JP2002367828A - コイルフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
コイルフィルタ及びその製造方法Info
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- H01F17/02—Fixed inductances of the signal type without magnetic core
Abstract
載に適し、部品相互間の配置を考慮する必要の少ない、
高周波特性の優れた広帯域のアイソレーションを実現す
るコイルフィルタを提供する。 【解決手段】 電子回路基板等の電子機器の直流電源又
は信号等に重畳されて伝播する電磁波或いは高周波信号
を阻止するためのフィルタであって、隣接する導体線間
が電気的に絶縁された導体線をコイル状に巻回した中間
部1aの両側に、一回転以上巻回した導体線部分がリン
グ状に導通するショートリング1bを構成するようにコ
イル端部の導体線間を電気的に接合させ、該導体線の端
部1cがコイル形状の端面の最外周部よりも内側に入る
ように形成したものである。
Description
板に表面実装されて、直流電源又は信号等に重畳されて
伝播する電磁波や高次調波或いは高周波信号を阻止する
コイルフィルタ及びその製造方法に関するものである。
に象徴されるように、製品の小型化に伴い、部品の小型
化及び小型部品の自動実装等が進み、インダクタ部品に
おいても表面実装に対応した様々なチップ型のインダク
タが考案され用いられている。チップ型インダクタとし
ては、セラミックやフェライトを材料としたグリーンシ
ートに厚膜導体を形成して積層構造にして成形・焼成し
たもの、セラミックやフェライトを材料とした基板に厚
膜や薄膜導体形成技術を用いて渦巻き状のコイルとして
電極を形成したもの、チップ形の母材に導体をメタライ
ズしレーザーなどで切削してコイル状に形成したもの、
或いはフェライトやセラミック等からなる絶縁体に被膜
銅線を巻回し角型のチップ状に成形したリードレスのイ
ンダクタ等がある。
の影響や構造上の浮遊容量、寄生容量等のため使用周波
数域に制限が生ずることや、導体抵抗が大きいことによ
る電流容量の不足、或いは磁気飽和、Q値や挿入損失の
問題等が発生する。そこで、低損失を要求される送信部
やアンテナのマッチング、電流の大きな電源等にインダ
クタを用いる場合には、導体線を巻回した単純な構造の
巻線コイルが要求され使用されることがある。このよう
な導体線を巻回したコイルには、用途に応じてフェライ
ト等の磁性体やセラミック材を芯材としたものや、空芯
のコイルなどが使用されている。
ジタル信号等に高(次)調波が重畳することや、電源や
デジタル信号等から電磁波が漏洩するいわゆるEMI
(Electro−Magnetic Interfe
rence)と呼ばれるノイズ(電磁気干渉)対策のた
めに抵抗の挿入やコンデンサによる接地等の対策は一般
に行われており、コイルもその特性から、電圧低下やD
Cレベルの変動に対する要求が厳しい場合には、よく用
いられている。
は分布容量のため共振点が存在し、一般的には共振点が
インダクタとしての使用限界周波数になる。またコイル
はアンテナにもなり得るので、特定の周波数においては
EMI対策には逆効果になることもある。特にデジタル
機器のように広帯域に渡って高次調波が発生する場合に
は使用上注意が必要である。さらに磁束の影響によるコ
イル間の結合や基板アース面にも注意する必要があり、
実装上はその向きや極性、近接するパターンを避けるな
どの考慮が大切になる。
ルでは回路接続のための端子(電極)として用いるコイ
ルの両端部の半田付け部分の形状と処理が問題になる。
自動実装機での取扱い易さの追求のため、なるべくコイ
ル両端部の半田付け部分を多くしてほぼ一周する部分を
半田処理したり、基板に接する端子部分を水平になるよ
うに加工したりと様々な工夫が見られるが、プラスチッ
クのエンボス部分に収めたテープアンドリール品では、
コイルの両端子部分の、導体線の切断面の角がプラスチ
ックエンボスの内側面に引掛かり実装歩留まりが悪いと
いう問題も起きている。
では、自動実装機による電子機器の回路基板への表面実
装搭載に適し、部品どうしの配置を考慮する必要が少な
い、直流電源又は信号等に重畳されて伝播する電磁波や
高次調波或いは高周波信号等を阻止するための高周波特
性の優れた広帯域のアイソレーションを実現するコイル
形状のコイルフィルタ及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
め、本発明は、電子回路基板等の電子機器の直流電源又
は信号等に重畳されて伝播する電磁波或いは高周波信号
を阻止するためのフィルタであって、隣接する導体線間
が電気的に絶縁された導体線をコイル状に巻回した中間
部の両側に、一回転以上巻回した導体線部分がリング状
に導通するショートリングを構成するようにコイル端部
の導体線間を電気的に接合させ、該導体線の端部がコイ
ル形状の端面の最外周部よりも内側に入るように形成し
たことを特徴としている。また、前記中間部の導体線を
多重または多層のコイル状に巻回したことを特徴として
いる。また、前記コイル端部の導体線部分は、半田付け
又は溶接により導体線間を電気的に接合したショートリ
ングを構成していることを特徴としている。また、前記
中間部の隣接する導体線間の導体線には絶縁皮膜が施さ
れ、前記ショートリングを構成するコイル端部は半田ま
たは金属によるメッキ処理が施されていることを特徴と
している。また、前記コイル端部のショートリング部分
を一回転以上最大巻数未満の任意の巻数とすることで所
望の特性が得られるように構成したことを特徴としてい
る。また、前記ショートリングを構成する電極部を含む
コイル状に巻回した導体線の外形を、電子回路基板等へ
の実装が容易になるように円筒形に形成したことを特徴
としている。
側に磁性体からなるコア材または棒状の芯材が配設され
ていることを特徴としている。また、前記コイル状に巻
回した導体線の内側に磁性体からなるコア材が配設さ
れ、該コア材はコイル両端部に構成されたショートリン
グ部分の内側に配設されていることを特徴としている。
また、前記コイル状に巻回した導体線の内側に配設した
前記磁性体からなるコア材または棒状の芯材が抜け落ち
ないように、該導体線の端部がコイル形状の外周部の内
側に入るように形成したことを特徴としている。また、
前記コイル状に巻回した導体線として複数本の絶縁被膜
で覆われた導体線を撚り合わせたリッツ線を用いている
ことを特徴としている。また、前記リッツ線によるコイ
ル形状の内側に磁性体からなるコア材または棒状の芯材
を配設し、該芯材の両端部に形成した導体リングに前記
リッツ線の端部を複数箇所で溶接することによりショー
トリングを構成したことを特徴としている。また、請求
項6または請求項7に記載のコイルフィルタおいて、導
体線をコイル状に巻回した後に、該コイル内径と同一ま
たは該コイル内径より小さい外形の磁性体からなるコア
材または棒状の芯材を挿入するようにしたことを特徴と
している。
ルタの、実施の形態の具体例を、図面を参照しながら説
明する。図1は、本発明における第1の実施の形態によ
るコイルフィルタの形状を示す概略図である。図1
(a)は正面図、図1(b)は側面図を示しており、用
途に応じた適当な太さの導体線を、隣接する導体線1a
間が電気的に絶縁されるように一定間隔の疎巻状態にし
て中間部をコイル状に巻回し、両端部1bを電気的に接
合することでコイルの磁束を遮るショートリングを構成
している。ここで、導体線の端部1cはコイル形状の端
面の最外周部よりも内側に入るように加工され、図示し
ていないが導体線の端部1cはスポット溶接やレーザー
半田等による接合処理が施され実装する前から電気的な
接続が確保され確実にショートリングを構成するように
なっている。
の端面の最外周部よりも内側に入れることで、自動実装
機に用いられるプラスチックのエンボスキャリアの内側
面に引っ掛かる可能性のあった従来の単純に導体線をカ
ットした形状の場合の基板実装に比べ、実装率の低下が
大幅に改善される。
マッチングや共振回路としての用途のインダクタ本来の
特性からは離れるが、フェライトビーズインダクタ等に
代表されるEMI除去フィルタとしての効果は向上す
る。一般のインダクタは部品相互の磁束により向き配置
の他、GND(接地)パターンによる影響等や場合によ
っては極性も考慮する必要があるが、ショートリングを
構成している本発明によるコイルフィルタでは閉磁路型
のインダクタと同様に漏洩磁束による影響を考慮する必
要が殆どないため部品配置の自由度が大きい。従って、
より大きなアイソレーションを必要とする場合は多段接
続構成にすることで所望の特性を得ることが可能にな
る。
子部品の組立てにおいて多用されており、2つの電極で
複数の被溶接材を挟みパルス上の電圧を印加して被溶接
材の接触部の電気抵抗による発熱を利用して被溶接材を
接合するものである。上述したように導体線端部1cを
コイル形状の最外周部よりも内側にいれることで、スポ
ット溶接用の電極の配置及び溶接加工も容易になる。
う方法もある。最近は環境を考慮して鉛フリー半田が用
いられるようになり様々な半田が登場しているが、材料
の選定によっては溶融点も高くなるので、半田の種類を
特定できない多種の実装基板に対応するためには部品単
体としては高温耐熱の絶縁被膜を施した銅導体細線に高
融点の半田を使用する必要がある。なお、実装する電子
回路基板側の理由等によりコイルフィルタ側の電極(端
子)に使用する半田を特定できない場合は、金メッキ処
理を施すことも可能である。勿論、半田濡れ性向上のた
めフラックス処理することも可能である。
るチップ実装に用いられる部品は長さや幅がほぼ決めら
れており、本発明のコイルフィルタも例外ではない。し
かし、本発明によるコイルフィルタは、通常の巻線イン
ダクタが1ターン単位でしか設定できないのに対し、長
さ或いは巻数が一定だとしてもショートリング部分を最
低1ターン〜決められた最大巻数までの任意の長さ或い
は巻数に設定できるので、リニアに近い特性の変化をさ
せることができ、所望の特性のコイルフィルタを得るこ
とができる。
材を挿入した概略図である。図2(a)は正面図、図2
(b)は側面図を示しており、図1と同様に用途に応じ
た適当な太さの導体線を、隣接する導体線1a間が電気
的に絶縁されるように一定間隔の疎巻状態にして中間部
をコイル状に巻回し、両端部1bを電気的に接合するこ
とでコイルの磁束を遮るショートリングを構成してい
る。
イトを用いた磁性体から成るコア材1dがコイルの内側
に挿入されている。コア材を挿入後、導体線の端部1c
をコイル形状の端面の最外周部よりも内側に入るように
加工し、図示していないが導体線の端部1cをスポット
溶接やレーザー半田等による接合処理を施すことで電気
的な接続を確実なものとしている。また、導体線の端部
1cをコイル形状の外周部の内側に入るように加工する
ことによって挿入したコア材1dが抜け落ちることもな
くなり、従来の巻線コイルのようにコイルの内径とコア
材の外形が同じか、コア材の外形を少し大きくして無理
やり挿入することで抜け落ちないようにする等の特別な
工夫を必要としない。
すると、コイル状に巻回した導体線は線膨張が支配的で
あるため、スプリングバックして硬性を保っているコイ
ルに対して温度を変化させても、そのコイル内径は殆ど
変らない。従来の、フェライトコア等に直接導体線を巻
回したものや、導体線を巻回したコイルにコア材が抜け
落ちないようにコイル内径よりも大きな外形のコア材を
無理に挿入したものは、体膨張をするコア材の影響を受
けコイル径が変化して特性も変化してしまう。このこと
から、導体線をコイル状に巻回した後に、そのコイル内
径と同一もしくはそのコイル内径より小さい外形を有す
るフェライトコア等のコア材を挿入し、挿入したコア材
が抜け落ちないように導体線の端部をコイル形状の外周
部の内側に入るように加工する製造方法を用いること
で、温度変化に対する特性変化の少ないコイルフィルタ
を作ることが可能になる。
はコイル両端のショートリング部分の内側に収まるよう
にすることで磁束を遮るショートリングとしての効果が
発揮される。コア材がショートリングの外側にはみ出し
ている場合は、コア材を通じて磁束が外に漏れるのでフ
ィルタとしての効果が薄れるだけでなく、周辺に配置さ
れた部品に対する影響を与え、また実装する基板の配線
パターンや周辺部品からの影響を受けて特性が変化する
ことになる。
から成るコア材に代わり、ガラス棒、プラスチック棒、
セラミック棒、或いは抵抗体(メルフ型抵抗器)やその
他の金属材料をそれぞれの用途に応じて用いることも可
能である。例えば、本発明によるコイルフィルタを複数
個組合せてプラスチックパッケージに入れた一体型のフ
ィルタを形成する場合に、パッケージと同一種類のプラ
スチックを棒状の芯材として用いることでパッケージ化
した前後の特性の変化が少なくなり、単体部品として予
め既知の特性のコイルフィルタを組合せることができ、
一体型にした後も特性の変化が少ないフィルタを得るこ
とができる。
使用されているフェライトビーズインダクタは、フェラ
イトコアに貫通端子を通すというシンプルな構造にする
ことで浮遊容量を減らし、フェライトの材質を選ぶこと
でノイズを熱に変換して吸収するようにし、高周波域で
はフィルタ内部に抵抗成分を持たせ低周波域ではインダ
クタンス成分主体になるようにしたものである。表面実
装に対応したチップ型のフェライトビーズインダクタに
は、フェライトに導体パターンをコイル状或いはストレ
ートに形成した積層型のものや、金属板外部電極と内部
導体部分を一体に形成しフェライトで挟み込んだもの等
がある。
ライトビーズインダクタに代わるもので、さらに、挿入
するコア材の磁性体材料とコイルの線径、巻数、巻線の
間隔等の組合せにより、目的・用途に応じた広帯域のア
イソレーション特性、或いは必要なアイソレーション特
性を得ることが可能になり、直流抵抗が少ないことから
電源用途のフィルタには最適である。
によるコイルフィルタの形状を示す概略図である。図3
(a)は正面図、図3(b)は側面図を示しており、用
途に応じた適当な太さの導体線を、隣接する導体線1a
間が電気的に絶縁されるように絶縁被膜で覆われた導体
線を密巻状態にして中間部をコイル状に巻回し、両端部
1bの被膜部を剥離して半田或いは金メッキ処理等を施
し電気的に接合することでコイルの磁束を遮るショート
リングを構成している。導体線の端部1cは、図1と同
様コイル形状の端面の最外周部より内側に入るように加
工され、図示していないが導体線の端部1cはスポット
溶接やレーザー半田等による接合処理が施され実装する
前から電気的な接続が確保され確実にショートリングを
構成するようになっている。
できる容量に加え線間にできる容量のため使用周波数領
域は下がるが、図1に示した疎巻のコイルに比べインダ
クタンスを大きくでき、またLとCの複合作用により使
用周波数帯でのアイソレーション特性を大きくすること
も可能である。さらに、中間部の導体線を多重或いは多
層のコイル状に巻回してインダクタンス値を大きくし、
より低い周波数領域で使用できるフィルタにすることも
できる。
材を挿入した概略図である。図4(a)は正面図、図4
(b)は側面図を示しており、図3と同様に用途に応じ
た適当な太さの導体線を、隣接する導体線1a間が電気
的に絶縁されるように絶縁被膜で覆われた導体線を密巻
状態にして中間部をコイル状に巻回し、両端部1bの被
膜部を剥離して半田或いは金メッキ処理等を施し電気的
に接合することでコイルの磁束を遮るショートリングを
構成している。
イトを用いた磁性体から成るコア材1dがコイルの内側
に挿入されている。図2と同様にコア材1dを挿入後、
導体線の端部1cをコイル形状の端面の最外周部より内
側に入るように加工し、導体線の端部1cをスポット溶
接やレーザー半田等による接合処理を施すことで電気的
な接続を確実なものとしている。導体線の端部1cをコ
イル形状の外周部の内側に入るように加工することによ
って挿入したコア材1dが抜け落ちることもなくなる。
磁性体材料とコイルの巻数等の組合せにより、目的・用
途に応じた広帯域のアイソレーション特性、或いは必要
なアイソレーション特性を得ることが可能になる。また
導体線として導体細線を撚り合わせたリッツ線を用いた
場合はアイソレーション特性が改善される。特に、フェ
ライトを挿入した場合はフェライトの効果が発揮できる
周波数帯における改善が大きい。
り合わせた複数本の絶縁被膜銅線全てをショートさせる
のが難しいので、図示していないが、フェライトコア材
の両端に導体リングを形成し、この導体リングに複数箇
所でスポット溶接する。リッツ線は撚ってあるため複数
の銅線の、どこかの被膜が必ず破られ、結果として全て
の線が導体リングにより形成されたショートリングに接
続される。
インダクタの形状を示す概略図である。図5(a)は正
面図、図5(b)は側面図を示しており、適当な太さの
導体線を、隣接する導体線2a間が電気的に絶縁される
ように絶縁被膜で覆われた導体線を密巻状態にして中間
部をコイル状に巻回し、両端部2bの被膜部を剥離して
半田処理等を施したインダクタである。
断した従来の形状のインダクタの場合には、自動実装機
におけるプラスチックによるエンボステープを用いた場
合、テープアンドリール品の輸送等の際にコイルの両端
子部分の、導体線の切断面の角がプラスチックエンボス
の内側面に引掛かり、実装率を下げるという問題があっ
た。
ルによるインダクタの形状を示す概略図である。図6
(a)は正面図、図6(b)は側面図を示しており、図
5と同様に適当な太さの導体線を、隣接する導体線2a
間が電気的に絶縁されるように絶縁被膜で覆われた導体
線を密巻状態にして中間部をコイル状に巻回し、両端部
2bの被膜部を剥離して半田処理等を施し、フェライト
を用いた磁性体から成るコア材2dをコイルの内側に挿
入したものである。
を示す概略図である。図7(a)は一般のフェライトビ
ーズインダクタのインピーダンス特性、図7(b)は一
般的に用いられる高周波フィルタ回路用の空芯コイルの
インピーダンス特性を示しており、図7(a)の場合は
R(抵抗)成分が主体で損失が大きいことがわかる。ま
た図7(b)の場合はR(抵抗)成分が少なく損失も少
ないのでQ値が高くなっている。
フェライトビーズインダクタに代わるもので、コイルの
線径、巻数、巻線間隔、ショートリングの長さや挿入す
る磁性体のコア材の選定等により、希望する周波数帯域
で効果のあるアイソレーション特性を得ることが可能に
なっている。
減衰特性を示す概略図である。図8(a)は本発明のコ
イルフィルタのアイソレーション(減衰値)特性、図8
(b)は一般の巻線コイルインダクタのアイソレーショ
ン特性を示しており、それぞれ(A)が単一使用での特
性、(B)が2個直列に近接接続した特性を示してい
る。このように図8(b)に示す一般の巻線コイルイン
ダクタでは磁気的結合により直列に近接接続した場合
(B)は、線間容量等から生じる自己共振周波数ポイン
トが下がるが、アイソレーション効果は殆ど改善されな
い。図8(a)に示す本発明のコイルフィルタはショー
トリングによりQ値は下がるが、広帯域にわたる高アイ
ソレーションが保たれる。直列接続の場合もショートリ
ングにより磁気的結合度が低下しているので、共振周波
数も殆ど下がらず、さらに高いアイソレーションを得る
ことができる。
状を示す概略図である。図9(b)はテープアンドリー
ル品の正面図、図9(a)は側面断面図で、部品1、2
が装着された状態を示している。3はテープ、3aは部
品を装着する窪み(エンボス部)、3bはテープを送る
ための丸穴で、エンボス部3aの部品1、2が落ちない
ようにフィルム状のシート3c貼られており、部品実装
の際に剥がされて部品が実装される。
コイル形状の端面の最外周部よりも内側に入るように加
工されているので、自動実装機にエンボスキャリアによ
るテープを用いても導体線の切断面の角がプラスチック
エンボスの内側面に引掛かることがなく、実装率が改善
される。
はバルク実装が登場している。図示していないが、バル
ク実装は、バラ状のチップ部品をチップ装着機にバルク
フィーダー等を用いて整列させて供給し実装するもの
で、紙テープなどや包装材料等が使用される従来のもの
に代わり、地球資源及び環境の保護の面からも今後の流
れになると思われる。またバルク実装は、保管スペース
を少なくすることができ輸送エネルギーの削減にもつな
がる。ところで、従来の巻線型のコイルインダクタは、
端子(電極)を全周に配置することはできないので、角
型に近い形に変形させて表裏などの向きを固定させる方
法などや、角型のボビンに巻回すなどにより自動実装に
対応させているという現実があるが、本発明によるコイ
ルフィルタは、表裏や極性がなく突起箇所の無い円筒形
にすることができるので、バルク実装の面でも適してい
るといえる。円筒形にした場合は、モーター等を必要と
しない重力落下を利用したバルクフィーダを使用するこ
とができるという利点もある。
ば、電子回路基板等の電子機器の直流電源又は信号等に
重畳されて伝播する電磁波或いは高周波信号を阻止する
ためのフィルタであって、隣接する導体線間が電気的に
絶縁された導体線をコイル状に巻回した中間部の両側
に、一回転以上巻回した導体線部分がリング状に導通す
るショートリングを構成するようにコイル端部の導体線
間を電気的に接合させ、導体線の端部がコイル形状の端
面の最外周部よりも内側に入るように形成したので、シ
ョートリングにより広帯域でのアイソレーション効果や
部品相互の影響が少ないフィルタが実現でき、導体線端
部がコイル端面の内側にあることで部品実装機による実
装歩留まりが改善される効果がある。また、前記中間部
の導体線を多重または多層のコイル状に巻回すことによ
って、同一外形寸法でありながら、より低い周波数領域
で使用出来る特性のフィルタを得ることができる。ま
た、コイル端部の導体線部分は、半田付け又は溶接によ
り導体線間を電気的に接合したショートリングを構成し
ているので、ショートリングによる特性が確実に維持で
きる。また、中間部の隣接する導体線間の導体線には絶
縁皮膜が施され、ショートリングを構成するコイル端部
は半田または金属によるメッキ処理が施されているの
で、密着巻きによりインダクタンス値を大きくでき、半
田処理や金属メッキにより基板への実装が容易になる。
また、コイル端部のショートリング部分を一回転以上最
大巻数未満の任意の巻数とすることで所望の特性が得ら
れるように構成したので、搭載する電子回路に合わせた
コイルフィルタを選択することができる。また、ショー
トリングを構成する電極部を含むコイル状に巻回した導
体線の外形を、電子回路基板等への実装が容易になるよ
うに円筒形に形成したので、バルク実装が可能になる。
磁性体からなるコア材または棒状の芯材が配設されてい
るので、芯材の選定により搭載する電子回路に合わせた
周波数帯域でのアイソレーション特性を選択できる。ま
た、コイル状に巻回した導体線の内側に配設した磁性体
からなるコア材または棒状の芯材が抜け落ちないよう
に、導体線の端部がコイル形状の外周部の内側に入るよ
うに形成したので、コイル形状や芯材に特別な細工を必
要とせず、さらにフィルタとしての初期特性を維持でき
る。また、磁性体からなるコア材をコイル両端部に構成
されたショートリング部分の内側に配設することで、磁
束を外に出しにくくし、隣接する部品や基板等によるフ
ィルタ特性への影響を抑える効果がある。また、コイル
状に巻回した導体線として複数本の絶縁被膜で覆われた
導体線を撚り合わせたリッツ線を用いた場合には、アイ
ソレーション特性が改善される効果がある。また、リッ
ツ線によるコイル形状の内側に磁性体からなるコア材ま
たは棒状の芯材を配設し、芯材の両端部に形成した導体
リングにリッツ線の端部を複数箇所で溶接することでシ
ョートリングを構成する場合は、リッツ線の全ての線が
ショートリングに接続されるという効果がある。また、
請求項6または請求項7に記載のコイルフィルタおい
て、導体線をコイル状に巻回した後に、コイル内径と同
一またはコイル内径より小さい外形の磁性体からなるコ
ア材または棒状の芯材を挿入するようにしたので、温度
変化の影響が少ないフィルタ特性を実現することができ
る。
ルタの形状を示す概略図である。
概略図である。
ルタの形状を示す概略図である。
概略図である。
形状を示す概略図である。
ダクタの形状を示す概略図である。
である。
す概略図である。
図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 電子回路基板等の電子機器の直流電源又
は信号等に重畳されて伝播する電磁波或いは高周波信号
を阻止するためのフィルタであって、 隣接する導体線間が電気的に絶縁された導体線をコイル
状に巻回した中間部の両側に、一回転以上巻回した導体
線部分がリング状に導通するショートリングを構成する
ようにコイル端部の導体線間を電気的に接合させ、該導
体線の端部がコイル形状の端面の最外周部よりも内側に
入るように形成したことを特徴とするコイルフィルタ。 - 【請求項2】 前記中間部の導体線を多重または多層の
コイル状に巻回したことを特徴とする請求項1に記載の
コイルフィルタ。 - 【請求項3】 前記コイル端部の導体線部分は、半田付
け又は溶接により導体線間を電気的に接合したショート
リングを構成していることを特徴とする請求項1または
請求項2に記載のコイルフィルタ。 - 【請求項4】 前記中間部の隣接する導体線間の導体線
には絶縁皮膜が施され、前記ショートリングを構成する
コイル端部は半田または金属によるメッキ処理が施され
ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
のコイルフィルタ。 - 【請求項5】 前記コイル端部のショートリング部分を
一回転以上最大巻数未満の任意の巻数とすることで所望
の特性が得られるように構成したことを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載のコイルフィルタ。 - 【請求項6】 前記ショートリングを構成する電極部を
含むコイル状に巻回した導体線の外形を、電子回路基板
等への実装が容易になるように円筒形に形成したことを
特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のコイルフィ
ルタ。 - 【請求項7】 前記コイル状に巻回した導体線の内側に
磁性体からなるコア材または棒状の芯材が配設されてい
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコ
イルフィルタ。 - 【請求項8】 前記コイル状に巻回した導体線の内側に
磁性体からなるコア材が配設され、該コア材はコイル両
端部に構成されたショートリング部分の内側に配設され
ていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
のコイルフィルタ。 - 【請求項9】 前記コイル状に巻回した導体線の内側に
配設した前記磁性体からなるコア材または棒状の芯材が
抜け落ちないように、該導体線の端部がコイル形状の外
周部の内側に入るように形成したことを特徴とする請求
項7または請求項8に記載のコイルフィルタ。 - 【請求項10】 前記コイル状に巻回した導体線として
複数本の絶縁被膜で覆われた導体線を撚り合わせたリッ
ツ線を用いていることを特徴とする請求項1〜9のいず
れかに記載のコイルフィルタ。 - 【請求項11】 前記リッツ線によるコイル形状の内側
に磁性体からなるコア材または棒状の芯材を配設し、該
芯材の両端部に形成した導体リングに前記リッツ線の端
部を複数箇所で溶接することによりショートリングを構
成したことを特徴とする請求項10に記載のコイルフィ
ルタ。 - 【請求項12】 請求項7または請求項8に記載のコイ
ルフィルタおいて、導体線をコイル状に巻回した後に、
該コイル内径と同一または該コイル内径より小さい外形
の磁性体からなるコア材または棒状の芯材を挿入するよ
うにしたことを特徴とするコイルフィルタの製造方法。
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