JP2002523023A - β−アミラーゼをコードする核酸分子、改質デンプンを合成する植物、その産生方法およびその用途 - Google Patents

β−アミラーゼをコードする核酸分子、改質デンプンを合成する植物、その産生方法およびその用途

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JP2002523023A JP2000563808A JP2000563808A JP2002523023A JP 2002523023 A JP2002523023 A JP 2002523023A JP 2000563808 A JP2000563808 A JP 2000563808A JP 2000563808 A JP2000563808 A JP 2000563808A JP 2002523023 A JP2002523023 A JP 2002523023A
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クラウス・フローベルク
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アベンティス・クロップサイエンス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ジャガイモ由来のβ−アミラーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸分子並びに改質デンプンを合成するトランスジェニック植物細胞および植物に関する。本発明はまた、本発明の核酸分子を含むベクターおよび宿主細胞、本発明の方法を使用して作成される植物細胞および植物、並びに本発明の植物細胞および植物により合成されるデンプンに関する。本発明はまた、前記デンプンの生産方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ジャガイモのβ−アミラーゼ活性を有するタンパク質をコードする
核酸分子並びに改質デンプンを合成するトランスジェニック植物細胞および植物
を作成する方法に関する。さらに本発明は、本発明の核酸分子を含むベクターお
よび宿主細胞、本発明の方法からもたらされる植物細胞および植物、本発明の植
物細胞および植物により合成されるデンプン、並びにこのデンプンの生産方法に
関する。 再生可能な原料として植物構成要素に付随する重要性の増加を考慮して、生物
学的研究は、植物ベースの原料を加工産業の必要性に適合させることを試みてい
る。故に、できるだけ多くの分野の用途において使用される再生可能な原料を可
能にするためには、物質の多重性を提供することが必要である。
【0002】 また、油脂、脂肪およびタンパク質、多糖類は植物由来の重要な再生可能な原
料を構成する。加えて高等植物において最も重要な貯蔵物質の1つであるセルロ
ース、デンプンは、多糖類の中で中心的位置を占める。また、トウモロコシ、米
および小麦、ジャガイモは特にデンプンの生産において重要な役割を果たしてい
る。 多糖類のデンプンは、化学的に均一な単位であるグルコース分子のポリマーで
ある。しかし、これはその重合度およびグルコース鎖の分枝の発生について異な
る、分子の異なる形態の高度な複合混合物でもある。従って、デンプンは均一な
原料を構成するものではない。特に、α−1,4−グルコシド結合したグルコー
ス分子の本質的に未分枝のポリマーであるアミロースデンプンと、これに対し異
った分枝のグルコース鎖の複合混合物から構成されるアミロペクチンデンプンと
は区別されている。分枝は、付加的なα−1,6−グルコシド結合の発生により
生じる。例えばトウモロコシまたはジャガイモなどのデンプン生産に用いられる
典型的な植物において、合成されるデンプンは、約25%のアミロースデンプン
および約75%のアミロペクチンデンプンからなる。
【0003】 分枝の程度によりおおよそ決定されるデンプンの分子構造、アミロース/アミ
ロペクチンの比、平均長さおよび側鎖の分布、およびリン酸基の存在はデンプン
またはその水溶液の重要な機構的特性を決定する。本明細書にて述べるべき機能
的特性の例は、溶解性、退均作用、フィルム形成性、粘度、色安定性、膠化性並
びに結合および接着性である。デンプン顆粒のサイズはまた、種々の用途におい
て重要な特性である。また、高−アミロースデンプンの生成は、特定の用途にお
いて特別な関心事である。さらに、植物細胞中に存在する改質デンプンは、特定
の条件下において植物細胞の挙動を変化させるのに有利であり得る。例えば、そ
の加工、例えばデンプン抽出前の例えば実または根茎などのデンプン含有器官の
貯蔵の間におけるデンプン分解を減少させることが可能である。さらに、改質デ
ンプンの作成が関心事であり、これは加工、例えば食品の生産、例えばトウモロ
コシからのポップコーンやコーンフレーク、またはジャガイモからのフレンチフ
ライ、チップスやポテトパウダーなどによりよく適するこのデンプンを含む植物
細胞または植物器官をもたらす。特にこの状況における格別な関心事は、冷甘味
化[cold sweetening]を減少させること、即ち低温での長期貯蔵における還元糖
(特にグルコース)の放出を減少させることについてのデンプンの改良である。
特にジャガイモは4〜8℃の温度でしばしば貯蔵され、貯蔵の間のデンプン分解
を最小限にする。この間に放出される還元糖、特にグルコースは、フレンチフラ
イやチップスの生産において所望しない褐色化反応(いわゆるMaillard反応)を
もたらす。
【0004】 植物から単離することができるデンプンは、しばしば化学的改質を用いて、役
割、必要な時期および費用としての特別な産業目的に適合される。故に、その特
性が既に加工産業の特別な要求を満たす、故に経済的および環境的に有利である
、デンプンを合成する植物の作成の可能性を見いだすことが所望されている。 植物交配に加えて、そのような植物を提供する1つの可能性は、組換え法によ
るデンプン生産性植物のデンプン代謝の指向性遺伝子改質である。故に、デンプ
ン合成の改質およびデンプン分解(デンプン代謝)に関わる酵素の特定および特
徴付け並びにそれらの酵素をコードする対応するDNA配列の単離が必要条件で
ある。 デンプン合成を導く生化学的合成経路は既に知られている。植物細胞において
デンプン合成はプラスチドにて開始される。光合成が活発な組織について、これ
らプラスチドは葉緑体であり、光合成が不活発な組織については、デンプン貯蔵
組織であるアミロプラストである。 デンプン代謝に包含される重要な酵素は、例えば分枝酵素、ADPグルコース
ピロホスホリラーゼ、顆粒結合デンプン合成酵素、可溶性デンプン合成酵素、脱
分枝酵素、不均化酵素、プラスチドデンプンホスホリラーゼ、R1−酵素(R1
タンパク質)、アミラーゼまたはグルコシダーゼである。
【0005】 本発明の課題は、デンプン合成植物(例えばライ麦、大麦、麦、トウモロコシ
、小麦、サトウモロコシ、ミッレト、サゴ、米、エンドウ豆、マーローファット
、カサバ、ジャガイモ、トマト、菜種、大豆、大麻、亜麻、ヒマワリ、カウピー
、ヤエナリ、豆、バナナまたはアロールート)におけるデンプン代謝を変更させ
るために他のまたは別の組換え手法、植物細胞を形質転換させうる適する核酸分
子、故に改質した、有利なデンプン種の合成を提供することである。 そのような改質デンプン種は、例えば分枝の程度、アミロース/アミロペクチ
ンの比、リン酸含量、デンプン顆粒のサイズおよび/または側鎖の平均長さおよ
び分布(即ち側鎖構造)についての改良を示す。
【0006】 本発明の他の課題は、改質デンプン種を合成するトランスジェニック植物の作
成を可能にする方法を提供することである。 驚くべきことに、本発明の核酸分子を用いて形質転換したトランスジェニック
植物は、上述の課題が請求の範囲において特定されている使用形態を提供するこ
とにより達成されるような特別な様式でその物理化学的特性および/またはその
側鎖構造が改質されているデンプンを合成する。
【0007】 従って、本発明は、ジャガイモのβ−アミラーゼの機能を有するタンパク質を
コードする核酸分子であって、 a) Seq ID NO.2に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核
酸分子、その誘導体または部分、 b) Seq ID No.1に示される核酸配列を有する核酸分子、その誘導体もしくは
部分またはこれに相当するリボヌクレオチド配列、 c) a)またはb)の核酸分子とハイブリダイズ、好ましくは特異的にハイブ
リダイズするまたはこれに相補的な核酸分子、および d) そのヌクレオチド配列が遺伝子コードの縮重によりa)、b)またはc)
の核酸分子の配列から逸脱する核酸分子 からなる群から選択される核酸分子に関するものである。 従って、本発明は、β−アミラーゼをコードし、そしてプラスミドSt−b−
Amy(DSM No.12348)のcDNA挿入物を参照してSeq ID No.2、
その誘導体または部分のアミノ酸配列を有する核酸分子に関する。本発明による
上述のβ−アミラーゼは、ジャガイモのデンプン代謝に包含され、そしてデンプ
ン生合成に直接的または間接的に包含される。
【0008】 本発明の目的のために、本発明のβ−アミラーゼタンパク質に関しての用語「
誘導体」は、Seq ID No.2に由来し、そして Seq ID No.2の 112 V, 113 P, 11
4 V, 116 V, 117 M, 119 P, 120 L, 139 L, 142 L, 145 A, 146 G, 147 V, 149
G, 151 M, 153 D, 155 W, 156 W, 157 G,160 E, 164 P, 167 Y, 169 W, 172 Y,
175 L, 183 G, 184 L, 185 K, 187 Q, 190 M, 191 S, 192 F, 193 H, 195 C, 19
6 G, 197 G, 198 N, 199 V, 200 G, 201 D, 205 I, 206 P, 208 P, 210 W, 211
V, 219 P, 220 D, 223 Y, 224 T, 228 G, 230 R, 231 N, 233 E, 234 Y, 238 G,
240 D, 243 P, 247 G, 248 R, 249 T, 254 Y, 256 D, 258 M, 261 F, 262 R, 2
73 I, 276 I, 278 V, 279 G, 281 G, 282 P, 284 G, 285 E, 286 L, 287 R, 288
Y, 289 P, 290 S, 291 Y, 292 P, 298 W, 300 F, 301 P, 302 G, 303 I, 304 G
, 306 F, 307 Q, 308 C, 309 Y, 310 D, 311 K, 312 Y, 321 A, 325 G, 329 W,
336 D, 337 A, 338 G, 340 Y, 344 P, 347 T, 349 F, 350 F, 362 G, 364 F, 36
5 F, 368 W, 369 Y, 370 S, 373 L, 376 H, 380 I, 381 L, 384 A, 388 F, 393
V, 394 K, 398 K, 401 G, 402 I, 403 H, 404 W, 406 Y, 411 H, 412 A, 414 E,
415 L, 416 T, 417 A, 418 G, 419 Y, 420 Y, 421 N, 426 D, 427 G, 428 Y, 4
30 P, 431 I, 432 A, 438 H, 443 N, 444 F, 445 T, 446 C, 448 E, 449 M, 453
E, 454 Q, 458 A, 462 P, 465 L, 466 V, 468 Q, 469 V, 481 A, 483 E, 484 N
, 485 A, 486 L, 488 R, 489 Y, 490 D, 493 A, 496 Q, 518 T, 519 Y, 520 L,
521 R, 526 L, 538 F, 539 Vおよび542 Mよりなるアミノ酸残基の群から選択さ
れる、少なくとも86アミノ酸残基、好ましくは少なくとも120アミノ酸残基
、特に少なくとも155アミノ酸残基、特に好ましくは、約163〜170アミ
ノ酸残基を含むポリペプチドを包含し、そしてSeq ID No.2の1 M, 2 A, 3 M, 4
S, 5 L, 6 P, 7 H, 8 Q, 9 I, 10 G, 11 A, 12 L, 13 S, 14 G, 15 T, 16 S, 1
7 L, 18 T, 19 A, 20 E, 21 T, 22 G, 23 G, 24 V, 25 S, 26 C, 27 E, 28 V, 2
9 P, 30 A, 31 K, 32 G, 33 S, 34 S, 35 A, 36 T, 38 A, 39 M, 40 W, 41 R, 4
2 T, 44 M, 45 T, 46 N, 47 L, 48 K, 49 V, 50 S, 51 V, 52 Q, 53 K, 54 T, 5
5 G, 56 T, 57 E, 58 I, 59 D, 60 R, 61 V, 62 S, 63 P, 64 S, 65 P, 66 S, 6
7 P, 68 P, 69 M, 70 S, 71 P, 73 M, 74 G, 75 G, 76 G, 78 R, 79 P, 80 D, 8
1 L, 82 L, 84 C, 85 Q, 86 A, 87 L, 88 M, 89 E, 90 A, 91 Q, 92 V, 93 D, 9
4 E, 95 V, 96 V, 97 E, 98 R, 99 E, 100 Y, 101 K, 103 R, 105 S, 107 E, 10
8 K, 109 E, 110 K, 111 G, 118 M, 122 S, 124 K,, 126 D, 127 H, 128 T, 131
R, 132 K, 133 K, 140 Q, 144 S, 152 M, 161 R, 163 A, 170 G, 176 M, 177 E
, 180 K, 186 V, 204 T, 209 R, 212 V, 215 M, 222 A, 226 Q, 227 W, 232 F,
235 V, 241 T, 242 L, 246 K, 251 V, 253 C, 260 G, 263 D, 267 N, 271 D, 27
2 T, 294 K, 295 D, 297 V, 299 K, 305 A, 314 I, 319 G, 323 A, 324 F, 331
H, 332 T, 335 T, 339 Q, 343 W, 348 N, 352 K, 353 E, 355 G, 356 G, 358 D,
360 Q, 363 E, 371 E, 372 M, 378 E, 382 Q, 383 S, 385 K, 386 A, 387 I, 3
89 E, 390 D, 391 K, 392 G, 395 I, 397 V, 399 I, 407 G, 413 P, 433 Q, 442
F, 447 V, 452 H, 456 Q, 459 L, 467 R, 470 A, 471 L, 474 Q, 475 E, 477 Q
, 478 V, 479 P, 491 D, 492 Y, 494 H, 495 E, 499 Q, 500 A, 501 S, 502 S,
503 L, 505 I, 506 N, 508 Q, 509 S, 511 D, 513 E, 515 C, 524 P, 528 H, 52
9 P, 530 D, 534 R, 537 A, 546 K, 548 A, 549 N, 550 K, 551 C, 552 R, 555
V, 556 E, 558 E, 559 A, 560 E, 561 H, 562 F, 564 H, 565 I, 566 T, 567 Q,
568 P, 569 L, 570V, 571 Q, 573 A, 574 A, 575 A, 576 A, 577 L, 578 M お
よび579 H(本明細書ではアミノ酸の一文字コードにより特定する)よりなるア
ミノ酸残基の群から選択される、少なくとも約1〜61アミノ酸残基、好ましく
は少なくとも122アミノ酸残基、特に少なくとも170アミノ酸残基、より好
ましくは220アミノ酸残基、特に好ましくは約232〜241アミノ酸残基を
包含するポリペプチドを含む。
【0009】 本発明によれば、β−アミラーゼタンパク質(ポリペプチド、アミノ酸配列)
に関しての用語「部分」には、本発明の目的のために、本発明の核酸分子または
その誘導体によりコードされるβ−アミラーゼの少なくとも約10〜19、好ま
しくは少なくとも80、より好ましくは160、特に好ましくは少なくとも32
0、最も好ましくは約400〜550のアミノ酸残基から構成されるポリ−また
はオリゴヌクレオチドを包含する。 さらに本発明は、1998年7月24日にDSZMに寄託されたプラスミドDS
M No.12348のcDNA挿入物、またはその誘導体またはその部分、特にコーディ
ング領域、その誘導体またはその部分に従って、Seq ID No.1の核酸分子からな
る核酸分子に関する。
【0010】 本発明によれば、核酸分子(ヌクレオチド配列,ポリヌクレオチド)に関して
用語「誘導体」には、本発明の目的のために、Seq ID No.1の241 T, 245 T, 25
7 C, 268 G, 272 A, 279 T, 285 A, 290 A, 291 G, 307 A, 309 G, 311 A, 314
C, 320 A, 322 A, 323 A, 325 G, 334 G, 335 T, 337 C, 338 C, 340 G, 341 T,
343 T, 346 G, 347 T, 349 A, 350 T, 351 G, 353 T, 355 C, 356 C, 359 T, 3
61 G, 368 T, 370 A, 386 T, 400 G, 404 T, 406 A, 409 G, 416 T, 420 G, 425
T, 433 G, 434 C, 436 G, 437 G, 439 G, 440 T, 442 G, 443 A, 445 G, 446 G
, 449 T, 451 A, 452 T, 453 G, 457 G, 458 A, 460 G, 463 T, 464 G, 465 G,
466 T, 467 G, 468 G, 469 G, 470 G, 473 T, 476 T, 478 G, 479 A, 487 G, 49
0 C, 491 C, 499 T, 500 A, 503 A, 505 T, 506 G, 507 G, 511 G, 514 T, 515
A, 524 T, 527 T, 533 T, 535 G, 539 A, 542 A, 547 G, 548 G, 551 T, 553 A,
554 A, 557 T, 559 C, 560 A, 562 G, 566 T, 568 A, 569 T, 570 G, 571 T, 5
72 C, 574 T, 575 T, 576 C, 577 C, 578 A, 583 T, 584 G, 586 G, 587 G, 589
G, 590 G, 592 A, 593 A, 595 G, 596 T, 598 G, 599 G, 601 G, 602 A, 610 A
, 613 A, 614 T, 615 C, 616 C, 617 C, 620 T, 622 C, 623 C, 628 T, 629 G,
630 G, 631 G, 632 T, 637 G, 638 A, 653 A, 655 C, 656 C, 658 G, 659 A, 66
2 T, 667 T, 668 A, 669 C, 670 A, 671 C, 682 G, 683 G, 689 G, 690 G, 691
A, 692 A, 697 G, 698 A, 700 T, 701 A, 704 T, 710 T, 712 G, 713 G, 718 G,
719 A, 727 C, 728 C, 731 T, 734 T, 739 G, 740 G, 742 A, 743 G, 745 A, 7
46 C, 749 C, 752 T, 755 A, 760 T, 761 A, 766 G, 767 A, 768 T, 769 T, 771
C, 772 A, 773 T, 774 G, 779 G, 781 T, 782 T, 785 G, 787 G, 788 A, 794 T
, 806 T, 811 G, 817 A, 818 T, 823 G, 824 A, 826 A, 827 T, 830 A, 832 G,
833 T, 835 G, 836 G, 839 T, 841 G, 842 G, 844 C, 845 C, 850 G, 851 G, 85
3 G, 854 A, 857 T, 860 G, 862 T, 863 A, 865 C, 866 C, 868 T, 869 C, 871
T, 872 A, 874 C, 875 C, 878 A, 880 A, 884 A, 886 G, 887 G, 892 T, 893 G,
894 G, 898 T, 899 T, 901 C, 902 C, 904 G, 905 G, 907 A, 908 T, 910 G, 9
11 G, 916 T, 917 T, 919 C, 920 A, 922 T, 923 G, 925 T, 926 A, 928 G, 929
A, 930 C, 931 A, 932 A, 934 T, 935 A, 938 T, 949 T, 950 T, 961 G, 962 C
, 973 G, 974 G, 977 A, 980 C, 983 A, 985 T, 986 G, 987 G, 988 G, 1000 C, 1001 C, 1006 G, 1007 A, 1009 G, 1010 C, 1012 G, 1013 G, 1018 T, 1019 A, 1020 C, 1021 A, 1022 A, 1025 A, 1030 C, 1031 C, 1033 G, 1034 A, 1039 A, 1040 C, 1045 T, 1046 T, 1048 T, 1049 T, 1050 C, 1051 A, 1060 G, 1069 T, 1075 A, 1079 A, 1082 A, 1084 G, 1085 G, 1090 T, 1091 T, 1093 T, 1094 T, 1095 C, 1097 T, 1102 T, 1103 G, 1104 G, 1105 T, 1106 A, 1108 T, 1109 C, 1118 T, 1121 T, 1124 A, 1126 C, 1127 A, 1130 G, 1139 T, 1187 C, 1192 A, 1193 A, 1196 T, 1199 C, 1201 G, 1202 G, 1204 A, 1205 T, 1207 C, 1208 A, 1209 C, 1210 T, 1211 G, 1212 G, 1216 T, 1217 A, 1227 G, 1231 C, 1232 A, 1234 G, 1235 C, 1238 C, 1240 G, 1241 A, 1243 C, 1244 T, 1246 A, 1247 C, 1249 G, 1250 C, 1252 G, 1253 G, 1255 T, 1256 A, 1258 T, 1259 A, 1260 C, 1261 A, 1262 A, 1263 C, 1276 G, 1277 A, 1279 G, 1280 G, 1282 T, 1283 A, 1285 C, 1288 C, 1289 C, 1291 A, 1292 T, 1294 G, 1295 C, 1300 A, 1301 T, 1304 T, 1312 C, 1313 A, 1318 G, 1322 T, 1325 T, 1327 A, 1328 A, 1330 T, 1331 T, 1333 A, 1334 C, 1336 T, 1337 G, 1342 G, 1343 A, 1344 G, 1345 A, 1346 T, 1347 G, 1352 A, 1353 C, 1357 G, 1358 A, 1360 C, 1361 A, 1370 A, 1372 G, 1373 C, 1379 G, 1382 C, 1384 C, 1385 C, 1388 A, 1394 T, 1396 G, 1397 T, 1401 G, 1402 C, 1403 A, 1405 G, 1406 T, 1414 G, 1422 G, 1426 G, 1439 T, 1441 G, 1442 C, 1445 G, 1447 G, 1448 A, 1450 A, 1451 A, 1453 G, 1454 C, 1457 T, 1463 G, 1465 T, 1466 A, 1468 G, 1469 A, 1477 G, 1478 C, 1481 A, 1490 T, 1511 A, 1520 A, 1541 T, 1546 G, 1550 T, 1552 A, 1553 C, 1555 T, 1556 A, 1559 T, 1562 G, 1565 T, 1577 T, 1580 T, 1591 A, 1592 A, 1594 T, 1603 T, 1604 T, 1612 T, 1613 T, 1615 G, 1616 T, 1621 A, 1622 A, 1624 A, 1625 T, 1626 G, 1628 A, 1630 G, 1633 G, 1640 A, 1661 A, 1683 T, 1692 T, 1713 A, 1719 T, 1728 Cおよび 1731 Cからなる群から選択される、少
なくとも246ヌクレオチド、好ましくは少なくとも344ヌクレオチド、特に
少なくとも443ヌクレオチド,特に好ましくは約467〜487ヌクレオチド
からなるポリヌクレオチド、並びにSeq ID No.1の1 A, 2T, 3 G, 4 G, 5 C, 6
A, 7 A, 8 T, 9 G, 10 A, 11 G, 12 T, 13 C, 14 T, 15 G, 16 C, 17 C, 18 A,
19 C, 20 A, 21 C, 22 C, 23 A, 24 G, 25 A, 26 T, 27 C, 28 G, 29 G, 30 T,
31 G, 32 C, 33 C, 34 T, 35 T, 36 A, 37 T, 38 C, 39 A, 40 G, 41 G, 42 A,
43 A, 44 C, 45 A, 46 T, 47 C, 48 G, 49 C, 50 T, 51 C, 52 A, 53 C, 54 G,
55 G, 56 C, 57 G, 58 G, 59 A, 60 A, 61 A, 62 C, 63 C, 64 G, 65 G, 66 T,
67 G, 68 G, 69 A, 70 G, 71 T, 72 T, 73 T, 74 C, 75 A, 76 T, 77 G, 78 C,
79 G, 80 A, 81 A, 82 G, 83 T, 84 T, 85 C, 86 C, 87 G, 88 G, 89 C, 90 G,
92 A, 93 G, 94 G, 95 G, 96 G, 97 A, 99 T, 102 A, 103 G, 104 C, 105 T, 10
6 A, 109 T, 110 C, 111 A, 112 G, 113 C, 115 A, 116 T, 117 G, 118 T, 120
G, 121 A, 122 G, 123 A, 124 A, 125 C, 126 A, 127 C, 129 G, 131 T, 132 G, 133 A, 134 C, 135 G, 137 A, 138 T, 139 T, 140 T, 141 A, 142 A, 143 A, 1
44 A, 146 T, 148 T, 149 C, 150 G, 152 T, 153 A, 154C, 155 A, 157 A, 160
A, 161 C, 162 A, 163 G, 165 A, 166 A, 167 C, 169 G, 171 A, 172 A, 174 T, 175 G, 176 A, 178 A, 179 G, 180 G, 181 G, 183 G, 184 T, 185 C, 188 C, 1
89 G, 190 T, 191 C, 195 G, 196 T, 199 C, 200 C, 201 G, 202 C, 203 C, 204 G, 205 A, 206 T, 207 G, 208 A, 209 G, 210 T, 211 C, 216 G, 217 A, 218 T
, 226 G, 228 A, 229 A, 231 G, 233 G, 234 G, 237 G, 238 G, 239 A, 244 T,
246 A, 247 G, 250 T, 252 T, 254 A, 256 G, 260 T, 262 A, 263 T, 274 G, 27
5 T, 276 A, 277 G, 278 A, 284 T, 286 G, 287 T, 288 T, 293 G, 295 G, 297
A, 298 T, 301 A, 302 A, 304 G, 306 T, 308 G, 310 A, 313 T, 315 G, 324 A, 327 G, 328 A, 331 G, 333 A, 348 T, 352 A, 354 G, 358 T, 360 G, 363 T, 3
65 G, 369 G, 379 C, 383 C, 392 G, 393 G, 394 A, 395 A, 396 G, 397 A, 402 G, 408 T, 417 A, 419 A, 424 T, 430 A, 432 C, 447 G, 488 C, 495 A, 5T9 T
, 528 G, 529 G, 538 A, 549 A, 556 G, 558 T, 567 G, 573 T, 588 T, 600 T,
611 C, 612 G, 618 T, 619 C, 621 T, 626 G, 633 T, 634 G, 639 G, 645 G, 65
7 A, 665 C, 666 A, 678 G, 681 G, 684 A, 687 G, 693 T, 694 T, 695 T, 703
G, 705 A, 708 G, 709 C, 717 C, 723 A, 726 T, 729 A, 732 T, 744 G, 747 T, 751 G, 756 A, 757 T, 758 G, 762 T, 777 A, 778 G, 780 G, 783 T, 789 T, 7
99 A, 805 C, 814 A, 815 C, 816 C, 859 C, 861 T, 864 T, 879 A, 882 A, 883 G, 885 T, 889 G, 890 T, 891 A, 912 T, 914 C, 915 T, 941 T, 942 C, 943 A
, 951 A, 952 C, 956 G, 966 A, 970 T, 978 G, 992 A, 995 C, 996 C, 999 T,
1003 A, 1004 C, 1014 T, 1015 C, 1026 T, 1027 T, 1028 G, 1029 G, 1042 A,
1055 A, 1062 T, 1065 T, 1066 G, 1067 G, 1072 G, 1078 C, 1080 A, 1087 G,
1098 C, 1115 T, 1119 T, 1120 T, 1134 G, 1144 C, 1146 A, 1147 T, 1148 C,
1155 G, 1156 G, 1157 C, 1159 A, 1161 A, 1165 G, 1166 A, 1169 A, 1171 A,
1172 A, 1173 G, 1174 G, 1175 G, 1179 T, 1183 A, 1186 T, 1191 T, 1195 A,
1197 T, 1200 A, 1203 T, 1219 G, 1224 A, 1233 T, 1237 C, 1245 G, 1267 C,
1281 T, 1296 C, 1305 T, 1311 C, 1320 A, 1350 T, 1354 C, 1355 A, 1356 C,
1365 A, 1366 C, 1368 A, 1377 A, 1386 T, 1393 T, 1400 G, 1408 G, 1409 C,
1410 T, 1411 T, 1412 T, 1413 A, 1420 C, 1421 A, 1423 G, 1428 T, 1429 C,
1432 G, 1435 C, 1436 C, 1456 T, 1472 A, 1474 T, 1476 T, 1479 A, 1483 G,
1485 A, 1494 T, 1499 C, 1500 A, 1501 T, 1503 C, 1504 T, 1507 T, 1508 T,
1509 G, 1514 T, 1516 A, 1517 A, 1525 T, 1526 C, 1527 A, 1528 G, 1529 G,
1533 T, 1536 A, 1538 A, 1544 G, 1557 T, 1558 T, 1560 G, 1569 T, 1570 C,
1571 C, 1575 C, 1581 C, 1582 C, 1584 T, 1585 C, 1588 G, 1590 T, 1593 C,
1597 A, 1601 G, 1608 T, 1629 A, 1635 A, 1636 A, 1638 A, 1641 C, 1643 C,
1644 A, 1646 A, 1647 C, 1649 A, 1651 T, 1652 G, 1655 G, 1664 T, 1666 G,
1668 G, 1674 G, 1676 C, 1678 G, 1680 G, 1682 A, 1686 C, 1687 G, 1690 C,
1693 A, 1696 A, 1698 T, 1708 G, 1712 A, 1724 C, 1725 T, 1727 C, 1729 C,
1730 T, 1732 A, 1734 G, 1735 C, 1736 A および 1738 Tからなる群から選択さ
れる、少なくとも約1〜127ヌクレオチド、好ましくは少なくとも253ヌク
レオチド、特に少なくとも354ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも45
5ヌクレオチド、特に好ましくは約481〜501ヌクレオチドからなるポリヌ
クレオチドが包含される。
【0011】 明確に上記している、Seq ID No.1またはSeq ID No.2の本発明によるヌクレ
オチドまたはアミノ酸配列の個々のエレメントの位置の番号において、本発明の
前記配列の誘導体は、個々の配列エレメントの番号が本発明のSeq ID No.1また
はSeq ID No.2のものから逸脱しうるそれらの配列を意味すると理解されるべき
である。ここで決定的に重要なものは、本発明による配列と少なくとの1つの配
列セクション(部分)との重要な取り決めである。そのような取り決めは、一般
的な専門知識を用いて単純な方法において、例えば適当なコンピュータープログ
ラムを使用する、例えば本発明の配列と比較すべき問題の配列との配列比較(い
わゆる配列アライメント)を実行することにより決定することができる。そのよ
うなコンピュータプログラムは、例えば市販されており(例えばOmiga(R), Vers
ion 1.1.3. by Oxford Molecular Ltd., Oxford, UK)、ある場合において配列
データベース(例えばEMBL, GenBank)の不可欠な要素であり、例えば同一もし
くは適当である場合には化学的に同等である配列エレメントのもっとも可能性の
ある一致を特定し、そして特に個々の配列エレメントまたは配列セクションのシ
フトをもたらし、故に配列エレメントまたは配列セクションの番号に作用しうる
挿入および/または欠失の存在を考慮に取り入れるものである。
【0012】 βアミラーゼをコードする本発明の核酸分子に関して、用語「誘導体」にはさ
らに、1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、挿入または組換えによりSeq ID N
o.1から誘導され、そして上で定義したような条件を満たす核酸分子が包含され
る。 βアミラーゼをコードする本発明の核酸分子に関して、用語「誘導体」にはさ
らに、本発明の核酸分子、その誘導体またはその部分の相補的または逆転した相
補的配列(ポリヌクレオチド)が包含される。 β−アミラーゼをコードする本発明の核酸分子を参照する、用語「部分」には
さらに、β−アミラーゼまあはその誘導体をコードする本発明の核酸分子のヌク
レオチドの少なくとも約15〜35、好ましくは少なくとも約36〜100、特
に少なくとも200、より好ましくは少なくとも400、特に好ましくは少なく
とも800、もっとも好ましくは約1400〜1700から構成されるポリまた
はオリゴヌクレオチドを包含する。
【0013】 本発明の好ましい態様において、本発明による用語「誘導体」および/または
「部分」には、ジャガイモから得られるβ−アミラーゼ遺伝子(即ち、β−アミ
ラーゼをコードする核酸分子)またはβ−アミラーゼポリペプチドと機能的およ
び/または構造的に同等である、上で定義したポリヌクレオチドまたはポリもし
くはオリゴペプチドが包含される。用語「機能的および/または構造的に同等で
ある」は、一般的に問題の発明の分子の機能、適当な場合には生物学的機能が同
一、同等または類似することを意味する。
【0014】 さらに本発明は、a)β−アミラーゼ、好ましくはジャガイモ由来のβ−アミ
ラーゼの機能を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列または前記ヌク
レオチド配列の部分、およびb)分枝酵素、ADPグルコースピロホスホリラー
ゼ、顆粒結合デンプン合成酵素、可溶性デンプン合成酵素、脱分枝酵素、不均化
酵素、プラスチドデンプンホスホリラーゼ、R1−酵素、アミラーゼ、グルコシ
ダーゼの機能を有するタンパク質を構成するA群から選択されるタンパク質をコ
ードする1つ以上のヌクレオチド配列、A群から選択されるタンパク質をコード
するヌクレオチド配列の部分からなる組換え核酸分子、並びに前記ヌクレオチド
配列またはその部分の1つとハイブリダイズする核酸分子とハイブリダイズする
核酸分子、好ましくはデオキシリボ核酸またはリボ核酸分子、特に好ましくはc
DNA分子組に関する。特に好ましいものは、前記ヌクレオチド配列またはその
部分と特異的にハイブリダイズする核酸分子である。
【0015】 ジャガイモのβ−アミラーゼの機能を有するタンパク質をコードする本発明の
核酸配列はSeq ID No.1に記載されており、そのヌクレオチド配列によりコード
されるタンパク質はSeq ID No.2に記載されている。 Seq. ID No.1: attaatattattattatggcaatgagtctgccacaccagatcggtgccttatcaggaaca tcgctcacggcggaaaccggtggagtttcatgcgaagttccggcgaaggggagttcagct acatcagctatgtggagaacaccgatgacgaatttaaaagtatcggtacaaaaaacagga actgaaattgacagggtgtcgccgtcgccgtcgccgccgatgagtccgatgatgggagga ggaatgcggccggatttattagcgtgtcaagcgttgatggaagctcaggtagatgaggta gttgagagagaatataaggttaggaattcgtcggagaaagagaaaggagttccggtgttt gttatgatgccgttggatagtgtgaaaatggatcatactgtgaataggaagaaggcgatg aatgcgagtttacaggcgttgaagagcgccggtgtggaagggattatgatggatgtgtgg tggggattggtggagagagatgcgccgggagagtataattggggcggttatgctgagctt atggaaatggcgaaaaaacatggactcaaagttcaagctgtgatgtctttccatcaatgt ggtggaaacgtcggtgattcctgcacgatccctcttccaaggtgggttgttgaggagatg gagaaggatccagatcttgcatacacagatcagtggggaaggaggaattttgaatatgta tcgcttggttgcgatacacttccagttcttaaaggaaggactcctgtccaatgctattct gatttcatgagagggtttagagatagatttgagaatctcctaggtgacaccattgtggaa attcaagtcgggatgggtccagctggagagctccgttatccatcctatccggaaaaagat ggagtatggaaattccctggaattggtgcttttcagtgttatgacaagtacatgatcagt agcttacagggtgcagcagaagcttttggtaagcctgaatggggacacaccggtccaacc gatgctggtcagtacaacaattggccagaagataccaactttttcaagaaggaaggtggt ggatgggatagtcaatatggggagttcttcctcacttggtattctgagatgcttttgaac catggtgagaggatactgcaatcagccaaggcgatattcgaggacaagggtgttaagatt tcagttaagattgcaggtattcactggcactatggaacaaggtcccatgcccctgagctg accgctggatactacaacacccgtaaccgagatggttaccttcccatcgcccaaatgctt gcccgccacggtgcagttttcaacttcacatgtgttgagatgcgtgaccacgagcagcca caagatgcactatgtgcacctgagaagttggttaggcaagtggctttagcaactcaggaa gctcaagttccacttgctggggagaatgcattgccacgatacgatgattatgcacatgaa cagatccttcaagcatcctcattgaatatcaacgatcaatcaggtgatagagagatgtgc gcgttttacatatttgaggatgaatcctgacctattccatcctgataactggaggcgattc gttgccttcgtgaagaaaatgaaagaaggaaaagacgcaaacaaatgccgggaacaagta gagagggaggcagagcatttcgtgcatataactcagccgttagtgcaagaagctgcagct gccctcatgcactaagcaaatggttgtcaaatagtactgtaattttgatccttttagcta acatggagtttttcaacatgttacgaggatcttatagctcgttatcgttcttcttatatg tttgtaaaactgtccatcgtgtattttttcgaagttagacattatgtcttaatgaaatga tacataattcagtagtaaaaaaaaaaaaaa Seq. ID No.2: MAMSLPHQIGALSGTSLTAETGGVSCEVPAKGSSATSAMWRTPM TNLKVSVQKTGTEIDRVSPSPSPPMSPMMGGGMRPDLLACQALM EAQVDEVVEREYKVRNSSEKEKGVPVFVMMPLDSVKMDHTVNR KKAMNASLQALKSAGVEGIMMDVWWGLVERDAPGEYNWGGYA ELMEMAKKHGLKVQAVMSFHQCGGNVGDSCTIPLPRWVVEEME KDPDLAYTDQWGRRNFEYVSLGCDTLPVLKGRTPVQCYSDFMRG FRDRFENLLGDTIVEIQVGMGPAGELRYPSYPEKDGVWKFPGIGAF QCYDKYMISSLQGAAEAFGKPEWGHTGPTDAGQYNNWPEDTNFF KKEGGGWDSQYGEFFLTWYSEMLLNHGERILQSAKAIFEDKGVKI SVKIAGIHWHYGTRSHAPELTAGYYNTRNRDGYLPIAQMLARHGA VFNFTCVEMRDHEQPQDALCAPEKLVRQVALATQEAQVPLAGENA LPRYDDYAHEQILQASSLNINDQSGDREMCAFTYLRMNPDLFHPDN WRRFVAFVKKMKEGKDANKCREQVEREAEHFVHITQPLVQEAAAA LMH
【0016】 本発明のβ−アミラーゼのヌクレオチド配列は、公知のβ−アミラーゼをコー
ドする分子との配列ホモロジーは低い(Wang等、1997, Plant Physiol. 113(2):
403-409; Yoshigi等、1994, Biotechn. & Biochem. 58(6): 1080-1086; Monroe
等、1991, Plant Physiol. 97:1599-1601)。そのアミノ酸配列は、ヌクレオチ
ド配列の面に対応して表されている、先行技術に記載のβ−アミラーゼとは付加
的なN−末端配列(アミノ酸1〜25位)によりさらに異なる。 A群のタンパク質をコードし、そして本発明に適するヌクレオチド配列は、例
えば可溶性(タイプI、II、IIIまたはIV)または顆粒結合デンプン合成酵素の
アイソフォームについては、Hergersberg, 1988, Ph.D. thesis. University of
Cologne; Abel, 1995, Ph.D. thesis, FU Berlin; Abel等、1996, Plant Journ
al 10(6): 981-991; Visser等、1989, Plant Sci. 64:185-192; van der Leij等
、1991, Mol. Gen. Genet. 228:240-248; EP-A-0779363; WO 92/11376; WO 96/
15248; WO 97/26362; WO 97/44472; WO 97/45545; Delrue等、1992, J. Bact
eriol. 174: 3612-3620; Baba等、1993, Plant Physiol. 103:565-573; Dry等、
1992, The Plant Journal 2,2: 193-202さもなくばEMBLデータベースエントリー
X74160; X 58453; X 88789; X 94400に記載され、分枝酵素のアイソフォーム(
分枝酵素I、IIaまたはIIb)、脱分枝酵素のアイソフォーム(分枝酵素、イソア
ミラーゼ、プルラナーゼ、R1酵素)または不均化酵素のアイソフォームについ
ては、例えばWO 92/14827; WO 95/07335; WO 95/09922; WO 96/19581; WO 9
7/22703; WO 97/32985; WO 97/42328; Takaha等、1993, J. Biol. Chem. 268
: 1391-1396さもなくばEMBLデータベース エントリーX 83969に記載され、そし
てADPグルコースピロホスホリラーゼおよびプラスチドデンプンホスホリラー
ゼのアイソフォームについては、例えばEP-A-0368506; EP-A-0455316; WO 94/2
8146; DE 19653176.4; WO 97/11188; Brisson等、1989, The Plant Cell 1:559
-566; Buchner等、1996, Planta 199: 64-73; Camirand等、1989, Plant Physio
l. 89 (4 Suppl.) 61; Bhatt & Knowler, J. Exp. Botany 41 (Suppl.) 5-7; Li
n等、1991, Plant Physiol. 95: 1250-1253; Sonnewald等、1995, Plant Mol. B
iol. 27: 567-576; DDBJ No.D 23280; Lorberth等、1998, Nature Biotechnolog
y 16: 473-477に記載されている。
【0017】 本発明を参照して使用に適するヌクレオチド配列は、原核生物または真核生物
起源、好ましくは細菌、真菌または植物起源のヌクレオチド配列である。 用語「ヌクレオチド配列の部分」は、本発明の目的において、本発明において
使用される少なくとも15bp、好ましくは少なくとも150bp、特に好まし
くは少なくとも500bpの長さであるが、5000bp、好ましくは2500
bpの長さを超えない、ヌクレオチド配列の部分を意味する。 用語「ハイブリダイゼーション」は、本発明の目的において、慣用されるハイ
ブリダイゼーション条件下、好ましくはストリンジェントな条件下におけるハイ
ブリダイゼーションを意味し、これは例えばSambrook等(Molecular Cloning, A
Laboratory Manual, 2nd Ed. (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press,
Cold Spring Harbor, NY)に記載されている。 「特異的なハイブリダイゼーション」は、特に次の高度にストリンジェントな
条件下で行うのが好ましい: ハイブリダイゼーション緩衝液:2×SSC;10×デンハルト溶液 (フィコ
ール400+PEG+BSA; 比率1:1:1); 0.1% SDS; 5mM ED
TA; 50mM Na2HP04; 250ug/ml、 ニシン精巣DNA;50ug/ml tRNA; または0.25Mリン酸ナトリウム
緩衝液pH 7.2;1mM EDTA; 7%SDS 、 ハイブリダイゼーション温度:T=55〜68℃、 洗浄緩衝液:0.2×SSC;0.1%SDSおよび 洗浄温度:T=40〜68℃。
【0018】 本発明の核酸分子にハイブリダイズする分子には、本発明の核酸分子の断片、
誘導体および対立遺伝子変異体が包含される。断片は、上述のタンパク質の機能
的に活性な部分をコードするのに十分長い核酸分子の部分を意味すると理解され
る。用語「誘導体」は、文脈上、配列が1つ以上に位置において本発明の核酸分
子の配列とは異なるが、これら配列と高いホモロジーを示すことを意味する。ホ
モロジーとは、少なくとも60%、好ましくは70%以上、そして特に好ましく
は85%以上の配列同一性を意味する。本発明の核酸分子について変異体は、欠
失、置換、挿入または組換えにより作成されうるものである。 従って、ホモロジーは、機能的および/または構造的等価性が問題の核酸分子
間またはこれによりコードされるタンパク質間において示されることを意味する
。本発明の核酸分子に相同であり、そしてこれらの分子の誘導体を構成する核酸
分子は、原則として同じ生物学的機能を発揮する改質体を構成するこれら分子の
変異である。これらは、天然に生じた変異、例えば他の植物種または突然変異由
来の配列であり得るし、これら突然変異については天然に生じたかまたは特異的
突然変異誘発により導入することが可能である。さらに変異体は合成配列である
。対立遺伝子変異体は、天然に生じた変異体か、さもなくば合成性変異体または
組換えDNA技術により作成された変異体である。
【0019】 本発明の核酸分子はDNA分子、特にcDNAまたはゲノムDNAとすること
ができる。本発明の核酸分子はさらに、RNA分子とすることができる。本発明
の核酸分子またはその部分は、例えば天然源から得るか、または組換え技術もし
くは合成により作成することができる。 植物細胞において本発明の核酸分子をセンスまたはアンチセンスの向きで発現
させるために、これらは植物細胞における転写を確実にする制御性DNAエレメ
ントに連結される。これらには、特にプロモーターが包含される。一般的に、植
物細胞において活性な任意のプロモーターが発言に適する。プロモーターは、発
現が構成的であるか、あるいは特別な組織、植物発生時における特別な時期また
は例えば化学的もしくは生物学的に誘導可能な外部要因により決定される特定な
時期におけるものであるというような様式で選択される。形質転換植物に関して
、プロモーターとヌクレオチド配列もまた相同性または異種性とすることができ
る。適するプロモーターの例は、構成的発現についてはカリフラワーのモザイク
ウィルス35SRNAプロモーターであり、ジャガイモにおける塊茎特異的発現
についてはパタチン[patatin]遺伝子プロモーターB33(Rocha-Sosa等、198
9, EMBO J. 8:23-29)または光合成の活性な組織においてのみ発現させるプロモ
ーター、例えばST−LS 1プロモーター(Stockhaus等、1987, Proc. Natl.
Acad. Sci. USA 84: 7943-7947; Stockhaus等、1989, EMBO J. 8: 2445-2451)
、または内胚乳特異的発現については小麦HMGプロモーターもしくはトウモロ
コシのゼイン遺伝子由来のプロモーターである。
【0020】 本発明の核酸分子を終止させる終止配列は転写を正確に終了させ、転写物を安
定化させる機能を有すると考えられているポリAテールを転写物に付加しうるも
のである。そのようなエレメントは文献(Gielen等、1989, EMBO J. 8:23-29を
参照)に記載されており、所望により交換可能である。 本発明の核酸分子は、β−アミラーゼ活性またはβ−アミラーゼとデンプン代
謝の少なくとも1つの別の酵素の活性の増大または減少を示す、トランスジェニ
ック植物細胞および植物の作成に用いることができる。このために、本発明の核
酸分子は、植物細胞における効果的な転写に必要な制御性核酸配列を備える適当
なベクター中に導入し、そして植物細胞に導入する。一方、細胞中の内在性β−
アミラーゼまたは内在性β−アミラーゼとA群の少なくも1つの別のタンパク質
の合成を阻害するために本発明の核酸分子を使用することができる。これは、ア
ンチセンスコンストラクト、インビボ突然変異誘発、生じる同時抑制により、ま
たは適切に構築されたリボザイムにより達成することができる。一方、本発明の
核酸分子は、トランスジェニック植物の細胞中においてβ−アミラーゼまたはβ
−アミラーゼとA群の少なくも1つの別のタンパク質を発現させるために使用す
ることができ、従ってその場合には発現した酵素の細胞内における活性の増加が
もたらされる。
【0021】 加えて、細胞中の内在性β−アミラーゼの合成を阻害し、A群の少なくも1つ
の別のタンパク質を過剰発現させるために本発明の核酸分子を使用する可能性が
存在する。 最後に、本発明の核酸分子はまた、トランスジェニック植物の細胞中において
β−アミラーゼを発現させ、A群の少なくも1つの別のタンパク質を阻害するた
めに使用することができる。故に、最後2つの繁発明の態様は、細胞中において
それぞれ阻害または発現される酵素の活性において同時に阻害および増大がもた
らされる。 さらに本発明は、本発明の核酸分子を含むベクターに関する。 用語「ベクター」には、プラスミド、コスミド、ウィルス、バクテリオファー
ジおよび遺伝子工学において慣用される他のベクターが包含され、これらは本発
明の核酸分子を含み、そして細胞の形質転換に適するものである。そのようなベ
クターは、植物細胞の形質転換に適するものが好ましい。本発明の核酸分子を適
当な場合に、フランキング制御領域と一緒に植物細胞のゲノム中に挿入するもの
が特に好ましい。例は、アグロバクテリア媒介遺伝子導入において使用すること
ができる、pBinARまたはpBinB 33などのバイナリーベクターであ
る。
【0022】 好ましい態様において、本発明のベクターは、β−アミラーゼの機能を有する
タンパク質またはその部分をコードするヌクレオチド配列がセンスまたはアンチ
センスの向きで存在することにより区別される。 別の好ましい態様において、本発明のベクターは、A群から選択される1つ以
上のタンパク質またはその部分をコードするヌクレオチド配列ががセンスまたは
アンチセンスの向きで存在することにより区別される。 他の好ましい態様において、本発明のベクターは、A群から選択される複数の
タンパク質またはその部分をコードするヌクレオチド配列ががセンスまたはアン
チセンスの向きで存在することにより区別される。 特に好ましくは、本発明のベクターは、原核細胞または真核細胞中における発
現、即ち例えばRNA、ヌクレオチド配列がセンスの向きで存在するならば翻訳
可能なRNAの転写および合成を確実にする、制御エレメントに連結される。
【0023】 加えて、分子生物学の通常の技術(例えばSambrook等、1989, Molecular Clon
ing, A Laboratory Manual, 2nd Ed. Cold Spring Harbor Laboratory Press, C
old Spring Harbour, NYを参照)により、種々の突然変異を本発明のDNA配列
に導入して、改質された生物学的特徴を有するタンパク質の合成を導くことが可
能である。一方、コードするDNA配列の5′または3′末端からの進行的欠失
によりその配列が作成される欠失変異体を作成して、類似する切断タンパク質の
合成を導くことが可能である。例えば、DNA配列の5′または3′末端におけ
るそのような欠失は、酵素の目的産物を関連する輸送または支部なる配列の除去
のために、その元(相同的)のコンパートメントではなく細胞質に局在させるか
、または他のシグナル配列の付加により1つ以上の別(異種)のコンパートメン
トに局在させることが可能である。
【0024】 一方、変更したアミノ酸配列が例えば酵素活性まあは酵素の制御に影響を与え
る位置に点突然変異を導入することが可能である。故に、例えばKMもしくはKc at 値が変更された変異体またはアロステリック制御または共有結合改質を介した
細胞内に正常に存在する制御機構にもはや支配されない変異体を作成することが
可能である。 原核細胞における組換え操作のために、本発明のDNA配列またはその配列の
部分は、DNA配列の組換えにより突然変異誘発または配列の変更を行うプラス
ミド中に導入することができる。分子生物学における標準的方法(上記引用のSa
mbrook等、1989を参照)を用いて、塩基の交換を行うか、または天然もしくは合
成配列を付加しても良い。DNA断片を互いに連結するために、アダプターまた
はリンカーを断片に結合させることができる。さらに、適当な制限開裂部位を与
える操作または過剰なDNAもしくはもはや必要ない制限開裂部位を除去する操
作を用いてもよい。挿入、欠失または置換が適当な場合には、インビトロ突然変
異誘発、プライマー修復または連結を用いることができる。一般的に使用される
分析法は配列分析、制限分析、および適当な場合には生化学的および分子生物学
的な他の方法である。
【0025】 さらに本発明は、本発明の核酸分子または本発明のベクターを含有するか、あ
るいは本発明の核酸分子または本発明のベクターで形質転換した細胞に由来する
宿主細胞、特に原核細胞または真核細胞、好ましくは細菌または植物細胞(例え
ばE. coli、Agrobacterium、Solananceae、Poideae、ライ麦、大麦、オート麦、
トウモロコシ、小麦、サトウモロコシおよびミレット、サゴ、米、エンドウ豆、
マーローファット、カサバ、ジャガイモ、トマト、菜種、大豆、大麻、亜麻、ヒ
マワリ、カウピー、ヤエナリ、豆、バナナまたはアロールートの細胞)に関する
。 さらに本発明は、本発明の組換え核酸分子に加えて、1つ以上のA群から選択
されるタンパク質をコードする組換え核酸分子もしくはその部分、またはこれら
の核酸分子にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含有する宿主細胞、特に原
核細胞または真核細胞、好ましくは細菌または植物細胞(例えばE. coli、Agrob
acterium、Solananceae、Poideae、ライ麦、大麦、オート麦、トウモロコシ、小
麦、サトウモロコシおよびミレット、サゴ、米、エンドウ豆、マーローファット
、カサバ、ジャガイモ、トマト、菜種、大豆、大麻、亜麻、ヒマワリ、カウピー
、ヤエナリ、豆、バナナまたはアロールートの細胞)に関する。
【0026】 本発明の核酸分子の使用に加えて、本発明の宿主細胞もまた、適当な場合には
、分枝酵素、ADPグルコースピロホスホリラーゼ、顆粒結合デンプン合成酵素
、可溶性デンプン合成酵素I、II、IIIもしくはIV、脱分枝酵素、不均化酵素、
プラスチドデンプンホスホリラーゼ、R1−酵素(R1タンパク質)、アミラー
ゼまたはグルコシダーゼの機能を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配
列、その部分および前記ヌクレオチド配列またはその部分の1つとハイブリダイ
ズする核酸分子を含む個々のヌクレオチド配列またはベクターを複数の連続的細
胞形質転換において使用する連続的形質転換(いわゆる超形質転換)により作成
することができる。 本発明の別の態様は、本発明の核酸分子または本発明のベクターを植物細胞の
ゲノム中に組み込むことからなる、改質デンプンを合成するトランスジェニック
植物細胞の作成方法に関する。
【0027】 本発明の核酸分子が組換え法により提供されれば、その結果、野生型の植物に
おいて合成されるデンプン関して、例えば構造、含水量、タンパク質含量、脂質
含量、繊維含量、灰分/リン酸含量、アミラーゼ/アミロペクチンの比率、分子
量分布、分枝度、顆粒サイズ、顆粒の形状および結晶化、または物理化学的特性
、例えば粘弾性、吸着特性、膠化温度、粘度、増粘能[thickening capacity]
、溶解性、ゲル構造、透明性、熱安定性、剪断安定性、酸に対する安定性、劣化
する傾向、ゲル化、凍解安定性、複合体形成性、ヨウ素結合性、フィルム形成性
、接着力、酵素安定性、消化力または反応性などが変更されている、改質デンプ
ンが合成されるの様な様式で植物の代謝を開始させるか、またはこれを変更させ
ることが可能になる。デンプン代謝に包含されるタンパク質の活性を増加させる
、例えば適する核酸分子を過剰発現させる、または細胞の制御機構にもはや従わ
ないおよび/またはその活性に関して異なる温度依存性を示す突然変異体を提供
することにより適切に遺伝子改質した植物において収率が増加する可能性もある
。特に顕著な収率の増加は、形質転換した植物のデンプン貯蔵組織の特異的細胞
、例えばジャガイモの場合は茎、トウモロコシまたは小麦の場合は内乳胚におけ
るデンプン代謝に包含される1つ以上のタンパク質の活性を増加させた結果であ
る。デンプン代謝におけるこれらの可能性の経済的重要性および利益は明らかで
ある。
【0028】 植物において本発明の核酸分子を発現させる場合、合成されるタンパク質につ
いて、植物細胞の任意の所望のコンパートメントに局在させることが可能である
。特定のコンパートメント(細胞質、液胞、アポプラスト、プラスチド、ミトコ
ンドリア)中に局在させるために、局在させるための輸送またはシグナル配列を
、必要な場合には欠失(除去)し、そして残るコーディング領域を、必要な場合
には問題のコンパートメントに局在させるDNA配列に連結させなくてはならな
い。そのような配列は知られている(例えば、Braun等., EMBO J. 11 (1992), 3
219-3227; Wolter等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988), 846-850; Sonne
wald等、Plant J. 1 (1991), 95-106を参照) デンプン代謝に包含されるタンパク質の活性が低下した植物細胞の作成は、本
発明の核酸分子を用いて、例えば適するアンチセンスRNA、同時抑制効果を達
成するセンスRNAの発現により、インビボ突然変異誘発、またはデンプン代謝
に包含されるタンパク質の1つをコードする転写物を特異的に切断する適切に構
築したリボザイムの発現により、好ましくはアンチセンス転写物の発現により達
成することができる。
【0029】 このため、全てのフランキング配列を包含する、デンプン代謝に包含されるタ
ンパク質をコードする配列の全てを含むDNA分子、同様にコーディング配列の
部分、これらは最小で15bp、好ましくは少なくとも100〜500bp、特
に500bp以上を有するが、その部分のみを含むDNA分子を最初に用いるこ
とが可能である。原則として、DNA分子は、5000bpより短いもの、好ま
しくは2500bpより短いものを用いる。 また、本発明のDNA分子の配列に高いホモロジーを示すが、完全に同じでは
ないDNA配列を使用することが可能である。最小のホモロジーは約65%以上
である。75%のホモロジー、特に80%のホモロジーを有する配列を使用する
ことが好ましい。 細胞中の特異的タンパク質の活性を低下させるリボザイムの発現は当業者に知
られており、例えばEP-B1 0321 201に記載されている。植物細胞におけるリボザ
イムの発現は、例えばFeyter等(Mol. Gen. Genet. 250 (1996), 329-338)に記
載されている。
【0030】 さらに、本発明の植物細胞におけるデンプン代謝に伴うタンパク質の減少は、
いわゆる“インビボ突然変異誘発”により達成することができ、これはRNA−
DNAハイブリッドのオリゴヌクレオチド(キメロプラスト)を細胞形質転換に
より細胞に導入する(Kipp P.B.等、Poster Session at the“5th Internationa
l Congress of Plant Molecular Biology, 21-27, September 1997, Singapore;
R.A. Dixon and C.J. Amtzen, Meeting report on“Metabolic Engineering in
Transgenic Plants", Keystone Symposia, Copper Mountain, CO, USA, TIBTEC
H 15 (1997), 441-447; 国際特許出願WO 95/15972; Kren等、Hepatology 25 (1
997), 1462-1468; Cole-Strauss等、Science 273 (1996), 1386-1389)。 この目的に使用されるRNA−DNAオリゴヌクレオチドのDNA部分の一部
は、内在性タンパク質の核酸配列と相同であるが、内在性タンパク質の核酸配列
と比較して変異を示すかまたは相同性領域に囲まれる異質性領域を含む。
【0031】 RNA−DNAオリゴヌクレオチドの相同性領域および相同性領域の次の内在
性核酸分子の塩基対が突然変異するか、またはRNA−DNAオリゴヌクレオチ
ドのDNA部分に含まれる異質性領域が植物細胞のゲノムに移入される。これは
、デンプン代謝に伴うタンパク質の活性の低下をもたらす。 また、デンプン代謝にともなう酵素活性は、同時抑制作用により植物細胞中で
低下させることができる。この方法は当業者に知られており、例えばJorgensen
(Trends Biotechnol. 8 (1990), 340-344)、Niebel等(Curr. Top. Microbiol.
Immunol. 197 (1995), 91-103)、Flavell等(Curr. Top. Microbiol. Immunol
. 197 (1995), 43-46)、PalaquiとVaucheret(Plant. Mol. Biol. 29 (1995),
149-159)、Vaucheret等(Mol. Gen. Genet. 248 (1995), 311-317)、de Borne
等(Mol. Gen. Genet. 243 (1994), 613-621)および他の出典に記載されている
【0032】 形質転換植物において、デンプン生合成に伴う複数の酵素の合成を阻害するた
めに、アンチセンスの無機で、適するプロモーターの制御下に関連する酵素をコ
ードする複数の領域を同時に包含するDNA分子を形質転換に使用することが可
能である。各配列はそれ自体のプロモーターの制御下にあるか、または配列は融
合体として連結プロモーターにより転写させて、問題のタンパク質の合成およそ
同じにまたは異なる程度まで阻害することができる。そのようなコンストラクト
に使用される個々のコーディング領域の長さについて、既に上記したアンチセン
スコンストラクトの作成についてのものはここにも適用される。主に、そのよう
なDNA分子のプロモーターから開始される転写されたアンチセンス断片につい
ての上限はない。しかし、生じた転写物は原則として25kbの長さ、好ましく
は15kbの長さを超えることはない。 本発明の核酸分子は、植物細胞の形質転換および複数の酵素の合成の阻害を可
能にする。
【0033】 さらに、本発明の核酸分子は、1つ以上のデンプン生合成遺伝子について欠失
または欠損した伝統的な突然変異体(ShannonとGarwood, 1984, in Whistler, B
eMiller and Paschall, Starch: Chemistry and Technology, Academic Press,
London, 2nd Edition: 25-86)に導入することができる。これらの欠損は、例え
ば次のタンパク質に関する:顆粒結合デンプン合成酵素(GBSS I)および
可溶性デンプン合成酵素(SSS I、II、IIIおよびIV)、分枝酵素(BE I
、llaおよびllb)、脱分枝酵素(R−酵素、イソアミラーゼ、プルラナーゼ)、
不均化酵素、プラスチドデンプンホスホリラーゼ。
【0034】 故に、本発明は、本発明の核酸分子またはベクターを用いて形質転換した、本
発明の方法により入手可能なトランスジェニック植物およびこの方法にて形質転
換した細胞に由来するトランスジェニック植物細胞に関する。本発明の細胞は本
発明の核酸分子を含有し、これは植物細胞における転写させる制御性DNAエレ
メント、特にプロモーターに連結するのが好ましい。本発明の細胞は、特にこれ
らの細胞が天然に生じることのない本発明の核酸分子を含有すること、またはの
方法では生じることのない、そのような分子が、細胞のゲノムに組み込まれて存
在していること、即ち異なるゲノム環境であることによって、天然に生じる植物
細胞とは区別することができる。さらに、本発明のトランスジェニック植物細胞
は、適する場合にはその細胞において天然に生じるそのような分子のコピーに加
えて、これらがゲノムに安定的に組み込まれた本発明の核酸分子の少なくとも1
コピーを含有していることによって、天然に生じる植物細胞とは区別することが
できる。細胞に導入する核酸分子が、その細胞に既に天然に生じる分子の付加的
コピーである場合、本発明の植物細胞は、特にこの付加的コピーが天然には生じ
ることのないゲノムの位置に局在していることによって、天然に生じる植物細胞
とは区別することができる。これは、例えばサザンブロット分析によりチェック
することができる。
【0035】 本発明の好ましい植物細胞は、デンプン代謝にともなう個々の酵素の活性が少
なくとも10%、特に好ましくは少なくとも30%、非常に好ましくは少なくと
も50%増加または低下した植物細胞である。 さらに本発明の植物細胞は、このましくは次の特徴:導入された本発明の核酸
分子が植物細胞に関して異質性の場合、トランスジェニック植物細胞は、導入さ
れた本発明の核酸分子の転写物を示すことの少なくとも1つによって天然に生じ
る植物細胞とは区別される。これは、例えばノーザンブロット分析により検出す
ることができる。例えば、本発明の植物細胞は、導入された本発明の核酸分子に
よりコードされる1つ以上のタンパク質を含有する。これは、例えば免疫学的方
法、特にウェスタンブロット分析により検出することができる。
【0036】 導入された本発明の核酸分子植物細胞に関して相同性の場合、本発明の細胞は
、例えば本発明の核酸分子の付加的発現に基づいて天然に生じる細胞とは区別す
ることができる。例えば、トランスジェニック植物細胞は、より多いまたはより
少ない本発明の核酸分子の転写物を含有する。これは、例えばノーザンブロット
分析により検出することができる。本明細書において「より多い」または「より
少ない」は、対応する未形質転換細胞より転写物が少なくとも10%、特に好ま
しくは少なくとも30%、非常に好ましくは少なくとも50%多いまたは少ない
ことを意味する。さらに細胞は、本発明のタンパク質含量において相当する増加
および減少(それぞれ少なくとも10%、20%または50%)を示す。トラン
スジェニック植物細胞は、当業者に知られた技術によって完全な植物に再生させ
ることができる。
【0037】 本発明のトランスジェニック植物細胞を再生させることにより入手可能は植物
および本発明の植物細胞から完全な植物に再生させることによりトランスジェニ
ック植物を作成する方法もまた本発明の要件である。本発明の別の要件は、本発
明のトランスジェニック植物細胞を含有する植物である。主にトランスジェニッ
ク植物は、任意の種の植物、即ち単子葉植物ばかりでなく双子葉植物とすること
ができる。植物は、有用な植物、即ち栄養の目的または技術、主に産業の目的で
栽培される植物であるのが好ましい。これらは、デンプン貯蔵性植物、例えば穀
物(ライ麦、大麦、麦、トウモロコシ、小麦、サトウモロコシ、ミッレト、サゴ
)、米、エンドウ豆、マーローファット、カサバ、ジャガイモ、トマト、菜種、
大豆、大麻、亜麻、ヒマワリ、カウピー、ヤエナリ、豆、バナナまたはアロール
ートなどである。
【0038】 本発明はまた、本発明の植物の増殖用材料、例えば果実、種子、塊茎、根茎、
植種、挿し木、カリ[calli]、プロトプラスト、細胞培養物などに関する。 デンプン代謝にともなう酵素の酵素活性を変えることは、本発明の方法により
作成される植物中において、改質した構造を有するデンプンの合成が生じる。 多数のクローニングベクターが高等植物中への外来遺伝子の導入の調製に適し
ており、ベクターはE. coliにおける複製シグナルおよび形質転換した細菌細胞
の選択のためのマーカー遺伝子を含有する。そのようなベクターの例は、pBR
322、pUCシリーズ、M13mpシリーズ、pACYC184などである。
所望の配列は、適する制限酵素切断部位においてベクターに導入することができ
る。生じるプラスミドは、E. coli細胞の形質転換に用いる。形質転換したE. co
li細胞は適する培地中で培養し、集菌し、次いで溶解させる。プラスミドを回収
する。得られたプラスミドDNAを特徴づける方法は、一般的には制限酵素分析
、ゲル電気泳動、並びに他の生化学的および分子生物学的方法である(Sambrook
等、既に引用)。各操作後、プラスミドDNAは切断し、得られたDNA断片を
他のDNA配列に連結することができる。各プラスミドDNAは、同じまたは他
のプラスミド中にクローン化することができる。
【0039】 植物宿主細胞にDNAを導入するために多くの技術が利用可能である。これら
の技術には、形質転換の手法としてのAgrobacterium tumefaciensまたはAgrobac
terium rhizogenesを使用するT−DNAを用いた植物細胞の形質転換、ポリエ
チレングリコール(PEG)によるプロトプラストの融合、インジェジェクショ
ン、DNAエレクトロポレーション、biolistic法または他の可能性によるDN
Aの導入が包含される。 植物細胞中へのDNAのインジェクションおよびエレクトロポレーションには
、使用するプラスミドまたはDNA自体に特別な特徴は必要ない。単純なプラス
ミド、例えばpUC誘導体などを使用することができる。しかし、そのような形
質転換細胞から完全な植物体を再生させるのであれば、選択可能なマーカー遺伝
子の存在が必要とされる。
【0040】 所望するDNAを植物細胞に導入する方法次第では、別のDNA配列が必要と
される。例えば、TiまたはRiプラスミドを植物細胞の形質転換に使用する場
合、TiまたはRiプラスミドT−DNAの少なくとも右側ボーダー、しばしば
左右のボーダーをフランキング領域として導入すべき遺伝子に連結しなければな
らない。アグロバクテリアを形質転換に使用する場合、導入するDNAは特別な
プラスミド、インターメディエイトベクターまたはバイナリーベクターのいずれ
かにクローン化しなければならない。インターメディエイトベクターは、T−D
NAにおける配列と相同な配列による相同組換えによって、アグロバクテリアT
iまたはRiプラスミド中に組み込むことができる。前者はまた、T−DNA導
入に必要なvir領域を含むが、インターメディエイトベクターはアグロバクテ
リア中では複製することができない。インターメディエイトベクターは、ヘルパ
ープラスミド(接合性)によってAgrobacterium tumefaciensに導入される。バ
イナリーベクターは、E. coliおよびアグロバクテリア中で複製が可能である。
これらは、選択マーカー遺伝子および左右のT−DNAボーダー領域により構成
されるリンカーまたはポリリンカーを含む。これらは、アグロバクテリアを直接
形質転換することができる(Holsters等 (1978) Mol. Gen. Genet. 163: 181-18
7)。宿主細胞として働くアグロバクテリアはvir領域を有するプラスミドを
含有しており、vir領域は植物細胞中にT−DNAを導入するために必要であ
る。追加的にT−DNAを存在させることができる。この方法で形質転換したア
グロバクテリアは、植物細胞の形質転換に用いられる。 植物細胞の形質転換へのT−DNAの使用は既に集中的に研究されており、EP 120516; Hoekema, The Binary Plant Vector System Offsetdrukkerij Kanters B.V., Alblasserdam (1985), Chapter V; Fraley等、Crit. Rev. Plant. Sci., 4: 1-46 および An等 (1985) EMBO J. 4: 277-287に記載されている。
【0041】 DNAを植物細胞に導入するために、植物移植片はAgrobacterium tumefacien
sまたはAgrobacterium rhizogenesと共培養するのが好都合である。次に完全は
植物体は、形質転換細胞を選択するための抗生物質または殺菌剤を含有しうる、
適する培地中の感染植物材(例えば、葉の断片、幹断片、根、さらにプロトプラ
スト、または懸濁培養において増殖した植物細胞)から再生させることができる
。生じた植物は次いで導入したDNAの存在につき試験することができる。バイ
オリスティックな方法を使用するまたはプロトプラスト形質転換による外来DN
Aを導入する他の可能性は知られている(例えば、Willmitzer, L, 1993 Transg
enic plants. In: Biotechnology, A Multi-Volume Comprehensive Treatise (H
.J. Rehm, G. Reed, A. Puhler, P. Stadler, eds.). Vol. 2, 627-659, VCH We
inheim-New York-Basle-Cambridgeを参照)。
【0042】 Tiプラスミドベクター系を介してのAgrobacterium tumefaciensを用いた双
子葉植物の形質転換が確立されているが、より最近の研究は単子葉植物もアグロ
バクテリアに基づくベクターにより形質転換に利用しうることを示唆している(
Chan等、Plant Mol. Biol. 22 (1993), 491-506; Hiei et al., Plant J. 6 (19
94), 271-282)。 また、単子葉植物の形質転換系は、バイオリスティック法による形質転換、プ
ロトプラスト形質転換、部分的浸透性細胞のエレクトロポレーションおよびグラ
スファイバーによるDNA導入である。 具体的に、別の方法がトウモロコシの形質転換についての文献に記載されてい
る(例えばWO 95/06128、EP 0 513 849、EP 0 465 875を参照)。EP 292 435は
、粘液不含で、もろく顆粒状のトウモロコシのカルスから出発して稔性植物を得
ることができる方法を記載している。この文献において、Shillito等(Bio/Tec
hnology 7 (1989), 581)は、稔性植物の再生能には植物再生能を有する分裂プ
ロトプラスト培養物を作成しうるカルス懸濁培養から出発することが必要である
旨述べている。7〜8ヶ月のインビトロ培養期間の後に、Shillito等は、生存可
能な子孫を有するが、しかし形態学的および繁殖性について異常を有する植物を
得ている。PrioliとSondahl(Bio/Technology 7 (1989), 589)はまた、トウモ
ロコシのプロトプラストから稔性植物を再生し、これを得ることを記載している
【0043】 導入されたDNAが植物細胞のゲノムに一度組み込まれれば、原則としてこれ
はそこで安定であり、元の形質転換細胞の子孫においても保持される。通常これ
は、形質転換した植物細胞に殺菌剤またはカナマイシン、G 418、ブレオマ
イシン、ヒグロマイシンまたはホスフィノトリシン[phosphinotricin]などの
抗生物質に対する耐性を付与する選択マーカーを含む。故に、選択される個々の
マーカーは、導入されたDNAを欠失している細胞から形質転換細胞を選択する
ことを可能にする。 植物内において、形質転換細胞は通常の方法で増殖する(McCormick等、(1986
) Plant Cell Reports 5:81-84を参照)。生じた植物は正常に生長し、同じ形
質転換した生殖細胞または他の生殖細胞とハイブリッドを形成する。生じたハイ
ブリッドは、対応する表現系を有する。 2世代以上増殖して、表現系を安定に保持させ、そして遺伝させる。また、種
子を播種して、問題の表現系または他の特徴を保持させる。
【0044】 本発明の別の要件は、本発明の植物細胞、本発明の植物、本発明の植物の部分
または本発明の生殖体を加工または方法に組み入れる、それ自体知られた方法に
おけるデンプンの生産方法である。 植物または植物のデンプン所蔵部分からデンプンを抽出する方法は、当業者に
知られている。トウモロコシの穀粒からデンプンを抽出する方法は、例えばEckh
off等(Cereal Chem. 73 (1996) 54-57)により記載されている。原則として、
産業規模におけるトウモロコシデンプンの抽出は、湿潤ミルにより実施される。
さらに、種々のデンプン貯蔵植物からデンプンを抽出する方法は、例えば「デン
プン:化学および技術(Whistler, BeMillerおよびPaschall編:2nd Edition, A
cademic Press Inc. London Ltd; ISBN 0-12-746270-8; 例えばChapter XII, pa
ges 412-468を参照:トウモロコシおよびサトウモロコシ:生産:Watson著; Cha
pter XIII, pages 469-479:タピオカ、アロールートおよびサゴのデンプン:
生産:Corbishley とMiller著; Chapter XIV, pages 479-490:ジャガイモデン
プン:生産と使用;Mitch著;Chapter XV, pages 491 to 506:小麦デンプン:
生産、改質および使用:KnightとOson著;Chapter XVI, pages 507-528:米デン
プン:生産と使用;RohmerとKiem著)」に記載されている。植物体からデンプン
を抽出する方法において通常使用される装置は、分離器、デカンター、ヒドロサ
イクロン、スプレー乾燥機および凍結床乾燥機である。
【0045】 本発明の核酸分子が発現するために、本発明のトランスジェニック植物細胞お
よび植物は、野生型植物において合成されるデンプンと比較して、例えば物理化
学的特性について改質されているデンプンを合成する。 本発明の別の要件は、本発明の植物細胞、本発明の植物、本発明の増殖用材料
および本発明の方法から得られるデンプンである。 本発明の別の態様には、飲食物、包装材料または使い捨て製品を製造するため
の産業における本発明のデンプンの使用が包含される。 本発明のデンプンは、当業者に知られた方法により改質することができ、未改
質または改質された形態において、食物部門または非食物部門における種々の用
途に適する。
【0046】 主に、本発明のデンプンの使用は、2つの重要な部門に分けられる。1つの部
門はデンプンの加水分解物、酵素的または化学的方法により得られる主にグルコ
ースおよびグルコース単位である。これらは、他の化学改質および発酵などの加
工の出発物質として使用される。ここで重要なものは加水分解法の簡易性および
費用のかからない設計であり、これは本質的にアミログルコシダーゼを酵素的に
使用して現在実施されている。実施可能なものは、より少ない酵素を使用するこ
とによる財政上の節約である。これは、デンプンの構造を変えること、例えば粒
子の表面積を増加させること、分枝度を低くして分解性をよくすることまたは使
用する酵素の接触性を制限する立体構造により引き起こされる。
【0047】 本発明のデンプンをその重合構造のためにいわゆる生のデンプンとして使用し
うる他の部門は、さらに2つの用途に分けられる: 1. 飲食物産業 デンプンは、非常に多くの飲食物に対する伝統的な添加物であり、その機能は
本質的に水性添加物に結合すること、粘度を上昇させることまたはゲル度を上昇
させることである。重要な特徴は、粘弾性、吸着特性、膠化温度、粘度、増粘能
、溶解性、透明性、ゲル構造、熱安定性、剪断安定性、酸に対する安定性、劣化
する傾向、フィルム形成性、凍解安定性、消化性、および例えば無機または勇気
イオンとの複合体形成性である。
【0048】 2. 非飲食物産業 重要な部門において、デンプンは助剤として種々の製造法にまたは添加剤とし
て産業製品に使用されている。助剤としてデンプンを使用する場合、特に紙およ
びボード産業を述べなくてはならない。デンプンは主に阻止目的に(支持固体)
、結合重点粒子および微粒子、補強剤としておよび感想のために作用する。さら
に、剛度、強度、音、手触り、光沢、滑らかさ、結合強度および表面についての
デンプンの有益な特徴が応用される。
【0049】 2.1. 紙および板紙産業 紙の製造方法内には、4つの分野の用途に分けられる:即ち表面、コーティン
グ、貯蔵および噴霧である。消耗の80%について、表面デンプンが最も多い量
のためであり、8%がコーティングデンプンとして7%がストックデンプンとし
て、および5%がスプレー用デンプンとして使用される。 表面処理についてデンプンに要求されることは、本質的に高い白色性、適合す
る粘度、高い安定な粘度、良好なフィルム形成性および低い粉塵形成性である。
コーティングに使用する場合、固体含量、適合する粘度、高い結合能おおび高い
含量親和性が重要な役割を果たす。添加剤として使用する場合の重要なことは、
紙繊維中における迅速で、均一、ロスのない分布、高い機械強度および完全な保
存性である。デンプンをスプレー部門に使用する場合、また適合する固体含量、
高い粘度および高い結合能が重要である。
【0050】 2.2. 接着剤産業 デンプンの用途の重要な分野は接着剤産業であり、潜在的な用途は4つのサブ
部門に分けられる:純粋なデンプンペーストとしての使用、特別な化学物質で処
理したデンプンペーストにおける使用、合成樹脂またはポリマー分散体に対する
添加剤としてのデンプンの使用、および合成接着剤に対する増量剤としてのデン
プンの使用である。デンプンを基材とする接着剤の90%が、段ボールの製造部
門、ペーパーサックおよびバックの製造部門、紙およびアルミニウムに対する複
合材料の製造部門、ボックスボードおよび封筒、切手などに対する糊付け接着剤
の製造部門において使用される。
【0051】 2.3. 織物および織物保護製品産業 助剤および添加剤としてのデンプンの用途の重要な分野は織物および織物保護
製品の製造部門である。次の4つの用途分野は織物産業内で区別される: 糊付け剤としてのデンプンの使用、即ち滑らかにし、そして縫製時にかかる張力
からの保護材としてバーリング作用を強くするためおよび縫製時の摩擦に対する
抵抗性を高めるための助剤としての使用、織物仕上げ剤として、特に品質を低下
させる前処理、例えば漂白、乾燥などの後の仕上げ剤としてのデンプンの使用、
浸出を抑制するための含量ペーストの製造における濃厚剤としてのデンプンの使
用、並びに縫製のためのチェーン剤に対する添加剤としてのデンプンの使用であ
る。
【0052】 2.4. 建設材料産業 建設材料におけるデンプンの使用には4つの用途分野がある。例は、石膏しっ
くいボードの製造であり、石膏スラリーに混合したデンプンを水と糊化させ、し
っくいのコアの表面に拡散させて、これがボードとコアを結合させる。用途の他
の分野は、レンダリングおよび鉱物繊維への混合剤である。レデーミックス・コ
ンクリートの場合、デンプン製品は結合を遅延させるために使用される。 2.5. 土質安定化 デンプン製品の限られた市場が、地質を人工的に乱す場合に水からの地質粒子
の一時的保護のために使用される土質安定剤の製造である。現在の認識によれば
、デンプンとポリマーエマルジョンの組合せの製品は浸食および硬化低減作用に
ついて既に使用されている製品と同じであるが、費用が顕著に少なくて済む。
【0053】 2.6. 作物保護製品および肥料 デンプンを使用する1つの用途の分野は、製品の特別な特性を変化させるため
の作物保護製品にける使用である。故に、デンプンは作物保護製品および肥料の
湿潤性を向上させるため活性成分の放出を制御するため、液体活性成分、揮発性
活性成分および/または悪臭を有する活性成分を微結晶、安定性、形成性物質に
変換するため、不適合化合物を混合するため、並びに分解を減少させることによ
る作用の持続時間を延長させるために使用される。
【0054】 2.7. 医薬、医学および化粧品産業 別の分野の用途は、医薬、医学および化粧品産業の部門である。医薬産業にお
いて、デンプンは錠剤の結合剤またはカプセル中の結合材を希釈するために使用
される。さらに、デンプンは飲み込んだ後に液体を吸収し、活性成分を放出する
様な程度まで短時間に膨張するため、デンプンは錠剤崩壊剤として使用される。
医学的潤滑粉末および創傷粉末は質の理由からデンプンを基材とする。化粧品部
門において、デンプンは、例えば香料およびサリチル酸などの粉末添加剤のキャ
リヤーとして使用される。デンプンの比較的広い分野の用途が歯磨き粉である。
【0055】 2.8. 炭および練炭へのデンプンの添加 炭および練炭への添加剤としてのデンプンの用途の分野がある。デンプンの添
加すると、炭は多い量で凝集するか練炭化し、故に練炭が速く崩壊するのを防止
することができる。バーベキュー用炭の場合にはデンプンの添加量は4〜6%で
あり、カロライジングした炭の場合は0.1〜0.5%である。さらに、デンプン
を炭または練炭に添加した場合には有害物質の放出を顕著に減少させるために、
デンプンは結合剤として重要性を与える。 2.9. 鉱石スリックおよび石炭スリック加工 さらにデンプンは、凝集剤として鉱石スリックおよび石炭スリック加工に使用
することができる。
【0056】 2.10. 鋳物助剤 別の用途分野は、鋳物助剤としての添加剤である。種々の鋳物加工には結合剤
で処理した砂で作られたコアを必要とする。今日主に使用されている結合剤は、
改質デンプン、多くの場合膨張性デンプンで処理したベントナイトである。 デンプンを添加するためには、流動性を上昇させて結合力を向上させる。加え
て、膨張性デンプンは、例えば冷水分散可能で、再水和可能で、用意に砂と混和
して、高い水結合能を有するなど、生産工学の要求を満たす。
【0057】 2.11. ゴム産業における使用 ゴム産業において、デンプンは技術的および視覚的質の向上のために使用され
る。表面クラスターの向上、手触りおよび外観の向上が理由であり、このためデ
ンプンは冷却硬化の前にゴム剤の粘着性のゴム化した表面を散乱させ、またゴム
の印刷適性を向上させる。 2.12. 革代用品の製造[leather substitutes] 改質デンプンは、さらに革代用品の製造のために販売される。 2.13. 合成ポリマー中におけるデンプン ポリマー部門において、次の用途分野が考えられる:加工法におけるデンプン
分解産物の混入(デンプンは充填材であり、合成ポリマーとデンプンとは直接結
合しない)、またはポリマーの製造におけるデンプン分解産物の混入(デンプン
とポリマーは安定な結合を形成する)である。
【0058】 純粋に充填材としてのデンプンの使用は、他タルクなどの物質と比較して競合
しない。しかし、デンプンの特別な特性が影響を与え、故に最終製品の特徴のス
ペクトルを顕著に変える場合はこれは異なる。この例は、ポリエチレンなどの熱
可塑性樹脂の加工におけるデンプン産物の使用である。ここで、デンプンと合成
ポリマーは、1:1の比で同時発現することで混合され、マスターバッチを与え
、慣用されるか高技術を用いてこれから種々の製品が粒状ポリエチレンと一緒に
製造される。ポリエチレンフィルム中にデンプンを組み込むことにより、中空体
の場合には物質の透過性が高まり、水蒸気の透過性が向上し、帯電防止作用が向
上し、粘着防止作用が向上し、そして水性インクの印刷適性が向上され得る。現
在の欠点は、透明性が不十分なこと、引張り強さの低下および弾性の低下に関す
る。
【0059】 他の可能性は、ポリウレタンフォームにおけるデンプンの使用である。デンプ
ン誘導体を適合させ、加工工学を至適化することにより、合成ポリマーとデンプ
ンのヒドロキシル基との直接的な様式における反応を制御することが可能である
。これは、デンプンの使用により次の特性のスペクトルを有するポリウレタンフ
ィルムをもたらす:熱膨張率の低下、収縮作用の低下、圧力伸張の向上、水の取
り込みを変えずに水蒸気の透過性を増加させること、可燃性の低下および根本的
な抗張力の低下、可燃性部分のドロップ形成がないこと、ハロゲンを含まないこ
と、並びに経時変化の低下である。いまだ存在する欠点は、印刷適性の減少およ
び衝撃力の低下である。 製品開発は、いまやフィルムだけに限定されない。パット、スラブおよび皿な
ど50%以上のデンプン含量の固体ポリマー製品もまた製造することができる。
さらに、デンプン/ポリマー混合物は、その生物分解性が高いことから有益であ
ると考えられる。
【0060】 デンプングラフトポリマーは、その非常に高い水結合能のために極めて重要と
なっている。これらは、デンプンバックボーンと合成モノマーの側鎖を有する製
造物であり、主にフリーラジカル鎖の機構を用いてグラフトされる。現在入手可
能なデンプングラフトポリマーは、高い粘度と組み合わせて、デンプン1gあた
り水1000gまでのよりよい結合および保持能により区別される。これらの超
吸収剤への用途分野は、近年大きく広がり、衛生部門ではおむつおよびパッド製
品、農業部門では例えば種子のコーティングである。 新規な、遺伝子工学により改質されたデンプンの用途ための確固たるものは、
一方では構造、含水量、タンパク質含量、脂質含量、繊維含量、灰/リン酸含量
、アミロース・アミロペクチンの比、分子量分布、分枝度、顆粒サイズ、顆粒の
形状および結晶化であり、他方では次の特性:粘弾性、吸着特性、膠化温度、粘
度、増粘力、溶解性、ゲル構造、透明性、熱安定性、剪断安定性、酸に対する安
定性、劣化する傾向、ゲル化、凍解安定性、複合体形成性、ヨウ素結合性、フィ
ルム形成性、接着力、酵素安定性、消化力および反応性に影響するという特徴で
ある。
【0061】 組換え法により改質したデンプンの生産は、一方では、化学的または物理的は
変化による他の改質をもはや必要としないように、例えば植物由来のデンプンの
特性を変えることができる。他方では、組換え法により改質したデンプンはさら
に化学改質してもよく、これは上述の用途分野の一部においてさらなる改善をも
たらす。これらの化学的改質は主に知られている。これらは特に、温度および圧
力処理、有機酸または無機酸での処理、酵素的処理、酸化またはエステル化であ
り、例えばリン酸デンプン、硝酸デンプン、硫酸デンプン、キサントゲン酸デン
プン、酢酸デンプンおよびクエン酸デンプンの生成をもたらす。さらに、強酸の
存在下に一価または多価アルコールを用いてデンプンエーテルを製造し、デンプ
ンアルキルエーテル、O−アリールエーテル、ヒドロキシアルキルエーテル、O
−カルボキシメチルエーテル、N−含有デンプンエーテル、P−含有デンプンエ
ーテル、S−含有デンプンエーテル、架橋デンプンまたはデンプングラフトポリ
マーを得ることができる。
【0062】 本発明でデンプンの使用は、産業用途、特に飲食物または包装材および使い捨
て製品の製造である。 実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない
。 使用した略語: BE 分枝酵素 bp 塩基対 IPTG イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド SS 可溶性デンプン合成酵素 PMSF フェニルメチルスルホニルフロオリド
【0063】 実施例にて用いた培地および溶液: Media and solutions used in the examples: 20×SSC 175.3g NaCl 88.2g クエン酸ナトリウム 2回蒸留したH2Oで1000mlに 10N NaOHでpH7.0に調整 緩衝液A 50mM Tris-HCl pH8.0 2.5mM DTT 2mM EDTA 0.4mM PMSF 10%グリセロール 0.1%亜ジチオン酸ナトリウム 緩衝液B 50mM Tris−HCl pH7.6 2.5mM DTT 2mM EDTA 緩衝液C 0.5M クエン酸ナトリウム pH7.6 50mM Tris−HCl pH7.6 2.5mM DTT 2mM EDTA 10×TBS 0.2M Tris−HCl pH7.5 5.0M NaCl 10×TBST 10×TBS 0.1%(v/v)Tween 20 溶出緩衝液 25mM Tris pH8.3 250mM グリシン 透析緩衝液 50mM Tris−HCl pH7.0 50mM NaCl 2mM EDTA 14.7mM β−メルカプトエタノール 0.5mM PMSF タンパク質緩衝液 50mM リン酸ナトリウム緩衝液 pH7.2 lOmM EDTA 0.5mM PMSF 14.7mM β−メルカプトエタノール
【0064】 次の方法を実施例において使用した: 1. クローニング法 ベクター・ブルースクリプトII SK(Stratagene)をE. coliへのクローニング
に用いた。 植物の形質転換に、遺伝子コンストラクトをバイナリーベクターpBinAR Hyg(
Hofgen & Willmitzer, 1990, Plant Sci. 66:221-230)およびpBinB33-Hygにク
ローン化した。 2. 細菌株およびプラスミド E. coli株DH 5α(Bethesda Research Laboratories, Gaithersburgh, USA
)をブルースクリプトベクターpBluescript II KS(Stratagene)、そしてpBinA
R HygとpBinB 33 Hygコンストラクトに使用した。E. coli株XU-Blueはインビボ
排除[exclusion] に用いた。
【0065】 pBinAR プラスミドpBinARは、バイナリーベクタープラスミドpBin 19(Bevan, 1984,
Nucl. Acid Res. 12: 8711-8721)の誘導体であり、次のように構築された:カ
リフラワーモザイクウィルスの35 Sプロモーターの6909〜7437ヌクレオチドを含
む529 bpの断片を、プラスミドpDH 51からEcoR I/Kpn I断片として単離(Pietr
zak等、1986)して、pUC 18のポリリンカーのEcoR IとKpn I開裂部位間に連結し
て、プラスミドpUC 18-35 Sとした。制限エンドクヌクレアーゼHind IIIおよび
Pvu IIを用いて、プラスミドpAGV 40(Herrera-Estrella等、1983)からTi−
プラスミド(Gielen等、1984, EMBO J.:835-846)のDNA(11749〜11939ヌク
レオチド)を含む192bpの断片を単離した。Sph Iポリリンカーを用いてPvu
II制限酵素部位を導入した後、断片をpUC 18-35 SのSpH IおよびHind III制限
酵素部位間に連結し、これをプラスミドpA7とした。さらに、35Sプロモー
ターおよびocsターミネーターを含む全ポリリンカーはEcoR IとHind IIIを用
いて切り出し、適切に開裂させたpBin 19中に連結した。これは、植物発現ベク
ターpBinARを生み出した(HofgenとWillmitzer、1990)。
【0066】 pBinB 33 Solanum tuberosum patatinのB33遺伝子のプロモーター(Rocha-Sosa等、1989
)をDral断片(-1512〜+14ヌクレオチド)として、SstIで開裂させ、T4−DN
Aポリメラーゼを用いて平滑末端にしたベクターpUC 19に連結した。これにより
プラスミドpUC19-B33が得られた。B33プロモーターは、EcoR IとSma Iを用いて
このプラスミドから切り出され、適切に開裂させたベクターpBinARに連結した。
これにより植物発現ベクターpBinB33が得られた。 pBinAR-Hyg プラスミドpA7(ベクターpBinARの記載を参照)から出発して、35Sプロモ
ーターを含むEcoR I-Hind III断片、ocsターミネーターおよび35Sプロモータ
ーとocsターミネーターの間に位置するポリリンカーの部分を、適切に開裂さ
せたプラスミドpBin-Hygに導入した。 pBinB33-Hyg プラスミドpBinB33から出発して、B33プロモーター、ポリリンカーの部分、お
よびocsターミネーターを含むEcoR I-Hind III断片を切り出し、適切に開裂
させたベクターpBin-Hyg中に連結した。これにより植物発現ベクターpBinB33-Hy
gが得られた。
【0067】 3. Agrobacterium tumefaciensの形質転換 DNAは、Hofgen & Willmitzerの方法(1988, Nucleic Acids Res. 16: 9877
)を用いる直接形質転換により導入した。形質転換したアグロバクテリアのプラ
スミドDNAは、Birnboim & Dolyの方法(1979, Nucleic Acids Res. 7: 1513-
1523)を用いて単離し、適切な制限酵素で開裂させ、次いでゲル電気泳動により
分析した。
【0068】 4. ジャガイモの形質転換 ジャガイモ植物体中へのプラスミドの形質転換(Solanum tuberosum Lev. Des
iree, Vereinigte Saatzuchten eG, Ebstorf)は、Agrobacterium tumefaciens
株(Dietze等 (1995) in Gene Transfer to Plants, pp. 24-29, eds.;Potryku
s, I. とSpangenberg, G., Springer Veriag, Deblaere等、1985, Nucl. Acids
Res. 13: 4777-4788)を用いて実施した。 メスで乱切した無菌のジャガイモ培養体の小さな葉10枚は、2%ショ糖を補
足し、そして選択条件下で一晩培養して増殖させた50mlのAgrobacterium tume
faciensを含む、10mlのMS培地(Murashige&Skoog (1962) Physiol. Plant.
15: 473)に移した。培養液を3〜5分間穏やかに震揺した後、2日以上暗室に
おいてインキュベートした。カルスを誘導した後、次に1.6%グルコース、5m
g/mlナフチル酢酸、0.2mg/mlベンジルアミノプリン、250mg/mlクラホラ
ン[claforan]、50mg/mlカナマイシンおよび0.8%バクトアガーを補足し
たMS培地に葉を移した。葉を25℃そして3000Luxにて1週間インキュ
ベートした後、1.6%グルコース、1.4mg/mlゼアチンリポーズ、20mg/ml
ナフチル酢酸、20mg/mlジベレリン酸、250mg/mlクラホラン、50mg/ml
カナマイシンおよび0.8%バクトアガーを補足したMS培地にこれらを移し、
茎を誘導した。
【0069】 5. 植物培養のレジュメ ジャガイモ植物は、次の条件下で温室においた: 明時間 16時間、25,000 Luxおよび22℃にて 暗時間 8時間、15℃にて 大気湿度 60%
【0070】 6. DNA断片の放射線標識 DNA断片は、Boehringer Mannheim社製(ドイツ国)のDNAランダムプライ
マーラベリングキットを用いてその製品説明に従って放射線標識した。 7. デンプン合成酵素活性の測定 デンプン合成酵素活性の測定は、Denyer & Smith, 1992, Planta 186:609-617
に記載されるように、ADP[14Cグルコース]からメタノール/KClに不溶
性の産物中への14Cグルコースの取り込みを測定することにより行った。
【0071】 8. 未変性ゲル中における可溶性デンプン合成酵素の検出 未変性ゲル電気泳動により可溶性デンプン合成酵素の活性を検出するために、
ジャガイモ塊茎の組織試料は50mM Tris−HCl pH7.6、2mM DTT
、2.5mM EDTA、10%グリセロールおよび0.4mM PMSF中にて加水分
解した。ゲル電気泳動は、MiniProtean IIチャンバー(BioRAD)にて実施した。
1.5mm厚のゲルのモノマー濃度は7.5%(w/v)であり、25mM Tris
−グリシンpH8.4をゲル緩衝液および泳動緩衝液として用いた。等量のタン
パク質抽出物を適用し、ゲル当たり10mAにて2時間分離させた。 次いで活性ゲルは、50mMトリシン−NaOH pH8.5、25mM酢酸カリウ
ム、2mM EDTA、2mM DTT、1mM ADP−グルコース、0.1%(w/v
)アミロペクチンおよび0.5Mクエン酸ナトリウム中でインキュベートした。
生成したグルカンをLugol溶液で染色した。
【0072】 9. デンプン分析 トランスジェニックジャガイモ植物により生成したデンプンは次の方法により
特徴付けした: a) ジャガイモ植物からのデンプン中のアミロース/アミロペクチン比の測定 デンプンは標準的方法によりジャガイモ植物から単離し、アミロース:アミロ
ペクチンの比は、Hovenkamp-Hermelink等(Potato Research 31 (1988) 241-246
)に記載の方法により測定した。 b) リン酸含量の測定 ジャガイモデンプン中において、あるグルコース単位はC2、C3およびC6
位の炭素原子にてリン酸化されうる。グルコースのC6位におけるリン酸化度を
測定するために、100mgのデンプンを1mlの0.7M HCl(Nielsen等 (199
4) Plant Physiol. 105: 111-117)中で4時間、95℃にて加水分解した。次い
で0.7M KOHで中和し、50mlの加水分解物を可視化酵素試験に供してグル
コース−6−リン酸を測定した。試験バッチ(100Mイミダゾール/HCl;
10M MgCl2;0.4M NAD;2単位のLeuconostoc mesteroidesのグル
コース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ:30℃)の吸収における変化を334nm
にて観察した。 全リン酸は、Ames, 1996, Methods in Enzymology VIII, 115-118に記載され
るように測定した。
【0073】 c) アミロペクチン側鎖の分析 デンプン試料中の側鎖の分布および長さを分析するため、1mlの0.1%デン
プン溶液は、100mMクエン酸ナトリウム緩衝液,pH3.5中において0.4U
のイソアミラーゼ(Megazyme International Ireland Ltd., Bray, Ireland)で
37℃にて一晩消化した。 残りの分析は、特記しない場合、von Tomlinson等、(1997), Plant J. 11:31-
47,に記載されるように実施した。 d) 顆粒サイズの測定 顆粒サイズは、Retsch GmbH社製, Germanyの“Lumosed”光沈降計を用いて測
定した。このため、0.2gのデンプンを約150mlの水に懸濁させ、すぐに測
定した。製造会社により適用されたプログラムは、平均デンプン密度を1.5g
/Lと仮定してデンプン顆粒の平均直径を計算した。
【0074】 e) 膠化特性 デンプンの膠化または粘度特性は、Viscograph E、Brabender oHG社製、ドイ
ツ国または Rapid Visco Analyser, Newport Scientific Pty Ltd., Investment
Support Group, Warriewood NSW 2102、オーストラリアを用いて記録した。Vis
cograph Eを使用する場合、450mlの水中のデンプン30gの懸濁物を次の温
度プログラムに供した:3°/分にて50℃から96℃まで加熱し、30分間維
持し、3°/分にて30℃まで冷却し、再度30℃で維持する。温度特性は、特
徴的な膠化特性を与えた。 Rapid Visco Analysers (RVA)を用いて測定する場合、25mlの水中のデンプ
ン2gを、次の温度プログラムに供した:50℃にて60秒間懸濁し、12°/
分にて50℃から95℃まで加熱し、2.5分間維持し、12°/分にて95℃
から50℃で冷却し、そして再度2分間維持する。RVA温度プロフィールは、
最大粘度および最小粘度と最終粘度との差(セットバック、Set)(表1およ
び図1を参照)を生じた後、最大粘度(Max)、最終粘度(Fin)、膠化温
度、最小粘度(T)についての試験したデンプンのviscosimetricパラメータを
与えた。
【0075】 f) ゲル強度の測定 テキスチャー分析機[Texture Analyser]によりゲル強度を測定するために、
2gのデンプンを25mlの水中に膠化させ(RVA測定を参照)、空気を除去し
てシールした容器中において25℃で14時間貯蔵した。試料は、TA-XT2テキス
チャー分析機(Stable Micro Systems)のプローブ(円形スタンプ)の底面にマ
ウントし、ゲル強度は次のパラメータ設定を用いて測定した: 試験速度 0.5mm 浸透厚 7mm 接触面積(スタンプの) 113mm2 圧力/接触面積 2g
【0076】 10. グルコース、フルクトースおよびショ糖の測定 グルコース、フルクトースおよびショ糖の含量を測定するために、ジャガイモ
の塊茎の小さい塊茎部分(直径約10mm)は液体窒素中で凍結し、0.5mlの1
0mM HEPES、pH7.5;80%(v/v)エタノール中で80℃で30分
間抽出した。可溶性画分を含有する上清を取り出して体積を測定した。上清は、
可溶性の糖の量を測定するために用いた。可溶性のグルコース、フルクトースお
よびショ糖の定量を次の組成のバッチにおいて行った: 100.0mM イミダゾール/HCl、pH6.9 1.5mM MgCl2 0.5mM NADP+ 1.3mM ATP 10〜50μl 試料 1.0U グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ バッチは、室温で5分間インキュベートした。次いで糖は、 1.0単位 酵母ヘキソキナーゼ(グルコースを測定)、 1.0単位 酵母ホスホグルコイソメラーゼ(フルクトースを測定)、およ
び 1.0単位 酵母転化酵素(ショ糖を測定) を連続添加した後に340nmにおける吸光により分光光度計で測定した。
【0077】
【実施例】
実施例1: ジャガイモβ−アミラーゼをコードするcDNA断片の単離 ジャガイモの腫瘍特異的cDNAライブラリー(X ZAP II、Stratagene)の約
6×106プラーク形成単位(pfUs)を、製品説明書(Stratagene)に従っ
てインビボにおいて切り出し、ファージミドのストックをE. coli XL1-MRF細胞
のトランスフェクションに用いた(製品説明書に従った)。プラスミドDNAは
、約5×105のそのようなE. coli形質転換体から調製し(先に引用したSambro
ok等を参照)、そしてこれを用いてエレクトロポレーション法(BioRAD、製品説
明書に従った)によりE. coli株KV 832/pACAGの形質転換した(Abel, G., 1995
, PhD Thesis in the Faculty of Biology of the Technical University of Be
rlin)。
【0078】 KV 832/pACAG形質転換体は、37℃でYT培地(5g/LのNaCl、8g
/Lのトリプトン、5g/Lのイーストエクストラクト)において1%グルコー
スおよび1mM IPTGを用いて培養した。プラスミドpACAGの存在について選択
するために、培地は10mg/Lのクロラムフェニコールを含有した。陽性形質転
換体を選択するために、培地は100mg/Lアンピシリンを含有した。 約14時間増殖させた後、形質転換細胞のコロニーをヨウ素蒸気により染色し
た。顕著に弱く染色したコロニーのプラスミドDNAは、Birnboim & Doly (197
9)に従って調製して、E. coli DH 5αの形質転換に用いた(既に引用のSambroo
k等、1989を参照)。形質転換体のプラスミドDNAを用いてDNAの配列を決
定し、Seq ID No.1として特定した。 この方法で選択したプラスミドは、07.24.98にGerman Collection for Microo
rganisms in Brunswick, FRGにおいてDSM 12348の番号で寄託された。 、そしてCAMV 358プロモーターとocsターミネーターの間にあり、Solanum tu
berosum由来のβ−アミラーゼをコードし、Seq ID No.1として示される約13
00bpの長さのヌクレオチド配列のAsp718/BamH I断片を含有している。
【0079】 実施例2: プラスミドp35SαSS I-Hygの調製 ジャガイモSSS Iをコードする部分的なcDNAを含む1831bpのAsp718/Xba I
断片(Abel, G., (1995) PhD Thesis, Free University of Berlin)は、Asp718
とベクターpBinAR-HygのXba I制限酵素部位の間に、35Sプロモーターに関してア
ンチセンスの向きで挿入した。
【0080】 実施例3: プラスミドp35S-SS I-Kanの調製 ジャガイモSS IIをコードするcDNAを含む2384bpのEcoR I断片(先に引用
のAbel、 1995を参照)は平滑末端にして、予めSmaIで切断したベクターpBinARに
35Sプロモーターに関してセンスの向きで導入した。
【0081】 実施例4: プラスミドp35SαSS II-Kanの調製 ジャガイモのSS IIをコードする部分的なcDNAを含む1959 bpのSma I/Asp
718断片(Abel、 1995、 この中ではGBSS IIと称されている)は平滑末端にして
、予めSma Iで切断したベクターpBinARに35Sプロモーターに関してアンチセンス
の向きで導入した。
【0082】 実施例5: プラスミドpB33-SS II-Hygの調製 ジャガイモのSS IIをコードするcDNAを含む2619 bpのSma I/Sal I断片(
先に引用のAbel、 1995を参照)は、予めSma IとSal Iで切断したベクターpBinB3
3-HygにB33プロモーターに関してセンスの向きで導入した。
【0083】 実施例6: プラスミドp35SαS III-Hygの調製 ジャガイモのSS IIIをコードするcDNAを含む4212bpのAsp 718/Xba I断片
(Abel等、 1996, Plant J. 10(6):981-991)は、Asp 718とベクターpBinAR-Hyg
のXba I制限酵素部位の間に、35Sプロモーターに関してアンチセンスの向きで挿
入した。
【0084】 実施例7: プラスミドp35S-SS III-Kanの調製 ジャガイモのSS IIIをコードするcDNAを含む4191bpのEcoR I断片(先に引
用のAbel等、1996を参照)は平滑末端にして、予めSma Iで切断したベクターpBi
nARに35Sプロモーターに関してアンチセンスの向きで導入した。
【0085】 実施例8: プラスミドpB33αBEαS III-Kanの調製 ジャガイモのBE酵素をコードする部分的なcDNAを含む1650 bpのHind III
断片(Kossmann等、 1991, Mol. & Gen. Genetics 230(1-2): 39-44)は平滑末端
にして、そしてB33プロモーターに関してアンチセンスの向きで、Sma Iで切断し
たpBinB33中に導入した。得られたプラスミドはBamH Iで開環させた。ジャガイ
モのSS III酵素をコードする部分的なcDNAを含む1362bpのBamH I断片(先に
引用のAbel等、 1996を参照)は、B33プロモーターに関してアンチセンスの向き
で再度、この制限酵素部位に導入した。
【0086】 実施例9: プラスミドp35SαSS II-αSS III-Kanの調製 ジャガイモのSS IIをコードする部分的なcDNAを含む1546 bpのEcoR V/Hi
nc II断片(先に引用のAbel等、1995を参照)は、EcoR V/Hinc IIで切断したベ
クターpBluescript II KS中にクローン化して、次いでAsp 718/BamH Iで消化す
ることにより再度切り出し、そして35Sプロモーターの向きに関してアンチセン
スの向きにて、同じ方法で消化したベクターpBinAR中に導入した。次に、ジャガ
イモのSS IIIをコードする部分的なcDNAを含む1356 bpのBamH I断片(先に
引用のAbel等、1996を参照)は、ベクターpBInAR-αSS IIのBamH I制限酵素部位
に再度アンチセンスの向きで導入した。
【0087】 実施例10: プラスミドpB33αSS I αSS I αSS Ill-Kanの調製 ジャガイモのSS IをコードするcDNAを含む2384bpのEcoR I断片(先に引用
のAbel、 1995を参照)は平滑末端にして、ベクターpBinB33のSmaI制限酵素部位
にB33プロモーターに関してアンチセンスの向きで導入した。ジャガイモのSS II
Iをコードする部分的なcDNAを含む1362bpのBamHI断片(先に引用のAbel等、
1996を参照)は、生じたベクターのBamH I制限酵素部位にB33プロモーターに関
して再度アンチセンスの向きで導入した。
【0088】 実施例11: プラスミドp35SαSS II-Hygの調製 ジャガイモのSS IIをコードする部分的なcDNAを含む1959 bpのSma I/Asp
718断片は平滑末端にして、そしてpBinAR-HygのSma I制限酵素部位に35Sプロモ
ーターに関してアンチセンスの向きで導入した。
【0089】 実施例12: ジャガイモ細胞のゲノム中へのプラスミドの導入 実施例1〜11にて述べたプラスミドは、個別におよび/または連続して、上
述のように形質転換したジャガイモ細胞を用いて、アグロバクテリアに導入した
。続いて、完全な植物体を形質転換した植物細胞から再生させた。
【0090】 実施例13: 改質デンプンの物理化学的特性の特徴付け 形質転換の結果として、トランスジェニック植物は、これにより合成されるデ
ンプンの物理化学的特性において変化を示した。これら植物により生成されるデ
ンプンは、野生型植物において合成されるデンプンとは、RVAおよびそのクロ
マトグラフィーにおける挙動により測定される、リン酸またはアミロース含量、
粘度または膠化特性について異なっている。
【0091】
【表1】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 RVA温度特性(粘度 対 時間[分])の概略図である。粘弾性パラメータT
=膠化温度、膠化開始時における温度;Maxは最大粘度を示し;Minは最小
粘度を示し;Finは最後の測定時における粘度を示し;SetはMinとFi
nの差(Δ)である(セットバック)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CN,CU,CZ,EE, GD,GE,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LT ,LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ, PL,RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,T R,TT,UA,US,UZ,VN,YU,ZA Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD07 CA06 CA17 CA19 CB02 CD03 CD07 CD09 4B024 AA01 AA03 AA05 AA08 BA07 BA13 BA79 BA80 CA04 DA01 DA05 DA11 DA12 EA04 FA01 GA11 4B064 AF12 CA02 CA05 CA06 CA11 CA19 CC01 CC24 DA01 DA10 DA16 4B065 AA01X AA58X AA72X AA88X AA88Y AB01 AC14 AC16 BA02 BA24 CA22 CA27 CA32 CA41 CA44 CA53 CA54

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジャガイモのβ−アミラーゼの機能を有するタンパク質をコ
    ードする核酸分子であって、 a) Seq ID NO.2に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする核
    酸分子、その誘導体または部分 b) Seq ID No.1に示される核酸配列を有する核酸分子、その誘導体もしくは
    部分またはこれに相当するリボヌクレオチド配列 c) a)またはb)の核酸分子とハイブリダイズ、好ましくは特異的にハイブ
    リダイズするまたはこれに相補的な核酸分子、および d) そのヌクレオチド配列が遺伝子コードの縮重によりa)、b)またはc)
    の核酸分子の配列から逸脱する核酸分子 からなる群から選択される核酸分子。
  2. 【請求項2】 a) 請求項1に記載のジャガイモのβ−アミラーゼの機能
    を有するタンパク質をコードする核酸分子および b) 分枝酵素、ADPグルコースピロホスホリラーゼ、顆粒結合デンプン合成
    酵素、可溶性デンプン合成酵素、脱分枝酵素、不均化酵素、プラスチドデンプン
    ホスホリラーゼ、R1−酵素、アミラーゼ、グルコシダーゼの機能を有するタン
    パク質を構成するA群から選択されるタンパク質をコードする1つ以上のヌクレ
    オチド配列、前記ヌクレオチド配列の部分または前記ヌクレオチド配列とハイブ
    リダイズする核酸分子 を含有する組換え核酸分子。
  3. 【請求項3】 デオキシリボ核酸分子である、請求項1または2に記載の核
    酸分子。
  4. 【請求項4】 cDNA分子である、請求項2に記載の核酸分子。
  5. 【請求項5】 リボヌクレオチド分子である、請求項1に記載の核酸分子。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の1つ以上に記載の核酸分子とハイブリダイズ
    、好ましくは特異的にハイブリダイズする核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸分子を含むベクタ
    ー。
  8. 【請求項8】 可溶性デンプン合成酵素IIIの機能を有するタンパク質また
    はその部分をコードするヌクレオチド配列がセンスまたはアンチセンスの向きで
    存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸分子を含むベクター。
  9. 【請求項9】 A群から選択される1つ以上のタンパク質またはその部分を
    コードするヌクレオチド配列がセンスまたはアンチセンスの向きで存在する、請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸分子を含むベクター。
  10. 【請求項10】 A群から選択される1つ以上のタンパク質をコードするヌ
    クレオチド配列が部分的にセンスの向きでそして部分的にアンチセンスの向きで
    存在する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸分子を含むベクター。
  11. 【請求項11】 制御エレメントに連結されて転写およびRNAの合成を確
    実にし、場合により原核細胞または真核細胞にて転写可能である、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の核酸分子を含むベクター。
  12. 【請求項12】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸分子または請求
    項7〜11のいずれか1項に記載のベクターで形質転換された宿主細胞または当
    該細胞に由来する細胞。
  13. 【請求項13】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸分子または請求
    項7〜11のいずれか1項に記載のベクターを植物細胞のゲノム中に組込む、改
    質デンプンを合成するトランスジェニック植物細胞の作成方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法により入手可能な植物細胞。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の細胞から完全な植物体を再生させる、
    改質デンプンを合成するトランスジェニック植物の作成方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の植物細胞を含む植物。
  17. 【請求項17】 有用植物である、請求項16に記載の植物。
  18. 【請求項18】 デンプン貯蔵性植物である、請求項16または17に記載
    の植物。
  19. 【請求項19】 植物が小麦、トウモロコシ、ジャガイモまたは米である、
    請求項16〜18のいずれか1項に記載の植物。
  20. 【請求項20】 請求項16〜19のいずれか1項に記載の植物の増殖用材
    料。
  21. 【請求項21】 請求項14に記載の植物細胞、請求項16〜19のいずれ
    か1項に記載の植物または請求項20に記載の増殖用材料を方法に組込む、それ
    自体知られた方法によりデンプンを産生させる方法。
  22. 【請求項22】 請求項12または14に記載の細胞、請求項16〜19の
    いずれか1項に記載の植物、請求項20に記載の増殖用材料または請求項21に
    記載の方法から入手可能なデンプン。
  23. 【請求項23】 工業部門、好ましくは食品、包装材料または使い捨て物品
    の製造工業における、請求項22に記載のデンプンの使用。
  24. 【請求項24】 トランスジェニック細胞、好ましくは細菌または植物細胞
    の産生のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸分子または請求項7
    〜11のいずれか1項に記載のベクターの使用。
  25. 【請求項25】 デンプン生産のための、請求項14に記載の植物細胞、請
    求項16〜19のいずれか1項に記載の植物または請求項20に記載の増殖用材
    料の使用。
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