JP2006028127A - 芳香族アミン化合物の製造方法および芳香族化合物のアミノ化剤 - Google Patents

芳香族アミン化合物の製造方法および芳香族化合物のアミノ化剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 工程が簡略で収率の高い芳香族アミン化合物の効率的な製造方法並びに芳香族化合物の新規なアミノ化剤を提供すること。
【解決手段】 一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを酸の存在下で反応させた後、加水分解を施すことを特徴とする一般式(III)で表される芳香族アミン化合物の製造方法、並びに一般式(II)で表される芳香族化合物のアミノ化剤。
【化1】
Figure 2006028127

式中、R1は置換基を表す。nは0〜5の整数を表す。nが2〜5の整数の場合、複数存在するR1は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成しても良い。R2、およびR3は各々が独立に置換または無置換のアルキル基を表す。R2とR3が互いに結合して環を形成しても良い。Qはヘテロ環基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ホスホニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は、染料、農薬、医薬品、電子材料の原料および化合物中間体として有用な芳香族アミン化合物を、芳香族化合物のアミノ化反応により製造する製造方法並びに芳香族化合物のアミノ化剤に関するものである。
芳香族アミン化合物は、染料、農薬、医薬品、電子材料の原料および化合物中間体として極めて重要な化合物である。その製造方法としては一般的には芳香族化合物を原料としニトロ化反応によりニトロ基を導入した後、さらに還元反応により製造するのが一般的であり、古くから利用されてきた方法である。芳香族ニトロ化合物は、芳香族化合物を硝酸−濃硫酸や、酢酸あるいはハロゲン系有機溶媒下で硝酸と反応させることにより製造できるが、ニトロ基を有する化合物は変異原異性を有することが多く、爆発性を有する場合もあることから取り扱いが難しい。また酸性廃液が生じることから環境に負荷がかかる懸念を有している。また芳香族アミンを得る方法としては、二工程の反応であり生産効率が悪いという特徴を有している。したがって、芳香族アミン化合物の工業生産用として好適な製造方法の開発が強く望まれていた。
ニトロ化反応を経由することなく、芳香族アミン化合物を製造するこれまでの反応の例としては、例えばヒドロキシルアミン−O−スルホン酸を使用するエフ・ミニスチ(F. Minisci)らの方法(非特許文献1参照)、ピー・コバチック(P. Kovacic)らの方法(非特許文献2参照)が知られている。しかしながら、これらの方法は反応率および収率が不十分であった。ハロアミンを使用した方法としては、エフ・ミニスチ(F. Minisci)の方法(非特許文献3参照)が知られているが、ハロアミンは爆発性を有するため、取り扱いが困難であり、またその収率は満足のいくものではなかった。ヒドラジン酸を使用した例としてはピー・コバチック(P. Kovacic)らの方法(非特許文献4参照)、ジー・エー・オラー(G. A. Olah)らの方法(非特許文献5参照)が知られている。前者は操作性、収率に不満足な点が多く、後者は収率は良いものの、取り扱いにくい試薬であるトリメチルシリルアジドとトリフルオロメタンスルホン酸を使用している。芳香族化合物とアゾジカルボン酸エステルと反応させ、ヒドラジン誘導体とした後還元処理を施すことにより芳香族アミン化合物を製造する方法として、ジェイ・エス・ヤドフ(J. S. Yadav)らの方法(非特許文献6参照)およびワイ・レブランク(Y. Leblanc)らの方法(非特許文献7参照)が知られている。ともに温和な条件で反応させることが出来るという特徴を有しているが、アゾジカルボン酸エステルは爆発性の懸念のある化合物であり、また変異原異性が疑われる化合物である。また、芳香族アミン化合物を得るためには還元処理が必要であり二工程を経なければならない。
オキシム誘導体をアミノ化剤に使用した例としては、イー・エドリック(E. Erdik)らの方法(非特許文献8参照)や奈良坂らの方法(非特許文献9参照)が知られているが、前者は芳香族化合物はグリニャール試薬のような非常に反応性の高い化合物でなければならず、使用できる化合物が限定される。後者は一度、イミノ基を有する化合物を経由しており、芳香族アミン化合物を得るためにはこの中間体を取り出した後、エチレングリコール溶媒中、水酸化セシウム存在下で160℃という高温で過熱して加水分解しなければならず、反応条件が苛烈であるという問題点を有している。また反応基質によってはイミノ基の加水分解がうまく進行しないという問題点を有していた。一方、例えばO−ヒドロキシルアミンまたはその塩を用いる方法が開示されている(特許文献1〜4参照)。しかしながら、この方法はニトロ基を有する芳香族化合物に限定される点で満足しうるものではなかった。
このように、これまで知られていた方法は工業的な製造方法としては不十分なものであった。
特開平7−300446号公報 特開平9−227469号公報 特開平9−176098号公報 特開平9−216869号公報 「ジャーナル オブ ジ オーガニック ケミストリー(Journal of the Organic Chemistry)」, 49巻, 4479−4482頁 (1984年) 「ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー(Journal of the American Chemical Society)」,83巻, 221−224頁 (1961年) 「シンセシス(Synthesis)」,1−24頁 (1971年) 「ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー(Journal of the American Chemical Society)」,86巻, 1558−1592頁 (1964年) 「ジャーナル オブ ジ オーガニック ケミストリー(Journal of the Organic Chemistry)」,54巻, 1203−1204頁(1989年) 「ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)」,318−319頁 (2002年) 「ジャーナル オブ ジ オーガニック ケミストリー(Journal of the Organic Chemistry)」,59巻, 682−687頁 (1994年) 「テトラへドロン レターズ(Tetrahedron Letters)」,43巻, 6237−6239頁(2002年) 「ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)」,32巻, 548−549頁(2003年)
本発明の目的は、上記の従来の芳香族アミン化合物の製造方法が有する問題点を克服し、工程が簡略で収率の高い芳香族アミン化合物の効率的な製造方法並びに芳香族化合物のアミノ化剤を提供することにある。
本発明の目的は、下記の手段によって達成された。
(1)下記一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを酸の存在下で反応させた後、生成物を加水分解することを特徴とする一般式(III)で表される芳香族アミン化合物の製造方法。
Figure 2006028127
一般式(I)中、R1は置換基を表す。nは0〜5の整数を表す。nが2〜5の整数の場合、複数存在するR1は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成しても良い。
Figure 2006028127
一般式(II)中、R2、およびR3は各々独立に置換または無置換のアルキル基を表す。R2とR3が互いに結合して環を形成しても良い。Qはヘテロ環基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ホスホニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基のいずれかを表す。
Figure 2006028127
一般式(III)中、R1およびnは一般式(I)におけるR1およびnと同義である。
(2)前記酸がルイス酸であることを特徴とする(1)項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
(3)前記一般式(II)において、R2、およびR3が各々独立に無置換のアルキル基であることを特徴とする(1)または(2)項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
(4)前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
(5)前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であり、かつQがヘテロ環基またはアシル基であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
(6)前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であり、かつQが2−ベンゾチアゾリル基であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
(7)前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であり、かつQが2’−メトキシアセチル基であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
(8)前記一般式(II)で表される芳香族化合物のアミノ化剤。
本発明によって、新規な芳香族アミン化合物の製造方法並びに芳香族化合物の新規なアミノ化剤を提供することができた。一般式(II)で表される化合物はオキシム類から安価で容易に調製することができる。さらに、一般式(III)で表される芳香族アミン誘導体を効率よく製造することが可能となった。このようにして得られた芳香族アミン化合物は、医薬、農薬、電子材料その他の機能性化合物の合成中間体として有用である。
次に本発明の一般式(I)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(I)において、Rは置換基を表す。Rが表す置換基としては、アルキル基(直鎖もしくは分岐鎖の置換又は無置換のアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアルキル基で、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、t−ペンチル、シクロプロピル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18の置換又は無置換のアルケニル基で、例えばビニル)、アルキニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18の置換又は無置換のアルキニル基で、例えばエチニル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18の置換又は無置換のシクロアルキル基で、例えばシクロヘキシル)、アリール基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは6〜25の置換または無置換アリール基で、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル)、
ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアシルアミノ基で、例えば、アセチルアミノ、ブタノイルアミノ、ベンゾイルアミノ、トリフルオロアセチルアミノ、ピコリノイルアミノ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜50のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアシル基で、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、テトラデカノイル、シクロヘキシルカルボニル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは7〜25のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メシルカルバモイル)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のカルボンアミド基で、例えば、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、ベンツアミド)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のスルホンアミド基で、例えば、メタンスルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは6〜25のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは0〜25のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、N−ブチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N−メチル−N−(4―メトキシフェニル)スルファモイル)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは2〜18のアルコキシカルボニル基で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル)、N−アシルスルファモイル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のN−アシルスルファモイル基で、例えば、N−テトラデカノイルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアルキルスルホニル基で、例えば、メタンスルホニル、イソプロピルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、オクチルスルホニル、2−メトキシエチルスルホニル、2−ヘキシルデシルスルホニル)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは6〜25のアリールスルホニル基で、例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、4−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは2〜18のアルコキシカルボニルアミノ基で、例えば、エトキシカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜50、より好ましくは7〜25のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェニルカルボニルアミノ、ナフトキシカルボニルアミノ)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは0〜18のアミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、アニリノ)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、スルホ基、メルカプト基、
アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアルキルスルフィニル基で、例えば、メタンスルフィニル、オクタンスルフィニル)、アリールスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは6〜25のアリールスルフィニル基で、例えば、ベンゼンスルフィニル、4―クロロフェニルスルフィニル、p−トルエンスルフィニル)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアルキルチオ基で、例えば、メチルチオ、オクチルチオ、シクロヘキシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜50、より好ましくは6〜25のアリールチオ基で、例えばフェニルチオ、ナフチルチオ)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のウレイド基で、例えば3−メチルウレイド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジフェニルウレイド)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜50、より好ましくは2〜25のヘテロ環基で、ヘテロ原子としては例えば、窒素、酸素及びイオウ等を少なくとも1個以上含み、3ないし12員環の単環、縮合環で、例えば、2−フリル、2−ピラニル、2−ピリジル、2−チエニル、2−イミダゾリル、モルホリノ、2−キノリル、2−ベンツイミダゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾオキサゾリル)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数0〜50、より好ましくは0〜18のスルファモイルアミノ基で、例えば、N−ブチルスルファモイルアミノ、N−フェニルスルファモイルアミノ)、シリル基(好ましくは炭素数3〜50のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t−ブチルシリル、トリフェニルシリル)、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のホスホニル基で、例えばフェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは1〜18のアゾ基で、例えばフェニルアゾ)、イミド基(好ましくは炭素数10以下ののイミド基で、例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)等が挙げられる。nは0〜5の整数を表す。nが2〜5の整数の場合、複数存在するR1は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して芳香族縮合環あるいは芳香族縮合複素環を形成しても良い。これらの置換基および環はさらに置換基により置換されていてもよく、その置換基の例としては前記R1の置換基として挙げた基が挙げられる。
次に一般式(I)で表される化合物の好ましい範囲について説明する。
一般式(I)において、好ましいRとしては、ハメットの置換基定数σ値が負であるような電子供与性の置換基が挙げられ、より好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が挙げられ、さらに好ましくは、アルキル基、アルコキシ基が挙げられる。なお、ハメットの置換基定数σについては、例えば稲本直樹著「ハメット則−構造と物性−」(丸善)、「新実験化学講座14・有機化合物の合成と反応V」2605頁(日本化学会編、丸善)、仲谷忠雄著「理論有機化学解説」27頁(東京化学同人)、ケミカル・レビュー(91巻)、165〜195頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。最も好ましくは、Rがアルコキシ基である。
また、nは好ましくは1〜3の整数であり、最も好ましくは2〜3の整数である。
次に一般式(II)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(II)において、R2およびR3は各々独立に置換又は無置換のアルキル基を表す。該アルキル基としては、前記一般式(I)におけるR1の置換基として説明したアルキル基と同じ意味を表す。R2またはR3が置換アルキル基の場合、その置換基としては前記一般式(I)におけるR1の置換基として説明した基が挙げられる。R2およびR3は同一でも異なっていてもよい。R2とR3が互いに結合して環を形成しても良い。Qはヘテロ環基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ホスホニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基のいずれかを表す。
次に一般式(II)で表される化合物の好ましい範囲について説明する。
一般式(II)において、好ましくはR2は無置換のアルキル基であり、 R3は無置換のアルキル基であり、Qは置換または無置換のヘテロ環基、アシル基、ホスホニル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基である。好ましい置換基の例としては、一般式(I)のR1の好ましい置換基の例として挙げた基が挙げられる。
次に一般式(II)で表される化合物のさらに好ましい範囲について説明する。
一般式(II)において、さらに好ましくはR2は炭素数1〜4の無置換のアルキル基で、R3は炭素数1〜4の無置換のアルキル基であり、Qは置換または無置換のヘテロ環基、アシル基、またはホスホニル基である。
次に一般式(II)で表される化合物のより好ましい範囲について説明する。
一般式(II)において、より好ましいのはR2は炭素数1〜2の無置換のアルキル基で、R3は炭素数1〜2の無置換のアルキル基であり、Qは2−ベンゾチアゾリル基または2’−メトキシアセチル基である。
次に一般式(II)で表される化合物の最も好ましい範囲について説明する。
一般式(II)において、最も好ましいのはR2とR3がともにメチル基であり、Qは2−ベンゾチアゾリル基または2’−メトキシアセチル基である。
一般式(II)で表される化合物は、例えば、通常の容器に、アセトオキシム、2−クロロベンゾチアゾール、N,N−ジメチルアセトアミド等を加え、氷温下で攪拌しているところに水素化ナトリウム等を分割添加し、昇温および冷却した後、反応混合物に水を注加し、昇温して攪拌し、生じた粗結晶を濾別した後、常法により、乾燥、洗浄等することにより得ることができる。
次に一般式(III)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(III)で表される化合物は一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物を酸の存在下において反応させ、加水分解を施すことで得られる。
一般式(III)において、R1およびnは一般式(I)におけるR1およびnと同じ意味を表す。
以下に本発明の製造方法を説明する。
一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物との反応により一般式(III)で表される化合物を製造する過程においては、溶媒として、通常用いられる有機溶媒が使用可能であるが、原料である一般式(I)で表される芳香族化合物を過剰量使用して、溶媒の代替として使用することも可能である。本発明に用いることができる溶媒の具体例としては、ハロゲン化炭化水素系溶媒(脂肪族であっても芳香族であってもよく、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン)、ニトロ系溶媒(脂肪族であっても芳香族であってもよく、例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、脂肪族系溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)、スルホランなどが挙げられ、好ましい例としては一般式(I)で表される化合物を過剰量用いるか、ニトロ系溶媒(より好ましくは、ニトロベンゼン、ニトロエタン、ニトロメタン)を使用するなどが挙げられ、さらに好ましくはニトロメタンである。これらの溶媒は単一で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用しても良い。溶媒は一般式(II)で表される化合物1質量部あたり好ましくは0.5〜1000質量部、さらに好ましくは1〜50質量部の割合で使用される。
一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物と酸とは、常法により、上記の溶媒中で混合すればよい。
本発明で使用する酸としてはどのような酸でもかまわないが、ルイス酸が好ましい。ルイス酸の具体例としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、三塩化インジウム、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化スズ、二塩化スズ、四臭化スズ、四塩化チタン、四臭化チタン、塩化ジルコニウム、五フッ化アンチモン、塩化ゲルマニウム、塩化鉄、塩化亜鉛、塩化ビスマスなどが挙げられる。スカンジウムトリフルオロメタンスルホネート、イッテルビウムトリフルオロメタンスルホネート、ガリウムトリフルオロメタンスルホネート、などのトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩も使用できる。ポリマーに固定化したルイス酸を使用しても良い。これらの中で、好ましくは四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化インジウム、三フッ化ホウ素であり、より好ましくは四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化インジウムであり、最も好ましいのは四塩化スズである。これらのルイス酸は単独で使用しても二種類以上を組み合わせて使用しても良い。
酸の使用量としては一般式(II)で表される化合物に対して、好ましくは0.5〜1000当量、より好ましくは1〜50当量、さらに好ましくは1〜5当量の割合で使用される。
本発明においては、本発明の製造過程において、有機あるいは無機の酸類の塩を添加した場合、反応速度および収率の向上が見られる場合があり、好ましい。塩の例としては、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、塩化リチウム、過塩素酸リチウム、リチウムテトラフルオロボレートなどが挙げられる。これらの塩は単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用してもよい。これらの塩の使用量としては一般式(II)で表される化合物に対して、好ましくは0.5〜1000当量、より好ましくは1〜100当量、さらに好ましくは1〜10当量の割合で使用される。
本発明の製造における反応温度は−78〜80℃が好ましく、さらに好ましくは5〜50℃である。反応時間は、反応温度が室温付近の場合には、通常数時間で反応が終結するが、より低い温度で反応を行った場合や一般式(I)で表される化合物の種類、あるいは使用する溶媒の種類によっては数日間を要することもある。
一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物との反応により一般式(III)で表される化合物を製造する過程においては、はじめに芳香族イミノ化合物が生成し、これに加水分解処理を施すことによって目的とする一般式(III)で表される化合物を得ることができると考えられる。
加水分解処理自体の温度は、−20〜200℃が好ましく、−10〜100℃がより好ましい。加水分解処理時間は1分〜24時間が好ましい。化合物(III)によっては加水分解に数日を要することもある。通常は反応混合物に水を注加するだけでよいが、場合によっては酸性条件下で加熱攪拌を要することもある。酸性条件とするには、例えば、塩酸や硫酸を系内に注ぎ込む方法などにより行うことができる。pHは好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜4である。
得られた一般式(III)で表される化合物は再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の方法を単独又は組み合わせて精製してもよい。
本発明における製造過程においては、大気中で行ってもよいが、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下で行うほうが好ましい。
本発明の製造方法によって合成できる一般式(III)で表される化合物は有機あるいは無機の酸類の塩としても単離してもよい。したがって、本発明の一般式(III)で表される化合物は、このような塩も包含する。この場合、好ましくは反応混合物を溶媒と混合し、この混合物に酸類を添加する操作によって単離できる。溶媒としては酢酸エチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が好ましい。また酸類は有機もしくは無機の酸のいずれでもよいが、好ましくは塩酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、シュウ酸である。
次に一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006028127
Figure 2006028127
次に一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006028127
Figure 2006028127
Figure 2006028127
次に一般式(III)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2006028127
Figure 2006028127
Figure 2006028127
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。
まず、一般式(II)で表される化合物の合成例を以下に示す。
実施例1(化合物II−1の合成)
よく乾燥させた1Lの三口フラスコにアセトオキシム13.3g(0.182モル)、2−クロロベンゾチアゾール28.1g(0.166モル)、N,N−ジメチルアセトアミド140mlを加え、氷温下で攪拌しているところに水素化ナトリウム(55% in oil)7.23g(0.166モル)を30分かけて注意深く分割添加した。氷冷下でさらに1時間攪拌した後、室温(22℃)へと昇温して3時間攪拌した。その後、再度氷冷下に冷却した後、反応混合物に水を200ml注加し、室温下に昇温して1時間攪拌した。生じた粗結晶を濾別した後、水で洗浄し、乾燥させた。さらに室温下でヘキサン400mlで攪拌することで結晶を分散洗浄した後、濾別し、さらにヘキサン100mlで洗浄して、化合物(II−1)28.4g(2−クロロベンゾチアゾールに対する収率83%)を淡褐色結晶(融点110〜112℃)として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 2.03 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 7.22 (dt, 1H, J
= 1.4, 7.4 Hz), 7.37 (dt, 1H, J = 2.7, 8.9 Hz), 7.70 (br t,2H, J = 8.4 Hz).
実施例2(化合物II−2の合成)
よく乾燥させた100mlの三口フラスコにアセトオキシム1.06g(0.0145モル)、2−クロロ−6−ニトロベンゾチアゾール2.14g(0.100モル)、N,N−ジメチルアセトアミド14.6mlを加え、氷温下で攪拌しているところに水素化ナトリウム(55% in oil)0.44g(0.010モル)を30分かけて注意深く分割添加した。氷冷下でさらに1時間攪拌した後、室温(22℃)へと昇温して3時間攪拌した。その後、再度氷冷下に冷却した後、反応混合物に水を100ml注加し、室温下に昇温して1時間攪拌した。生じた粗結晶を濾別した後、水で洗浄し、乾燥させた。さらに室温下でヘキサン100mlで攪拌することで結晶を分散洗浄した後、濾別し、さらにヘキサン50mlで洗浄して、化合物(II−2)1.98g(2−クロロ−6−ニトロベンゾチアゾールに対する収率79%)を淡黄色結晶(融点150〜152℃)として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 2.11 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 7.77 (d,1H, J = 8.9 Hz), 8.27 (dd, 1H, J = 2.7, 8.9 Hz), 8.63 (d,1H, J = 2.7 Hz).
実施例3(化合物(II−13)の合成)
よく乾燥させた100mlの二口フラスコにアセトオキシム7.3g(0.10モル)、アセトニトリル37ml、2−メトキシアセチルクロリド9.1ml(0.10モル)を加え、氷温下で攪拌しているところにトリエチルアミン15.3ml(0.10モル)を注意深く滴下した。氷冷下でさらに1時間攪拌した後、室温(22℃)へと昇温して3時間攪拌した。その後、反応混合物に水を100mlを注加した後酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、生じた無機塩を濾過して取り除いた。濾液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1〜1/1)により精製し、10.0gの化合物(II−13)を69%の収率(対アセトオキシム)で、無色透明油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 1.98 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 7.18−7.30 (m ,3H), 7.36−7.45 (m ,2H).
実施例4(化合物(II−22)の合成)
よく乾燥させた100mlの二口フラスコにアセトオキシム7.3g(0.10モル)、メタンスルホニルクロリド7.0ml(0.09モル)、アセトニトリル37mlを加え、氷温下で攪拌しているところにトリエチルアミン14ml(0.10モル)を注意深く滴下した。氷冷下でさらに1時間攪拌した後、室温(22℃)へと昇温して3時間攪拌した。その後、反応混合物に水を100mlを注加した後酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、生じた無機塩を濾過して取り除いた。濾液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)により精製し、化合物(II−22)を9.88g(メタンスルホニルクロリドに対する収率73%)の淡黄色結晶(融点30〜32℃)として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 2.03 (s, 6H), 3.13 (s, 3H).
実施例5(化合物(II−24)の合成)
よく乾燥させた100mlの二口フラスコにアセトオキシム7.3g(0.10モル)、p−トルエンスルホン酸クロリド17.1g(0.09モル)、アセトニトリル37mlを加え、氷温下で攪拌しているところにトリエチルアミン14ml(0.10モル)を注意深く滴下した。氷冷下でさらに1時間攪拌した後、室温(22℃)へと昇温して3時間攪拌した。その後、再度氷冷下に冷却した後、反応混合物に水を200ml注加し、室温下に昇温して一時間攪拌した。生じた粗結晶を濾別した後、乾燥させた。さらに室温下でヘキサン400mlで攪拌することで結晶を分散洗浄した後濾別して、化合物(II−24)15.9g(p−トルエンスルホン酸クロリドに対する収率78%)を淡黄色結晶(融点78〜80℃)として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 1.82 (s, 3H), 1.87 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 7.23 (d,1H, J = 8.4 Hz), 7.75 (dd, 1H, J = 8.4Hz).
実施例6(化合物(II−28)の合成)
よく乾燥させた100mlの二口フラスコにアセトオキシム7.3g(0.10モル)、ジフェニルホスホン酸クロリド24.1g(0.09モル)、アセトニトリル37mlを加え、氷温下で攪拌しているところにトリエチルアミン14ml(0.10モル)を注意深く滴下した。氷冷下でさらに1時間攪拌した後、室温(22℃)へと昇温して3時間攪拌した。その後、反応混合物に水を100mlを注加した後酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、生じた無機塩を濾過して取り除いた。濾液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)により精製し、化合物(II−28)を21.1g(ジフェニルホスホン酸クロリドに対する収率77%)、無色透明の油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 1.93 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 7.10−7.34 (m, 10H).
実施例7(化合物(II−32)の合成)
よく乾燥させた500mlの二口フラスコにシクロヘキサノンオキシム6.3g(0.056モル)、2−クロロベンゾチアゾール8.5g(0.050モル)、N,N−ジメチルアセトアミド85mlを加え、氷温下で攪拌しているところに水素化ナトリウム(55% in oil)2.43g(0.056モル)を30分かけて注意深く分割添加した。氷冷下でさらに1時間攪拌した後、室温(22℃)へと昇温して3時間攪拌した。その後、反応混合物に水を100mlを注加した後酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、生じた無機塩を濾過して取り除いた。濾液を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150g、ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)により精製し、化合物(II−32)を1.1g(2−クロロベンゾチアゾールに対する収率9%、アモルファス状)得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 1.55−1.90 (m, 6H), 12.38 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.71 (t, 2H, J = 5.9 Hz).
次に本発明の製造方法による、一般式(III)で表される化合物の代表的な合成例を以下の実施例に示す。なお、ここに挙げた化合物以外の一般式(III)で表される化合物も以下の実施例と同様にして合成することができる。
実施例8(化合物(III−1)および(III−2)の合成)
下記合成経路により化合物(III−1)および(III−2)を合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、アニソール(I−1) 540mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で14時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。分離した水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層をジクロロメタンで3回抽出した後、集めた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製してo−アニシジン(III−1)17.2mg(化合物(II−1)に対する収率28%)を淡黄色油状物質、p−アニシジン(III−2)34.5mg(化合物(II−1)に対する収率57%)を淡黄色結晶(融点57〜60℃)として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):o−アニシジン(III−1):δ = 3.57 (br.s, 2H, −NH2), 3.83 (s, 3H, −OCH3), 6.66−6.82 (m, 4H) ; p−アニシジン(III−2):δ = 3.02 (br. s, 2H, −NH2), 3.73 (s, 3H, −OCH3), 6.64 (d, 2H, J = 8.7 Hz), 6.73 (d, 2H, J = 8.7 Hz).
測定データは市販品のサンプルと良い一致を示した。
実施例9(化合物(II−3)および(II−4)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、フェネトール(エトキシベンゼン(I−2))610mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製してo−エトキシアニリン(III−3)23.7mg(化合物(II−1)に対する収率35%)を淡黄色油状物質、p−エトキシアニリン(III−4)32.6mg(化合物(II−1)に対する収率48%)を淡黄色結晶(融点4℃)として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):o−エトキシアニリン(III−3):δ = 1.42 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 4.04 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 3.44 (br.s, 2H, −NH2), 6.66−6.80 (m, 4H), ;p−エトキシアニリン(III−4):δ = 1.35 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 3.94 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 6.62 (d, 2H, J = 8.9 Hz), 6.72 (d, 2H, J = 8.9 Hz).
実施例10(化合物(III−10)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、2−メトキシトルエン(I−6)610mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10にした。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して3−メチル−4−メトキシアニリン(III−10)50.4mg(化合物(II−1)に対する収率74%)を赤褐色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 2.15 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 6.47−6.58 (m, 2H), 6.65 (d, 1H, J = 8.4 Hz).
実施例11(化合物(III−13)および(III−14)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、o−キシレン(I−10)530mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して2,3−ジメチルアニリン(III−13)、3,4−ジメチルアニリン(III−14)の混合物22.0mg(化合物(II−1)に対する収率36%)を赤褐色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):2,3−ジメチルアニリン(III−13):δ = 2.07 (s, 3H, −CH3), 2.26 (s, 3H, −CH3), 6.56 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.62 (d, 1H, J = 7.6 Hz), 6.92 (t, 1H, J = 7.6 Hz).;3,4−ジメチルアニリン(III−14):δ = 2.15 (s, 3H, −CH3), 2.17 (s, 3H, −CH3), 3.57 (br.s, −NH2), 6.46 (dd, 1H, J = 2.4, 7.8 Hz), 6.52 (br.d, 1H, J = 2.2 Hz).
実施例12(化合物(III−15)および(III−16)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、m−キシレン(I−11)530mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して2,6−ジメチルアニリン(III−15)、2,4−ジメチルアニリン(III−16)の混合物31.3mg(化合物(II−1)に対する収率52%)を赤褐色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):2,6−ジメチルアニリン(III−15):δ = 2.17 (s, 6H, −CH3), 3.57 (br.s, 2H, −NH2), 6.63 (t, 1H, J = 7.3 Hz), 6.93 (d, 2H, J = 7.3 Hz).;2,4−ジメチルアニリン(III−16):δ = 2.14 (s, 3H, −CH3), 2.22 (s, 3H, −CH3), 3.57 (br.s, 2H, −NH2), 6.60 (d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.83 (br.d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.87 (br.s, 1H) .
実施例13(化合物(III−18)および(III−19)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、1,3−ジメトキシベンゼン(I−13)690mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して2,4−ジメトキシアニリン(III−18)63.5mg(化合物(II−1)に対する収率83%)を赤褐色油状物質、2,6−ジメトキシアニリン(III−19)5.9mg(化合物(II−1)に対する収率8%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):2,4−ジメトキシアニリン(III−18):δ = 3.09 (br.s, 2H, −NH2), 3.74 (s, 3H, −OCH3), 3.81 (s, 3H, −OCH3), 6.33 (dd, 1H, J = 2.7, 8.4 Hz), 6.44 (d, 1H, J = 2.7 Hz), 6.66 (br.d, 1H, J = 8.4 Hz).; 2,6−ジメトキシアニリン(III−19):δ = 3.84 (s, 6H, −OCH3), 6.51 (d, 2H, J = 7.8 Hz), 6.68 (dd, 1H, J = 7.6, 8.9 Hz).
実施例14(化合物(III−20)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、1,4−ジメトキシベンゼン(I−14)690mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加え、さらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して2,5−ジメトキシアニリン(III−20)27.3mg(化合物(II−1)に対する収率36%)を赤褐色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 3.71 (s, 3H, −OCH3), 3.79 (s, 3H, −OCH3), 6.24 (dd, 1H, J = 2.7, 8.4 Hz), 6.35 (br.d, 1H, J = 2.7 Hz), 6.68 (br. d, 1H, J = 8.4 Hz).
実施例15(化合物(III−23)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、1,2−メチレンジオキシベンゼン(I−17)610mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して4−アミノ−1,2−メチレンジオキシベンゼン(III−23)41.5mg(化合物(II−1)に対する収率61%)を淡黄色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 3.2 (br.s, 2H, −NH2), 5.84 (s, 2H, −CH2), 6.11 (dd, 1H, J = 2.2 Hz, 8.1 Hz), 6.27 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 6.60 (d, 1H, J = 8.4 Hz).
実施例16(化合物(III−29)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、メシチレン(I−22)600mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ(SnCl)325mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して2,4,6−トリメチルアニリン(III−29)50mg(化合物(II−1)に対する収率74%)を赤褐色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 2.15 (s, 6H, −OCH3), 2.20 (s, 3H, −OCH3), 3.55 (br.s, 2H, −NH2), 6.76 (s, 2H).
実施例17(化合物(III−30)の合成)
下記合成経路により合成した。
Figure 2006028127
アルゴンガス雰囲気下、よく乾燥させた10mlの二口フラスコにセプタムラバーを取り付け、化合物(II−1)103mg(0.500ミリモル)を添加した。さらに室温下(22℃)、1,3,5−トリメトキシベンゼン(I−23)840mg(5.00ミリモル)、四塩化スズ3(SnCl)25mg(1.25ミリモル)、ニトロメタン(CHNO)1.0mlの混合溶液をシリンジで添加した。室温下で6時間攪拌した後、水を加えさらに1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、希塩酸で有機層を洗浄し有機層と水層を分離した。水層をジクロロメタンで1回洗浄した後、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを約10に調整した。この水層にジクロロメタンで3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。生じた無機塩を濾別した後、有機層を減圧条件下ロータリーエバポレーターで濃縮した。得られた残留物を薄層シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル2mm、展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して2,4,6−トリメトキシアニリン(III−30)86.1mg(化合物(II−1)に対する収率94%)を赤褐色油状物質として得た。
1H−NMR (270 MHz, CDCl3):δ = 3.15 (br.s, 2H, −NH2), 3.75 (s, 3H, −OCH3), 3.82 (s, 6H, −OCH3), 6.15 (s, 2H).
実施例18〜24
実施例8において、溶媒のニトロメタンを無溶媒あるいは下記の表1に示す溶媒に変更した以外は実施例8と同様に反応、後処理を行い、o−アニシジン(III−1)およびp−アニシジン(III−2)を得た。表1に、反応時間(水を加える前まで)、および化合物(II−1)に対する収率を合わせて示す。
Figure 2006028127
実施例25〜29
実施例8において、四塩化スズを下記の表2に示すルイス酸に変更した以外は実施例8と同様に反応、後処理を行い、o−アニシジン(III−1)およびp−アニシジン(III−2)を得た。表2に、化合物(II−1)に対する収率を合わせて示す。
Figure 2006028127
実施例30〜35
実施例8において、化合物(II−1)を下記の表3に示す化合物(II)に変更した以外は実施例8と同様に反応、後処理を行い、o−アニシジン(III−1)およびp−アニシジン(III−2)を得た。表3に、化合物(II−1)に対する収率を合わせて示す。
Figure 2006028127

Claims (8)

  1. 一般式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化合物とを酸の存在下で反応させた後、生成物を加水分解することを特徴とする一般式(III)で表される芳香族アミン化合物の製造方法。
    Figure 2006028127
    一般式(I)中、R1は置換基を表す。nは0〜5の整数を表す。nが2〜5の整数の場合、複数存在するR1は同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成しても良い。
    Figure 2006028127
    一般式(II)中、R2、およびR3は各々独立に置換または無置換のアルキル基を表す。R2とR3が互いに結合して環を形成しても良い。Qはヘテロ環基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ホスホニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基のいずれかを表す。
    Figure 2006028127
    一般式(III)中、R1およびnは一般式(I)におけるR1およびnと同義である。
  2. 前記酸がルイス酸であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
  3. 前記一般式(II)において、R2、およびR3が各々独立に無置換のアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
  4. 前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
  5. 前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であり、かつQがヘテロ環基またはアシル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
  6. 前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であり、かつQが2−ベンゾチアゾリル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
  7. 前記一般式(II)において、R2、およびR3がともにメチル基であり、かつQが2’−メトキシアセチル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香族アミン化合物の製造方法。
  8. 一般式(II)で表される芳香族化合物のアミノ化剤。
    Figure 2006028127
    一般式(II)中、R2、およびR3は各々独立に置換または無置換のアルキル基を表す。R2とR3が互いに結合して環を形成しても良い。Qはヘテロ環基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ホスホニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、またはアリールスルホニル基のいずれかを表す。
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