JP2013180917A - ニッケル含有水酸化物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】二次粒子の粒径が大きなニッケル含有水酸化物を工業的に有利に製造する方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)
Ni1−x−yMxM’y(OH)2 (1)
(式中、MはMg、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素を示し、M’はAl、Zn及びSnから選ばれる1種又は2種上の元素を示す。xは0≦x≦0.99、yは0≦y≦0.20を示し、但しx+y<1を示す。)で表されるニッケル含有水酸化物の製造方法であって、
グリシン、Ni源及び必要により添加されるM源とを含有する水溶液(A液)、アルカリ化合物と必要により添加されるM’源を含有するアルカリ水溶液(B液)とを、グリシン溶液(C液)へ添加し、中和反応を行う中和工程を有することを特徴とするニッケル含有水酸化物の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(1)
Ni1−x−yMxM’y(OH)2 (1)
(式中、MはMg、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素を示し、M’はAl、Zn及びSnから選ばれる1種又は2種上の元素を示す。xは0≦x≦0.99、yは0≦y≦0.20を示し、但しx+y<1を示す。)で表されるニッケル含有水酸化物の製造方法であって、
グリシン、Ni源及び必要により添加されるM源とを含有する水溶液(A液)、アルカリ化合物と必要により添加されるM’源を含有するアルカリ水溶液(B液)とを、グリシン溶液(C液)へ添加し、中和反応を行う中和工程を有することを特徴とするニッケル含有水酸化物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ニッケル含有水酸化物、特に、リチウム二次電池正極活物質用のリチウムニッケル複合酸化物の製造原料として好適に用いられるニッケル含有水酸化物、及びその製造方法に関するものである。
従来、リチウム二次電池の正極活物質として、コバルト酸リチウムが用いられてきた。しかし、コバルトは希少金属であるため、コバルトの含有率が低いリチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物等のニッケルを主体としたリチウムニッケル複合酸化物等が開発されている。
近年は、リチウム二次電池の高容量化の要求から、高容量化が可能なリチウム二次電池用のニッケル酸リチウム系の複合酸化物が必要となっている。
リチウム二次電池を高容量化するための手法としては、リチウムニッケル複合酸化物の粒径を10〜35μm程度と大きくすることにより、タップ密度を高くして、体積当たりの電池の容量を高くする方法が考えられる。
粒径の大きなニッケル含有水酸化物の製造方法としては、例えばニッケル及び必要により添加される金属元素を含む水溶液と、アルカリ水溶液とを、錯化剤の存在下にオーバーフローさせながら反応を行って製造する方法等が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
しかしながら、従来の方法では、粒径を大きくするのに、通常は9時間以上、長時間反応を行わなければならず、工業的に有利でない。
従って、本発明の目的は、二次粒子の粒径が大きなニッケル含有水酸化物を工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ニッケル源及び必要により添加されるM源を溶解させた水溶液(A液)とアルカリ化合物及び必要により添加されるM’源を溶解させたアルカリ水溶液(B液)との中和反応において、A液として、グリシンを存在させた水溶液を用い、且つ、A液とB液とをグリシン水溶液(C液)へ添加することにより中和反応を行えば、比較的に短時間で二次粒子の平均粒子径が10μm以上のニッケル含有水酸化物が得られることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明(1)は、下記一般式(1)
Ni1−x−yMxM’y(OH)2 (1)
(式中、MはMg、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素を示し、、M’はAl、Zn及びSnから選ばれる1種又は2種上の元素を示す。xは0≦x≦0.99、yは0≦y≦0.20を示し、但しx+y<1を示す。)で表されるニッケル含有水酸化物の製造方法であって、
グリシン、Ni源及び必要により添加されるM源とを含有する水溶液(A液)、アルカリ化合物及び必要により添加されるM’源とを含有するアルカリ水溶液(B液)とを、グリシン溶液(C液)へ添加し、中和反応を行う中和工程を有することを特徴とするニッケル含有水酸化物の製造方法を提供するものである。
Ni1−x−yMxM’y(OH)2 (1)
(式中、MはMg、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素を示し、、M’はAl、Zn及びSnから選ばれる1種又は2種上の元素を示す。xは0≦x≦0.99、yは0≦y≦0.20を示し、但しx+y<1を示す。)で表されるニッケル含有水酸化物の製造方法であって、
グリシン、Ni源及び必要により添加されるM源とを含有する水溶液(A液)、アルカリ化合物及び必要により添加されるM’源とを含有するアルカリ水溶液(B液)とを、グリシン溶液(C液)へ添加し、中和反応を行う中和工程を有することを特徴とするニッケル含有水酸化物の製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、本発明(1)の製造方法を行い得られるニッケル含有水酸化と、リチウム化合物とを混合する粒子混合工程、次いで得られる混合物を焼成する焼成反応工程を有することを特徴とするリチウムニッケル複合酸化物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、二次粒子の平均粒子径が10μm以上と大きいニッケル含有水酸化物を工業的に有利な方法で提供できる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の製造方法を行って得られるニッケル含有水酸化物は、下記一般式(1)で表されるものである。
Ni1−xーyMxM’y(OH)2 (1)
一般式(1)の式中のM及びM’は、必要により添加される元素であり、MはMg、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素が挙げられる。また、M’はAl、Zn及びSnから選ばれる1種又は2種以上の元素が挙がられる。これらのうち、M及びM’は、特にCo、Mnが該ニッケル含有水酸化物から得られるリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池が十分な容量と作動電圧が得られる観点から好ましい。
また、一般式(1)の式中のxは0以上0.99以下、好ましくは0.01以上0.90以下である。yは0以上0.99以下、好ましくは0以上0.20以下である。
本製造方法で、特に好ましいニッケル含有水酸化物は、例えば、Ni(OH)2、Ni1/3Co1/3Mn1/3(OH)2、Ni0.5Co0.2Mn0.3(OH)2、Ni0.6Co0.2Mn0.2(OH)2、Ni0.8Co0.1Mn0.1(OH)2、Ni0.25Mn0.75(OH)2、Ni0.90Co0.10(OH)2、Ni0.80Co0.15Al0.05(OH)2等が挙げられる。
本発明の製造方法を行って得られるニッケル含有水酸化物は、下記一般式(1)で表されるものである。
Ni1−xーyMxM’y(OH)2 (1)
一般式(1)の式中のM及びM’は、必要により添加される元素であり、MはMg、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素が挙げられる。また、M’はAl、Zn及びSnから選ばれる1種又は2種以上の元素が挙がられる。これらのうち、M及びM’は、特にCo、Mnが該ニッケル含有水酸化物から得られるリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いたリチウム二次電池が十分な容量と作動電圧が得られる観点から好ましい。
また、一般式(1)の式中のxは0以上0.99以下、好ましくは0.01以上0.90以下である。yは0以上0.99以下、好ましくは0以上0.20以下である。
本製造方法で、特に好ましいニッケル含有水酸化物は、例えば、Ni(OH)2、Ni1/3Co1/3Mn1/3(OH)2、Ni0.5Co0.2Mn0.3(OH)2、Ni0.6Co0.2Mn0.2(OH)2、Ni0.8Co0.1Mn0.1(OH)2、Ni0.25Mn0.75(OH)2、Ni0.90Co0.10(OH)2、Ni0.80Co0.15Al0.05(OH)2等が挙げられる。
本発明のニッケル含有水酸化物の製造方法は、グリシン、Ni源及び必要により添加されるM源とを含有する水溶液(A液)、アルカリ化合物及び必要により添加されるM’源とを含有するアルカリ水溶液(B液)とを、グリシン溶液(C液)へ添加し、中和反応を行う中和工程を有することを特徴とするものである。
本発明のニッケル含有水酸化物の製造方法に係る中和工程は、A液とB液とをC液へ添加することにより、A液中のニッケル源及び必要により添加するM源とB液中のアルカリ化合物及び必要により添加するM’源とをC液中で反応させる工程である。
A液は、グリシン(NH2CH2COOH)、Ni源及び必要により添加されるM源を含有する水溶液である。そして、A液は、グリシン、Ni源及び必要により添加されるM源を、水に溶解させることにより、調製される。
A液に係るNi源としては、特に制限されず、ニッケルの塩化物、硝酸塩、硫酸塩等が挙げられ、これらのうち、塩素による不純物混入の無い硫酸塩が好ましい。
A液に係る必要により添加するM源は、M元素を含有する化合物である。M源としては、特に制限されず、M元素を含有する塩化物、硝酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
A液中のNi源及び必要に添加するM源の濃度は、Ni源中のNi原子とM源中のM原子の原子換算の合計のモル数で、1.0〜2.2モル/L、好ましくは1.5〜2.0モル/Lである。
A液中のNi源及び必要により添加されるM源の濃度が、上記範囲にあることにより、生産性が良好となり、且つ、A液からのNi源及び必要により添加されるM源の析出が起こり難くなる。一方、A液中のNi源及び必要により添加されるM源が、上記範囲未満だと、生産性が低くなり易く、また、上記範囲を超えると、A液からNi源及び必要により添加するM源が析出しやすくなる。
A液中のNi源及び必要により添加されるM源の濃度が、上記範囲にあることにより、生産性が良好となり、且つ、A液からのNi源及び必要により添加されるM源の析出が起こり難くなる。一方、A液中のNi源及び必要により添加されるM源が、上記範囲未満だと、生産性が低くなり易く、また、上記範囲を超えると、A液からNi源及び必要により添加するM源が析出しやすくなる。
A液中のグリシンの含有量は、Ni源中のNi原子及び必要により添加するM源中のM原子の原子換算の合計のモル数(Ni+M)に対するするグリシンのモル比(グリシン/(Ni+M))で、0.010〜0.300、好ましくは0.050〜0.200である。
なお、グリシンの含有量を上記範囲にする理由は、グリシンのモル比(グリシン/(Ni+M))が0.010未満ではニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さくなり易く、また凝集性が弱くなり、二次粒子が崩れやすくなる傾向があり、一方、グリシンのモル比(グリシン/(Ni+M))が0.300を超えると未反応のNiイオン及び必要により添加するM元素イオン、M’元素イオンが一部反応液中に残るため、生産性が低くなり易い傾向があるからである。
なお、グリシンの含有量を上記範囲にする理由は、グリシンのモル比(グリシン/(Ni+M))が0.010未満ではニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さくなり易く、また凝集性が弱くなり、二次粒子が崩れやすくなる傾向があり、一方、グリシンのモル比(グリシン/(Ni+M))が0.300を超えると未反応のNiイオン及び必要により添加するM元素イオン、M’元素イオンが一部反応液中に残るため、生産性が低くなり易い傾向があるからである。
B液は、アルカリ水溶液である。そして、B液は、アルカリ化合物とM’源を水に溶解させることにより、調製される。
B液に係るアルカリ化合物としては、特に制限されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられ、これらのうち、工業的に安価である点で、水酸化ナトリウムが好ましい。
また、B液に係る必要により添加するM’源は、M’元素を含有する化合物である。M’元素は両性元素であり、用いることが出来るM’源としては、M’元素を含有する水酸化物、酸化物、M’元素の金属酸塩、M’元素の金属単体等が挙げられる。
必要により添加するM’源の濃度は、M’源中のM’原子としての濃度で、0.01〜0.40モル/L、好ましくは0.05〜0.30モル/Lである。
必要により添加するM’源の濃度は、M’源中のM’原子としての濃度で、0.01〜0.40モル/L、好ましくは0.05〜0.30モル/Lである。
B液中の水酸化物イオンの濃度及びC液に添加するアルカリの総量は、A液中のNiイオン及び必要により添加するM元素イオンの濃度及び総量により、適宜選択される。
B液中のアルカリ化合物及び必要により添加するM’源の濃度は、B液中の総水酸化物イオンの濃度が、好ましくは15〜40モル/L、特に好ましくは15〜25モル/Lとなるように調製する。
なお、A液及びB液は、Ni源中のNi原子、M源中のM原子及びM’源中のM’原子のモル比が、所望とする一般式(1)で表されるニッケル含有水酸化物のNi原子、M原子及びM’原子のモル比に合わせてA液中のNi源、M源及びB液中のM’源の配合比を調製することが望ましい。
C液は、グリシン水溶液である。そして、C液は、グリシンを水に溶解させることにより、調製される。
中和工程において、A液とB液とをC液へ添加している間の反応液(C液)中のグリシン濃度は、好ましくは0.010〜0.350モル/L、特に好ましくは0.030〜0.070モル/Lである。つまり、中和工程において、反応前のC液中のグリシン濃度及び中和反応中の反応液(C液)のグリシン濃度が、好ましくは0.010〜0.350モル/L、特に好ましくは0.030〜0.070モル/Lとなるように、反応前のC液中のグリシン濃度及びA液中のグリシン濃度を調節する。A液とB液とをC液へ添加している間の反応液(C液)中のグリシン濃度が、上記範囲にあることにより、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が大きくなり易くなる。一方、A液とB液とをC液へ添加している間の反応液(C液)中のグリシン濃度が、上記範囲未満だと、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さくなり易く、また凝集性が弱くなり、二次粒子が崩れやすくなり、また、上記範囲を超えると、未反応のNiイオン及び必要により添加するM元素イオン、M’元素イオンが一部反応液中に残るため、生産性が低くなり易い。
A液及びB液のC液への添加量は、A液中の原子換算のNi源中のNi原子及び必要により添加するM源中のM原子の総モル数に対するB液中の水酸化物(OH)イオンとしての総モル数の比(B液中の総OH/A液中の総(Ni+M))が、好ましくは1.8〜2.1、特に好ましくは1.9〜2.0となる量である。A液中の原子換算のNi原子とM原子の総モル数に対するB液中の水酸化物イオンの総モル数の比が上記範囲であることにより、反応液(C液)中に未反応のNiイオン及び必要により添加されるM元素イオン、M’元素イオンが残存することなく、目的のニッケル含有水酸化物を得易くなる。
そして、中和工程では、反応容器に予め、グリシン水溶液(C液)を入れておき、そのC液に対して、A液とB液とを添加する。
中和工程において、中和反応の反応温度は、55〜75℃、好ましくは60〜75℃、特に好ましくは65〜75℃である。つまり、中和工程において、A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)の温度、すなわち、反応前のC液の温度及び中和反応中の反応液(C液)の温度は、55〜75℃、好ましくは60〜75℃、特に好ましくは65〜75℃である。A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)の温度が上記範囲内であることにより、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が大きくし易くなる。
一方、A液とB液とをC液に添加する際の反応液(C液)の温度が、上記範囲未満だと、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さく且つ二次粒子の凝集性が弱くなり、二次粒子が崩れやすくなり、また、A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)の温度が、上記範囲を超えても、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さくなる傾向がある。
一方、A液とB液とをC液に添加する際の反応液(C液)の温度が、上記範囲未満だと、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さく且つ二次粒子の凝集性が弱くなり、二次粒子が崩れやすくなり、また、A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)の温度が、上記範囲を超えても、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さくなる傾向がある。
中和工程において、A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)のpH、すなわち、反応前のC液のpH及び中和反応中の反応液(C液)のpHは、10.0〜13.0、好ましくは10.2〜12.5、特に好ましくは10.5〜12.0である。A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)のpHが上記範囲であることにより、二次粒子の平均粒子径が大きく且つ凝集性が強いニッケル含有水酸化物が得られやすい。一方、A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)のpHが、上記範囲より低いと、未反応のNiイオン及び必要により添加するM元素イオン、M’元素イオンが一部反応液中に残るため、生産性が低くなり易く、また、得られるニッケル含有水酸化物が、硫酸根などの塩類を不純物として含有し易くなる。また、A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)のpHが、上記範囲より高いと、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さくなり易い。なお、中和工程において、A液とB液とをC液へ添加する際の反応液(C液)のpHは、例えば、B液中の水酸化物イオン濃度、A液中のNiイオン及び必要により添加するM元素イオンの総濃度に対するB液中の水酸化物イオンの濃度の比、A液に対するB液のC液への添加速度の比等の条件を選択することにより、調節される。
中和工程において、A液とB液とをC液へ添加する際のA液中のNiイオンと必要により添加するM元素イオンの総イオンの添加速度に対するB液中の水酸化物イオンの添加速度の比(B液/A液)は、好ましくは1.8〜2.1、特に好ましくは1.9〜2.0である。なお、A液中のNiイオンとM元素イオンの総イオンの添加速度に対するB液中の水酸化物イオンの添加速度の比とは、反応容器に添加するA液中のNiイオンとM元素イオンの総イオンの添加速度(モル/分)に対する反応容器に添加するB液中の水酸化物イオンの添加速度(モル/分)の比を指す。
中和工程において、A液とB液とをC液へ添加する際に、A液とB液とをC液へ添加し始めてから、添加を終了するまでの添加時間は、特に制限されないが、工業的に有利になる観点から、好ましくは0.5〜8時間、特に好ましくは1〜5時間である。
中和工程において、A液とB液とを混合する際の反応液(C液)の撹拌速度、すなわち、反応直前のC液の撹拌速度及び中和反応中の反応液(C液)の撹拌速度は、反応容器の大きさ、攪拌羽の径、反応液の量等により、適宜選択されるが、攪拌羽の周速1.0〜4.0m/秒が好ましく、攪拌羽の周速1.0〜2.0m/秒が特に好ましい。そして、中和工程において、A液とB液とをC液へ添加する時間帯のうち、始めの方の時間帯、好ましくは添加開始直後から1時間後までの時間帯の撹拌速度を緩やかにすることが、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径を大きくし易くなる点で、好ましい。
なお、中和工程は、必要により添加されるM源、M’源にMn、Feなど容易に酸化される元素を含む場合、酸化することで、ニッケル含有水酸化物の二次粒子の平均粒子径が小さくなることを抑制することを目的として不活性ガス雰囲気で反応を行うことができる。
中和工程は、A液及びB液の添加終了後、必要によりC液中に存在する未反応のNiイオン、M元素イオン及びM’元素イオンの中和反応をより完結させることを目的として、更に熟成反応を行うことができるが、通常は所定量のA液及びB液の添加終了後、中和反応を終了する。
本発明のニッケル含有水酸化物の製造方法では、このようにして中和工程を行うことにより、ニッケル含有水酸化物(二次粒子)を得る。
中和工程を行った後、反応液中に生成したニッケル含有水酸化物(二次粒子)を、減圧ろ過、遠心分離等により、反応液中からニッケル含有水酸化物粒子を分離し、必要に応じて、洗浄、乾燥する。
本発明の製造方法を行うことにより得られるニッケル含有水酸化物は、一次粒子が凝集した二次粒子であり、二次粒子の平均粒子径が10μm以上、好ましくは15〜40μmである。
本発明のニッケル含有水酸化物は、リチウム二次電池正極活物質用のリチウムニッケル複合酸化物の製造用の原料として用いられ、該リチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いることにより、体積当たりの容量が高いリチウム二次電池を提供することができる。
次に、本発明のニッケル含有水酸化物を用いて、リチウムニッケル複合酸化物を製造する方法について述べる。
本発明のニッケル含有水酸化物を用いるリチウムニッケル複合酸化物の製造方法は、本発明のニッケル含有水酸化物と、リチウム化合物と、を混合する粒子混合工程と、粒子混合工程で得られた粒子混合物を焼成することにより、リチウムニッケル複合酸化物を得る焼成反応工程と、を有するリチウムニッケル複合酸化物の製造方法である。
粒子混合工程は、本発明のニッケル含有水酸化物と、リチウム化合物と、を混合する工程である。
粒子混合工程に係るリチウム化合物としては、通常、リチウムニッケル複合酸化物の製造用の原料として用いられるものであれば、特に制限されず、リチウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩及び有機酸塩等が挙げられ、これらのうち、工業的に安価な点で、炭酸リチウム、水酸化リチウムが好ましい。
特に使用するニッケル含有水酸化物が一般式(1)の式中のx+yが0≦x+y≦0.3であるときは、炭酸リチウムより水酸化リチウムを積極的に用いることで単相のリチウムニッケル複合酸化物が得やすくなる。
特に使用するニッケル含有水酸化物が一般式(1)の式中のx+yが0≦x+y≦0.3であるときは、炭酸リチウムより水酸化リチウムを積極的に用いることで単相のリチウムニッケル複合酸化物が得やすくなる。
リチウム化合物の平均粒子径は、0.1〜200μm、好ましくは2〜50μmであることが、反応性が良好であるため好ましい。
粒子混合工程において、本発明のニッケル含有水酸化物と、リチウム化合物とを混合する際、原子換算のNi原子と必要により添加されるM原子、M’原子の総モル数に対する原子換算のリチウムのモル数の比(混合モル比、Li/(Ni+M+M’))は、目的のリチウムニッケル複合酸化物がどの構造をとるかにより、適宜、選択され、このモル比の範囲は、通常、リチウムニッケル複合酸化物の製造において、行われる範囲であればよい。
このモル比の一例としては、例えば、Ni1/3Co1/3Mn1/3(OH)2を用いた層状構造のリチウムニッケル複合酸化物であれば、Li/(Ni+Co+Mn)は、1.00〜1.20である。Ni0.5Co0.2Mn0.3(OH)2、Ni0.6Co0.2Mn0.2(OH)2、Ni0.8Co0.1Mn0.1(OH)2などを用いた層状構造のリチウムニッケル複合酸化物であれば、Li/(Ni+Co+Mn)は、1.00〜1.05である。
また、Ni0.25Mn0.75(OH)2を用いたスピネル構造のリチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNi0.5Mn1.5O4)であれば、Li/(Ni+Mn)は、0.45〜0.60、好ましくは0.50〜0.55である。
また、Ni0.25Mn0.75(OH)2、Ni0.3Co0.1Mn0.6(OH)2を用いた固溶体系リチウムニッケル複合酸化物(例えば、Li2MnO3−LiMO2)であれば、Li/(Ni+Mn)は、1.30〜1.70である。
このモル比の一例としては、例えば、Ni1/3Co1/3Mn1/3(OH)2を用いた層状構造のリチウムニッケル複合酸化物であれば、Li/(Ni+Co+Mn)は、1.00〜1.20である。Ni0.5Co0.2Mn0.3(OH)2、Ni0.6Co0.2Mn0.2(OH)2、Ni0.8Co0.1Mn0.1(OH)2などを用いた層状構造のリチウムニッケル複合酸化物であれば、Li/(Ni+Co+Mn)は、1.00〜1.05である。
また、Ni0.25Mn0.75(OH)2を用いたスピネル構造のリチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNi0.5Mn1.5O4)であれば、Li/(Ni+Mn)は、0.45〜0.60、好ましくは0.50〜0.55である。
また、Ni0.25Mn0.75(OH)2、Ni0.3Co0.1Mn0.6(OH)2を用いた固溶体系リチウムニッケル複合酸化物(例えば、Li2MnO3−LiMO2)であれば、Li/(Ni+Mn)は、1.30〜1.70である。
粒子混合工程において、本発明のニッケル含有水酸化物と、リチウム化合物と、を混合する方法としては、例えば、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ナウターミキサー等が挙げられる。
焼成反応工程は、粒子混合工程で得られた、本発明のニッケル含有水酸化物とリチウム化合物との粒子混合物を、加熱することにより、本発明のニッケル含有水酸化物と、リチウム化合物と、を反応させてリチウムニッケル複合酸化物を得る工程である。
焼成反応工程において、本発明のニッケル含有水酸化物とリチウム化合物との粒子混合物を焼成反応する際、焼成反応温度は、目的のリチウムニッケル複合酸化物がどの構造をとるかにより、適宜、選択され、この焼成反応温度の範囲は、通常、リチウムニッケル複合酸化物の製造において、行われる範囲であればよく、多くの場合は、750〜1100℃である。また、焼成反応時間は、1〜30時間、好ましくは5〜20時間である。また、焼成反応雰囲気は、空気中、酸素ガス中等の酸化雰囲気である。
本発明において焼成は、所定の焼成温度に達する前まで、昇温速度を適宜調整しながら行うことが好ましい。即ち、室温(25℃)〜600℃まで400〜800℃/hr、好ましくは500〜700℃/hrで昇温し、次いで所定の焼成温度まで50〜150℃/hr、好ましくは75〜125℃/hrで昇温することが、生産効率がよく、また、該方法により得られる正極活物質を用いたリチウム二次電池において、特にサイクル特性に優れたものが得られる観点から好ましい。なお、使用するニッケル含有水酸化物が一般式(1)の式中のx+yが0≦x+y≦0.3であるときは、300℃付近で保持したのち、所定の焼成温度まで昇温することにより単相のリチウムニッケル複合酸化物を得やすくなる。
本発明において焼成は、所定の焼成温度に達する前まで、昇温速度を適宜調整しながら行うことが好ましい。即ち、室温(25℃)〜600℃まで400〜800℃/hr、好ましくは500〜700℃/hrで昇温し、次いで所定の焼成温度まで50〜150℃/hr、好ましくは75〜125℃/hrで昇温することが、生産効率がよく、また、該方法により得られる正極活物質を用いたリチウム二次電池において、特にサイクル特性に優れたものが得られる観点から好ましい。なお、使用するニッケル含有水酸化物が一般式(1)の式中のx+yが0≦x+y≦0.3であるときは、300℃付近で保持したのち、所定の焼成温度まで昇温することにより単相のリチウムニッケル複合酸化物を得やすくなる。
焼成反応工程を行った後は、生成したリチウムニッケル複合酸化物を、必要に応じて、粉砕、解砕及び分級して、リチウムニッケル複合酸化物を得る。
本発明のニッケル含有水酸化物を用いて得られるリチウムニッケル複合酸化物の二次粒子の平均粒子径は、10〜35μm、好ましくは15〜30μmであるので、高充填が可能となる。そのため、本発明のニッケル含有水酸化物を用いて得られるリチウムニッケル複合酸化物によれば、リチウム二次電池の体積当たりの容量を高くすることができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<反応用の原料水溶液の調製>
(A液の調製)
市販の硫酸ニッケル6水和物、硫酸コバルト7水和物、硫酸マンガン1水和物及びグリシンを用いて、表1に示す組成の水溶液1Lを調製し、これをA液試料とした。
(B液の調製)
市販の水酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウムを用いて表2に示す水酸化物イオンの濃度の水溶液0.5Lを調製し、これをB液試料とした。
(C液の調製)
市販のグリシンを用いて表3に示すグリシン濃度の水溶液0.35Lを調製し、これをC液試料とした。
(A液の調製)
市販の硫酸ニッケル6水和物、硫酸コバルト7水和物、硫酸マンガン1水和物及びグリシンを用いて、表1に示す組成の水溶液1Lを調製し、これをA液試料とした。
市販の水酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウムを用いて表2に示す水酸化物イオンの濃度の水溶液0.5Lを調製し、これをB液試料とした。
市販のグリシンを用いて表3に示すグリシン濃度の水溶液0.35Lを調製し、これをC液試料とした。
{実施例1〜7、比較例1〜2}
2Lの反応容器に、0.35LのC液を入れ、表4に示す反応温度に加熱した。
次いで、反応容器中の反応液(C液)を、表4に記載の撹拌速度で撹拌しながら、反応容器に対して、反応液のpHが表4の記載のpHとなるように、A液とB液とを、表4に示す反応温度及び滴下時間で滴下し、滴下終了後1時間攪拌下にそのまま反応を行った。
反応後、反応液を冷却し、次いで、生成物をろ過及び水洗し、次いで、70℃で乾燥して、ニッケル含有水酸化物試料を得た。
2Lの反応容器に、0.35LのC液を入れ、表4に示す反応温度に加熱した。
次いで、反応容器中の反応液(C液)を、表4に記載の撹拌速度で撹拌しながら、反応容器に対して、反応液のpHが表4の記載のpHとなるように、A液とB液とを、表4に示す反応温度及び滴下時間で滴下し、滴下終了後1時間攪拌下にそのまま反応を行った。
反応後、反応液を冷却し、次いで、生成物をろ過及び水洗し、次いで、70℃で乾燥して、ニッケル含有水酸化物試料を得た。
(ニッケル含有水酸化物試料の物性評価)
実施例及び比較例で得られたニッケル含有水酸化物試料について、二次粒子の平均粒子径及びタップ密度を測定した。
<評価方法>
(1)二次粒子の平均粒子径
レーザー回折・散乱法により測定した。測定には、日機装社製(マイクロトラックMT3300EXII)を用いた。
(2)タップ密度
JIS−K−5101に記載された見掛け密度又は見掛け比容の方法に基づいて、50mlのメスシリンダーにサンプル30gを入れ、ユアサアイオニクス社製、DUAL AUTOTAP装置にセットし、500回タップし、容量を読み取り見掛け密度を算出し、タップ密度とした。
実施例及び比較例で得られたニッケル含有水酸化物試料について、二次粒子の平均粒子径及びタップ密度を測定した。
<評価方法>
(1)二次粒子の平均粒子径
レーザー回折・散乱法により測定した。測定には、日機装社製(マイクロトラックMT3300EXII)を用いた。
(2)タップ密度
JIS−K−5101に記載された見掛け密度又は見掛け比容の方法に基づいて、50mlのメスシリンダーにサンプル30gを入れ、ユアサアイオニクス社製、DUAL AUTOTAP装置にセットし、500回タップし、容量を読み取り見掛け密度を算出し、タップ密度とした。
{実施例8、比較例3}
<リチウムニッケル複合酸化物の製造>
実施例4及び比較例2で得られたニッケル含有水酸化物と、炭酸リチウムとを、表6に示すLi/(Ni+M)モル比で十分に乾式で混合し、次いで600℃まで1時間で昇温、更に920℃まで3時間で昇温し、次に920℃で10時間保持し大気中で焼成した。焼成終了後、冷却し得られた焼成物を粉砕し、リチウムニッケル複合酸化物試料を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物試料の二次粒子の平均粒子径、タップ密度、容量維持率、初期放電容量(重量当たり)、初期放電容量(体積当たり)及び平均作動電圧を、表6及び表7に示す。
なお、リチウムニッケル複合酸化物試料の二次粒子の平均粒子径とタップ密度は、前述したニッケル含有水酸化物試料と同様な方法で評価した。
<リチウムニッケル複合酸化物の製造>
実施例4及び比較例2で得られたニッケル含有水酸化物と、炭酸リチウムとを、表6に示すLi/(Ni+M)モル比で十分に乾式で混合し、次いで600℃まで1時間で昇温、更に920℃まで3時間で昇温し、次に920℃で10時間保持し大気中で焼成した。焼成終了後、冷却し得られた焼成物を粉砕し、リチウムニッケル複合酸化物試料を得た。
得られたリチウムニッケル複合酸化物試料の二次粒子の平均粒子径、タップ密度、容量維持率、初期放電容量(重量当たり)、初期放電容量(体積当たり)及び平均作動電圧を、表6及び表7に示す。
なお、リチウムニッケル複合酸化物試料の二次粒子の平均粒子径とタップ密度は、前述したニッケル含有水酸化物試料と同様な方法で評価した。
以下のようにして、電池性能試験を行った。
<リチウム二次電池の作製>
実施例8及び比較例3で得られたニッケル含有水酸化物91重量%、黒鉛粉末6重量%、ポリフッ化ビニリデン3重量%を混合して正極剤とし、これをN−メチル−2−ピロリジノンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布したのち乾燥、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。
この正極板を用いて、セパレーター、負極、正極、集電板、取り付け金具、外部端子、電解液等の各部材を使用してコイン型リチウム二次電池を製作した。このうち、負極は金属リチウム箔を用い、電解液にはエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートの1:1混練液1リットルにLiPF61モルを溶解したものを使用した。
<リチウム二次電池の作製>
実施例8及び比較例3で得られたニッケル含有水酸化物91重量%、黒鉛粉末6重量%、ポリフッ化ビニリデン3重量%を混合して正極剤とし、これをN−メチル−2−ピロリジノンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布したのち乾燥、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。
この正極板を用いて、セパレーター、負極、正極、集電板、取り付け金具、外部端子、電解液等の各部材を使用してコイン型リチウム二次電池を製作した。このうち、負極は金属リチウム箔を用い、電解液にはエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートの1:1混練液1リットルにLiPF61モルを溶解したものを使用した。
<電池の性能評価>
作製したコイン型リチウム二次電池を室温で下記試験条件で作動させ、下記の電池性能を評価した。
(1)サイクル特性評価の試験条件
先ず、0.5Cにて4.3Vまで2時間かけて充電を行い、更に4.3Vで3時間電圧を保持させる定電流・定電圧充電(CCCV充電)を行った。その後、0.2Cにて2.7Vまで定電流放電(CC放電)させる充放電を行い、これらの操作を1サイクルとして1サイクル毎に放電容量を測定した。このサイクルを20サイクル繰り返した。
(2)初期放電容量(重量当たり)
サイクル特性評価における1サイクル目の放電容量を初期放電容量とした。
(3)初期放電容量(体積当たり)
正極板作製時に計測された電極密度と初期放電容量(重量当たり)の積により算出した。
(4)容量維持率
サイクル特性評価における1サイクル目と20サイクル目のそれぞれの放電容量(重量当たり)から、下記式により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(20サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
(5)平均作動電圧
サイクル特性評価における20サイクル目の平均作動電圧を平均作動電圧とした。
作製したコイン型リチウム二次電池を室温で下記試験条件で作動させ、下記の電池性能を評価した。
(1)サイクル特性評価の試験条件
先ず、0.5Cにて4.3Vまで2時間かけて充電を行い、更に4.3Vで3時間電圧を保持させる定電流・定電圧充電(CCCV充電)を行った。その後、0.2Cにて2.7Vまで定電流放電(CC放電)させる充放電を行い、これらの操作を1サイクルとして1サイクル毎に放電容量を測定した。このサイクルを20サイクル繰り返した。
(2)初期放電容量(重量当たり)
サイクル特性評価における1サイクル目の放電容量を初期放電容量とした。
(3)初期放電容量(体積当たり)
正極板作製時に計測された電極密度と初期放電容量(重量当たり)の積により算出した。
(4)容量維持率
サイクル特性評価における1サイクル目と20サイクル目のそれぞれの放電容量(重量当たり)から、下記式により容量維持率を算出した。
容量維持率(%)=(20サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
(5)平均作動電圧
サイクル特性評価における20サイクル目の平均作動電圧を平均作動電圧とした。
本発明によれば、二次粒子の平均粒子径が大きいリチウムニッケル複合酸化物を得ることができるので、特に体積当たりの容量が高いリチウム二次電池を製造することができる。
Claims (6)
- 下記一般式(1)
Ni1−x−yMxM’y(OH)2 (1)
(式中、MはMg、Al、Ti、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる1種又は2種以上の元素を示し、M’はAl、Zn及びSnから選ばれる1種又は2種上の元素を示す。xは0≦x≦0.99、yは0≦y≦0.20を示し、但しx+y<1を示す。)で表されるニッケル含有水酸化物の製造方法であって、
グリシン、Ni源及び必要により添加されるM源とを含有する水溶液(A液)、アルカリ化合物と必要により添加されるM’源を含有するアルカリ水溶液(B液)とを、グリシン溶液(C液)へ添加し、中和反応を行う中和工程を有することを特徴とするニッケル含有水酸化物の製造方法。 - 前記中和工程において、pH10〜13で中和反応を行うことを特徴とする請求項1記載のニッケル含有水酸化物の製造方法。
- 前記中和工程において、55〜75℃で中和反応を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル含有水酸化物の製造方法。
- 前記A液のグリシン濃度がNi源中のNi原子と必要により添加されるM源中のM原子の原子換算の合計モル数に対するグリシンのモル比(グリシン/Ni+M)が0.010〜0.300であることを特徴する請求項1乃至3記載のニッケル含有水酸化物の製造方法。
- 前記中和工程において、A液とB液とをC液へ添加している間のC液中のグリシン濃度が、0.010〜0.350モル/Lであることを特徴とする請求項1乃至4項記載のニッケル含有水酸化物の製造方法。
- 請求項1乃至5記載の何れか1項に記載の製造方法を行い得られるニッケル含有水酸化物と、リチウム化合物とを混合する粒子混合工程、次いで得られる混合物を焼成する焼成反応工程を有することを特徴とするリチウムニッケル複合酸化物の製造方法。
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