JP4569885B2 - 広帯域阻止フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パソコン等の電子機器における高速クロックに起因する高調波ノイズを、kHz帯から数10GHz等の広帯域に亘って阻止できる広帯域阻止フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、単体の動作では問題ないメモリやロジック回路が、PCB(プリント配線基板)上に組込まれ、多段のロジック回路に構成されるとEMI(ElectroMagnetic Interference)問題が発生する。これはICが複数個組合されたロジック回路の中の、単体のIC自体がそれぞれ発生する高調波がバイアス電源側に洩れ、他のICが発生させた高調波が電源から入ってくることによって、基板の電源層に複合された高調波として分布することが原因である。
【0003】
現在、電子機器業界で行われているEMI対策は、基板から飛び出す不要な電波(ノイズ)がでないようにするというよりも、出ているものをとるために既存のEMI/EMC(ElectroMagnetic Cmpatibility)対策部品を追加するという方法が採られてきたが、デジタル機器の高速化、高機能化が急速に進むにつれて、高調波ノイズの帯域も広がり、複合する問題は更に複雑になって、従来の方法では対応が難しくなってきた。対策部品メーカー側もLTCC(低温焼成多層セラミック)等のセラミック部品では製造技術の限界から問題に対応しきれなくなり、根本的な広帯域化ができずその都度部品を改良して手当てするくらいのことしかできなくなっていた。
【0004】
EMI/EMC問題の最大の原因は直流電源に重畳される高調波であるが、図11に示すように、デジタルクロック信号(矩形波、方形波)が正しく伝送されるためには、その繰り返し周波数の3倍〜10倍以上の周波数成分を有する高調波が信号伝達ラインを伝搬できるようにする必要がある。さらに、同じ繰返し周波数のクロック信号であっても、信号が高速化すればするほど高調波の帯域は急激に広がり、EMI/EMC問題が深刻化する。
【0005】
EMI/EMC対策として、図12のように、現在使用されているパスコン(バイパス用のキャパシタ)等は、各々の製品固有の帯域を持ち高周波帯域から見ると非常に狭い範囲だけしかバイパスすることができないので、IC1、IC2、IC3等個々のICからはパスコンで取り切れなかった広帯域の高調波が全て電源ラインに重畳されてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、こうした広帯域に亘る高調波を減衰・阻止させる方法としては、異なる帯域に対応する高調波阻止部品を複数使用するか、シールドして閉じ込めてしまい出てこないようにする等の方法がとられてきた。しかし、最近のマイクロ波帯域まで伸びてきた高調波を阻止するためには、パスコン等のキャパシタだけでは不十分で、インダクタも含めて複数の部品を組合せた複合素子を用いて阻止帯域を拡げる方法しか手段が無くなっている。複数の部品を組合せて広帯域に亘る高調波を阻止する回路を構成するための受動素子の組合せ設計・実装は難しく、更に、多くの部品を実装すると直流抵抗値が増加して、電圧降下を発生させるという問題もおこる。
【0007】
そこで、本発明は、周波数帯の異なるコイルフィルタを組合せたハイブリッドタイプの帯域阻止フィルタにより、10数kHzからパスコンでは対応できないGHzオーダーのマイクロ波帯域まで広帯域に亘り、電源回路からの高調波ノイズを阻止できる広帯域阻止フィルタを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電子機器の直流電源に重畳される高調波を所定幅の帯域で阻止する帯域阻止型フィルタにおいて、隣接するインダクタ相互の磁束の影響が少ない高密度実装を実現するために、導線をコイル状に巻回し実装電極を兼用する電気的に短絡したショートリングを両端に有するインダクタを複数個直列に接続し、前記インダクタ夫々の接続点をキャパシタで接地する構成とし、広帯域を実現するために少なくとも1個の前記インダクタは、自己共振周波数、インダクタンス値、Q値、形状(直径、長さ)、のいずれかまたは複数が異なることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の広帯域阻止フィルタにおいて、広帯域を実現するために前記接続点を接地する少なくとも1個のキャパシタは、容量値、形状、構造のいずれかまたは複数が異なることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載の前記帯域阻止型フィルタは、少なくとも入出力端子およびアース端子の3端子を有する1つのパッケージに収容し基板実装対応のリードタイプまたはSMD(表面実装部品)型の小型電子部品として構成したことを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に記載の前記ショートリングを両端に有するインダクタは、隣接する線間が絶縁された導線をコイル状に巻回した中間部と、その両側に1回転以上巻回した導線部分を接合してリング状に導通するショートリングの電極とからなり、該電極は前記パッケージ内の端子に半田付け及び/又は溶接されていることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の、第1の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の、第1の実施の形態に係る広帯域阻止フィルタの基本的な回路図であり、T型フィルタで構成した図である。
図2は、図1に示す広帯域阻止フィルタをπ型フィルタで構成した場合の回路図である。
図3は、図1に示す広帯域阻止フィルタのシングルラインパッケージを示す図である。
図4は、図1に示す広帯域阻止フィルタのSMTパッケージを示す図である。
図5は、図1に示す広帯域阻止フィルタの他のSMTパッケージを示す図である。
図6は、図1に示す広帯域阻止フィルタをIC電源ラインに接続した図である。
【0013】
図1において、1は広帯域阻止フィルタであり、L1、L2はそれぞれインダクタンス値が異なるインダクタで、C1はL1、L2とでT型フィルタを構成するキャパシタである。阻止帯域によってはインダクタとの組合せに応じて容量値を変えることや、或いは容量値の異なるキャパシタを複数個使用することで広帯域化している。キャパシタはチップ型部品の他に端子間、配線パターン間、パッケージ化する際の封止樹脂等により生じる寄生容量によっても構成される。また、高周波帯域での減衰量を確保するため残留インダクタンス成分の少ないキャパシタを実現する必要があるが、広帯域阻止フィルタの回路基板上にLTCC(低温焼成多層セラミック)基板を用いることや、フォトリソグラフィー技術を用いた薄膜キャパシタを用いて、残留インダクタ成分の少ないキャパシタを形成することも行う。
【0014】
また、L1、L2の少なくとも1個にはショートリングを有するコイルタイプのインダクタ(本明細書では一般のインダクタと区別するためにコイルフィルタとも称する)を使用することでインダクタ相互の電磁的結合が少ない高密度実装を可能にしている。さらに単層巻によるコイルフィルタを使用することで、線間容量(図示せず)が容易にシミュレーションでき、線間容量とインダクタによる自己共振周波数も容易に求まるので、所望の特性の広帯域阻止フィルタを製作することが可能になっている。
また、図2に示すように、コイルフィルタL3と、キャパシタC2、C3によるπ型フィルタ構成によっても広帯域阻止フィルタ2を実現できる。また、用途に応じてT型、π型構成の一義的な選択だけではなく、これらT型とπ型を任意に組合せて構成することで、所望の特性要求に応える。
【0015】
こうした広帯域阻止フィルタ1、2は、電子機器の回路基板実装用として図3(a)に示すように、端子1(入力)、端子2(GND)、端子3(出力)の3端子を有するパッケージに収容している。パッケージ内には、例えばコイルフィルタL1、L2とキャパシタC1が接続されている(図示せず)。図3(a)に示すパッケージは端子が一列に並ぶシングルインラインパッケージのリードタイプ部品として構成されており、基板上のIC等の、夫々の電源端子近傍にその一端(端子1または3)を接続し他端(端子3または1)を電源に接続して回路基板に実装される。
【0016】
この電気的特性は、図3(b)に示すように、減衰量が、100kHz〜5GHzの帯域で−20dB、280kHz〜3.8GHzの帯域では−30dBの特性が得られている。また、導線を巻回したインダクタを用いることで抵抗値は130mΩ以下の値を示し直流電源に挿入しても十分電流を流すことができ、電圧降下の少ない電源フィルタの構成が実現できる。図3(c)はシングルインラインパッケージに実装した広帯域阻止フィルタの周波数特性(アイソレーション特性)である。
【0017】
図4は他の実装パッケージであり、図4(a)はSMD(表面実装部品)型の電子部品として、SMT(表面実装技術)パッケージを使用した外形図である。
表面実装のため、入出力およびGND(接地)の反対側にもパッケージを固定するリフロー(半田付け)用のNC(No Connection)端子4、6を設けている。
電気的特性は図4(b)に示す通りで、減衰帯域幅は100kHz〜5.8GHz(−20dB時)、280kHz〜2.6GHz(−30dB時)で、その周波数特性を図4(c)に示す。
【0018】
図5は、もう1つのSMTパッケージで、図5(a)に示すようなリードレスパーケージを用いている。このパッケージの端子はパッケージの内側で基板と接触させるタイプでリードによるはみ出し部分がないので、より高密度を必要とする場所への実装が可能であり、さらにリード端子による残留インダクタ成分を少なくできることから、より広帯域な特性を得ることができる。
電気的特性は図5(b)に示すように、減衰帯域幅が290kHz〜5.86GHz(−30dB時)、1MHz〜1.24GHz(−40dB時)で、その周波数特性は図5(c)に示すように、図3、図4に示すパッケージより減衰特性が優れていて−30dB以下でフラットな特性を示し、且つ、高域まで広帯域に伸びていることがわかる。
【0019】
つぎに動作について説明する。
従来技術の項でも説明したように、最近の高速化が図られた電子機器から発生する高調波ノイズは、kHz帯からGHz帯まで超広帯域に分布し、図11に示したように、CPUのクロック周波数は133MHz〜266MHz、更に、533MH(図示せず)…と高速化していくに従って、発生する高調波ノイズも、266MHzの場合は3次=798MHz、5次=1.33GHz、7次=1.862GHzとなり、クロック周波数が、更に、532MHzに高速化されれば、3次=1.596GHz、5次=2.66GHz、7次=3.724GHz、と高帯域化する。最近では、更に、パソコンのCPU速度が1GHz超の時代になってきており、高調波ノイズの広帯域化はとどまるところを知らない。こうしたCPUを使用するデジタル電子機器は全て、複合高調波の影響から逃れられない。
こうしてGHz帯まで突入した広帯域の複合高調波は、図12に示したようなパスコン等では到底対応できないので、図1に示すようなコイルフィルタL1、L2とキャパシタC1による複合フィルタによって対応することになる。
【0020】
例えば、仮にコイルフィルタL1の自己共振周波数f1=1GHzであるとすれば、その共振周波数近傍の減衰量は大きくとれるが、それ以上の高い周波数帯域での高調波は減衰できない。
従って、1GHz以上の高調波は、自己共振周波数f2=3GHzのL2に差し替えて、フィルタコイルを交換しないと対応できないが、交換しても今度はL2では1GHz以下の低い周波数帯域での高調波が減衰できない。
そこで、図1に示す広帯域阻止フィルタ1のように、コイルフィルタL1とL2を直列接続して複合化することによって、コイルフィルタL1、L2夫々の自己共振周波数での減衰に加えてキャパシタC1によるバイパス効果も含めた合成特性により、総合的な複合高調波の減衰特性を低い周波数帯域から高い周波数帯域まで広帯域に亘る減衰特性が得られるようにする。
【0021】
ここで使用されるコイルフィルタL1、L2は、図7(a)、図7(b)に示すように、用途に応じた適当な太さの導線を、隣接する導線1a間が電気的に絶縁されるように絶縁被膜で覆われた導線をコイル状に巻回し(線間間隔は使用帯域に応じて調整できる)、両端部1bの被覆部を剥離して半田あるいは金メッキ処理等を施して、電気的に接合することによりコイルの磁束を遮り、閉磁路より漏洩磁束の影響を抑えるためのショートリングを形成している。このショートリング部分は、広帯域阻止フィルタとして1つのパッケージに実装する際の電極を兼ねており、パッケージ内の端子に半田付けや溶接あるいは両方を併用するなどして接合されている。
【0022】
図8は、図7に示す空芯のコイルフィルタの内側にフェライト等のコア材を使用した場合のコイルフィルタを示し、1dはコア材で、挿入するコア材の材料と導線の巻き数等の組合せによって、目的・用途に応じた広帯域のアイソレーション(減衰)特性が得られる。
また、フェライト等のコア材に代わりガラス棒、プラスチック棒、セラミック棒、金属材料等をそれぞれ用途に応じて使用可能で、図1に示すような広帯域阻止フィルタ1の場合には、外部パッケージと同一種類のプラスチック棒を挿入することで、実装した後の特性の変化を抑えて、単体素子として予め既知の特性のコイルフィルタを得ることができる。
【0023】
このようなコイルフィルタを複合構成して、図3〜図5に示したような広帯域阻止フィルタ1を実装した実際の減衰特性を図9に示す。図9は、既存のキャパシタを使用した一例と、既存の広帯域フィルタの一例、広帯域阻止フィルタ(その1)、広帯域阻止フィルタ(その2)、および、これらの広帯域フィルタを組合せた減衰特性の比較を図示している。(なお、図9に示した広帯域フィルタは一例であって、本発明の広帯域阻止フィルタを、これに限定するものではない。)
例えば、図9に示すように、既存のキャパシタをパスコンとして使用した場合では高域で500MHz〜1GHz程度までが限度で、それ以上の高い周波数帯域での減衰は得られない。それに対して、本発明の広帯域阻止フィルタ1は4GHz〜6GHzの高い周波数帯域まで伸びており、減衰値もより大きな値を示している。
【0024】
また、図9に示す既存の広帯域フィルタの例では、200MHz辺りから2GHz程度までと、既存のキャパシタによるパスコンより高い周波数帯域は伸びているが低い周波数帯域側は200MHz以下をカバーできず、本発明の広帯域阻止フィルタ1に比較するとカバーできる帯域が狭い。
なお、図9はリニアスケールで示した図であり、−20dBを基準とした減衰特性が、広帯域阻止フィルタ(その1)では4GHz、広帯域阻止フィルタ(その2)では約6GHzまで伸びていることがわかる。
【0025】
このような広帯域阻止フィルタ1を、図6に示すように電子機器の各IC回路の直流電源(バイアス)回路に挿入・接続すれば、kHz〜GHz帯までカバーできる広帯域の減衰特性により直流以外を通さず、各IC回路の前段からの伝送高調波、自己発生重畳高調波が共に阻止できて、IC1回路の高調波、IC2回路の高調波、IC3回路の高調波と夫々のICで発生する高調波もカットされ、従来の図12に示したパスコンのみの場合に比較して、電子回路基板の電源Vccに重畳される高調波ノイズがほぼ阻止される様子が見てとれる。(なお、図6のKHLCが本発明の広帯域阻止フィルタに該当する)
【0026】
次に本発明の、第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図10は、本発明の、第2の実施の形態に係る広帯域阻止フィルタの基本的な回路図である。
本実施の形態の広帯域阻止フィルタ3は、図1、図2に示すような、T型又はπ型の広帯域阻止フィルタ1、2を縦続接続して、減衰特性を更に高い周波数帯域に亘って得られるように広帯域化しようとするものである。
図10において、L4、L5、L6、L7はそれぞれインダクタンス値や自己共振周波数、或いはQ値等の電気的特性の異なるコイルフィルタや一般のインダクタであり、必要に応じて形状(直径、長さ、線径等)の異なるものや、コア材入り、空芯型を組合せて使用する。
【0027】
第2の実施の形態、および前記、第1の実施の形態に係る広帯域阻止フィルタでは、コスト、実装面積、使用周波数帯域等、用途に応じてコイルフィルタ以外の一般のインダクタを組合せて使用することもできるが、その場合は、コイルフィルタとの間に配設する等して電磁的結合がないようにする。L、Cの複合体としては高周波特性の優れたLTCC(低温焼成多層セラミック)(図示せず)タイプの小型・薄型のものを使用することもできる。その場合は、インダクタの電流容量にも留意する必要がある。尚、LTCCはマイクロ波帯からミリ波帯に使用できるパッケージや回路基板用に、アルミナに替わる材料として近年使用されており、絶縁体にガラスセラミック材料、導体に銀や銅を用いて低温焼成したもので、高周波通信を行う移動体通信機器のRFモジュール用基板等に、キャパシタ、インダクタ等のパッシブ素子を内蔵させたモジュールとして急速に普及しつつある。勿論、キャパシタやインダクタ単体としての用途にも使用されている。
【0028】
図10の、C4、C5、C6は容量値の異なるキャパシタを用いて接地するパスコンである。広帯域化を図るために、インダクタ同様、容量値の他にも等価直列抵抗や、残留インダクタンス成分等の電気的諸特性を考慮し、端子間、配線パターン間やパッケージの封止樹脂により生じる寄生容量も含め、素材、形状、構造等の種類の異なるキャパシタを組合せて用いる。また、第1の実施の形態と同様に用途に応じて広帯域阻止フィルタの回路基板にLTCC等を用いてインダクタ、キャパシタの一部を形成する。
【0029】
このように広帯域阻止フィルタ1又は2を複数段、縦続接続して減衰帯域を拡大すれば、CPUクロックのGHz時代にも、超広帯域阻止フィルタを構成して、益々広帯域化する複合高調波の阻止に対応することができる。図9の広帯域阻止フィルタ(その1、その2)を組合せた曲線がその特性の一例を示している。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電磁的結合がおきにくいショートリングを有するコイルタイプのインダクタ(コイルフィルタ)を用い、インダクタンス値、自己共振点等の特性が異なる複数のインダクタと容量値の異なる複数のキャパシタを組合せたハイブリッドタイプにして、kHz帯域から数10GHzに亘る広帯域の減衰特性を持つ広帯域阻止フィルタを1つのパッケージの中に構成した。このように、小型で基板実装等が容易なようにパッケージ化された広帯域阻止フィルタを用いることで、パスコンや複合型フィルタでは対応できない、最近のCPUの高速化に伴うkHz帯から数10GHzにも亘る実装基板の電源層に広がる広帯域の複合型高調波ノイズをほぼ完全に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、第1の実施の形態に係る広帯域阻止フィルタの基本的な回路図であり、T型フィルタで構成した図である。
【図2】図1に示す広帯域阻止フィルタをπ型フィルタで構成した回路図である。
【図3】図1に示す広帯域阻止フィルタのシングルラインパッケージを示す図であり、(a)は外形、(b)は電気的特性、(c)は周波数特性を示す図である。
【図4】図1に示す広帯域阻止フィルタのSMTパッケージを示す図であり、(a)は外形、(b)は電気的特性、(c)は周波数特性を示す図である。
【図5】図1に示す広帯域阻止フィルタの他のSMTパッケージを示す図であり、(a)は外形、(b)は電気的特性、(c)は周波数特性を示す図である。
【図6】図1に示す広帯域阻止フィルタをIC電源ラインに接続した図である。
【図7】図1に示す広帯域阻止フィルタに使用するショートリングを有する空芯型のインダクタを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】図7に示すショートリングを有するインダクタにコア材を挿入したインダクタの図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図9】図1に示す広帯域阻止フィルタの減衰特性を示す図である。
【図10】本発明の、第2の実施の形態に係る広帯域阻止フィルタの基本的な回路図である。
【図11】従来の高調波ノイズの説明図である。
【図12】従来の高調波ノイズ対策にパスコンを用いた図である。
【符号の説明】
1 広帯域阻止フィルタ
2 π型の広帯域阻止フィルタ
3 縦続型の広帯域阻止フィルタ
Claims (4)
- 電子機器の直流電源に重畳される高調波を所定幅の帯域で阻止する帯域阻止型フィルタにおいて、
隣接するインダクタ相互の磁束の影響が少ない高密度実装を実現するために、導線をコイル状に巻回し実装電極を兼用する電気的に短絡したショートリングを両端に有するインダクタを複数個直列に接続し、前記インダクタ夫々の接続点をキャパシタで接地する構成とし、
広帯域を実現するために少なくとも1個の前記インダクタは、自己共振周波数、インダクタンス値、Q値、形状(直径、長さ)、のいずれかまたは複数が異なることを特徴とする広帯域阻止フィルタ。 - 請求項1に記載の広帯域阻止フィルタにおいて、広帯域を実現するために前記接続点を接地する少なくとも1個のキャパシタは、容量値、形状、構造のいずれかまたは複数が異なることを特徴とする広帯域阻止フィルタ。
- 前記帯域阻止型フィルタは、少なくとも入出力端子およびアース端子の3端子を有する1つのパッケージに収容し基板実装対応のリードタイプまたはSMD(表面実装部品)型の小型電子部品として構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の広帯域阻止フィルタ。
- 前記ショートリングを両端に有するインダクタは、隣接する線間が絶縁された導線をコイル状に巻回した中間部と、その両側に1回転以上巻回した導線部分を接合してリング状に導通するショートリングの電極とからなり、該電極は前記パッケージ内の端子に半田付け及び/又は溶接されていることを特徴とする請求項3に記載の広帯域阻止フィルタ。
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