JP2002364546A - 電動機内蔵の圧縮機と、これを搭載した移動車 - Google Patents

電動機内蔵の圧縮機と、これを搭載した移動車

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JP2002364546A JP2001174432A JP2001174432A JP2002364546A JP 2002364546 A JP2002364546 A JP 2002364546A JP 2001174432 A JP2001174432 A JP 2001174432A JP 2001174432 A JP2001174432 A JP 2001174432A JP 2002364546 A JP2002364546 A JP 2002364546A
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compressor
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electric motor
pump chamber
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雅彦 牧野
Tsutomu Sakurabayashi
務 櫻林
Yoshifumi Abe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型かつ軽量な電動機内蔵の圧縮機を提供す
る。 【解決手段】 電動機13を圧縮機構10と共に内蔵す
る容器12の吸入口16、吐出口17、内外の電気接続
部15および取り付け脚25、32が容器12の胴部の
同じ側に設けることにより、また、容器12の胴部と一
体の端部壁41に、電動機13に連結されて圧縮機構1
0を駆動する駆動軸14の反圧縮機構側の端部を軸受す
る軸受部42を設け、端部壁41の外面41aに開口し
たポンプ室43にポンプ機構19を設けて駆動軸14に
連結し、ポンプ室43の開口43aを閉塞部材44によ
り閉塞するようにして、上記の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの移動
車に搭載されるのに好適な電動機内蔵の圧縮機と、これ
を搭載した移動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンのみで走行する自動車の場合、
元来、エンジンにより駆動する圧縮機を用いて車室内の
空調を行っており、圧縮機はエンジンに横付けして搭載
されてきた。
【0003】一方、エンジンとモータとを使い分けて走
行するハイブリッド自動車が最近実用されるようになっ
ている。このハイブリッド自動車でも従来型の自動車で
の空調方式がそのまま踏襲されて、従来同様にエンジン
で駆動される圧縮機をエンジンに横付けして車室内の空
調を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハイブリッ
ド自動車では、エンジンによる環境への影響を軽減する
という本来の目的から、自動車が信号などで一時停止す
る場合にはエンジンを止めることが提案されている。こ
のような場合、エンジンで駆動する圧縮機を用いている
と、自動車が停止する都度乗車中にもかかわらず空調が
止まることになり、夏季や冬季、極寒や極暑の地では特
に問題になる。
【0005】そこで、電動機で駆動する圧縮機、特に屋
内の空調用に用いている図7に示すような圧縮機構aを
電動機bとともに鉄製の容器cに内蔵した電動機内蔵の
圧縮機を採用することが考えられる。しかし、ハイブリ
ッド自動車であっても、エンジンルームでの機器の配置
は従来型自動車を原型としながらバッテリの配置スペー
スをさらに工夫するなどしていて、従来の屋内空調用の
電動機内蔵の圧縮機を屋外に据え付けていた状態に設置
するスペースや位置がエンジンルームになく、従来通り
にエンジンに横付けして搭載するしかない。
【0006】これにつき本発明者等が種々に実験を行っ
たところ、従来の容器cに溶接付けした板金製の据え付
け用脚ないしは取り付け座dではこれに合ったエンジン
側の受け座が必要になる不便がある。また、圧縮機は9
kg程度以上と重いものでエンジンへの横付け姿勢では
従来の取り付け座dは圧縮機の重荷と振動を受けるのに
強度不足となる。ましてエンジンの振動の影響も受ける
ので、従来の取り付け座dは容器cとの溶接部で破損す
るなど耐久性に乏しく信頼性に欠ける。また、エンジン
の振動の圧縮機への影響や、圧縮機の振動の車室への影
響を防止するのに、取り付け座dとエンジンとの間に弾
性部材を挟み込むことが考えられるが、取り付け座dの
エンジンへの取り付け位置が大きく分散しているので、
弾性部材を設ける個所が分散して部品点数および組み立
て工数が増大し、コスト上昇の原因になる。しかも、各
取り付け部に分散して配置される弾性部材は各取り付け
面積範囲ごとにしか働かないので、防振効果が弱いしこ
れをばね常数の小さな部材を採用して補うとすると、弾
性部材は振動するエンジンと圧縮機との間で破壊されや
すくなる。
【0007】しかも、従来の室内空調用の電動機内蔵の
圧縮機は、吐出口f、吸入口g、内外の電気接続部h、
前記取り付け脚部dが容器cの両端部から長手方向に突
出している上、電動機bに連結した駆動軸jの両端部共
に容器c内に独立に設置した主、副軸受部材k、mによ
って軸受し、しかも駆動軸jは副軸受部材mの側で容器
cから独立に設けたオイル供給用のポンプnを駆動する
ようになっているので、軸線方向寸法が徒に大きく、容
器cの部分だけで250mm程度に達し、まだ小型車し
か実用されていない電気自動車ないしはハイブリッド自
動車には特に組み込みにくい。
【0008】同時に、従来の室内空調用の電動機内蔵圧
縮機は、鉄製で大きなものであることによって全体の重
量も前記のように9kg程度以上と重く、移動車、特に
自動車に搭載するには移動負荷が増大して高速化や省エ
ネルギーを図るのに問題となる。
【0009】一方、図8に示すように容器cをアルミニ
ウム材料によって形成することにより軽量化を図ったも
のも提供されている。しかし、基本構成は図7に示す鉄
製の容器cを採用したものと変わらず、軸線方向の容器
寸法は220mm程度とやや小さく設計されているだけ
である。また、容器cは図7のもの同様に胴部に2箇所
の連結部pができる、3つの容器部材c1〜c3によっ
て構成している。図7に示すものは鉄製であるところ、
メンテナンスフリーな設計で分解修理しないことを利用
して溶接にて相互を連結している。しかし、図8に示す
アルミニウム製のものは溶接による結合が向かず、ボル
トrによって結合し連結するようにしている。アルミニ
ウム製の容器cは圧力容器の条件を満足するために肉厚
が勢い大きなものとなる上、ボルトrによる連結にはボ
ルト締結のために、まわりに張り出す連続したあるいは
連続しない厚肉のフランジ部sが2つの連結部pにおい
て1対ずつ必要なことと、各連結部pでは8本前後と多
くのボルトrが使われることとが相まって、全体的には
さほど軽量化できず8〜9kg程度にも及ぶ。
【0010】ここに、ガソリン車、ハイブリッド車、電
気自動車の別を問わず使用電圧を42V化することによ
って、各種負荷の電動化を図る傾向にある今、小型かつ
軽量な電動機内蔵の圧縮機の提供が急務になってきてい
る。
【0011】本発明の目的は、小型かつ軽量な電動機内
蔵の圧縮機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明の電動機内蔵の圧縮機は、圧縮機構お
よびこれを駆動する電動機を容器に収容したものであっ
て、前記容器の吸入口、吐出口、内外の電気接続部およ
び取り付け脚のそれぞれが容器の胴部の同じ側に設けら
れていることを第1の特徴とするものである。
【0013】このような構成では、容器の吸入口、吐出
口、内外の電気接続部および取り付け脚のそれぞれが容
器の胴部の同じ側に集約して設けられることによって、
全体の軸線方向寸法を容器の軸線方向寸法とほぼ同等に
なるまで小さくすることができるし、前記集約配置によ
って容器まわりに分散しているよりは嵩はりが抑えられ
るし、それら吸入口、吐出口、電気接続部および取り付
け脚が互いに近づき、容器の肉厚を一部ないしは全体に
おいて共用できる分だけ、それぞれが容器に占める専用
肉部を削減できるし、吸入口および吐出口は容器の胴部
に位置するものであることにより、容器の端部内外周部
が従来からデッドスペースになりやすいのを利用して内
径側に外部配管との接続代を得るなどして、容器の外に
突出させる場合に比し容器壁肉を多く共用できるので、
全体にスリムで軽量なものとすることができる。また、
吸入口および吐出口が外部に突出しない分だけ全体がさ
らにかさ低くなる。これらから、電動機内蔵の圧縮機は
コンパクトで軽量なものとなり、コストが低減するとと
もに自動車などの移動車に搭載しやすく、かつ省エネル
ギーに貢献することができる。
【0014】吸入口、吐出口、内外の電気接続部および
取り付け脚のそれぞれが容器の軸線方向に並んでいる
と、それらの容器まわりでの集約度が増し、前記小型
化、軽量化にさらに有利となる。
【0015】1つの取り付け脚と吸入口とが対となり、
今1つの取り付け脚と吐出口とが対になり、それぞれの
対が容器の胴部長手方向の両側に位置し、それぞれの対
の間に電気接続部が設けられている構成では、特に外部
に張り出し易い電気接続部を真中にして2つの取り付け
脚による取り付け部の間のデッドスペースに位置させて
おけるので、狭い自動車内に設置するにも他の邪魔にな
りにくいし、外部から結線される配線や結線部を不用意
な外力から保護しやすい。
【0016】特に、この場合、吸入口および吐出口が最
外部に位置する構成では、電気接続部を挟む2つの取り
付け脚の外側にて、電気接続部の外部からの配線や、2
箇所での取り付けによって邪魔されるようなことなく冷
凍サイクルにおける外部配管の接続や接続解除を容易に
行うことができる。
【0017】容器がアルミニウム製であるのが軽量化に
有効であり、取り付け脚が容器に一体成形されている
と、個別のものを後付けする場合のような手間が要らな
いし、溶接やボルト止めなどにて後付けするときのよう
な重量の増大要素が生じないので軽量化に有効である。
また、取り付け脚が容器に一体形成されるので自動車の
エンジンへの直付け用であっても、後付けの場合のよう
に強度不足となるようなことを回避しやすい。
【0018】本発明の電動機内蔵の圧縮機は、また、圧
縮機構およびこれを駆動する電動機を容器に収容したも
のであって、容器の胴部と一体の端部壁に、電動機に連
結されて圧縮機構を駆動する駆動軸の反圧縮機構側の端
部を軸受する軸受部を設け、前記端部壁の外面に開口し
たポンプ室にポンプ機構を設けて前記駆動軸の反圧縮機
構側端部に連結し、ポンプ室の前記開口を閉塞部材によ
り閉塞したことを第2の特徴とするものである。
【0019】このような構成では、駆動軸のポンプ機構
を駆動する側の軸受部およびポンプ機構部が容器の端部
壁部に集約配置されることにって容器まわりに分散して
いるよりは嵩はりが抑えられるし、それらが互いに近づ
いて、容器の肉厚を一部ないしは全体において共用し、
また、容器1内の軸線方向スペースを一部ないしは全体
において共用できる分だけ、それぞれが容器に占める専
用肉部および専用スペース部を削減できるので、容器の
軸線方向寸法を小さくすることができるし、専用肉部が
削減される分および容器の軸線方向寸法が短縮する分だ
け全体が軽量化する。これらから、電動機内蔵の圧縮機
はコンパクトで軽量なものとなり、コストが低減すると
ともに自動車などの移動車に搭載しやすく、かつ省エネ
ルギーに貢献することができる。しかも、駆動軸の軸受
部の容器の端部壁への一体化によってこの軸受と容器と
の間の位置決めが不要となるので、位置決め精度が向上
する上に組み立て作業が楽になりその分コストが低減す
る。
【0020】また、ポンプ室が容器の端部壁の外面に開
口していることにより、ポンプ室が容器の端部壁に一体
に設けられていても、ポンプ機構を外部から後嵌めして
端部壁に軸受される駆動軸に連結することが容易で、そ
の後閉塞部材により閉塞すればよく、組立作業が特に複
雑になったり時間が掛かったりするようなことがない。
しかも、容器は胴部の一箇所にて分割されていて、後で
連結する構造のものにしても組み立てが可能になるた
め、容器の連結部を削減して連結のためのフランジやボ
ルトの数を減らし、さらなる小型化と軽量化が図れる。
【0021】容器の端部壁にポンプ室と容器内のオイル
溜まりとを連通させるオイル通路が形成されている構成
では、ポンプ機構がオイルを吸入するためにオイル溜ま
りの底部まで延びて形成すべきオイル通路も容器の肉厚
を共用して形成することができるので、容器のコンパク
ト化および軽量化をさらに促進することができる。
【0022】閉塞部材は、端部壁にボルト止め、または
自身のねじ込みによってポンプ室に固定されるだけで、
ポンプ室を閉塞することができ、容器の組み立て性が低
下したり、軽量化や大型化したりするような要素にはな
らない。
【0023】容器の端部壁のポンプ室部周囲に容器の吐
出口が容器の外周に開口するように設けられ、オイル通
路とポンプ室を介し通じる同一の軸線上に形成された部
分を有していると、吐出口を通じた外部からの孔あけに
より、ポンプ室からオイル溜まり底部近くまでのオイル
通路を前記軸線に沿って加工することができ、容器内側
のオイル溜まり底部からの孔あけによるオイル通路との
ドッキングによってポンプ室とオイル溜まりを繋ぐオイ
ル通路が難なく得られる。
【0024】閉塞部材が所定の固定位置にてオイル通路
を吐出口と遮断しポンプ室に連通させる構成では、前記
吐出口を通じた孔加工によってポンプ室に吐出口に繋が
る開口ができても、閉塞部材を所定位置に固定すること
によりそれを閉じることができ、開口を閉じる特別な部
材や作業なしに、ポンプ室がオイル通路だけに繋がるよ
うにすることができる。
【0025】ポンプ室にオイルフィルタが設けられてい
ると、細いオイル通路の吸入口に設ける場合に比し、広
いポンプ室を利用してフィルタの通液面積を大きくする
ことができるので、フィルタの通液抵抗を小さくするこ
とができるし、フィルタの詰まりによる寿命の低下を防
止してオイルの供給が長期に安定して行われるようにす
ることができる。
【0026】容器の端部壁の内面に吐出口の内側開口が
あり、この内側開口に冷媒の流入を邪魔してオイルを分
離するオイルセパレータが、前記端部壁の内側に設けら
れている構成では、オイルセパレータを端部壁の内側に
取り付けるだけで、オイルセパレータを端部壁の肉厚を
共用して形成された吐出口の端部壁内面への開口近くに
位置するように特別な場所を取らずに設けて、冷媒が吐
出口へ直入しようとするのを邪魔して衝突させ、それに
随伴しているオイル成分を分離することができる。
【0027】容器が胴部に電動機と圧縮機構との間に対
応した1個所に連結部を持っている構成では、容器を2
分割して構成するのに、容器の一方に電動機の固定子を
焼き嵌めや溶接して固定し、回転子および駆動軸を組合
せ支持する作業に支障がなく、組み付けた駆動軸に圧縮
機構を連結して残る容器の他方を連結すれば組み立てが
終了し、全体が容易に組み上がる。特に、容器の一方が
駆動軸の圧縮機構側軸受部をも焼き嵌めや溶接して固定
する収容スペースを有したものとすると、電動機および
駆動軸とその両端の軸受部が1つの容器部分を基準に容
易かつ正確に位置決めができ、後は先に位置決め固定さ
れた駆動側に圧縮機構を位置決めして連結し残る他方の
容器を連結すればよいので、組み立て性がさらに向上す
る。
【0028】容器がアルミニウム製であり、取り付け脚
が一体に形成されていると簡単な構造にて特にコストが
上昇するようなことなく、十分な強度の取り付け脚がか
さ低く得られる利点がある。従って、取り付け強度が重
要な自動車のエンジンに直付けされるような用途に好適
である。
【0029】以上から、上記各場合の電動機内蔵の圧縮
機構は、移動されるバッテリーとともに用いられる移動
車用に好適であり、電動機内蔵の圧縮機をバッテリーと
ともに搭載した移動車を構成して好適である。移動車は
ガソリン自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車の別
を問わないし、他の自動車、あるいは作業用や特殊用途
の各種移動車全般に適用することができる。
【0030】本発明のそれ以上の目的及び特徴は、以下
の詳細な説明及び図面の記載によって明らかになる。本
発明の各特徴は、可能な限りにおいて、それ単独で、あ
るいは種々な組み合わせで複合して用いることができ
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明における一実施例に係る電動機
内蔵の圧縮機と、これを搭載した移動車について図を参
照しながら詳細に説明し、本発明の理解に供する。
【0032】本実施例はハイブリッド自動車のエンジン
に搭載される横型でスクロール式の電動機内蔵の圧縮機
の場合の一例である。しかし、本発明はこれに限られる
ことはなく、エンジンを搭載し圧縮機を必要とする移動
車一般のほか、自動車や移動車以外の室内の空調用など
にも適用して、軽量化、小型化の利点を発揮することが
でき、いずれも本発明の範疇に属する。従って、圧縮機
構も基本的には、ロータリ式やレシプロ式など各種の圧
縮機構を用いてもよい。また、縦型のものでもよい。
【0033】図1に示すように、ハイブリッドの自動車
27は、通常、ガソリンなどを燃料とするエンジン2の
他に、走行用のモータ3を持ち、バッテリー1によって
給電し駆動するようにしてある。ここにバッテリー1は
移動するバッテリー1であり2次電池である。エンジン
2による走行中はバッテリー1を充電し、バッテリー1
の充電容量が十分な間はモータ3に給電してモータ3に
より走行し、排気ガスの排出を極力抑えるように制御さ
れる。また、エンジン2により走行している場合、信号
などでの一時停止時にエンジン2を停止する制御も行わ
れる。
【0034】本実施例はこのようなハイブリッド自動車
において電動機13で駆動される図1に示すような電動
機13内蔵の圧縮機11を車内の空調に供して、エンジ
ン2により走行していて信号などで一旦停止するといっ
た乗車中の停止時にエンジン2を止めるような制御が行
われても、車内の空調が停止しないようにする。
【0035】圧縮機11は図1に示すように、容器12
にスクロール式の圧縮機構10とそれを駆動軸14によ
り駆動する電動機13が収容されている。電動機13は
容器12の内外の電気接続部であるターミナル15を経
て給電を受けて動作し、圧縮機構10を駆動する。圧縮
機構10は容器12の吸入口16を通じて冷凍サイクル
を経た冷媒を吸入して圧縮し、圧縮した冷媒を容器12
内に吐出して電動機13を冷却した後、容器12の吐出
口17を通じて容器12外の外部配管20に吐出し、空
調用の冷凍サイクルに供給する。以下これを繰り返す。
【0036】容器12内にはオイル18が貯留されてお
り、これが駆動軸14により駆動されるポンプ19によ
り吸入されて駆動軸14の圧縮機構10側の主軸部14
bの主軸受21や主軸部14bと圧縮機構10との連結
部の軸受22、圧縮機構10の摺動部に供給され潤滑が
図られるとともに、潤滑後のオイル18は供給圧により
各潤滑対象部から染み出すように出て容器12内に戻る
ことを繰り返す。前記容器12内に吐出される冷媒の一
部は容器12のオイル溜まり24内のオイル18を相溶
作用により持ち運んで、前記ポンプ19によってはオイ
ル18が供給されない副軸受23などの部分を潤滑す
る。副軸受23は駆動軸14の反圧縮機構10側の副軸
部14aを軸受する。以上によって、本実施例の電動機
内蔵の圧縮機11はメンテナンスフリーな条件を満足し
ている。
【0037】本実施例は特に図1に示すように、容器1
2の吸入口16、吐出口17、内外の電気接続部である
ターミナル15および取り付け脚25のそれぞれが容器
12の胴部の同じ側に設けられている。これにより、容
器12の吸入口16、吐出口17、ターミナル15およ
び取り付け脚25が容器12の胴部の同じ側に、図1〜
図3、図6に示すように集約して設けられている。従っ
て、それらは容器12の端部外へ軸線方向に突出するこ
とがなく、全体の軸線方向寸法を容器12の軸線方向寸
法とほぼ同等になるまで小さくすることができる。ま
た、前記集約配置によって容器12のまわりに分散して
いるよりは嵩はりが抑えられるし、それら吸入口16、
吐出口17、ターミナル15および取り付け脚25が互
いに近づいて、容器12の肉厚を一部ないしは全体にお
いて共用できる分だけ、それぞれが容器12に占める専
用肉部を削減できるし、吸入口16および吐出口17は
容器12の胴部に位置するものであることにより、容器
12の端部内外周部が従来からデッドスペース26にな
りやすいのを利用して図1に示すように内径側に外部配
管20との接続代Sを得るなどして、容器12の外に突
出させる場合に比し容器12の壁肉を多く共用できるの
で、全体にスリムで軽量なものとすることができる。ま
た、吸入口16および吐出口17が外部に突出しない分
だけ全体がさらにかさ低くなる。
【0038】これらから、電動機内蔵の圧縮機11はコ
ンパクトで軽量なものとなり、コストが低減するととも
に自動車27などの移動車に搭載しやすく、かつ省エネ
ルギーに貢献することができる。
【0039】また、吸入口16、吐出口17、ターミナ
ル15および取り付け脚25のそれぞれは、容器12の
軸線方向に並んでいる。このようにすると、それらの容
器12まわりでの集約度が増すので、集約配置すること
による前記小型化、軽量化にさらに有利となる。
【0040】また、1つの取り付け脚25と吸入口16
側とが対となり、今1つの取り付け脚25と吐出口17
側とが対になり、それぞれの対が容器12の胴部長手方
向の両側に位置し、それぞれの対の間にターミナル15
が設けられている。これによって、特に外部に張り出し
易いターミナル15を真中にして2つの取り付け脚2
5、25による取り付け部28、28の間の各種形態と
したデッドスペース29に位置させておけるので、狭い
自動車27内に設置するにも他の邪魔になりにくいし、
外部から結線される配線31やその結線部を不用意な外
力から保護しやすい。
【0041】しかも、図1〜図3、図6に示すように吸
入口16および吐出口17が容器12の最外部、つまり
両端部に位置している。これにより、ターミナル15を
挟む2つの取り付け脚25の外側にて、ターミナル15
の外部からの配線31や、2箇所での取り付け部28、
28によって邪魔されるようなことなく冷凍サイクルに
おける外部配管20の接続や接続解除を容易に行うこと
ができる。
【0042】容器12はアルミニウム製としてあって軽
量化に有利であり、その成形性から取り付け脚25、タ
ーミナル15を取り付けるための筒状に突出した接続口
51などが、図1〜図6に示すように容器12に一体成
形されている。従って、個別の取り付け脚を後付けする
場合のような手間が要らないし、溶接やボルト止めなど
にて後付けするときのような重量の増大要素が生じない
ので軽量化に有効である。また、取り付け脚25、25
は本実施例のように自動車27のエンジン2への直付け
用であっても、後付けの場合のように強度不足となるよ
うなことを回避しやすいし、エンジン2に直付けするの
に適した専用の取り付け脚25、25とすることができ
る。容器12には前記取り付け脚25と直径線上で対向
する反対側の位置にも一対の取り付け脚32、32を一
体形成してある。
【0043】特に、容器12がアルミニウム製であり、
取り付け脚25、25、32、32が一体に形成されて
いると簡単な構造にて特にコストが上昇するようなこと
なく、十分な強度を持ってしかも低く得られる利点があ
る。従って、取り付け強度が重要な自動車27のエンジ
ン2に直付けされるような用途に好適である。
【0044】取り付け脚25、25、32、32はま
た、圧縮機11の重心Gに対してほぼ左右対称となる位
置に容器12から少し突出して圧縮機11の軸線と直角
な向きで圧縮機11を左右対称に横断するように設けら
れている。しかし、具体的な形態は特に問わない。接続
口51は電動機13の圧縮機構10側のコイルエンド1
3a寄りに位置し、ターミナル15とコイルエンド13
aの接続端子13bとの接続が容易なようになってい
る。アルミニウム製の容器12の胴部に形成した接続口
51にターミナル15を設けるのに、従来から提供され
ている形態のガラス封止されたものを採用している。タ
ーミナル15における鉄製の接続プレート15aはアル
ミニウム製の接続口51に溶接できないことから、接続
プレート15aをフラットなものに変形させて用いてい
る。鉄製の接続プレート15aの外周を接続口51の内
周途中にある段差部51aにシール部材52を介して当
てがうとともに、接続口51の開口端からねじ込んだリ
ングナット53にて段差部51aとの間に挟持すること
により耐圧、防水機能を満足してターミナル15を取り
付けている。シール部材52は段差部51aの溝内に装
着してある。ターミナル15は接続プレート15aの内
側に内部接続端子15bを持ち、外側に外部接続端子1
5cを持っている。端子数は電動機13の種類や制御の
方式によって変わる。図に示す例では電動機13が三相
モータであることによる給電用端子3つと、電動機13
の温度を検出するセンサのための信号用端子2つとであ
る。
【0045】本実施例の電動機内蔵の圧縮機11は、ま
た、図1に示すように、容器12の胴部と一体の端部壁
41に、駆動軸14の副軸部14aを副軸受23により
軸受する副軸受部42を設け、前記端部壁41の外面4
1aに開口したポンプ室43にポンプ機構としての前記
ポンプ19を設けて駆動軸14の副軸部14aに連結
し、ポンプ室43の開口43aを閉塞部材44により閉
塞してある。
【0046】これにより、駆動軸14のポンプ19を駆
動する副軸部14a側の副軸受部42およびポンプ室4
3を含むポンプ19が容器12の端部壁41部に図1に
示すように集約配置されることになる。これによって、
容器12まわりに分散しているよりは嵩はりが抑えられ
るし、それらが互いに近づいて、容器12の肉厚を一部
ないしは全体において共用し、また、容器12内の軸線
方向スペースを一部ないしは全体において共用できる分
だけ、それぞれが容器12に占める専用肉部および専用
スペース部を削減できる。従って、容器12の軸線方向
寸法を小さくすることができるし、専用肉部が削減され
る分および容器12の軸線方向寸法が短縮する分だけ全
体が軽量化する。これらの面からも、電動機内蔵の圧縮
機11はコンパクトで軽量なものとなり、コストが低減
するとともに自動車27などの移動車に搭載しやすく、
かつ省エネルギーに貢献することができる。
【0047】しかも、駆動軸14の副軸受部42の容器
12の端部壁41への一体化によってこの副軸受部42
および副軸受23と容器12との間の位置決めが不要と
なるので、位置決め精度が向上する上に組み立て作業が
楽になりその分コストが低減する。
【0048】また、ポンプ室43が容器12の端部壁4
1の外面に開口していることにより、ポンプ室43が容
器12の端部壁41に一体に設けられていても、ポンプ
19を外部から後嵌めして端部壁41に軸受される駆動
軸14の副軸部14aに連結することが容易であり、連
結後に閉塞部材44により閉塞すればよく、組立作業が
特に複雑になったり時間が掛かったりするようなことが
ない。さらに、容器12が図1〜図3、図6に示すよう
に胴部の一箇所にて容器本体部12aと蓋部12bとに
分割されていて、後で連結する構造のものにしても組み
立てが可能になるため、容器12の連結部45を一箇所
に削減して連結のために一体成形されるフランジ46、
46やフランジ46、46を締結するボルト47の数を
減らし、さらなる小型化と軽量化が図れる。図5に示す
例ではボルト47は4本である。容器12の軸線方向に
位置する取り付け脚25と取り付け脚25の組、および
取り付け脚32と取り付け脚32の組とはそれぞれ、容
器12の分割部つまり連結部45をまたがず、容器12
の分割した一方、図示する例では容器本体部12aに集
約配置されているので、それら取り付け脚25、25、
または取り付け脚32、32によって圧縮機11をエン
ジン2などに取り付けて支持するときの負荷が、分割さ
れた容器12における容器本体部12aおよび蓋部12
bの連結部45に及ばないので、連結部45におけるボ
ルト47などによる連結に圧縮機11を取り付け支持す
るときの負荷を配慮する必要がない利点がある。従っ
て、容器本体部12aと蓋部12bの連結強度は冷媒に
対する耐圧だけ配慮すればよい。連結部45にはシール
部材85が設けられている。シール部材85は蓋部12
bの側の溝に装着されている。
【0049】ポンプ室43は端部壁41の外面41aの
開口43aからストレートに内部へ延びる円形凹部とし
て端部壁41に一体形成され、奥壁41bに駆動軸14
の副軸部14aが臨んでいて、奥壁41bに外部から当
てがった蓋板54との間に副軸部14aと連結されるポ
ンプ19を構成し、蓋板54にポンプ室43に開口する
吸入口19aが形成されている。閉塞部材44はポンプ
室43にその開口43aから所定の位置まで嵌まり合う
プラグ部44aを有し、このプラグ部44aの外周とポ
ンプ室43の内周との間がシール部材55によってシー
ルされ、ポンプ室43を密閉できるようにしている。シ
ール部材55はプラグ部44aの外周溝に装着してあ
る。閉塞部材44はプラグ部44aの外端に図1、図
4、図6に示すような直径方向両側に張り出したフラン
ジ部44bが一体に形成され、これが開口43aから両
側に延びた凹部43a1に嵌まりあった状態で前記ボル
ト49によって端部壁41に締結され、前記閉塞部材4
4によるポンプ室43の密閉状態を保持している。
【0050】閉塞部材44は端部壁41に比しその中央
部に位置する小さなものでよく、前記のように端部壁4
1に2本程度の少ないボルト49によりボルト止めする
か、または自身の開口43aへのねじ込みによってポン
プ室43に固定されるだけで、ポンプ室43を簡単にし
かも確実に閉塞することができ、容器12の組み立て性
が低下したり、軽量化や大型化したりするような要素に
はならない。
【0051】また、図1に示すように、容器12の端部
壁41にポンプ室43と容器12内のオイル溜まり24
とを連通させるオイル通路48が形成されている。これ
により、ポンプ19がオイル18を吸入するためにオイ
ル溜まり24の底部まで延びてそこに吸口33が位置す
るように形成すべきオイル通路48をも、容器12の肉
厚を共用して形成することができ、容器12のコンパク
ト化および軽量化をさらに促進する。
【0052】特に、オイル通路48は、容器12の端部
壁41のポンプ室43部周囲に位置して容器12外周に
開口している吐出口17に対し、同一ないしは若干位置
ずれした図1に示す軸線56上でポンプ室43を介し通
じる通路部分48aを有している。これによると、吐出
口17を通じた外部からの孔あけにより、ポンプ室43
からオイル溜まり24の底部近くまでの通路部分48a
を前記軸線56に沿って加工することができ、容器12
内側のオイル溜まり24底部からの孔あけによる通路部
分48bとのドッキングによってポンプ室43とオイル
溜まり24を繋ぐオイル通路48が難なく得られる。
【0053】ここで、閉塞部材44は図1に示すような
所定の固定位置にて、オイル通路48を吐出口17と遮
断しポンプ室43に連通させるようにする。具体的に
は、図1、図4に示すように閉塞部材44のプラグ部4
4aが中空になってポンプ室43の広さを確保している
構成を利用して、前記プラグ部44aの周壁の円周上一
箇所にだけオイル通路48の通路部分48aと連通する
連通孔58を設けてオイル通路48がポンプ室43に通
じるようにする一方、通路部分48aの穴あけのために
ポンプ室43に形成される上側の抜け穴59などの開口
はプラグ部44aの周壁とポンプ室43内周との嵌合に
よって閉塞するようにしてある。シール部材55による
シール部はこれら連通孔58、抜け穴59の位置よりも
端部壁41の外面41a側に位置している。
【0054】これにより、前記吐出口17を通じた孔加
工によってポンプ室43に吐出口17や容器12内に繋
がる抜け穴59ができても、閉塞部材44を所定位置に
固定することによりそれを閉じることができ、抜け穴5
9を閉じる特別な部材や作業なしに、ポンプ室43がオ
イル通路48だけに繋がるようにすることができる。
【0055】図1に示すようにポンプ室43にはオイル
フィルタ61が設けられている。オイルフィルタ61は
その外周を閉塞部材44のプラグ部44aによってポン
プ19の蓋板54とともに奥壁41bとの間で挟持して
取り付けられ、ポンプ19の小さな吸入口19aのまわ
りをポンプ室43の広がりを利用した広い範囲にて覆う
ようにしている。これにより、従来のように細いオイル
通路の吸口に設ける場合に比し、広いポンプ室43を利
用してオイルフィルタ61の通液面積を大きくすること
ができるので、オイルフィルタ61の通液抵抗を小さく
することができるし、オイルフィルタ61の詰まりによ
る寿命の低下を防止してオイル18の供給が長期に安定
して行われるようにすることができる。
【0056】図1に示すように容器12の端部壁41の
内面に吐出口17の内側開口17aがあり、この内側開
口17aに冷媒の流入を邪魔してオイル18を分離する
例えば板状のオイルセパレータ62が、前記端部壁41
の内側に冷媒の回り込みのための隙間64を残して設け
られている。図に示す例ではオイルセパレータ62は端
部壁41の内側開口17aよりも若干内側に吐出した取
り付け面65に対してボルト63により取り付けてあ
る。これにより、オイルセパレータ62を端部壁41の
内側に取り付けるだけで、オイルセパレータ62は端部
壁41の肉厚を共用して形成された吐出口17の内側開
口17a近くに位置するように特別な場所を取らずに設
けられ、冷媒が吐出口17へ直入しようとするのを邪魔
して衝突させ、それに随伴しているオイル成分を分離す
ることができる。
【0057】容器12の前記連結部45は、図1に示す
ように容器12の胴部の電動機13と圧縮機構10との
間に対応した1個所に設けられている。これにより、容
器12を2分割して構成するのに、一方の容器本体部1
2aに電動機13の固定子13cをボルト止めや焼き嵌
め、溶接などして固定し、回転子13eおよび駆動軸1
4を組合せ支持する作業に支障がなく、組み付けた駆動
軸14の主軸部14bに圧縮機構10を連結して残る蓋
部12bを連結すれば組み立てが終了し、全体が容易に
組み上がる。
【0058】特に、容器12の一方の容器本体部12a
は図1に示すように駆動軸14の圧縮機構10側に設け
る主軸受21を支持する主軸受部材71もボルト止めや
焼き嵌め、溶接などして固定する収容スペースを有した
ものとしてある。これにより、電動機13および駆動軸
14とその両端の軸受部が1つの容器本体部12aを基
準に容易かつ正確に位置決めができ、後は先に位置決め
固定された駆動側に、主軸受部材71に圧縮機構10を
ボルト72により止めるなどして位置決めして連結し、
残る蓋部12bをボルト47により連結すればよいの
で、組み立て性がさらに向上する。
【0059】図に示す実施例では圧縮機構10はスクロ
ールタイプであって、主軸受部材71にボルト止めした
固定スクロール73との間に、固定スクロール73と渦
巻き状の羽根どうしを噛み合わせた旋回スクロール74
を挟み込んで構成するようにしてあり、主軸受部材71
を容器本体部12aに組み込み固定する前に圧縮機構1
0を組み付けてあり、さらに圧縮機構10は主軸受部材
71とともに蓋部12bにボルト等で組み付けられ、こ
れらが一体で容器本体部12aに組み付けられる。主軸
部14bはスクロールタイプの圧縮機構10を駆動する
のに偏心軸14cを有し、これが軸受22を介して旋回
スクロール74と嵌まり合い駆動軸14の回転によって
旋回スクロール74を円軌道に沿って旋回させるように
している。旋回スクロール74が旋回時に自転しないよ
うに主軸受部材71と旋回スクロール74との間に自転
防止機構75が設けられている。
【0060】旋回スクロール74が旋回駆動されると、
固定スクロール73との間の圧縮室76が外周部から中
央部に移動しながら容積を小さくすることにより、外周
部の吸入口77から冷媒を吸入して圧縮し、中央部の吐
出口78からリード弁79を介し所定の圧力に達した冷
媒を容器12内に吐出する。
【0061】容器12の吸入口16も容器12内の外周
部のデッドスペース26内に延びるようにして、蓋部1
2bが形成する今1つの端部壁81の肉厚を共用して形
成され、吸入口16の端部壁81の内面への開口16a
位置が圧縮機構10の吸入口77に直接繋がるようにな
っている。これにより、圧縮機構10と蓋部12bとの
間の領域が特別な部材なしに冷媒の吸入経路82と吐出
室83との住み分けが行われる。吐出室83に吐出され
た冷媒は圧縮機構10および主軸受部材71ないしはこ
れらと容器12との間に設けられる通路84を通じて電
動機13側に達し、電動機13を冷却した後容器12の
吐出口17に達するようになっている。
【0062】以上から、上記各場合の電動機13内蔵の
圧縮機11は、移動されるバッテリー1とともに用いら
れる移動車用に好適であり、電動機13内蔵の圧縮機1
1をバッテリー1とともに搭載した自動車27などの移
動車を構成して好適である。
【0063】自動車27はガソリン自動車、ハイブリッ
ド自動車、電気自動車の別を問わないし、他の自動車、
あるいは作業用や特殊用途の各種移動車全般に本発明を
適用することができる。
【0064】
【発明の効果】本発明の第1の特徴によれば、容器の吸
入口、吐出口、内外の電気接続部および取り付け脚が容
器の胴部の同じ側に集約して設けられることによって、
全体の軸線方向寸法を容器の軸線方向寸法とほぼ同等に
なるまで小さくすることができるし、前記集約配置によ
って容器まわりに分散しているよりは嵩はりが抑えられ
るし、それら吸入口、吐出口、電気接続部および取り付
け脚が互いに近づいて、容器の肉厚を一部ないしは全体
において共用できる分だけ、それぞれが容器に占める専
用肉部を削減できるし、吸入口および吐出口は容器の胴
部に位置するものであることにより、容器の端部内外周
部が従来からデッドスペースになりやすいのを利用して
内径側に外部配管との接続代を得るなどして、容器の外
に突出させる場合に比し容器壁肉を多く共用できるの
で、全体にスリムで軽量なものとすることができる。ま
た、吸入口および吐出口が外部に突出しない分だけ全体
がさらにかさ低くなる。これらから、電動機内蔵の圧縮
機はコンパクトで軽量なものとなり、コストが低減する
とともに自動車などの移動車に搭載しやすく、かつ省エ
ネルギーに貢献することができる。
【0065】本発明の第2の特徴によれば、駆動軸のポ
ンプ機構を駆動する側の軸受部およびポンプ機構部が容
器の端部壁部に集約配置されることによって容器まわり
に分散しているよりは嵩はりが抑えられるし、それらが
互いに近づいて、容器の肉厚を一部ないしは全体におい
て共用し、また、容器内の軸線方向スペースを一部ない
しは全体において共用できる分だけ、それぞれが容器に
占める専用肉部および専用スペース部を削減できるの
で、容器の軸線方向寸法を小さくすることができるし、
専用肉部が削減される分および容器の軸線方向寸法が短
縮する分だけ全体が軽量化する。これらから、電動機内
蔵の圧縮機はコンパクトで軽量なものとなり、コストが
低減するとともに自動車などの移動車に搭載しやすく、
かつ省エネルギーに貢献することができる。しかも、駆
動軸の軸受部の容器の端部壁への一体化によってこの軸
受と容器との間の位置決めが不要となるので、位置決め
精度が向上する上に組み立て作業が楽になりその分コス
トが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るエンジンに搭載される
電動機内蔵の圧縮機のエンジンへの取り付け状態を示す
断面図である。
【図2】図1の圧縮機の正面図である。
【図3】図1の圧縮機の平面図である。
【図4】図1の圧縮機の一端側から見た側面図である。
【図5】図1の圧縮機の他端側から見た側面図である。
【図6】図1の圧縮機の斜視図である。
【図7】従来の鉄製容器に電動機を内蔵した圧縮機を示
す側面図である。
【図8】従来のアルミニウム製容器に電動機を内蔵した
圧縮機を示す断面図である。
【符号の説明】
1 バッテリー 2 エンジン 10 圧縮機構 11 圧縮機 12 容器 12a 容器本体部 12b 蓋部 13 電動機 14 駆動軸 15 内外電気接続用のターミナル 16 吸入口 17 吐出口 18 オイル 19 ポンプ 21 主軸受 23 副軸受 24 オイル溜まり 25 取り付け脚 27 自動車 41 端部壁 42 副軸受部 43 ポンプ室 44 閉塞部材 45 連結部 48 オイル通路 48a 通路部分 49 ボルト 56 軸線 58 連通孔 59 抜け穴 61 オイルフィルタ 62 オイルセパレータ 71 主軸受部材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B60K 6/02 B60K 9/00 C (72)発明者 阿部 喜文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H003 AA05 AB05 AC03 AD01 CA02 CD06 CF02 CF04 3H029 AA02 AA15 AB03 BB32 BB33 CC07 CC09 CC17 CC24 CC25 CC27 CC38 CC43 3H076 AA00 AA16 BB38 BB40 BB41 CC07 CC30 CC36 CC46 CC47 CC92 CC93 CC94 CC95

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機構およびこれを駆動する電動機を
    容器に収容した電動機内蔵の圧縮機であって、 前記容器の吸入口、吐出口、内外の電気接続部および取
    り付け脚のそれぞれが容器の胴部の同じ側に設けられて
    いることを特徴とする電動機内蔵の圧縮機。
  2. 【請求項2】 吸入口、吐出口、内外の電気接続部およ
    び取り付け脚のそれぞれが容器の軸線方向に並んでいる
    請求項1に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  3. 【請求項3】 1つの取り付け脚と吸入口とが対とな
    り、今1つの取り付け脚と吐出口とが対になり、それぞ
    れの対が容器の胴部長手方向の両側に位置し、それぞれ
    の対の間に電気接続部が設けられている請求項2に記載
    の電動機内蔵の圧縮機。
  4. 【請求項4】 吸入口および吐出口は最外部に位置する
    請求項3に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  5. 【請求項5】 容器はアルミニウム製である請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  6. 【請求項6】 取り付け脚は容器に一体成形され、自動
    車のエンジンへの直付け用である請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  7. 【請求項7】 圧縮機構およびこれを駆動する電動機を
    容器に収容した電動機内蔵の圧縮機であって、 容器の胴部と一体の端部壁に、電動機に連結されて圧縮
    機構を駆動する駆動軸の反圧縮機構側の端部を軸受する
    軸受部を設け、前記端部壁の外面に開口したポンプ室に
    ポンプ機構を設けて前記駆動軸の反圧縮機構側端部に連
    結し、ポンプ室の前記開口を閉塞部材により閉塞したこ
    とを特徴とする電動機内蔵の圧縮機。
  8. 【請求項8】 閉塞部材は端部壁にボルト止め、または
    自身のねじ込みによってポンプ室に固定され、ポンプ室
    を閉塞する請求項7に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  9. 【請求項9】 容器の端部壁にポンプ室と容器内のオイ
    ル溜まりとを連通させるオイル通路が形成されている請
    求項7、8のいずれか1項に記載の電動機内蔵の圧縮
    機。
  10. 【請求項10】 容器の端部壁のポンプ室部周囲に容器
    の吐出口が容器の外周に開口するように設けられ、オイ
    ル通路とポンプ室を介し通じる同一の軸線上に形成され
    た部分を有している請求項7〜9のいずれか1項に記載
    の電動機内蔵の圧縮機。
  11. 【請求項11】 閉塞部材は所定の固定位置にてオイル
    通路を吐出口と遮断しポンプ室に連通させる請求項10
    に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  12. 【請求項12】 ポンプ室にオイルフィルタが設けられ
    ている請求項7〜11のいずれか1項に記載の電動機内
    蔵の圧縮機。
  13. 【請求項13】 容器の端部壁の内面に吐出口の内側開
    口があり、この内側開口に冷媒の流入を邪魔してオイル
    を分離するオイルセパレータが、前記端部壁の内側に設
    けられている請求項7〜12のいずれか1項に記載の電
    動機内蔵の圧縮機。
  14. 【請求項14】 容器は胴部に電動機と圧縮機構との間
    に対応した1個所に連結部を持っている請求項7〜13
    のいずれか1項に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  15. 【請求項15】 容器はアルミニウム製であり、取り付
    け脚が一体に形成されている請求項7〜14のいずれか
    1項に記載の電動機内蔵の圧縮機。
  16. 【請求項16】 取り付け脚は自動車のエンジンに直付
    けされるものである請求項15に記載の電動機内蔵の圧
    縮機。
  17. 【請求項17】 移動されるバッテリーとともに用いら
    れる請求項1〜16のいずれか1項に記載の電動機内蔵
    の圧縮機。
  18. 【請求項18】 請求項1〜16のいずれか1項に記載
    の電動機内蔵の圧縮機をバッテリーとともに搭載した移
    動車。
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