JP4940503B2 - 電解二酸化マンガン粉末およびその製造法 - Google Patents

電解二酸化マンガン粉末およびその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばマンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池において、正極活物質として使用される電解二酸化マンガンの特定性状を有する電解二酸化マンガン粉末およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解二酸化マンガン粉末は、たとえばマンガン乾電池またはアルカリマンガン乾電池の正極活物質として知られており、保存性に優れかつ安価であるという利点を有する。
【0003】
特に、電解二酸化マンガン粉末を正極活物質として用いるアルカリマンガン乾電池は、重負荷での放電特性に優れていることから電子カメラ、携帯用テープレコーダー、携帯情報機器、さらにはゲーム機や玩具にまで幅広く使用され、近年急速にその需要が伸びてきている。しかしながら、アルカリマンガン乾電池は、放電電流が大きくなるに従い正極活物質である電解二酸化マンガン粉末の利用される量が低下し、また放電電圧が低下するために放電容量が大きく損なわれるという課題がある。言い換えると、大電流を使用する機器にアルカリマンガン乾電池を用いると充填されている正極活物質である電解二酸化マンガンが十分に使用されず使用時間が短くなるという欠点を有している。
【0004】
アルカリ乾電池における電解二酸化マンガン(MnO2)の放電反応は以下の反応式(2)で放電する。
【0005】
MnO+H +e → MnOOH (2)
【0006】
このことから、大電流で使用する機器に用いられるアルカリ乾電池における電解二酸化マンガンの利用効率が低下すると言う課題の最も有効な解決手段は、電池内に充填されている電解二酸化マンガンの利用効率を増加させるために広い比表面積を有し、H (プロトン)との十分な反応面積を確保するために、特に大電流放電アルカリマンガン乾電池用途の電解二酸化マンガン粉末は、十分に広い比表面積が要求される。しかしながら、従来の電解二酸化マンガン粉末の比表面積は高々40m2/gであり、大電流放電における充分な利用効率を得ることが困難であった。
【0007】
さらに電解二酸化マンガン粉末は、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される際には、電解二酸化マンガン粉末を円盤状またはリング状に加圧成形した粉末成形体として電池正極とする。
【0008】
そのため放電反応の進行に従い速やかに電解液を粉末成形体深部まで供給するために比表面積が大きく粉末成形密度が小さいほうが望ましいと考えられた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される電解二酸化マンガン粉末が、広い比表面積を有する電解二酸化マンガン粉末とその製造法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、広い比表面積を有する電解二酸化マンガン粉末の発明を完成するに至った。さらに、この電解二酸化マンガン粉末を製造するに当たっては、電解二酸化マンガンの電解工程において電解温度、電解液濃度の電解条件を検討した結果その製造法を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の電解二酸化マンガン粉末は、最大粒子径が100μm以下、1μm以下の粒子の個数が15%未満で、かつそのメジアン径が20μm以上60μm以下の範囲にある電解二酸化マンガン粉末であって、該粉末を窒素中150℃で脱気した後、窒素とヘリウムの混合ガス吸着法により測定した比表面積が50m2/g以上72m 2 /g以下であることを特徴とする電解二酸化マンガン粉末である。
【0012】
さらに、該粉末を5gを直径2cmの円盤状に加圧成形した場合の粉末成形体密度ρが以下の関係式(1)の範囲にある電解二酸化マンガン粉末である。
【0013】
ρ<(0.2×P+2.5) (1)
(ここでρは粉末成形体密度(g/cm3)、Pは粉末成形体を作製する際の圧力
(ton/cm2)で、1≦P≦3である。)
また、電解二酸化マンガン粉末の製造方法は、2価マンガンの濃度が60g/l〜80g/l、硫酸の濃度が20g/l〜60g/l、温度が90℃以上である硫酸マンガンと硫酸の水溶液を電解液として、陽極と陰極を備えた電解槽内で、電解電流密度が50A/m2以上の範囲で電解を行い、陽極上に電析固着した電解二酸化マンガン析出物を剥離して得られる塊状の電解二酸化マンガンを粉砕した後、分級することによる。
【0014】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0015】
電解二酸化マンガン粉末は、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される際には、電解二酸化マンガン粉末に導電性を付与するためにカーボン等を加えた混合粉末を円盤状またはリング状に加圧成形した粉末成形体として電池正極とする。これをさらに、電池を構成する円筒状のニッケル鍍金を施した鉄製の電池缶に挿入して電池を構成する。
【0016】
本発明において、電解二酸化マンガン粉末の最大粒子径、1μm以下の粒子の個数、メジアン径を定めているのは以下に述べる理由による。
【0017】
すなわち、本発明で得られた電解二酸化マンガン粉末では、100μmを越えるサイズの粉末が存在すると、電池缶内を傷つける結果、電池缶に施した鍍金を破損し露出した鉄と反応してガス発生などの原因となる。さらに電池負極となる亜鉛と、電池正極となる電解二酸化マンガン粉末を加圧成形してなる粉末成形体を、電気的に絶縁するためのセパレータの破損を招き、正極活物質である電解二酸化マンガン粉末と電池負極である亜鉛が直接接触することになり電池の保存中に自己放電を生じ容量低下を招く。
【0018】
また、1μm以下の粒子は、導電性を付与するためのカーボンとの接触が不十分となりその個数が15%以上では利用できる電解二酸化マンガンの量が大きく損なわれることになる。
【0019】
また、メジアン径が60μmを越えるものは電解二酸化マンガン粉末の全表面積が低下し反応性が悪くなる。さらにメジアン径が20μm未満の電解二酸化マンガン粉末は充填性が大きく損なわれる。
【0020】
以上の理由により、本発明の電解二酸化マンガン粉末は、最大粒子径は100μm以下、1μm以下の粒子の個数が15%未満、メジアン径は20μm以上60μm以下であることが必要である。
【0021】
以上述べたように、本発明の電解二酸化マンガン粉末では、最大粒子径と1μm以下の粒子の個数、さらにはメジアン径の規定が重要である。本発明の電解二酸化マンガン粉末の粒度については以下に述べる方法により測定した。
【0022】
(最大粒子径、1μm以下の粒子の個数、メジアン径の測定法)
本発明の製造法で製造された電解二酸化マンガン粉末を分散懸濁した溶液にレーザー光を照射し、その散乱光により測定する光散乱法(日機装社製、商品名:マイクロトラック)を用いて電解二酸化マンガン粉末の粒子径と個数の測定を行った。この方法では、分散懸濁した電解二酸化マンガン粉末の粒子径を測定し、電解二酸化マンガンの最大粒子径と1μm以下の粒子の個数およびメジアン径を測定した。
【0023】
前述したように特に大電流用アルカリマンガン乾電池には、電解二酸化マンガン粉末の広い比表面積が必要である。本発明の電解二酸化マンガン粉末は広い比表面積を備えており、以下に述べる本発明の電解二酸化マンガン粉末の比表面積を測定する方法により確認した。また、粉末成形体密度ρを測定した。
【0024】
(粉末比表面積の測定法)
本発明の製造法で製造された電解二酸化マンガン粉末を0.3g採取し、パイレックスチューブ製の測定管に入れた後、流量20cc/minの流量の窒素気流中150℃で40分間脱気を行い。
【0025】
脱気終了後直ちに窒素−ヘリウム混合ガスを流入しながら測定管を液体窒素中に浸漬し吸着ガス量を測定する方法(柴田科学機械工業社製、商品名:自動表面積測定装置ASA−2000型)を用いて電解二酸化マンガン粉末の比表面積の測定を行った。
【0026】
(粉末成形体密度ρの測定法)
本発明の製造法で製造された電解二酸化マンガン粉末を5g採取し、直径2cmの円筒状の金型に入れて、上下方向より1ton/cm2または3ton/cm2の圧力で加圧し得られたそれぞれの粉末成形体の厚みを測定し、さらに円盤状粉末成形体の直径から粉末成形体体積を算出し、粉末成形体の体積と重量から粉末成形体密度ρを求める方法により測定した。
【0027】
本発明の電解二酸化マンガン粉末にあっては、1ton/cm2または3ton/cm2の異なる成形圧力で円盤状粉末成形体を作成し粉末成形体ρを求めた結果、1ton/cm2の成形圧力において粉末成形体密度ρが2.7g/cm3より小さいの粉末成形体密度ρを有し、3ton/cm2の成形圧力においては粉末成形体密度ρが3.1g/cm3より小さいの粉末成形体密度ρを有しており、以下に示す関係式(1)の範囲にある電解二酸化マンガン粉末である。
【0028】
ρ<(0.2P×2.5) (1)
(ここでρは粉末成形体密度(g/cm)、Pは粉末成形体を作製する際の圧力(ton/cm)で、1≦P≦3である。)
さらに、本発明の製造法においては、2価マンガン(Mn 2+ )の濃度が60g/l〜80g/l、硫酸の濃度が20g/l〜60g/l、温度が90℃以上である硫酸マンガンと硫酸の水溶液を電解液として、陽極と陰極を備えた電解槽内で、電解電流密度が80A/m2以上の範囲で電解を行い、陽極上に電析固着した電解二酸化マンガン析出物を剥離して得られる塊状の電解二酸化マンガンを粉砕した後、分級することにより電解二酸化マンガン粉末を製造する。これは以下に述べる理由による。
【0029】
電解二酸化マンガンは、以下の反応式(3)に従い電解により陽極上に析出する。
【0030】
Mn 2+ +2O 2− → MnO2+2e (3)
このため、電解液中のMn 2+ 濃度が40g/l未満と少なくかつ硫酸濃度が60g/lを超える場合は、陽極上へのMn 2+ 供給不足が発生する結果、電解電圧の上昇を引き起こし陽極上で酸素発生を招き効率が低下する。
【0031】
また、Mn 2+ 濃度80g/lより高い場合には電解二酸化マンガン中に構造の異なるβ−MnO2が生成する。
【0032】
また、硫酸濃度が20g/lより低くさらにMn 2+ 濃度が20g/lより低い場合には電解二酸化マンガン中にアルカリ電位の低いβ−MnO2が生成する。さらに硫酸濃度60g/lより高い場合においては電解電圧の上昇を引き起こし陽極上で酸素発生を招き効率が低下する。
【0033】
電解二酸化マンガンは、本発明における電解液濃度よりさらに広い範囲で電解生成可能であるが、本発明の広い比表面積もつ電解二酸化マンガン粉末を得るためには、電解液中のMn 2+ 濃度と硫酸濃度を規定する必要があり、その範囲は2価マンガン(Mn 2+ )の濃度が60g/l〜80g/l、硫酸の濃度が20g/l〜60g/lである。
【0034】
本発明の製造法における電解温度は90℃以上、及び電解電流密度は50A/m2以上で行うことが必須である。この理由は、電解温度が90℃未満、および電解電流密度が80A/m2未満の場合は電解二酸化マンガン粉末の比表面積が不十分であり、本発明の目的を達成することができないからである。
【0035】
なお、本発明の製造法においては、電解二酸化マンガンの電解製造における陽極板はチタンを用いているが、他のチタン合金、鉛板、黒鉛板であっても適用できることはいうまでもない。また電極上に析出した電解二酸化マンガンは衝撃により剥離することから、耐衝撃性の優れたチタンあるいはチタン合金がより望ましい。
【0036】
また本発明の製造法における粉砕方法は、粗粉砕としてジョークラッシャーにより1辺が3cmから5cmの塊状物に粉砕し、さらに微粉砕を行うためにロール粉砕機により粉砕を行う。その後乳鉢によりさらに粉砕を行った。さらに必要に応じて乾式ボールミル粉砕も併用した。
【0037】
この粉砕においては、粗粉砕のジョークラッシャー以外にジャイレートクラッシャー等での粉砕も可能である。さらに乳鉢による粉砕の他に湿式ボールミル粉砕、臼(ミル)粉砕などが適用可能であることは言うまでもない。また分級方法においてはふるいによる他に粉砕して得られた電解二酸化マンガン粉末をさらに純水中に分散し沈降粉末をろ過し70℃気流中で乾燥を行うことにより微粉末をさらに除去することが出来るのでより好ましい。さらに、特にアルカリマンガン乾電池用途に限っては、電解二酸化マンガン粉末をさらにNa2CO3あるいはNaOH水溶液中にて中和し水洗・乾燥が行われるがそのような操作が行われる場合であっても本発明が適用でき、これらに限定されるものではない。
【0038】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により詳細に説明する。
【0039】
実施例1
電解二酸化マンガンの製造に際しては、加温装置を設けた内容積20リットルの電解槽に陽極としてチタン板、陰極として黒鉛板をそれぞれ向かい合うように懸垂せしめ、電解槽上部より硫酸マンガン溶液を補給する為の管を設けたものを使用した。
【0040】
電解補給液としては硫酸マンガン溶液を用い、この溶液を前記電解槽に注入しながら、電解するに際して、電解中の電解液の組成が2価マンガン濃度70g/l、硫酸濃度50g/lとなるように調整し、電解槽の温度を95℃に保ち、電流密度100A/m2で行った。
【0041】
10日電解した後、電解二酸化マンガンが電着した陽極チタン板を取りだし純水にて洗浄後、陽極チタン板上に析出固着した電解二酸化マンガンを打撃により剥離し、得られた塊状物をジョークラッシャーにより粗粉砕しさらにロールミル粉砕機により細かく粉砕し、その後乳鉢により粉砕を行った後、目開き200メッシュのふるいにて分級し、電解二酸化マンガン粉末を得た。
【0042】
このようにして得られた電解二酸化マンガン粉末の粒度は、溶媒を純水として粉末を懸濁しそこにレーザー光を照射する光散乱法(日機装社製、商品名:マイクロトラック)を用いて測定した結果、最大粒子径が90μmでかつ1μm以下の粒子の個数が9%で、かつそのメジアン径が52μmであった。
【0043】
この電解二酸化マンガン粉末0.3gを採取し、パイレックスチューブ製の測定管に入れた後、流量20cc/minの流量の窒素気流中150℃で40分間脱気を行い、脱気終了後直ちに窒素−ヘリウム混合ガスを流入しながら測定管を液体窒素中に浸漬し吸着ガス量を測定する方法(柴田科学機械工業社製、商品名:自動表面積測定装置ASA−2000型)を用いて電解二酸化マンガン粉末の比表面積の測定を行った結果、比表面積は68m2/gであった。
【0044】
さらに、この電解二酸化マンガン粉末を5g採取し、直径2cmの円筒金型に入れ上下より1ton/cm2加圧して成形した粉末成形体の厚さを測定し、成形圧1ton/cm2で成形した粉末成形体密度ρを算出した。さらに、該粉末を別に5g採取し、直径2cmの円筒金型に入れ上下より3ton/cm2加圧して成形した粉末成形体の厚さを測定し成形圧3ton/cm2で成形した粉末成形体密度ρを算出した。
【0045】
この電解二酸化マンガン粉末の粉末成形体密度ρは、成形圧力Pが1ton/cm2の場合2.62g/cm3,3ton/cm2の場合2.96g/cm3であった。
【0046】
この電解二酸化マンガン製造条件と最大粒子径、1μm以下の粒子の個数、メジアン径、比表面積、粉末成形体密度の測定結果を表1に示す。
以下の実施例2〜9及び比較例1〜3においても、電解二酸化マンガン製造条件および測定結果を同様に表1に示す。
【0047】
実施例2〜実施例4
表1に示されている電解条件を採用し、実施例1と同様の方法で電解二酸化マンガンを製造した。測定結果を表1に示す。
【0048】
実施例5
2価マンガン濃度を60g/l、硫酸濃度を60g/l、電解温度を90℃、電解電流密度を60A/m2とした以外は実施例1と同様な方法でおこない、さらにボールミルによる乾式粉砕を12時間おこない電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を表1に示す。
【0049】
実施例6〜9
表1に示されている電解条件を採用し、実施例5と同様の方法で電解二酸化マンガンを製造した。測定結果を表1に示す。
【0050】
比較例1
表1に示されている電解条件で、実施例1と同様な方法でおこない、さらにボールミルによる乾式粉砕を12時間おこない電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を表1に示す。
【0051】
比較例2
表1に示されている電解条件で、実施例1と同様な方法で電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を表1に示す。
【0052】
比較例3
表1に示されている電解条件で、実施例1と同様な方法でおこない、さらにボールミルによる乾式粉砕を24時間おこない電解二酸化マンガン粉末を得た。その結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004940503
表1から明らかなように、実施例1乃至9において作製された電解二酸化マンガン粉末はいずれも、最大粒子径が100μm以下、1μm以下の粒子の個数が15%未満、メジアン径が20μm以上60μm以下であり、いずれも、その比表面積は50m2/gを超えるものである。さらに、1ton/cm2及び3ton/cm2で成形した場合の粉末成形体密度ρは全て以下に示す関係式(1)の範囲にあることが分かる。
【0054】
ρ<(0.2×P+2.5) (1)
(ここでρは粉末成形体密度(g/cm3)、Pは粉末成形体を作製する際の圧力(ton/cm2)で、1≦P≦3である。)
一方、比較例1乃至3において作製された電解二酸化マンガン粉末は、いずれも最大粒子径が100μm以下であるが、比較例1は1μm以下の粒子の個数が21%であり、比較例3はメジアン径が15μmであり、比表面積はいずれも50m2/g未満であり本発明の比表面積より小さい。本発明の電解二酸化マンガン粉末の比表面積は電解電流密度が高いものが大きく、より望ましくは80A/m2での電解電流密度により作製されることが望ましい。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電解二酸化マンガン粉末及びその製造法により得られた電解二酸化マンガン粉末は、従来にない広い比表面積を有しする顕著で特有の電解二酸化マンガン粉末であって、特にアルカリマンガン乾電池に用いることによってアルカリマンガン乾電池の大電流放電容量を著しく向上することが期待出来る。またその製造法は経済性にすぐれ、著しく生産性を向上することが出来る。

Claims (2)

  1. 最大粒子径が100μm以下、1μm以下の粒子の個数が15%未満で、かつそのメジアン径が20μm以上60μm以下の範囲にある電解二酸化マンガン粉末であって、該粉末を窒素中150℃で脱気した後、窒素とヘリウムの混合ガス吸着法により測定した比表面積が50m2/g以上72m/g以下であり、該粉末5gを直径2cmの円盤状に圧力Pで成形した場合の粉末成形体密度ρが以下の関係式(1)の範囲にある電解二酸化マンガン粉末。
    ρ<(0.2×2.5) (1)
    (ここでρは粉末成形体密度(g/cm)、Pは粉末成形体を作製する際の圧力(ton/cm)で、1≦P≦3である。)
  2. 電解二酸化マンガン粉末を製造するに際し、2価マンガンの濃度が60g/l〜80g/l、硫酸の濃度が20g/l〜60g/l、温度が90℃以上である硫酸マンガンと硫酸の水溶液を電解液として、陽極と陰極を備えた電解槽内で、50A/m以上の範囲の電解電流密度で電解を行い、陽極上に電析固着した電解二酸化マンガン析出物を剥離して得られる塊状の電解二酸化マンガンを粉砕した後、分級することを特徴とする請求項1記載の電解二酸化マンガン粉末の製造法。
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