JP2002508363A - クロロベンゾオキサゾールの製造法 - Google Patents

クロロベンゾオキサゾールの製造法

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JP2002508363A JP2000539003A JP2000539003A JP2002508363A JP 2002508363 A JP2002508363 A JP 2002508363A JP 2000539003 A JP2000539003 A JP 2000539003A JP 2000539003 A JP2000539003 A JP 2000539003A JP 2002508363 A JP2002508363 A JP 2002508363A
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    • C07D263/58Benzoxazoles; Hydrogenated benzoxazoles with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached in position 2

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、例えば作物保護剤または医薬のための活性化合物の合成に使用できる中間体として重要な式(I) 【化1】 [式中、R1、R2およびR4は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アルコキシ、アリールまたはアリールオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、それぞれ置換されていないか、または置換されている)であり、そして(a) R3=H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アルコキシ、アリールまたはアリールオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、それぞれ置換されていないか、または置換されている)であるか、または(b) R3=塩素である]のクロロベンゾオキサゾールを製造する方法であって、式(II) 【化2】 [式中、R1、R2およびR4は、式(I)に定義した通りであり、(a)の場合、R3は式(I)に定義した通りであり、(b)の場合、R3は水素である]のベンゾオキサゾールを、酸触媒存在下で塩素化剤と反応させて一塩素化生成物(I)を得るか、または(b)の場合、過剰の塩素化剤と反応させてR3=塩素である二塩素化生成物(I)を得ることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、活性化合物、例えば作物保護剤または医薬のための活性化合物の合
成に使用することができる中間体の製造法の技術分野に関する。 クロロベンゾオキサゾールは、すでに作物保護剤および医薬のための中間体と
して非常に重要である。その性質およびその製造法は、特にDE-A-3207153、EP-A
-43573およびGB-A-913910に記載されている。
【0002】 上記刊行物の方法を使用することによって、例えばクロロベンゾオキサゾール
は、2−メルカプト−1,3−ベンゾオキサゾールから、種々の塩素化剤を使用 してメルカプト基を塩素と交換することによって製造できる。処理が必要な塩化
硫黄が副生物として得られる。
【0003】 さらなる製造法としては、適切に置換された1,3−ベンゾオキサゾール−2 −オンを過剰の五塩化リンを使用してクロロベンゾオキサゾールに転化するもの
が含まれる(EP-A-572893、EP-A-141053、DE-A-3406909)。2,6−ジクロロベ ンゾオキサゾールを製造する場合、例えば6−クロロベンゾオキサゾール−2−
オンを使用する。この方法で使用する過剰のPCl5の再処理は、特に手間がか かる。
【0004】 非置換チオ類似物である1,3−ベンゾチアゾール化合物を、塩素化触媒の存 在下で直接塩素化することによって2−クロロベンゾ−1,3−チアゾールに転 化できることはすでに知られている(DE-A-3234530)。しかし、この選択的な一
塩素化反応は、類似のベンゾオキサゾールでは知られておらず、それどころかDE
-A-2059725は、この場合、置換可能な部位を占有するにあたっての選択性が全く
なく、分子中で過塩素化が起こることを示している。
【0005】 上記方法の不都合な点がない、クロロベンゾオキサゾールを製造するための別
の方法が必要である。ここで驚くべきことに、クロロベンゾオキサゾールは、ベ
ンゾオキサゾールから直接塩素化して得られることがわかった。この方法では、
一塩素化および別法としてある種の二塩素化の両方を実施することができる。
【0006】 従って、本発明は、式(I)
【化3】 [式中、R1、R2およびR4は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、CN 、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アルコキシ、アリールまたはアリー ルオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、それぞれ置換されていないか、
または置換されている)であり、そして
【0007】 (a) R3=H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アル
コキシ、アリールまたはアリールオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、
それぞれ置換されていないか、または置換されている)であるか、または (b) R3=塩素である] のクロロベンゾオキサゾールを製造する方法であって、式(II)
【化4】 [式中、R1、R2およびR4は、式(I)に定義した通りであり、(a)の場合 、R3は式(I)に定義した通りであり、(b)の場合、R3は水素である] のベンゾオキサゾールを、酸触媒存在下で塩素化剤と反応させて一塩素化生成物
(I)を得るか、または(b)の場合、過剰の塩素化剤と反応させてR3=塩素 である二塩素化生成物(I)を得ることからなる、前記式(I)のクロロベンゾ
オキサゾールの製造法を提供する。
【0008】 本発明によれば、式(I)の2−クロロ誘導体を、高い収率および純度で選択
的に製造することができる。さらに、本発明者らの実験によれば、ベンゾオキサ
ゾール、好ましくは置換されていないベンゾオキサゾールを対応する2−クロロ
ベンゾオキサゾールに塩素化する反応を、過剰の塩素化剤を用いて続ける場合、
2,6−二塩素化ベンゾオキサゾール、好ましくは2,6−ジクロロベンゾオキサ
ゾールが選択的に得られることがわかった。このような選択性を予見することは
できなかった。
【0009】 DE-A-2059725に記載されている結果によると、ベンゾオキサゾールの塩素化は
、非選択的な多塩素化になると予想される。さらに、ベンゾチアゾールを塩素化
して2−クロロベンゾチアゾールを得るために記載されている条件(DE-A-32345
30)が、ベンゾオキサゾール分子へ転用できるということは予想されなかった。
その理由は、ベンゾオキサゾール骨格そして特にベンゾオキサゾール自体が、そ
れぞれ非常に敏感な(反応性の)分子系および分子であると知られているからで
ある。従って、DE-A-2059725およびDE-A-3234530からの技術的な教示を全く矛盾
することなく説明することは可能である。しかし、驚くべきことに、本発明の条
件下ではベンゾオキサゾールを使用しても選択的に塩素化を実施することが可能
であり、そして通常、式(I)のクロロ誘導体が、高い収率および選択性で得ら
れる。
【0010】 上記式(I)[式中、R1、R2およびR4は、それぞれ互いに独立して、H、 ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−ハロアルキル、C1
5−アルコキシ、C1〜C5−ハロアルコキシ、フェニルまたはフェノキシ(こ こで、最後に記載した2個の基は、それぞれ置換されていないか、またはハロゲ
ン、CN、NO2、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4− アルコキシおよびC1〜C4−ハロアルコキシからなる群から選択される1個また
はそれ以上の基により置換されており、好ましくはH、ハロゲン、例えばフッ素
、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、CF3、CCl3 、OCF3またはOCHF2、特にHまたは塩素であり、そして (a) 式(I)のR3が、R1、R2およびR4について可能な基の群から選択され
る基、好ましくはHまたは塩素であるか、または (b) 式(I)のR3が塩素である)] のクロロベンゾオキサゾールを製造するための本発明の方法は、特に重要である
【0011】 式(I)および(II)においては、基アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、
ハロアルコキシならびにさらに対応している不飽和のおよび/または置換された
基は、各々の場合、炭素骨格が直鎖または分枝鎖でありうる。特記しない限り、
これらの基についてはより低級な炭素骨格、例えば1〜4個の炭素原子、そして
不飽和基の場合2〜4個の炭素原子を有するものが好ましい。また、アルコキシ
、ハロアルキルなどのような複合的な意味におけるアルキル基は、例えばメチル
、エチル、n−またはi−プロピル、n−、i−、t−または2−ブチル、ペン
チル、ヘキシル、例えばn−ヘキシル、i−ヘキシルおよび1,3−ジメチルブ チル、ヘプチル、例えばn−ヘプチル、1−メチルヘキシルおよび1,4−ジメ チルペンチルである。
【0012】 ハロゲンは、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、ハロアルキル、
−アルケニル、および−アルキニルは、それぞれハロゲン、好ましくはフッ素、
塩素および/または臭素、特にフッ素または塩素によって、部分的にまたは完全
に置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニル、例えばCF3、CHF2
CH2F、CF3CF2、CH2FCHCl2、CCl3、CHCl2、CH2CH2C lであり、ハロアルコキシは、例えばOCF3、OCHF2、OCH2F、CF3
2O、OCH2CF3およびOCH2CH2Clであり、これはハロアルケニルお よび他のハロゲン置換された基にも対応して適用される。
【0013】 アリールは、単環式の炭素環の芳香環であり、また置換されている場合には、
二環式または多環式芳香族系を含み、そしてこれは、少なくとも一つの芳香環お
よび場合によりさらなる芳香環または部分的に不飽和のもしくは飽和した環を含
み、アリールは、例えばフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニ
ル、インダニル、ペンタレニル、フルオレニル等、好ましくはフェニルである。
アリールオキシは、好ましくは上記アリール基に対応するオキシ基、特にフェノ
キシである。
【0014】 置換された基、例えば置換されたアルキル、アリール、フェニルまたはフェノ
キシは、例えば置換されていない親化合物から誘導された置換された基であり、
置換基は、例えばハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ヒド
ロキシル、アミノ、ニトロ、シアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキル
カルボニル、ホルミル、カルバモイルおよびモノ−およびジアルキルアミノカル
ボニル、置換されたアミノ、例えばアシルアミノ、モノ−またはジアルキルアミ
ノ、およびアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホ
ニル、ハロアルキルスルホニル、ならびに環状基の場合はさらにアルキルおよび
ハロアルキルからなる群から選択される1個またはそれ以上、好ましくは1、2
または3個の基である。炭素原子を有する好ましい基は、1〜4個の炭素原子、
特に1または2個の炭素原子を有するものである。通常、ハロゲン、例えばフッ
素および塩素、C1〜C4−アルキル、好ましくはメチルまたはエチル、C1〜C4 −ハロアルキル、好ましくはトリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ、好ま
しくはメトキシまたはエトキシ、C1〜C4−ハロアルコキシ、ニトロおよびシア
ノからなる群から選択される置換基が好ましい。ここでは、メチル、メトキシお
よび塩素の置換基が特に好ましい。
【0015】 出発物質、式(II)のベンゾオキサゾールは、知られている方法でまたは知ら
れている方法と類似の方法で製造できる。例えば、ベンゾオキサゾールは2-ア ミノフェノールをオルトギ酸エステルと、またはギ酸もしくはホルムアミドと反
応させることによって得られる(Houben-Weyl, “Methoden der organischen Ch
emie" Vol. E8a)。
【0016】 塩素化反応に適した溶媒は、反応条件下で不活性であるかもしくは適切な方法
で反応に関与する有機もしくは無機の溶媒、ハロゲン化反応で慣用的に使用され
るもの、またはそれらの混合物である。特定の場合には、反応成分を溶媒として
使用することも可能である。適切な有機溶媒の例は、 − 芳香族または脂肪族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレンおよび パラフィン、 − ハロゲン化脂肪族または芳香族炭化水素、例えば塩素化アルカンおよびアル ケン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、 − ニトリル、例えばアセトニトリル、 − カルボン酸およびその誘導体、例えば酢酸またはそのエステル である。適切な無機溶媒の例は、 − オキシ塩化燐またはSOCl2であり、これらは追加的に塩素化剤として使用
するのにも適している。
【0017】 また、都合のよい方法では、反応を溶媒なし(neat)で、すなわち出発物質(
II)の溶融物もしくは生成物(I)の溶融物、またはそれらの混合物で実施する
ことも可能である。
【0018】 適切な触媒は、酸性物質またはその混合物、例えば鉱酸またはその酸性塩;酸
性イオン交換剤;ゼオライト(H形);他の酸性無機物、例えばモンモリロナイ
トまたはルイス酸、例えば遷移金属の塩、例えばFeHal3、AlHal3、S
2Hal5、ZnHal2、SnHal2、SnHal4、TiHal4、CuHa
l、CuHal2等であり、Halは、各々の場合、フッ素、塩素、臭素および ヨウ素からなる群より選択されたハロゲンであり、好ましくは塩素、臭素または
ヨウ素、特に塩素である。塩化鉄(III)、三塩化アルミニウムまたはモンモリ ロナイト、特にFeCl3またはAlCl3を使用するのが好ましい。
【0019】 触媒の量は、広い範囲で変化させることができる。触媒の最適量は個々の触媒
に左右され、使用する式(II)の化合物の量を基準にして、例えば触媒0.05 〜10モルパーセント、好ましくは0.1〜3モルパーセントである。
【0020】 反応を実施できる温度は、溶媒、式(I)および(II)の特定の化合物、触媒
ならびに塩素化剤に応じて広い範囲内で変化させることができ、適切な反応温度
は、通常20〜200℃の範囲である。一塩素化もしくは二塩素化をするかどう
か、または多塩素化副反応が可能かどうかに応じて反応温度を適切に選ばなけれ
ばならず、そして必要により予備実験で最適化する。温度は、好ましくは60〜
150℃、特に80〜140℃の範囲である。
【0021】 一般に、適切な塩素化剤は、有機化合物を塩素で処理するために使用できる全
ての試薬、またはその混合物もしくは組合せである。例えば、適切な塩素化剤は
、塩素、SO2Cl2、PCl3、PCl5、POCl3、SCl2、S2Cl2、SO
Cl2である。また、これらの混合物または他の塩素化剤と共に使用することも 可能である。好ましいのは、気体の塩素を導入することまたは塩素化剤としてP
OCl3、PCl5もしくはSOCl2を使用することである。さらに好ましいの は、PCl3および塩素、またはPCl5および塩素の組合せを使用してその場で
PCl5を生成することである。このため、例えばPCl3またはPCl5は、化 学量論量未満の量(この場合、それらも補助塩素化試薬としてみなされる)、例
えば式(II)の化合物を基準にして0.5〜20モルパーセント、好ましくは1 〜10モルパーセントの量で使用され、そして塩素化剤の残りは塩素ガスの形で
導入される。
【0022】 使用する塩素化剤の量は、一塩素化(aの場合)では、式(II)の化合物のモ
ルあたり塩素化剤が等モルまたはわずかに過剰、好ましくは1.0〜1.8モル、
または1.0〜1.2モルであるのが都合よく、また二塩素化(bの場合)では、
式(II)の化合物のモルあたり塩素化剤が2倍のモル量またはわずかに2倍より
も多いモル量、好ましくは2.0〜2.4モルであるのが好ましい。塩素化剤が塩
素化剤1モルあたり1モル当量よりも多い塩素を生成する場合、塩素化剤の量は
適切に減少させる。
【0023】 合成は、まず最初に出発物質(式(II)のベンゾオキサゾール誘導体)を溶融
物として入れるか、または生成物の溶融物もしくは適切な溶媒中に入れて、触媒
を加えることによって実施するのが好ましい。適切ならば、それから補助塩素化
剤、例えばPCl3またはPCl5を加える。所望の温度で効率よく撹拌をして、
それから塩素をゆっくり導入するか、または他の塩素化剤を計り込む。向流原理
によって作動する反応器中で反応を実施することによって、かなり高い比率の転
化を達成できる。
【0024】 所望の生成物が、高純度および非常に高い収率で選択的に得られる。例えば精
密蒸留によって非常に純粋な生成物を得ることができる。 以下の実施例によってさらに詳細に実験を説明するが、本発明をこれらの実施
態様に限定するものではない。特記しない限り量は重量に基づく。
【0025】 実施例1 ガス導入管およびドライアイス冷却器を備えた撹拌フラスコに、6−クロロベ
ンゾオキサゾール20g(0.1302モル)およびクロロベンゼン50mlを入 れ、塩化鉄(III)(FeCl3)0.1gを添加した後、100℃に加熱した。効
率的に撹拌しながら、合計11.0g(0.155モル)の塩素ガスを、約4時間
にわたって液体表面下にゆっくり導入した。反応の経過をガスクロマトグラフィ
(GC分析)によってモニターした。出発物質が消費された後、バッチを冷まし
た。GC分析によれば、出発物質の95%が2,6−ジクロロベンゾオキサゾー ルに転化された。溶媒を除去した後、粗生成物を減圧下で蒸留することができる
。これにより、2,6−ジクロロベンゾオキサゾール23.07g(0.122モ ル)を得た。GCによる純度:99.5%=理論量の93.8%。
【0026】 実施例2 実施例1の方法を使用して、同じ条件下で1,3−ベンゾオキサゾール11.9
g(0.1モル)を反応させて2−クロロベンゾオキサゾールを得た。これによ り、14.35gの2−クロロベンゾオキサゾールを得た。GC:99%純粋= 理論量の92.5%の収率。
【0027】 実施例3 実施例1の方法を使用して、モンモリロナイトKSF 0.5gを添加して、ベ
ンゾオキサゾール11.9g(0.1モル)を100℃で塩素ガスと反応させた。
1.1倍のモル量の塩素ガスを添加した後、GCは2−クロロベンゾオキサゾー ルに完全に転化していることを示した。120〜125℃で塩素ガス(追加とし
て1.0倍モル量)をさらに導入すると、2,6−ジクロロベンゾオキサゾールへ
の転化率が80.6%となった。
【0028】 実施例4 6−クロロベンゾオキサゾール(>99%純粋)10g(0.065モル)を オキシ塩化燐70mlに溶解し、乾燥三塩化アルミニウム0.26gと混合した。 混合物を90℃に加熱し、次いで効率的に撹拌しながら液体表面下に塩素ガスを
導入し、そして反応の経過をガスクロマトグラフィ(GC分析)によってモニタ
ーした。約6時間後、出発物質は消費されていた。バッチを冷やし、そして反応
混合物を短いVigreuxカラムを備えた蒸留装置に移した。過剰のPOCl3を前留
分中に分離した。続いて減圧下で純粋な2,6−ジクロロベンゾオキサゾールの 画分を留去した。これにより、GCによる99%以上の純度を有する2,6−ジ クロロベンゾオキサゾール11.6gを得た。これは、理論量の94%以上の収 率に相当する。
【0029】 実施例5 6−クロロベンゾオキサゾール(>99%純粋)10g(0.065モル)お よびクロロベンゼン100mlを五塩化燐13.54g(0.065モル)および塩
化鉄(III)0.05g(乾燥)と共に、撹拌しながら130〜133℃に加熱し
た。約6時間後、反応は終了した。反応混合物を冷やし、シリカゲル60の層に
よってろ過した。塩化メチレンで溶出し、低沸点成分を除去して生成物を得、冷
やして凝固させたところ、GCによればこれは他の成分を含んでいなかった。2
,6−ジクロロベンゾオキサゾール12.25g(理論量の100%)を得た。
【0030】 実施例6 効率的に撹拌しながら、1,3−ベンゾオキサゾール(>99%純粋)10g (0.083モル)を、POCl3 100mlおよび塩化鉄(III)(乾燥)0.2g
と共に、100℃に加熱した。この温度で、塩素ガスを液体表面下に導入した。
反応のGC対照から、まず最初に2−クロロベンゾオキサゾールが形成され、こ
れがさらに置換され、それから反応して2,6−ジクロロベンゾオキサゾールが 得られたことがわかった。すべての出発物質が消費されると反応は終了した。G
C分析によれば、21.5%の2−クロロベンゾオキサゾールおよび71%の2,
6−ジクロロ-ベンゾオキサゾールが形成された。蒸留によって粗混合物を得た 。POCl3および2−クロロベンゾオキサゾールを第一の画分に集めた。これ はさらなるバッチに直接使用することができる。第二の画分では、2,6−ジク ロロベンゾオキサゾール11.0g(GC>99%純粋)(理論量の>70%) が得られた。2−クロロベンゾオキサゾールの再利用を考慮に入れて、理論量の
>92%の全収率が得られた。
【0031】 実施例7 6−クロロベンゾオキサゾール10g(0.065モル)、三塩化燐0.45g
および無水三塩化アルミニウム0.09gを、まず最初に30mlのオキシ塩化燐 (POCl3)に加えた。加熱撹拌しながら、塩素ガスを毎時塩素0.6当量の比
率で導入した。内部温度が80℃に達した後、塩素ガスの流れを6時間当たり塩
素0.6当量に減少させ、そして温度を100℃に高めた。反応をガスクロマト グラフィによってモニターした。出発物質の全てが消費されたあと、ほとんどの
POCl3を留去し、そして残留物を減圧下で分別蒸留にかけた。これにより、 2,6−ジクロロベンゾオキサゾール11.9gの純粋な画分を得た。そして、こ
れを冷却して凝固させた(GC>99%純粋)(理論量の>97%)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CN,CU,CZ,EE,GD,GE,H R,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MD, MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,R U,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT ,UA,US,UZ,VN,YU (72)発明者 ジャン−ピエール・デムト ドイツ連邦共和国デー−65779ケルクハイ ム.ザントヴェーク1 (72)発明者 ギュンター・シュレーゲル 東京都世田谷区深沢7丁目22番3号 (72)発明者 ヴォルフガング・ヴェルター ドイツ連邦共和国デー−65719ホーフハイ ム.アム・ヴィッカーバハ25 Fターム(参考) 4C056 AA01 AB01 AC02 AD03 AE03 CA14 CC01 CD05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 [式中、R1、R2およびR4は、それぞれ互いに独立して、H、ハロゲン、CN 、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アルコキシ、アリールまたはアリー ルオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、それぞれ置換されていないか、
    または置換されている)であり、そして (a) R3=H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−アル
    コキシ、アリールまたはアリールオキシ(ここで、最後に記載した4個の基は、
    それぞれ置換されていないか、または置換されている)であるか、または (b) R3=塩素である] のクロロベンゾオキサゾールを製造する方法であって、式(II) 【化2】 [式中、R1、R2およびR4は、式(I)に定義した通りであり、(a)の場合 、R3は式(I)に定義した通りであり、(b)の場合、R3は水素である] のベンゾオキサゾールを、酸触媒存在下で塩素化剤と反応させて一塩素化生成物
    (I)を得るか、または(b)の場合、過剰の塩素化剤と反応させてR3=塩素 である二塩素化生成物(I)を得ることからなる、前記式(I)のクロロベンゾ
    オキサゾールの製造方法。
  2. 【請求項2】 式(I)のR1、R2およびR4が、それぞれ互いに独立して H、ハロゲン、CN、NO2、C1〜C5−アルキル、C1〜C5−ハロアルキル、 C1〜C5−アルコキシ、C1〜C5−ハロアルコキシ、フェニルまたはフェノキシ
    (ここで、最後に記載した2個の基は、それぞれ置換されていないか、またはハ
    ロゲン、CN、NO2、C1〜C4−アルキル、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C 4 −アルコキシおよびC1〜C4−ハロアルコキシからなる群から選択される1個 またはそれ以上の基により置換されている)であり、そして (場合a) 式(I)のR3が、R1、R2およびR4について可能な基の群から選択
    される基であるか、または (場合b) 式(I)のR3が塩素である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 化合物(I)が、2,6−ジクロロベンゾオキサゾールであ る、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応を有機もしくは無機溶媒の存在下で、または溶媒なしで
    実施する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用する塩素化剤が、塩素、SO2Cl2、PCl3、PCl5 、POCl3、SCl2、S2Cl2、SOCl2または上記試薬の混合物である、 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 使用する塩素化剤が、PCl3またはPCl5と組み合わせた
    塩素である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 使用する式(II)の化合物の量に基づいて0.05〜10モル パーセントの量で触媒を使用する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 使用する触媒がモンモリロナイトまたはルイス酸である、請
    求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 使用する触媒がFeCl3またはAlCl3である、請求項1
    〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 反応温度が20〜200℃である、請求項1〜9のいずれ
    か一項に記載の方法。
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