JP2018076222A - 電解二酸化マンガン及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルカリ乾電池の正極材料として用いた場合に粉体抵抗とハイレート放電特性に優れた電解二酸化マンガンを提供する。【解決手段】 体積頻度分布における最頻粒径(A)と最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)について、(B)/(A)の値が1.0より大きく2.0以下である電解二酸化マンガン及びその用途。【選択図】 なし

Description

本発明は、電解二酸化マンガン及びその用途に関するものであり、より詳しくは、例えば、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池において、正極活物質として使用される電解二酸化マンガン及びその用途に関する。
二酸化マンガンは、例えば、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として知られており、保存性に優れ、かつ安価であるという利点を有する。特に、二酸化マンガンを正極活物質として用いるアルカリマンガン乾電池は、ローレート放電からハイレート放電まで幅広い放電レートでの特性に優れていることから、電子カメラ、携帯用テープレコーダー、携帯情報機器、さらにはゲーム機や玩具にまで幅広く使用され、近年急速にその需要が伸びてきている。
しかし、アルカリマンガン乾電池は、放電電流が大きくなるに従い、内部抵抗による電圧低下が大きくなり、終止電圧に達するまでの期間が短くなり、正極活物質である二酸化マンガンの利用率が低下するため、放電電圧が低下した状態では使用できず、実質的な放電容量が大きく損なわれるという課題があった。すなわち、大電流を使用(ハイレート放電)する機器にアルカリマンガン乾電池を用いると、電池の内部抵抗により、充填されている正極活物質である二酸化マンガンが十分に活用されず、使用可能な時間が短いという欠点を有していた。
これまで、ハイレート放電特性改善のため、二酸化マンガンの結晶構造や電位などの内部特性を改良した二酸化マンガンが提案されている(特許文献1)。これに対し、二酸化マンガンの外部特性であるに粒度構成に関し平均粒径が30μm以上70μm以下の平均粒径の二酸化マンガンが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、上記の特徴を有する二酸化マンガンでもハイレート放電における課題を解決するには十分ではなく、短時間に大電流を取り出すハイレート放電条件において、低抵抗、高容量、長寿命を発現できる優れた二酸化マンガン、所謂ハイレート放電特性により優れた二酸化マンガンが望まれていた。
特許第5428163号公報 特開2009−224077号公報
本発明の目的は、特にハイレート放電特性に優れるマンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される電解二酸化マンガンであって、従来とは粒度構成が異なるため、正極合剤とした際の粉体抵抗が極めて低い電解二酸化マンガン及びその用途を提供するものである。
本発明者らは、マンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用される電解二酸化マンガンについて鋭意検討を重ねた結果、特定の粒度構成を有することで、粒子間の接触抵抗が低減され、粉体抵抗が低く優れたハイレート放電特性を有する正極材料となることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、体積頻度分布における最頻粒径(A)と最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)について、(B)/(A)の値が1.0より大きく2.0以下であることを特徴とする電解二酸化マンガン及びその用途である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の電解二酸化マンガンは、体積頻度分布における最頻粒径(A)と最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)について、(B)/(A)の値が1.0より大きく2.0以下である。体積頻度分布における最頻粒径(A)とは、分布における体積頻度が最も大きい粒子径をいい、最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)とは、最頻粒径(A)の半分の高さにおける、粒子径の最小値から最大値までの粒子径の広がりをいう。1.0以下の場合は、粒子間抵抗が大きくなり電池性能が低下し、2.0より大きい場合は、粉砕効率が低下し、製造コストが高くなる。1.0より大きく1.7以下が好ましく、1.1より大きく1.6以下がさらに好ましい。
粒度構成が上記特徴を満たすことで特異的な粒度構成の電解二酸化マンガンとなり、粉体抵抗が低く、優れたハイレート特性となる。
上記のような特徴的な粒度構成を有する電解二酸化マンガンが粉体抵抗が低く優れたハイレート特性を有する明確な理由は不明だが、通常、完全な球状粒子の場合は、粒子が小さくなるほど粒子同士の接触数が増加し、粒子間の粉体抵抗が増加する、逆に粒子が大きくなるほど粒子同士の接触数が減少し、粉体抵抗も低下する。しかし、電解二酸化マンガンのような粉砕粒子の場合、完全な球形粒子ではなく不定型な形状を有するため、粒子同士の接触数も完全な球状粒子とは異なり、特定の粒度構成の場合に粉体抵抗が最小となる最適値を有すると推定される。
本発明の電解二酸化マンガンの粒度構成は体積頻度分布により表記される。最頻粒径(A)は、(B)/(A)の値が1.0より大きく2.0以下となるものであれば特に制限はないが、その粉砕効率から20μm以上が好ましく、粒子の反応性の観点から75μm以下が好ましい。また、最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)は、(B)/(A)の値が1.0より大きく2.0以下となるものであれば特に制限はないが、生産性の観点から15μm以上80μm以下が好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、1μm以下の微粒子を含有する。ここに、1μm以下の微粒子とは、最頻粒径が1μm以下0.01μm以上の微粒子である。
本発明の電解二酸化マンガンは、一旦圧縮された成型体が再び膨張する所謂スプリングバックを起こさないようにするために、1μm以下の微粒子が1μmより大きい粒子の表面に凝集していることが好ましい。同一重量の粉砕粒子において、1μm以下の微粒子と1μmより大きい粒子の個数を比較した場合、微粒子は1μmより大きい粒子よりも粒子個数が多く、それに伴い粒子同士の接触点数が増加し、粉体抵抗に含まれる粒子間抵抗が高くなる。そのため、微粒子が少ない方が製品の粉体抵抗を低減しやすい。ただし、加圧成型して正極合剤の成型体を作製する際に、微粒子が表面に凝集することにより、1μmより大きい粒子の間で粒子同士を結着させ、成型体の強度を増加させる。成型体強度の増加は電池作製工程での成型体の破損を抑制し、生産性に効果を有する。
1μm以下の微粒子の量は、成型体強度を確保し、粉体抵抗をより低くするため、5体積%以上30体積%以下が好ましい。高い電池性能を引出すために、粉体抵抗の低減を重視する場合には、微粒子の量は比較的少ない5体積%以上25体積%以下がより好ましく、10体積%以上25体積%がさらに好ましい。一方、粉体抵抗の低減に加えて成型強度を重視する場合には、微粒子の量は比較的多量の25体積%より大きく30体積%以下がより好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、結晶性を高くして、水酸基の規則的な配置に有効な[H]を拡散しやすくし、さらに、[H]拡散に有効な構造欠陥等の水酸基が増えて、放電性能に優れるため、CuKα線を光源とするXRD測定による(110)面の半値幅が1.8°以上2.8°以下であることが好ましく、1.8°以上2.2°未満であることがより好ましく、1.9°以上2.1°以下であることがさらに好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、[H]拡散に好ましい(110)面を相対的に増加させ、(021)面の[H]拡散も確保して、放電性能に優れるため、X線回折ピーク(110)/(021)のピーク強度比が0.70以上1.00以下であることが好ましく、0.75以上0.95以下がより好ましく、0.80以上0.90以下がさらに好ましい。
CuKα線を光源とするXRD測定のプロファイルが上記特徴((110)面の半値幅、(110)/(021)のピーク強度比)を満たすことで特異的な結晶構造の電解二酸化マンガンとなり、優れたハイレート特性となる。
上記のような特徴的な結晶構造を有する電解二酸化マンガンが優れたハイレート特性を有する明確な理由は不明だが、まず、(110)面の半値幅が上記の特徴を満たすことで極めて結晶性の高い電解二酸化マンガンとなる。通常、電解二酸化マンガンの放電式は下記の式で表される。
MnO+HO +e → MnOOH + OH … 式1
この時、MnOはHOから[H]を取込みMnOOHへと変化するが、その際、結晶内の構造欠陥等の水酸基を介して[H]が拡散すため、結晶性が高いほど水酸基が規則的に配置され[H]が拡散しやすく、さらに(021)面に比べ(110)面の水酸基が[H]拡散により有効なため、両方の特徴を有する結晶構造によりハイレートでの放電反応が、よりスムーズに進行すると推定される。
本発明の電解二酸化マンガンは、電解二酸化マンガンが接触する正極材の加工設備や電池缶などの金属材料の腐食を抑制でき、表面の[H]が確保され放電性能に優れるため、JIS K1467に基づくJIS−pH(以下、単に「JIS−pH」と称す)が1.5以上5.0未満であることが好ましく、1.8以上2.4以下がより好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、優れた放電性能と耐腐食性をバランスさせるため、CuKα線を光源とするXRD測定による(110)面の半値幅が1.8°以上2.8°未満で、かつX線回折ピーク(110)/(021)のピーク強度比が0.70以上1.00以下であり、さらにJIS−pH(JIS K1467)が1.5以上5.0未満であるとより効果が高い。
本発明の電解二酸化マンガンは、電解二酸化マンガンの放電反応を速やかに進行させるためとEMD粒子内の密度を高く維持し、充填性の高いものとなるため、BET比表面積が10m/g以上40m/g以下であることが好ましく、20m/g以上30m/g以下であることがより好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリマンガン乾電池の正極材料に用いた場合、電池の放電電圧が上昇し、使用可能な放電電圧下限までの放電時間を長くすることができるため、アルカリ電位が270mV以上310mV未満であることが好ましく、280mV以上310mV未満がより好ましく、290mV以上310mV未満であることがさらに好ましい。アルカリ電位は、40重量%KOH水溶液中で水銀/酸化水銀参照電極を基準として測定する。
本発明の電解二酸化マンガンは、マイクロビッカース硬度が400HV(JIS Z 2244)以上の硬度を有する原料を粉砕可能で、20kW以上150kW以下のミルモーターを有するローラーミルで粉砕することによって製造することができ、コストや耐久性に優れ、工業的な使用に適している。ローラーミルとしては、例えば、遠心式ローラーミル、竪型のロッシェミル等が挙げられる。
また、ローラーミルで粉砕した電解二酸化マンガンに、最頻粒径がより小さい電解二酸化マンガンや1μm以下の微粒子を混合することにより、所望の均等数、粒度特性値とすることもできる。最頻粒径がより小さい二酸化マンガンや1μm以下の微粒子の混合量はローラーミルで粉砕した電解二酸化マンガンの重量を上回らない量を混合し、トータルの重量%で10重量%以上40重量%以下が好ましい。混合の方法は乾式での混合がコスト的に好ましく、湿式での混合は混合スラリーのpHを2.5以上6.5以下とすることで、ローラーミル等の粉砕で発生する1μm以下の微粒子をより大きい粒子の表面に凝集させ、微粒子による作業性の低下が改善されるため、より好ましい。また、均等数、粒度特性値は粉砕後の分級により調整してもよく、乾式での気流分級や湿式での分散分級により調整することもできる。
電解電流密度は、生産性と結晶性、充填性の観点から、0.2A/dm以上0.5A/dm以下であることが好ましく、0.29A/dm以上0.45A/dm以下であることがより好ましく、0.29A/dm以上0.40A/dm以下であることがさらに好ましい。
電解温度は、電流効率を維持することで製造効率を維持し、電解液の蒸発を抑制して、加熱コストの増加を防止するため、90℃以上99℃以下で行うことが好ましい。電解温度は電流効率と加熱コストの観点から、93℃以上97℃以下がより好ましく、95℃以上97℃未満がさらに好ましい。
電解槽内の電解液には硫酸−硫酸マンガン混合溶液を使用する。なお、ここでいう硫酸濃度とは、硫酸マンガンの硫酸イオンは除いた値である。電解液中の硫酸は、硫酸濃度として制御され、電解期間中の硫酸濃度を一定にすることができるし、電解期間中に硫酸濃度を任意に変えることもでき、特に、電解終了時の硫酸濃度を電解開始時の硫酸濃度よりも高く制御することができる。この場合の電解期間中又は電解開始時の硫酸濃度としては、25g/L以上40g/L以下が好ましく、28g/L以上38g/L以下がより好ましい。また、電解終了時の硫酸濃度としては、32g/L以上55g/L以下が好ましく、40g/Lを超え45g/L以下がより好ましい。このように硫酸濃度を任意に変えることにより、前半に比較的低濃度の硫酸濃度で電解することで、電極基材への腐食ダメージを軽減し結晶性が高く高充填性の二酸化マンガンを得やすく、後半に比較的高濃度の硫酸濃度で電解することにより、既に電解二酸化マンガン析出層に覆われているため電極基材がより腐食ダメージを受け難く、さらに前半の特徴に加え更に電位が高まり、ハイレート特性に優れた電解二酸化マンガンが得られ易くなる。また、電解開始から電解終了まで電解中の硫酸濃度を徐々に変化させるのではなく、電解の前半と後半で硫酸濃度を切替えることが好ましい。前半の電解と、後半の電解の比率に制限はないが、例えば低硫酸濃度と高硫酸濃度での電解時間の比が1:9〜9:1、特に3:7〜7:3の範囲が好ましい。
電解槽に供給される補給硫酸マンガン液中のマンガンイオン濃度に限定はないが、例えば、25〜60g/Lが例示できる。
本発明の電解二酸化マンガンの製造は、硫酸−硫酸マンガン混合溶液中にマンガン酸化物粒子を連続的に混合する、所謂、懸濁電解法により行うこともできる。
本発明の電解二酸化マンガンの製造は、1回の電解で充分な電着量を得るため、電解日数は18日以上とすることが好ましい。電解日数は生産性との兼ね合いから、18日以上40日以下がより好ましく、19日以上35日以下がさらに好ましい。
本発明の電解二酸化マンガンをアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用する方法には特に制限はなく、周知の方法で添加物と混合して正極合剤として用いることができる。例えば、電解二酸化マンガンに導電性を付与するためのカーボン、電解液等を加えた混合粉末を調製し、円盤状またはリング状に加圧成型した粉末成型体として電池正極とすることができる。
本発明の電解二酸化マンガンは、アルカリ乾電池の正極材料として用いた場合に導電性とハイレート放電特性に優れる。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<電解二酸化マンガンの粒度構成の測定方法>
電解二酸化マンガンの粒度構成の測定は以下の方法に従い測定した。電解二酸化マンガン0.03gを純水20mlに投入し、超音波照射により分散スラリーを調製し、粒度分布測定装置(MICROTRAC HRA、日機装製)にて体積頻度分布の測定を行った。この時、凝集状態にある1μm以下の微粒子を分散して正確な量を測定するために、必ず超音波照射等の分散処理を行う必要がある。分散処理を行わないと微粒子が凝集したままの状態で測定されるため微粒子の量が正確に測定できない。また、体積頻度分布を算出する際には、非球形近似で粒度分布測定装置に設定されている測定用の101チャンネルに合わせた101区間(704.00、645.60、592.00、542.90、497.80、456.50、418.60、383.90、352.00、322.80、296.00、271.40、248.90、228.20、209.30、191.90、176.00、161.40、148.00、135.70、124.50、114.10、104.70、95.96、88.00、80.70、74.00、67.86、62.23、57.06、52.33、47.98、44.00、40.35、37.00、33.93、31.11、28.53、26.16、23.99、22.00、20.17、18.50、16.96、15.56、14.27、13.08、12.00、11.00、10.09、9.25、8.48、7.78、7.13、6.54、6.00、5.50、5.04、4.63、4.24、3.89、3.57、3.27、3.00、2.75、2.52、2.31、2.12、1.95、1.78、1.64、1.50、1.38、1.26、1.16、1.06、0.97、0.89、0.82、0.75、0.69、0.63、0.58、0.53、0.49、0.45、0.41、0.38、0.34、0.32、0.29、0.27、0.24、0.22、0.20、0.19、0.17、0.16、0.15、0.13、0.12/μm)で測定を行った。
<電解二酸化マンガンのアルカリ電位の測定>
電解二酸化マンガンのアルカリ電位は、40重量%KOH水溶液中で次のように測定した。
電解二酸化マンガン3gに導電剤としてカーボンを0.9g加えて混合粉体とし、この混合粉体に40%KOH水溶液4mlを加え、電解二酸化マンガンとカーボンとKOH水溶液の混合物スラリーとした。この混合物スラリーの電位を水銀/酸化水銀参照電極を基準として、電解二酸化マンガンのアルカリ電位を測定した。
<XRD測定による(110)面の半値幅(半価全幅:FWHM)の測定>
電解二酸化マンガンの2θが22±1°付近の回折線の半値幅(半価全幅:FWHM)は、X線回折装置(商品名:MXP−3,マックサイエンス社製)を使用して測定した。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、および測定範囲は2θとして5°〜80°の範囲で測定した。
<XRD測定による(110)/(021)の算出>
FWHMと同様にして得られたXRDパターンにおいて、2θが22±1°付近の回折線を(110)面に対応するピークとし、37±1°付近の回折線を(021)面に対応するピークとした。(110)面のピーク強度を(021)面のピーク強度で除することにより(110)/(021)を求めた。
<BET比表面積の測定>
電解二酸化マンガンのBET比表面積は、BET1点法の窒素吸着により測定した。測定装置にはガス吸着式比表面積測定装置(フローソーブIII,島津社製)を用いた。測定に先立ち、150℃で1時間加熱することで電解二酸化マンガンを脱気処理した。
<電解二酸化マンガンのJIS−pH>
電解二酸化マンガンのJIS−pHは、JIS K1467(塩化アンモニウム法)によって測定した。すなわち、一定量の塩化アンモニウム緩衝溶液に一定量の二酸化マンガンを入れ、上澄み液のpHを求める方法を用いた。
<正極合剤成型体の作製方法>
電解二酸化マンガンとグラファイトの重量比率を15:1で混合し少量の9N−KOH水溶液を噴霧した後、圧密解砕を行い正極合剤の顆粒を調製した。これを円筒形の金型(外径13mm、内径9mm)に所定量投入し1.9tonの荷重によりプレス成型を行い正極合剤の成型体を作製した。
<正極合剤成型体の圧縮強度測定>
正極合剤成型体を荷重測定器(イマダ、フォースメーター)にセットして、加圧しながら正極合剤が崩壊するまでの圧縮強度を測定した。
<ハイレート放電特性の評価>
前記の方法で作製した正極合剤成型体を用いて単三電池を作製し、ハイレート放電特性を評価した。評価は1A放電(ANSI規格放電:実施例1〜3、比較例1)または1.5W放電(ANSI規格放電:実施例4〜5、比較例2)でのパルス回数で求め、比較例1、比較例2の測定結果を100%とし、それぞれに対する相対値で求めた。
<電解二酸化マンガンの粉体抵抗の評価>
前記の方法で作製した単三電池を使用して交流インピーダンス法で電解二酸化マンガンの粉体抵抗を評価した。評価には交流インピーダンス測定装置(ECI1287A、FRA1255A、東陽テクニカ製)を用い、測定周波数120,000Hz〜0.1Hz、交流電圧±5mVで測定を行った。測定データの解析はナイキストプロットにより行い、半円弧成分の縦軸の虚数成分がゼロの時の横軸の抵抗を算出し、これを比較例1、比較例2の測定結果を100%とし、それぞれに対する相対値で電解二酸化マンガンの抵抗値を求めた。
実施例1
電解槽にマンガンイオン濃度45g/Lの補給硫酸マンガン液を供給し、電流密度0.55A/dm、電解槽の温度を96℃に保ちながら、電解初期と電解後半の硫酸濃度を36g/L、38g/Lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で4日、後半の硫酸濃度で11日、計15日間電解を行った。電解槽は、加温装置を有し、陽極としてチタン板、陰極として黒鉛板をそれぞれ向かい合うように懸垂せしめたものを用いた。
電解後、電着した板状の電解二酸化マンガンを純水にて洗浄後、マイクロビッカース硬度が400HV(JIS Z 2244)の硬度を有する原料を粉砕可能で、37kWのミルモーターを有するローラーミル(栗本式ローラーミル 42型、栗本鐵工所製)で粉砕して電解二酸化マンガンの粉砕物を得た。次に、この電解二酸化マンガンの粉砕物を水槽に入れて撹拌しながら、20重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そのスラリーのpHを2.5となるようにして中和処理を行った。次に、電解二酸化マンガンの水洗、ろ過分離、乾燥を行い、電解二酸化マンガンの粉末を得た。
上記の電解により得られた電解二酸化マンガンの粉末をジェットミル(シングルトラック・ジェットミル、セイシン企業製)でさらに粉砕し、最頻粒径がより小さい電解二酸化マンガンの粉末を得た。
この粉末と上記の粉末をそれぞれ25重量%と75重量%で混合し、純水を加え、スラリーとした後、20重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを4.0として撹拌した。その後、湿式分級により粒度構成を微調整して、電解二酸化マンガンを得た。
得られた電解二酸化マンガンの粒度構成、物性および性能を表1に示した。
Figure 2018076222
実施例2
実施例1において電流密度0.34A/dm、電解槽の温度を97℃に保ちながら、電解初期と電解後半の硫酸濃度を35g/L、52g/Lとなるように調整し、前半の硫酸濃度で18日、後半の硫酸濃度で6日、計24日間電解を行ったこと以外は実施例1と同様な電解を行い、電解後、電着した板状の電解二酸化マンガンを純水にて洗浄後、ローラーミルで粉砕して電解二酸化マンガンの粉砕物を得た。次に、この電解二酸化マンガンの粉砕物を水槽に入れて撹拌しながら、20重量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そのスラリーのpHを2.8となるようにして中和処理を行った。次に、電解二酸化マンガンの水洗、ろ過分離、乾燥を行い、電解二酸化マンガンを得た。
得られた電解二酸化マンガンの粒度構成、物性および性能を表1に示した。
実施例3
実施例2で得られた電解二酸化マンガンをジェットミル(シングルトラック・ジェットミル、セイシン企業製)でさらに粉砕し、最頻粒径がより小さい電解二酸化マンガン粉末を得た。この粉末と実施例2の粉末をそれぞれ20重量%と80重量%で乾式混合を行い、電解二酸化マンガンを得た。
得られた電解二酸化マンガンの粒度構成、物性および性能を表1に示した。
比較例1
実施例1と同様な方法で得られた、最頻粒径がより小さい電解二酸化マンガンの粉末を実施例1と同様な方法で湿式分級により粒度構成を微調整して、電解二酸化マンガンを得た。
得られた電解二酸化マンガンの粒度構成、物性および性能を表1に示した。
表1から実施例1〜3の製造条件で電解二酸化マンガンを製造することにより、比較例1に対して正極合剤とした際の粉体抵抗が低い粒度構成の電解二酸化マンガンを得ることができた。さらに、これら実施例1〜3の電解二酸化マンガンは比較例1に対して優れたハイレート放電特性を示すことがわかった。
実施例4
実施例1において、最頻粒径がより小さい電解二酸化マンガンの粉末と、ローラーミルで粉砕、中和処理を行った電解二酸化マンガンの粉末をそれぞれ15重量%と85重量%で混合したこと以外は、実施例1と同じ方法で電解二酸化マンガンを得た。
得られた電解二酸化マンガンの粒度構成、物性および性能を表2に示した。
Figure 2018076222
実施例5
実施例1において、ローラーミルで粉砕した粉から粒径の最も小さい部分を分取して、最頻粒径が1μm以下の微粒子を得た。この微粒子と、実施例1においてローラーミルで粉砕して得られた電解二酸化マンガンをそれぞれ10重量%と90重量%で混合した。
得られた電解二酸化マンガンの粒度構成、物性および性能を表2に示した。
比較例2
実施例1においてローラーミルで粉砕、中和処理の際、pHを2.5としたスラリーを撹拌、静置してスラリー内の粒子が完全に沈降する前に、上澄み液を一部除去することにより、未沈降の小粒子を選択的に取り除き、これをそのまま使用することで、電解二酸化マンガンを得た。
得られた電解二酸化マンガンの粒度構成、物性および性能を表2に示した。
表2から実施例4〜5の製造条件で電解二酸化マンガンを製造することにより、比較例2に対して正極合剤とした際の粉体抵抗が低い粒度構成の電解二酸化マンガンを得ることができた。さらに、これら実施例4〜5の電解二酸化マンガンは比較例2に対して優れたハイレート放電特性を示すことがわかった。
本発明の電解二酸化マンガンは特異的な粒度構成を有するため、正極合剤とした際の低い粉体抵抗と、放電特性、特にハイレート放電特性に優れたマンガン乾電池、特にアルカリマンガン乾電池の正極活物質として使用することができる。

Claims (6)

  1. 体積頻度分布における最頻粒径(A)と最頻粒径(A)の1/2高さの粒径幅(B)について、(B)/(A)の値が1.0より大きく2.0以下であることを特徴とする電解二酸化マンガン。
  2. 1μm以下の微粒子が1μmより大きい粒子の表面に凝集していることを特徴とする請求項1に記載の電解二酸化マンガン。
  3. 1μm以下の微粒子の量が5体積%以上30体積%以下であることを特徴とする請求項2に記載の電解二酸化マンガン。
  4. CuKα線を光源とするXRD測定による(110)面の半値幅が1.8°以上2.8°未満で、かつX線回折ピーク(110)/(021)のピーク強度比が0.70以上1.00以下であり、さらにJIS−pH(JIS K1467)が1.5以上5.0未満であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の電解二酸化マンガン。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の電解二酸化マンガンを含むことを特徴とする電池用正極活物質。
  6. 請求項5に記載の電池用正極活物質を含むことを特徴とする電池。
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