JP2002348693A - 電解二酸化マンガン粉末及びその製造法 - Google Patents

電解二酸化マンガン粉末及びその製造法

Info

Publication number
JP2002348693A
JP2002348693A JP2001261868A JP2001261868A JP2002348693A JP 2002348693 A JP2002348693 A JP 2002348693A JP 2001261868 A JP2001261868 A JP 2001261868A JP 2001261868 A JP2001261868 A JP 2001261868A JP 2002348693 A JP2002348693 A JP 2002348693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
manganese dioxide
electrolytic manganese
dioxide powder
less
electrolytic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001261868A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4742468B2 (ja
Inventor
Kenichi Takahashi
健一 高橋
Kazuyuki Chiba
和幸 千葉
Toru Tsuyoshi
徹 津吉
Masanori Ichikawa
正典 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2001261868A priority Critical patent/JP4742468B2/ja
Publication of JP2002348693A publication Critical patent/JP2002348693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4742468B2 publication Critical patent/JP4742468B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02E60/12

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、特にアルカリマンガン乾電池の正極
活物質として使用される電解二酸化マンガン粉末がアル
カリ電解液中で高いアルカリ電位を有し、またはアルカ
リ電解液中で高い電位を有しかつ高い充填性を有する電
解二酸化マンガン粉末とその製造法を提供することを目
的とするものである。 【解決手段】粒子径が100μm以下、1μm以下の粒
子の個数が15%未満で、かつそのメジアン径が20μ
m以上60μm以下の範囲にある電解二酸化マンガン粉
末であって、該粉末を、40%KOH水溶液中で水銀/
酸化水銀参照電極を基準として測定した時の電位が27
0mV以上である電解二酸化マンガン粉末、及び、粒子
径が74μm以上の粒子の重量割合が4.5%以下であ
る当該の電解二酸化マンガン粉末、並びに、当該電解二
酸化マンガン粉末を成形圧が3トン/cm2で成形した
成形体の密度(ρ)が、3.20≦ρ≦3.35である
請求項1〜3記載の電解二酸化マンガン粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばマンガン
乾電池、特にアルカリマンガン乾電池において、正極活
物質として使用される電解二酸化マンガンの特定性状を
有する電解二酸化マンガン粉末およびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電解二酸化マンガン粉末は、たとえばマ
ンガン乾電池またはアルカリマンガン乾電池の正極活物
質として知られており、保存性に優れかつ安価であると
いう利点を有する。
【0003】特に、電解二酸化マンガン粉末を正極活物
質として用いるアルカリマンガン乾池は、重負荷での放
電特性に優れていることから電子カメラ、携帯用テープ
レコーダー、携帯情報機器、さらにはゲーム機や玩具に
まで幅広く使用され、近年急速にその需要が伸びてきて
いる。しかしながら、アルカリマンガン乾電池は、放電
電流が大きくなるに従い正極活物質である電解二酸化マ
ンガン粉末の利用される量が低下し、また放電電圧が低
下するために放電容量が大きく損なわれるという課題が
ある。言い換えると、大電流を使用する機器にアルカリ
マンガン乾電池を用いると充填されている正極活物質で
ある電解二酸化マンガンが十分に使用されず使用時間が
短くなるという欠点を有している。
【0004】これらの課題に対して、最も有効な解決手
段は、電池が放電される際の電圧を高くするために、電
解二酸化マンガン粉末を40%KOH水溶液中で水銀/
酸化水銀参照電極を基準として測定した時の電位(以下
アルカリ電位)が高いものほど、実際の使用に際して許
容しうる放電電圧までの放電時間をより長くできる。ま
た、電池内への電解二酸化マンガン粉末を十分な量充填
することにより、実質的な電池容量を増加させることで
実際の使用に際して許容しうる放電電圧までの放電時間
をより長くできる。すなわち、特にアルカリマンガン乾
電池用途の電解二酸化マンガン粉末は、十分に高いアル
カリ電位または高いアルカリ電位と併せて高い充填性が
要求される。
【0005】しかしながら、従来の電解二酸化マンガン
粉末ではそのアルカリ電位は十分ではなく、また、高い
充填性を得ることも困難であった。
【0006】従来の電解二酸化マンガン粉末のアルカリ
電解液中での電位は、水銀/酸化水銀参照電極を基準と
して測定した場合250mVであり、これは特に金属亜
鉛を負極活物質として用いるアルカリマンガン乾電池の
電圧では1.55Vとなる。また、1Aの電流を取り出
した場合アルカリマンガン乾電池の電池電圧は350m
V低下して1.20Vとなる。一般に、アルカリマンガ
ン乾電池が機器を駆動するのに必要な最低電圧は0.9
Vまでであるため、電解二酸化マンガン粉末のアルカリ
電解液中での電位が最大でも250mVであり、使用可
能な放電区間は1.20Vから0.9Vまでの高々30
0mV程度しか利用できない。
【0007】電解二酸化マンガン粉末は、特にアルカリ
マンガン乾電池の正極活物質として使用される際には、
電解二酸化マンガン粉末を円盤状またはリング状に加圧
成形した粉末成形体として電池正極とする。
【0008】この粉末成形体の成形体密度ρが大きけれ
ば電池内に電解二酸化マンガン粉末の充填量を上げるこ
とができ電池容量が大きくなる。しかしながら従来の電
解二酸化マンガン粉末にあっては、電解二酸化マンガン
粉末5gを成形圧3トン/cm2で直径2cmの円盤状
に成形した場合の粉末成形体密度ρは高々3.2g/c
3であり、充分な充填性を得ることができないという
欠点を有していた。
【0009】さらに、米国Karr Mcgee社特許
(特許番号WO00/37714)において示されてい
る電解二酸化マンガン粉末は、その粒子構成が低電流密
度電解で製造されるため、粒子径で74μm以上のもの
が9%も含まれており粗大粒子の存在は大きな電流での
放電において利用率が低下を引き起こす。また、必要な
充填密度を得るために4.5トン/cm2の成形圧を必
要とし電解二酸化マンガン粉末の放電に必要な水分の正
極合剤中への浸入が不十分となり、充分な利用率が得ら
れない。また、低電流密度での電解のために生産性の低
下を引き起こす等の課題を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特にアルカ
リマンガン乾電池の正極活物質として使用される電解二
酸化マンガン粉末がアルカリ電解液中で高いアルカリ電
位を有し、またはアルカリ電解液中で高い電位を有しか
つ高い充填性を有する電解二酸化マンガン粉末とその製
造法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、アルカリ電解液中で高い電位を有し、また
はアルカリ電解液中で高い電位を有しかつ高い充填性を
有する電解二酸化マンガン粉末の発明を完成するに至っ
た。さらに、この電解二酸化マンガン粉末を製造するに
当たっては、電解二酸化マンガンの電解工程において電
解温度、電解液濃度の電解条件を検討した結果その製造
法を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明の電解二酸化マンガン粉
末はアルカリ電解液中で高い電位を有し、またはアルカ
リ電解液中で高い電位を有しかつ高い充填性を有し、最
大粒子径が100μm以下、1μm以下の粒子の個数が
15%未満で、かつそのメジアン径が20μm以上60
μm以下の範囲にある電解二酸化マンガン粉末であっ
て、該粉末を、40%KOH水溶液中で水銀/酸化水銀
参照電極を基準として測定した時の電位が270mV以
上である電解二酸化マンガン粉末であって、さらに該粉
末を3ton/cm2の加圧成形した際の成形体密度
(ρ)が、3.20≦ρ≦3.35の範囲にある電解二
酸化マンガン粉末である。
【0013】また、電解二酸化マンガン粉末の製造方法
は、2価マンガンの濃度が35g/l〜60g/l、硫
酸の濃度が35g/l〜60g/l、温度が90℃以上
である硫酸マンガンと硫酸の水溶液を電解液として、陽
極と陰極を備えた電解槽内で、電解電流密度が70A/
2〜100A/m2の範囲で電解を行い、陽極上に電析
固着した電解二酸化マンガン析出物を剥離して得られる
塊状の電解二酸化マンガンを粉砕した後、分級すること
による。
【0014】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0015】電解二酸化マンガン粉末は、特にアルカリ
マンガン乾電池の正極活物質として使用される際には、
電解二酸化マンガン粉末に導電性を付与するためにカー
ボン等を加えた混合粉末を円盤状またはリング状に加圧
成形した粉末成形体として電池正極とする。これをさら
に、電池を構成する円筒状のニッケル鍍金を施した鉄製
の電池缶に挿入して電池を構成する。
【0016】本発明において、電解二酸化マンガン粉末
の最大粒子径、1μm以下の粒子の個数、メジアン径を
定めているのは以下に述べる理由による。
【0017】すなわち、本発明で得られた電解二酸化マ
ンガン粉末では、100μmを越えるサイズの粉末が存
在すると、電池缶内を傷つける結果、電池缶に施した鍍
金を破損し露出した鉄と反応してガス発生などの原因と
なる。さらに電池負極となる亜鉛と、電池正極となる電
解二酸化マンガン粉末を加圧成形してなる粉末成形体
を、電気的に絶縁するためのセパレータの破損を招き、
正極活物質である電解二酸化マンガン粉末と電池負極で
ある亜鉛が直接接触することになり電池の保存中に自己
放電を生じ容量低下を招く。
【0018】また、1μm以下の粒子は、導電性を付与
するためのカーボンとの接触が不十分となりその個数が
15%以上では利用できる電解二酸化マンガンの量が大
きく損なわれることになる。
【0019】また、メジアン径が60μmを越えるもの
は電解二酸化マンガン粉末の全表面積が低下し反応性が
悪くなる。さらにメジアン径が20μm未満の電解二酸
化マンガン粉末は充填性が大きく損なわれる。
【0020】以上の理由により、本発明の電解二酸化マ
ンガン粉末は、最大粒子径は100μm以下、1μm以
下の粒子の個数が15%未満、メジアン径は20μm以
上60μm以下であることが必要である。さらに1μm
以下の粒子個数が10%未満、74μm以上の粒子の重
量割合が4.5%未満であればその効果がさらに顕著と
なることは言うまでもない。
【0021】以上述べたように、本発明の電解二酸化マ
ンガン粉末では、最大粒子径と1μm以下の粒子の個
数、さらにはメジアン径の規定が重要であり、また高い
アルカリ電位を示すことが重要である。本発明の電解二
酸化マンガン粉末の粒度については以下に述べる方法に
より測定した。 (最大粒子径、1μm以下の粒子の個数、メジアン径の
測定法)本発明の製造法で製造された電解二酸化マンガ
ン粉末を分散懸濁した溶液にレーザー光を照射し、その
散乱光により測定する光散乱法(日機装社製、商品名:
マイクロトラック)を用いて電解二酸化マンガン粉末の
粒子径と個数の測定を行った。この方法では、分散懸濁
した電解二酸化マンガン粉末の粒子径を測定し、電解二
酸化マンガンの最大粒子径と1μm以下の粒子の個数お
よびメジアン径を測定した。
【0022】前述したように特に高容量アルカリマンガ
ン乾電池には、電解二酸化マンガン粉末のアルカリ電解
液中で高い電位が必要であり、本発明における電解二酸
化マンガン粉末の、40%KOH水溶液中での電位の測
定法について述べる。 (40%KOH水溶液中での電解二酸化マンガン粉末の
電位の測定法)本発明における40%KOH水溶液中で
の電解二酸化マンガン粉末の電位の測定は、電解二酸化
マンガン粉末2gに40%KOH水溶液5mlを加え、
電解二酸化マンガン粉末とKOH水溶液の混合物スラリ
ーとし、この混合物スラリーの電位を水銀/酸化水銀参
照電極を基準として測定し電解二酸化マンガン粉末のア
ルカリ電位として評価した。
【0023】さらに高容量アルカリマンガン乾電池にお
いては、電解二酸化マンガン粉末の高い充填性が必要で
ある。本発明の電解二酸化マンガン粉末は高い充填性を
備えており、以下に述べる本発明の電解二酸化マンガン
粉末の成形体密度ρを測定する方法により確認した。 (粉末成形体密度ρの測定法)本発明の製造法で製造さ
れた電解二酸化マンガン粉末を5g採取し、直径2cm
の円筒状の金型に入れて、上下方向より3ton/cm
2の圧力で加圧し得られたそれぞれの粉末成形体の厚み
を測定し、さらに円盤状粉末成形体の直径から粉末成形
体体積を算出し、粉末成形体の体積と重量から粉末成形
体密度ρを求める方法により測定した。
【0024】本発明の電解二酸化マンガン粉末にあって
は、3ton/cm2の成形圧力で円盤状粉末成形体を
作成し粉末成形体ρを求めた結果、成形体密度ρが3.
2g/cm3以上3.5g/cm3以下の粉末成形体密度
ρを有する電解二酸化マンガン粉末である。
【0025】さらに、本発明の製造法においては、2価
マンガン(Mn2+)の濃度が35g/l〜60g/
l、硫酸の濃度が35g/l〜60g/l、温度が90
℃以上である硫酸マンガンと硫酸の水溶液を電解液とし
て、陽極と陰極を備えた電解槽内で、電解電流密度が7
0A/m2〜100A/m2の範囲で電解を行い、陽極上
に電析固着した電解二酸化マンガン析出物を剥離して得
られる塊状の電解二酸化マンガンを粉砕した後、分級す
ることにより電解二酸化マンガン粉末を製造する。これ
は以下に述べる理由による。
【0026】電解二酸化マンガンは、以下の反応式
(1)に従い電解により陽極上に析出する。
【0027】 Mn2++2O2-→MnO2+2e- (1) このため、電解液中のMn2+濃度が35g/l未満と少
ない場合は、少ない場合は、陽極上へのMn2+供給不足
が発生する結果、電解電圧の上昇を引き起こし陽極上で
酸素発生を招き効率が低下する。
【0028】また、Mn2+濃度が60g/lより高い場
合には電解二酸化マンガン中にアルカリ電位の低いβ−
MnO2が生成する。
【0029】また、硫酸濃度の影響は定かではないが、
硫酸濃度が35g/lより低い場合には電解二酸化マン
ガン中にアルカリ電位の低いβ−MnO2が生成する。
さらに硫酸濃度60g/lより高い場合においては電解
電圧の上昇を引き起こし陽極上で酸素発生を招き効率が
低下する。
【0030】電解二酸化マンガンは、本発明における電
解液濃度よりさらに広い範囲で電解生成可能であるが、
本発明の電解二酸化マンガン粉末が高い充填性を有し、
または高い充填性とアルカリ電解液中で高い電位を併せ
もつ電解二酸化マンガン粉末を得るためには、電解液中
のMn2+濃度と硫酸濃度を規定する必要があり、その範
囲は2価マンガンMn2+の濃度が35g/l〜60g/
l、硫酸の濃度が35g/l〜60g/lである。
【0031】本発明の製造法における電解温度は90℃
以上、及び電解電流密度は70A/m2〜100A/m2
で行うことが必須である。この理由は、電解温度が90
℃未満、および電解電流密度が70A/m2未満の場合
あるいは100A/m2より大きい場合は電解二酸化マ
ンガン粉末のアルカリ電解液中での電位が低くなりかつ
充填性が不十分となり、本発明の目的を達成することが
できないからである。
【0032】なお、本発明の製造法においては、電解二
酸化マンガンの電解製造における陽極板はチタンを用い
ているが、他のチタン合金、鉛板、黒鉛板であっても適
用できることはいうまでもない。また電極上に析出した
電解二酸化マンガンは衝撃により剥離することから、耐
衝撃性の優れたチタンあるいはチタン合金がより望まし
い。
【0033】また本発明の製造法における粉砕方法は、
粗粉砕としてジョークラッシャーにより1辺が3cmか
ら5cmの塊状物に粉砕し、さらに微粉砕を行うために
ロール粉砕機により粉砕を行う。その後乳鉢によりさら
に粉砕を行った。さらに必要に応じて乾式ボールミル粉
砕も併用した。
【0034】この粉砕においては、粗粉砕のジョークラ
ッシャー以外にジャイレートクラッシャー等での粉砕も
可能である。さらに乳鉢による粉砕の他に湿式ボールミ
ル粉砕、臼(ミル)粉砕などが適用可能であることは言
うまでもない。また分級方法においてはふるいによる他
に粉砕して得られた電解二酸化マンガン粉末をさらに純
水中に分散し沈降粉末をろ過し70℃気流中で乾燥を行
うことにより微粉末をさらに除去することが出来るので
より好ましい。さらに、特にアルカリマンガン乾電池用
途に限っては、電解二酸化マンガン粉末をさらにNa2
CO3あるいはNaOH水溶液中にて中和し水洗・乾燥
が行われるがそのような操作が行われる場合であっても
本発明が適用でき、これらに限定されるものではない。
【0035】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例により詳細に
説明する。
【0036】実施例1 電解二酸化マンガンの製造に際しては、加温装置を設け
た内容積20リットルの電解槽に陽極としてチタン板、
陰極として黒鉛板をそれぞれ向かい合うように懸垂せし
め、電解槽上部より硫酸マンガン溶液を補給する為の管
を設けたものを使用した。
【0037】電解補給液としては硫酸マンガン溶液を用
い、この溶液を前記電解槽に注入しながら、電解するに
際して、電解中の電解液の組成が2価マンガン濃度35
g/l、硫酸濃度40g/lとなるように調整し、電解
槽の温度を95℃に保ち、電流密度80A/m2で行っ
た。
【0038】10日電解した後、電解二酸化マンガンが
電着した陽極チタン板を取りだし純水にて洗浄後、陽極
チタン板上に析出固着した電解二酸化マンガンを打撃に
より剥離し、得られた塊状物をジョークラッシャーによ
り粗粉砕しさらにロールミル粉砕機により細かく粉砕
し、その後乳鉢により粉砕を行った後、目開き200メ
ッシュのふるいにて分級し、電解二酸化マンガン粉末を
得た。
【0039】このようにして得られた電解二酸化マンガ
ン粉末の粒度は、溶媒を純水として粉末を懸濁しそこに
レーザー光を照射する光散乱法(日機装社製、商品名:
マイクロトラック)を用いて測定した結果、最大粒子径
が90μmでかつ1μm以下の粒子の個数が5%で、か
つそのメジアン径が50μmであった。また、74μm
以上の粒子割合は3.2%であった。この電解二酸化マ
ンガン粉末2gを採取しこれに40%KOH5mlを加
え、水銀/酸化水銀参照電極を基準として電解二酸化マ
ンガン粉末のアルカリ電位を測定した。結果は320m
Vであった。
【0040】つぎにこの電解二酸化マンガン粉末を5g
採取し、直径2cmの円筒金型に入れ上下より3ton
/cm2で加圧して成形した粉末成形体の厚さを測定
し、粉末成形体密度ρを算出した。この電解二酸化マン
ガン粉末の粉末成形体密度ρは、3.35g/cm3
あった。
【0041】この電解二酸化マンガン製造条件と最大粒
子径、1μm以下の粒子の個数、メジアン径、粉末成形
体密度、アルカリ電位の測定結果を表1に示す。
【0042】以下実施例2〜12及び比較例1〜6にお
いても、電解二酸化マンガン製造条件および測定結果を
同様に表1に示す。
【0043】実施例2〜4 表1に示されている電解条件を採用し、実施例1と同様
の方法で電解二酸化マンガン粉末を得た。測定結果を表
1に示す。
【0044】実施例5 表1に示されている電解条件を採用し、実施例1と同様
な方法でおこない、さらにボールミルによる乾式粉砕を
12時間おこない電解二酸化マンガン粉末を得た。その
結果を表1に示す。
【0045】実施例6〜12 表1に示されている電解条件を採用し、実施例5と同様
の方法で電解二酸化マンガン粉末を得た。測定結果を表
1に示す。
【0046】比較例1 表1に示されている電解条件で、実施例1と同様な方法
でおこない、さらにボールミルによる乾式粉砕を24時
間おこない電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を
表1に示す。
【0047】比較例2 表1に示されている電解条件で、実施例1と同様な方法
で電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を表1に示
す。
【0048】比較例3 表1に示されている電解条件で、実施例1と同様な方法
でおこない、さらにボールミルによる乾式粉砕を12時
間おこない電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を
表1に示す。
【0049】比較例4〜6 表1に示されている電解条件で、実施例1と同様な方法
で電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を表1に示
す。
【0050】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1乃至12において作
製された電解二酸化マンガン粉末はいずれも、最大粒子
径が100μm以下、1μm以下の粒子の個数が15%
未満、メジアン径が20μm以上60μm以下であり、
電解二酸化マンガン粉末のアルカリ電位はいずれも27
0mV以上であることが分かる。
【0051】一方、比較例1乃至6において作製された
電解二酸化マンガン粉末は、いずれも最大粒子径が10
0μm以下であるが、比較例1は1μm以下の粒子の個
数が21%であり、またそのメジアン径が15μmであ
り、さらにそれら粉末のアルカリ電位はいずれも270
mV以下である。さらに、比較例2では最大粒子径10
0μm以下、1μm以下の個数が7%、メジアン径が5
5μmであるが、本発明の製造法の範囲外にある場合に
は、同様に粉末のアルカリ溶液中の電位は270mV以
下であり十分な電位が得られないということは明らかで
ある。
【0052】実施例1乃至12、比較例1乃至6より、
電解二酸化マンガン粉末のアルカリ電位が270mV以
上あるためには電解温度として95℃以上であることが
より望ましい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による電解
二酸化マンガン粉末及びその製造法により得られた電解
二酸化マンガン粉末は、従来にないアルカリ電解液中で
高い電位を有しかつ高い充填性を有する顕著で特有の電
解二酸化マンガン粉末であって、特にアルカリマンガン
乾電池に用いることによってアルカリマンガン乾電池の
電池容量を著しく向上することが期待出来る。またその
製造法は経済性にすぐれ、著しく生産性を向上すること
が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津吉 徹 宮崎県日向市日知屋55−2 (72)発明者 市川 正典 宮崎県日向市日知屋55−2 Fターム(参考) 4G048 AA02 AB01 AB02 AC06 AD04 AE05 4K021 AB18 BA04 BB01 BB03 5H024 AA03 AA14 BB01 BB11 BB14 FF31 HH01 HH04 HH08 HH11 HH13 5H050 AA02 AA08 BA04 CA05 CB13 FA17 GA02 GA05 GA15 HA05 HA08 HA10 HA14 HA18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子径が100μm以下、1μm以下の粒
    子の個数が15%未満で、かつそのメジアン径が20μ
    m以上60μm以下の範囲にある電解二酸化マンガン粉
    末であって、該粉末を、40%KOH水溶液中で水銀/
    酸化水銀参照電極を基準として測定した時の電位が27
    0mV以上である電解二酸化マンガン粉末。
  2. 【請求項2】1μm以下の粒子の個数が10%未満であ
    る請求項1記載の電解二酸化マンガン粉末。
  3. 【請求項3】粒子径が74μm以上の粒子の重量割合が
    4.5%以下である請求項1又は請求項2記載の電解二
    酸化マンガン粉末。
  4. 【請求項4】請求項1記載の電解二酸化マンガン粉末を
    成形圧が3トン/cm 2で成形した成形体の密度(ρ)
    が、3.20≦ρ≦3.35である請求項1〜3のいず
    れかに記載の電解二酸化マンガン粉末。
  5. 【請求項5】電位が300mV以上である請求項1〜4
    のいずれかに記載の電解二酸化マンガン粉末。
  6. 【請求項6】電解二酸化マンガン粉末を製造するに際
    し、2価マンガンの濃度が35〜60g/l,硫酸濃度
    が35〜60g/l,温度が90℃以上である電解液と
    して、70〜100A/m2の電流密度で電解を行い、
    陽極上に電析固着した電解二酸化マンガン析出物を剥離
    して得られる塊状の電解二酸化マンガンを粉砕した後、
    分級することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の電解二酸化マンガン製造方法。
JP2001261868A 2000-09-01 2001-08-30 電解二酸化マンガン粉末及びその製造法 Expired - Lifetime JP4742468B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001261868A JP4742468B2 (ja) 2000-09-01 2001-08-30 電解二酸化マンガン粉末及びその製造法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000269886 2000-09-01
JP2000-269886 2000-09-01
JP2000269886 2000-09-01
JP2001085961 2001-03-23
JP2001-85961 2001-03-23
JP2001085961 2001-03-23
JP2001261868A JP4742468B2 (ja) 2000-09-01 2001-08-30 電解二酸化マンガン粉末及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002348693A true JP2002348693A (ja) 2002-12-04
JP4742468B2 JP4742468B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=27344557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001261868A Expired - Lifetime JP4742468B2 (ja) 2000-09-01 2001-08-30 電解二酸化マンガン粉末及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4742468B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003067689A1 (fr) * 2002-02-07 2003-08-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Pile alcaline
JP2006108084A (ja) * 2004-09-09 2006-04-20 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 正極活物質用マンガン酸化物粉体
JP2008013427A (ja) * 2006-06-07 2008-01-24 Tosoh Corp 電解二酸化マンガン
JP2008066100A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ電池
JP2009043547A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Fdk Energy Co Ltd 電池用電解二酸化マンガン、正極合剤およびアルカリ電池
JP2009135067A (ja) * 2007-02-14 2009-06-18 Tosoh Corp 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
WO2011024765A1 (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 東ソー株式会社 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
JP2011068552A (ja) * 2009-08-24 2011-04-07 Tosoh Corp 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
WO2014129104A1 (ja) * 2013-02-19 2014-08-28 パナソニック株式会社 二酸化マンガンおよびそれを用いたアルカリ乾電池
US20150298989A1 (en) * 2014-04-21 2015-10-22 Erachem Comilog, Inc. Method of producing electrolytic manganese dioxide with high compact density and electrolytic manganese dioxide produced therefrom
JP2016046249A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッドJohnson & Johnson Vision Care, Inc. 積層体と配置されたセパレータとを含む、生物医学的装置のための生体適合性通電素子を形成する方法
JP2018076222A (ja) * 2016-10-31 2018-05-17 東ソー株式会社 電解二酸化マンガン及びその用途

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6340727A (ja) * 1986-08-04 1988-02-22 Japan Metals & Chem Co Ltd 電解二酸化マンガンの調整法
JPH0978275A (ja) * 1995-09-18 1997-03-25 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 電解二酸化マンガンの製造方法
JPH09115513A (ja) * 1995-10-16 1997-05-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 二酸化マンガンの製造法及びそれを用いたアルカリ乾電池
JPH09293538A (ja) * 1995-09-06 1997-11-11 Fuji Photo Film Co Ltd リチウムイオン二次電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6340727A (ja) * 1986-08-04 1988-02-22 Japan Metals & Chem Co Ltd 電解二酸化マンガンの調整法
JPH09293538A (ja) * 1995-09-06 1997-11-11 Fuji Photo Film Co Ltd リチウムイオン二次電池
JPH0978275A (ja) * 1995-09-18 1997-03-25 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 電解二酸化マンガンの製造方法
JPH09115513A (ja) * 1995-10-16 1997-05-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 二酸化マンガンの製造法及びそれを用いたアルカリ乾電池

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003067689A1 (fr) * 2002-02-07 2003-08-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Pile alcaline
AU2003244343B2 (en) * 2002-02-07 2007-07-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Alkali cell
JP2006108084A (ja) * 2004-09-09 2006-04-20 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 正極活物質用マンガン酸化物粉体
JP2008013427A (ja) * 2006-06-07 2008-01-24 Tosoh Corp 電解二酸化マンガン
JP2008066100A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ電池
JP2009135067A (ja) * 2007-02-14 2009-06-18 Tosoh Corp 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
JP2009043547A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Fdk Energy Co Ltd 電池用電解二酸化マンガン、正極合剤およびアルカリ電池
JP2011068552A (ja) * 2009-08-24 2011-04-07 Tosoh Corp 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
WO2011024765A1 (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 東ソー株式会社 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
US9103044B2 (en) 2009-08-24 2015-08-11 Tosoh Corporation Electrolytic manganese dioxide, and method for its production and its application
WO2014129104A1 (ja) * 2013-02-19 2014-08-28 パナソニック株式会社 二酸化マンガンおよびそれを用いたアルカリ乾電池
JP5899456B2 (ja) * 2013-02-19 2016-04-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 二酸化マンガンおよびそれを用いたアルカリ乾電池
US20150298989A1 (en) * 2014-04-21 2015-10-22 Erachem Comilog, Inc. Method of producing electrolytic manganese dioxide with high compact density and electrolytic manganese dioxide produced therefrom
US10099940B2 (en) * 2014-04-21 2018-10-16 Prince Erachem Inc. Method of producing electrolytic manganese dioxide with high compact density and electrolytic manganese dioxide produced therefrom
EP3134933B1 (en) 2014-04-21 2020-10-21 Prince Specialty Products LLC Method of producing electrolytic manganese dioxide with high compact density and electrolytic manganese dioxide produced therefrom
JP2016046249A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッドJohnson & Johnson Vision Care, Inc. 積層体と配置されたセパレータとを含む、生物医学的装置のための生体適合性通電素子を形成する方法
JP2018076222A (ja) * 2016-10-31 2018-05-17 東ソー株式会社 電解二酸化マンガン及びその用途
JP7039927B2 (ja) 2016-10-31 2022-03-23 東ソー株式会社 電解二酸化マンガン及びその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP4742468B2 (ja) 2011-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100775692B1 (ko) 알칼리전지
CN102482787B (zh) 电解二氧化锰及其制造方法以及其用途
JP2002348693A (ja) 電解二酸化マンガン粉末及びその製造法
CN104136662B (zh) 电解二氧化锰及其制造方法以及其用途
Ghaemi et al. Effect of bath temperature on electrochemical properties of the anodically deposited manganese dioxide
EP1184919B1 (en) Powder of electrolytic manganese dioxide and process for producing the same
JP4899246B2 (ja) 電解二酸化マンガン粉末およびその製造法
JP4940503B2 (ja) 電解二酸化マンガン粉末およびその製造法
JP3341693B2 (ja) 酸化銀電池の電極用活物質粉体と電極材料およびそれらの製造方法
CN108054362A (zh) 一种锂离子电池用氧化铜复合负极材料的制备方法
JP7063007B2 (ja) 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
CN108884577A (zh) 电解二氧化锰和其制造方法以及其用途
JP7039927B2 (ja) 電解二酸化マンガン及びその用途
ES2355963T3 (es) Polvo de dioxido de manganeso electrolítico y proceso para producirlo.
JP3321541B2 (ja) リチウム二次電池
JP2003017043A (ja) アルカリ電池およびその製造方法
WO2002084765A1 (fr) Matiere active utilisee dans des accumulateurs au lithium
JP3685643B2 (ja) 水素吸蔵合金電極およびこの電極を用いたニッケル水素蓄電池
JP2978204B2 (ja) 非水二次電池
JP2004179044A (ja) アルカリ一次電池用負極活物質、およびそれを用いたアルカリ一次電池
JP2725348B2 (ja) 微細鉛粉の製造方法
JP6822067B2 (ja) 電解二酸化マンガン及びそれの用途
JPH0978275A (ja) 電解二酸化マンガンの製造方法
JP3433002B2 (ja) 水素吸蔵合金及び水素吸蔵合金電極の製造方法
JPH05174841A (ja) マンガン電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4742468

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term