JP2002364203A - エレベータ式立体駐車設備 - Google Patents

エレベータ式立体駐車設備

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JP2002364203A JP2001170944A JP2001170944A JP2002364203A JP 2002364203 A JP2002364203 A JP 2002364203A JP 2001170944 A JP2001170944 A JP 2001170944A JP 2001170944 A JP2001170944 A JP 2001170944A JP 2002364203 A JP2002364203 A JP 2002364203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動装置を大型化することなく、入出庫の待
ち時間を短縮し、入出庫能力を向上させたエレベータ式
立体駐車設備を提供すること。 【解決手段】 車両の入出庫口Eと、昇降させるための
上部搬器5および下部搬器6と、この両搬器が昇降する
昇降路13と、昇降路に沿って上下に離間して配設され
た複数段のパレット収容棚15と、昇降路の最上部に対
応する位置に配設された、上部搬器を昇降させるための
上部駆動装置7と、昇降路の中間部に対応する位置に配
設された、下部搬器を昇降させるための下部駆動装置8
と、各搬器と各パレット収容棚との間でパレットを受け
渡しするための横送り装置16とを備え、上部搬器5
が、最上段の位置と、下部駆動装置より下方であって昇
降路の最下部より上方の位置との間を昇降可能に構成さ
れ、両搬器のうち少なくとも一つが入出庫口Eに位置し
得る車両入出用搬器とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレベータ式立体駐
車設備に関する。さらに詳しくは、車両搬送用のエレベ
ータの昇降路に沿って上下複数段に車両格納用のパレッ
ト収容棚が配設されたエレベータ式立体駐車設備に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、上下二台のエレベータを装備したエレベータ式立体
駐車設備が知られている。これらの駐車設備は、たとえ
ば特許第3011804号公報、特許第3011805
号公報および特開平7−18902号公報に開示されて
いる。
【0003】特許第3011804号公報および特許第
3011805号公報にそれぞれ開示された駐車設備
は、車両を格納するための多数段のパレット収容棚(以
下、単に棚ともいう)を上層部と下層部とに二分し、そ
れらの間に入出庫口が配置されたものである。そして、
エレベータは、上層部と入出庫口とにのみ昇降する上部
搬器と、下層部と入出庫口とにのみ昇降する下部搬器と
を備えている。したがって、収容車両が上層部または下
層部の一方に偏ると、偏った側について搬器による処理
が増える。その結果、上部搬器による入出庫準備作業と
下部搬器による入出庫準備作業とを並行して実施させる
ことによる入出庫待ち時間を短縮し得る回数が減少して
しまうため、二台の搬器による効果が半減する。
【0004】一方、特開平7−18902号公報に開示
された駐車設備は、図8に示すように、車両M搭載用の
パレット58を収容する多数段のパレット収容棚52の
最下部が入出庫口Eとされたものであり、一昇降路53
に配設された上下二台の搬器55、56が、駐車設備5
1の最上部から最下部の入出庫口Eまで昇降するもので
ある。一般に搬器は後述の横送り装置を有し、また、パ
レットを搭載するため、その上下方向厚さは棚やパレッ
トに比較して遙かに厚いものである。一方、各棚上の駐
車空間は必要最小限にされている。かかる理由から、上
部搬器55および下部搬器56の両者がともに最上の棚
53に位置することはできず、上部搬器55のみが最上
の棚53に位置することができる。一方、両搬器55、
56はともに最下部の入出庫口Eに位置することができ
るようにされている。
【0005】両搬器55、56のための駆動装置54は
ともに駐車設備51の最上部に配設されている。したが
って、両駆動装置54によって搬器55、56を昇降さ
せるワイヤ(またはチェーン)57は長いものとなるた
め、その分重量も増加する。そのため駆動装置54は出
力が大きいものを使用する必要があり、さらに、巻き取
り長さも多くなるので駆動装置全体の大型化が不可避と
なる。
【0006】また、この駐車設備51では、二台の車両
を同時に入庫させる場合には平均処理時間が短縮される
という効果が奏される。しかし、一台の車両のみを高層
部のパレット収容棚に入出庫させる場合、すなわち、入
出庫口から遠く離れたパレットを昇降させる場合には、
現状より効率を向上させるためには搬器の昇降速度を増
加する等の改善が必要となる。このためには駆動装置の
大型化が不可避となる。
【0007】また、この駐車設備では、最上段の棚およ
びその下の棚の入出庫については上部搬器にのみ頼らざ
るを得ないため、処理時間が最も長くなるこれらの棚に
対しては搬器を二台にすることによる効果が得られな
い。さらに、前述のとおり搬器の厚さが厚いため、同一
段における昇降路の両側の棚に対する入出庫、および、
上下に隣接する棚に対する入出庫については、上部搬器
と下部搬器上の車両との干渉があるため並行処理ができ
ない。
【0008】最近はビルの高層化とともにエレベータ式
駐車設備が高層化して収容台数が140台等とする計画
が出てきている。しかし、これら高層の駐車設備では前
述のとおりワイヤ等が長くなることによる駆動装置の大
型化はもとより、ワイヤ等の伸び量が増加することによ
るレベル調整の見直しも必要となる。
【0009】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、駆動装置の大型化やワイヤ等の長尺化
を必要とすることなく、また、下部乗り入れ式、中間部
乗り入れ式および上部乗り入れ式に拘わらず、一台の入
出庫に対しても入出庫の待ち時間を短縮し、入出庫能力
を向上させたエレベータ式立体駐車設備を提供すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のエレベータは、
車両の入出庫口と、車両搭載用のパレットを昇降させる
ための上部搬器および下部搬器と、この両搬器が昇降す
る昇降路と、この昇降路に沿って上下に離間して配設さ
れた複数段のパレット収容棚と、昇降路の最上部に対応
する位置に配設された、上部搬器を昇降させるための上
部駆動装置と、昇降路の中間部に対応する位置に配設さ
れた、下部搬器を昇降させるための下部駆動装置と、各
搬器と各パレット収容棚との間でパレットを受け渡しす
るための転載装置とを備えており、上部搬器が、最上段
のパレット収容棚に対応する位置と、下部駆動装置より
下方であって昇降路の最下部より上方における一部のパ
レット収容棚に対応する位置との間を昇降可能に構成さ
れており、上記両搬器のうち少なくとも一つが入出庫口
に位置し得る車両入出用搬器とされている。
【0011】かかる構成を採用したことにより、上部搬
器および下部搬器をそれぞれ垂下するためのワイヤ等の
垂下手段の長さが従来のそれの半分強で済む。すなわ
ち、上部搬器のワイヤ等は、上部搬器を駐車設備の最上
部と昇降路の中間部より下方との間を昇降させ得る長さ
でよい。一方、下部搬器のワイヤ等は、下部搬器を昇降
路の中間部と昇降路の最下部との間を昇降させ得る長さ
でよい。したがって、ワイヤ等の伸びも従来のそれより
小さくなり、レベル調整の問題が生じない。また、駆動
装置の巻き上げドラム等も小さいもので済む。また、駆
動装置が巻胴式の場合には巻き上げドラム等も小さいも
ので済む。さらに、ワイヤ等の重量減によって小さい出
力の駆動装置を用いることが可能となる。
【0012】また、後述するように、上部搬器および下
部搬器がともに位置することができるパレット収容棚を
両搬器同士のパレットの受け渡し用棚として利用するこ
とにより、車両を入出庫させるための処理動作時間を短
縮することができる。
【0013】そして、上記車両入出用搬器が上部搬器お
よび下部搬器のうちのいずれか一の搬器であり、この車
両入出用搬器にのみ上記車両入出用搬器にパレットと入
出庫口の床面とを連絡する車路部材を配設するのが好ま
しい。こうすることにより、他方の搬器には車路部材を
配設する必要がないので軽量化が可能となるからであ
る。
【0014】また、上部および下部の駆動装置がそれぞ
れ複数個の電動モータと各電動モータによって駆動され
る複数個の索条とを備えており、一の電動モータによっ
て駆動される各索条が搬器における二つの接続点それぞ
れに接続されており、一の電動モータによって駆動され
る索条の接続点同士を結ぶ仮想直線と他の電動モータに
よって駆動される索条の接続点同士を結ぶ仮想直線とが
平面視における搬器の外形枠範囲内において交差するよ
うにされてなるエレベータ式立体駐車設備が好ましい。
【0015】なぜなら、搬器の駆動装置は複数個の電動
モータに分離されているので、小型化されることにより
駐車設備における配置の自由度が拡大するため、駐車設
備内の空間を有効利用することができるからである。す
なわち、下部搬器の下部駆動装置が上部搬器の昇降に干
渉しない配置を容易に行うことができる。具体的には、
従来の駐車設備のように駆動装置のために駐車空間と同
等のスペースをとる機械室を設ける必要がない。さら
に、各搬器は複数の索条の接続点を結ぶ仮想直線同士の
交差点において昇降させられることになり、また、搬器
が剛性を有するので複数の電動モータによる昇降動作は
搬器において機械的に同期する。一般に電動モータはそ
れに加わる負荷が大きいほど回転数が低下し、加わる負
荷が小さいほど回転数が上昇するからである。すなわ
ち、一の駆動系による搬器の昇降速度が他の駆動系によ
る昇降速度より速くなろうとしたとき、当該一の駆動系
の負担重量が増加するので、この電動モータの回転数は
低下する。逆に他の駆動系の電動モータの回転数は上昇
する。その結果、昇降速度の相違が回避され、搬送部材
は水平状態を維持することができる。
【0016】このような駆動装置を以下のごとく構成す
れば駆動装置の小型化が容易に達成されるので好まし
い。すなわち、上部および下部の駆動装置のそれぞれ
が、第一電動モータによって回転される第一駆動シーブ
と、第二電動モータによって回転される第二駆動シーブ
と、単一のカウンターウエイトとを有しており、その一
端が搬器に接続された第一索条が第一駆動シーブに巻き
掛けられており、その一端が搬器に接続された第二索条
が第二駆動シーブに巻き掛けられており、第一索条の他
端と第二索条の他端とが上記カウンターウエイトに接続
されてなるものである。
【0017】または、上記各駆動装置が、複数個の電動
モータと、各電動モータによって駆動される複数個の索
条と、これらの全索条が連結された単一のカウンターウ
エイトとを備えており、上記各搬器が平面視でほぼ矩形
に形成されており、一の電動モータによって駆動される
各索条が搬器における隣接二隅に位置する接続点にそれ
ぞれ接続されており、他の電動モータによって駆動され
る各索条が搬器における他の隣接二隅に位置する接続点
にそれぞれ接続されており、上記カウンターウエイト
は、全索条を介して搬器を引き上げる方向にその重力が
作用するように連結されてなるエレベータ式立体駐車設
備が好ましい。
【0018】本駆動装置を備えた駐車設備では、駆動装
置の同期は単一のカウンターウエイトによってとられる
が、前述したと同様に駆動装置が複数個の電動モータに
分離されていることにより、小型化され、駐車設備にお
ける配置の自由度が拡大する。その結果、駐車設備内の
空間を有効利用することができる。
【0019】各搬器の昇降およびその停止、並びに、各
搬器と各パレット収容棚との間のパレット受け渡しを制
御する制御装置が配設されており、この制御装置が、上
部搬器および下部搬器がともに位置することができるパ
レット収容棚を受け渡し用棚とし、一の車両入出用搬器
が位置し得ないパレット収容棚に車両を入出させる場
合、当該一の車両入出用搬器が受け渡し用棚と入出庫口
との間にパレットを移動させ、他の搬器が当該受け渡し
棚と他のパレット収容棚との間にパレットを移動させる
ように上部駆動装置および下部駆動装置を制御するよう
に構成されてなるエレベータ式立体駐車設備が好まし
い。
【0020】かかる制御装置により、上記一の車両入出
用搬器が位置し得る棚には当該車両入出用搬器が車両の
出入を行う。一の車両入出用搬器が位置し得ない棚に
は、他の搬器が受け渡し棚を経由して入出庫予定の車両
を一の車両入出用搬器に引き渡し、これを一の車両入出
用搬器が入出庫させる。すなわち、上記他の搬器が出庫
予定の車両を一の受け渡し棚へ移動させ、この受け渡し
棚から当該車両を上記一の車両入出用搬器が入出庫口へ
移動させて出庫させることができる。かかる処理動作に
より、搬器の必要移動距離が従来の駐車設備のそれに比
較して平均的に短くなり、その結果、処理時間も短縮さ
れる。
【0021】または、各搬器の昇降およびその停止、並
びに、各搬器と各パレット収容棚との間のパレット受け
渡しを制御する制御装置が配設されており、この制御装
置が、上部搬器および下部搬器がともに位置することが
できるパレット収容棚を受け渡し用棚とし、満車時に一
の車両入出用搬器が位置し得ないパレット収容棚から車
両を出庫させる場合、当該一の車両入出用搬器が第一の
受け渡し用棚からパレットを引き出し保持し、ついで他
の搬器が上記出庫させるべきパレット収容棚からパレッ
トを第一の受け渡し用棚へ搬送し且つ第二の受け渡し用
棚からパレットを引き出し保持し、ついで上記一の車両
入出用搬器がその保持しているパレットを第二の受け渡
し用棚へ搬送し且つ第一の受け渡し用棚からパレットを
入出庫口へ搬送するように上部駆動装置および下部駆動
装置を制御するように構成されてなるエレベータ式立体
駐車設備が好ましい。
【0022】一方の搬器が車両を棚に引き渡すときには
他方の搬器がパレットの仮置き手段として利用されるの
である。すなわち、一の車両入出用搬器が第一の受け渡
し棚からパレットを引き出すことによってこの棚を空に
し、他の搬器が出庫予定の車両をこの空の第一の棚に預
け、第二の棚からパレットを引き出してこの棚を空にす
る。一の車両入出用搬器は持っているパレットを空の第
二の棚に預け、第一の棚から出庫予定の車両を引き出し
て入出庫口へ搬送する。このように、たとえ満車であっ
ても搬器をパレットの仮置き手段として用いることによ
ってスムースに出庫させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】添付の図面を参照しながら本発明
のエレベータ式立体駐車設備(以下、単に駐車設備とい
う)の実施形態を説明する。
【0024】図1は本発明の駐車設備の一実施形態を示
す正面断面図である。
【0025】図1に示す駐車設備1はエレベータ2によ
って車両を昇降させて収容、出庫させるものである。エ
レベータ2は、建物4内部の平面視中央部を昇降する車
両搬送用のほぼ矩形の上部搬器5および下部搬器6と、
この搬器5、6を昇降させる上部駆動装置(巻き上げ装
置ともいう)7および下部駆動装置8とを備えている。
そして、各駆動装置7、8はカウンターウエイト9を備
えており、搬器5、6は索条としてのワイヤ(またはチ
ェーン)10、20によってカウンターウエイト9に連
結されている。各駆動装置7、8がそのモータ11、1
2を正逆回転してそれぞれの搬器5、6を昇降させる。
この駐車設備1では最下部に車両の入出庫口Eが設置さ
れている。しかし、本発明では入出庫口は最下部に限ら
ず、中間部であっても最上部であってもよい。図1に示
すように、入出庫口EにはターンテーブルTが配設され
ており、入庫してきた車両がパレットごと方向転換され
て下部搬器6上に載る。ついで車両は下部搬器6によっ
て上昇させられる。
【0026】搬器5、6の昇降路13の両側にそれぞれ
上下多数段の駐車空間3が配設されている。各駐車空間
3には車両搭載用のパレット14(図1に一個のみ例示
する)が載置されるパレット収容棚(以下、単に棚とい
う)15が配設されている。搬器5、6は昇降すること
によって指定された棚15まで移動し、車両が搭載され
たパレット14や空のパレット14を棚15との間で受
け取りまたは引き渡す。すなわち、受け渡しの動作を行
う。
【0027】図1に示すように、最上部の棚15の駐車
空間3の上部には上部駆動装置7が設置されており、前
述した中央部より若干上方の棚15bの駐車空間3の上
部に下部駆動装置8が設置されている。こうすることに
より、上部搬器5は上層部の棚15を受け持ち、下部搬
器6は下層部の棚15を受け持つ。本実施形態では、上
層部とは最上段の棚から中央部より若干下方の棚15a
までをいい、下層部とは中央部より若干上方の棚15b
から最下段の棚までをいう。また、下部搬器6のみが入
出庫口Eに位置することができるようにされており、こ
の下部搬器6が入出庫口Eにおいて車両を入出させうる
車両入出用搬器とされている。このようにワイヤ10の
長さが設定されている。上部搬器5と下部搬器6との担
当範囲が上記棚15bと棚15aとの間の範囲でオーバ
ーラップしている。このオーバーラップ部OLの範囲に
位置する棚が受け渡し棚として指定される。受け渡し棚
は、上部搬器5と下部搬器6とがパレットを受け渡すた
めの仲介として利用される棚をいう。たとえば、下部搬
器6が入出庫口Eにおいて車両を搭載したパレットを一
の受け渡し棚に引き渡し、上部搬器5がこの受け渡し棚
から当該パレットを搭載車両とともに受け取ってから上
層部の棚に引き渡す。このような目的のために、受け渡
し棚のうち少なくとも二箇所についてパレットを載置し
ない空棚の状態にしておくのが円滑性向上のためには好
ましい。
【0028】図2に示すように、搬器5、6には各棚1
5との間でパレット14を受け渡すための横送り装置1
6が配設されている。この横送り装置16はフォーク1
6aを有しており、このフォーク16aを搬器5、6か
ら棚上のパレット14に向かって横方向に延ばし、パレ
ット14を棚15から若干持ち上げたうえで搬器5、6
の上まで持ってきて搬器5、6の上に載置するように構
成されている。
【0029】また、下部搬器6のワイヤ接続点17を上
部搬器5の平面視で横外方に位置させることにより、下
部搬器6のワイヤ20が上部搬器5と干渉することを回
避している。また、下部搬器6には入出庫口Eにおいて
車両が入出するため、その前後方向の一端にパレット1
4の床面とほぼ一致する上面を持つ車路部材18が配設
されている。
【0030】また、本駐車設備1には指定棚のパレット
の呼び出し、各搬器5、6の昇降および停止、並びに、
搬器5、6と棚15とのパレットの受け渡しを制御する
制御装置19が配設されている。
【0031】以上の構成により、従来の駐車設備におけ
る入出庫車の処理時間を短縮することが可能となる。以
下にその例を説明する。
【0032】図3および図4に示すのは、駐車設備1の
最上段の一の棚から車両を出庫させるための搬器5、6
の動作を示している。最上段の棚の車両を出庫させる動
作は従来最も時間がかかる処理である。図8および図9
には比較のために特開平7−18902号公報に示され
た従来の駐車設備51における最上段の一の棚の車両M
を出庫させる動作が示されている。本実施形態の駐車設
備1と従来の駐車設備51とは、ともに搬器の昇降速
度、パレットの横送り時間、旋回時間、扉の開閉時間は
同一であるとして比較している。図3、4、8、9で
は、動作に関与しない棚および位置を示すのに利用され
ない棚はその図示を省略している。なお、上部搬器の動
作順序は数字で示し、下部搬器の動作順序はアルファベ
ットで示す。
【0033】図3(a)において、上部搬器5は入出庫
口Eに移動することができないので、オーバーラップ部
OLの直上にパレットを有することなく待機しており、
下部搬器6は受け渡し棚にあったパレットを保持した状
態で入出庫口Eに待機している。これが通常の状態であ
る。そして、制御装置19によって最上段の棚の車両M
の出庫が指示されると、上部搬器5が(1)上記待機位
置から最上段まで上昇し、(2)当該パレットを車両M
とともに受け取り、(3)指定された受け渡し棚まで下
降する。この指定された受け渡し棚はパレットが載置さ
れていない棚(以下、空の棚という)である。以上の動
作と並行して下部搬器6は(A)受け渡し棚のうちの他
の空の棚まで上昇し、(B)この空の棚にパレットを引
き渡し、(C)第二の待機位置、すなわち指定された上
記受け渡し棚の直下に待機する。もちろん、下部搬器6
がパレットを引き渡す棚は下層部における空の棚であれ
ばよく、とくに受け渡し棚に限定されない。以上は並行
動作であり、上部搬器5の動作時間が下部搬器6の動作
時間より長いので、上部搬器5の動作時間が必要時間と
なる。
【0034】つぎに図3(b)において、上部搬器5は
(4)車両をパレットごと指定された受け渡し棚に引き
渡したのち、(5)当初の待機位置に上昇して待機す
る。ついで下部搬器6は(D)指定受け渡し棚に上昇
し、(E)車両をパレットごと受け取り、(F)入出庫
口Eまで下降する。従来の駐車設備と比較する上で車両
が入出庫口Eにおいてターンテーブルで旋回したり扉を
開閉する時間は共通するため、比較対象とはせずに削除
した場合の所要時間は表1に示すように125秒とな
る。なお、かっこで囲んだ時間は並行動作を示す。
【0035】
【表1】
【0036】図8を参照して、従来の駐車設備51にお
いて上記と同一目的の処理がなされる場合を説明する。
二台の搬器55、56は、そのうちの上部搬器55が入
庫車を受け入れる体勢でともに入出庫口Eに待機してい
る。上部搬器55が(1)空の棚52まで上昇し、
(2)パレット58をこの空の棚52に預け、(3)指
定された最上段の棚52まで上昇し、(4)当該パレッ
トを車両Mとともに受け取り、(5)入出庫口Eまで下
降する。表2に示すごとく所要時間は130秒である。
前述のとおり、車両が入出庫口Eにおいてターンテーブ
ルで旋回したり扉を開閉する時間は上記実施形態と共通
するため、比較対象とはせずに削除している。
【0037】
【表2】
【0038】つぎに図4を参照しつつ最上段の対向する
二つの棚の車両を連続して出庫させる動作を説明する。
両搬器5、6の待機位置は図3におけるものと同一であ
る。
【0039】図4(a)において上部搬器5は(1)待
機位置から最上段まで上昇して(2)一方の棚からパレ
ットを車両ごと受け取り、(3)指定された受け渡し棚
まで下降する。この動作と並行して下部搬器6は(A)
空の棚まで上昇して(B)持っているパレットを預け、
(C)指定された受け渡し棚の直下の第二待機位置まで
上昇して待機する。以上は並行動作であり、上部搬器5
の動作時間が下部搬器6の動作時間より長いので、上部
搬器5の動作時間が必要時間となる。
【0040】つぎに図4(b)において、上部搬器5は
(4)車両をパレットごと指定された受け渡し棚に引き
渡したのち、(5)二台目の車両を受け取りに最上段ま
で上昇し(6)他方の棚からパレットを車両ごと受け取
る。下部搬器6は(D)第二待機位置から指定された受
け渡し棚に上昇し、(E)車両をパレットごと受け取
り、(F)入出庫口Eまで下降して(G)車両を旋回さ
せる。そして(H)扉を開いて(I)一台目の車両の出
庫を完了させる。その後、(J)扉を閉める。この間に
上部搬器5は(7)他の一台の車両を持って指定された
受け渡し棚まで下降する。
【0041】つぎに図4(c)において、上部搬器5は
(8)車両をパレットごと指定された受け渡し棚に引き
渡し、(9)当初の待機位置まで上昇して待機する。こ
の間に下部搬器6は(K)入出庫口Eから空の受け渡し
棚まで上昇して(L)この棚にパレットを引き渡す。
【0042】図4(d)において、下部搬器6は(M)
指定された上記受け渡し棚から出庫すべき車両をパレッ
トごと受け取って(N)入出庫口まで下降し、(O)車
両を旋回させる。そして(P)扉を開いて一台目の車両
の出庫を完了する。二台目の車両の出庫を完了させる。
二台の車両を出庫させるまでの全体の所要時間は表3に
示すように267秒となる。なお、複数台の車両を連続
して出庫させるので車両の旋回等の時間を含めている。
なお、かっこで囲んだ時間は並行動作を示す。
【0043】
【表3】
【0044】図9を参照して、従来の駐車設備51にお
いて上記と同一目的の処理である最上段の二台の車両の
出庫がなされる場合を説明する。
【0045】図9(a)において、上部搬器55が
(1)空の棚52まで上昇して(2)パレット58をこ
の空の棚52に預け、(3)指定された最上段の棚52
まで上昇して(4)当該パレットを車両Mとともに受け
取り、(5)入出庫口Eまで下降する。そして(6)車
両Mを旋回させ、(7)扉を開いて(8)出庫させたの
ち(9)扉を閉めて一台目の車両の出庫を完了する。つ
いで図9(b)に示すごとく、上部搬器55が(10)
最上段まで上昇して(11)パレット58を空の棚52
に預け、(12)対向する棚から二台目の車両Mをパレ
ットごと受け取り、(13)入出庫口Eまで下降して
(14)車両を旋回させたのち(15)扉を開いて二台
目の車両の出庫を完了する。表4に示すごとく全体の所
要時間は322秒である。この場合も、上記実施形態に
おける所要時間と比較するために車両の旋回や扉の開閉
に要する時間を含めている。
【0046】
【表4】
【0047】上記本実施形態においても、上部の入出庫
対象の棚と受け渡し棚との距離が近い場合には、搬器の
必要昇降時間が短くなって下部搬器の動作待ちとなる。
このような場合の時間を有効に使うために、オーバーラ
ップ部OLを増加すること、すなわち受け渡し棚を増加
することによって解決することが可能である。
【0048】以上説明した駐車設備1では入出庫口Eを
最下段に設置したが、本発明では多数段のうちのいずれ
に入出庫口Eを設置してもよい。オーバーラップ部OL
のいずれかに入出庫口Eを設置してもよい。また、入出
庫口Eが上層部に設置されるときには上部搬器5を車両
入出用搬器とする。また、入出庫口Eがオーバーラップ
部OLに設置されるときには上部搬器5および下部搬器
6ともに車両入出用搬器としてもよい。
【0049】さらに、オーバーラップ部OLやその近傍
の中間層に入出庫口Eが設置されたときであって、たと
えば下部搬器6のみ(上部搬器5のみ)を車両入出用搬
器とした場合は、受け渡し棚を増加することによって解
決することが可能である。
【0050】以上の実施形態では、受け渡し棚を有効に
利用するために受け渡し棚のうちの少なくとも二つには
パレットを載置しないのが好ましい。しかし、本発明で
はかかる構成に限定されない。収容台数を増加するため
に、たとえば全棚にパレットを載置しておいてもよい。
すなわち、処理時間よりも収容台数の増加を優先するの
である。この場合でも上記駐車設備1では受け渡し棚を
利用して良好に入出庫処理を行うことができる。
【0051】図5に示すように、全棚に車両が収容され
ている満車状態において、上層部の最上段にある一の棚
の車両を出庫させる場合を例に取って説明する。
【0052】待機状態では、上部搬器5がオーバーラッ
プ部OLの直上にパレットを保持しないで待機してい
る。また、満車であるため、下部搬器6はパレットを保
持しないで下層部の中間の一の段に待機している。そし
て、図5(a)に示すように、制御装置19に対して上
層部にある一の棚の車両を出庫させる指示を出すと、制
御装置19の指示によって(A)下部搬器6が一の受け
渡し棚まで上昇して(B)当該受け渡し棚からパレット
を車両とともに受け取ることにより当該棚を空にし、
(C)当該棚の直下まで下降して待機する。この動作と
並行して上部搬器5は(1)指定された出庫対象の最上
段の棚まで上昇して(2)このパレットを車両とともに
受け取り、(3)空にされた上記棚まで下降する。
【0053】図5(b)に示すように、上部搬器5は
(4)パレットを車両とともにこの空の受け渡し棚に引
き渡し、ついで(5)この段の対向する受け渡し棚から
パレットを車両とともに受け取ってこの棚を空にし、
(6)最上段の棚まで上昇する。一方、待機していた下
部搬器6は(D)この空の受け渡し棚まで上昇する。
【0054】図5(c)に示すように、空の受け渡し棚
まで上昇した下部搬器6は(E)保持していたパレット
を車両とともに上記空の受け渡し棚に引き渡し、(F)
出庫させる車両が乗った対向棚から当該車両とともにパ
レットを受け取り、(G)入出庫口Eに下降して出庫を
完了させる。最上段まで上昇した上部搬器5は(7)パ
レットを車両とともに最上段の空の棚に引き渡す。
【0055】このように、受け渡し棚を利用すれば、た
とえ満車であっても搬器5、6をパレットの仮置き手段
として用いることによってスムースに出庫させることが
できる。
【0056】図6には上部搬器5および上部駆動装置7
と下部搬器6および下部駆動装置8とが示されている。
上部駆動装置7と下部駆動装置8とはそのワイヤの配索
およびカウンターウエイト9の配置が線対称になってい
るが、その構成および作用はほぼ同一であるため、下部
駆動装置8のみを説明する。
【0057】下部搬器6の対向二隅に繋がれた二本の第
一ワイヤ20aを第一電動モータ12aが操作し、他の
対向二隅に繋がれた二本の第二ワイヤ20bを第二電動
モータ12bが操作するものである。一般に、搬器はそ
の平面視の図心から放射方向に重量分布はほぼ同一であ
るため、第一ワイヤ20aの下部搬器6への接続点(対
角二隅の吊り点)同士を結ぶ仮想直線はほぼ搬器6の重
心を通り、第二ワイヤ20bの搬器6への接続点同士を
結ぶ仮想直線もほぼ搬器6の重心を通る。また、第一ワ
イヤ20aの吊り点間の中央に上記重心が位置し、第二
ワイヤ20bの吊り点間の中央に上記重心が位置してい
る。したがって、搬器6の重心は、両駆動系の搬器6へ
の接続の共通の中心点である。したがって、第一の駆動
系と第二の駆動系とはこの搬器6における第一ワイヤ2
0aの接続点同士を結ぶ仮想直線と第二ワイヤ20bの
接続点同士を結ぶ仮想直線との交点において拘束(機械
的に同期)されていることになる。
【0058】二本の第一ワイヤ20aは複数の第一転向
プーリ21aによってまとめられて第一駆動シーブ22
aに巻き掛けられている。二本の第二ワイヤ20bは複
数の第二転向プーリ21bによってまとめられて第二駆
動シーブ22bに巻き掛けられている。そして、第一ワ
イヤ20aと第二ワイヤ20bとは他の第一および第二
の転向プーリ21a、21bを経由して単一のカウンタ
ーウエイト9にまとめて取り付けられている。両ワイヤ
20a、20bの端部はまとめてカウンターウエイト9
の一個所に取り付けられているので、カウンターウエイ
ト9が傾いても両ワイヤ20a、20bの端部のレベル
(地上高さ)は相違しない。両ワイヤ20a、20bを
カウンターウエイト9に取り付ける際に、ワイヤ20
a、20bを緊張させた状態で搬器6が水平となるよう
に調節すればよい。
【0059】かかるエレベータ2では特別な制御装置に
よって両電動モータ12のモータの同期を取る必要がな
い。なぜなら、一般に電動モータはそれに加わる負荷が
大きいほど回転数が低下し、加わる負荷が小さいほど回
転数が上昇するからである。したがって、一点で機械的
に拘束された上記二系統の駆動系では、両電動モータ1
2a、12bによる搬器の引き上げ速度(または下降速
度)に差が生じようとしたとき、たとえば、第一電動モ
ータ12aの引き上げ速度が第二電動モータ12bより
速くなろうとしたとき、第二ワイヤ20bは負担重量が
減るので搬器6と第二駆動シーブ22bとの間でたるも
うとする。そうすると第二電動モータ12bの回転数が
上昇しようとする。逆に、第一ワイヤ20aは負担重量
が増えるので搬器6と第一駆動シーブ22aの間で張力
が増加しようとする。そうすると第一電動モータ12a
の回転数が低下しようとする。その結果、両電動モータ
12a、12bの引き上げ速度(または下降速度)は同
一となる。すなわち、両駆動系は自動的に同期し、搬器
6は水平状態を維持する。かかるエレベータでは両電動
モータ12a、12bの出力を同一にする必要はない。
両者12a、12bの合計出力が搬器6を昇降するに足
りるものであればよい。以上から設計製造の自由度が大
幅に拡大する。
【0060】搬器6を下降させるときには、カウンター
ウエイト9を引き上げる速度が相違しようとすると、カ
ウンターウエイト引き上げ速度の早い方のワイヤが駆動
シーブと搬器との間でたるもうとするので、上記と同じ
メカニズムによってカウンターウエイト9を引き上げる
速度が自動的に同一になる。
【0061】このように複数の駆動部(電動モータ)ご
とに分離した駆動装置7、8を用いているので、それぞ
れが小型化され、駐車設備1において駆動装置の配置の
自由度が拡大する。したがって、駐車設備1内の空間を
有効利用することができる。具体的には、従来の駐車設
備のように駆動装置のために駐車空間と同等のスペース
をとる機械室を設ける必要がない。
【0062】以上の駆動装置は二つの駆動系の拘束点が
搬器6に存在するものであるが、カウンターウエイト側
にこの拘束点を設けてもよい。
【0063】図7にはかかる駆動装置27、28が示さ
れている。上部駆動装置27と下部駆動装置28とはそ
のワイヤの配索およびカウンターウエイト9の配置が線
対称になっているが、その構成および作用はほぼ同一で
あるため、下部駆動装置28のみを説明する。
【0064】この駆動装置28は、搬器6の隣接二隅に
繋がれた二本の第三ワイヤ23aを第三電動モータ24
aが操作し、他の対向二隅に繋がれた二本の第四ワイヤ
23bを第四電動モータ24bが操作するものである。
したがって、各ワイヤ23a、23bはいずれも搬器6
における各々二カ所の接続点同士を結ぶ二本の仮想直線
が交差せず、エレベータ側では同期しない。両ワイヤ2
3a、23bが同期されてこそ搬器6を水平状態で昇降
することができる。両ワイヤ23a、23bは単一のカ
ウンターウエイト9において拘束(機械的に同期)され
ている。以下のごとくである。
【0065】各電動モータ24a、24bは駆動シーブ
を有している。二本の第三ワイヤ23aは複数の第三転
向プーリ25aによってまとめられ、第三駆動シーブ2
6aに巻き掛けられている。二本の第四ワイヤ23bは
複数の第四転向プーリ25bによってまとめられ、第四
駆動シーブ26bに巻き掛けられている。そして、第三
ワイヤ23aと第四ワイヤ23bとは、他の第三および
第四の転向プーリ25a、25bを経由して単一のカウ
ンターウエイト9にまとめて取り付けられている。両ワ
イヤ23a、23bの端部はまとめてカウンターウエイ
ト9の一個所に取り付けられているので、カウンターウ
エイト9が傾いても両ワイヤ23a、23bの端部のレ
ベルは相違しない。また、とくに両ワイヤの端部はまと
めて一個所に取り付けなくても、両ワイヤの端部のレベ
ルが相違しないようにしておけばよい。たとえば、カウ
ンターウエイト9は鉛直のガイドレール9a等によって
左右に傾かずに鉛直に昇降するようにしておく。要する
に、カウンターウエイト9の変位を原因としては両ワイ
ヤのカウンターウエイト側のレベル(高さ位置)が相違
しないようにしておけばよい。そして、両ワイヤ23
a、23bをカウンターウエイト9に取り付ける際に、
ワイヤ23a、23bを緊張させた状態で搬器6が水平
となるように調節しておく。
【0066】単一のカウンターウエイト9における一点
で機械的に拘束された上記二系統の駆動系では、両電動
モータ24a、24bによる搬器の引き上げ速度に差が
生じようとしたとき、たとえば、第三電動モータ24a
の引き上げ速度が第四電動モータ24bより速くなろう
としたとき、第三ワイヤ23aは第三駆動シーブ26a
とカウンターウエイト9との間でたるもうとする。そう
すると第三電動モータ24aは搬器の引き上げに対する
カウンターウエイト9の重量の助けが無くなるので負荷
が増大し、第三電動モータ24aの回転数が低下しよう
とする。したがって、第三駆動シーブ26aとカウンタ
ーウエイト9との間における第三ワイヤ23aのたるみ
が無くなり、両電動モータ24a、24bの引き上げ速
度は同一となる。すなわち、両駆動系は自動的に同期す
る。この駆動装置27においても両電動モータ24a、
24bの出力を同一にする必要はない。両者24a、2
4bの合計出力が搬器6を昇降するに足りるものであれ
ばよい。以上から設計製造の自由度が大幅に拡大する。
【0067】搬器6を下降させるときには、カウンター
ウエイト9を引き上げる速度が相違しようとすると、引
き上げ速度の遅い方のワイヤが駆動シーブとカウンター
ウエイト9との間でたるもうとするので、上記と同じメ
カニズムによってカウンターウエイト9を引き上げる速
度が自動的に同一になる(同期する)。その結果、搬器
6は水平状態を維持する。
【0068】上記実施形態における駆動シーブに代えて
巻き上げドラムを用いてもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、上部搬器および下部搬
器をそれぞれ垂下するためのワイヤ等の垂下手段の長さ
が従来のそれの半分強で済む。したがって、ワイヤ等の
伸びも従来のそれより小さくなり、レベル調整の問題が
生じない。また、駆動装置の巻き上げドラム等も小さい
もので済む。さらに、ワイヤ等の重量減によって小さい
出力の駆動装置を用いることが可能となる。
【0070】また、上部搬器および下部搬器がともに位
置することができるパレット収容棚を両搬器同士のパレ
ットの受け渡し用棚として利用することにより、車両を
入出庫させるための処理動作時間を短縮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駐車設備の一実施形態を示す正面断面
図である。
【図2】図1の駐車設備における上部搬器および下部搬
器の一例を示す斜視図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は図1の駐車設備
における搬器の動作順序の一例を示す正面断面図であ
る。
【図4】図4(a)〜図4(d)は図1の駐車設備にお
ける搬器の動作順序の他の例を示す正面断面図である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は図1の駐車設備にお
ける搬器の動作順序のさらに他の例を示す正面断面図で
ある。
【図6】図1の駐車設備における上部搬器および上部駆
動装置、並びに、下部搬器および下部駆動装置の一例を
示す斜視図である。
【図7】図1の駐車設備における上部搬器および上部駆
動装置、並びに、下部搬器および下部駆動装置の他の例
を示す斜視図である。
【図8】従来の駐車設備における搬器の動作順序の一例
を示す斜視図である。
【図9】図9(a)および図9(b)は従来の駐車設備
における搬器の動作順序の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・駐車設備 2・・・・エレベータ 3・・・・駐車空間 4・・・・建物 5・・・・上部搬器 6・・・・下部搬器 7・・・・上部駆動装置 8・・・・下部駆動装置 9・・・・カウンターウエイト 9a・・・ガイドレール 10・・・・(上部駆動装置の)ワイヤ 11・・・・(上部駆動装置の)電動モータ 12・・・・(下部駆動装置の)電動モータ 12a・・・第一電動モータ 12b・・・第二電動モータ 13・・・・昇降路 14・・・・パレット 15・・・・パレット収容棚 16・・・・横送り装置 16a・・・フォーク 17・・・・ワイヤ接続点 18・・・・車路部材 19・・・・制御装置 20・・・・(下部駆動装置の)ワイヤ 20a・・・第一ワイヤ 20b・・・第二ワイヤ 21a・・・第一転向プーリ 21b・・・第二転向プーリ 22a・・・第一駆動シーブ 22b・・・第二駆動シーブ 23a・・・第三ワイヤ 23b・・・第四ワイヤ 24a・・・第三電動モータ 24b・・・第四電動モータ 25a・・・第三転向プーリ 25b・・・第四転向プーリ 26a・・・第三駆動シーブ 26b・・・第四駆動シーブ 27・・・・上部駆動装置 28・・・・下部駆動装置 OL・・・・オーバーラップ部 E・・・・入出庫口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の入出庫口と、 車両搭載用のパレットを昇降させるための上部搬器およ
    び下部搬器と、 該両搬器が昇降する昇降路と、 該昇降路に沿って上下に離間して配設された複数段のパ
    レット収容棚と、 昇降路の最上部に対応する位置に配設された、上部搬器
    を昇降させるための上部駆動装置と、 昇降路の中間部に対応する位置に配設された、下部搬器
    を昇降させるための下部駆動装置と、 各搬器と各パレット収容棚との間でパレットを受け渡し
    するための転載装置とを備えており、 上部搬器が、最上段のパレット収容棚に対応する位置
    と、下部駆動装置より下方であって昇降路の最下部より
    上方における一部のパレット収容棚に対応する位置との
    間を昇降可能に構成されており、上記両搬器のうち少な
    くとも一つが入出庫口に位置し得る車両入出用搬器とさ
    れてなるエレベータ式立体駐車設備。
  2. 【請求項2】 上記車両入出用搬器が上部搬器および下
    部搬器のうちのいずれか一の搬器であり、この車両入出
    用搬器にのみパレットと入出庫口の床面とを連絡する車
    路部材が配設されてなる請求項1記載のエレベータ式立
    体駐車設備。
  3. 【請求項3】 各駆動装置が、複数個の電動モータと、
    各電動モータによって駆動される複数個の索条とを備え
    ており、 一の電動モータによって駆動される各索条が搬器におけ
    る二つの接続点それぞれに接続されており、一の電動モ
    ータによって駆動される索条の接続点同士を結ぶ仮想直
    線と他の電動モータによって駆動される索条の接続点同
    士を結ぶ仮想直線とが平面視における搬器の外形枠範囲
    内において交差するようにされてなる請求項1記載のエ
    レベータ式立体駐車設備。
  4. 【請求項4】 各駆動装置が、第一電動モータによって
    回転される第一駆動シーブと、第二電動モータによって
    回転される第二駆動シーブと、単一のカウンターウエイ
    トとを有しており、 その一端が搬器に接続された第一索条が第一駆動シーブ
    に巻き掛けられており、 その一端が搬器に接続された第二索条が第二駆動シーブ
    に巻き掛けられており、 第一索条の他端と第二索条の他端とが上記カウンターウ
    エイトに接続されてなる請求項3記載のエレベータ。
  5. 【請求項5】 各駆動装置が、複数個の電動モータと、
    各電動モータによって駆動される複数個の索条と、これ
    らの全索条が連結された単一のカウンターウエイトとを
    備えており、 上記各搬器が平面視でほぼ矩形に形成されており、 一の電動モータによって駆動される各索条が搬器におけ
    る隣接二隅に位置する接続点にそれぞれ接続されてお
    り、他の電動モータによって駆動される各索条が搬器に
    おける他の隣接二隅に位置する接続点にそれぞれ接続さ
    れており、 上記カウンターウエイトは、全索条を介して搬器を引き
    上げる方向にその重力が作用するように連結されてなる
    請求項1記載のエレベータ式立体駐車設備。
  6. 【請求項6】 各搬器の昇降およびその停止、並びに、
    各搬器と各パレット収容棚との間のパレット受け渡しを
    制御する制御装置が配設されており、 該制御装置が、上部搬器および下部搬器がともに位置す
    ることができるパレット収容棚を受け渡し用棚とし、一
    の車両入出用搬器が位置し得ないパレット収容棚に車両
    を入出させる場合、当該一の車両入出用搬器が受け渡し
    用棚と入出庫口との間にパレットを移動させ、他の搬器
    が当該受け渡し棚と他のパレット収容棚との間にパレッ
    トを移動させるように上部駆動装置および下部駆動装置
    を制御するように構成されてなる請求項1記載のエレベ
    ータ式立体駐車設備。
  7. 【請求項7】 各搬器の昇降およびその停止、並びに、
    各搬器と各パレット収容棚との間のパレット受け渡しを
    制御する制御装置が配設されており、 該制御装置が、上部搬器および下部搬器がともに位置す
    ることができるパレット収容棚を受け渡し用棚とし、満
    車時に一の車両入出用搬器が位置し得ないパレット収容
    棚から車両を出庫させる場合、当該一の車両入出用搬器
    が第一の受け渡し用棚からパレットを引き出して保持
    し、ついで他の搬器が上記出庫させるべきパレット収容
    棚からパレットを第一の受け渡し用棚へ搬送し且つ第二
    の受け渡し用棚からパレットを引き出して保持し、つい
    で上記一の車両入出用搬器がその保持しているパレット
    を第二の受け渡し用棚へ搬送し且つ第一の受け渡し用棚
    からパレットを入出庫口へ搬送するように上部駆動装置
    および下部駆動装置を制御するように構成されてなる請
    求項1記載のエレベータ式立体駐車設備。
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