JP3590532B2 - コイル部品実装回路基板装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型化に対応した磁芯横置きのコイル部品(トランス、チョークコイル等)を表面実装したコイル部品実装回路基板装置(所謂ハイブリッドIC)に関し、特に、コイル部品の漏洩磁束を低減するコイル部品実装回路基板装置の実装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年における電子機器の軽薄短小化に伴い、DC−DCコンバータ等の一纏まりの回路ブロックを構成するコンデンサ、トランジスタ、トランス、LSI等の各種電子部品を一つの回路基板に高密度に表面実装したハイブリッドICと称される回路基板装置が多用されている。また、上記回路基板装置をサブ基板としてマザー基板(電子機器の回路の主体となるような大きな回路基板)に所定間隔に保ちつつ実装して回路ブロックを組み合わせるようにした、規模の大きな回路基板装置も広く普及している。
【0003】
そして、上記表面実装される個々の電子部品においては、当然ながら小型化・薄型化が求められており、特に巻線を磁芯に巻回する構造であることから高さ寸法が比較的大きくなるコイル部品(典型としてトランス)は薄型化の要請が強い。
【0004】
上記薄型化の要請に応えるため、回路基板に対して磁芯を横置きとするコイル部品が既に提案されている。
【0005】
例えば、特開平9−92546号公報に記載された図5の展開図に示される薄型トランス10は、コイルボビンを使用しないで外部接続用端子1a、1b、1c、1d(金属フレーム)を底部に固定した横置きのI型磁芯(高固有抵抗のフェライト磁芯)3に直接に巻線4を巻回する構造として薄型化を図り、且つ口型磁芯7を前記I型磁芯3に組み合わせることで閉磁路構造として必要とするインダクタンス特性を得る構造となっている。
【0006】
また、上記のような外部接続用端子1a・・・を別途I型磁芯3に取り付けるのではなく、横置きのI型磁芯3の両端鍔部3A、3Bに電極を塗布直付けすることでさらに薄型化を図った上記口型磁芯7を備えない開磁路構造の磁芯横置きの薄型トランスも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような開磁路構造のコイル部品を基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置では、当該コイル部品の巻線側面から放出する漏洩磁束が近傍に配された他の電子部品や配線に影響を与えることになる。特に他のコイル部品が近在する場合はそのインダクタンス値を変動させる恐れがある。
【0008】
而して、コイル部品実装回路基板装置における基板に実装されたコイル部品の漏洩磁束を減らすシールド対策が必要となってくる。
【0009】
この点、図5の薄型トランス10は、I型磁芯3からなるトランス本体の周囲を口型磁芯7で囲って一体化した閉磁路構造であるので、トランス自体が漏洩磁束を幾分か低減する構造となっている。
【0010】
しかし、図5の側面方向から見た展開図から明らかなように、I型磁芯3の外周を囲う口型磁芯7は巻線4の外側面を完全には囲繞しておらず、上下方向に巻線が露出するほどに高さ寸法H1がコイル本体の高さ寸法H2(巻線の厚さ寸法)よりも小さなものとなっている。したがって、巻線4の側面から口型磁芯7に収束せずに外部に放出される漏洩磁束の量は大きい。畢竟、閉磁路構造といっても、漏洩磁束は少なからず周囲に放出されているのである。
【0011】
一方、コイル部品実装回路基板装置を観察すれば、当該コイル部品の漏洩磁束の影響を他の電子部品が受けると予想されるシールドすべき箇所は他の電子部品との配置関係から自ずと明らかになる。この際、シールドを要する箇所はコイル部品の右サイドのみというような部分的シールドで足る場合も多いと考えられる。この点で、巻線4の全周を囲う口型磁芯7を備える前記薄型トランス10は占有面積の大きさで口型磁芯7を備えない開磁路構造のコイル部品よりも不利である。 また、口型磁芯7を備えないコイル部品を実装した後に、その周囲を密接に接合するように口型磁芯7のような磁性部材で囲うと閉磁路構造になって元のコイル部品のインダクタ特性が顕著に変化してしまうことになり不都合である。
【0012】
即ち、漏洩磁束の影響を近在する他の電子部品に与えないように必要な程度にシールドするとともにコイル部品自身のインダクタ特性を大きく変化させないように基板に表面実装することが望まれるのである。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コイル部品のインダクタ特性を大きく変えないようにしつつ漏洩磁束の影響を周囲の電子部品に与えないように低減する構成のコイル部品実装回路基板装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)磁芯横置きのコイル部品を回路基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置において、前記表面実装されたコイル部品の巻線及び磁芯の外側面を0.3mm〜2.0mmの間隙を保ちつつ全周に亙って当該コイル部品の高さ寸法以上の高さで囲繞する磁性部材が前記回路基板に実装されていることを特徴とするコイル部品実装回路基板装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【0015】
(2)また、磁芯横置きのコイル部品を回路基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置において、前記表面実装されたコイル部品の巻線近傍に磁芯の両端鍔間に亙って0.3mm〜2.0mmの間隙を有しつつ隣接する当該コイル部品の高さ寸法以上の方形の磁性部材が回路基板に実装されていることを特徴とするコイル部品実装回路基板装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【0016】
(3)さらに、磁芯横置きのコイル部品を表面実装したサブ基板を実装面側がマザー基板に対向するように所定間隔で組み合わせた前記サブ基板と前記マザー基板からなるコイル部品実装回路基板装置において、前記サブ基板に実装されたコイル部品の直上の対向するマザー基板の表面に磁性体シート乃至磁性体薄板を貼着したことを特徴とするコイル部品実装回路基板装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るコイル部品実装回路基板装置の実施の形態を図1〜図4の図面に基づいて説明する。以下、コイル部品の典型として薄型トランスを対象とするが、勿論、磁芯横置きのチョークコイルやフィルタ等のコイル部品に置き換えてもよいことは言うまでもない。
【0018】
図1は本発明の請求項1に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスが実装された箇所の斜視図であり、図2は上記薄型トランスの構造を説明する展開・断面図である。図3は本発明の請求項2に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す平面・正面図である。図4は本発明の請求項3に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す側面図である。
【0019】
図1及び図2において、本発明に係るコイル部品実装回路基板装置30は、磁芯横置きの薄型トランス20を回路基板11に表面実装しており、前記表面実装された薄型トランス20の巻線4及び磁芯14(巻芯の両端に鍔を有するI型磁芯)の外側面を0.3mm〜2.0mmの間隙Sを保ちつつ全周に亙って当該薄型トランス20の高さ寸法H3以上の高さH4(H4≧H3)で囲繞する磁性部材21が基板11に薄型トランス20とは別体で後付け実装されていることを特徴とする(請求項1に対応)。
【0020】
上記薄型トランス20と磁性部材21との間に間隙Sを持たせることで、敢えて閉磁路を構成しないようにしてインダクタンス特性の変動を避け、且つ漏洩磁束の周囲への放出を抑制して近傍の他の電子部品Wに磁気的影響を与えないようにするシールド効果を得るように設定されている。この点で厚さが2mm程度、縦横寸法が10〜20mm程度の薄型トランス20を搭載したコイル部品実装回路基板装置においては、上記0.3mm〜2.0mmの寸法範囲が適正な間隙Sの範囲である。即ち、0.3mm未満に近づけると閉磁路に近くなってしまい、2.0mm以上離すと意図するシールド効果が得られないのである。
【0021】
表面実装されるコイル部品は、従来技術で説明した図5に示されるような外部接続端子1a・・を備えるI型磁芯3を用いた薄型トランス10(口型磁芯7を除く)でもよいが、より薄型化を志向するものとして、図1及び図2に示されるような、直方体形状の巻芯部14aと、該巻芯部14aの長さ方向の両端に前記巻芯部14aと一体に各々延設された鍔部14b、14cを有する構造のI型フェライト磁芯14と、該フェライト磁芯14の前記鍔部14b、14cの側面に配した複数の磁芯直付けの外部接続電極16・・(銀ペースト等の導電ペーストを印刷したものやこれに半田メッキや錫メッキを付加したもの)と、前記巻芯部14aに巻回されるとともに、両端部が各々前記鍔部14b、14cの外部接続電極16に半田付け等により導電固着された巻線4(ポリウレタン被覆導線やポリエステル被覆導線等の絶縁被覆導線である。)と、を備えた構造の薄型トランス20がより一層望ましいであろう。
【0022】
次に、図3において、上記磁芯横置きの薄型トランス20を基板11に表面実装したコイル部品実装回路基板装置は、前記表面実装された薄型トランス20の巻線4の右サイド近傍にフェライト磁芯14の両端鍔14b、14c間に亙って0.3mm〜2.0mmの間隙Sを有しつつ隣接する当該薄型トランス20の高さ寸法H3以上の高さH5(図では概ねH3=H5)を有する方形(直方体)の磁性部材31が回路基板11に実装されていることを特徴とする(請求項2に対応)。
【0023】
これは回路基板に実装されたコイル部品について、その近傍に実装された他の電子部品に対して磁気的遮蔽物として漏洩磁束の波及を阻止する部分的もしくは選択的シールドの役目を果たすものである。
【0024】
上記部分的シールド(電子部品や配線の配置に応じて巻線4の右サイドのみ、左サイドのみ、または両サイドをシールドする。)によって実装面積の増大を抑えつつ必要十分な漏洩磁束の低減がなされることになる。
【0025】
以上のように本発明のコイル部品実装回路基板装置では、薄型トランス20とは別に口型ないし方形の磁性部材21、31が隣接して実装されているが、前記磁性部材21、31の実装の容易性を考えて、前記磁性部材の角隅ないし端部の少なくとも底面側には電極面33を設けて一般の電子部品と同様に回路基板の電極ランドにハンダ付け等による実装が簡単に行えるようにするのが望ましい。
【0026】
また、リフローハンダ付けの際に位置決めが為されるように接着剤にて事前に薄型トランス20と接着しておくことも望ましいであろう。
【0027】
次に、図4に示されるコイル部品実装回路基板装置は、前記磁芯横置きの薄型トランス20を表面実装したサブ基板40を実装面側がマザー基板50に対向するように所定間隔Yで組み合わせたもので、前記サブ基板40に実装された薄型トランス20の直上の対向するマザー基板50の表面に磁性体シート乃至磁性体薄板51を貼着したことを特徴とする(請求項3に対応)。
【0028】
上記磁性体シート乃至磁性体薄板51は薄い非導電性テープに磁性物質、例えばフェライト粉を塗布したもので、50μm〜0.3mm程度の厚さである。この、磁性体シート乃至磁性体薄板51によって、巻線4から放出される漏洩磁束はマザー基板50側へ貫通する量が低減され、マザー基板50の反対面(図4の上方側)側に表面実装された他の電子部品への影響が抑止される。
【0029】
以上のように、本発明は、回路基板に表面実装されたコイル部品の自己のインダクタンス特性を大きく変えることなく漏洩磁束の周囲への放出を抑止低減(シールド)し、延いては回路基板に実装された他の電子部品や配線への磁気的影響を低減する。そして銘記すべきは、上述のシールドのための磁性部材21、31や磁性体シート乃至磁性体薄板51が、薄型トランス20等のコイル部品に始より一体に形成されているのではなく、コイル部品とは別体でその近傍に表面実装されるものであるので、必要に応じて適宜シールド措置を行うことができるという点に優れた汎用性が認められることである。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係るコイル部品実装回路基板装置は、上記のように構成されているため、表面実装されたコイル部品のインダクタンス特性を損なうことなく漏洩磁束を必要に応じて低減し、近傍に実装された他の電子部品や配線への磁気的影響を抑止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスが実装された箇所の斜視図である。
【図2】上記薄型トランスの構造を説明する展開・断面図である。
【図3】本発明の請求項2に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す平面・正面図である。
【図4】本発明の請求項3に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す側面図である。
【図5】従来の薄型トランスの展開図である。
【符号の説明】
1a〜1d 外部接続用端子
3 I型磁芯
3A、3B 両端鍔部
4 巻線
7 口型磁芯
10、20 薄型トランス
11 回路基板
14 フェライト磁芯
14a 巻芯部
14b、14c 鍔部
16 外部接続電極
21、31 磁性部材
30 コイル部品実装回路基板装置
33 電極面
40 サブ基板
50 マザー基板
51 磁性体シート乃至磁性体薄板
H1、H3 薄型トランスの高さ寸法
H2 コイル本体の高さ寸法
H4、H5 磁性部材の高さ寸法
S 間隙
W 電子部品
Y サブ基板とマザー基板の間隔
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄型化に対応した磁芯横置きのコイル部品(トランス、チョークコイル等)を表面実装したコイル部品実装回路基板装置(所謂ハイブリッドIC)に関し、特に、コイル部品の漏洩磁束を低減するコイル部品実装回路基板装置の実装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年における電子機器の軽薄短小化に伴い、DC−DCコンバータ等の一纏まりの回路ブロックを構成するコンデンサ、トランジスタ、トランス、LSI等の各種電子部品を一つの回路基板に高密度に表面実装したハイブリッドICと称される回路基板装置が多用されている。また、上記回路基板装置をサブ基板としてマザー基板(電子機器の回路の主体となるような大きな回路基板)に所定間隔に保ちつつ実装して回路ブロックを組み合わせるようにした、規模の大きな回路基板装置も広く普及している。
【0003】
そして、上記表面実装される個々の電子部品においては、当然ながら小型化・薄型化が求められており、特に巻線を磁芯に巻回する構造であることから高さ寸法が比較的大きくなるコイル部品(典型としてトランス)は薄型化の要請が強い。
【0004】
上記薄型化の要請に応えるため、回路基板に対して磁芯を横置きとするコイル部品が既に提案されている。
【0005】
例えば、特開平9−92546号公報に記載された図5の展開図に示される薄型トランス10は、コイルボビンを使用しないで外部接続用端子1a、1b、1c、1d(金属フレーム)を底部に固定した横置きのI型磁芯(高固有抵抗のフェライト磁芯)3に直接に巻線4を巻回する構造として薄型化を図り、且つ口型磁芯7を前記I型磁芯3に組み合わせることで閉磁路構造として必要とするインダクタンス特性を得る構造となっている。
【0006】
また、上記のような外部接続用端子1a・・・を別途I型磁芯3に取り付けるのではなく、横置きのI型磁芯3の両端鍔部3A、3Bに電極を塗布直付けすることでさらに薄型化を図った上記口型磁芯7を備えない開磁路構造の磁芯横置きの薄型トランスも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような開磁路構造のコイル部品を基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置では、当該コイル部品の巻線側面から放出する漏洩磁束が近傍に配された他の電子部品や配線に影響を与えることになる。特に他のコイル部品が近在する場合はそのインダクタンス値を変動させる恐れがある。
【0008】
而して、コイル部品実装回路基板装置における基板に実装されたコイル部品の漏洩磁束を減らすシールド対策が必要となってくる。
【0009】
この点、図5の薄型トランス10は、I型磁芯3からなるトランス本体の周囲を口型磁芯7で囲って一体化した閉磁路構造であるので、トランス自体が漏洩磁束を幾分か低減する構造となっている。
【0010】
しかし、図5の側面方向から見た展開図から明らかなように、I型磁芯3の外周を囲う口型磁芯7は巻線4の外側面を完全には囲繞しておらず、上下方向に巻線が露出するほどに高さ寸法H1がコイル本体の高さ寸法H2(巻線の厚さ寸法)よりも小さなものとなっている。したがって、巻線4の側面から口型磁芯7に収束せずに外部に放出される漏洩磁束の量は大きい。畢竟、閉磁路構造といっても、漏洩磁束は少なからず周囲に放出されているのである。
【0011】
一方、コイル部品実装回路基板装置を観察すれば、当該コイル部品の漏洩磁束の影響を他の電子部品が受けると予想されるシールドすべき箇所は他の電子部品との配置関係から自ずと明らかになる。この際、シールドを要する箇所はコイル部品の右サイドのみというような部分的シールドで足る場合も多いと考えられる。この点で、巻線4の全周を囲う口型磁芯7を備える前記薄型トランス10は占有面積の大きさで口型磁芯7を備えない開磁路構造のコイル部品よりも不利である。 また、口型磁芯7を備えないコイル部品を実装した後に、その周囲を密接に接合するように口型磁芯7のような磁性部材で囲うと閉磁路構造になって元のコイル部品のインダクタ特性が顕著に変化してしまうことになり不都合である。
【0012】
即ち、漏洩磁束の影響を近在する他の電子部品に与えないように必要な程度にシールドするとともにコイル部品自身のインダクタ特性を大きく変化させないように基板に表面実装することが望まれるのである。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コイル部品のインダクタ特性を大きく変えないようにしつつ漏洩磁束の影響を周囲の電子部品に与えないように低減する構成のコイル部品実装回路基板装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)磁芯横置きのコイル部品を回路基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置において、前記表面実装されたコイル部品の巻線及び磁芯の外側面を0.3mm〜2.0mmの間隙を保ちつつ全周に亙って当該コイル部品の高さ寸法以上の高さで囲繞する磁性部材が前記回路基板に実装されていることを特徴とするコイル部品実装回路基板装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【0015】
(2)また、磁芯横置きのコイル部品を回路基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置において、前記表面実装されたコイル部品の巻線近傍に磁芯の両端鍔間に亙って0.3mm〜2.0mmの間隙を有しつつ隣接する当該コイル部品の高さ寸法以上の方形の磁性部材が回路基板に実装されていることを特徴とするコイル部品実装回路基板装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【0016】
(3)さらに、磁芯横置きのコイル部品を表面実装したサブ基板を実装面側がマザー基板に対向するように所定間隔で組み合わせた前記サブ基板と前記マザー基板からなるコイル部品実装回路基板装置において、前記サブ基板に実装されたコイル部品の直上の対向するマザー基板の表面に磁性体シート乃至磁性体薄板を貼着したことを特徴とするコイル部品実装回路基板装置を提供することにより、上記課題を解決する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るコイル部品実装回路基板装置の実施の形態を図1〜図4の図面に基づいて説明する。以下、コイル部品の典型として薄型トランスを対象とするが、勿論、磁芯横置きのチョークコイルやフィルタ等のコイル部品に置き換えてもよいことは言うまでもない。
【0018】
図1は本発明の請求項1に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスが実装された箇所の斜視図であり、図2は上記薄型トランスの構造を説明する展開・断面図である。図3は本発明の請求項2に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す平面・正面図である。図4は本発明の請求項3に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す側面図である。
【0019】
図1及び図2において、本発明に係るコイル部品実装回路基板装置30は、磁芯横置きの薄型トランス20を回路基板11に表面実装しており、前記表面実装された薄型トランス20の巻線4及び磁芯14(巻芯の両端に鍔を有するI型磁芯)の外側面を0.3mm〜2.0mmの間隙Sを保ちつつ全周に亙って当該薄型トランス20の高さ寸法H3以上の高さH4(H4≧H3)で囲繞する磁性部材21が基板11に薄型トランス20とは別体で後付け実装されていることを特徴とする(請求項1に対応)。
【0020】
上記薄型トランス20と磁性部材21との間に間隙Sを持たせることで、敢えて閉磁路を構成しないようにしてインダクタンス特性の変動を避け、且つ漏洩磁束の周囲への放出を抑制して近傍の他の電子部品Wに磁気的影響を与えないようにするシールド効果を得るように設定されている。この点で厚さが2mm程度、縦横寸法が10〜20mm程度の薄型トランス20を搭載したコイル部品実装回路基板装置においては、上記0.3mm〜2.0mmの寸法範囲が適正な間隙Sの範囲である。即ち、0.3mm未満に近づけると閉磁路に近くなってしまい、2.0mm以上離すと意図するシールド効果が得られないのである。
【0021】
表面実装されるコイル部品は、従来技術で説明した図5に示されるような外部接続端子1a・・を備えるI型磁芯3を用いた薄型トランス10(口型磁芯7を除く)でもよいが、より薄型化を志向するものとして、図1及び図2に示されるような、直方体形状の巻芯部14aと、該巻芯部14aの長さ方向の両端に前記巻芯部14aと一体に各々延設された鍔部14b、14cを有する構造のI型フェライト磁芯14と、該フェライト磁芯14の前記鍔部14b、14cの側面に配した複数の磁芯直付けの外部接続電極16・・(銀ペースト等の導電ペーストを印刷したものやこれに半田メッキや錫メッキを付加したもの)と、前記巻芯部14aに巻回されるとともに、両端部が各々前記鍔部14b、14cの外部接続電極16に半田付け等により導電固着された巻線4(ポリウレタン被覆導線やポリエステル被覆導線等の絶縁被覆導線である。)と、を備えた構造の薄型トランス20がより一層望ましいであろう。
【0022】
次に、図3において、上記磁芯横置きの薄型トランス20を基板11に表面実装したコイル部品実装回路基板装置は、前記表面実装された薄型トランス20の巻線4の右サイド近傍にフェライト磁芯14の両端鍔14b、14c間に亙って0.3mm〜2.0mmの間隙Sを有しつつ隣接する当該薄型トランス20の高さ寸法H3以上の高さH5(図では概ねH3=H5)を有する方形(直方体)の磁性部材31が回路基板11に実装されていることを特徴とする(請求項2に対応)。
【0023】
これは回路基板に実装されたコイル部品について、その近傍に実装された他の電子部品に対して磁気的遮蔽物として漏洩磁束の波及を阻止する部分的もしくは選択的シールドの役目を果たすものである。
【0024】
上記部分的シールド(電子部品や配線の配置に応じて巻線4の右サイドのみ、左サイドのみ、または両サイドをシールドする。)によって実装面積の増大を抑えつつ必要十分な漏洩磁束の低減がなされることになる。
【0025】
以上のように本発明のコイル部品実装回路基板装置では、薄型トランス20とは別に口型ないし方形の磁性部材21、31が隣接して実装されているが、前記磁性部材21、31の実装の容易性を考えて、前記磁性部材の角隅ないし端部の少なくとも底面側には電極面33を設けて一般の電子部品と同様に回路基板の電極ランドにハンダ付け等による実装が簡単に行えるようにするのが望ましい。
【0026】
また、リフローハンダ付けの際に位置決めが為されるように接着剤にて事前に薄型トランス20と接着しておくことも望ましいであろう。
【0027】
次に、図4に示されるコイル部品実装回路基板装置は、前記磁芯横置きの薄型トランス20を表面実装したサブ基板40を実装面側がマザー基板50に対向するように所定間隔Yで組み合わせたもので、前記サブ基板40に実装された薄型トランス20の直上の対向するマザー基板50の表面に磁性体シート乃至磁性体薄板51を貼着したことを特徴とする(請求項3に対応)。
【0028】
上記磁性体シート乃至磁性体薄板51は薄い非導電性テープに磁性物質、例えばフェライト粉を塗布したもので、50μm〜0.3mm程度の厚さである。この、磁性体シート乃至磁性体薄板51によって、巻線4から放出される漏洩磁束はマザー基板50側へ貫通する量が低減され、マザー基板50の反対面(図4の上方側)側に表面実装された他の電子部品への影響が抑止される。
【0029】
以上のように、本発明は、回路基板に表面実装されたコイル部品の自己のインダクタンス特性を大きく変えることなく漏洩磁束の周囲への放出を抑止低減(シールド)し、延いては回路基板に実装された他の電子部品や配線への磁気的影響を低減する。そして銘記すべきは、上述のシールドのための磁性部材21、31や磁性体シート乃至磁性体薄板51が、薄型トランス20等のコイル部品に始より一体に形成されているのではなく、コイル部品とは別体でその近傍に表面実装されるものであるので、必要に応じて適宜シールド措置を行うことができるという点に優れた汎用性が認められることである。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係るコイル部品実装回路基板装置は、上記のように構成されているため、表面実装されたコイル部品のインダクタンス特性を損なうことなく漏洩磁束を必要に応じて低減し、近傍に実装された他の電子部品や配線への磁気的影響を抑止することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスが実装された箇所の斜視図である。
【図2】上記薄型トランスの構造を説明する展開・断面図である。
【図3】本発明の請求項2に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す平面・正面図である。
【図4】本発明の請求項3に係るコイル部品実装回路基板装置における薄型トランスのシールド構造を示す側面図である。
【図5】従来の薄型トランスの展開図である。
【符号の説明】
1a〜1d 外部接続用端子
3 I型磁芯
3A、3B 両端鍔部
4 巻線
7 口型磁芯
10、20 薄型トランス
11 回路基板
14 フェライト磁芯
14a 巻芯部
14b、14c 鍔部
16 外部接続電極
21、31 磁性部材
30 コイル部品実装回路基板装置
33 電極面
40 サブ基板
50 マザー基板
51 磁性体シート乃至磁性体薄板
H1、H3 薄型トランスの高さ寸法
H2 コイル本体の高さ寸法
H4、H5 磁性部材の高さ寸法
S 間隙
W 電子部品
Y サブ基板とマザー基板の間隔
Claims (3)
- 磁芯横置きのコイル部品を回路基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置において、
前記表面実装されたコイル部品の巻線及び磁芯の外側面を0.3mm〜2.0mmの間隙を保ちつつ全周に亙って当該コイル部品の高さ寸法以上の高さで囲繞する磁性部材が前記回路基板に実装されていることを特徴とするコイル部品実装回路基板装置。 - 磁芯横置きのコイル部品を回路基板に表面実装したコイル部品実装回路基板装置において、
前記表面実装されたコイル部品の巻線近傍に磁芯の両端鍔間に亙って0.3mm〜2.0mmの間隙を有しつつ隣接する当該コイル部品の高さ寸法以上の方形の磁性部材が回路基板に実装されていることを特徴とするコイル部品実装回路基板装置。 - 磁芯横置きのコイル部品を表面実装したサブ基板を実装面側がマザー基板に対向するように所定間隔で組み合わせた前記サブ基板と前記マザー基板からなるコイル部品実装回路基板装置において、
前記サブ基板に実装されたコイル部品の直上の対向するマザー基板の表面に磁性体シート乃至磁性体薄板を貼着したことを特徴とするコイル部品実装回路基板装置。
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