JP7063007B2 - 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents

電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途 Download PDF

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Description

本発明は、電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途に関するものであり、より詳しくは、例えば、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池において、正極活物質として使用される電解二酸化マンガン及びその製造方法に関する。
二酸化マンガンは、例えば、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として知られており、保存性に優れ、かつ安価であるという利点を有する。特に、二酸化マンガンを正極活物質として用いるアルカリマンガン乾電池は、ローレート放電からハイレート放電まで幅広い放電レートでの特性に優れていることから、電子カメラ、携帯情報機器、さらにはゲーム機や玩具にまで幅広く使用されている。
しかし、アルカリマンガン乾電池は、放電電流が大きくなるに従い正極活物質である二酸化マンガンの利用率が低下し、また放電電圧が低下した状態では使用できないため、実質的な放電容量が大きく損なわれるという問題があった。すなわち、大電流を使用(ハイレート放電)する機器にアルカリマンガン乾電池を用いると、充填されている正極活物質である二酸化マンガンが十分に活用されず、使用可能な時間が短いという欠点を有していた。
これまで、ハイレート放電特性改善のため、CuKα線を光源とするXRD測定における(110)面の半値幅が2.2°以上2.9°以下、さらにX線回折ピーク(110)/(021)のピーク強度比が0.50以上0.80以下であることを特徴とする二酸化マンガンが提案されている(特許文献1)。
また、ピーク強度比が0.50<I(110)/I(021)<0.70でありI(221)/I(021)<0.70であることを特徴とする電解二酸化マンガンも提案されている(特許文献2)。
さらに、粉末X線回折測定による(110)面の半価幅が、2.00°~2.40°の範囲にある二酸化マンガンの使用も提案されている(特許文献3)。
しかしながら、上記の特徴を有する二酸化マンガンでもハイレート放電における課題を解決するには十分ではなく、短時間に大電流を取り出すハイレート放電条件において、高容量、長寿命を発現できる優れた二酸化マンガン、所謂ハイレート放電特性がより優れた二酸化マンガンが望まれていた。
特開2009-135067号公報 特開2007-141643号公報 国際公開2013/157181号
本発明の目的は、ハイレート放電特性に優れるマンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される電解二酸化マンガンであって、従来とは異なりミクロ孔表面積が大きく、かつ、電解二酸化マンガンの結晶構造中の双晶率が少ない電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途を提供するものである。
本発明者らは、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される電解二酸化マンガンについて鋭意検討を重ねた結果、ミクロ孔面積が45m/g以上90m/g以下であり、かつ、結晶構造中の双晶率が40%以上80%以下である特徴を有することで、優れたハイレート放電特性を有し、充填性が高い正極材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ミクロ孔面積が45m/g以上90m/g以下であり、かつ、結晶構造中の双晶率が40%以上80%以下である電解二酸化マンガンである。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の電解二酸化マンガンは、ミクロ孔面積が45m/g以上90m/g以下である。ミクロ孔面積が45m/gよりも小さいと電解二酸化マンガンを放電した際の電圧降下が大きくなり、その結果、ハイレート特性が低下しやすくなり、好ましくない。ミクロ孔面積が90m/gより大きいと電解二酸化マンガンの粉体密度が低下し、乾電池への充填性が低下するため、好ましくない。ミクロ孔面積は45m/g以上70m/g以下であることが好ましい。
通常、アルカリマンガン乾電池をハイレートでパルス放電した場合には電圧降下が生じる。この電圧降下には応答速度が数十ミリ秒程度と速いもの(以下、電圧降下1という)と、応答速度が数十ミリ秒よりも遅いもの(以下、電圧降下2という)の2種類がある。電圧降下が大きいと活物質の利用率が低下してしまうため、利用率を大きくするためには電圧降下(電圧降下1と電圧降下2の合計)が小さいことが望ましい。電圧降下を小さくすることにより活物質の利用率を大きくすることができ、その結果、アルカリマンガン乾電池のハイレート放電性能を向上させることができる。
一方、電解二酸化マンガンの放電式は、通常、以下の式で表される。
MnO+HO+e → MnOOH+OH
この時、まず始めに、電解二酸化マンガンの表面において電解液中のHOから[H]を取り込む電荷移動反応が生じる。この電荷移動反応に対する抵抗(電荷移動抵抗)は、上記の応答速度が速い電圧降下(電圧降下1)の大きさと密接に関連し、電荷移動抵抗が小さいと電圧降下1が小さくなると推定される。
一方、電荷移動反応は電解二酸化マンガンの表面において生じるため、電解二酸化マンガンの表面積が大きいと反応が進みやすく、電荷移動抵抗が小さくなる。電解二酸化マンガンには2nm以下の細孔(以下ミクロ孔)と2nm~50nmの細孔(以下、メソ孔という)が存在しているが、ミクロ孔の表面積はメソ孔と比較して3~5倍程度大きいため、電荷移動反応は主にミクロ孔の表面で起きていると推定される。
よって、電解二酸化マンガンのミクロ孔面積が大きいと電荷移動抵抗が小さくなるため電圧降下1も小さくなり、その結果、アルカリマンガン乾電池のハイレート特性が向上しやすくなると推定される。
本発明の電解二酸化マンガンは、結晶構造中の双晶率が40%以上80%以下である。双晶率が40%より小さいとアルカリマンガン乾電池とした際の電圧が低くなり、好ましくない。双晶率が80%より大きいと電圧降下2が大きくなり、アルカリマンガン乾電池のハイレート特性が低下しやすくなるため好ましくない。結晶構造中の双晶率は40%以上70%以下が好ましく、50%以上70%以下がより好ましい。
電解二酸化マンガンの放電時には、電解二酸化マンガンの表面において電解液中のHOから[H]を取り込む電荷移動反応が生じた後、電解二酸化マンガンの結晶構造内を[H]が拡散し、MnOと[H]が反応してMnOOHが生成する。結晶構造内の[H]の拡散速度は、電解二酸化マンガンの放電時に見られる電圧降下2と密接に関連し、拡散速度が大きいと電圧降下2が小さくなると推定される。
一方、電解二酸化マンガンはγ型MnOであるが、その結晶構造中には双晶が存在することが知られている。電解二酸化マンガンの結晶構造内を[H]が拡散する際には、双晶が少ないと拡散がスムーズになるため拡散速度が大きくなり、その結果、電圧降下2が小さくなると推定される。
よって、電解二酸化マンガンの結晶構造中の双晶率が小さいと電圧降下2が小さくなり、その結果、アルカリマンガン乾電池のハイレート特性が向上しやすくなると推定される。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリマンガン乾電池とした際の電圧と保存特性を高く維持し、使用可能な放電電圧下限までの放電時間を長くできるため、アルカリ電位が250mV以上310mV以下であることが好ましい。アルカリ電位は280mV以上310mV以下がより好ましく、290mV以上310mV以下であることがさらに好ましい。アルカリ電位は、40重量%KOH水溶液中で水銀/酸化水銀参照電極を基準として測定する。
本発明の電解二酸化マンガンは、電圧降下1が小さくなり、アルカリマンガン乾電池とした際にハイレート特性がより優れるとともに、乾電池の保存特性を高く維持するため、硫酸根(SO)の含有量が1.5重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.3重量%以下である。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリマンガン乾電池とした際に缶体等の金属材料に対する腐食性が低くなるとともに、電圧降下1が小さくなり、アルカリマンガン乾電池とした際のハイレート特性を維持できるため、ナトリウム含有量が10重量ppm以上5,000重量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは10重量ppm以上3,000重量ppm以下である。電解二酸化マンガンに含まれるナトリウムは主に中和剤として使用される水酸化ナトリウムに由来するため、そのほとんどが粒子表面に吸着されて存在する。
本発明の電解二酸化マンガンは、体積頻度分布における最頻粒径(A)と最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)について、(B)/(A)の値が0.90以上2.0以下であることが好ましい。体積頻度分布における最頻粒径(A)とは、分布における体積頻度が最も大きい粒子径をいい、最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)とは、最頻粒径(A)の半分の高さにおける、粒子径の最小値から最大値までの粒子径の広がりをいう。0.90以上1.7以下が好ましく、1.1より大きく1.6以下がさらに好ましい。
粒度構成が上記特徴を満たすことで電解二酸化マンガンのプレス密度が増加する。電解二酸化マンガンを乾電池の正極として使用する場合、グラファイト等の導電剤と混合して成型体として使用するが、電解二酸化マンガンのプレス密度が増加することにより電解二酸化マンガンと導電剤の接触性が向上し、正極の粉体抵抗が低減され、その結果、乾電池のハイレート特性が向上する。
本発明の電解二酸化マンガンの粒度構成は体積頻度分布により表記される。最頻粒径(A)は、(B)/(A)の値が0.90以上2.0以下となるものであれば特に制限はないが、その粉砕効率から20μm以上が好ましく、粒子の反応性の観点から75μm以下が好ましい。また、最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)は、(B)/(A)の値が0.90以上2.0以下となるものであれば特に制限はないが、生産性の観点から15μm以上80μm以下が好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリマンガン乾電池とした際の電圧降下2が小さくなり、ハイレート特性を向上させやすくなるため、CuKα線を光源とするXRD測定による(110)面の半値幅が1.8°以上2.2°以下であることが好ましく、1.8°以上2.1°以下がより好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリマンガン乾電池とした際の電圧降下1が小さくなり、ハイレート特性を向上させやすくなるため、BET比表面積が10m/g以上40m/g以下であることが好ましく、25m/g以上35m/g以下であることがより好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリ乾電池とした際の電池性能及び充填密度を両立させやすくなるため、平均粒子径が20μm以上50μm以下であることが好ましく、20μm以上40μm以下であることがより好ましい。
次に、本発明の電解二酸化マンガンの製造方法について説明する。
本発明の電解二酸化マンガンの製造方法は、電解槽に供給される補給マンガン液中のマンガンイオン濃度は40g/L以上である。補給マンガン液中のマンガンイオン濃度を40g/L以上とすることにより、ミクロ孔面積が45m/g以上90m/g以下であり、かつ、結晶構造中の双晶率が40%以上80%以下である電解二酸化マンガンを製造することができる。
本発明の電解二酸化マンガンの製造方法は、電解電流密度は0.1A/dm以上1.0A/dm以下である。電解電流密度が0.1A/dm未満であると、ミクロ孔面積が小さくなるとともに、生産性が極端に低下するため好ましくない。逆に1.0dm以上になると、双晶率が大きくなり好ましくない。生産性とミクロ孔面積、双晶率の観点から、電解電流密度は0.2A/dm以上0.8A/dm以下であることが好ましく、0.25A/dm以上0.6A/dm以下であることがより好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンの製造方法は、電解日数は15日以下である。電解日数を15日以下とすることで、生産性が向上する。例えば、1日~5日、7日~15日等があげられる。
電解温度は、電流効率を維持することで製造効率を維持し、電解液の蒸発を抑制して、加熱コストの増加を防止するため、90℃以上99℃以下で行うことが好ましい。電解温度は電流効率と加熱コストの観点から、93℃以上97℃以下がより好ましく、95℃以上97℃以下がさらに好ましい。
電解槽内の電解液には硫酸-硫酸マンガン混合溶液を使用する。なお、ここでいう硫酸濃度とは、硫酸マンガンの硫酸イオンは除いた値である。電解液中の硫酸は、硫酸濃度として制御され、電解期間中の硫酸濃度を一定にすることができるし、電解期間中に硫酸濃度を任意に変えることもできる。
電解開始時の電解液中の硫酸濃度は44g/L以上50g/L以下である。電解開始時の電解液中の硫酸濃度が44g/L未満であると、得られる電解二酸化マンガンのミクロ孔面積が小さくなり易くなり、その結果、ハイレート特性が低下し易くなる。一方、50g/Lを超えると、電解時にチタン電極表面に不働態被膜が形成され易くなり、その結果、チタン電極上に析出した二酸化マンガンの剥離が生じる等、電着状態が不良となり易くなる。
特に、電解終了時の硫酸濃度を電解開始時の硫酸濃度よりも高く制御することができる。この場合の電解期間中又は電解開始時の硫酸濃度としては、44g/L以上50g/L以下であり、その理由は上記した通りである。また、電解終了時の硫酸濃度としては、45g/L以上80g/L以下が好ましい。このように硫酸濃度を任意に変えることにより、前半に比較的低濃度の硫酸濃度で電解することで、電極基材への腐食ダメージを軽減し結晶性が高く高充填性の二酸化マンガンを得やすく、後半に比較的高濃度の硫酸濃度で電解することにより、既に電解二酸化マンガン析出層に覆われているため電極基材がより腐食ダメージを受け難く、さらに前半の特徴に加え更にアルカリ電位が高まり、ハイレート特性に優れた電解二酸化マンガンが得られやすくなる。また、電解開始から電解終了まで電解中の硫酸濃度を徐々に変化させるのではなく、電解の前半と後半で硫酸濃度を切替えることもできる。前半の電解と、後半の電解の比率に制限はないが、例えば低硫酸濃度と高硫酸濃度での電解時間の比が1:9~9:1、特に3:7~7:3の範囲が好ましい。
また、本発明の電解二酸化マンガンの製造方法は、硫酸-硫酸マンガン混合溶液中にマンガン酸化物等の粒子を連続的に混合する、所謂、懸濁電解法により行うこともできる。
本発明の電解二酸化マンガンの製造方法は、電解で得られた電解二酸化マンガンを粉砕するものである。粉砕には、例えば、ジョークラッシャー、ローラーミル、ボールミル、ジェットミル等が使用できる。ローラーミルとしては、例えば、遠心式ローラーミル、竪型のロッシェミル等が挙げられる。ローラーミルのうち、コストや耐久性に優れ、工業的な使用に適しているため、マイクロビッカース硬度が400HV(JIS Z 2244)以上の硬度を有する原料を粉砕可能で、20kW以上150kW以下のミルモーターを有するローラーミルが好ましい。
また、ローラーミルで粉砕した電解二酸化マンガンに、最頻粒径がより小さい電解二酸化マンガンや1μm以下の微粒子を混合することもできる。最頻粒径がより小さい二酸化マンガンや1μm以下の微粒子の混合量はローラーミルで粉砕した電解二酸化マンガンの重量を上回らない量を混合し、トータルの重量%で10重量%以上40重量%以下が好ましい。混合の方法は乾式での混合がコスト的に好ましく、湿式での混合は混合スラリーのpHを2.5以上6.5以下とすることで、ローラーミル等の粉砕で発生する1μm以下の微粒子をより大きい粒子の表面に凝集させ、微粒子による作業性の低下が改善されるため、より好ましい。また、粒度分布は粉砕後の分級により調整してもよく、乾式での気流分級や湿式での分散分級により調整することもできる。
本発明の電解二酸化マンガンをアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用する方法には特に制限はなく、周知の方法で添加物と混合して正極合剤として用いることができる。例えば、電解二酸化マンガンに導電性を付与するためのカーボン、電解液等を加えた混合粉末を調製し、円盤状またはリング状に加圧成型した粉末成型体として電池正極とすることができる。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリ乾電池の正極材料として用いた場合にハイレート放電特性と充填性に優れ、さらに、本発明の製造方法により本発明の電解二酸化マンガンを得ることができる。
電気化学測定用セルの模式図である。 実施例1で得られた電解二酸化マンガンの細孔分布である。 実施例1で得られた電解二酸化マンガンの放電曲線である。 実施例1で得られた電解二酸化マンガンの放電曲線の拡大図(0~0.2秒)である。 実施例1で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例2で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例3で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例4で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例5で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例6で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例7で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例8で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例9で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例10で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 実施例11で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 比較例1で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 比較例2で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。 比較例3で得られた電解二酸化マンガンの粒度分布である。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<ミクロ孔面積の測定>
電解二酸化マンガンのミクロ孔面積は、高精度・多検体ガス吸着量測定装置(商品名:Autosorb-iQ、カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製)を使用して測定した。真空排気しながら150℃、4時間脱水処理を行った後、アルゴンを吸着媒として87K、0.0001~760Torrの圧力範囲でアルゴン吸着量を測定した。得られた吸着等温線にNLDFT法を適用して細孔分布を算出し、0.46~1.95nmの範囲の細孔の細孔面積をミクロ孔面積、1.95~49.0nmの範囲の細孔の細孔面積をメソ孔面積とした。なお、NLDFT法ではゼオライト/シリカのシリンダー状細孔モデルを用いてフィッティングを行った。
<XRD測定による双晶率、半値幅(半価全幅:FWHM)の測定>
電解二酸化マンガンの双晶率、半値幅(FWHM)は、X線回折装置(商品名:MXP-3,マックサイエンス製)を使用して測定・算出した。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、および測定範囲は2θとして10°~80°の範囲で測定した。
双晶率は、XRD測定結果から(061)面と(021)面の面間隔を求めた後、参考文献(参考文献1:Progress in Solid State Chemistry、23巻、1-130ページ、1995年、参考文献2:東ソー研究報告、49巻、21-27ページ、2005年)に基づいて結晶格子のb軸及びc軸長から以下の式により算出した。
Figure 0007063007000001
半値幅(FWHM)は、2θが22±1°付近の回折線から、(110)面の半値幅を算出した。
<アルカリ電位の測定>
電解二酸化マンガンのアルカリ電位は、40重量%KOH水溶液中で次のように測定した。
電解二酸化マンガン3gに導電剤としてカーボンを0.9g加えて混合粉体とし、この混合粉体に40%KOH水溶液4mlを加え、電解二酸化マンガンとカーボンとKOH水溶液の混合物スラリーとした。この混合物スラリーの電位を水銀/酸化水銀参照電極を基準として、電解二酸化マンガンのアルカリ電位を測定した。
<硫酸根、ナトリウム含有量の測定>
電解二酸化マンガンの硫酸根、ナトリウム含有量は、電解二酸化マンガンを硝酸と過酸化水素水に溶解し、この溶解液をICPで測定して定量した。
<電解二酸化マンガンの粒度構成の測定方法>
電解二酸化マンガンの粒度構成の測定は以下の方法に従い測定した。電解二酸化マンガン0.03gを純水20mlに投入し、アンモニア水を添加してpHを8に調整した後、超音波照射により分散スラリーを調製し、マイクロトラックMT3300EXII(マイクロトラックベル製)及びSDC循環器(マイクロトラックベル製)を使用してHRAモードで粒度分布を測定した。この時、凝集状態にある1μm以下の微粒子を分散して正確な量を測定するために、必ず超音波照射等の分散処理を行う必要がある。分散処理を行わないと微粒子が凝集したままの状態で測定されるため微粒子の量が正確に測定できない。また、体積頻度分布を算出する際には、非球形近似で粒度分布測定装置に設定されている測定用の101チャンネルに合わせた101区間(704.00、645.60、592.00、542.90、497.80、456.50、418.60、383.90、352.00、322.80、296.00、271.40、248.90、228.20、209.30、191.90、176.00、161.40、148.00、135.70、124.50、114.10、104.70、95.96、88.00、80.70、74.00、67.86、62.23、57.06、52.33、47.98、44.00、40.35、37.00、33.93、31.11、28.53、26.16、23.99、22.00、20.17、18.50、16.96、15.56、14.27、13.08、12.00、11.00、10.09、9.25、8.48、7.78、7.13、6.54、6.00、5.50、5.04、4.63、4.24、3.89、3.57、3.27、3.00、2.75、2.52、2.31、2.12、1.95、1.78、1.64、1.50、1.38、1.26、1.16、1.06、0.97、0.89、0.82、0.75、0.69、0.63、0.58、0.53、0.49、0.45、0.41、0.38、0.34、0.32、0.29、0.27、0.24、0.22、0.20、0.19、0.17、0.16、0.15、0.13、0.12/μm)で測定を行った。
<BET比表面積の測定>
電解二酸化マンガンのBET比表面積は、BET1点法の窒素吸着により測定した。測定装置にはガス吸着式比表面積測定装置(フローソーブIII,島津製作所製)を用いた。測定に先立ち、150℃で1時間加熱することで電解二酸化マンガンを脱水処理した。
<プレス密度の測定>
電解二酸化マンガンのプレス密度は、13mmφの金型を使用して電解二酸化マンガン0.5gを2t/cmで加圧し60秒間保持して成型体を作製し、成型体の重量と体積からプレス密度を求めた。
<平均粒子径の測定>
電解二酸化マンガンの平均粒子径は、マイクロトラックMT3300EXII(マイクロトラックベル製)を使用してHRAモードで測定した。
<電圧降下1、電圧降下2の測定>
電解二酸化マンガンを90重量%、グラファイト(商品名:KS-44、ロンザ製)を7重量%、ポリテトラフルオロエチレン(アルドリッチ製)を3重量%混合して合剤を作製した後、13mmφのステンレス製メッシュに2t/cmで圧着して正極とし、正極とセパレータ、40重量%KOH水溶液及び負極(亜鉛ワイヤー)をポリ塩化ビニル製の容器に設置して電気化学測定用セル(図1)を作製した。開回路電圧(開回路電圧1)を測定した後、正極と負極の間に一定の大きさの電流(電解二酸化マンガン1gに対して100mA)を60秒間流し、正極単極の電圧を水銀/酸化水銀参照電極を基準として測定した。60秒間電流を流した後、電流を遮断し、6時間経過後に開回路電圧(開回路電圧2)を測定し、開回路電圧1から開回路電圧2を差し引いて開回路電圧降下を算出した。電流を流し始めてから50msまでの電圧降下を電圧降下1とし、50msから60秒までの電圧降下から開回路電圧降下を差し引いた値を電圧降下2とした。電圧降下の測定は、電解二酸化マンガンが未放電状態、25%放電、50%放電の状態において測定した。25%放電状態、50%放電状態の電解二酸化マンガンは、電解二酸化マンガンの全容量を308mAh/gとして容量規制で放電して作製した。なお、25%放電状態はアルカリマンガン乾電池のハイレート放電特性評価である1.5W放電(ANSI規格放電)で放電下限電圧(1.05V)に到達した状態を模擬したものであり、50%放電状態は同じくハイレート放電特性評価である1A放電(ANSI規格放電)で放電下限電圧(0.9V)に到達した状態を模擬したものである。
<電荷移動抵抗の測定>
前記の方法で作製した電気化学測定セル(図1)を使用して交流インピーダンス法で正極単極の電荷移動抵抗を測定した。評価には交流インピーダンス測定装置(ECI1287A、FRA1255A、東陽テクニカ製)を用い、測定周波数120,000Hz~0.1Hz、交流電圧±5mVで測定を行った。測定データの解析はナイキストプロットにより行い、半円弧成分の直径を電荷移動抵抗とした。電荷移動抵抗の測定は、電解二酸化マンガンが未放電状態、25%放電、50%放電の状態において測定した。
実施例1
加温装置を有し、陽極としてチタン板、陰極として黒鉛板をそれぞれ向かい合うように懸垂せしめた電解槽を用いて電解を行った。
電解槽にマンガンイオン濃度65g/Lの補給硫酸マンガン液を供給し、電解電流密度0.34A/dm、電解槽の温度を97℃に保ちながら、電解初期と電解後半の硫酸濃度を45g/L、77g/Lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で10日、後半の硫酸濃度で5日、計15日間電解を行った。
電解後、電着した板状の電解二酸化マンガンを純水にて洗浄後、ジョークラッシャーにより粉砕し、続いてボールミルにより粉砕して電解二酸化マンガンの粉砕物を得た。次に、この電解二酸化マンガン粉砕物を水槽に入れて撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そのスラリーのpHを2.8となるようにして中和処理を行った後、電解二酸化マンガンの水洗、ろ過分離、乾燥を行った。次に、目開き63μmの篩を通し、電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの細孔分布を図2に、放電曲線を図3に、放電曲線の拡大図(0~0.2秒)を図4に、粒度分布を図5に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。
Figure 0007063007000002
得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
Figure 0007063007000003
実施例2
マンガンイオン濃度55g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解初期と電解後半の硫酸濃度を46g/L、65g/Lとしたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図6に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例3
マンガンイオン濃度45g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解槽の温度を96℃に保持したことと、硫酸濃度を45g/Lに保ちながら7日間電解を行ったことと、中和時のpHを5としたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図7に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例4
マンガンイオン濃度100g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解槽の温度を96℃に保持したことと、硫酸濃度を44g/Lに保ちながら1日間電解を行ったこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図8に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例5
実施例1と同様な方法で粉砕を行い、電解二酸化マンガンの粉砕物を得た。得られた電解二酸化マンガン粉末に純水を添加してスラリーを調製し、超音波照射による分散処理を行った後、20分間静置した。その後、デカンテーションを行い、残渣と上澄みスラリーに分離した。残渣を60℃で乾燥して10μm以上の比較的粒子径の大きい電解二酸化マンガン粉末を得た。また、上澄みスラリーをろ過し60℃で乾燥して10μm以下の比較的小さい電解二酸化マンガン粉末を得た。その後、10μm以上の電解二酸化マンガンと10μm以下の電解二酸化マンガンを重量比2:1の割合で混合した。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図9に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例6
10μm以上の電解二酸化マンガンと10μm以下の電解二酸化マンガンを重量比5:4の割合で混合したこと以外は実施例5と同様の方法で電解二酸化マンガンを得た。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図10に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例7
マンガンイオン濃度74g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解初期と電解後半の硫酸濃度を45g/L、75g/Lとしたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図11に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例8
マンガンイオン濃度55g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解時の硫酸濃度を55gに保ちながら15日間電解を行ったこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図12に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例9
マンガンイオン濃度84g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解電流密度を0.55A/dmとしたことと、電解初期と電解後半の硫酸濃度を45g/L、65g/Lとしたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図13に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例10
マンガンイオン濃度74g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解電流密度を0.55A/dmとしたことと、電解初期と電解後半の硫酸濃度を45g/L、65g/Lとしたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図14に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
実施例11
マンガンイオン濃度55g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解電流密度を0.40A/dmとしたことと、電解初期と電解後半の硫酸濃度を46g/L、65g/Lとしたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図15に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
比較例1
マンガンイオン濃度19g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解槽の温度を96℃に保持したことと、硫酸濃度を19g/Lに保ちながら10日間電解を行ったことと、中和時のpHを5としたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図16に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
比較例2
マンガンイオン濃度30g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解槽の温度を96℃に保持したことと、硫酸濃度を28g/Lに保ちながら1日間電解を行ったことと、中和時のpHを5としたこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図17に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
比較例3
マンガンイオン濃度55g/Lの補給硫酸マンガン液を供給したことと、電解初期と電解後半の硫酸濃度を38g/L、65g/Lとなるように調整したこと以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。得られた電解二酸化マンガンの粒度分布を図18に示し、ミクロ孔面積、双晶率等の評価結果を表1に示した。さらに、得られた電解二酸化マンガンの電圧降下1、電圧降下2及び電荷移動抵抗を表2に示した。
表1~2から、実施例1~11のマンガンイオン濃度で電解二酸化マンガンを製造することにより、比較例1、2と比較してミクロ孔面積が大きく、かつ、双晶率が小さい電解二酸化マンガンを得ることができ、また、実施例1~11の電解開始時の電解液中の硫酸濃度で電解二酸化マンガンを製造することにより、比較例3と比較して双晶率が小さい電解二酸化マンガンを得ることができる。さらに、実施例1~11の電解二酸化マンガンは比較例1~3と比較して電圧降下1+電圧降下2が小さくなっており、優れたハイレート放電特性が期待できる。
本発明の電解二酸化マンガンは特異的なミクロ孔面積及び結晶構造中の双晶率を有するため、放電特性、特にハイレート放電特性に優れたマンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用することができる。

Claims (10)

  1. ミクロ孔面積が45m/g以上90m/g以下であり、かつ、結晶構造中の双晶率が40%以上80%以下であることを特徴とする電解二酸化マンガン。
  2. アルカリ電位が250mV以上310mV以下であることを特徴とする請求項1に記載の電解二酸化マンガン。
  3. 硫酸根(SO)の含有量が1.5重量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電解二酸化マンガン。
  4. ナトリウム含有量が10重量ppm以上5,000重量ppm以下であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかの項に記載の電解二酸化マンガン。
  5. 体積頻度分布における最頻粒径(A)と最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)(最頻粒径(A)の半分の高さにおける、粒子径の最小値から最大値までの粒子径の広がりをいう)について、(B)/(A)の値が0.90以上2.0以下であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかの項に記載の電解二酸化マンガン。
  6. 平均粒子径が20μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかの項に記載の電解二酸化マンガン。
  7. 電解槽に供給される補給マンガン液中のマンガンイオン濃度が40g/L以上で、電解電流密度が0.1A/dm以上1.0A/dm以下で、電解開始時の電解液中の硫酸濃度が44g/L以上50g/L以下で、かつ、電解日数が15日以下であることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかの項に記載の電解二酸化マンガンの製造方法。
  8. 電解終了時の電解液中の硫酸濃度が電解開始時の電解液中の硫酸濃度より高い濃度の硫酸-硫酸マンガン混合溶液を使用し、かつ、電解終了時の電解液中の硫酸濃度が32g/L以上80g/L以下であることを特徴とする請求項7に記載の電解二酸化マンガンの製造方法。
  9. 請求項1~請求項6のいずれかの項に記載の電解二酸化マンガンを含むことを特徴とする電池用正極活物質。
  10. 請求項9に記載の電池用正極活物質を含むことを特徴とする電池。
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