JP2002343274A - カラー陰極線管用ガラスパネルおよび陰極線管 - Google Patents
カラー陰極線管用ガラスパネルおよび陰極線管Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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- Glass Compositions (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】化学強化法によりカラー陰極線管用ガラスパネ
ルに圧縮応力を付与して、薄肉化した場合における真空
応力の過負荷の問題を解決するとともに、陰極線管製造
時に発生する損傷や熱応力の問題を解決し、加えて十分
なX線遮蔽能力を得る。 【解決手段】波長0.06nmのX線の線吸収係数が3
0〜38cm-1であって、少なくともフェース部外表面
の短軸端部および/または長軸端部ならびにフェース部
内表面の中央部に、化学強化法によって70MPa以上
の圧縮応力を有する層が形成されているカラー陰極線管
用ガラスパネル。
ルに圧縮応力を付与して、薄肉化した場合における真空
応力の過負荷の問題を解決するとともに、陰極線管製造
時に発生する損傷や熱応力の問題を解決し、加えて十分
なX線遮蔽能力を得る。 【解決手段】波長0.06nmのX線の線吸収係数が3
0〜38cm-1であって、少なくともフェース部外表面
の短軸端部および/または長軸端部ならびにフェース部
内表面の中央部に、化学強化法によって70MPa以上
の圧縮応力を有する層が形成されているカラー陰極線管
用ガラスパネル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テレビジョン放送
受像機(以下、テレビという)やコンピュータ用ディス
プレイ等に用いられるカラー陰極線管と、該陰極線管に
用いられるガラスパネルに関する。
受像機(以下、テレビという)やコンピュータ用ディス
プレイ等に用いられるカラー陰極線管と、該陰極線管に
用いられるガラスパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】まずカラー陰極線管の構成を説明図に基
づいて説明する。図1は陰極線管全体の一部断面図であ
る。陰極線管1の外囲器は、基本的に映像を表示するパ
ネル3と、該パネル3に対して密封接合される漏斗形状
のファンネル4と、電子銃17を格納するネック5から
なるガラスバルブ2により構成される。前記のパネル3
は、映像表示面を構成する略矩形のフェース部7と、該
フェース部7に対しその周縁部からブレンドR部11を
介して実質的に垂直方向に延在するスカート部6とから
構成される。
づいて説明する。図1は陰極線管全体の一部断面図であ
る。陰極線管1の外囲器は、基本的に映像を表示するパ
ネル3と、該パネル3に対して密封接合される漏斗形状
のファンネル4と、電子銃17を格納するネック5から
なるガラスバルブ2により構成される。前記のパネル3
は、映像表示面を構成する略矩形のフェース部7と、該
フェース部7に対しその周縁部からブレンドR部11を
介して実質的に垂直方向に延在するスカート部6とから
構成される。
【0003】前記スカート部6の外周には、パネル強度
を保持し破損時の飛散を防止するための防爆補強バンド
8が巻回される。フェース部7の内表面側には電子銃1
7からの電子線衝撃により蛍光を発する蛍光膜12と、
該蛍光膜12から陰極線管後方(ファンネル4側)に発
する蛍光を前方(フェース7部側)へ反射するためのア
ルミニウム膜13が積層され、さらに電子線の照射位置
を規定するシャドウマスク14が設けられる。該シャド
ウマスク14はスタッドピン15によりスカート部6の
内面に固定される。なお、図中Aはネック5の中心軸と
パネル3の中心を結ぶ管軸を示す。
を保持し破損時の飛散を防止するための防爆補強バンド
8が巻回される。フェース部7の内表面側には電子銃1
7からの電子線衝撃により蛍光を発する蛍光膜12と、
該蛍光膜12から陰極線管後方(ファンネル4側)に発
する蛍光を前方(フェース7部側)へ反射するためのア
ルミニウム膜13が積層され、さらに電子線の照射位置
を規定するシャドウマスク14が設けられる。該シャド
ウマスク14はスタッドピン15によりスカート部6の
内面に固定される。なお、図中Aはネック5の中心軸と
パネル3の中心を結ぶ管軸を示す。
【0004】このようなパネル3は、スカート部6の端
部にあたるシールエッジ部に設けたハンダガラス等のシ
ール材によりファンネル4のシールエッジ部と密封接合
され、封着部10が形成される。
部にあたるシールエッジ部に設けたハンダガラス等のシ
ール材によりファンネル4のシールエッジ部と密封接合
され、封着部10が形成される。
【0005】上記構成のカラー陰極線管用ガラスバルブ
は真空容器として用いられるため外表面に大気圧が加わ
り、その結果球殻と異なる非対称な形状に起因して引張
応力が比較的広範囲に作用している(以下、ガラスバル
ブ内部を真空にした際に、内外圧力差によって発生する
応力を真空応力と称する)。
は真空容器として用いられるため外表面に大気圧が加わ
り、その結果球殻と異なる非対称な形状に起因して引張
応力が比較的広範囲に作用している(以下、ガラスバル
ブ内部を真空にした際に、内外圧力差によって発生する
応力を真空応力と称する)。
【0006】また、陰極線管の製造工程においては、特
に350℃程度の高温に保持し排気する際に、該工程で
生じる温度差によって応力が発生し(以下、熱工程にお
いて発生する応力を熱応力と称する)、前記真空応力に
加わるため、はなはだしい場合には瞬間的な空気流入と
その反作用によって激しい爆縮を発生し、周囲まで損害
を及ぼす危険性がある。
に350℃程度の高温に保持し排気する際に、該工程で
生じる温度差によって応力が発生し(以下、熱工程にお
いて発生する応力を熱応力と称する)、前記真空応力に
加わるため、はなはだしい場合には瞬間的な空気流入と
その反作用によって激しい爆縮を発生し、周囲まで損害
を及ぼす危険性がある。
【0007】さらに、投射型陰極線管(投射管)や白黒
(モノクローム)陰極線管等、他の形態の陰極線管の場
合、前述のようにパネルの内側にシャドウマスク等の様
々な部品を取り付ける必要はないが、カラー陰極線管の
場合は部品の取り付け工程においてパネルの内表面に損
傷のおそれがある。
(モノクローム)陰極線管等、他の形態の陰極線管の場
合、前述のようにパネルの内側にシャドウマスク等の様
々な部品を取り付ける必要はないが、カラー陰極線管の
場合は部品の取り付け工程においてパネルの内表面に損
傷のおそれがある。
【0008】以上のような問題を防止するための保証と
しては、ガラスバルブおよび陰極線管の組立て工程で発
生するガラス表面への加傷の強さと陰極線管の実用耐用
年数等を考慮して、#150エメリー紙により一様に加
傷したガラスバルブに空気圧または水圧により加圧して
外圧負荷試験を行い、破壊に至ったときの内外圧力差を
求め、かかる圧力差として0.3MPa以上は耐え得る
ようにしている。
しては、ガラスバルブおよび陰極線管の組立て工程で発
生するガラス表面への加傷の強さと陰極線管の実用耐用
年数等を考慮して、#150エメリー紙により一様に加
傷したガラスバルブに空気圧または水圧により加圧して
外圧負荷試験を行い、破壊に至ったときの内外圧力差を
求め、かかる圧力差として0.3MPa以上は耐え得る
ようにしている。
【0009】また、近年のテレビには大画面化やフェー
ス部のフラット化とともに、軽量化が要望されている
が、軽量化を達成するために単に薄肉化するだけでは、
前記の真空応力が増大する。このため、パネルの強度を
向上させる必要があり、その方法としていくつかの強化
方法が開発されている。
ス部のフラット化とともに、軽量化が要望されている
が、軽量化を達成するために単に薄肉化するだけでは、
前記の真空応力が増大する。このため、パネルの強度を
向上させる必要があり、その方法としていくつかの強化
方法が開発されている。
【0010】従来、陰極線管用ガラスバルブの軽量化を
図る手段としては、特許第2904067号に例示され
ているように、物理強化法等を用いてガラスパネルの表
面にガラス厚さの6分の1程度の厚さの圧縮応力層を形
成することが実用化されている。しかし、3次元構造で
不均一肉厚分布を有するパネルやファンネルを均一に急
冷することは不可能である。その結果、不均一な温度分
布に依存して大きな引っ張り性の残留応力が圧縮応力と
共に発生することから、該圧縮応力の大きさは高々30
MPa程度に制限され、比較的大きな圧縮応力を付与す
ることはできなかった。すなわち、物理強化法を用いた
場合、ガラスバルブの軽量化の度合いは、付与される圧
縮応力が比較的小さいために制限される。
図る手段としては、特許第2904067号に例示され
ているように、物理強化法等を用いてガラスパネルの表
面にガラス厚さの6分の1程度の厚さの圧縮応力層を形
成することが実用化されている。しかし、3次元構造で
不均一肉厚分布を有するパネルやファンネルを均一に急
冷することは不可能である。その結果、不均一な温度分
布に依存して大きな引っ張り性の残留応力が圧縮応力と
共に発生することから、該圧縮応力の大きさは高々30
MPa程度に制限され、比較的大きな圧縮応力を付与す
ることはできなかった。すなわち、物理強化法を用いた
場合、ガラスバルブの軽量化の度合いは、付与される圧
縮応力が比較的小さいために制限される。
【0011】一方、ガラスバルブの表面を化学強化法に
よって強化し、軽量化を図ることが知られている。この
方法は、歪点以下の温度でガラス中の特定のアルカリイ
オンをそれよりも大きいイオンで置換し、その容積増加
で表面に圧縮応力層を作る方法である。例えば、Na2
Oを5〜8%、K2Oを5〜9%程度含有するストロン
チウム−バリウム−アルカリ−アルミナ−シリケートガ
ラスを約450℃でKNO3の溶融液中に浸漬すること
により得られる。化学強化法の場合、最高500MPa
程度までの大きな圧縮応力が得られ、かつ不要な引張応
力を形成しない点で物理強化よりも軽量化に有利であ
る。
よって強化し、軽量化を図ることが知られている。この
方法は、歪点以下の温度でガラス中の特定のアルカリイ
オンをそれよりも大きいイオンで置換し、その容積増加
で表面に圧縮応力層を作る方法である。例えば、Na2
Oを5〜8%、K2Oを5〜9%程度含有するストロン
チウム−バリウム−アルカリ−アルミナ−シリケートガ
ラスを約450℃でKNO3の溶融液中に浸漬すること
により得られる。化学強化法の場合、最高500MPa
程度までの大きな圧縮応力が得られ、かつ不要な引張応
力を形成しない点で物理強化よりも軽量化に有利であ
る。
【0012】そして、陰極線管は、電子銃から発射した
電子線をパネル内面に塗布された蛍光体に照射し発光さ
せて像を映し出す際にX線を発生し、該X線がパネルを
透過して陰極線管の外部に漏洩すると人体に害を与える
おそれがあるため、前記の軽量化に加えてパネルを形成
するガラスのX線遮蔽能力が要求されている。
電子線をパネル内面に塗布された蛍光体に照射し発光さ
せて像を映し出す際にX線を発生し、該X線がパネルを
透過して陰極線管の外部に漏洩すると人体に害を与える
おそれがあるため、前記の軽量化に加えてパネルを形成
するガラスのX線遮蔽能力が要求されている。
【0013】ガラスにX線を吸収させるための成分とし
ては、SrO、BaO、ZnO、ZrO2 等、X線の質
量吸収係数が高い酸化物を用いることが知られており、
例えば特開平7−206466号公報にはSiO2を5
8.5〜60.5重量%、Al2O3を1.0〜2.5重
量%、Na2Oを6〜7.5重量%、K2Oを8〜9.5
重量%、SrOを8〜9.5重量%、BaOを8〜9.
5重量%、ZnOを1〜2.5重量%、ZrO2 を2.
5〜3.5重量%、CaO+MgOを0〜1重量%、C
eO2を0.1〜0.6重量%、TiO2を0.3〜0.
6重量%、およびSb2O3を0.2〜0.5重量%含有
する陰極線管のフェース用ガラス組成物に関する発明が
開示されている。
ては、SrO、BaO、ZnO、ZrO2 等、X線の質
量吸収係数が高い酸化物を用いることが知られており、
例えば特開平7−206466号公報にはSiO2を5
8.5〜60.5重量%、Al2O3を1.0〜2.5重
量%、Na2Oを6〜7.5重量%、K2Oを8〜9.5
重量%、SrOを8〜9.5重量%、BaOを8〜9.
5重量%、ZnOを1〜2.5重量%、ZrO2 を2.
5〜3.5重量%、CaO+MgOを0〜1重量%、C
eO2を0.1〜0.6重量%、TiO2を0.3〜0.
6重量%、およびSb2O3を0.2〜0.5重量%含有
する陰極線管のフェース用ガラス組成物に関する発明が
開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のガラス
組成物の場合化学強化法に適しておらず、アルカリイオ
ンの交換を行っても、前述の#150エメリー紙による
加傷を行った場合に要求される厚さの圧縮応力層とする
ことができなかった。
組成物の場合化学強化法に適しておらず、アルカリイオ
ンの交換を行っても、前述の#150エメリー紙による
加傷を行った場合に要求される厚さの圧縮応力層とする
ことができなかった。
【0015】さらに、パネルのフェース部におけるX線
遮蔽能力は、フェース部の厚さとパネルを形成するガラ
スのX線吸収係数との積の増減に伴い指数関数的に変化
するので、従来の組成のガラスを用いたパネルを薄肉化
した場合、X線の遮蔽能力が大きく減少する問題があっ
た。
遮蔽能力は、フェース部の厚さとパネルを形成するガラ
スのX線吸収係数との積の増減に伴い指数関数的に変化
するので、従来の組成のガラスを用いたパネルを薄肉化
した場合、X線の遮蔽能力が大きく減少する問題があっ
た。
【0016】本発明は、以上の問題に鑑みてなされたも
のであり、化学強化法によりパネルの内表面および外表
面に高い圧縮応力を付与することによって、薄肉化した
場合における真空応力の過負荷の問題を解決するととも
に、シャドウマスクの取り付けや排気工程等、陰極線管
製造時に発生する損傷や熱応力の問題を解決し、加えて
十分なX線遮蔽能力を備えたカラー陰極線管用のガラス
パネルおよび該ガラスパネルを用いた陰極線管の提供を
目的とする。
のであり、化学強化法によりパネルの内表面および外表
面に高い圧縮応力を付与することによって、薄肉化した
場合における真空応力の過負荷の問題を解決するととも
に、シャドウマスクの取り付けや排気工程等、陰極線管
製造時に発生する損傷や熱応力の問題を解決し、加えて
十分なX線遮蔽能力を備えたカラー陰極線管用のガラス
パネルおよび該ガラスパネルを用いた陰極線管の提供を
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、少なくともフェース部外表面の短軸端部
および/または長軸端部ならびにフェース部内表面の中
央部に、化学強化法によって70MPa以上の圧縮応力
を有する層(以下、圧縮応力層という)が形成されてい
るカラー陰極線管用ガラスパネル(以下、パネルとい
う)を提供する。前記の圧縮応力層は、厚さが30μm
以上であることが好ましい。
め、本発明は、少なくともフェース部外表面の短軸端部
および/または長軸端部ならびにフェース部内表面の中
央部に、化学強化法によって70MPa以上の圧縮応力
を有する層(以下、圧縮応力層という)が形成されてい
るカラー陰極線管用ガラスパネル(以下、パネルとい
う)を提供する。前記の圧縮応力層は、厚さが30μm
以上であることが好ましい。
【0018】また、前記パネルを形成するガラスは、酸
化物基準の質量百分率表示で、全質量に対する含有量が
実質的に SiO2 53.0〜65.0%、 Al2O3 0.5〜5.0%、 Na2O 3.0〜13.0%、 K2O 1.0〜9.0%、 SrO 3.0〜8.6%、 BaO 5.0〜12.0%、 ZnO 0.4〜9.0%、 ZrO2 0.5〜5.0%、 TiO2 0.1〜0.6%、 CeO2 0.1〜0.9%、 Li2O 0.0〜3.0% CaO 0.0〜4.0% MgO 0.0〜4.0% WO3 0.0〜3.0% であり、前記ZnOおよびZrO2の含有量の合計が
2.5〜11.0%であって、かつSrO、BaOおよ
びCaOの含有量の合計C1、ZnOの含有量C2 、なら
びにZnOおよびアルカリ土類金属酸化物の含有量の合
計C3が、0.6≦C1/C3≦0.9、0.05≦C2/
C3≦0.4なる関係を有していることが好ましい。ま
た、本発明は、前記陰極線管用ガラスパネルを用いてな
る陰極線管を提供する。
化物基準の質量百分率表示で、全質量に対する含有量が
実質的に SiO2 53.0〜65.0%、 Al2O3 0.5〜5.0%、 Na2O 3.0〜13.0%、 K2O 1.0〜9.0%、 SrO 3.0〜8.6%、 BaO 5.0〜12.0%、 ZnO 0.4〜9.0%、 ZrO2 0.5〜5.0%、 TiO2 0.1〜0.6%、 CeO2 0.1〜0.9%、 Li2O 0.0〜3.0% CaO 0.0〜4.0% MgO 0.0〜4.0% WO3 0.0〜3.0% であり、前記ZnOおよびZrO2の含有量の合計が
2.5〜11.0%であって、かつSrO、BaOおよ
びCaOの含有量の合計C1、ZnOの含有量C2 、なら
びにZnOおよびアルカリ土類金属酸化物の含有量の合
計C3が、0.6≦C1/C3≦0.9、0.05≦C2/
C3≦0.4なる関係を有していることが好ましい。ま
た、本発明は、前記陰極線管用ガラスパネルを用いてな
る陰極線管を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1および図2を
参照しながら詳細に説明する。パネルの外表面とは、パ
ネル表面のうちテレビの視聴者に対面する側の表面であ
り、また内表面とは前記外表面の裏側に位置し、蛍光体
が塗布される側であって、ガラスバルブとして形成され
た際に内側となる表面である。
参照しながら詳細に説明する。パネルの外表面とは、パ
ネル表面のうちテレビの視聴者に対面する側の表面であ
り、また内表面とは前記外表面の裏側に位置し、蛍光体
が塗布される側であって、ガラスバルブとして形成され
た際に内側となる表面である。
【0020】そして、フェース部7の中心21を通る軸
のうち、フェース部の短辺22に平行な軸がフェース部
の短軸23、フェース部の長辺24に平行な軸がフェー
ス部の長軸25である。
のうち、フェース部の短辺22に平行な軸がフェース部
の短軸23、フェース部の長辺24に平行な軸がフェー
ス部の長軸25である。
【0021】本発明のパネルにおいては、フェース部外
表面における前記短軸23の端部(以下、短軸端部)お
よび/または長軸25の端部(以下、長軸端部)と、フ
ェース部内表面における中心21とその近傍(中央部2
1’)とに圧縮応力層を有することを特徴とするもので
ある。なお、前記の端部とは、短軸23または長軸25
が有効画面端(視像領域端)26と交わる位置およびそ
の近傍をいう。図2に短軸端部27および長軸端部28
を示す。
表面における前記短軸23の端部(以下、短軸端部)お
よび/または長軸25の端部(以下、長軸端部)と、フ
ェース部内表面における中心21とその近傍(中央部2
1’)とに圧縮応力層を有することを特徴とするもので
ある。なお、前記の端部とは、短軸23または長軸25
が有効画面端(視像領域端)26と交わる位置およびそ
の近傍をいう。図2に短軸端部27および長軸端部28
を示す。
【0022】前記圧縮応力層は、応力値が70MPa未
満であるとガラスに傷が付きやすいため、70MPa以
上の圧縮応力値を要する。前記圧縮応力値は、110M
Pa以上であればより好ましく、130MPa以上であ
れば最も好ましい。
満であるとガラスに傷が付きやすいため、70MPa以
上の圧縮応力値を要する。前記圧縮応力値は、110M
Pa以上であればより好ましく、130MPa以上であ
れば最も好ましい。
【0023】また、X線の線吸収係数とは、通常μ(c
m-1)で示され、密度ρ(g/cm 3)であるガラス組
成物がn種類の成分より構成され、前記各成分の酸化物
としての含有率がそれぞれf(1)〜f(n)(%)、かつ波
長0.06nmにおける前記各成分の酸化物としての質
量吸収係数がそれぞれW(1)〜W(n)(cm2/g)のと
き、次の数式(a)により算出される値である。なお、
本発明においてX線吸収係数とある場合、特にことわり
のない限り波長0.06nmのX線の線吸収係数をい
う。
m-1)で示され、密度ρ(g/cm 3)であるガラス組
成物がn種類の成分より構成され、前記各成分の酸化物
としての含有率がそれぞれf(1)〜f(n)(%)、かつ波
長0.06nmにおける前記各成分の酸化物としての質
量吸収係数がそれぞれW(1)〜W(n)(cm2/g)のと
き、次の数式(a)により算出される値である。なお、
本発明においてX線吸収係数とある場合、特にことわり
のない限り波長0.06nmのX線の線吸収係数をい
う。
【0024】
【数1】
【0025】そして、化学強化法とは、前述のようにガ
ラス表面層のアルカリイオンを外部媒体中の、よりイオ
ン半径の大きな1価陽イオンと交換することによってガ
ラスの網目の構造を押し縮めて圧縮応力を発生させる方
法である。
ラス表面層のアルカリイオンを外部媒体中の、よりイオ
ン半径の大きな1価陽イオンと交換することによってガ
ラスの網目の構造を押し縮めて圧縮応力を発生させる方
法である。
【0026】珪酸塩ガラスでは、Si−O結合で構成さ
れた網目骨格の中にアルカリおよびアルカリ土類の元素
が網目修飾イオンとして不規則に入り込んでいるが、網
目修飾イオンのうち1価陽イオンが比較的自由にガラス
内部を移動できる特性を利用して、ガラス表面層のアル
カリイオンを外部媒体中のよりイオン半径の大きな1価
陽イオンと交換することができる。その結果、アルカリ
イオンの抜け出た位置に、それより大きなイオンが周囲
の網目の構造を押し縮めながら入り込むことによって圧
縮応力が発生する。
れた網目骨格の中にアルカリおよびアルカリ土類の元素
が網目修飾イオンとして不規則に入り込んでいるが、網
目修飾イオンのうち1価陽イオンが比較的自由にガラス
内部を移動できる特性を利用して、ガラス表面層のアル
カリイオンを外部媒体中のよりイオン半径の大きな1価
陽イオンと交換することができる。その結果、アルカリ
イオンの抜け出た位置に、それより大きなイオンが周囲
の網目の構造を押し縮めながら入り込むことによって圧
縮応力が発生する。
【0027】具体的には、Na+を含むガラスをKNO3
溶融液中に浸漬し、Na+とK+とを交換する方法が一般
的な化学強化法として行われている。このような化学強
化法は、物理強化法と比べて高い圧縮応力値を付与でき
るため、薄肉化するにあたり好適である。なお、本発明
はKNO3溶融液を用いる化学強化法に限定されるもの
ではない。
溶融液中に浸漬し、Na+とK+とを交換する方法が一般
的な化学強化法として行われている。このような化学強
化法は、物理強化法と比べて高い圧縮応力値を付与でき
るため、薄肉化するにあたり好適である。なお、本発明
はKNO3溶融液を用いる化学強化法に限定されるもの
ではない。
【0028】前記の化学強化法によりパネルの内表面お
よび外表面に70MPa以上の圧縮応力を有する層を形
成することにより、曲げ強度を未強化時(50〜65M
Pa)に比べ、約4〜6倍(220〜330MPa)に
向上できる。したがって、ガラスバルブ各部の設計許容
応力が向上し、特にフェース部における許容応力値を著
しく向上できるため、薄肉化、ひいては軽量化が可能と
なる。
よび外表面に70MPa以上の圧縮応力を有する層を形
成することにより、曲げ強度を未強化時(50〜65M
Pa)に比べ、約4〜6倍(220〜330MPa)に
向上できる。したがって、ガラスバルブ各部の設計許容
応力が向上し、特にフェース部における許容応力値を著
しく向上できるため、薄肉化、ひいては軽量化が可能と
なる。
【0029】例えば、36型陰極線管用のパネルの場
合、フェース部中央の厚さは通常約20.0mmである
が、前記のように化学強化法により圧縮応力層を設けた
パネルの場合、厚さ約11.2mmにまで薄肉化が可能
となる。
合、フェース部中央の厚さは通常約20.0mmである
が、前記のように化学強化法により圧縮応力層を設けた
パネルの場合、厚さ約11.2mmにまで薄肉化が可能
となる。
【0030】しかし、公知の組成のガラスではX線吸収
係数が約28〜29cm-1となり、このようなガラスを
用いた36型パネルの場合、電子線の照射条件にもよる
が、一般的な条件の場合、約12.0mmの厚さでなけ
ればX線を十分に遮蔽することができない。したがっ
て、前記の圧縮応力層を設けることによって最大限薄肉
化するためには、公知の組成のガラスに比べ、X線吸収
係数を7%以上向上させ、30cm-1以上とすることが
必要である。
係数が約28〜29cm-1となり、このようなガラスを
用いた36型パネルの場合、電子線の照射条件にもよる
が、一般的な条件の場合、約12.0mmの厚さでなけ
ればX線を十分に遮蔽することができない。したがっ
て、前記の圧縮応力層を設けることによって最大限薄肉
化するためには、公知の組成のガラスに比べ、X線吸収
係数を7%以上向上させ、30cm-1以上とすることが
必要である。
【0031】ただし、前記X線吸収係数を38cm-1よ
り高い値とするには、質量吸収係数の高いSrOやBa
O等の含有量を増加させる必要があり、これらの成分が
ガラスの溶解時に失透を引き起こし、かつ化学強化法に
おけるアルカリイオン交換を阻害する問題があるため、
前記X線吸収係数(波長0.06nm)は、30〜38
cm-1とする。
り高い値とするには、質量吸収係数の高いSrOやBa
O等の含有量を増加させる必要があり、これらの成分が
ガラスの溶解時に失透を引き起こし、かつ化学強化法に
おけるアルカリイオン交換を阻害する問題があるため、
前記X線吸収係数(波長0.06nm)は、30〜38
cm-1とする。
【0032】また、前述のように圧縮応力を付与するこ
とにより、曲げ強度については約4〜6倍に向上させる
ことができるが、パネルの厚さ方向において前記圧縮応
力層の厚さを30μm以上とすると、粒度#150のエ
メリー研磨紙による加傷後においても5倍以上の強度向
上を達成し得ることを見出した。特に40μm以上の厚
さであると、引張応力層まで傷が到達しにくくなり、傷
に対する耐性が向上するのでより好ましい。
とにより、曲げ強度については約4〜6倍に向上させる
ことができるが、パネルの厚さ方向において前記圧縮応
力層の厚さを30μm以上とすると、粒度#150のエ
メリー研磨紙による加傷後においても5倍以上の強度向
上を達成し得ることを見出した。特に40μm以上の厚
さであると、引張応力層まで傷が到達しにくくなり、傷
に対する耐性が向上するのでより好ましい。
【0033】さらに、本発明のパネルを形成するガラス
は、酸化物基準の質量百分率で、全質量に対する含有量
が実質的に、SiO2が53.0〜65.0%、Al2O
3が0.5〜5.0%、Na2Oが3.0〜13.0%、
K2Oが1.0〜9.0%、SrOが3.0〜8.6
%、BaOが5.0〜12.0%、ZnOが0.4〜
9.0%、ZrO2が0.5〜5.0%、TiO2が0.
1〜0.6%、CeO2が0.1〜0.9%、Li2Oが
0.0〜3.0%、CaOが0.0〜4.0%、MgO
が0.0〜4.0%、WO3が0.0〜3.0%であ
り、前記ZnOおよびZrO2の含有量の合計が2.5
〜11.0%であって、かつSrO、BaOおよびCa
Oの含有量の合計C1、ZnOの含有量C2、ならびにZ
nOおよびアルカリ土類金属酸化物の含有量の合計C3
が、0.6≦C1/C3≦0.9、0.05≦C2/C3≦
0.4なる関係を有することが好ましい。
は、酸化物基準の質量百分率で、全質量に対する含有量
が実質的に、SiO2が53.0〜65.0%、Al2O
3が0.5〜5.0%、Na2Oが3.0〜13.0%、
K2Oが1.0〜9.0%、SrOが3.0〜8.6
%、BaOが5.0〜12.0%、ZnOが0.4〜
9.0%、ZrO2が0.5〜5.0%、TiO2が0.
1〜0.6%、CeO2が0.1〜0.9%、Li2Oが
0.0〜3.0%、CaOが0.0〜4.0%、MgO
が0.0〜4.0%、WO3が0.0〜3.0%であ
り、前記ZnOおよびZrO2の含有量の合計が2.5
〜11.0%であって、かつSrO、BaOおよびCa
Oの含有量の合計C1、ZnOの含有量C2、ならびにZ
nOおよびアルカリ土類金属酸化物の含有量の合計C3
が、0.6≦C1/C3≦0.9、0.05≦C2/C3≦
0.4なる関係を有することが好ましい。
【0034】前記の含有量は陰極線管として要求される
種々の性質を満たしつつ、化学強化法によって従来のも
のと比較してより強度の向上を達成するとともに、X線
吸収能力が低下することのないパネルを得るために定め
られるものである。なお、以下においても特にことわり
のない限り、%との記載は質量百分率を表すものとす
る。
種々の性質を満たしつつ、化学強化法によって従来のも
のと比較してより強度の向上を達成するとともに、X線
吸収能力が低下することのないパネルを得るために定め
られるものである。なお、以下においても特にことわり
のない限り、%との記載は質量百分率を表すものとす
る。
【0035】SiO2の含有量は、53.0%未満であ
ると化学的耐久性が悪くなる問題や鉛溶出量が増大する
問題があり、また65.0%を超えるとパネルに要求さ
れる諸特性を満足しつつX線吸収係数を30cm-1以上
とすることができない問題があるため、53.0〜6
5.0%とすることが好ましい。前記含有率は56.0
〜60.0%であれば、より好ましい。
ると化学的耐久性が悪くなる問題や鉛溶出量が増大する
問題があり、また65.0%を超えるとパネルに要求さ
れる諸特性を満足しつつX線吸収係数を30cm-1以上
とすることができない問題があるため、53.0〜6
5.0%とすることが好ましい。前記含有率は56.0
〜60.0%であれば、より好ましい。
【0036】Al2O3の含有量は、0.5%未満である
と耐候性が悪くなる問題があり、また5.0%を超える
と軟化点が高くなりすぎて温度上昇にともなう粘度増加
が顕著になって成形が困難になる問題があるため、0.
5〜5.0%とすることが好ましい。前記含有率は1.
5〜3.0%であれば、より好ましい。
と耐候性が悪くなる問題があり、また5.0%を超える
と軟化点が高くなりすぎて温度上昇にともなう粘度増加
が顕著になって成形が困難になる問題があるため、0.
5〜5.0%とすることが好ましい。前記含有率は1.
5〜3.0%であれば、より好ましい。
【0037】Na2Oの含有量は、3.0%未満である
と軟化点が高くなりすぎて温度上昇にともなう粘度増加
が顕著になり成型が困難になる問題や、ガラス中のNa
+とKNO3を含有する溶融液中のK+との交換を阻害す
るという問題があり、また13.0%を超えると電気抵
抗が低下するため、3.0〜13.0%とすることが好
ましい。前記含有率は6.0〜8.0%であれば、より
好ましい。
と軟化点が高くなりすぎて温度上昇にともなう粘度増加
が顕著になり成型が困難になる問題や、ガラス中のNa
+とKNO3を含有する溶融液中のK+との交換を阻害す
るという問題があり、また13.0%を超えると電気抵
抗が低下するため、3.0〜13.0%とすることが好
ましい。前記含有率は6.0〜8.0%であれば、より
好ましい。
【0038】K2Oは、Na2Oとの混合アルカリ効果に
よる電気抵抗の増大および熱膨張係数の調整を目的とし
て1.0%以上含有する。しかし9.0%を超えて含有
するとガラス組成物中のNa+と、KNO3を含有する溶
融液中のK+との交換を阻害する問題があるため、1.
0〜9.0%とすることが好ましい。前記含有率は4.
0〜8.0%であれば、より好ましい。
よる電気抵抗の増大および熱膨張係数の調整を目的とし
て1.0%以上含有する。しかし9.0%を超えて含有
するとガラス組成物中のNa+と、KNO3を含有する溶
融液中のK+との交換を阻害する問題があるため、1.
0〜9.0%とすることが好ましい。前記含有率は4.
0〜8.0%であれば、より好ましい。
【0039】SrOは、パネルのX線吸収能力を向上さ
せるための成分であって、その含有量が3.0%未満で
は30cm-1以上のX線吸収係数を達成できず、また
8.6%を超えて含有するとガラス中のNa+と、KN
O3を含有する溶融液中のK+との交換を阻害する問題が
あるとともに、失透温度が高くなりすぎて失透物が析出
し製品中に流出する恐れがあるため、3.0〜8.6%
とすることが好ましい。
せるための成分であって、その含有量が3.0%未満で
は30cm-1以上のX線吸収係数を達成できず、また
8.6%を超えて含有するとガラス中のNa+と、KN
O3を含有する溶融液中のK+との交換を阻害する問題が
あるとともに、失透温度が高くなりすぎて失透物が析出
し製品中に流出する恐れがあるため、3.0〜8.6%
とすることが好ましい。
【0040】BaOは前記SrOと同様にパネルのX線
吸収係数を向上させるための成分であって、その含有量
が5.0%未満では30cm-1以上のX線吸収係数を達
成できず、また12.0%を超えるとガラス中のNa+
と、KNO3を含有する溶融液中のK+との交換を阻害す
る問題があるとともに、失透温度が高くなりすぎて失透
が製品中に流出する問題があるため、5.0〜12.0
%とすることが好ましい。
吸収係数を向上させるための成分であって、その含有量
が5.0%未満では30cm-1以上のX線吸収係数を達
成できず、また12.0%を超えるとガラス中のNa+
と、KNO3を含有する溶融液中のK+との交換を阻害す
る問題があるとともに、失透温度が高くなりすぎて失透
が製品中に流出する問題があるため、5.0〜12.0
%とすることが好ましい。
【0041】ZnOについても、前記SrOおよびBa
Oと同様にパネルのX線吸収係数を向上させるための成
分であって、その含有量が0.4%未満では30cm-1
以上のX線吸収係数を達成できず、また9.0%を超え
ると失透温度が高くなりすぎて失透が製品中に流出する
問題があるため、0.4〜9.0%とすることが好まし
い。
Oと同様にパネルのX線吸収係数を向上させるための成
分であって、その含有量が0.4%未満では30cm-1
以上のX線吸収係数を達成できず、また9.0%を超え
ると失透温度が高くなりすぎて失透が製品中に流出する
問題があるため、0.4〜9.0%とすることが好まし
い。
【0042】ZrO2についても、前記SrO、BaO
およびZnOと同様にパネルのX線吸収係数を向上させ
るための成分であって、その含有量が0.5%未満では
30cm-1以上のX線吸収係数を達成できず、また5.
0%を超えると溶解性が低下する問題があるため、0.
5〜5.0%以下とすることが好ましい。
およびZnOと同様にパネルのX線吸収係数を向上させ
るための成分であって、その含有量が0.5%未満では
30cm-1以上のX線吸収係数を達成できず、また5.
0%を超えると溶解性が低下する問題があるため、0.
5〜5.0%以下とすることが好ましい。
【0043】TiO2は、含有量が0.1%未満である
と紫外線およびX線による電子線ブラウニングを抑制す
る効果が不十分であり、0.6%を超えると可視部短波
長側の吸収が大きくなりすぎる問題があるため、0.1
〜0.6%とすることが好ましい。
と紫外線およびX線による電子線ブラウニングを抑制す
る効果が不十分であり、0.6%を超えると可視部短波
長側の吸収が大きくなりすぎる問題があるため、0.1
〜0.6%とすることが好ましい。
【0044】CeO2についても、前記TiO2と同様の
効果を有する成分であり、含有量が0.1%未満である
と紫外線およびX線による電子線ブラウニングを抑制す
る効果が不十分であり、0.9%を超えると可視部短波
長側の吸収が大きくなりすぎる問題があるため、0.1
〜0.9%とすることが好ましい。
効果を有する成分であり、含有量が0.1%未満である
と紫外線およびX線による電子線ブラウニングを抑制す
る効果が不十分であり、0.9%を超えると可視部短波
長側の吸収が大きくなりすぎる問題があるため、0.1
〜0.9%とすることが好ましい。
【0045】なお、ZnOとZrO2については、質量
百分率表示での含有量の合計を2.5〜11.0%とす
る。前記ZnOおよびZrO2は質量吸収係数が高く、
また化学強化を促進する成分であるため2.5%以上が
好ましいが、前述のように失透の問題を回避するため1
1.0%を超えないことが好ましい。
百分率表示での含有量の合計を2.5〜11.0%とす
る。前記ZnOおよびZrO2は質量吸収係数が高く、
また化学強化を促進する成分であるため2.5%以上が
好ましいが、前述のように失透の問題を回避するため1
1.0%を超えないことが好ましい。
【0046】この他に、必須成分ではないが、成分とし
てLi2O、CaO、MgO、Sb2O3、SO3、および
/またはWO3を用いることができる。
てLi2O、CaO、MgO、Sb2O3、SO3、および
/またはWO3を用いることができる。
【0047】Li2Oは、ガラスの粘度を調整するため
の成分であるが、3.0%を超えて用いると電気抵抗が
低下するため、3.0%以下の含有量とし、好ましくは
2.0%以下とする。
の成分であるが、3.0%を超えて用いると電気抵抗が
低下するため、3.0%以下の含有量とし、好ましくは
2.0%以下とする。
【0048】CaOは、ガラスの粘度を調整するための
成分であり、またガラス中のNa+と、KNO3を含有す
る溶融液中のK+との交換を促進する効果があるが、
4.0%を超えて用いると軟化点が高くなりすぎ、温度
上昇にともなう粘度増加が顕著になり成型が困難となる
ため、含有量は4.0%以下とすることが好ましい。
成分であり、またガラス中のNa+と、KNO3を含有す
る溶融液中のK+との交換を促進する効果があるが、
4.0%を超えて用いると軟化点が高くなりすぎ、温度
上昇にともなう粘度増加が顕著になり成型が困難となる
ため、含有量は4.0%以下とすることが好ましい。
【0049】MgOは前記CaOと同様にガラスの粘度
を調整するための成分であり、またガラス中のNa
+と、KNO3を含有する溶融液中のK+との交換を促進
する効果があるが、4.0%を超えて用いると軟化点が
高くなりすぎ、温度上昇にともなう粘度増加が顕著にな
り成型が困難となるため、含有量は4.0%以下とする
ことが好ましい。
を調整するための成分であり、またガラス中のNa
+と、KNO3を含有する溶融液中のK+との交換を促進
する効果があるが、4.0%を超えて用いると軟化点が
高くなりすぎ、温度上昇にともなう粘度増加が顕著にな
り成型が困難となるため、含有量は4.0%以下とする
ことが好ましい。
【0050】Sb2O3は、溶融ガラス中の気泡を減少さ
せる清澄効果を有するものであるが、1.0%を超えて
用いても清澄効果は飽和してそれ以上に向上しないた
め、含有量は1.0%以下とすることが好ましい。
せる清澄効果を有するものであるが、1.0%を超えて
用いても清澄効果は飽和してそれ以上に向上しないた
め、含有量は1.0%以下とすることが好ましい。
【0051】SO3は、前記Sb2O3と同じく溶融ガラ
ス中の気泡を減少させる清澄効果を有するものであっ
て、Sb2O3の代替成分として使用できるが、1.0%
を超えて用いても清澄効果は飽和してそれ以上に向上し
ないうえ、石物を生じる問題があるため、含有量は1.
0%以下とすることが好ましい。
ス中の気泡を減少させる清澄効果を有するものであっ
て、Sb2O3の代替成分として使用できるが、1.0%
を超えて用いても清澄効果は飽和してそれ以上に向上し
ないうえ、石物を生じる問題があるため、含有量は1.
0%以下とすることが好ましい。
【0052】清澄成分としては、前記Sb2O3やSO3
以外にAs2O3が同様の効果を有するものとして知られ
ているが、環境保全上の問題に鑑み、その使用は好まし
いものではない。
以外にAs2O3が同様の効果を有するものとして知られ
ているが、環境保全上の問題に鑑み、その使用は好まし
いものではない。
【0053】WO3は、前記のSrOやBaOと同様に
パネルのX線吸収係数を向上させるための成分である
が、3.0%を超えて用いるとガラスの溶解性が低下す
るため、含有量は3.0%以下とすることが好ましい。
パネルのX線吸収係数を向上させるための成分である
が、3.0%を超えて用いるとガラスの溶解性が低下す
るため、含有量は3.0%以下とすることが好ましい。
【0054】また、ガラスの色を調整する成分として、
適宜CoOやNiO等の着色酸化物を用いることができ
る。
適宜CoOやNiO等の着色酸化物を用いることができ
る。
【0055】Fe2O3は、着色酸化物または不純物とし
て含有しても差し支えないが、1%を超えて用いると好
ましくない着色状態となるため、含有量は1%以下とす
ることが好ましい。
て含有しても差し支えないが、1%を超えて用いると好
ましくない着色状態となるため、含有量は1%以下とす
ることが好ましい。
【0056】そして前記の場合SrO、BaOおよびC
aOの含有量の合計C1、ZnOの含有量C2、ならびに
ZnOおよびアルカリ土類金属酸化物の含有量の合計C
3が、0.6≦C1/C3≦0.9、0.05≦C2/C3
≦0.4なる関係を有するよう含有量を調整する。
aOの含有量の合計C1、ZnOの含有量C2、ならびに
ZnOおよびアルカリ土類金属酸化物の含有量の合計C
3が、0.6≦C1/C3≦0.9、0.05≦C2/C3
≦0.4なる関係を有するよう含有量を調整する。
【0057】なお、前記アルカリ土類金属酸化物とは、
前述の成分のうち、SrO、BaO、CaOおよびMg
Oが該当するため、前記C3は、SrO含有量(%)+
BaO含有量(%)+CaO含有量(%)+MgO含有
量(%)+ZnO含有量(%)となる。また、C1はS
rO含有量(%)+BaO含有量(%)+CaO含有量
(%)である。
前述の成分のうち、SrO、BaO、CaOおよびMg
Oが該当するため、前記C3は、SrO含有量(%)+
BaO含有量(%)+CaO含有量(%)+MgO含有
量(%)+ZnO含有量(%)となる。また、C1はS
rO含有量(%)+BaO含有量(%)+CaO含有量
(%)である。
【0058】SrO、BaOおよびCaOは、他の成分
と比べて質量吸収係数が高い成分であり、前記C1/C3
が0.6未満であるとガラスのX線吸収係数が低くなる
ため0.6以上とすることが好ましいが、0.9を超え
ると化学強化におけるイオン交換が阻害されるため、前
述のように0.6≦C1/C3≦0.9とすることが好ま
しい。
と比べて質量吸収係数が高い成分であり、前記C1/C3
が0.6未満であるとガラスのX線吸収係数が低くなる
ため0.6以上とすることが好ましいが、0.9を超え
ると化学強化におけるイオン交換が阻害されるため、前
述のように0.6≦C1/C3≦0.9とすることが好ま
しい。
【0059】また、ZnOは、化学強化処理におけるイ
オン交換を促進する成分であるため、C2/C3は0.0
5以上であることが好ましいが、0.4を超えると失透
を生じやすくなるため、0.05≦C2/C3≦0.4と
することが好ましい。
オン交換を促進する成分であるため、C2/C3は0.0
5以上であることが好ましいが、0.4を超えると失透
を生じやすくなるため、0.05≦C2/C3≦0.4と
することが好ましい。
【0060】そして、本発明の陰極線管は、前記のパネ
ルを用いてなることを特徴とする。X線の線吸収係数が
30〜38cm-1であって、70MPa以上の圧縮応力
が付与され高い強度を有する本発明のパネルを用いるこ
とにより、軽量で安全性に優れた陰極線管を提供でき
る。
ルを用いてなることを特徴とする。X線の線吸収係数が
30〜38cm-1であって、70MPa以上の圧縮応力
が付与され高い強度を有する本発明のパネルを用いるこ
とにより、軽量で安全性に優れた陰極線管を提供でき
る。
【0061】
【実施例】続いて実施例に基づいて説明する。下記の表
1に示した例1から例5までの組成(質量百分率:単位
%)となるように試薬原料を用い、各例について500
g分の調合を行った。なお、例1および例2は実施例、
例3から例5までは比較例である。次に、調合された前
記の各原料を白金ルツボによって1500℃に昇温して
溶解し、さらに1500℃で1時間撹拌して均質化させ
た後、1時間清澄した。そして清澄後の溶融ガラスを幅
5cm×長さ25cmの板状に流し出した後、徐冷して
5種類のガラス板とした。また、各成分の質量吸収係
数:μm(cm2/g)を表2に示す。
1に示した例1から例5までの組成(質量百分率:単位
%)となるように試薬原料を用い、各例について500
g分の調合を行った。なお、例1および例2は実施例、
例3から例5までは比較例である。次に、調合された前
記の各原料を白金ルツボによって1500℃に昇温して
溶解し、さらに1500℃で1時間撹拌して均質化させ
た後、1時間清澄した。そして清澄後の溶融ガラスを幅
5cm×長さ25cmの板状に流し出した後、徐冷して
5種類のガラス板とした。また、各成分の質量吸収係
数:μm(cm2/g)を表2に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】また、表1の含有量に基づき各例について
算出した以下の値を表3に示す。 (※1)C3(%)=SrO含有量(%)+BaO含有
量(%)+CaO含有量(%)+MgO含有量(%)+
ZnO含有量(%)、 (※2)ZnOおよびZrO2の含有量の合計(%)=
ZnO含有量(%)+ZrO2含有量(%)、 (※3)C1/C3={SrO含有量(%)+BaO含有
量(%)+CaO含有量(%)}/C3(%)、 (※4)C1/C3=ZnO含有量(%)/C3(%)。
算出した以下の値を表3に示す。 (※1)C3(%)=SrO含有量(%)+BaO含有
量(%)+CaO含有量(%)+MgO含有量(%)+
ZnO含有量(%)、 (※2)ZnOおよびZrO2の含有量の合計(%)=
ZnO含有量(%)+ZrO2含有量(%)、 (※3)C1/C3={SrO含有量(%)+BaO含有
量(%)+CaO含有量(%)}/C3(%)、 (※4)C1/C3=ZnO含有量(%)/C3(%)。
【0065】
【表3】
【0066】続いて、徐冷後の前記各ガラス板につい
て、アルキメデス法によりそれぞれの密度を測定し、ま
た波長0.06nmのX線の吸収係数を、式(a)より
算出した。
て、アルキメデス法によりそれぞれの密度を測定し、ま
た波長0.06nmのX線の吸収係数を、式(a)より
算出した。
【0067】さらに、前記の各ガラス板からそれぞれ幅
2cm×長さ5cmの第一サンプルピースを切り出し、
そのうち例1、例2、例4および例5の計4枚について
のみ低温型イオン交換強化法により化学強化を行った。
具体的には、溶融したKNO 3の入ったステンレス鋼製
容器の中に前記第一サンプルピースを投入し、電気炉中
にて加熱してイオン交換強化法による処理を行い、それ
ぞれの第一サンプルピース表面に圧縮応力層を形成し
た。
2cm×長さ5cmの第一サンプルピースを切り出し、
そのうち例1、例2、例4および例5の計4枚について
のみ低温型イオン交換強化法により化学強化を行った。
具体的には、溶融したKNO 3の入ったステンレス鋼製
容器の中に前記第一サンプルピースを投入し、電気炉中
にて加熱してイオン交換強化法による処理を行い、それ
ぞれの第一サンプルピース表面に圧縮応力層を形成し
た。
【0068】次に、各例について徐々に冷却した後、洗
浄して乾燥した。このようにして得た5枚それぞれの第
一サンプルピースをスライスし、断面方向よりベレック
コンペンセータが付属した偏光顕微鏡を用い、ベレック
法でガラスの厚さ方向における前記圧縮応力層の厚さ
(μm)および圧縮応力値(MPa)を測定した。
浄して乾燥した。このようにして得た5枚それぞれの第
一サンプルピースをスライスし、断面方向よりベレック
コンペンセータが付属した偏光顕微鏡を用い、ベレック
法でガラスの厚さ方向における前記圧縮応力層の厚さ
(μm)および圧縮応力値(MPa)を測定した。
【0069】また、前記5枚のガラス板からそれぞれ幅
1.5cm×厚さ0.5cm×長さ6cmの第二サンプ
ルピースを切り出し、第一サンプルピースの場合と同じ
方法で例1、例2、例4および例5の第二サンプルピー
スを化学強化処理し、4点曲げ強度試験により例1から
例5までの各第二サンプルピースの曲げ強度(MPa)
を測定した。前記の4点曲げ強度試験とは、試料に荷重
を負荷して破壊荷重から強度を算出する方法であって、
具体的には前記第二サンプルピースを粒度#150の研
磨紙により約0.1MPaの力で加傷後、下スパンが5
5mmかつ上スパンが10mmの治具にセットし、4点
の曲げ強度測定を行う方法である。
1.5cm×厚さ0.5cm×長さ6cmの第二サンプ
ルピースを切り出し、第一サンプルピースの場合と同じ
方法で例1、例2、例4および例5の第二サンプルピー
スを化学強化処理し、4点曲げ強度試験により例1から
例5までの各第二サンプルピースの曲げ強度(MPa)
を測定した。前記の4点曲げ強度試験とは、試料に荷重
を負荷して破壊荷重から強度を算出する方法であって、
具体的には前記第二サンプルピースを粒度#150の研
磨紙により約0.1MPaの力で加傷後、下スパンが5
5mmかつ上スパンが10mmの治具にセットし、4点
の曲げ強度測定を行う方法である。
【0070】さらに、前記例1から例5までの組成のガ
ラスを用いてアスペクト比16:9の36型パネルを製
造し、そのうち例1、例2、例4および例5のパネルつ
いては前記サンプルピースの場合と同じ条件で化学強化
処理を施した。なお、各パネルのフェース部は、真空応
力の負荷時に許容され得る最も薄い厚さとした。
ラスを用いてアスペクト比16:9の36型パネルを製
造し、そのうち例1、例2、例4および例5のパネルつ
いては前記サンプルピースの場合と同じ条件で化学強化
処理を施した。なお、各パネルのフェース部は、真空応
力の負荷時に許容され得る最も薄い厚さとした。
【0071】その後、公知の組成のファンネルおよびネ
ックとそれぞれのパネルとを溶着して例1から例5まで
のバルブを製造した。そしてこれらのバルブについて耐
水圧強度(MPa)を測定した。前記の耐水圧強度を測
定する方法とは、大きな耐水圧槽の中にそれぞれの陰極
線管用ガラスバルブを入れ、該陰極線管用ガラスバルブ
内部を大気圧に保ったまま、外側から加圧していく試験
方法であり、前記バルブが破壊したときの圧力を耐水圧
強度とした。
ックとそれぞれのパネルとを溶着して例1から例5まで
のバルブを製造した。そしてこれらのバルブについて耐
水圧強度(MPa)を測定した。前記の耐水圧強度を測
定する方法とは、大きな耐水圧槽の中にそれぞれの陰極
線管用ガラスバルブを入れ、該陰極線管用ガラスバルブ
内部を大気圧に保ったまま、外側から加圧していく試験
方法であり、前記バルブが破壊したときの圧力を耐水圧
強度とした。
【0072】以下、表4に例1から例5までの、第1サ
ンプルピースのガラス密度(g/cm3 )、X線吸収係
数(cm-1)、電気炉にてイオン交換強化法による処理
を行う際の加熱温度(℃)および加熱時間(時間)、ガ
ラス表面の圧縮応力値(MPa)、圧縮応力層の厚さ
(μm)、第2サンプルピースの加傷後曲げ強度(MP
a)、パネルのフェース部中央厚さ(mm)、パネル質
量(kg)、およびバルブの耐水圧強度(MPa)の値
を示す。
ンプルピースのガラス密度(g/cm3 )、X線吸収係
数(cm-1)、電気炉にてイオン交換強化法による処理
を行う際の加熱温度(℃)および加熱時間(時間)、ガ
ラス表面の圧縮応力値(MPa)、圧縮応力層の厚さ
(μm)、第2サンプルピースの加傷後曲げ強度(MP
a)、パネルのフェース部中央厚さ(mm)、パネル質
量(kg)、およびバルブの耐水圧強度(MPa)の値
を示す。
【0073】
【表4】
【0074】以上の結果、例5については、SrOおよ
びBaOが本発明の含有量よりも多く、またC1/C3>
0.9であるため、イオン交換が十分になされず、その
結果例2と同じ保持温度・保持時間で化学強化処理を行
ったにもかかわらず、70MPa以上の圧縮応力を付与
することができなかったが、例2では135MPaの圧
縮応力値を有する層が形成された。
びBaOが本発明の含有量よりも多く、またC1/C3>
0.9であるため、イオン交換が十分になされず、その
結果例2と同じ保持温度・保持時間で化学強化処理を行
ったにもかかわらず、70MPa以上の圧縮応力を付与
することができなかったが、例2では135MPaの圧
縮応力値を有する層が形成された。
【0075】また、フェース部の厚さが等しい例1およ
び例4(共にフェース部厚さ11mm)について比較し
たところ、X線吸収係数が30.0cm-1未満である例
4については、X線の漏洩が人体に害を及ぼすといわれ
る照射線量率0.5mR/hを超える可能性を有するも
のであった。一方、例1については、前記照射線量率の
値が0.5mR/hを下回り、安全性を有するものであ
った。
び例4(共にフェース部厚さ11mm)について比較し
たところ、X線吸収係数が30.0cm-1未満である例
4については、X線の漏洩が人体に害を及ぼすといわれ
る照射線量率0.5mR/hを超える可能性を有するも
のであった。一方、例1については、前記照射線量率の
値が0.5mR/hを下回り、安全性を有するものであ
った。
【0076】また、化学強化処理を行っていない例3の
パネルについては、真空応力に耐え得るようにフェース
部を厚くする必要があり、その結果非常に重いものとな
ったが、前記例3に対し化学強化を施した他のパネルは
約30%軽量化できた。
パネルについては、真空応力に耐え得るようにフェース
部を厚くする必要があり、その結果非常に重いものとな
ったが、前記例3に対し化学強化を施した他のパネルは
約30%軽量化できた。
【0077】
【発明の効果】本発明のパネルは、化学強化に好適であ
ると同時に、高いX線遮蔽能力を有する組成であるた
め、安全性を損なわず薄肉化することが可能となり、そ
の結果軽量化できるという効果を奏する。また該パネル
を用いることにより安全性に優れ、かつ軽量な陰極線管
を提供できるという効果を奏する。
ると同時に、高いX線遮蔽能力を有する組成であるた
め、安全性を損なわず薄肉化することが可能となり、そ
の結果軽量化できるという効果を奏する。また該パネル
を用いることにより安全性に優れ、かつ軽量な陰極線管
を提供できるという効果を奏する。
【図1】カラー陰極線管の構成を示す説明図
【図2】カラー陰極線管のフェース部を示す説明図
1:陰極線管 2:ガラスバルブ 3:パネル 4:ファンネル 5:ネック 6:スカート部 7:フェース部 10:封着部 27:短軸端部 28:長軸端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G059 AA07 HB03 HB13 HB14 HB23 4G062 AA03 BB01 DA06 DB02 DB03 DC01 DD01 DE02 DE03 DF01 EA01 EA02 EA03 EB03 EB04 EC03 ED01 ED02 ED03 EE01 EE02 EE03 EF03 EG03 EG04 FA01 FB02 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL02 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH08 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM25 NN14 NN33 5C032 AA02 BB03 BB04
Claims (4)
- 【請求項1】波長0.06nmのX線の線吸収係数が3
0〜38cm-1であって、少なくともフェース部外表面
の短軸端部および/または長軸端部ならびにフェース部
内表面の中央部に、化学強化法によって70MPa以上
の圧縮応力を有する層が形成されていることを特徴とす
るカラー陰極線管用ガラスパネル。 - 【請求項2】前記圧縮応力を有する層の厚さが30μm
以上であることを特徴とする請求項1記載のカラー陰極
線管用ガラスパネル。 - 【請求項3】酸化物基準の質量百分率表示で、全質量に
対する含有量が実質的に SiO2 53.0〜65.0%、 Al2O3 0.5〜5.0%、 Na2O 3.0〜13.0%、 K2O 1.0〜9.0%、 SrO 3.0〜8.6%、 BaO 5.0〜12.0%、 ZnO 0.4〜9.0%、 ZrO2 0.5〜5.0%、 TiO2 0.1〜0.6%、 CeO2 0.1〜0.9%、 Li2O 0.0〜3.0% CaO 0.0〜4.0% MgO 0.0〜4.0% WO3 0.0〜3.0% であり、前記ZnOおよびZrO2の含有量の合計が
2.5〜11.0%であって、かつSrO、BaOおよ
びCaOの含有量の合計C1、ZnOの含有量C2 、なら
びにZnOおよびアルカリ土類金属酸化物の含有量の合
計C3が、0.6≦C1/C3≦0.9、0.05≦C2/
C3≦0.4なる関係を有することを特徴とする請求項
1または2記載のカラー陰極線管用ガラスパネル。 - 【請求項4】前記請求項1から3までに記載のカラー陰
極線管用ガラスパネルを用いてなることを特徴とするカ
ラー陰極線管。
Priority Applications (6)
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JP2001145371A JP2002343274A (ja) | 2001-05-15 | 2001-05-15 | カラー陰極線管用ガラスパネルおよび陰極線管 |
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DE10220393A DE10220393A1 (de) | 2001-05-15 | 2002-05-07 | Glasschirm für eine Farb-Kathodenstrahlröhre und Kathodenstrahlröhre |
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CN02119995A CN1385875A (zh) | 2001-05-15 | 2002-05-15 | 彩色阴极射线管用的玻璃面板和阴极射线管 |
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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GB (1) | GB2376463A (ja) |
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DE102013219965A1 (de) | 2013-10-01 | 2015-04-02 | Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft | Traktionsbatterie mit integrierter Bordnetzbatterie |
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- 2001-05-15 JP JP2001145371A patent/JP2002343274A/ja active Pending
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- 2002-05-02 GB GB0210138A patent/GB2376463A/en not_active Withdrawn
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- 2002-05-07 US US10/139,326 patent/US6790799B2/en not_active Expired - Fee Related
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