JP5633301B2 - 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents

電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途 Download PDF

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Description

本発明は、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池において、ハイレート放電特性とミドルレート放電特性の両方に優れ、かつ金属材料の腐食の問題を生じない電解二酸化マンガン及びその製造方法に関するものである。
電解二酸化マンガンを正極活物質として用いるアルカリマンガン乾電池は、重負荷での放電特性に優れていることから電子カメラ、携帯情報機器、さらにはゲーム機や玩具など、大電流を使用(ハイレート放電)する機器に使用され、近年急速にその需要が伸びてきている。しかしながら、電解二酸化マンガンは、ハイレート放電において十分に使用されずに使用時間が短くなるという欠点を有しているため、ハイレート放電で高容量・長寿命の電解二酸化マンガン、いわゆるハイレート放電特性に優れた電解二酸化マンガンが望まれている。さらに、最近のデジタル機器の省電力化に伴い、ハイレート放電より低い放電電流(ミドルレート放電)における特性が求められており、ハイレート放電特性だけでなくミドルレート放電特性にも優れた電解二酸化マンガンが求められている。
ハイレート放電特性を改善した電解二酸化マンガンの製造方法として、電解二酸化マンガンを中和前に加熱し、ナトリウム使用量を低減する電解二酸化マンガンの製造方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、加熱により電解二酸化マンガンの結晶構造が変化しているため、得られる電解二酸化マンガンのハイレート放電特性は十分ではなかった。さらに、この製造方法による電解二酸化マンガンはナトリウム使用量を下げたために中和が不十分となり、乾電池内部の金属材料を腐食するものであった。
また、硫酸量の制御によるハイレート放電特性の改善がなされており、表面硫酸量を0.10重量%以上に制御する電解二酸化マンガンの製造方法(特許文献2)、硫酸根含有量を1.3〜1.6重量%にする二酸化マンガンの製造方法(特許文献3)が提案されている。しかしながら、これらの製造方法で得られた電解二酸化マンガンは硫酸を多く含むため、乾電池の保存劣化や電池電圧の不安定化を招くだけでなく、製造装置や乾電池内部の金属材料を腐食するという問題が生じていた。
一方、金属材料腐食の問題を生じさせずにハイレート放電特性を向上させるため、電解二酸化マンガンのJIS−pH、硫酸根含有量を制御し、更に電解二酸化マンガンの粒径とナトリウム含有量を制御する製造方法が提案されている(特許文献4)。しかしながら、この製造方法により得られる電解二酸化マンガンは、金属材料の腐食を抑制してハイレート放電特性に優れていたが、ミドルレート放電特性はまだ十分ではなかった。
また、電解期間中の硫酸濃度を変える電解方法により得られたハイレート放電特性に優れた電解二酸化マンガン(特許文献5)および、電解後の電解二酸化マンガンを硫酸で処理することにより得られたハイレート放電特性に優れた電解二酸化マンガン(特許文献6)が提案されているが、いずれもミドルレート放電特性は十分ではなかった。
このように、これまでは金属材料に対する腐食を起こさずにハイレート放電特性およびミドルレート放電特性の両方に優れた電解二酸化マンガンはなかった。
特開2001−026425 特開2002−304990 特開2004−047445 特開2008−013427 特開2009−135067 特開2009−117246
本発明は、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される電解二酸化マンガンに関し、ハイレート放電特性とミドルレート放電特性の両方の電池特性に優れ、かつ、金属材料を腐食することのない電解二酸化マンガン及びその製造方法を提供する。
従来のアルカリマンガン電池用の二酸化マンガンの電解法による製造では、電解全期間において一定の硫酸濃度の電解液を使用した電解によって析出した電解二酸化マンガンを電極から剥離、粉砕した後、硫酸根を除去するために水洗処理した後、表面の酸性度や残存した表面硫酸を中和するためにアルカリで中和処理をし、その後、乾燥していた。この方法により得られる電解二酸化マンガンは電位が低く、かつ、水洗後の中和処理により電解二酸化マンガン表面に吸着したアルカリ金属イオンが電池反応を阻害していた。そのため、得られる電解二酸化マンガンの電池特性は低く、電池特性の改善のためには酸洗浄、加熱処理等の追加の処理が必要であった。さらに、水洗処理では、硫酸根を保存特性や電池電圧に影響を及ぼさないレベルまで除去するために繰り返しの水洗操作が必要であり、極めて非効率であった。
また、電解期間中に電解液中の硫酸濃度を変化させる電解方法においては、ハイレート放電特性が向上した二酸化マンガンが得られていたが、ハイレート放電特性と伴にミドルレート放電特性の高い二酸化マンガンは得られていなかった。
本発明者等は電解二酸化マンガンの放電特性の向上について鋭意検討した結果、電解期間中に異なる硫酸濃度で制御した硫酸−硫酸マンガン浴で電解析出した電解二酸化マンガンを、洗浄する前に特定のpHで中和処理することにより、ハイレート放電特性とミドルレート放電特性の両方に優れた電解二酸化マンガンが得られることを見出した。
以下、本発明の電解二酸化マンガンの製造方法について説明する。
本発明では、電解終了時の電解液中の硫酸濃度が、電解開始時の電解液中の硫酸濃度より高い濃度の硫酸マンガン浴により電解を行う。これにより、電解開始時の硫酸濃度で一定期間電解して充填性が高い二酸化マンガンを得、引き続き硫酸濃度を上げることで、電位の高い二酸化マンガンを得ることができる。
電解液中の硫酸濃度に特に制限はないが、電解開始時における電解液中の硫酸濃度は、20〜45g/Lであることが好ましく、電解終了時の電解液中の硫酸濃度は、電解開始時の硫酸濃度より高く、かつ、30〜75g/Lであることが好ましく、さらに、電解開始時における電解液中の硫酸濃度は、20〜40g/Lであることが好ましく、電解終了時の電解液中の硫酸濃度は、電解開始時の硫酸濃度より高く、かつ、35〜75g/Lであることが好ましい。これにより、ハイレート放電特性だけでなく、ミドルレート放電特性に優れた電解二酸化マンガンを得ることができる。
また、特にミドルレート放電特性を高くする観点からは、電解開始時における電解液中の硫酸濃度は、20〜35g/Lであることが好ましく、電解終了時の電解液中の硫酸濃度は、電解開始時の硫酸濃度より高く、かつ、35g/Lを越えて40g/L以下であることが好ましく、電解開始時における電解液中の硫酸濃度は、25〜35g/Lであることが好ましく、電解終了時の電解液中の硫酸濃度は、電解開始時の硫酸濃度より高く、かつ、37g/L以上40g/L以下であることが好ましい。
本発明では、電解開始から電解終了まで電解中の硫酸濃度を徐々に変化させるのではなく、電解の前半で電解開始時の硫酸濃度を一定期間維持し、電解の後半に硫酸濃度を切替えて電解終了時の硫酸濃度にすることが好ましい。
なお、ここでいう硫酸濃度は硫酸マンガンの二価の陰イオンは除くものである。
本発明における電解補給液中のマンガン濃度に限定はないが、例えば40〜60g/Lが例示できる。
電解の温度には特に限定はなく、例えば温度は94〜98℃の範囲が適用できる。また、電流密度としては、例えば0.4〜0.6A/dmが適用できる。
電解開始時の硫酸濃度での電解と、電解終了時の硫酸濃度での電解の比率に制限はないが、例えば電解開始時の硫酸濃度と電解終了時の硫酸濃度における電解時間の比が1:9〜9:1、特に3:7〜7:3の範囲が好ましい。
電解時の電極材質については特に制限はなく、例えばチタン材などの金属や、グラファイト材などが適用できる。
本発明の方法において、電解析出した電解二酸かマンガンを適宜粉砕することができる。電解二酸化マンガンの粉砕方法は、所定の粒径、例えば、メジアン径が30μm以上50μm以下、好ましくは35μm以上45μm以下になるように調整できれば特に制限はなく、例えばジェットミルやボールミルなどによる粉砕を挙げることができる。
本発明の方法は、上記の電解方法によって電解析出した電解二酸化マンガンを粉砕後、洗浄する前に中和することを必須とする。
上記の電解方法で電解をして中和後に洗浄をする方法で製造された電解二酸化マンガンがハイレート放電特性およびミドルレート放電特性に優れる理由は必ずしもは明らかではないが、以下のような機構が考えられる。
従来の電解二酸化マンガンの製造方法では、水洗後に中和が行われていたため、水洗時にまず硫酸根がHSOとして除去されるが、その後の中和に使用される中和剤中のアルカリ金属が電解二酸化マンガンの表面に残存していた。この様なアルカリ金属は、電池反応におけるプロトン移動を阻害して電池活性が低くなると考えられる。
一方、本発明の方法では洗浄の前に中和を行うことにより、アルカリ金属と硫酸根がまずアルカリ金属硫酸塩に変化するために硫酸根およびアルカリ金属が除去され易い状態になり、中和処理後に水洗することによりアルカリ金属イオンと硫酸根がとともに洗浄除去される。そのため、特に電池性能を阻害する部位に存在するアルカリ金属がアルカリ金属流酸塩として除去され、優れた放電反応を示す電解二酸化マンガンとなるものと考えられる。
この場合において、本発明の方法では電解終了時の電解液中の硫酸濃度が電解開始時の電解液中の硫酸濃度より高い濃度の硫酸−硫酸マンガン浴により電解を行った電解二酸化マンガン、即ち、特に充填性及び電位が高い電解二酸化マンガンを用いることにより、特に電池性能を阻害する部位に存在するアルカリ金属がアルカリ金属硫酸塩として高度に除去されると考えられる。
本発明における中和は、粉砕した電解二酸化マンガンを水に分散してスラリーとし、当該スラリーを中和することによって行うが、スラリーpHは2.0以上5.0以下、好ましくは2.2以上4.8以下、特に好ましくは2.8以上4.8以下、さらに3.1以上4.2以下とすることが好ましい。スラリーpHをこの様な範囲となる様に中和することにより、最終的に得られる電解二酸化マンガン中に残存するアルカリ金属が極めて少なくでき、優れたハイレート放電特性及びミドルレート放電特性を有し、なおかつ金属材料に対する腐食のない電解二酸化マンガンが得られる。
スラリーpHが2.0よりも低い場合、十分に中和されず、得られる電解二酸化マンガンは電池正極材の加工製造装置の金属材料を腐食する。一方、スラリーpHが5.0よりも高い場合、電解二酸化マンガンの微粒子が分散して沈降しない現象(解こう現象)が起こり、洗浄効果が得られ難い。
ここでのスラリーpHとは電解二酸化マンガンを水に分散した際のスラリー中の水を直接測定したpHのことであり、スラリーに塩化アンモニウムを添加して測定されるJIS−pH(JISK1467)とは異なる。スラリーpHは一般的なpH標準電極を使用して測定できる。
本発明の方法において、電解二酸化マンガンの粉砕方法は、所定の粒径分布、粒度比率になるように調整できれば特に制限はなく、例えばジェットミルやボールミルなどによる粉砕を挙げることができる。
本発明の方法において、電解二酸化マンガンの中和にはアルカリ溶液を用いることができ、アルカリ溶液として水酸化ナトリウム、水酸化カリウムあるいは水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物やアンモニア水などを用いることができ、特に工業的に安価な水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
本発明の方法において、中和の方式は特に制限なく、バッチ式中和、連続中和いずれも適用できる。また中和時の電解二酸化マンガンスラリーの濃度も特に限定はないが、中和の効率の観点から、150g/L以上450g/L以下が好ましく、150g/L以上300g/L以下の範囲が特に好ましい。
本発明の方法における水洗の方式は特に制限はなく、バッチ洗浄、連続洗浄のどちらでも適用できる。水洗時のスラリー濃度も特に限定はないが、200g/L以上900g/L以下であることが好ましい。スラリー濃度が200g/L未満、或いは900g/Lを超える場合にはいずれも水洗の効率が低下しやすい。
本発明の方法では、上述した中和、洗浄により電解二酸化マンガン中のアルカリ金属含有量を0.02重量%以上0.10重量%未満とすることが好ましい。
さらに、上述した中和、洗浄により電解二酸化マンガン中の硫酸根含有量を1.30重量%未満とすることが好ましい。
本発明の方法では水洗後の電解二酸化マンガン粉末を乾燥して用いられる。乾燥条件は一般的な条件、例えば200℃以下で乾燥することができ、特に80℃〜150℃で乾燥することが好ましい。200℃より高い温度の処理では電解二酸化マンガン表面の水酸基が脱離されて、電解二酸化マンガン表面の親水性や粉末粒子内への保液性が低下し、金属材料を腐食しやすくなる。特に250℃以上での乾燥では、結晶相がガンマ型からベータ型に変化し、アルカリ乾電池用正極材としての電池活性が低下しやすくなる。
次に、本発明の電解二酸化マンガンについて説明する。
本発明の電解二酸化マンガンは、40%KOH水溶液中で水銀/酸化水銀参照電極を基準として測定したときの電位が280mV以上、JIS−pH(JISK1467)が1.5以上2.6未満、ナトリウム含有量が0.02重量%以上0.10重量%未満の電解二酸化マンガンである。
本発明の電解二酸化マンガンは、40%KOH水溶液中で水銀/酸化水銀参照電極を基準として測定したときの電位(以下、アルカリ電位)が280mV以上であり、好ましくは285mV以上、特に好ましくは290mV以上である。アルカリ電位が280mV以上であることで電池の開回路電圧が上昇し、使用可能な放電電圧下限までの放電時間を長くすることができる。保存安定性の観点からアルカリ電位は350mV以下であることが好ましい。また、特にミドルレート放電特性を高くする観点からは、アルカリ電位は310mV未満であることが好ましい。
本発明における電解二酸化マンガンのJISK1467に基づくJIS−pH(以下、単に「JIS−pH」と称す)は1.5以上2.6未満であり、1.8以上2.4以下が特に好ましい。JIS−pHが2.6以上では電池放電特性が十分ではなく、特にJIS−pHが2.6以上3.5未満ではハイレート放電特性は比較的高いが、ミドルレート放電特性が従来の二酸化マンガンと同程度しか得られない。JIS−pHが1.5未満では正極材の加工設備や電池缶などの金属材料を腐食しやすい。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリ金属含有量が0.02重量%以上0.10重量%未満であり、特に好ましくは0.02重量%以上0.09重量%以下、さらには0.03重量%以上0.08重量%以下が好ましい。
電解二酸化マンガンに含まれるアルカリ金属は主に中和剤に由来するため、そのほとんどが粒子表面に吸着されて存在する。そのため、アルカリ金属含有量が0.10重量%以上であると、粒子の表面から内部へのプロトン拡散を伴う電池放電反応が阻害され、放電特性が低下しやすい。一方、アルカリ金属含有量が0.02重量%未満であると、金属材料に対する腐食性が高くなりやすい。工業的な中和剤としては水酸化ナトリウムが使用されており、二酸化マンガンが含有する主なアルカリ金属としてはナトリウムが挙げられる。
製造法において説明した様に、本発明の電解二酸化マンガンが優れた電池性能を有する理由は、特に電池性能を阻害する部位に存在するアルカリ金属および硫酸根が除去されるためと考えられる。しかしながら、中和処理後の洗浄を施した電解二酸化マンガンであっても、電解条件によっては本発明の電池特性を発揮しない場合がある。本発明の電解二酸化マンガンは、電解終了時の電解液中の硫酸濃度が電解開始時の電解液中の硫酸濃度より高い濃度の硫酸−硫酸マンガン浴により電解を行うことによって得られる電解二酸化マンガン特有の物性を有するものが特に好ましい。
電解終了時の電解液中の硫酸濃度が電解開始時の電解液中の硫酸濃度より高い濃度の硫酸マンガン浴により電解を行った二酸化マンガンは特に結晶性に特徴があり、例えばCuKα線を光源とするXRD測定における(110)面の半値幅が2.2°以上2.9°以下であることが好ましく、さらにX線回折ピーク(110)/(021)のピーク強度比が0.50以上0.80以下であることが好ましい。また、X線回折ピークにおける(110)面の面間隔が4.00Å以上4.06Å以下であることが好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、硫酸根含有量が1.30重量%未満であることが好ましく、1.25重量%以下であることが好ましい。硫酸根が1.30%以上では、乾電池の保存劣化や電池電圧の不安定化が生じやすくなり、正極材を製造する装置や乾電池内部の缶材などの金属材料を腐食しやすくなる。
電解二酸化マンガンに含まれる硫酸根は、主に電解析出する電解二酸化マンガン粒子内部に電解液中の硫酸イオンが取り込まれるものであり、通常、電解析出後の電解二酸化マンガンには2〜3重量%の硫酸根が含まれている。この硫酸根は、水洗あるいは中和操作によって脱離できるもの(以下、「表面硫酸」)と、十分な水洗あるいは中和操作によっても電解二酸化マンガンから脱離できないもの(以下、「内部硫酸」)の存在が知られている。電解二酸化マンガンの内部硫酸量は、電解条件によって異なるが、少なくとも0.90〜1.25重量%である。
本発明の電解二酸化マンガンは、洗浄前に中和することにより、表面硫酸痕を高度に除去することができる。電解二酸化マンガンは全体として含有する硫酸痕が1.30重量%未満であることが好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、メジアン径(中央値)が30μm以上50μm以下であることが好ましく、35μm以上45μm以下であることがより好ましい。メジアン径が50μmを超えると粉末の反応表面積が低下して電池反応性が低下し易く、また、メジアン径が30μm未満の電解二酸化マンガン粉末では充填性が低下し、電池の容量エネルギー密度が低下する。
本発明電解二酸化マンガンの最大粒子径は、特に制限はないが、250μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。最大粒子径が250μmを超えるサイズの電解二酸化マンガンの粉末が存在すると、電池缶内を傷つける結果、電池缶に施した鍍金を破損し露出した鉄と反応してガス発生などを起こしやすい。さらに、電池内で負極と正極を絶縁するセパレータを破損しやすく、電池の保存中に自己放電を生じ容量低下を招きやすい。
本発明の電解二酸化マンガン粉末は、粒子径1μm以下の粒子の個数割合が3%以上25%以下であることが好ましい。電解二酸化マンガン中に含まれる粒子径1μm以下の粒子の個数割合が3%未満では、電解二酸化マンガンを加圧成形してなる粉末成形体が脆く崩れやすくなり、25%を超えるものでは、導電材との接触が不十分となり、有効に利用できる電解二酸化マンガンの量が少なくなりやすい。
本発明の電解二酸化マンガンにおけるBET比表面積は20m2/g以上50m2/g以下であることが好ましく、より好ましくは20m2/g以上40m2/g以下、さらには22m2/g以上32m2/g以下であることが好ましい。BET比表面積が20m2/gより低いと、電解二酸化マンガンの反応面積が低下するため、放電容量が低下する。一方、BET比表面積が50m2/gより大きいと、電解二酸化マンガンの充填性が低下し、電池を構成した場合の放電容量が低下しやすい。
本発明の電解二酸化マンガンは、金属材料に対する腐食速度が0.01mm/年以下であることが好ましい。腐食速度が0.01mm/年を越えると、正極材を製造する装置の金属部分や、乾電池内部の缶材などの金属材料を腐食しやすくなる。
本発明の電解二酸化マンガンは、電池、特にアルカリ一次電池の正極材料として優れた性能を有するものである。
電池正極材料に含まれる電解二酸化マンガン以外の組成物には特に限定はないが、導電材としてグラファイト、アセチレンブラックなどが例示でき、さらに電解液として水酸化カリウム水溶液などが例示できる。
本発明の電解二酸化マンガンは、ハイレート放電特性とミドルレート放電特性の両方の電池特性に優れ、且つ、金属材料に対する腐食が小さいものである。
放電特性評価用セル 金属腐食試験で使用した全塩ビ製腐食試験容器の模式図
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(中和処理のスラリーpH)
スラリーpHは、中和処理中の電解二酸化マンガンスラリーにpH標準電極を使用して測定した。
(電解二酸化マンガンのJIS−pH)
JIS−pHはJIS K1467(塩化アンモニウム法)によって測定した。すなわち、一定量の塩化アンモニウム緩衝溶液に一定量の二酸化マンガンを入れ、上澄み液のpHを求める方法を用いた。
(硫酸根、ナトリウム含有量)
電解二酸化マンガン粉末粒子の硫酸根、ナトリウム含有量は、電解二酸化マンガン粉末を塩酸と過酸化水素水に溶解し、この溶解液を原子吸光法で測定して定量した。
(電解二酸化マンガンの電位)
電解二酸化マンガンの電位は、電解二酸化マンガン3gに導電剤としてカーボンを0.9g加えて混合粉体とし、この合粉体に40%KOH水溶液4mlを加え、電解二酸化マンガンとカーボンとKOH水溶液の混合物スラリーとした。この混合物スラリーの電位を水銀/酸化水銀参照電極を基準として電解二酸化マンガンのアルカリ電位を測定した。
(XRD測定における半価全幅(FWHM)の測定)
電解二酸化マンガンの2θが22±1°付近の回折線の半価全幅(FWHM)を、一般的なX線回折装置(マックサイエンス社製MXP−3)を使用して測定した。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、および測定範囲は2θとして5°から80°の範囲で測定した。
(XRD測定による(110)面間隔の算出)
電解二酸化マンガンの2θが22±1°付近の回折線をガウス処理して、ピークトップの2θを求めた。求めた2θ値からブラッグの式(nλ=2dsinθ,n=1)からdを算出して(110)面の面間隔とした。
(XRD測定による(110)/(021)強度比の算出)
2θが22±1°付近の回折線を(110)、37±1°付近の回折線を(021)として、(110)のピーク強度を(021)のピーク強度で除することにより(110)/(021)のピーク強度比を求めた。
(電解二酸化マンガンのBET比表面積の測定)
電解二酸化マンガンのBET比表面積は、BET1点法の窒素吸着により測定した。なお、BET比表面積の測定に使用した電解二酸化マンガンは、BET比表面積の測定に先立ち、150℃で40分間加熱して脱気処理を行った。
(メジアン径)
電解二酸化マンガンを分散懸濁した溶液にレーザー光を照射し、その散乱光により測定する光散乱法(日機装社製、商品名:マイクロトラック)を用いて電解二酸化マンガンの粒子径と個数を測定しメジアン径を測定した。
(ハイレート放電特性評価)
電解二酸化マンガン粉末90.0%、グラファイト6.0%及び40%水酸化カリウム電解液4.0%で構成される混合粉5gを2トンの成形圧でリング状に成形した成形体2個を組み合わせて正極とし、亜鉛を含む負極材を負極にして、単三型の電池を組み立てた。この単三型電池を常温で24時間放置後、放電試験を行った。放電条件は1000mAで10秒放電の後50秒休止するサイクルを1パルスとして、終止電圧0.9Vに達するまでのパルス回数を測定し、比較例1の電解二酸化マンガンを用いた際のパルス回数を100としたときの相対値で示した。
(ミドルレート放電特性評価)
電解二酸化マンガン粉末90.0%、グラファイト6.0%及び40%水酸化カリウム電解液4.0%で構成される混合粉5gを2トンの成形圧でリング状に成形した成形体2個を組み合わせて正極とし、亜鉛を含む負極材を負極にして、単三型の電池を組み立てた。この単三型電池を常温で24時間放置後、放電試験を行った。放電条件は250mAの連続放電で、終止電圧0.9Vに達するまでの放電時間を測定し、比較例1の電解二酸化マンガンを用いた際の放電時間を100としたときの相対値で示した。
(金属腐食試験)
電解二酸化マンガン粉末10g、グラファイト0.7g及び40%水酸化カリウム電解液0.3gで構成される混合粉を2.5トンの成型圧でペレット状の成型体(20Φ)を作製した。続いて、このペレット成型体を全塩ビ製腐食試験容器(図1)の底部に挿入し、その上に電池正極材成型用の金型材料として一般的なSKD−11板を研磨した後に乗せた。次に、塩ビ製の押え板をSKD−11板の上に乗せ、スクリュー式のコックをトルクレンチ5N・mで押圧してから、60℃、湿度95%の恒温恒湿装置に2日間静置した。
2日後に、SKD−11板を取り出し、重曹処理してペレット成型体を十分除去した後、水洗、アセトン洗浄し、1時間乾燥した。腐食速度は、この腐食試験前後のSKD−11板の重量変化から、年あたりの減少厚みとして算出して腐食速度とした。
実施例1
加温装置を有し、陽極としてチタン板、陰極として黒鉛板をそれぞれ向かい合うように懸垂せしめた内容積12リットルの電解槽を用いて電解を行った。
電解では、電解供給液にはマンガンイオン濃度40g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電流密度0.55A/dm、電解槽の温度を96℃に保ちながら、電解初期と電解後半の硫酸濃度を25.0g/l、40g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で12日、後半の硫酸濃度で5日で計17日電解を行った。
電解後、電着した板状の電解二酸化マンガンを純水にて洗浄後、打撃により剥離し、得られた塊状物をボールミルで粉砕して、電解二酸化マンガンの粉砕物を得た。
次に、中和処理として、この電解二酸化マンガン粉砕物を水槽に入れて200g/lのスラリー状とし、撹拌しながら、そのスラリーpHが4.5になるように20%水酸化ナトリウム溶液を添加し、60分間撹拌を行った。
次に、撹拌を止めて、15分間静定した後、上澄み部分をデカンテーションで取り除き、新たに水を加えて洗浄を行う操作を2回行ない洗浄処理とした。続いて、ろ過分離、乾燥を行い電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例2
電解後半の硫酸濃度を65g/lとなるように調整し、電流密度0.57A/dmで、前半の濃度で12日、後半の濃度で4日の計16日間電解を行った以外は実施例1と同様な方法で電解を行った。
電解後、スラリーpHを4.8として中和処理をし、洗浄操作を1回とした以外は実施例1と同様な方法で処理し、電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例3
中和処理においてスラリーpHを4.2とした以外は実施例2と同様の方法で処理し、電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例4
電解供給液にマンガンイオン濃度40.3g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解初期の硫酸濃度を23.4g/l、電解後半の硫酸濃度を40.0g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で5日、後半の硫酸濃度で5日の計10日間電解を行った以外は実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、pHが2.8になるよう中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例5
電解供給液にマンガンイオン濃度40.1g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解初期の硫酸濃度を23.2g/l、電解後半の硫酸濃度を39.6g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で5日、後半の硫酸濃度で5日の計10日間電解を行った以外は実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、スラリーのpHが2.8になるように中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例6
電解供給液にマンガンイオン濃度40.1g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解初期の硫酸濃度を24.9g/l、電解後半の硫酸濃度を36.2g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で5日、後半の硫酸濃度で5日の計10日間電解を行った以外は実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、スラリーのpHが2.79になるように中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例7
電解供給液にマンガンイオン濃度39.4g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解初期の硫酸濃度を28.6g/l、電解後半の硫酸濃度を36.5g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で5日、後半の硫酸濃度で5日の計10日間電解を行った以外は実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、スラリーのpHが2.79になるように中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例8
実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、スラリーのpHが2.6になるように中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例9
電解供給液にマンガンイオン濃度40.0g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解初期の硫酸濃度を25.2g/l、電解後半の硫酸濃度を40.0g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で12日、後半の硫酸濃度で5日の計17日間電解を行った以外は実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、スラリーのpHが2.6になるように中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例10
電解供給液にマンガンイオン濃度40.0g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解初期の硫酸濃度を24.6g/l、電解後半の硫酸濃度を39.5g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で12日、後半の硫酸濃度で5日の計17日間電解を行った以外は実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、スラリーのpHが2.6になるように中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
実施例11
電解供給液にマンガンイオン濃度40.0g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解初期の硫酸濃度を25.0g/l、電解後半の硫酸濃度を39.6g/lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で12日、後半の硫酸濃度で5日の計17日間電解を行った以外は実施例1と同様な条件で電解を行なった。
電解後、スラリーのpHが2.6になるように中和処理をした以外は実施例1と同様な方法によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
比較例1
電解から粉砕までを実施例1と同様な条件で行い、電解二酸化マンガンの粉砕物を得た。
次に、水洗処理として、この電解二酸化マンガン粉砕物を水槽に入れて500g/lのスラリー状とし、20分間撹拌しながら、15分間静定した後、上澄み部分をデカンテーションで取り除き、新たに水を加えて洗浄を行う操作を3回行った。続いて、中和処理として、スラリーpHが5.6になるように、同液に20%水酸化ナトリウムを加え、60分間撹拌を行い、続いて、ろ過分離、乾燥を行って、電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
比較例2
電解から粉砕までを実施例2と同様な条件で行い、電解二酸化マンガンの粉砕物を得た。
次に、比較例1と同様な処理により電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
比較例2はアルカリ電位が高かったが、ハイレート放電特性およびミドルレート放電特性が共に低かった。
比較例3
電解供給液にマンガンイオン濃度40g/lの硫酸マンガン溶液を用い、電解開始から電解終了までの電解液の組成がマンガンイオン濃度26g/l、硫酸濃度33g/lとなるように調整して14日間電解した以外は実施例1と同様に電解を行なった以外は比較例1と同様な処理によって電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
本比較例は一般的な製造条件で製造された電解二酸化マンガンであり、ハイレート放電特性、ミドルレート放電特性がともに低かった。
比較例4
電解条件を比較例3と同様にし、電解後の処理において中和処理のスラリーpHを4.2とした以外は実施例1と同様に処理を行って電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
比較例5
中和処理を行わなかった以外は比較例3と同様の方法で電解二酸化マンガン粉末を得た。
得られた電解二酸化マンガンの製造条件を表1に、結果を表2に示した。
Figure 0005633301
Figure 0005633301
本発明の製造方法で得られる電解二酸化マンガンは、ハイレート放電特性およびミドルレート放電特性の両方の放電特性に優れ、かつ、腐食性が低い正極活物質として、アルカリマンガン乾電池に使用することができる。

Claims (10)

  1. 電解終了時の電解液中の硫酸濃度が電解開始時の電解液中の硫酸濃度より高い濃度の硫酸−硫酸マンガン浴において二酸化マンガンを電解析出し、得られた電解二酸化マンガンを粉砕してスラリーを得、該スラリーをpHを2.0以上5.0以下に中和した後に洗浄し、乾燥することを特徴とする電解二酸化マンガンの製造方法。
  2. 電解開始時における電解液中の硫酸濃度が20〜45g/Lであり、電解終了時の電解液中の硫酸濃度が電解開始時の硫酸濃度より高く、かつ、30〜75g/Lであることを特徴とする請求項1に記載の電解二酸化マンガンの製造方法。
  3. 電解二酸化マンガン中のアルカリ金属含有量を0.02重量%以上0.10重量%未満まで洗浄することを特徴とする請求項1又は2に記載の電解二酸化マンガンの製造方法。
  4. 電解二酸化マンガン中の硫酸根含有量を1.30重量%未満まで洗浄することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電解二酸化マンガンの製造方法。
  5. 電解終了時の電解液中の硫酸濃度が電解開始時の電解液中の硫酸濃度より高い濃度の硫酸−硫酸マンガン浴において二酸化マンガンを電解析出し、得られた電解二酸化マンガンを粉砕してスラリーを得、該スラリーをpHを2.0以上5.0以下に中和した後に洗浄し、乾燥して得られた、40%KOH水溶液中で水銀/酸化水銀参照電極を基準として測定したときの電位が280mV以上、JIS−pH(JISK1467)が1.5以上2.6未満でありさらに、ナトリウム含有量が0.02重量%以上0.10重量%未満で、かつ、メジアン径が30μm以上50μm以下(但し、ナトリウム含有量X(ppm)、メジアン径Y(μm)において、不等関係式:−0.016X+56.8≦Y≦−0.016X+71.2に該当する部分を除く)であることを特徴とする電解二酸化マンガン。
  6. CuKα線を光源とするXRD測定における(110)面の半値幅が2.2°以上2.9°以下、さらにX線回折ピーク(110)/(021)のピーク強度比が0.50以上0.80以下であることを特徴とする請求項5に記載の電解二酸化マンガン。
  7. 硫酸根含有量が1.30重量%未満であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電解二酸化マンガン。
  8. BET比表面積が20m/g以上50m/g以下であることを特徴とする請求項5乃至のいずれかに記載の電解二酸化マンガン。
  9. 請求項5乃至のいずれかに記載の電解二酸化マンガンを含んでなる電池用正極活物質。
  10. 請求項9の電池用正極活物質を含んでなる電池。
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