JP2002514099A - 一人の手術者により交換可能な胆管カテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 基端部と末端部とを有するシャフトを備えた胆管手術用カテーテル。ガイドワイヤ管腔はシャフトに設けられ、シャフトの末端部より基端側の位置からシャフトの末端部に近接する位置まで伸びる。シャフトの基端部より末端側においてカテーテルシャフトの外部の位置からガイドワイヤ管腔に進入するための開口部が備えられる。ガイドワイヤ管腔はカテーテルシャフトと一体に形成することができる。カテーテルシャフトは迅速な交換カテーテル処置において使用され得る。当該カテーテルは、シャフトの末端部より基端側に位置するガイドワイヤ管腔に連通する第１の開口部、第１の開口部より基端側に位置する第２の開口部、および第１の開口部と第２の開口部との間で長手方向に伸びる通路を含む、ポート及び通路の設計をさらに有することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 一人の手術者により交換可能な胆管カテーテル 発明の分野 本発明は、ヒトの解剖学的構造内の消化管にアクセスするカテーテル手術に使 用されるカテーテルと、そのようなカテーテルの使用方法とに関する。当該カテ ーテルは内視鏡とともにとりわけ胆管枝にアクセスするのに有効である。本発明 は、短いガイドワイヤを使用し、手術にかかる時間を少なくし、カテーテルの補 助管腔の直径をより大きくすることができる、一人の手術者による交換または迅 速な交換の特徴を備えたカテーテルを有する。 従来技術の説明 消化器系および胆管枝（胆管、肝管、膵管）における異常病変を治療するため の内視鏡的手術の数が増加している。内視鏡は、直接的透視を利用して所望の管 の一般的な部位へのアクセスを提供する。しかしながら、管自体は、蛍光透視鏡 およびガイドワイヤと共にカテーテルを用いて通過されなければならない。 カテーテルは目標の解剖部位を治療するのによく知られている。カテーテル処 置を行うための、胆管枝にアクセスするの胆管カテーテルを用いた既知の方法お よび装置が、米国特許第5,397,302号[ウィーバー等(Weaver et al.)]、米国特許 第5,320,602号［カーピエル(Karpiel)]に開示されており、これらの開示は本明 細書において、文献援用されている。 一般に、患者の胆管枝における異常病変を治療するために、まず初めに内視鏡 が患者の口内に導入される。内視鏡は基端部と末端部とを有し、基端部と末端部 との間にて長手方向に伸びる管腔を有する。内視鏡は、内視鏡の末端部における 開口部が治療を受ける部位にアクセスできる位置へ近接するまで患者の消化管内 を誘導される。この位置において、内視鏡によりカテーテルのような他の構成要 素が目標部位にアクセスできる。 胆管枝の内部を透視または治療するために、内視鏡の末端部が総胆管および膵 管につながるファーター乳頭に近接して配置される。カテーテルは内視鏡の管腔 の中を通ってカテーテルの末端部が内視鏡の末端部における開口部から現れるま で誘導される。 カテーテルは胆管枝にアクセスするために使用することができる。カテーテル の末端部は口を通って総胆管および膵管につながるファーター乳頭（オッディ括 約筋の間に位置する）へと誘導される。ガイドワイヤは胆管枝内の所望の位置へ さらにアクセスするために使用される。ガイドワイヤはカテーテルの基端部の開 口部に挿入され、カテーテルの中を、カテーテルの末端部から出てくるまで誘導 される。 総胆管の透視が望ましい場合、ガイドワイヤは総胆管内に誘導される。先に述 べたようにカテーテルはガイドワイヤに沿わせて進められ、その後、カテーテル の末端部は所望の位置において総胆管に配置される。この時点でカテーテルは、 総胆管内の解剖学的詳細を蛍光透視鏡で透視するための造影剤を送り出す位置に 存在する。一旦ガイドワイヤが配置されると、あとに続くカテーテル処置の間、 カテーテル交換手術の間も含めて、ガイドワイヤのその位置を維持し続けること が非常に望ましい。 本発明の胆管内視鏡的手術には、内視鏡的逆行性胆管膵管造影法および内視鏡 的逆行性括約筋切開術のための複数管腔のカテーテルの利用法、回収バルーンを 備えたバルーンカテーテルの利用法、ないし他の治療法および診断法を含む。一 般に上述したように、これらの本発明の胆管内視鏡的手術はガイドワイヤ技術を 用いて行われる。これらの処置において使用される現在の装置は、一般に少なく とも長さ１５０ｃｍはある内視鏡を貫通する。よって、装置は長さが少なくとも １８０ｃｍである。それゆえ、カテーテル全長にわたりガイドワイヤ管腔が伸び る標準的なカテーテルを使用すると、胆管枝におけるアクセスと位置を保持しな がら異なる装置を交換するために、これらの処置の間に使われるガイドワイヤは 少なくとも長さ４００ｃｍはなければならない。４００ｃｍのガイドワイヤをま たいで装置を交換するのは時間がかかり、かつ扱いにくい。 ガイドワイヤが長いために、胆管内視鏡的手術を行う部屋では、医者は少なく とも二人の助手を必要とする。一般的には、一人の助手が患者と装置に関する事 柄について担当し、他方の助手がガイドワイヤを担当する。ガイドワイヤが長い ために人を増やすことが必要になろと、手術にはより長い時間やより多くのコス トがかかってしまう。 迅速な交換を容易にし、一人の手術者によって交換手術を遂行できるような特 徴を備えた、胆管枝のような目標の解剖部位にアクセスするために消化管内で使 用するのに適した交換カテーテルを有することが望ましい。より短いガイドワイ ヤと接続して使用され、胆管手術の遂行に人員をあまり必要としない胆管用交換 カテーテルを有することが望ましい。カテーテルが移動しなければならないガイ ドワイヤの長さを限定する胆管用交換カテーテルを有することが望ましい。 従来のガイドワイヤ技術と迅速交換ガイドワイヤ技術との間で兼用できる胆管 用迅速交換カテーテルを有することも望ましい。ガイドワイヤから容易に取り外 すことができ、消化管内で使用されるほとんどのカテーテル系に関して適用する ことができる胆管用迅速交換カテーテルを有することが望ましい。 発明の概要 本発明は、胆管の内視鏡的手術において使用される、迅速に交換できるカテ ーテルの特徴を備えた胆管カテーテルに関する。迅速交換の特徴としては、ガイ ドワイヤに沿った装置の迅速な交換を容易にする、カテーテル全長よりもはるか に短い効果的なガイドワイヤ管腔を含む。 好適な一実施形態において、本発明は、基端部と末端部を有するシャフトを 備えた、胆管手術の際に使用される改良型カテーテルである。この改良には、シ ャフトの末端部の基端側の位置からシャフトの末端部に近接する位置まで伸びる シャフトによって収容されるガイドワイヤ管腔を含む。シャフトの基端部から実 質的に距離をおいて末端側に位置するカテーテルシャフトの外部の位置から、ガ イドワイヤ管腔に挿入するための手段が与えられる。 ガイドワイヤ管腔はシャフトと一体形成され得る。ガイドワイヤ管腔に挿入す ろための手段には、カテーテルシャフト壁を伸びる開口部が含まれ得る。その上 、 ガイドワイヤ管腔によって形成されるカテーテル壁は、開口部からシャフトの末 端部まで長手方向に伸びる比較的弱い部分を有することができる。弱い部分には 穴が開けられてもよい。カテーテルは、開口部を通ってガイドワイヤ管腔へとガ イドワイヤを誘導するための器具をさらに有してもよい。 さらに好適な実施形態において、管腔に進入するための手段には、カテーテル シャフト壁におけるスリットを含むことができる。補助管腔はカテーテルの基端 部とカテーテルの末端部との間に伸びることができる。 一実施形態において、ガイドワイヤ管腔に進入するための手段には、カテーテ ル壁を介してガイドワイヤ管腔に通じ、シャフトの末端部より基端側に位置する 、第１の開口部または中間ガイドワイヤポートを含む。第２の開口部または基端 ガイドワイヤポートは第１の開口部の基端側に存在する。第１の開口部と第２の 開口部との間に通路が伸びる。当該通路は、ガイドワイヤ管腔と連通した状態で 第１の開口部と第２の開口部との間を伸びる、カテーテルシャフトの外方向に向 いた長手方向の開口部を含む。長手方向の開口部は、共に使用されるガイドワイ ヤの直径よりも小さいことが望ましい。 別の実施形態において、本発明は、胆管用迅速交換カテーテルである。当該胆 管迅速交換カテーテルは、基端部と末端部とを備えたシャフトを有し、内視鏡内 を通過できる寸法に形成された、胆管カテーテルを有する。当該胆管カテーテル は、基端部、末端部、およびこれらを通ってシャフトの末端部に近接する位置（ 末端ポート）からシャフトの末端側より基端側の位置（基端ポート）まで伸びる ガイドワイヤ管腔を備えた管状部材を含む。基端ポートはシャフトの末端部より 基端側の位置においてガイドワイヤ管腔と連通するように配設される。 基端ポートは管状部材の基端部に配設することができる。次にガイドワイヤ管 腔はシャフトの基端部と末端部との間を伸びることができる。ガイドワイヤ管腔 はシャフトの基端ポートと末端部との間を長手方向に伸びる弱い部分を含むこと もある。当該胆管カテーテルはさらに、シャフトの基端部と末端部との間を伸び る補助管腔を有してもよい。 胆管カテーテルは代わりに、基端ポートと、シャフトの末端部または末端ポー トとの間の長手方向の位置において、ガイドワイヤ管腔につながる中間ポートを 有してもよい。基端ポートと中間ポートとの間を長手方向に伸び、基端ポートと 中間ポートとの間で、ガイドワイヤをガイドワイヤ管腔の外部の位置とガイドワ イヤ管腔内の位置との間で移動させることができる手段が含まれる。ガイドワイ ヤをガイドワイヤ管腔の外部の位置とガイドワイヤ管腔内の位置との間で移動さ せることができる手段には、基端ポートと中間ポートとの間を長手方向に伸びる 開口部が含まれる。 ガイドワイヤをガイドワイヤ管腔の外部の位置とガイドワイヤ管腔内の位置と の間で移動させることができる手段には、管状部材の内部において基端ポートと 中間ポートとの間を長手方向に伸びる、弱い部分を含むことができる。弱い部分 には穴が開けられてもよい。 別の実施形態において、本発明は基端部および末端部を備えたシャフトを含む 胆管カテーテルを患者の消化管に配置するための方法を含む。当該方法は、中に ガイドワイヤ管腔を備えたカテーテルを与える工程を含む。ガイドワイヤ管腔は シャフトの末端部より基端側の位置からシャフトの末端部に近接する位置まで伸 びる。シャフトの側壁にはガイドワイヤ管腔に連通するポートが与えられる。ポ ートはシャフトの基端部より末端側に配設される。当該方法はさらにガイドワイ ヤをポートを通ってシャフトに相対して移動させる工程を含む。当該方法はさら にカテーテルをガイドワイヤに沿わせて進ませる工程を含む。 別の実施形態において、本発明は、胆管内視鏡的手術の最中にカテーテルを交 換する方法を含む。当該方法は、全長に渡って長手方向に伸びる管腔を備えた内 視鏡を、患者の口を経て消化管内へと通過させる工程を含む。内視鏡の末端は胆 管枝へ通じる開口部に近接して配設される。ガイドワイヤは内視鏡の管腔を通過 する。 ガイドワイヤ管腔がシャフトに備えられたカテーテルが与えられるが、ガイド ワイヤ管腔はシャフトの末端部より基端側の位置からシャフトの末端部に近接す る位置まで伸びる。第１の開口部は、シャフトの基端部より末端側の位置に、ガ イドワイヤ管腔と連通して備えられる。カテーテルはガイドワイヤに沿って進め られ、ガイドワイヤの基端部は第１の開口部から突出する。 当該方法はさらに、ガイドワイヤに沿ってカテーテルを引き戻す工程をさらに 含む。開口部が内視鏡の基端部の外側に来るまでカテーテルをガイドワイヤに沿 って引き戻す一実施形態において、カテーテルはカテーテルの開口部と末端部と の間を長手方向に伸びる、弱い部分を有する。当該方法はさらにカテーテルをガ イドワイヤから引き離す工程を含む。 カテーテルはガイドワイヤ管腔に通じる第２の開口部または中間開口部をさら に含んでもよい。通路が第１の開口部と第２の開口部との間を長手方向に伸びる 。当該方法は、ガイドワイヤが第２の開口部から突出するまでカテーテルを挿入 したり引き戻したりしている間、通路の開口部を径方向に通ってガイドワイヤを 通過させる工程をさらに含む。 図面の簡単な説明 本発明は添付図面を参照してさらに詳しく述べられよう。添付図面において、 いくつかの図において同じ番号は同じ部分のことを指す。 図１は、ガイドワイヤが通過する、カテーテルの迅速な交換を容易にするため のガイドワイヤ管腔を備えた、本発明によるカテーテルの部分平面図である。 図１Ａは、１Ａ−１Ａ線における図１のカテーテルの断面図である。 図１Ｂは、１Ｂ−１Ｂ線における図１のカテーテルの断面図である。 図１Ｃは、１Ｃ−１Ｃ線における図１のカテーテルの断面図である。 図１Ｄは、１Ｃ−１Ｃ線における本発明による図１のカテーテルの別の実施形 態の断面図である。 図１Ｅは、本発明による別の実施形態のカテーテルの部分平面図である。 図１Ｆは、１Ｆ−１Ｆ線における図１Ｅのカテーテルの断面図である。 図２は、本発明による別の実施形態のカテーテルの部分平面図である。 図３は、本発明による別の実施形態のカテーテルの部分平面図である。 図３Ａは、３Ａ−３Ａ線における図３のカテーテルの断面図である。 図３Ｂは、３Ｂ−３Ｂ線における図３のカテーテルの断面図である。 図４は、本発明による別の実施形態のカテーテルの部分平面図である。 図４Ａは、４Ａ−４Ａ線における図４のカテーテルの断面図である。 図４Ｂは、４Ｂ−４Ｂ線における図４のカテーテルの断面図である。 図５は、本発明による別の実施形態のカテーテルの部分平面図である。 図５Ａは、５Ａ−５Ａ線における図５のカテーテルの断面図である。 図６は、ガイドワイヤが内部に配設された図５のカテーテルの別の部分平面図 である。 図６Ａは、ガイドワイヤが図５の管腔に収容されている状態を示す、６Ａ−６ Ａ線における図６のカテーテルの断面図である。 図７は、図５および６のカテーテルと共に使用されるガイドワイヤ装填器具を 示すカテーテルアセンブリの部分平面図である。 図７Ａは、本発明の応用を示す図７のカテーテルアセンブリ別の部分平面図で ある。 図７Ｂは、第１のガイドワイヤ器具の位置を示す７Ｂ−７Ｂ線における図７の カテーテルの部分断面図である。 図７Ｃは、本発明の応用を示すカテーテルアセンブリの部分平面図である。 図７Ｄは、第２のガイドワイヤ器具の位置を示す７Ｂ−７Ｂ線における図７の カテーテルの部分断面図である。 図７Ｅは、本発明の応用を示すカテーテルアセンブリの部分平面図である。 図７Ｆは、第３のガイドワイヤ器具の位置を示す７Ｂ−７Ｂ線における図７の カテーテルの部分断面図である。 図７Ｇは、本発明の応用を示すカテーテルアセンブリの部分平面図である。 図７Ｈは、第４のガイドワイヤ器具の位置を示す７Ｂ−７Ｂ線における図７の カテーテルの部分断面図である。 図８は、本発明の別の応用を示すカテーテルの部分平面図である。 図９は、本発明の別の応用を示すカテーテルの部分平面図である。 好適な実施形態の詳細な説明 図１は、本発明によるカテーテルアセンブリ３０の部分平面図を示す。カテー テルアセンブリ３０はカテーテル処置において消化管を通って目標の解剖部位に アクセスするために使用される。本発明は、一人の手術者によってカテーテルを 迅速に交換することのできる特徴を組み込んでいる。本発明のカテーテルにより 、より短いガイドワイヤを使用することができ、その結果として、医療人員が少 なくて済み、時間浪費が少なく、コストの低い処置にすることができる。そのう え、本発明は、消化管内のカテーテル処置のために使用されるほとんどのカテー テル装置にも適合可能である。 カテーテルアセンブリ３０は、一部をガイドワイヤ３４が通過するカテーテル ３２を有する。カテーテル３２は基端部３８と末端部４０とを有するシャフト３ ６を備える。シャフト３６の基端部３８にはハブアセンブリ４２が動作可能に接 続されている。ハブアセンブリ４２は補助装置と接続し、シャフト３６内部の管 腔への進入を可能にする。シャフト３６は押し出し成形法により形成されること が望ましい。シャフト３６は押し出されたポリマー材料から形成することができ る。一実施形態において、好適なポリマー材料はポリテトラフルオロエチレン、 ポリエーテルブロックアミド、ナイロン、またはこれらを組み合わせたものや混 合したものである。想定されるカテーテル類として、カニューレ、括約筋切開刀 、細胞学的装置、ならびに結石回収およびステント設置のための装置を含むが、 これらに限定されるわけではない。 シャフト３６は一般に基端部に一様な外形を有する管状部材である。シャフト ３６は内視鏡管腔を摺動可能に通過する寸法に形成することができる。シャフト ３６は先端部分４６に向かって逓減する末端テーパ４４を有する。先端部分４６ は強いコントラストをなす、色で分類された末端マーカー４８と、カテーテル処 置の最中に先端部分４６を蛍光透視法により透視するための放射線不透過な先端 ５０とを有していてもよい。 シャフト３６はさらに末端部４０より基端側の位置に基端開口部５２を有する 。基端開口部５２によって、ガイドワイヤ３４をシャフト３６に進入させてシャ フト３６内を通すことが可能となる。図１Ａは基端開口部５２より基端側の位置 における１Ａ−１Ａ線に沿ったシャフト３６の断面図である。基端開口部５２の 基端側では、ガイドワイヤ３４がカテーテルシャフト３６と隣接して配設されて いる。 補助管腔５４および補助管腔５６がシャフト基端部３８と末端部４０との間を 長手方向に伸びる。補助管腔５４および補助管腔５６は、泡を立てずに不透明化 して所望の解剖部位を良好に透視させるために造影剤を多く流せるように、注入 用管腔であってもよい。これに加えまたはこれとは別に、補助管腔５４および／ または補助管腔５６は、ワイヤ切断管腔やバルーン回収管腔のような他の補助装 置のために使用することもできる。 図１Ｂを参照すると、図１の１Ｂ−１Ｂ線に沿ったシャフト３６の断面図が示 される。ガイドワイヤ管腔５８は基端開口部５２と末端部４０との間に伸びる。 ガイドワイヤ３４は基端開口部５２においてガイドワイヤ管腔５８に進入するこ とができる。ガイドワイヤ管腔５８は、ガイドワイヤ３４を摺動可能に受け入れ てガイドワイヤ管腔５８中に通過されるような寸法に形成される。図１Ｃを参照 すると、ガイドワイヤ管腔５８は末端テーパ４４および先端部分４６を通って伸 びる。 基端開口部５２は基端部３８の末端側であればどこに設けてもよいが、基端開 口部５２は末端部４０から１０ｃｍ〜４０ｃｍの位置にあることが望ましい。ガ イドワイヤ管腔５８はシャフト３６の補助管腔５４と補助管腔５６に隣接して備 えられた管状部材である。ガイドワイヤ管腔５８はシャフト３６と一体形成され てもよいし、代わりに、ガイドワイヤ管腔５８は図１Ｄに示すようにシャフト３ ６と連結された別の管状部材の部分であってもよい。 図１Ｅおよび１Ｆを参照すると、図１に示されたカテーテルの別の実施形態が 示される。図１Ｅのカテーテルシャフト３６は基端側のガイドワイヤ開口部を備 え、同開口部はカテーテルと共に円形の断面を形成し、これによりガイドワイヤ が容易に挿入される。図１Ｆに示すように、ガイドワイヤ管腔５８は、カテーテ ルシャフト３６の末端部まで末端方向へ伸びるガイドワイヤ管腔５８の寸法へと 漏斗状に狭まる、より大きい基端開口部を有することができる。 手術中に別のカテーテルが必要となった時に、ガイドワイヤ管腔５８によって カテーテルの迅速な交換を行うことができる。ガイドワイヤ３４が基端部３８お よびハブアセンブリ４２を通過せず、むしろカテーテルシャフト３６へは基端部 ３８から実質的に末端側に位置する末端開口部５２から突出するため、より短い ガイドワイヤを使用することができる。本発明によるこの特有のカテーテルの構 成により、一人の手術者によってカテーテル装置の交換を比較的容易にかつ迅速 に行うことができるため、カテーテルの治療および診断処置にかかる時間が短縮 される。目標の解剖部位に従来の（約４００ｃｍの）ガイドワイヤを設置させて おくことに関する余分な人員や時間が省かれ、手術にかかる全体のコストが削減 される。 図２を参照すると、カテーテルシャフト３６の末端部の部分平面図が示される 。シャフト３６はさらに弱い部分６０を有する。この弱い部分６０はガイドワイ ヤ管腔５８（図示しない）に沿って基端開口部５２と末端部４０との間で長手方 向に伸びる。 ガイドワイヤ３４がガイドワイヤ管腔５８の内部に配設されている場合、弱い 部分６０によってカテーテルシャフト３６からガイドワイヤ３４が引きはがされ るため、ガイドワイヤ３４がガイドワイヤ管腔５８から取り外される。弱い部分 ６０はシャフト３６の残りの部分よりもカテーテル材料が少なくなっているか、 穴が開けられたり、切断されたり、またはスリットが入ったりしていてもよい。 本発明の別の実施形態が図３に概略的に示される。図３はカテーテル３２の部 分平面図であり、当該カテーテル３２は「兼用できる」カテーテル設計であるこ とができる。カテーテル３２において、シャフト３６はガイドワイヤ管腔５８に 進入するための切り欠きポート６２である開口部５２を有する。カテーテル３２ は従来のカテーテルが切り欠きポート６２を有するよう変更することができるよ うに、兼用できるカテーテル設計となっている。兼用できるカテーテル設計とし て、切り欠きポート６２は、ガイドワイヤ管腔５８に進入するためにシャフト３ ６の開口部を切削することによって形成される。カテーテル３２は切り欠きポー ト６２を備えるように製造することができるということが理解される。 図３Ａを参照すると、切り欠きポート６２の基端側において、カテーテルシャ フト３６は本明細書において上述したような補助管腔５４および補助管腔５６を 有する。その上、シャフト３６は、切り欠きポート６２と基端部３８との間も含 めて、基端部３８と末端部４０との間にガイドワイヤ管腔５８を有する。図３Ｂ を参照すると、ガイドワイヤ３４は、切り欠きポート６２においてガイドワイヤ 管腔５８に進入することができ、ガイドワイヤ管腔５８を通って末端部４０から 突出することができる。 当該実施形態に関して、カテーテル３２を患者の消化器系に配設し交換するた めには従来のガイドワイヤ技術を利用することができる。さらに、兼用できるカ テーテル設計は、一人の手術者によってカテーテルを迅速に交換することのでき る特徴を組み込んでいる。手術の最中に別のカテーテルが必要になった時、切り 欠きポート６２の開口部５２を設けることにより、カテーテル３２はカテーテル ３２の迅速な交換の際に使用され得る。基端部３８から末端側の位置においてガ イドワイヤ３４をガイドワイヤ管腔５８に進入させることによって、カテーテル 処置の際に比較的短いガイドワイヤを使用することができ、その結果として、よ り効率が良く、コストの低い処置にすることができる。 基端部３８から末端側の位置においてガイドワイヤ管腔に進入するための他の 手段も本発明の範囲内で想定されるということが理解される。図４を参照すると 、ガイドワイヤ管腔５８に進入するための、弱い部分またはスリット６４が、領 域Ａの範囲内に示される。図４Ａを参照すると、スリット６４の基端側では、ガ イドワイヤがカテーテルシャフト３６に隣接して配置され得る。ガイドワイヤ３ ４はガイドワイヤ管腔５８の中を通過するために、スリット６４においてガイド ワ イヤ管腔５８に進入する。図４Ｂを参照すると、スリット６４の末端側の位置に おいて、ガイドワイヤ３４はガイドワイヤ管腔５８に摺動可能に収容される。当 該実施形態に関して、ガイドワイヤ管腔５８は基端部３８から末端部４０まで長 手方向に伸びるため、カテーテル処置の際には従来のガイドワイヤ技術も使用す ることができる。 図５を参照すると、一人の手術者によって迅速にカテーテルを交換できる特徴 を組み込んだ、本発明の別の実施形態のカテーテルが示される。カテーテルアセ ンブリ３０は、「ポート及び通路」の形態を備える。ガイドワイヤ管腔３４に進 入するために、シャフト３６は末端部４０より基端側に位置する第１の開口部ま たは中間ポート６６を有する。第２の開口部または基端ポート６８は中間ポート ６６より基端側且つ末端部４０の基端側に位置する。中間ポート６６と基端ポー ト６８との間には、長手方向の通路７０が伸びる。 ガイドワイヤ管腔３４は基端部３８と末端部４０との間を長手方向に伸びる。 図５Ａを参照すると、通路７０はカテーテルシャフト３６の壁面の内側に配置さ れ、基端ポート６８と中間ポート６６との間におけるガイドワイヤ管腔５８への 進入を提供する。通路７０は基端ポート６８と中間ポート６６との間で伸びる径 方向の開口部を備えることが望ましい。通路７０は、カテーテルシャフト壁の弱 い部分、穴が開けられた部分、または基端ポート６８から中間ポートまで伸びる スリットであり得ることも理解され得る。 一実施形態において、中間ポート６６は末端部４０付近に配置され、基端ポー ト６８は基端部３８付近に配置される。図６を参照すると、ガイドワイヤ３４の 末端部は中間ポート６６（図示しない）の中に挿入され、ガイドワイヤ管腔５８ を通ってカテーテル３２の末端部４０から出てくることができる。図６Ａも参照 すると、ガイドワイヤ３４は通路７０を介してガイドワイヤ管腔５８にはめ込ま れ、ガイドワイヤ３４の基端部は基端ポート６８から出ている。この「ポート及 び通路」の設計に関して、従来の交換技術および迅速な交換技術のどちらも使用 することができる。 図７は好適な実施形態の器具５９を備えた本発明によるカテーテルアセンブリ ３０の部分平面図を示す。器具５９はカテーテル処置の最中にガイドワイヤ３４ を誘導するのを助ける。器具５９は、カテーテルシャフト３６をおおって配置さ れた状態で示されているが、管状の本体部材８０を有する。本体部材８０は基端 部８２、末端部８４、および本体部材８０の中を長手方向に伸びる管腔８６を有 する。管腔８６はカテーテルシャフト３６を摺動可能に受け入れる寸法に形成さ れている。 器具５９の基端部８２付近に、把持機構８８が配設される。把持機構８８は、 使用者が器具５９を使用する際に器具５９を握るのを助ける。器具５９の末端部 ８４の基端側にはガイドワイヤ開口部９０が配設される。ガイドワイヤ開口部９ ０はカテーテルシャフト３６に沿って所望のポートまたは開口部と連通するよう に設けられ、ガイドワイヤ（ガイドワイヤ３４のような）がガイドワイヤ管腔５ ８に誘導されるのを助ける。 図７Ａを参照すると、器具５９はさらに固定機構９２を有する。図７Ｂを参照 すると、これは図７Ａに示された器具５９の断面図であるが、固定機構９２がさ らに固定ヘッド９４、心棒９６、および作動機構１００を有する。 作動機構１００は本体部材８０の外部に存在する。作動機構１００は心棒９６ と連結される。心棒９６は本体部材８０の中の開口部１０２を通って伸び、固定 ヘッド９４と連結される。固定機構９２は本体部材８０の内部室１０４の中で移 動可能である。 より詳細には、作動機構１００に外部から圧力を加えると、器具５９をカテー テルシャフト３６に対して固定位置と解放位置との間で移動させるために、固定 ヘッド９４は内部室１０４の中で移動することができる。固定位置（図７Ｂに示 されるような）に置かれた場合、器具５９はカテーテルシャフト３６と接して固 定される。解放位置にある場合、器具５９はカテーテルシャフト３６が管腔８６ を通過し器具５９に対して自由に移動することが可能になる。 図７Ａおよび７Ｂを再び参照すると、器具５９は固定位置の状態で示されてい る。当該位置において、固定ヘッド９４の摩擦により、管腔内８６でカテーテル シャフト３６が固定される。矢印１０６で示されるように、器具５９がカテーテ ルシャフト３６を固定して保持する一方で、ガイドワイヤ３４がカテーテルシャ フト３６の開口部またはポート（図７の基端ポート６６や中間ポート６８のよう な）を通ってガイドワイヤ管腔５８内に挿入される。 図７Ｃを参照すると、胆管手術の最中に一旦ガイドワイヤ３４が定位置に置か れると、カテーテルシャフト３６を除去することが必要なことがある。作動機構 １００に圧力を加えることによって、固定機構９２は図７Ｄに示されるように解 放位置に移動される。ガイドワイヤ３４は固定して保持され、カテーテルシャフ ト３６を除去することができ(矢印１０８で示される)、ガイドワイヤ３４を患者 の体内に配設したままでカテーテルシャフト３６を除去または引き離すことがで きる。 図７Ｅを参照すると、器具５９は患者の胆管枝に配設されたガイドワイヤ３４ 上にカテーテルシャフト３６を逆方向から装填するために使用することができる 。図７Ｆを参照すると、ガイドワイヤ３４上へのカテーテルシャフト３６の逆方 向からの装填を始めるために、器具は所望の開口部（図７に示した実施形態の中 間開口部６８のような）の上に配設され、たわんだ位置でカテーテルシャフト３ ６に固定される。 作動機構１００に圧力を加えることによって(矢印１１０で示される)、固定ヘ ッド９４がカテーテルシャフト３６を「たわんだ」位置において固定する。器具 ５９をカテーテルシャフト３６にたわんだ位置で固定することによって、器具５ ９はカテーテルシャフト３６がガイドワイヤの上へ逆方向から装填するのを助け る。 逆方向からの装填を始めるために、カテーテルシャフト３６の末端部４０はガ イドワイヤ３４の基端部をたどって挿入される。カテーテルシャフト３６がガイ ドワイヤ３４上を通過すると、ガイドワイヤ３４の基端部はカテーテルの中間開 口部６６を通って誘導され、ガイドワイヤ開口部９０を通って、器具５９から突 出する。 図７Ｇを参照すると、一旦ガイドワイヤ３４の基端部が中間開口部６６を通っ て誘導されると、カテーテルシャフト３６はガイドワイヤ３４上に逆方向から装 填され続けられる。図７Ｈを参照すると、固定機構９２を解放位置に戻すことに よって、ガイドワイヤ３４は器具５９に対して固定して保持されることができ、 カテーテルシャフト３６は管腔８６内を自由に移動し(矢印１１２で示される)、 カテーテルシャフト３６はガイドワイヤ３４上に装填されることができる。カテ ーテルシャフト３６がガイドワイヤ３４上に装填されると、器具５９は、ガイド ワイヤ３４が基端開口部６８から突出するまでガイドワイヤ３４が通路７０を通 ってガイドワイヤ管腔５８の中へ誘導されるのを助ける。 器具５９はガイドワイヤ３４が開口部５２(図１に示す)、もしくは「ポート及 び通路」の基端ポート６８、通路７０、および中間ポート６６（図７に示される ような）を通過するのを助ける。器具５６によって、内視鏡的手術の間、ガイド ワイヤ３４をガイドワイヤ管腔５８の中へ徐々に導入することができる。上述し たように、器具５９がカテーテルシャフト３６を固持するために使用される一方 で、ガイドワイヤ３４はカテーテル処置の間進入されたり引き戻されたりすると いうことが理解される。あるいは、迅速交換手術の間またはガイドワイヤ３４に 沿ってカテーテルシャフト３６を進入させたり引き戻したりする間、器具がガイ ドワイヤ３４を定位置に固定するために使用されるということが理解される。 内視鏡的手術の際にガイドワイヤ３４をガイドワイヤ管腔５８に誘導するのを 助けるために、固定装置（図示しない）を第１のポート６６の基端側か、第２の ポートの基端側に配設することができるということも理解される。固定装置は先 に述べた器具５９と同様であり得る。その上、内視鏡的手術の際にガイドワイヤ ３４を進めたり引き戻したりする一方で、器具５９はカテーテルシャフト３６を 定位置に固定するために使用することができるということが理解される。また別 に、器具５９は、迅速交換手術の間またはカテーテルシャフト３６をガイドワイ ヤ３４に沿って進入させるか引き戻している間、ガイドワイヤ３４を定位置に固 定するために使用することができるということが理解される。 本発明の迅速な交換の技術は消化管内で使用されるさまざまな種類のカテーテ ルアセンブリに使用され得るということが認識される。図８を参照すると、カテ ーテルアセンブリ３０は迅速交換回収バルーン系として、結石の回収および部分 的撮影透視技術のために使用される。補助管腔５４および５６（図１Ａ）は、末 端部にバルーン７４を備えた回収バルーンカテーテル７２を通過させるために、 また、染料注入装置３０４を通過させるために利用される。当該実施形態に関し て、ガイドワイヤ管腔は従来のガイドワイヤ技術を利用してカテーテルの基端部 を通って進入されてもよいし、または迅速交換技術を利用して進入されてもよい 。 図９を参照すると、本発明の迅速交換設計が他の消化管カテーテルの応用のた めに利用され得る。その応用には、ワイヤ切断装置７８に示されるように、例え ば内視鏡的逆行性括約筋切開術のための迅速交換括約筋切開刀がある。やはり、 ガイドワイヤ管腔（図示しない）は、従来のガイドワイヤ技術によって基端部か ら進入されてもよいし、あるいは代わりに本発明の迅速交換技術を利用すること によって進入されてもよい。 本発明の迅速交換カテーテルは複数管腔カテーテルである。本発明に関して、 ガイドワイヤ管腔が補助管腔から分離されることによって、ガイドワイヤを除去 することなく良質な不透明化に対する優れたコントラスト流れが与えられる。バ ルーン回収カテーテルや切断装置を備えたカテーテルのような治療用装置を、ガ イドワイヤ管腔内に配設されたガイドワイヤに干渉されることなく補助管腔に通 して進めることができる。その上、ガイドワイヤ管腔をコントラストのある管腔 から分離することにより、コントラスト流れの最中に泡が生じる危険性を最小に することができ、装置の交換を有効に行うためにコントラストのないガイドワイ ヤ表面が製造される。 本発明の迅速に交換可能な胆管カテーテルにより、ガイドワイヤがより短くて 済み、カテーテル処置の際にガイドワイヤ位置を維持するための追加的な人員が 必要でなくなるため、カテーテル処置を、時間浪費が少なくコストの低い処置に することができる。内視鏡的手術に使用する際、内視鏡１５０はまず初めに患者 の口に導入され、患者の消化管に誘導される。より詳細には、内視鏡は下方へ誘 導されて食道、胃を通り、胃の幽門括約筋を通過して十二指腸へ入る。内視鏡は 自身の基端部から末端部まで長手方向に伸びる管腔を有する。 内視鏡は、内視鏡の末端部が治療を受ける解剖構造内の目標部位に隣接するま で、消化管の中を誘導される。内視鏡的胆管手術において、内視鏡は、内視鏡の 末端部の開口部がファーター乳頭に隣接するまで十二指腸に誘導される。ファー ター乳頭はオッディ括約筋の間に位置し、ファーター乳頭は総胆管、総肝管、お よび膵管につながる。内視鏡の基端部は、患者の口腔より外側へ伸びたまま残さ れる。 図１〜７に示される様々な実施形態に関して、一旦内視鏡が適切な位置に置か れると、ガイドワイヤ３４は内視鏡の基端開口部に挿入され、ガイドワイヤ３４ の末端部が内視鏡の末端部の開口部から出てくるまで内視鏡を通って進められる 。ガイドワイヤ３４の末端部は、胆管枝にアクセスするために、ファーター乳頭 につながる開口を通って誘導され得る。 一旦ガイドワイヤ３４の末端部が胆管枝（総胆管、総肝管、膵管を含む）に配 置されると、本発明による迅速交換カテーテル３２はガイドワイヤ３４上に逆方 向から装填される。カテーテル３２の末端部４０がガイドワイヤ３４の基端部に 装填される。迅速交換カテーテル３２は末端部４０が内視鏡の末端部から突出す るまでガイドワイヤ３４に沿って進められる。内視鏡の内部で、開口部５２より 末端側ではガイドワイヤはガイドワイヤ管腔５８を通り、開口部５２より基端側 ではガイドワイヤはカテーテルシャフト３６と隣接して配置される。 カテーテル３２の末端部４０はガイドワイヤ３４の後をたどり、ファーター乳 頭につながる開口を通り、総胆管のような所望の管へ進入する。一旦カテーテル ３２の末端部４０が総胆管の定位置に配設されると、管を透視するため補助管腔 ５４および補助管腔５６を通して総胆管に放射線不透過染料のような造影剤を注 入するというような、カテーテル処置を行うことができる。 ガイドワイヤ３４の基端部はカテーテル３２の基端部３８より末端側の位置に おいてガイドワイヤ管腔５８から突出するため、上述したように、医師は、より 短いガイドワイヤを使用することができる。一実施形態において、２５０ｃｍの ガイドワイヤが使用される。短いガイドワイヤの使用により、全長約４００ｃｍ の長いガイドワイヤの使用に関する多くの不都合な点が排除されると同時に、処 置の効率および結果が保持または改善される。 また別に、ガイドワイヤ３４が胆管枝に予め配設されなかった場合に、消化管 内の目標の解剖部位へのアクセスを確実にするために、迅速交換カテーテル３２ を使用することができる。カテーテル３２は、末端部４０が誘導されて開口を通 ってファーター乳頭に入り、総胆管のような所望の管に進入するまで、内視鏡管 腔の中を通される。次にガイドワイヤ３４が内視鏡管腔に隣接するカテーテル３ ２の中に挿入される。ガイドワイヤ３４は、開口部５２を通ってガイドワイヤ管 腔５８に入り、目標部位（総胆管など）に至るまで進入される。 一旦ガイドワイヤ３４が定位置に置かれ、所望のカテーテル処置が完了される と、ガイドワイヤ３４を別のカテーテル処置のために定位置に残したままで迅速 交換カテーテル３２を交換したり内視鏡から取り外したりすることができる。ガ イドワイヤ管腔５８が引き戻されてガイドワイヤ３４の基端部から完全に離れる まで、カテーテル３２をガイドワイヤ３４に沿って逆向きにたどることによって 、カテーテル３２はガイドワイヤ３４から取り外される。 図２を参照すると、カテーテル３２が弱い部分６０を有する場合、一旦開口部 ５２が内視鏡の基端部から外部に出ると、カテーテル３２がガイドワイヤ３４か ら完全に取り外されるまでカテーテル５２はガイドワイヤ３４から引き離され得 る。 カテーテル３２がガイドワイヤ３４から取り外されても、ガイドワイヤ３４の 位置は目標部位に保持される。治療処置または診断処置を受ける目標の解剖部位 への通路を再び確立する必要なく、図８または図９のカテーテルアセンブリ３０ のような他の迅速交換処置も遂行することができる。このようなカテーテルアセ ンブリは、上述したような同様な迅速交換処置を利用して、ガイドワイヤ３４上 に装填することができる。 カテーテル（図３に示すような）または「スリットの入った」カテーテル（図 ４に示すような）を使用すると、このような装置におけるガイドワイヤ管腔５８ は末端部４０から基端部３８まで伸びているため、医師は従来のガイドワイヤ処 置と迅速交換可能なガイドワイヤ処置との間で交替することができる。 カテーテル３２がさらに「ポート及び通路」の形態を有する場合(図５)、迅速 交換カテーテル３２がガイドワイヤ３４上に逆方向から装填される時、ガイドワ イヤ３４の基端部はカテーテル３２の末端ポートまたは第１のポート６６から突 出する。カテーテル３２がガイドワイヤ３４に沿って進められると、ガイドワイ ヤは通路７０を経てガイドワイヤ管腔５８にはめ込まれる。カテーテル３２が十 分にガイドワイヤ３４に沿って進められると、ガイドワイヤ３４は基端ポートま たは第２のポート６８を経てガイドワイヤ管腔５８から突出する。 「ポート及び通路」の技術に関して、カテーテル３２が内視鏡の内部に配置さ れている場合、ガイドワイヤ３４はカテーテルシャフト３６と隣接しては配置さ れず、むしろガイドワイヤ管腔内５８に配置される。ガイドワイヤ３４は、内視 鏡の外部に存在し且つ内視鏡の基端部より基端側に存在する第２のポート６８に おいて、ガイドワイヤ管腔５８から突出する。当該実施形態に関して、内視鏡管 腔内でカテーテル３２に隣接して存在するガイドワイヤ３４に対しては、追加的 な作業空間は必要ない。当該実施形態では内視鏡の作業空間により大きい余地が 得られ、カテーテル３２の補助管腔をより大きくすることができる。 「ポート及び通路」のカテーテルの形態はカテーテルの構成部分として製造す ることもできるし、または代わりに、カテーテル装置は「ポート及び通路」設計 を含むように変換または変更することもできる。内視鏡からカテーテル３２を引 き戻すと同時に、第１のポート６６が内視鏡の基端部から引き出されるまでガイ ドワイヤ３４は通路７０を経て内視鏡から引き離される。第１のポート６６（進 入通路７０は含まない）より末端側のカテーテル３２の短い部分が、ガイドワイ ヤ３４の基端部から完全に引き離される。 本明細書においてすでに述べたように、ガイドワイヤ３４が目標の解剖部位の 定位置に存在しない場合、迅速交換カテーテル３２を、例えば、胆管枝の管にア クセスするためのファーター乳頭への挿管のように、患者の解剖構造内の目標部 位への通路に挿管するために使用することができる。本明細書においてすでに述 べたように、ガイドワイヤは胆管枝の定位置に残されたままであるので、それか らカテーテルを取り外し、本発明の技術を利用して、ガイドワイヤに沿って他の 迅速交換装置に交換することができる。 本明細書においてすでに述べたように、ガイドワイヤ管腔５８は、カテーテル ３２のシャフトと一体に押し出し成形された管状部材であってもよいし、あるい は、ガイドワイヤ管腔５８はカテーテルシャフト３６と連結される分離された管 状部材であってもよい。好適な一実施形態においては、ガイドワイヤ管腔５８は カテーテル３６の末端部４０より基端側に配設される管状部材であるが、ガイド ワイヤ管腔５８はシャフト３６に沿ったどこにでも形成することができ、末端部 ４０と結合してシャフト３６の延長上にあってもよく、またはガイドワイヤ管腔 ５８はシャフト３６全長に伸びていてもよいということが理解される。 本開示は多くの点で単に図示例に関するだけであることが理解されよう。本発 明の範囲から逸脱することなく、特に部分の形、大きさ、材料、および配置に関 する変更を詳細に行うことができる。従って、本発明の範囲は添付の請求項の言 葉で定義される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＵ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＦＩ， ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＫ，Ｌ Ｒ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＸ，ＮＯ ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＲ，ＴＴ， ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 レベンダスキー、ジョセフ アメリカ合衆国 01450 マサチューセッ ツ州 グロトン ナシュア ロード 34 (72)発明者 ワリチ、チャールズ アメリカ合衆国 01757 マサチューセッ ツ州 ミルフォード ジェネソ サークル ５ (72)発明者 ペイル、ロナルド アメリカ合衆国 02703 マサチューセッ ツ州 アトルバラ プレスコット ストリ ート 38

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．基端部と末端部とを有するシャフトを備えた胆管手術に用いられるカテーテ ルにおいて、 シャフトの末端部より基端側の位置からシャフトの末端部に近接する位置まで 伸び、シャフトに備えられたガイドワイヤ管腔と、 シャフトの基端部より末端側に配設された、カテーテルシャフトの外部の位置 からガイドワイヤ管腔に進入するための手段と、 を備えたカテーテル。 ２．ガイドワイヤ管腔がシャフトと一体に形成されている請求項１に記載のカテ ーテル。 ３．ガイドワイヤ管腔に進入するための手段が、ガイドワイヤ管腔と連通するよ うカテーテルシャフト壁を貫通して伸びる開口部を含む請求項１に記載のカテー テル。 ４．さらにガイドワイヤ管腔によって形成されるカテーテルシャフト壁が、開口 部とシャフトの末端部との間を長手方向に伸びる比較的弱い部分を有する請求項 ３に記載のカテーテル。 ５．前記弱い部分には穴が開けられている請求項４に記載のカテーテル。 ６．ガイドワイヤを開口部へ誘導するための器具をさらに含む請求項３に記載の カテーテル。 ７．管腔に進入するための手段がカテーテルシャフト壁におけるスリットを含む 請求項１に記載のカテーテル。 ８．カテーテルの基端部とカテーテルの末端部との間に伸びる補助管腔をさらに 有する請求項１に記載のカテーテル。 ９．ガイドワイヤ管腔に進入するための手段が、 カテーテルシャフト壁を貫通してガイドワイヤ管腔と連通し、シャフトの末端 よりも基端側に配置される第１の開口部と、 シャフト壁を貫通して第１の開口部よりも基端側に配置される第２の開口部と 、 第１の開口部と第２の開口部との間を長手方向に伸び、ガイドワイヤへの進入 を提供する通路と、 を含む請求項１に記載のカテーテル。 １０．前記通路が、ガイドワイヤ管腔と連通した状態で第１の開口部と第２の開 口部との間を長手方向に伸びる開口部を含む請求項９に記載のカテーテル。 １１．基端部と末端部とを有するシャフトを備え、内視鏡の内部を通過するよう な寸法に形成された胆管カテーテルと、 基端部、末端部、およびそれらを通って長手方向に伸びるガイドワイヤ管腔を 有する管状部材であって、シャフトの末端部に近接する位置とシャフトの末端部 より基端側の位置との間に伸びる管状部材と、 シャフトの末端部より基端側の位置においてガイドワイヤ管腔と連通する末端 ポートと、 を備えた胆管用迅速交換カテーテル。 １２．前記末端ポートが管状部材の基端部に配設される請求項１１に記載の胆管 カテーテル。 １３．ガイドワイヤ管腔がシャフトの基端部と末端部との間を伸びる請求項１１ に記載の胆管カテーテル。 １４．ガイドワイヤ管腔が、末端ポートとシャフトの末端部との間を長手方向に 伸びる弱い部分を有する請求項１１に記載の胆管カテーテル。 １５．シャフトの基端部と末端部との間を伸びる補助管腔をさらに含む請求項１ １に記載の胆管カテーテル。 １６．末端ポートより基端側の位置においてガイドワイヤ管腔と連通する基端ポ ートと、 基端ポートと末端ポートとの間を長手方向に伸び、ガイドワイヤ管腔の外部の 位置とガイドワイヤ管腔との間でのガイドワイヤの移動を可能にする手段と、 をさらに含む請求項１１に記載の胆管カテーテル。 １７．前記ガイドワイヤ管腔の外部の位置とガイドワイヤ管腔との間でのガイド ワイヤの移動を可能にする手段が、基端ポートと末端ポートとの間で長手方向に 伸びる開口通路を有する請求項１６に記載の胆管カテーテル。 １８．前記ガイドワイヤ管腔の外部の位置とガイドワイヤ管腔との間でのガイド ワイヤの移動を可能にする手段が、基端ポートと末端ポートとの間を長手方向に 伸びる弱い部分を前記管状部材に有する請求項１６に記載の胆管カテーテル。 １９．前記弱い部分には穴が開けられている請求項１８に記載の胆管カテーテル 。 ２０．管状部材がシャフトと一体に形成される請求項１１に記載の胆管カテーテ ル。 ２１．管状部材がシャフトと連結されている請求項１１に記載の胆管カテーテル 。 ２２．患者の消化管内に基端部と末端部とを有するシャフトを備えた胆管カテー テルを位置決めする方法であって、 シャフトの末端部より基端側の位置からシャフトの末端部に近接する位置まで 伸びるガイドワイヤ管腔をカテーテル内部に配設する工程と、 シャフトの基端部より末端側に位置し、シャフトの側壁を通ってガイドワイヤ 管腔と連通するポートを配設する工程と、 前記ポートを通してガイドワイヤをシャフトと相対的に移動させる工程と、 を含む方法。 ２３．カテーテルをガイドワイヤに沿って前進させる工程をさらに含む請求項２ ２に記載の方法。 ２４． 長手方向に伸びる管腔を有する内視鏡を患者の口を経て消化管内へ通過 させる工程と、 内視鏡の末端部を胆管枝の開口部に近接して配置する工程と、 内視鏡管腔にガイドワイヤを通過させる工程と、 ガイドワイヤ管腔がシャフトに備えられたカテーテルを配置する工程と、前記 ガイドワイヤ管腔はシャフトの末端部より基端側の位置からシャフトの末端部に 近接する位置まで伸び、前記カテーテルはシャフトの基端部より末端側の位置に 、ガイドワイヤ管腔へ通じる第１の開口部を有することと、 ガイドワイヤに沿ってカテーテルを配置する工程と、ガイドワイヤの基端部が 前記第１の開口部から突出することとと、 を有する胆管内視鏡的手術の間にカテーテルを交換する方法。 ２５．ガイドワイヤに沿ってカテーテルを引き戻す工程をさらに含む請求項２４ に記載の方法。 ２６．請求項２５に記載の方法において、 前記開口部が内視鏡の基端部の外側に配置されるまでカテーテルはガイドワイ ヤに沿って引き戻され、 カテーテルは開口部とカテーテルの末端部との間を長手方向に伸びる弱い部分 を有し、 方法はさらに、 ガイドワイヤからカテーテルを引き離す工程を含む方法。 ２７．請求項２４に記載の方法において、 カテーテルはガイドワイヤ管腔へ連通する第２の開口部を有し、 第１の開口部と第２の開口部との間には通路が長手方向に伸び、 方法はさらに、 ガイドワイヤが前記第２の開口部から突出するまで前記通路を通ってガイドワ イヤが通過する工程を含む方法。 ２８．ガイドワイヤは直径を有し、前記通路の開口部はガイドワイヤが径方向に 取り外されるのを許容する幅を有する請求項１０に記載のカテーテル。 ２９．ガイドワイヤは直径を有し、開口通路はガイドワイヤが径方向に取り外さ れるのを許容する幅を有する請求項１７に記載のカテーテル。