ6の温度設定を実行するためのスライダー式の加熱スイッチ8aをハウジング2外へ露出させるためのスリット22が形成されている。また、ハウジング2の上面には、匂い噴出装置1から外部へ噴出される芳香成分の流量を調整するための流量調整スイッチ8bをハウジング2外へ突出させるための2つの矩形開口23と、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出をオン・オフするための噴出ボタン8cをハウジング2外へ突出させるための円形開口24とが形成されている。匂い噴出装置1のユーザーは、ハウジング2外へ露出または突出している加熱スイッチ8a、流量調整スイッチ8b、および噴出ボタン8cを操作することにより、匂い噴出装置1の操作を実行することができる。また、ハウジング2の上面には、発光によりカートリッジ6が加熱されていることを表示するための発光部9をハウジング2外へ露出させるための破線状のリング開口25が形成されており、匂い噴出装置1のユーザーは、破線状のリング開口25を介してハウジング2外へ露出している発光部9を目視することにより、カートリッジ6の加熱が実行されているか否かを確認することができる。
また、図3に示すように、ハウジング2の本体のキャップ21が取り外された部分には、第1の凹部26が形成されている。匂い噴出装置1が組み立てられた状態において、カートリッジ6、上側断熱材層11a、下側断熱材層11b、加熱機構12、および絶縁層13が第1の凹部26内に位置する。さらに、第1の凹部26には、第2の凹部27が形成されている。匂い噴出装置1が組み立てられた状態において、温度センサー10が第2の凹部27内に位置する。
ハウジング2の構成材料は、特に限定されないが、例えば、金属材料、セラミック材料、樹脂材料、カーボン材等が挙げられる。これらの中でも、ハウジング2の加工の容易さおよびハウジング2の強度向上の観点からは、金属材料を用いてハウジング2を構成することが好ましい。また、ハウジング2の軽量化およびコスト削減の観点からは、樹脂材料を用いてハウジング2を構成することが好ましい。
基板3には、匂い噴出装置1の各種電子部品が搭載される。図2に示すように、基板3は、長尺の平板形状を有しており、ハウジング2内の基端側において、ビスやネジ等の任意の固定具によって、ハウジング2の上面および底面から離間した状態で、保持されている。基板3の短手方向の長さ(幅)は、ハウジング2の内側の短手方向の長さ(幅)と略等しく、基板3の長手方向の長さは、ハウジング2の長手方向の長さよりも短い。そのため、基板3がハウジング2内の基端側に固定的に配置されると、ハウジング2内の先端側には、バッテリー14を収納するためのスペースが形成される。
制御ユニット4は、基板3の下面に搭載され、匂い噴出装置1の制御を実行する機能を有している。図4に示すように、制御ユニット4は、匂い噴出装置1の制御に必要な各種処理を実行するための制御部41と、バッテリー14またはその他電源が接続される電源ポート42と、送風機構5、発光部9、温度センサー10、および加熱機構12へ電力を供給するための電源回路43と、を備えている。
制御部41は、演算処理を実行するためのプロセッサーと、匂い噴出装置1の制御を行うために必要なデータ、プログラム、モジュール等を保存しているメモリーとを備えており、制御部41のプロセッサーは、メモリー内に保存されているデータ、プログラム、モジュール等を用いることにより、匂い噴出装置1の制御を実行する。また、制御部41のプロセッサーは、匂い噴出装置1の基板3上に搭載された各種電子部品を用いることにより、所望の機能を提供することができる。例えば、制御部41のプロセッサーは、電源回路43を介して送風機構5に電力を供給し、送風機構5を駆動することにより、匂い噴出装置1から外部に芳香成分を噴出させることができ、さらに、電源回路43を介して加熱機構12に電力を供給し、加熱機構12を駆動することにより、カートリッジ6を加熱することができる。
また、制御部41は、匂い噴出装置1の内部または外部に設けられた1つ以上のセンサー16から、有線通信または無線通信を介して、信号を受信するよう構成されていてもよい。この場合、制御部41は、センサー16から受信した信号に基づいて、匂い噴出装置1を制御可能となっている。制御部41に信号を送信するセンサー16としては、匂いセンサー、温度センサー、湿度センサー、音センサー、光センサー、熱センサー、人感センサー、圧力センサー、加速度センサー、力覚センサー、電流(または電圧)センサー、煙センサー、画像センサー、位置センサー等の任意の種類のセンサー、またはこれらの組み合わせを用いることができる。
制御部41のプロセッサーは、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサー、マイクロコンピューター、マイクロコントローラー、デジタル信号プロセッサー(DSP)、中央演算処理装置(CPU)、メモリーコントロールユニット(MCU)、画像処理用演算処理装置(GPU)、状態機械、論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはこれらの組み合わせ等のコンピューター可読命令に基づいて信号操作等の演算処理を実行する演算ユニットである。特に、制御部41のプロセッサーは、制御部41のメモリー内に保存されているコンピューター可読命令(例えば、データ、プログラム、モジュール等)をフェッチし、信号操作および制御を実行するよう構成されている。
制御部41のメモリーは、揮発性記憶媒体(例えば、RAM、SRAM、DRAM)、不揮発性記憶媒体(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリー)、またはこれらの組み合わせを含む着脱式または非着脱式のコンピューター可読媒体である。
電源ポート42は、バッテリー14や外部電源等の電源から制御ユニット4に電力を入力するために用いられる。電源ポート42は、バッテリー14等の電源から制御ユニット4の電源回路43に電力を入力できれば特に限定されず、例えば、電力供給線を接続するための端子、USB電源ポート、ATAポート等が挙げられる。
電源回路43は、レギュレーターIC(Integrated Circuit)やDCDCコンバーターIC等から構成され、制御部41からの制御に応じて、電源ポート42に接続されたバッテリー14またはその他電源からの電力を、送風機構5、発光部9、温度センサー10、および加熱機構12へ電力を供給する機能を有している。制御部41は、電源回路43を用いて、送風機構5、発光部9、温度センサー10、および加熱機構12のそれぞれへの電力のオン・オフと、送風機構5、発光部9、温度センサー10、および加熱機構12のそれぞれへ供給される電力の電圧のコントロールを実行することができる。
匂い噴出装置1が小型の携帯機器として用いられる場合、電源ポート42および電源回路43を介して、バッテリー14から、加熱機構12に電力が供給される。この場合、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱スピードは、バッテリー14の容量と電源回路43によって決定される。しかしながら、匂い噴出装置1が小型の場合、匂い噴出装置1に搭載されるバッテリー14も小型で低容量となり、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱スピードが遅くなる。そのため、電源ポート42に、USB接続等を介して、外部電源が接続されている場合には、外部電源からの電力が、充電回路やバッテリー14を経由せず、加熱機構12に直接供給されるよう、制御部41が構成されている。このような構成により、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱スピードを増加させることができ、ユーザーの利便性を高めることができる。
図2に戻り、送風機構5は、基板3の下方において、ハウジング2に対して固定的に取り付けられており、カートリッジ6内に気体を供給する機能を有している。送風機構5としては、例えば、モーターポンプ、ピエゾポンプ、扇風機、空気洗浄機、エアコン、ファンヒーター、ノック式ポンプ、口での気体(主として空気)の吸引または吹込により送風する機構、手動式のポンプ等を用いて送風する機構、ガスボンベ等の圧縮された気体(例えば、炭酸ガス、不活性ガス、希ガス等)を噴出することにより送風する機構、および、気流を発生させることによりカートリッジ6内に気体を送風することができるその他任意の機構を挙げることができる。本実施形態では、送風機構5は、送風部51と、送風部51からカートリッジ6へ供給される気体の流入経路として機能する接続部52とを備えている。本実施形態では、送風部51は、制御ユニット4によって駆動(制御)されるモーターと、モーターの駆動によって回転するローター(ファンまたはダイアフラム)と、モーターおよびローターを収納するケースとから構成され、カートリッジ6内に空気を供給する。以下、送風機構5からカートリッジ6内へ供給される気体は、空気であるものとして説明する。
制御ユニット4からの制御に応じて、送風部51のモーターが駆動し、ローターが回転されると、接続部52内に空気が送り出される。接続部52内に送り出された空気は、カートリッジ6内へ流入する。
送風機構5からカートリッジ6内へ供給される空気の供給量は、ローターの回転速度に依存する。そのため、制御ユニット4を用いて、ローターの回転速度を制御することにより、送風機構5からカートリッジ6内へ供給される空気の供給量を調整することができる。具体的には、制御ユニット4は、電源回路43を用いて、電源回路43から送風機構5に供給される電力の電圧をコントロールすることにより、送風機構5からカートリッジ6内へ供給される空気の供給量を調整することができる。送風機構5からカートリッジ6内へ供給される空気の供給量は、少なくとも、カートリッジ6に対し、後述するカートリッジ6の第1の逆止弁61および第2の逆止弁63の開弁圧以上の圧力を加えることができるよう調整されている。
このような条件を満たしたうえで、さらに、送風機構5からカートリッジ6内へ供給される空気の供給量は、0.001L/min〜2.0L/min程度であることが好ましく、0.01L/min〜1.0L/min程度であることがより好ましい。空気の供給量が上記下限値未満であると、カートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量を十分に確保できず、芳香成分の種類によっては、ユーザーが芳香成分の匂いを確認できない場合がある。一方、空気の供給量が上記上限値を超えると、送風部51のローターの回転速度が増加し、送風機構5から発生するノイズや振動が顕著になる場合がある。
送風機構5の接続部52には、カートリッジ6が接続される。図5および図6に示すように、カートリッジ6は、直径10mm×長さ70mm程度の長尺の円筒形状を有しており、その内部に芳香物質100が収納される。カートリッジ6は、空気流入口および空気噴出口を有し、揮発性の芳香成分を含む芳香物質100を収納する収納部62と、収納部62の空気流入口に接続された第1の逆止弁61と、収納部62の空気噴出口に接続された第2の逆止弁63と、を備えている。
収納部62は、長尺の円筒形状を有し、その内部に、揮発性の芳香成分を含む芳香物質100を収納している。収納部62の基端側には、送風機構5から供給される空気が流入する空気流入口が形成されており、収納部62の先端側には、空気と共に芳香成分を噴出させるための空気噴出口が形成されている。収納部62内を空気が通過する際、収納部62内を漂っている芳香物質100の揮発性の芳香成分が空気によって搬送され、空気と共に収納部62の空気噴出口から噴出する。
後述するように、カートリッジ6の収納部62は、加熱機構12によって加熱されるので、カートリッジ6の収納部62は、加熱機構12からの熱が伝導しやすい高い伝導率を有する金属材料で構成されている。金属材料の中でも、熱伝導率が高く、コストが安い銅またはアルミニウムを用いて、カートリッジ6の収納部62が構成されていることが好ましい。
収納部62内に収納される芳香物質100は、揮発性の芳香成分を含んでいれば特に限定されず、コーヒー豆、茶葉、ハーブ、花、香木のような固体状の芳香物質、固体状の芳香物質を粉末状にすることにより得られるスパイスのような紛体状の芳香物質、香水や香油のような液状の芳香物質、人工的に合成した芳香成分を含む芳香物質等を収納部62内に収納することができる。これら芳香成分は、種類に応じて、リラックス効果、目覚まし(覚醒)効果、食欲増進効果、集中力向上効果、鎮痛効果、消臭効果等の様々な効果を有している。
芳香物質100が粉末状物質である場合には、粉末状の芳香物質100をジェル状または固体状の担体に担持させた状態で、芳香物質100を収納部62内に収納することが好ましい。また、芳香物質100が液状物質である場合には、スポンジ、布、繊維束芯のような液体を染み込ませ保持することができる担体に芳香物質100を担持させた状態で、芳香物質100を収納部62内に収納することが好ましい。
特に、芳香物質100が液状物質である場合には、ガラス材により構成された多孔質体に芳香物質100を染み込ませ、該多孔質体を収納部62内に収納することが好ましい。ガラス材は、芳香物質100と反応し、芳香物質100を変質させることがなく、さらに、ガラス材自身も芳香物質100により溶け出したり、変質したりすることがない。そのため、芳香物質100用の担体として、このようなガラス材により構成され、より多くの液状の芳香物質100を担持することができる多孔質体を用いることにより、芳香物質100の変質を防止すると同時に、収納部62内に収納される芳香物質100の量を増大させることができる。このようなガラス材により構成された多孔質体としては、例えば、ジーエルサイエンス株式会社製の香気成分捕集材「MonoTrap(登録商標)」を用いることができる。
第1の逆止弁61および第2の逆止弁63は、収納部62を密閉し、収納部62内への空気の供給および収納部62内から外部への空気の流出を制御する機能を有する。第1の逆止弁61および第2の逆止弁63としては、電磁石と弁体とを組み合わせ、電気のON/OFFで弁の開閉を実行する電磁弁、アンブレラ型の弁体を有し、所定の方向へしか空気を通さないよう構成されたアンブレラ型の逆止弁、鳥のくちばし(ダックビル)型の弁体を有し、所定の方向へしか空気を通さないように構成されたダックビル型の逆止弁、膜(シート)状または球状の弁体とその弁体を挟み込む容器で構成され、所定の方向へしか空気を通さないよう構成されたガス抜き型の逆止弁、スリットを開閉させることにより空気の通過を制御するスリット式バルブ等を用いることができる。
本実施形態では、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63は、それぞれ、ダックビル型の逆止弁である。第1の逆止弁61は、収納部62の気体流入口に接続されており、第1の逆止弁61に対する基端側からの圧力である上流側圧力Pと、第1の逆止弁61に対する先端側からの圧力であるである下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の逆止弁61の開弁圧)以上となったときに、空気を通過させるよう構成されている。
すなわち、第1の逆止弁61は、上流側圧力Pと、収納部62の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の逆止弁61の開弁圧)以上となったときにのみ、収納部62内へ空気を流入させ、それ以外のときは、収納部62内へ空気を流入させない弁として機能する。
また、第1の逆止弁61は、上流側圧力Pが収納部62の内圧である下流側圧力Pよりも、所定の値Th(第1の逆止弁61の開弁圧)以上大きいときにのみ、空気を通過させるので、第1の逆止弁61を介した収納部62内から外部への空気の逆流が防止されている。すなわち、第1の逆止弁61は、収納部62内から外部への空気の逆流を防止する逆止弁としての機能も有している。
図6に示すように、第1の逆止弁61は、ダックビル形状を有する弁体611と、弁体611を支持する円筒状の弁座612と、を備えている。弁座612の基端側の開口は、送風機構5の接続部52に着脱可能に接続され、弁座612の先端側の開口は、収納部62の空気流入口に接続されている。そのため、送風機構5から送られてくる空気は、第1の逆止弁61を介して収納部62内に供給され、さらに、収納部62から送風機構5への空気の逆流が防止されている。
第1の逆止弁61の弁体611は、弾性材料から構成された中空部材であり、フランジ部6111と、フランジ部6111から先端側に延伸し、鳥のくちばし(ダックビル)形状を形成する本体6112と、本体6112の先端の稜線部分に形成されたスリット6113と、を備えている。また、弁体611のフランジ部6111および本体6112は、一体成型されている。
第1の逆止弁61の弁座612は、第1の逆止弁61内を基端側と先端側に区画するための区画壁6121と、区画壁6121の略中央部に形成され、弁体611の本体6112を挿入するための挿入孔6122と、を備えている。
図6に示すように、弁体611のフランジ部6111は、弁座612の基端側の区画壁6121の面上に固定されている。また、弁体611の本体6112は、弁座612の挿入孔6122に挿入され、その稜線部分が弁座612の先端側に位置している。送風機構5から、第1の逆止弁61に対して空気が供給されておらず、弁体611の本体6112の稜線部分に対する基端側からの上流側圧力Pと、弁体611の本体6112の稜線部分に対する先端側からの下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の逆止弁61の開弁圧)未満の場合において、弁体611の本体6112の稜線部分に形成されているスリット6113は、自己の弾性により閉じられている。そのため、第1の逆止弁61を介した収納部62内への空気の流入が防止されている。
送風機構5が駆動され、送風機構5から第1の逆止弁61に対して空気が供給されると、弁体611の本体6112の稜線部分に対する基端側からの上流側圧力Pが増加する。その結果、上流側圧力Pと、収納部62の内圧である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の逆止弁61の開弁圧)以上になると、スリット6113が開き、空気が収納部62内に流入する。
その後、上流側圧力Pと、下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第1の逆止弁61の開弁圧)未満になると、スリット6113が再び閉じ、第1の逆止弁61を介した収納部62内への空気の流入が終了する。
第2の逆止弁63は、収納部62の気体噴出口に接続されており、第2の逆止弁63に対する基端側からの圧力である上流側圧力Pと、第2の逆止弁63に対する先端側からの圧力である下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の逆止弁63の開弁圧)以上となったときに、空気を通過させるよう構成されている。
すなわち、第2の逆止弁63は、収納部62の内圧である上流側圧力Pと、下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の逆止弁63の開弁圧)以上となったときにのみ、収納部62内から外部へ空気を流出させ、それ以外のときは、収納部62内から外部へ空気を流出させない弁として機能する。
また、第2の逆止弁63は、収納部62の内圧である上流側圧力Pが下流側圧力Pよりも、所定の値Th(第2の逆止弁63の開弁圧)以上大きいときにのみ、空気を通過させるので、第2の逆止弁63を介した外部から収納部62内への空気の逆流が防止されている。すなわち、第2の逆止弁63は、外部から収納部62内への空気の逆流を防止する逆止弁としての機能も有している。
図6に示すように、第2の逆止弁63は、ダックビル形状を有する弁体631と、弁体631を支持する円筒状の弁座632と、を備えている。弁座632の基端側の開口は、収納部62の空気流出口に着脱可能に接続され、弁座632の先端側の開口は、ハウジング2の外部に露出している(図1参照)。そのため、収納部62内を通過した空気は、収納部62内に漂っている芳香成分と共に、第2の逆止弁63を介してカートリッジ6外へ噴出する。
第2の逆止弁63の弁体631は、弾性材料から構成された中空部材であり、フランジ部6311と、フランジ部6311から先端側に延伸し、鳥のくちばし(ダックビル)形状を形成する本体6312と、本体6312の先端の稜線部分に形成されたスリット6313と、を備えている。また、弁体631のフランジ部6311および本体6312は、一体成型されている。
第2の逆止弁63の弁座632は、第2の逆止弁63内を基端側と先端側に区画するための区画壁6321と、区画壁6321の略中央部に形成され、弁体631の本体6312を挿入するための挿入孔6322と、を備えている。
弁体631のフランジ部6311は、弁座632の基端側の区画壁6321の面上に固定されている。また、弁体631の本体6312は、弁座632の挿入孔6322に挿入され、その稜線部分が弁座632の先端側に位置している。収納部62内に空気が供給されておらず、弁体631の本体6312の稜線部分に対する基端側からの上流側圧力Pと、弁体631の本体6312の稜線部分に対する先端側からの下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の逆止弁63の開弁圧)未満の場合において、弁体631の本体6312の稜線部分に形成されているスリット6313は、自己の弾性により閉じられている。そのため、第2の逆止弁63を介した収納部62内への空気の逆流が防止されている。
送風機構5から第1の逆止弁61を介して収納部62内に空気が供給されると、収納部62の内圧が増加し、第2の逆止弁63の本体6312の稜線部分に対する基端側からの上流側圧力Pが増加する。その結果、上流側圧力Pと、第2の逆止弁63の本体6312の稜線部分に対する下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の逆止弁63の開弁圧)以上になると、スリット6313が開く。この際、収納部62内に漂っていた芳香物質100の芳香成分と共に、空気が、第2の逆止弁63を介してカートリッジ6の外部に噴出する。なお、この際、カートリッジ6の外部に噴出される空気および芳香物質100の芳香成分の量は、送風機構5からカートリッジ6内に供給される空気の量を調整することにより、変更することができる。
その後、送風機構5の駆動が停止され、第1の逆止弁61を介した送風機構5から収納部62への空気の流入が停止すると、収納部62の内圧が低下する。その結果、収納部62の内圧である上流側圧力Pと、下流側圧力Pとの差圧(P−P)が所定の値Th(第2の逆止弁63の開弁圧)未満になると、スリット6313が再び閉じ、カートリッジ6から外部への空気および芳香物質100の芳香成分の噴出が停止する。
このような構成によって、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63は、送風機構5からカートリッジ6内に供給される空気の流れを一定方向に保ち、空気の逆流を防止する機能を有する。
なお、第1の逆止弁61の弁体611および第2の逆止弁63の弁体631を構成する弾性材料は、樹脂材料またはゴム等の高い弾性を有する材料であることが好ましく、高い弾性を有し、優れた耐ガス性および耐溶液性を有するフッ素系樹脂であることがさらに好ましい。また、第1の逆止弁61の弁座612および第2の逆止弁63の弁座632は、収納部62と同じ金属材料で構成されていてもよいし、硬質かつ耐熱性の樹脂材料で構成されていてもよい。
また、第1の逆止弁61の弁体611および第2の逆止弁63の弁体631は、弾性材料から構成されているので、第1の逆止弁61の弁体611の弁座612に対する取り付けおよび取り外し、並びに、第2の逆止弁63の弁体631の弁座632に対する取り付けおよび取り外しを容易に実行することができる。そのため、第1の逆止弁61は、弁体611を弁座612から取り外すことにより、容易に分解することができる。同様に、第2の逆止弁63は、弁体631を弁座632から取り外すことにより、容易に分解することができる。
カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100を別の種類の芳香物質100に変更する際には、異なる種類の芳香物質100の混合を防ぐため、収納部62、第1の逆止弁61、および第2の逆止弁63に付着している芳香物質100を洗浄等により除去する必要がある。前述のように、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63は、収納部62に着脱可能に接続されているため、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63を収納部62から取り外すことにより、洗浄等により、収納部62内部に付着している芳香物質100を容易に除去することができる。
また、上述のように、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63は、分解することができる。そのため、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63を分解することにより、洗浄等により、第1の逆止弁61の弁座612および第2の逆止弁63の弁座632に付着している芳香物質100を容易に除去することができる。
一方、図示のような弾性材料製のダックビル型またはアンブレラ型の弁体611、631は、安価に製造することができる。そのため、カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100を別の種類の芳香物質100に交換する際には、第1の逆止弁61の弁体611および第2の逆止弁63の弁体631を、新しい弁体に低コストで交換することができる。そのため、本発明の匂い噴出装置のカートリッジ6では、カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100を異なる種類に変え、噴出させる芳香成分を気軽に変更することができる。
また、図示の例では、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63は、同一の構成を有しており、第1の逆止弁61の開弁圧Thと第2の逆止弁63の開弁圧Thは、同一であるが、本発明はこれに限られない。例えば、第1の逆止弁61の開弁圧Thと第2の逆止弁63の開弁圧Thは、互いに異なっていてもよい。
また、カートリッジ6には、カートリッジ6を特定するために読み取られるRFID(Radio Frequency Identifier)タグ等の認識タグ15(図4参照)が取り付けられている。制御ユニット4は、カートリッジ6の認識タグ15を読み込むことにより、カートリッジ6を特定することができる。
図2に戻り、無線通信ユニット7は、基板3の上面の基端側に搭載されており、匂い噴出装置1と、スマートフォン、携帯電話、タブレットのようなユーザー端末や外部サーバー等の外部機器との間の無線通信を実行する機能を有している。無線通信ユニット7は、匂い噴出装置1と、外部機器との間の無線通信を実行することができれば特に限定されないが、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)無線通信技術を用いた無線通信ユニットを無線通信ユニット7として用いることができる。制御ユニット4の制御部41は、無線通信ユニット7を用いた無線通信によって、外部機器とのデータや信号の授受を実行する。
また、基板3の上面の基端側には、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱のオン・オフと、カートリッジ6の温度設定を実行するためのスライダー式の加熱スイッチ8aが搭載されている。匂い噴出装置1のユーザーは、ハウジング2のスリット22を介して外部に露出している加熱スイッチ8a(図1参照)をスライドすることにより、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱のオン・オフを実行することができる。さらに、匂い噴出装置1のユーザーは、加熱スイッチ8aのスライド量を調整することにより、カートリッジ6の温度を設定することができる。また、加熱スイッチ8aは、ハウジング2のスリット22を介してハウジング2外へ露出し、スライド操作される部分の高さが、ハウジング2の表面高さと等しくなるよう構成されている。これにより、指の引っ掛かり等により、加熱スイッチ8aのスライド操作が意図せず実行され、カートリッジ6の加熱が意図せず実行されることを防止することができる。
加熱スイッチ8aのスライド状態と、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱のオン・オフおよびカートリッジ6の設定温度との対応付けの方法は特に限定されない。例えば、加熱スイッチ8aが、自身のスライド可能範囲内において最も左側に位置している状態が、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱が実行されていないオフ状態に対応し、加熱スイッチ8aがオフ状態から右側にスライドされた状態が、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱が実行されているオン状態に対応するよう、加熱スイッチ8aを構成してもよい。この場合、オフ状態から右側への加熱スイッチ8aのスライド量が、カートリッジ6の設定温度に対応し、オフ状態から右側への加熱スイッチ8aのスライド量を調整することにより、カートリッジ6の設定温度を調整することができる。
加熱スイッチ8aのスライド量によって決定されるカートリッジ6の設定温度の範囲は特に限定されないが、例えば、30〜80℃の範囲である。本発明の匂い噴出装置1では、このように広い範囲でカートリッジ6の温度を設定可能であるため、様々な用途で本発明の匂い噴出装置1を利用することができる。例えば、人肌の表面温度(約30〜37℃)にカートリッジ6の温度を設定することにより、匂い噴出装置1から、人肌の表面温度の芳香成分を噴出させることができる。これにより、化粧品や香水の商品開発や販売促進に、本発明の匂い噴出装置1を利用することができる。また、料理の加熱温度(例えば、50〜80℃)にカートリッジ6の温度を設定することにより、匂い噴出装置1から、料理の加熱温度の芳香成分を噴出させることができる。これにより、食品に用いられるスパイスの商品開発や販売促進に、本発明の匂い噴出装置1を利用することができる。
また、常温では揮発しづらい芳香成分を含む芳香物質100がカートリッジ6の収納部62内に収納されている場合であっても、カートリッジ6の温度を高く設定することにより、ユーザーは、匂い噴出装置1から噴出される芳香物質100の芳香成分の匂いを強く感じることができる。また、匂い噴出装置1が寒冷地で使用される場合であっても、カートリッジ6を加熱することにより、ユーザーは、匂い噴出装置1から噴出される芳香物質100の芳香成分の匂いを強く感じることができる。
加熱スイッチ8aに対するユーザーの操作は、制御ユニット4の制御部41に送信され、制御部41は、加熱スイッチ8aに対するユーザーの操作に応じて、加熱機構12を制御する。加熱スイッチ8aが、ユーザーによって、オフ状態からスライドされると、制御部41は、電源回路43を用いて、加熱機構12に電力を供給し、加熱機構12を駆動する。また、制御部41は、加熱スイッチ8aのスライド量に基づいて、カートリッジ6の設定温度を判断することができる。
さらに、基板3の上面であって、無線通信ユニット7よりも先端側には、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の流量を調整するための流量調整スイッチ8bが搭載されている。流量調整スイッチ8bは、芳香成分の流量を増加させるためのスイッチと、芳香成分の流量を減少させるためのスイッチから構成されている。匂い噴出装置1のユーザーは、ハウジング2の2つの矩形開口23のそれぞれを介して外部に突出している流量調整スイッチ8bの芳香成分の流量増加用のスイッチまたは芳香成分の流量減少用のスイッチを押下することにより、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の流量を調整することができる。
流量調整スイッチ8bに対するユーザーの操作は、制御ユニット4の制御部41に送信され、制御部41は、流量調整スイッチ8bに対するユーザーの操作に応じて、電源回路43から送風機構5に供給される電力の電圧を変更する。その結果、送風機構5の駆動時における、送風機構5の送風部51のローターの回転速度が変更され、送風機構5からカートリッジ6内へ供給される空気の供給量が変更される。そのため、制御部41は、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の流量を調整することができる。
さらに、基板3の上面であって、流量調整スイッチ8bよりも先端側には、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出をオン・オフするための噴出ボタン8cが搭載されている。匂い噴出装置1のユーザーは、ハウジング2の円形開口24を介して外部に突出している噴出ボタン8cを押下することにより、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出のオン・オフを実行することができる。
噴出ボタン8cに対するユーザーの操作は、制御ユニット4の制御部41に送信される。匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出が実行されていないとき(オフ状態時)に噴出ボタン8cが押下されると、制御部41は、電源回路43を用いて、送風機構5に電力を供給し、送風機構5を駆動する。この際、制御部41は、匂い噴出装置1から外部へ噴出される芳香成分の流量が、流量調整スイッチ8bに対する操作によって決定される流量となるような電圧で、電源回路43を介して、送風機構5に電力を供給する。上述のように、送風機構5が駆動され、送風機構5からカートリッジ6内に空気が供給されると、収納部62内に漂っていた芳香物質100の芳香成分と共に、空気がカートリッジ6の外部に噴出する。そのため、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出を実行することができる。
一方、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出が実行されているとき(オン状態時)に噴出ボタン8cが押下されると、制御部41は、電源回路43を介した送風機構5への電力の供給を停止し、送風機構5の駆動を終了する。送風機構5の駆動が停止されると、匂い噴出装置1から外部への芳香成分の噴出が終了する。
さらに、基板3の上面には、発光によりカートリッジ6が加熱されていることを表示するための発光部9が、噴出ボタン8cを取り囲むようにして搭載されている。制御ユニット4は、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱が実行されている間、電源回路43を介して、発光部9に電力を供給し、駆動する。発光部9の上端部は、ハウジング2の破線状のリング開口25に対応した形状を有しており、匂い噴出装置1のユーザーは、ハウジング2の破線状のリング開口25を介して外部に露出している発光部9を目視することにより、加熱機構12によるカートリッジ6の加熱が実行されているか否かを一目で把握することができる。発光部9は、特に限定されないが、例えば、LEDを発光部9として用いることができる。
図3に示されている温度センサー10は、カートリッジ6の温度を検出する機能を有している。より具体的には、匂い噴出装置1が組み立てられた状態において、温度センサー10は、カートリッジ6の収納部62の外周部の中腹部に接触するよう設けられており、カートリッジ6の収納部62の外側温度を検出する。温度センサー10は、制御ユニット4に有線接続されており、検出したカートリッジ6の収納部62の外側温度を制御ユニット4の制御部41に送信する。制御部41は、加熱スイッチ8aに対するスライド操作により、カートリッジ6に対する加熱がオンされたタイミングで、電源回路43を介して温度センサー10に電力を供給し、温度センサー10を駆動することにより、カートリッジ6の収納部62の外側温度を検出する。
制御ユニット4の制御部41のメモリー内には、事前に取得されたカートリッジ6の収納部62の外側温度から、カートリッジ6の収納部62の内部温度を算出するための情報(数式やルックアップテーブル等)が保存されている。制御ユニット4の制御部41は、メモリー内に保存されているそのような情報を参照することにより、温度センサー10が検出したカートリッジ6の収納部62の外側温度から、カートリッジ6の収納部62の内部温度を算出することができる。
制御ユニット4の制御部41は、加熱スイッチ8aのスライド量によって決定されたカートリッジ6の設定温度と、算出したカートリッジ6(収納部62)の内部温度とに基づいて、加熱機構12を制御することにより、カートリッジ6(収納部62)の内部温度を設定された温度とすることができる。
図7には、制御部41によって実行される加熱機構12の制御方法S100のフローチャートが示されている。加熱機構12によるカートリッジ6の加熱が実行されていない状態(オフ状態)において、ユーザーによって加熱スイッチ8aがスライド操作されると(工程S101)、制御ユニット4の制御部41によって、加熱機構12の制御方法S100が実行される。工程S102において、制御部41は、電源回路43を介して温度センサー10に電力を供給し、温度センサー10を駆動する。温度センサー10が駆動されると、温度センサー10によってカートリッジ6の収納部62の外側温度が検出され、制御部41に送信される。
制御部41は、温度センサー10から受信したカートリッジ6の収納部62の外側温度と、メモリー内に保存されている情報とに基づいて、カートリッジ6(収納部62)の内部温度を算出する。その後、制御ユニット4の制御部41は、算出したカートリッジ6(収納部62)の内部温度と、加熱スイッチ8aのオフ状態からのスライド量によって決定されるカートリッジ6の設定温度とを比較する。
工程S102において、算出したカートリッジ6(収納部62)の内部温度がカートリッジ6の設定温度未満であると判断された場合には、制御方法S100は、工程S103に移行する。工程S103において、制御部41によって、電源回路43を介して、加熱機構12に電力が供給され、加熱機構12が駆動される。加熱機構12が駆動されると、カートリッジ6の収納部が加熱される。
一方、工程S102において、算出したカートリッジ6(収納部62)の内部温度がカートリッジ6の設定温度以上であると判断された場合には、制御方法S100は、工程S104に移行する。工程S104において、制御部41によって、電源回路43を介した加熱機構12への電力供給が停止され、加熱機構12の駆動が停止される。
工程S103または工程S104の実行後、所定の時間間隔(例えば、30秒に一回、1分に1回等)で、制御方法S100は、工程S102を再度実行する。このような制御方法S100は、加熱スイッチ8aに対するスライド操作によって、カートリッジ6に対する加熱がオフされるまで、繰り返して実行される。
制御部41は、このような制御方法S100を実行することにより、カートリッジ6(収納部62)の内部温度を、加熱スイッチ8aのスライド量によって決定されたカートリッジ6の設定温度に維持することができる。
図2に戻り、上側断熱材層11aおよび下側断熱材層11bは、カートリッジ6の収納部62を覆うよう設けられ、カートリッジ6を保温するとともに、加熱機構12から発せられる熱によって、匂い噴出装置1の各種電子部品が悪影響を受けることを防止する機能を有している。上側断熱材層11aおよび下側断熱材層11bは、グラスウール等の断熱材料により構成されたシート状部材であり、上側断熱材層11aは、カートリッジ6の収納部62の上側部分に対応した形状を有し、下側断熱材層11bは、カートリッジ6の収納部62の下側部分に対応した形状を有している。
上側断熱材層11aは、カートリッジ6の収納部62の上側部分を覆うようにカートリッジ6上に載置される。図3に示すように、匂い噴出装置1が組み立てられた状態において、上側断熱材層11aの外面は、ハウジング2の第1の凹部26と接触し、上側断熱材層11aの内面は、絶縁層13を介して、カートリッジ6の収納部62の上側部分と接触する。また、上側断熱材層11aには、温度センサー10をカートリッジ6の収納部62の外周部に接触させるための開口111が形成されている。
下側断熱材層11bは、カートリッジ6の収納部62の下側部分を覆うように設けられる。上側断熱材層11aおよび下側断熱材層11bによってカートリッジ6の収納部62の外周部全体が覆われるので、カートリッジ6を保温することができる。
また、図3に示すように、上側断熱材層11aの内面には、加熱機構12が設けられている。加熱機構12は、制御ユニット4の電源回路43から電力を供給されたときに発熱し、カートリッジ6を加熱可能な電熱線(ニクロム線)やペルチェ素子から構成することができる。本実施形態では、加熱機構12は、上側断熱材層11aの内面に固定された電熱線である。電熱線の両端部は、制御ユニット4に接続されており、制御ユニット4の電源回路43から電力を供給されたときに発熱し、カートリッジ6の収納部62を加熱する。
なお、図示の形態では、電熱線は、電熱線と、カートリッジ6の収納部62との接触面積を増大させるために、カートリッジ6の収納部62の上側部分を覆うジグザグパターンを形成している。これにより、カートリッジ6の収納部62全体を同時に加熱することができる。上述のように、送風機構5が駆動すると、カートリッジ6の収納部62内を空気が通過するので、カートリッジ6の収納部62の内部温度は低下しやすい。そのため、カートリッジ6の収納部62の一部分だけを加熱した場合、カートリッジ6の収納部62の内部温度が低下しやすいという問題がある。本発明の匂い噴出装置1では、電熱線は、カートリッジ6の収納部62の上側部分を覆うジグザグパターンを形成しているため、カートリッジ6の収納部62全体を同時に加熱することができる。そのため、カートリッジ6の収納部62の内部温度の低下を抑制することができる。
なお、電熱線のパターンは、カートリッジ6の収納部62の少なくとも一部分を覆い、カートリッジ6の収納部62全体を同時に温めることができれば、特に限定されない。例えば、電熱線は、電熱線をカートリッジ6の収納部62の外周部の周辺に巻き付けることにより形成され、カートリッジ6の収納部62の外周部の全てを覆うパターン(コイルパターン)を有していてもよい。
また、上述のようにカートリッジ6の収納部62は金属材料で構成されているので、カートリッジ6と電熱線の短絡(ショート)を防止するための絶縁層13が、カートリッジ6の収納部62と、電熱線との間に設けられている。絶縁層13は、耐熱性があり、熱伝導率の高い絶縁材料から構成されており、電熱線から発せられた熱は、絶縁層13を介して、カートリッジ6の収納部62に伝達される。また、絶縁層13の上側断熱材層11aの開口111に対応する位置には、温度センサー10をカートリッジ6の収納部62の外周部に接触させるための開口131が形成されている。匂い噴出装置1が組み立てられた状態において、温度センサー10は、上側断熱材層11aの開口111および絶縁層13の開口131を介して、カートリッジ6の収納部62の外周部に接触する。これにより、温度センサー10によって、カートリッジ6の収納部62の外側温度を検出することができる。
図2に戻り、バッテリー14は、ハウジング2内の先端側に固定的に配置されており、制御ユニット4の電源ポート42に接続され、制御ユニット4に電力を供給する。バッテリー14は、リチウムイオン二次電池のような再充電が可能なバッテリーであってもよいし、乾電池のような使い捨てのバッテリーであってもよい。
なお、上述の説明では、匂い噴出装置1のユーザーは、加熱スイッチ8a、流量調整スイッチ8b、および噴出ボタン8cを手動で操作することにより、上述の匂い噴出装置1の各操作を実行するが、本発明はこれに限られない。例えば、制御ユニット4の制御部41は、上述の匂い噴出装置1の各操作を、制御部41のメモリー内に保存されているデータ、プログラム、モジュール等、または1つ以上のセンサー16から受信した信号を用いて自動的に実行してもよい。
例えば、制御部41は、タイマー機能を有しており、タイマー機能を利用して、所定の時間間隔毎に送風機構5を駆動し、匂い噴出装置1の外部に芳香成分を噴出させてもよい。また、制御部41は、カートリッジ6の認識タグ15を識別するための認識タグ識別機能を有しており、認識タグ識別機能を用いて、カートリッジ6の認識タグ15を識別することにより、カートリッジ6を特定し、さらに、カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100の種類に応じて、匂い噴出装置1からの芳香成分の流量を調整してもよい。
例えば、収納部62内に収納されている芳香物質100が比較的強い匂いの芳香成分を含んでいる場合、制御部41は、送風機構5へ供給される電力の電圧を低下させ、カートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量を減らす。逆に、収納部62内に収納されている芳香物質100が比較的弱い匂いの芳香成分を含んでいる場合、制御部41は、送風機構5へ供給される電力の電圧を上昇させ、カートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量を増やす。
さらに、制御部41は、送風機構5のローターの回転数をカウントするカウント機能を有しており、カウント機能を用いて、上述の匂い噴出装置1の各操作を実行してもよい。例えば、制御部41は、認識タグ識別機能を利用して、カートリッジ6が取り換えられたことを検知し、さらに、カウント機能を利用してカートリッジ6が取り換えられたときからの送風機構5のローターの回転数をカウントし、送風機構5のローターの回転数に基づいて収納部62内の芳香成分の残量を判別してもよい。判別された収納部62内の芳香成分の残量は、カートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量を一定に保つために利用することができる。
具体的には、収納部62内の芳香成分の残量が多い場合には、収納部62内を漂う芳香成分の密度が高い。そのため、制御部41は、送風機構5へ供給される電力の電圧を低下させ、送風機構5からカートリッジ6の収納部62内への空気の供給量を減らす。一方、収納部62内の芳香成分の残量が少ない場合には、収納部62内を漂う芳香成分の密度が低い。そのため、制御部41は、送風機構5へ供給される電力の電圧を上昇させ、送風機構5からカートリッジ6の収納部62内への空気の供給量を増やす。このような制御により、収納部62内の芳香成分の残量に関わらず、カートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量を一定にすることができる。
また、制御部41は、収納部62内の芳香成分の残量が所定の量以下になったと判別した場合、無線通信ユニット7用いて、ユーザー端末や外部サーバー等の外部機器に、カートリッジ6の取り換え時期が近付いてきていることを通知してもよい。また、制御部41は、所定の時間間隔で、無線通信ユニット7用いて、ユーザー端末や外部サーバー等の外部機器に、収納部62内の芳香成分の残量を送信してもよい。これにより、匂い噴出装置1のユーザーまたは管理者は、カートリッジ6の取り換え時期や収納部62内の芳香成分の残量を正確に把握することができる。
また、制御部41は、所定の期間(例えば、数時間、1日、1週間、1ヶ月)における収納部62から外部への芳香成分の流量、バッテリー14の電力残量、送風機構5の駆動時間(すなわち、収納部62内の芳香成分の噴出時間)、収納部62内の芳香成分の種類等の匂い噴出装置1に関する各種情報を、無線通信ユニット7を用いて、ユーザー端末や外部サーバーに送信してもよい。これにより、匂い噴出装置1のユーザーまたは管理者は、ユーザー端末や外部サーバー内に蓄積された匂い噴出装置1に関する各種情報に基づいて、匂い噴出装置1の状態を知ることができる。また、匂い噴出装置1のユーザーまたは管理者は、ユーザー端末や外部サーバー内に蓄積された匂い噴出装置1に関する各種情報を分析することにより、匂い噴出装置1の使用やマーケティングに有用な情報を取得することができる。例えば、匂い噴出装置1のユーザーまたは管理者は、ユーザー端末や外部サーバー内に蓄積された匂い噴出装置1に関する各種情報を分析することにより、どの程度の頻度でカートリッジ6の取り換えが発生するか、どの種類の芳香成分が最も良く消費されるか等の情報を取得することができる。
また、制御部41は、1つ以上のセンサー16から受信した信号に基づいて、送風機構5への電力の供給のオン・オフおよびカートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量の変更を実行してもよい。
例えば、センサー16が人感センサーである場合、センサー16を用いることにより、所定の場所に人が存在することを検出することができる。センサー16が所定の場所に人が存在することを検出し、制御部41に信号を送信すると、制御部41は、匂い噴出装置1を駆動させる。これにより、確実に人が存在するときに、自動で匂い噴出装置1を駆動させることや、人が存在するときに、カートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量を自動で増やす(または減らす)といった制御が可能となる。
また、例えば、センサー16が光センサーである場合、センサー16を用いることにより、匂い噴出装置1が取り付けられた場所(例えば、寝室、玄関等)の明るさを検出することができる。制御部41は、センサー16から受信した信号に基づいて、匂い噴出装置1の駆動の自動的なオン・オフおよび/またはカートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量の自動的な制御を実行する。匂い噴出装置1が寝室に取り付けられている場合、制御部41は、寝室の明るさの急激な低下を示す信号をセンサー16から受信すると、寝室の灯りが消されたものと判断し、リラックス効果または安眠効果のある芳香成分を噴出させるよう構成されていてもよい。また、制御部41は、寝室の明るさが徐々に増加しており、かつ、ある所定の閾値を越えたことを示す信号をセンサー16から受信すると、夜が明けたものと判断し、覚醒効果のある芳香成分を噴出させるよう構成されていてもよい。また、制御部41は、寝室の明るさの増加に応じて、覚醒効果のある芳香成分の流量を徐々に増加させるよう構成されていてもよい。
このように、制御部41が、1つ以上のセンサー16から受信した信号に基づいて、送風機構5への電力の供給のオン・オフおよびカートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量の変更を実行することにより、様々な状況に応じた匂い噴出装置1の駆動の自動的なオン・オフおよびカートリッジ6外へ噴出される芳香成分の流量の自動的な制御が可能となる。
以上説明したように、本発明の匂い噴出装置1は、カートリッジ6の収納部62を加熱するための加熱機構12を有している。そのため、加熱機構12を用いて、芳香物質100が収納されているカートリッジ6を加熱することにより、所望の温度の芳香成分を匂い噴出装置1から噴出させることができる。これにより、所望の温度の芳香物質100の匂いを噴出できるため、常温での匂いが弱い芳香物質100(例えば、お茶、茶葉、香草)の匂いを、より強く空気中に噴出させることができる。また、芳香物質100が収納されているカートリッジ6を加熱することができるため、冬場や寒冷地等での低温環境下において本発明の匂い噴出装置1を用いた場合であっても、ユーザーは、芳香物質100の匂いを強く感じることができる。
さらに、本発明の匂い噴出装置1によれば、商品(例えば、化粧品、香水、スパイス、アロマオイル)の使用環境における温度での芳香物質100の匂いを確認することができるため、本発明の匂い噴出装置1を、商品開発や販売促進のための匂いテスターとして有効に活用することができる。
さらに、本発明の匂い噴出装置1のカートリッジ6では、芳香物質100を収納する収納部62の空気流入口および空気噴出口のそれぞれに、弾性材料(例えば、樹脂材料やゴム)製のダックビル型またはアンブレラ型の弁体611および該弁体611を支持する弁座612を有する第1の逆止弁61および弾性材料製のダックビル型またはアンブレラ型の弁体631および該弁体631を支持する弁座632を有する第2の逆止弁63が着脱可能に接続されている。第1の逆止弁61および第2の逆止弁63を収納部62から取り外すことにより、収納部62内を容易に洗浄することができる。そのため、カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100を別の種類の芳香物質100に変更する際には、洗浄により、収納部62内部に付着している芳香物質100を容易に除去することができる。
また、第1の逆止弁61は、弾性材料製の弁体611を弁座612から取り外すことにより、容易に分解することができ、弁体611が取り外された弁座612は容易に洗浄することができる。同様に、第2の逆止弁63は、弾性材料製の弁体631を弁座632から取り外すことにより、容易に分解することができ、弁体631が取り外された弁座632は容易に洗浄することができる。そのため、カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100を別の種類の芳香物質100に変更する際には、洗浄により、弁座612、632に付着している芳香物質を容易に除去することができる。
また、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63の弾性材料製のダックビル型またはアンブレラ型の弁体611、631は、安価に製造することができる。そのため、カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100を別の種類の芳香物質100に交換する際には、第1の逆止弁61および第2の逆止弁63のダックビル型またはアンブレラ型の弁体611、631を、新しい弁体に低コストで交換することができる。そのため、本発明の匂い噴出装置1によれば、カートリッジ6の収納部62内に収納されている芳香物質100を異なる種類の芳香物質100に変え、噴出させる芳香成分を気軽に変更することができる。
以上、本発明の匂い噴出装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
本発明の属する分野および技術における当業者であれば、本発明の原理、考え方、および範囲から有意に逸脱することなく、記述された本発明の匂い噴出装置の構成の変更を実行可能であろうし、変更された構成を有する匂い噴出装置もまた、本発明の範囲内である。
また、図1〜4に示された匂い噴出装置のコンポーネントの数や種類は、説明のための例示にすぎず、本発明は必ずしもこれに限られない。本発明の原理および意図から逸脱しない範囲において、任意のコンポーネントが追加若しくは組み合わされ、または任意のコンポーネントが削除された態様も、本発明の範囲内である。
また、図7に示された制御方法S100の工程の数や種類は、説明のための例示にすぎず、本発明は必ずしもこれに限られない。本発明の原理および意図から逸脱しない範囲において、任意の工程が、任意の目的で追加若しくは組み合わされ、または、任意の工程が削除される態様も、本発明の範囲内である。
1…匂い噴出装置 2…ハウジング 21…キャップ 22…スリット 23…矩形開口 24…円形開口 25…リング開口 26…第1の凹部 27…第2の凹部 3…基板 4…制御ユニット 41…制御部 42…電源ポート 43…電源回路 5…送風機構 51…送風部 52…接続部 6…カートリッジ 61…第1の逆止弁 611…弁体 6111…フランジ部 6112…本体 6113…スリット 612…弁座 6121…区画壁 6122…挿入孔 62…収納部 63…第2の逆止弁 631…弁体 6311…フランジ部 6312…本体 6313…スリット 632…弁座 6321…区画壁 6322…挿入孔 7…無線通信ユニット 8a…加熱スイッチ 8b…流量調整スイッチ 8c…噴出ボタン 9…発光部 10…温度センサー 11a…上側断熱材層 11b…下側断熱材層 111…開口 12…加熱機構 13…絶縁層 131…開口 14…バッテリー 15…認識タグ 16…センサー 100…芳香物質 S100…制御方法 S101、S102、S103、S104…工程

Claims (8)

  1. 気体を流入させるための気体流入口と、前記気体を噴出させるための気体噴出口とを有し、揮発性の芳香成分を含む芳香物質を収納する収納部と、前記収納部の前記気体流入口に接続された第1の逆止弁と、前記収納部の前記気体噴出口に接続された第2の逆止弁とを備えるカートリッジと、
    前記カートリッジを加熱するための加熱機構と、
    前記カートリッジの前記第1の逆止弁を介して前記収納部に接続され、前記カートリッジの前記収納部内に前記気体を供給する送風機構と、を含むことを特徴とする匂い噴出装置。
  2. 前記加熱機構は、前記カートリッジを加熱する電熱線またはペルチェ素子から構成されている請求項1に記載の匂い噴出装置。
  3. 前記収納部は、長尺の円筒形状を有しており、
    前記電熱線は、前記カートリッジの前記収納部の外周部の少なくとも一部分を覆うパターンを形成している請求項2に記載の匂い噴出装置。
  4. 前記カートリッジの温度を検出するための温度センサーをさらに含み、
    前記匂い噴出装置は、前記温度センサーによって検出される前記カートリッジの前記温度に応じて、前記加熱機構の制御を実行する請求項1ないし3のいずれかに記載の匂い噴出装置。
  5. 前記加熱機構による前記カートリッジの加熱のオン・オフと、前記カートリッジの温度設定を実行するためのスライダー式のスイッチをさらに含む請求項4に記載の匂い噴出装置。
  6. 前記カートリッジの前記収納部は、金属材料で構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の匂い噴出装置。
  7. 前記カートリッジの前記収納部は、断熱材層により覆われている請求項1ないし6のいずれかに記載の匂い噴出装置。
  8. 前記加熱機構によって前記カートリッジが加熱されているときに発光する発光部をさらに含む請求項1ないし7のいずれかに記載の匂い噴出装置。
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