JP5593658B2 - 電解二酸化マンガン及びそれを用いたマンガン酸リチウムの製造方法 - Google Patents

電解二酸化マンガン及びそれを用いたマンガン酸リチウムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はリチウム二次電池用正極活物質の原料として優れた電解二酸化マンガンとその製造法、並びにそれを用いたマンガン酸リチウムの製造方法に関するものである。
現在、リチウムイオン二次電池(LIB)の正極活物質として、主に使用されている層状岩塩型コバルト酸リチウムに変わる材料として、マンガンを主として含むスピネル構造マンガン酸リチウムが広く検討されている(非特許文献1)。
マンガン酸リチウムの特性は、その原料として用いられるマンガン酸化物の影響を大きく受ける。これまで、マンガン酸リチウムのマンガン原料として電解二酸化マンガン及びその熱処理品(特許文献1)、炭酸マンガン、化学法による二酸化マンガン、四酸化三マンガンなど(特許文献2〜4)が検討されているが、これらの中でも電解二酸化マンガンは、緻密でエネルギー密度の高いマンガン酸リチウムが得られること、さらに、資源面、安全性、および大量生産に向いているため、マンガン酸リチウムの原料として高い可能性を有している。
しかし、電解二酸化マンガンは硫酸マンガン浴中での電解析出により生成されるため、電解析出後の不純物量、特に硫黄成分が非常に高いという問題を有していた。
電解二酸化マンガンの硫黄分を低減するため、電解二酸化マンガンを高温で10時間以上焼成する方法が提案されている(特許文献6)。しかし長時間高温で焼成した電解二酸化マンガンを用いた場合、充放電サイクル特性に優れたマンガン酸リチウムは得られていなかった。
また電解により低BET比表面積の電解二酸化マンガンを得、それをマンガン酸リチウムの原料に用いる方法が提案されている(特許文献7)。しかし、やはり得られるマンガン酸リチウムの充放電サイクル特性は十分ではなかった。
このように、添加物等を必要としない、通常の硫酸-硫酸マンガン浴による電解二酸化マンガンの製造方法では、低い不純物濃度、および、適切なBET比表面積を有するマンガン酸リチウム用原料としての電解二酸化マンガンは得られていなかった。
特開平06−150914号公報 特開2000−281347 米国特許第2956860号公報 特開2004−292264 特開平11−157841号公報 特許4179519号
M. M. Thackeray et al., J. Electrochem. Soc., 139, 363 (1992)
本発明の目的は、充放電サイクル特性に優れる二次電池の正極活物質であるマンガン酸リチウムの製造方法、及びその原料として用いる電解二酸化マンガンを提供するものである。
本発明者らは、マンガン酸リチウム用電解二酸化マンガンの製造方法について誠意検討した結果、高温で水熱処理した電解二酸化マンガンを原料として用いた場合、得られるマンガン酸リチウムを二次電池の正極活物質として用いた場合に充放電サイクル特性に優れることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
次に、本発明の電解二酸化マンガンについて説明する。
本発明の電解二酸化マンガンは、硫黄濃度が1500ppm以上3500ppm以下、ナトリウム濃度が100ppm以上500ppm以下であり、BET比表面積が10m/g以上30m/g未満、タップ密度が1.70cc/g以上である。
本発明の電解二酸化マンガンは、硫黄濃度が1500ppm以上3500ppm以下であり、1500ppm以上3000ppm以下が好ましく、特に1500ppm以上2500ppm以下が好ましい。硫黄濃度が3500ppmを超える場合、マンガン酸リチウムとした場合に充放電サイクル特性が低くなる。
本発明の電解二酸化マンガンは、ナトリウム濃度が100ppm以上500ppm以下であり、100ppm以上300ppm以下が好ましく、特に150ppm以上300ppm以下が好ましい。ナトリウム濃度が500ppmを超える場合、マンガン酸リチウムとした場合に充放電サイクル特性が低くなる。
本発明の電解二酸化マンガンは、BET比表面積が10m/g以上30m/g未満であり、10m/g以上28m/g以下が好ましい。BET比表面積が10m/g未満であるリチウム化合物との反応性が低下する。BET比表面積をこの範囲とすることで、マンガン酸リチウム用原料として使用した際の反応性が十分高められ、なおかつ、マンガン酸リチウムの充填性を損なうことがない。
本発明の電解二酸化マンガンは、タップ密度が1.70g/cc以上であり、特に1.80g/cc以上が好ましい。タップ密度が1.70g/cc未満であるとこれを原料として得られるマンガン酸リチウムの充填密度が低くなり、十分な電池特性が得られない。
本発明の電解二酸化マンガンの平均粒子径は1μm〜35μmであることが好ましく、特に好ましくは1μm〜30μmである。平均粒子径が1μmを下回る場合、電解二酸化マンガンの二次凝集が顕在化し、目標とする粒子径のマンガン酸リチウムが得られにくい。35μmを超えると、得られるマンガン酸リチウムの粒径が正極活物質層の厚みに対して大きくなりやすい。
本発明の電解二酸化マンガンの結晶性は特に限定されないが、β型、γ型或いはそれらの混合相が例示でき、特に少なくともβ型の結晶相を有することが好ましい。
電解二酸化マンガンでは、電解析出によって得られた結晶粒子中に十分に結晶成長していない微粒子(又はアモルファス成分)が含まれる。その様な電解二酸化マンガンを水の非存在下において高温で加熱すると、微粒子は結晶粒子の凝集を促進する一方で、電解二酸化マンガンの結晶成長を阻害する。本発明の電解二酸化マンガンでは、その様な微粒子が存在しないことが好ましい。
また、低いBET比表面積の電解二酸化マンガンでは細孔に含まれる硫酸根を取り除くことが困難であり、その様な硫酸根を高温加熱で除去した場合には、加熱による副次的な影響を受け、その様な二酸化マンガンを用いて得られたマンガン酸リチウムの電気化学特性が低下するという問題がある。本発明の電解二酸化マンガンは、細孔中の硫酸根を加熱によって除去する必要がないため、マンガン酸リチウムの原料として用いた際に電気化学的特性を損なうことがない。
次に、本発明の電解二酸化マンガンの製造法を説明する。
本発明の電解二酸化マンガンは、電解を電流密度0.2A/dm以下0.6A/dm以下で電析出したものであり、特に0.4A/dm以下0.6A/dm以下、さらに0.5A/dm以下0.6A/dm以下で行ったものが好ましい。電流密度が0.2A/dm未満では、生産性が低いだけでなく、BET比表面積が低くなり過ぎる。電流密度が0.6A/dmを上回る場合、得られる電解二酸化マンガンのBET比表面積が大きくなり過ぎる。
本発明の方法における、電解液中のMn2+/HSO重量比が0.5以上1.0以下であり、特に0.6以上0.8以下が好ましい。電解液中のMn2+/HSO重量比が0.5を下回る場合、二酸化マンガンが電析せず、Mn2+/HSO重量比が1.0を上回る場合、BET比表面積が大きくなり過ぎる。
なお、電解液中のMn2+/HSO重量比は以下の式により求めた値である。
Mn=(C’F−Mn/0.90−C’H2SO4)×54.94
H2SO4=C’H2SO4×98.02
Mn2+/HSO比=CMn/CH2SO4
ここで、
C’F−Mn :補給液中のMn濃度(mol/L)
Mn :電解液中のMn濃度(g/L)
C’Mn :電解液中のMn濃度(mol/L)
H2SO4 :電解液中のHSO濃度(g/L)
C’H2SO4 :電解液中のHSO濃度(mol/L)
である。
本発明の方法において、電解液中の硫酸濃度は上記のMn2+/HSO重量比が満たされれば特に限定されないが、電解開始時から終了時まで20〜50g/Lとすることが例示できる。この場合、電解期間を通じての硫酸濃度は一定としてもよいが、変化させてもよい。なお、ここでいう硫酸濃度は、硫酸マンガンの2価の陰イオンは除くものである。
本発明において補給液のマンガン濃度は上記のMn2+/HSO重量比が満たされれば特に限定されないが、例えば、電解液中の硫酸濃度とのバランスにより40〜60g/Lを例示できる。
本発明の方法において、電解温度は95℃以上が好ましく、96〜97℃が特に好ましい。電解温度が95℃未満であると、得られる電解二酸化マンガンの表面積が大きくなりやすい。
本発明の方法では、電解二酸化マンガンの電解析出後、得られた電解二酸化マンガンを粉砕して用いる。粉砕方法は、特に制限は無く、ジョークラッシャー、ミル粉砕などを使用することができる。
本発明の方法では、粉砕後の電解二酸化マンガンを水熱処理する。水熱処理は100℃以上200℃以下で行うことが好ましく、100℃を超えて200℃以下が特に好ましく、さらには150℃以上200℃以下であることが好ましい。100℃以上200℃以下で水熱処理することによりBET比表面積が低下し、不純物量、特に硫酸根が低減する。
水熱処理によるBET比表面積の低減は、前述した微粒子成分の除去(結晶化)だけでなく、主要な結晶粒子の結晶性や細孔構造の変化にも影響していると推定される。水熱処理温度は高い場合にβ型の結晶相が見られ易い。
本発明の方法では、水熱処理後に中和して用いるが、中和にはナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属を含まない水溶液を用いることが好ましい。例えば、アンモニア水を使用することが好ましい。
得られた電解二酸化マンガンは、例えば、70〜90℃の温度で乾燥する。また、必要に応じて分級し、電解二酸化マンガンの粒度調整を行うことができる。
本発明の電解二酸化マンガンは、リチウム化合物と混合、焼成することで二次電池の正極活物質として用いた際に充放電サイクル特性に優れるマンガン酸リチウムを得ることができる。
本発明の電解二酸化マンガンは、そのままマンガン酸リチウム用原料として使用できるが、本発明で得られる効果を損なうことのない範囲で加熱処理を施してもよい。
マンガン酸リチウムの製造は、上記の電解二酸化マンガンとリチウム化合物と混合、焼成するが、用いるリチウム化合物には特に制限はなく、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム等を例示することができる。
電解二酸化マンガンとリチウム化合物との混合方法は、両者が均一に混合できれば制限はないが、電解二酸化マンガンを微細化した後にリチウム化合物と混合して、スプレー乾燥などにより造粒する製造方法や、予め粒子制御されて調製された電解二酸化マンガンとリチウム化合物を混合し、電解二酸化マンガンの形骸を保ったままマンガン酸リチウム粒子とする方法などを使用することができる。
本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の電解二酸化マンガンをさらに加熱処理し、MnもしくはMnなどの他のマンガン酸化物に一部又は全部を転化して用いてもよい。
本発明の方法では混合後、一般的な条件で焼成してマンガン酸リチウムを製造することができる。例えば、大気中(酸素含有)雰囲気中で700〜1000℃で焼成すればよい。
本発明の電解二酸化マンガンを原料としたマンガン酸リチウムは、リチウムイオン二次電池などの二次電池の正極活物質として用いることができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、電解二酸化マンガンとリチウム化合物と共に、ニッケル、コバルト、アルミニウム等の金属化合物を添加してもよい。
二次電池を構成する際、他の構成要素には制限がなく、一般に使用されている負極活物質、電解質、セパレーター等を使用することができ、例えば、負極活物質としては、金属リチウム並びにリチウムイオンまたはリチウムイオンを吸蔵放出可能な物質である、金属リチウム、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、リチウム/鉛合金および電気化学的にリチウムイオンを挿入・脱離することができる炭素材料等、電解質としては、カーボネート類、スルホラン類、ラクトン類、エーテル顆等の有機溶媒中にリチウム塩を溶解したものや、リチウムイオン導電性の固体電解質等、セパレーターとしては、ポリエチレンまたポリプロピレン製の微細多孔膜等を用いることができる。
本発明の電解二酸化マンガンを原料としたマンガン酸リチウムを正極活物質とすることで優れた充放電サイクル特性を有しており、後述の評価法による容量維持率が98.0%以上の高い充放電サイクル特性を有した二次電池を構成することができる。
本発明の製造方法では、BET比表面積が低く、かつナトリウム、硫黄濃度を抑制した電解二酸化マンガンが得られる。これにより特別な不純物除去作業を経ずに、好ましいマンガン酸リチウム用原料とすることができる。
電解二酸化マンガンのBET比表面積の洗浄温度依存性を示す図である。 電解二酸化マンガンの不純物濃度の洗浄温度依存性を示す図である。 電解二酸化マンガン及び熱処理品の不純物濃度と容量維持率(充放電サイクル特性)との関係を示す図である。 電解二酸化マンガン及び熱処理品のBET比表面積とマンガン酸リチウムのタップ密度との関係を示す図である。
次に、本発明を具体的な実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(平均粒子径)
電解二酸化マンガンおよびマンガン酸リチウム0.5gを純水50mL中に投入し、10秒間超音波照射を行い調製した分散スラリーを、マイクロトラックHRA(HONEWELL製)に所定量投入し、レーザー回折法で体積分布の測定を行ない、平均粒径を求めた。
(結晶相の測定)
電解二酸化マンガンおよびマンガン酸リチウムを、一般的なX線回折装置(マックサイエンス社製MXP−3)を使用して測定した。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、および測定範囲は2θとして5°から80°の範囲で測定した。
(BET比表面積)
電解二酸化マンガンおよびマンガン酸リチウムのBET比表面積は1点法の窒素吸着により測定した。なお、BET比表面積の測定に使用した試料は、BET比表面積の測定に先立ち、150℃で40分間加熱して脱気処理を行った。
(化学組成の測定)
電解二酸化マンガンおよびマンガン酸リチウムの化学組成はICP発光分析を用いて測定した。
(タップ密度の測定)
マンガン酸リチウムの粉体密度を調べるために、100mlのメスシリンダーにマンガン酸リチウムを30g充填し、200回タッピングを行った。タッピング後の充填体積を読み取り、この体積と充填したマンガン酸リチウムの重量からタップ密度を算出した。
(容量維持率の測定)
電池特性試験を以下に示した方法で行い、充放電サイクル特性として容量維持率を測定した。マンガン酸リチウムと導電剤のポリテトラフルオロエチレンとアセチレンブラックとの混合物(商品名:TAB−2)とを重量比で4:1の割合で混合し、1ton/cmの圧力でメッシュ(SUS316製)上にペレット状に成型した後、200℃で減圧乾燥し電池用正極を作製した。
得られた電池用正極と、金属リチウム箔(厚さ0.2mm)からなる負極、およびエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1mol/dmの濃度で溶解した電解液を用いて電池を構成した。作製した電池を用いて、定電流で電池電圧が4.2Vから3.0Vの間、室温下、0.4mA/cmで50回、充放電させた。10回目と50回目の放電容量(mAh/g)をそれぞれQ10、Q50とし、これらの比を100×Q50/Q10(%)で算出したものを容量維持率とした。
実施例1
電流密度を0.50A/dm、電解温度を96℃、電解補給液をマンガン濃度47g/lの硫酸マンガン液とし、電解液中の硫酸濃度が37g/lとなるように17日間電解した。電解液中のMn2+/HSO重量比は0.64であった。
電解析出した電解二酸化マンガンの塊をジェットミル粉砕した後、純水を用いて150℃で3時間水熱処理し、その後、10wt%アンモニア水で中和した。水熱処理の際の電解二酸化マンガン/温水の重量比は1/10とした。ろ過分離後、80℃で十分に乾燥した後に風力分級を行ない、平均粒子径10μmの電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンが主相であり、β型の二酸化マンガンを副相として含む混合相であった。また、BET比表面積は22m/g、化学組成はマンガン59wt%、不純物含有量は硫黄2100ppm、ナトリウム230ppm、タップ密度は1.78g/ccであった。
なお、水熱処理前の電解二酸化マンガンのBET比表面積は26m/g、化学組成は、マンガン59wt%、硫黄3800ppm、ナトリウム220ppmであり、水熱処理によりBET比表面積が変化し、不純物量が低減した。
次に、得られた電解二酸化マンガンを用いて、以下の方法でマンガン酸リチウムを製造した。
電解二酸化マンガンと平均粒子径3.5μmの炭酸リチウムとを乾式混合し、(リチウム/マンガン)モル比=0.54となるように混合物とした。当該混合物100gをアルミナ坩堝に入れ、マッフル炉で空気中900℃、1日間焼成してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムの化学組成は(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全てのX線回折ピークがスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。また、平均粒子径は10μm、BET比表面積は0.9m/g、タップ密度は1.95g/ccであり、容量維持率は98.0%であった。
実施例2
電流密度を0.57A/dm、電解温度を97℃、電解補給液をマンガン濃度47g/lの硫酸マンガン液とし、硫酸濃度を39g/lとなるように17日間電解した。電解液中のMn2+/HSO重量比は0.78であった。
電解後、水熱処理温度を200℃とした以外は実施例1と同様な方法で処理し、平均粒子径10μmの電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はβ型の二酸化マンガンが主相であり、BET比表面積は18m/g、化学組成はマンガン59wt%、硫黄1800ppm、ナトリウム200ppm、タップ密度は1.93g/ccであった。
なお、水熱処理前の電解二酸化マンガンのBET比表面積は26m/g、化学組成は、マンガン59wt%、硫黄3600ppm、ナトリウム230ppmであった。
次に、得られた電解二酸化マンガンを実施例1と同様な方法で処理してマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは、(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。また、平均粒子径は10μm、BET比表面積は0.7m/g、タップ密度は1.86g/ccであり、容量維持率は98.2%であった。
実施例3
水熱処理温度を100℃で3時間とした以外は実施例1と同様に処理して電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンであった。BET比表面積は24m/g、平均粒子径は11μm、化学組成はマンガン60wt%、硫黄3400ppm、ナトリウム280ppm、タップ密度は1.74g/ccであった。
次に、得られた電解二酸化マンガンを用いて、実施例1と同様な方法でマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムについて化学組成分析を行った結果、(リチウム/マンガン)モル比は0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。また、平均粒子径は10μm、BET比表面積は1.0m/g、タップ密度は1.76g/ccであり、容量維持率は98.1%であった。
実施例4
風力分級の際、電解二酸化マンガンの平均粒子径を30μmとした以外は実施例1と同様な方法で電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンが主相であり、β型の二酸化マンガンを副相として含む混合相であった。また、BET比表面積は24m/g、化学組成はマンガン60wt%、硫黄2300ppm、ナトリウム290ppm、タップ密度は1.93g/ccであった。
次に、得られた電解二酸化マンガンを用いて、実施例1と同様な方法でマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは、BET比表面積は0.6m/g、平均粒子径は28μm、タップ密度は2.02g/ccであり、容量維持率は98.0%であった。
実施例5
風力分級の際、電解二酸化マンガンの平均粒子径を2.2μmとした以外は実施例1と同様な方法で電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はβ型の二酸化マンガンが主相であり、γ型の二酸化マンガンを副相として含む混合相であった。BET比表面積は23m/g、化学組成はマンガン59wt%、硫黄2100ppm、ナトリウム230ppm、タップ密度は1.70g/ccであった。
次に、得られた電解二酸化マンガンを用いて、実施例1と同様な方法でマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは、BET比表面積が1.1m/g、平均粒子径が2.8μm、タップ密度が1.74g/ccであり、容量維持率は98.5%であった。
実施例6
実施例1と同様な方法で得られた電解二酸化マンガンを空気中550℃で5時間熱処理した。
熱処理後の結晶相は三酸化二マンガン(Mn;Bixbite)単一相であり、BET比表面積は20m/g、平均粒子径は9.5μm、化学組成はマンガン67wt%、硫黄2100ppm、ナトリウム250ppm、タップ密度は2.09g/ccであった。
次に、実施例1と同様な方法でマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは、BET比表面積は0.5m/g、平均粒子径は10μm、タップ密度は2.05g/ccであり、容量維持率は98.5%であった。
実施例7
実施例1と同様な方法で得られた電解二酸化マンガンを空気中800℃で3時間熱処理した。
熱処理後の結晶相は、四酸化三マンガン(Mn;Hausmannite)単一相であり、BET比表面積は10m/g、平均粒子径は10μm、化学組成はマンガン71wt%、硫黄1900ppm、ナトリウム130ppm、タップ密度は2.06g/ccであった。
次に、実施例1と同様な方法でマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムは、BET比表面積は0.5m/g、平均粒子径は11μm、タップ密度は2.04g/ccであった。また、容量維持率は98.0%であった。
比較例1
水熱処理温度する代わりに65℃で温水洗浄し、3時間攪拌処理した以外は実施例1と同様に電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンであり、BET比表面積は27m/g、平均粒子径は10μm、化学組成はマンガン58wt%、硫黄3800ppm、ナトリウム330ppm、タップ密度は1.70g/ccであった。
次に、得られた電解二酸化マンガンを用いて実施例1と同様な方法でマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムの化学組成は(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。平均粒子径は10μm、BET比表面積は0.8m/g、タップ密度は1.69g/ccであり、容量維持率は97.1%であった。
比較例2
電流密度を0.83A/dm、電解温度を93℃、電解補給液をマンガン濃度47g/lの硫酸マンガン液とし、硫酸濃度を20g/lとなるように10日間電解した。電解液中のMn2+/HSO重量比は2.1であった。電解析出した電解二酸化マンガンの塊をジェットミル粉砕した後、10wt%アンモニア水で中和後、70℃の温水で1時間攪拌洗浄した。この際の電解二酸化マンガン/温水の重量比は1/10とした。80℃で十分に乾燥した後に、風力分級を行い、マイクロトラック法で平均粒子径3.5μmの電解二酸化マンガンを製造した。
得られた電解二酸化マンガンの結晶相はγ型の二酸化マンガンであった。また、BET比表面積は57m/g、化学組成はマンガン60wt%、硫黄2800ppm、ナトリウム290ppm、タップ密度は1.54g/ccであった。
次に、得られた電解二酸化マンガンを用いて、実施例1と同様な方法でマンガン酸リチウムを製造した。
得られたマンガン酸リチウムの化学組成は(リチウム/マンガン)モル比=0.53であった。また、結晶相はスピネル相単一相であり、なおかつ、全ての回折ピークはスピネル構造(空間群:Fd3−m)で指数付け可能であり、副生相に由来するピークはみられなかった。平均粒子径は4.0μm、BET比表面積は1.9m/g、タップ密度は1.36g/ccであり、容量維持率は98.2%であった。
実施例1〜7及び比較例1〜2の結果を表1に示した。
Figure 0005593658
この表から明らかな様に、本願発明の電解二酸化マンガンを原料として得られたマンガン酸リチウムマンガンを正極活物質として使用したリチウム二次電池は容量維持率が高く、充放電サイクル特性に優れている。
本願発明の電解二酸化マンガンを用いて製造したマンガン酸リチウムは高い充放電サイクル特性を有する二次電池の正極活物質として使用できる。

Claims (2)

  1. 電流密度0.2A/dm以上0.6A/dm以下、電解液組成のMn2+/HSO重量比が0.5以上1.0以下で電解して得られた電解二酸化マンガンを、100℃以上200℃以下で水熱処理後、中和処理することを特徴とする、硫黄濃度が1500ppm以上3500ppm以下、ナトリウム濃度が100ppm以上500ppm以下、BET比表面積が10m/g以上30m/g未満、タップ密度が1.70g/ml以上の電解二酸化マンガンの製造方法。
  2. β型二酸化マンガンの結晶相を含んでなる請求項1に記載の電解二酸化マンガンの製造方法。
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