JP2011057524A - マンガン酸リチウムの製造方法及びそれに用いる二酸化マンガン - Google Patents

マンガン酸リチウムの製造方法及びそれに用いる二酸化マンガン Download PDF

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Abstract

【課題】
二次電池用の正極材料であるマンガン酸リチウムの原料として電解二酸化マンガンを用いた場合、二次電池の充放電サイクル特性が十分でなかった。
【解決手段】
硫黄濃度が2000ppm以上3500ppm以下、ナトリウム濃度が100ppm以上500ppm以下であり、BET比表面積が30m/g以上60m/g以下の電解二酸化マンガンとリチウム化合物を混合、焼成してマンガン酸リチウムを得る。電解二酸化マンガンは電流密度0.6A/dmを超え1.1A/dm以下、電解液組成のMn2+/HSO重量比が1.0以上4.0以下で電解し、粉砕、洗浄したものが用いられる。
【選択図】 図1

Description

本発明はリチウム二次電池用正極活物質等に使用されるマンガン複合酸化物の製造方法、及びそれに用いる二酸化マンガンに関するものである。
現在、リチウムイオン二次電池(LIB)の正極活物質として、主に使用されている層状岩塩型コバルト酸リチウムに変わる材料として、マンガンを主として含むスピネル構造マンガン酸リチウムが広く検討されている(非特許文献1)。
マンガン酸リチウムの特性は、その原料として用いられるマンガン酸化物の影響を大きく受ける。これまで、マンガン酸リチウムのマンガン原料として電解二酸化マンガン及びその熱処理品(特許文献1)、炭酸マンガン、化学法による二酸化マンガン、四酸化三マンガンなど(特許文献2〜4)が検討されているが、これらの中でも電解二酸化マンガン及びその熱処理品は、これを原料とすることで緻密でエネルギー密度の高いマンガン酸リチウムが得られること、さらに、資源面、安全性、および大量生産に向いていることから、マンガン酸リチウムの原料として高い可能性を有している。
電解二酸化マンガンをマンガン酸リチウム原料として使用するに際し、不純物、特に硫黄成分を含まないことが必要である。しかしながら、通常、電解二酸化マンガンは硫酸マンガン浴中での電解析出により生成されるため、電解析出後の不純物量、特に硫黄成分が非常に高く、それを低減することが必要であった。
硫酸根(硫黄)の少ない電解二酸化マンガンの製造方法として、前出の特許文献1では130A/m以上の高電密で電解した後、熱処理する方法が開示されている(特許文献1)。しかし、その様な電解二酸化マンガンを原料として用いたマンガン酸リチウムでは容量維持率が低いものであった。
リチウム化合物と混合する前に電解二酸化マンガンを高温で10時間以上処理する方法が開示されている(特許文献5)。しかしやはり短いサイクル使用(15サイクル)で既に充放電サイクル特性が下がるものであった。
これに加え、マンガン酸リチウムの製造方法において、マンガン原料である電解二酸化マンガンは粉砕、混合した後スプレー乾燥などにより造粒して用いられている(特許文献6)。そのため、粉砕が容易な高BET比表面積を有し、かつ、不純物の少ない電解二酸化マンガンが求められている。
このように、充放電サイクル特性に優れるマンガン酸リチウムが得られる電解二酸化マンガンは得られていなかった。
特開平06−150914号公報 特開2000−281347号公報 米国特許第2956860号公報 特開2004−292264号公報 特開平11−157841号公報 特開平10−172567号公報
M. M. Thackeray et al., J. Electrochem. Soc., 139, 363 (1992)
本発明の目的は、二次電池の充放電サイクル特性に優れたマンガン酸リチウムの原料として好適な電解二酸化マンガンを提供するものである。
本発明者らは、二次電池の正極材料として用いるマンガン酸リチウムの原料として用いられる電解二酸化マンガンについて鋭意検討した結果、特定の電解条件の下で製造した電解二酸化マンガンを用いて得られたマンガン酸リチウムでは、二次電池の正極材料として用いた際の充放電サイクル特性が著しく優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明のマンガン酸リチウムの原料として用いる電解二酸化マンガン(以下、「電解二酸化マンガン」という)について説明する。
電解二酸化マンガンは電流密度0.6A/dmを超え1.1A/dm以下、好ましくは0.8A/dm以上0.9A/dm以下の電解によって得られる。電流密度が0.6A/dm以下の場合、BET比表面積が低下し、その様な電解二酸化マンガンを用いたマンガン酸リチウムは二次電池の正極材料として用いた場合のサイクル維持率は低いものとなる。一方、電流密度が1.1A/dmを超える場合、BET比表面積が著しく大きな電解二酸化マンガンとなり、やはりサイクル維持率の低いマンガン酸リチウムしか得られない。さらに電流密度が1.1A/dmを超える場合、電解における電極基材の耐久性が劣化して安定して電析できなくなる。
電解液組成のMn2+/HSO重量比は1.0以上4.0以下であり、1.5以上2.2以下であることが好ましい。Mn2+/HSO重量比が1.0に満たない場合、BET比表面積が低下し、さらに電解二酸化マンガンの硫黄濃度が高くなる。一方、4.0を超える場合、二酸化マンガンが電解析出しない。
なお、電解液中のMn2+/HSO重量比は以下の式により求めた値である。
Mn=(C’F−Mn/0.90−C’H2SO4)×54.94
H2SO4=C’H2SO4×98.02
Mn2+/HSO重量比=CMn/CH2SO4
ここで、
C’F−Mn :補給液中のMn濃度(mol/L)
Mn :電解液中のMn濃度(g/L)
C’Mn :電解液中のMn濃度(mol/L)
H2SO4 :電解液中のHSO濃度(g/L)
C’H2SO4 :電解液中のHSO濃度(mol/L)
である。
電解液中の硫酸濃度は上記のMn2+/HSO重量比が満たされれば特に限定されないが、電解開始時から終了時まで20〜50g/Lとすることが例示できる。この場合、電解期間を通じての電解液中の硫酸濃度は一定でもよいが、変化させてもよい。なお、ここでいう硫酸濃度は、硫酸マンガンの2価の陰イオンは除くものである。
また電解における電解補給液のマンガン濃度は上記のMn2+/HSO重量比が満たされれば特に限定されないが、例えば、30〜60g/Lを例示できる。
電解温度は97℃以下が好ましく、93℃以下が特に好ましい。電解温度が97℃を超えると、得られる電解二酸化マンガンのBET比表面積が極度に大きくなりやすい。
電解後、得られた電解二酸化マンガンを粉砕して用いる。粉砕方法は、目的とする粒度が得られれば制限は無く、ジョークラッシャー、ミル粉砕などを使用することができる。
洗浄後の電解二酸化マンガンは、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属を含まない水溶液で中和することが好ましい。これにより、製造工程で使用する金属機器の腐食に由来する不純物の混入を防ぐことができる。また、アルカリ金属を含む水溶液で中和した場合、これらが不純物として電解二酸化マンガンに取込まれやすくなる。アルカリ金属を含まない水溶液としては、例えば、アンモニア水を使用することが好ましい。
電解二酸化マンガンの乾燥温度は、例えば、70〜90℃の温度が例示できる。
電解二酸化マンガンは、必要に応じて分級し、粒度調整を行うことが好ましい。
電解二酸化マンガンは、硫黄濃度が2000ppm以上3500ppm以下、ナトリウム濃度が100ppm以上500ppm以下であり、BET比表面積が30m/g以上60m/g以下である。
電解二酸化マンガンの硫黄濃度は2000ppm以上3500ppm以下、特に2500ppm以上3500ppm以下であることが好ましい。硫黄濃度が3500ppmを超えるものでは、リチウム化合物との混合前に二酸化マンガンからの硫黄除去が困難であり、得られるマンガン酸リチウムの充放電サイクル特性が低くなる。
電解二酸化マンガンのナトリウム濃度は100ppm以上500ppm以下であり、特に100ppm以上400ppm以下、さらに150ppm以上350ppm以下であることが好ましい。ナトリウム濃度が500ppmを超える場合、リチウム化合物との混合前に電解二酸化マンガン単体でのナトリウム除去が困難であり、得られるマンガン酸リチウムの充放電サイクル特性が低くなる。
電解二酸化マンガンのBET比表面積は30m/g以上60m/g以下、特に35m/g以上58m/g以下が好ましい。この範囲のBET比表面積の電解二酸化マンガンは硬度が低く、粉砕しやすく、粉砕による不純物の混入が避けられる。
電解二酸化マンガンの純度(特に硫酸根に由来する硫黄)とBET比表面積は主に電解条件に依存する。また同程度のBET比表面積を有する電解二酸化マンガンであったとしても、本発明の硫黄濃度、ナトリウム濃度が異なれば、それを用いたマンガン酸リチウム(他の因子、例えば異種金属ドープ等の影響がない場合)は本発明で得られる充放電サイクル特性は得られない。即ち、マンガン酸リチウムの原料が本発明の物性を満足するかどうかは、マンガン酸リチウムの充放電サイクル特性によって判断することができる。
電解二酸化マンガンの平均粒子径は1μm〜35μmが好ましく、特に1μm〜30μmであることが好ましい。平均粒子径が1μm未満では、電解二酸化マンガンの二次凝集が顕在化し、マンガン酸リチウムの粒径制御が困難となる。一方、粒径が35μmを超える場合にも、得られるマンガン酸リチウムの粒径が正極活物質層の厚みに対して大きくなりやすい。
電解二酸化マンガンは粉砕して用いることが好ましい。これにより、密度が高く、かつ、容量維持率の高いマンガン酸リチウムを得ることができる。
電解二酸化マンガンは、そのままマンガン酸リチウム用原料として使用できるが、適宜加熱処理して使用することもできる。加熱温度は200℃〜800℃が例示できる。加熱時間は、長時間の加熱を必要とせず、例えば1〜5時間が例示できる。また、加熱処理によって電解二酸化マンガンの全部又は一部をMnもしくはMnとして用いることもできる。
電解二酸化マンガンと反応させるリチウム化合物は特に制限はないが、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム等を例示することができる。
電解二酸化マンガンとリチウム化合物を反応させる前の混合方法は、両者が均一に混合できれば制限はないが、電解二酸化マンガンとリチウム化合物を単純に混合する方法や、電解二酸化マンガンとリチウム化合物と混合してスプレー乾燥などにより造粒する方法が例示できる。
電解二酸化マンガンとリチウム化合物は、焼成することによりマンガン酸リチウムを製造する。焼成条件は一般的な条件を適用することができ、例えば、有酸素雰囲気で700〜1000℃で焼成することが例示できる。
本発明の特性を損なわない範囲において、電解二酸化マンガンとリチウム化合物と共に、ニッケル、コバルト、アルミニウム等の金属化合物を添加してもよい。
本発明の方法で得られるマンガン酸リチウムは、結晶子径が300Å以上のものが好ましく、特に310Å以上のものが好ましい。結晶が十分に成長したマンガン酸リチウムであることにより、優れた充放電サイクル特性を達成することができる。
本発明の電解二酸化マンガンを原料としたマンガン酸リチウムは、リチウムイオン二次電池などの二次電池用正極活物質として用いることができる。
二次電池を構成する際、他の構成要素には制限がなく、一般に使用されている負極活物質、電解質、セパレーター等を使用することができ、例えば、負極活物質としては、金属リチウム並びにリチウムイオンまたはリチウムイオンを吸蔵放出可能な物質である、金属リチウム、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、リチウム/鉛合金および電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離することができる炭素材料等、電解質としては、カーボネート類、スルホラン類、ラクトン類、エーテル顆等の有機溶媒中にリチウム塩を溶解したものや、リチウムイオン導電性の固体電解質等、セパレーターとしては、ポリエチレンまたポリプロピレン製の微細多孔膜等を用いることができる。
本発明の電解二酸化マンガンを原料としたマンガン酸リチウムを正極活物質とすることで優れた充放電サイクル特性を有しており、後述の評価法による容量維持率が98.0%以上の高い充放電サイクル特性を有した二次電池を構成することができる。
本発明の方法で得られるマンガン酸リチウムは二次電池の正極材料として用いた場合、充放電サイクル特性が高いリチウムイオン二次電池となる。
電解二酸化マンガンのBET比表面積と不純物濃度との関係を示す図である。 電解二酸化マンガンの不純物濃度とマンガン酸リチウムの結晶子径との関係を示す図である。 電解二酸化マンガンの不純物濃度と容量維持率(充放電サイクル特性)との関係を示す図である。
次に、本発明を具体的な実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(平均粒子径)
電解二酸化マンガンもしくはマンガン酸リチウム0.5gを純水50mL中に投入し、10秒間超音波照射を行い調製した分散スラリーを、マイクロトラックHRA(HONEWELL製)に所定量投入し、レーザー回折法で体積分布の測定を行ない、平均粒径を求めた。
(結晶相の測定)
電解二酸化マンガンおよびマンガン酸リチウムを、一般的なX線回折装置(マックサイエンス社製MXP−3)を使用して測定した。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、および測定範囲は2θとして5°から80°の範囲で測定した。
(BET比表面積)
電解二酸化マンガンおよびマンガン酸リチウムのBET比表面積は、BET1点法の窒素吸着により測定した。なお、BET比表面積の測定に使用した試料は、BET比表面積の測定に先立ち、150℃で40分間加熱して脱気処理を行った。
(化学組成の測定)
電解二酸化マンガンおよびマンガン酸リチウムの化学組成はICP発光分析を用いて測定した。
(タップ密度の測定)
マンガン酸リチウムの粉体密度を調べるために、100mlのメスシリンダーにマンガン酸リチウムを30g充填し、200回タッピングを行った。タッピング後の充填体積を読み取り、この体積と充填したマンガン酸リチウムの重量からタップ密度を算出した。
(容量維持率の測定)
電池特性試験は以下に示した方法で行った。マンガン酸リチウムと導電剤のポリテトラフルオロエチレンとアセチレンブラックとの混合物(商品名:TAB−2)とを重量比で4:1の割合で混合し、1ton/cmの圧力でメッシュ(SUS316製)上にペレット状に成型した後、200℃で減圧乾燥し電池用正極を作製した。
得られた電池用正極と、金属リチウム箔(厚さ0.2mm)からなる負極、およびエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1mol/dmの濃度で溶解した電解液を用いて電池を構成した。作製した電池を用いて、定電流で電池電圧が4.2Vから3.0Vの間、室温下、0.4mA/cmで50回、充放電させた。10回目と50回目の放電容量(mAh/g)をそれぞれQ10、Q50とし、これらの比100×Q50/Q10(%)を容量維持率とした。
実施例1
電流密度を0.83A/dm、電解温度を93℃、電解補給液をマンガン濃度47g/lの硫酸マンガン液とし、電解液中の硫酸濃度が20g/lとなるように10日間電解した。電解液中のMn2+/HSO重量比は2.1であった。
電解析出した電解二酸化マンガンの塊をジェットミル粉砕した後、70℃の温水で1時間攪拌洗浄し、その後、10wt%アンモニア水で中和した。この際の電解二酸化マンガン/温水の重量比は1/10とした。80℃で十分に乾燥した後に、風力分級を行い平均粒子径が10μmの電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンは、結晶相がγ型の二酸化マンガン、BET比表面積は50m/g、化学組成がマンガン62wt%、硫黄2600ppm、ナトリウム290ppmであった。
前記電解二酸化マンガンと平均粒子径3.5μmの炭酸リチウムとを乾式混合し、(リチウム/マンガン)モル比=0.54となるように混合した。当該混合物100gをアルミナ坩堝に入れ、マッフル炉で空気中900℃、1日間焼成してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、311Åとなった。また、平均粒子径は9.6μmであり、容量維持率は98.4%であった。
実施例2
電流密度を0.61A/dm、電解温度を97℃、電解補給液をマンガン濃度47g/lの硫酸マンガン液とし、電解液中の硫酸濃度を32g/lとなるように17日間電解した。電解液中のMn2+/HSO重量比は1.1であった。
電解析出した電解二酸化マンガンの塊を実施例1と同様に処理して、平均粒子径10μmの電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンであった。また、BET比表面積は36m/g、化学組成はマンガン60wt%、硫黄3400ppm、ナトリウム290ppmであった。
次に、実施例1と同様に処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、302Åとなった。また、平均粒子径は9.5μmであり、容量維持率は98.1%であった。
実施例3
風力分級の際、電解二酸化マンガンの平均粒子径を3.5μmとした以外は実施例1と同様な方法で電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンであった。BET比表面積は56m/g、化学組成はマンガン60wt%、硫黄2300ppm、ナトリウム150ppmであった。
電解二酸化マンガンを実施例1と同様に処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、317Åとなった。また、平均粒子径は3.9μmであり、容量維持率は98.3%であった。
実施例4
風力分級の際、電解二酸化マンガンの平均粒子径を29μmとした以外は実施例1と同様な方法で電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンであった。BET比表面積は50m/g、化学組成はマンガン62wt%、硫黄2600ppm、ナトリウム290ppmであった。
電解二酸化マンガンを実施例1と同様に処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、325Åとなった。また、平均粒子径は29μmであり、容量維持率は98.0%であった。
実施例5
実施例1と同様な方法で得た電解二酸化マンガンをマッフル炉で空気中550℃、5時間熱処理した。
熱処理後の結晶相は三酸化二マンガン(Mn)であり、さらに、平均粒子径に変化はなかった。BET比表面積は35m/g、化学組成はマンガン68wt%、硫黄2700ppm、ナトリウム330ppmであった。
次に、実施例1と同様に処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、300Åとなった。また、平均粒子径は9.3μmであり、容量維持率は98.5%であった。
比較例1
電流密度を0.50A/dm、電解温度を97℃、電解補給液をマンガン濃度47g/lの硫酸マンガン液とし、電解液中の硫酸濃度が39g/lとなるように10日間電解した。電解液中のMn2+/HSO重量比は0.78であった。
電解析出した電解二酸化マンガンの塊をジェットミル粉砕した後、10wt%アンモニア水で中和、70℃の温水で1時間攪拌洗浄した。この際の電解二酸化マンガン/温水の重量比は1/10とした。80℃で十分に乾燥した後に、風力分級を行い、平均粒子径10μmの電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンであった。BET比表面積は28m/g、化学組成はマンガン59wt%、硫黄3900ppm、ナトリウム380ppmであった。
電解二酸化マンガンを実施例1と同様に処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、254Åとなった。また、平均粒子径は9.6μmであり、容量維持率は97.2%であった。
比較例2
中和処理の際の10wt%アンモニア水を10wt%水酸化ナトリウム水溶液にした以外は比較例1と同様に処理して電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの平均粒子径は10μmであり、結晶相がγ型の二酸化マンガンであった。BET比表面積は26m/g、化学組成はマンガン57wt%、硫黄3600ppm、ナトリウム3400ppmであった。
電解二酸化マンガンを実施例1と同様に処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、251Åとなった。また、平均粒子径は9.3μmであり、容量維持率は96.8%であった。
比較例3
中和処理の際の10wt%アンモニア水を1wt%水酸化ナトリウム水溶液にした以外は比較例1と同様に処理して電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの平均粒子径10μmであり、結晶相がγ型の二酸化マンガンであった。BET比表面積は28m/g、化学組成はマンガン57wt%、硫黄3600ppm、ナトリウム590ppmであった。
電解二酸化マンガンを実施例1と同様に処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。サブメインピークの400回折ピークについて半値幅を測定し、Scherer法によって結晶子径を算出したところ、279Åとなった。また、平均粒子径は9.6μmであり、容量維持率は96.9%であった。
以上の実施例1〜5及び比較例1〜3の結果を表1に示した。
Figure 2011057524
この表から明らかな様に、本発明の電解二酸化マンガンを原料として得られたマンガン酸リチウムマンガンを正極活物質として使用したリチウム二次電池の容量維持率が高く、充放電サイクル特性に優れている。
本願発明の電解二酸化マンガンは、BET比表面積が高く、かつナトリウム、硫黄濃度を抑制した電解二酸化マンガンであり、この電解二酸化マンガンを原料として高い充放電サイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を製造することが可能である。

Claims (5)

  1. 硫黄濃度が2000ppm以上3500ppm以下、ナトリウム濃度が100ppm以上500ppm以下であり、BET比表面積が30m/g以上60m/g以下の電解二酸化マンガンとリチウム化合物を混合、焼成することを特徴とするマンガン酸リチウムの製造方法。
  2. 電解二酸化マンガンが、電流密度0.6A/dmを超え1.1A/dm以下、電解液組成のMn2+/HSO重量比が1.0以上4.0以下の電解によることを特徴とする請求項1に記載のマンガン酸リチウムの製造方法。
  3. マンガン酸リチウムの結晶子径が300Å以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. さらにコバルト又はニッケルの化合物を混合する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 硫黄濃度が2000ppm以上3500ppm以下、ナトリウム濃度が100ppm以上500ppm以下であり、BET比表面積が30m/g以上60m/g以下の電解二酸化マンガン。
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