JP3520695B2 - 陰極線管用ガラスバルブ - Google Patents

陰極線管用ガラスバルブ

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JP3520695B2
JP3520695B2 JP28870696A JP28870696A JP3520695B2 JP 3520695 B2 JP3520695 B2 JP 3520695B2 JP 28870696 A JP28870696 A JP 28870696A JP 28870696 A JP28870696 A JP 28870696A JP 3520695 B2 JP3520695 B2 JP 3520695B2
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    • H01J29/86Vessels; Containers; Vacuum locks
    • H01J29/861Vessels or containers characterised by the form or the structure thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にテレビジョン
放送受信等に用いられる陰極線管のためのガラスバルブ
に関する。
【0002】
【従来の技術】図1、図2に示すように、テレビジョン
放送受信等に用いる陰極線管1は、基本的には映像を表
示するパネルガラスまたはパネル部3、偏向コイルを装
着するファンネル部4および電子銃17を格納するネッ
ク部5からなるガラスバルブ2で構成されている。
【0003】図1、図2において、6はパネル部3のス
カート部、7は該パネル部の映像を映し出すフェース
部、8は強度を保持するための防爆補強バンド、9はフ
ェース部とスカート部を連結するブレンドR部、10は
パネル部3とファンネル部4を半田ガラス等で封着する
封着部、12は電子線の照射により蛍光を発する蛍光
膜、13は蛍光膜での発光を前方へ反射するアルミニウ
ム膜、14は電子線が照射する蛍光体の位置を特定する
シャドウマスク、15はシャドウマスク14をスカート
部6の内面に固定するためのスタッドピン、16はシャ
ドウマスク14の電子線による高帯電を防ぎ外部へ導通
接地するための内装ダッグである。
【0004】また、Aはネック部5の中心軸とパネル部
3の中心を結ぶ管軸を示す。前記蛍光膜をパネルガラス
内面に形成したスクリーンは、前記管軸を中心点とし管
軸に直交する長軸および短軸にほぼ平行な4辺で構成さ
れたほぼ矩形をなしている。
【0005】略箱型の構造を有するパネルガラスを用い
た陰極線管は、1気圧の内外圧力差が負荷されるため
に、球殻とは異なる非対称構造に負うところの短軸や長
軸上のフェース端部やブレンドR部近傍のスカート部の
外表面に大きな引張応力(「+」符号)の領域が、圧縮
応力(「−」符号)の領域とともに比較的広範囲に図3
のように存在する。ここで、図3中のσR は紙面に沿っ
た応力、σT は紙面に垂直な方向の応力成分を示す。図
3中の応力分布に沿った数字はその位置における応力値
を示す。
【0006】ガラスバルブの表面上には二次元的応力分
布が存在し、通常、引張真空応力の最大値は、パネルガ
ラスのフェース部の映像表示面端部またはパネルガラス
のスカート部に存在する。したがって、もし陰極線管ガ
ラスバルブの前記引張真空応力が大きいのに、これに対
抗できる充分な構造的強度がなければ、大気圧による静
的疲労破壊を生じ陰極線管として機能しなくなる。
【0007】さらに、陰極線管の製造工程においては、
特に380℃程度の高温に保持し排気する際に、その熱
工程において熱応力が発生し前記引張真空応力に加わる
ため、はなはだしい場合には瞬間的な空気流入とその反
作用によって激しい爆縮を生じ、周囲にまで損害を及ぼ
す危険性がある。このような破壊を防止するための保証
としては、ガラスバルブおよび陰極線管の組み立て工程
で発生するガラス表面への加傷の強さと陰極線管の実用
耐用年数等を考慮して、#150エメリー紙により一様
に加傷したガラスバルブに加圧して外圧負荷試験を行
い、破壊に至ったときの内外圧力差を求め、この圧力差
として3気圧以上は耐えうるようにしている。
【0008】このような加傷を行ったガラスバルブが持
つ構造的な破壊強度は、ガラスバルブの外表面に存在す
る引張り性の真空応力が、ガラスバルブの構造に左右さ
れ二次元的であるため、一義的には決まらず、最小値1
8.6MPa、平均24.5MPa程度の範囲にある。
【0009】一方、真空応力による疲労破壊を考える
と、引張り性の真空応力の最大値σVmaxの存在する領域
が起点となり破壊する確率が高い。このため、σVmax
6〜12MPaの範囲に抑えるようにガラスバルブの肉
厚や形状を定めている。すなわち、フェース部にある程
度の曲率と肉厚を持たすことにより上記真空応力の低減
を図っている。また、フェース部全体を厚くせずにフェ
ース端部の方をより厚肉化して、楔効果により同様の低
減を図るのが一般的である。この結果、ブレンドR部は
他の部分より厚くなっている。
【0010】近年、陰極線管の大型化に伴いフェース部
の曲率半径が小さい場合、画面の視認性の問題が指摘さ
れている。このため、フェース部の曲率半径を非球面に
することにより、フェース部の肉厚の極端な増加を招か
ずに、フェース部の曲率半径を2倍から3倍程度まで大
きくし、かつ前記の最大引張真空応力の範囲を達成で
き、例えば、パネル部の最大外径が29型の場合、対角
軸上でのフェース部の曲率半径を2400mm程度まで
大きくする一方、短軸上の曲率半径を1400mmと小
さくしている。この結果、フェース端部周辺の落差を小
さくすることにより充分な視認性を確保するとともに、
短軸上の曲率半径を小さくすることにより最大引張真空
応力の低減を得ている。
【0011】しかし、さらにフェース部の曲率半径を大
きくし、例えば29型で平面状にした場合、前記最大引
張真空応力の範囲を確保しようとすると、フェース部の
肉厚は18.5mmまで増加する。このため、特開平7
−21944や特開平7−142013に示されている
ように、引張真空応力が最大になる領域に有効な物理強
化を行って、つまり熱処理により表面層に所望の圧縮応
力を残存させて、強度を確保しつつ薄肉化ができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】通常、パネルガラスは
1000℃前後の高温域にてプレス成形される。その
後、物理強化法では少なくともガラスを構成する分子の
再配置が可能な温度域にて、ガラス内部と表面との間に
効果的な温度差が生じるような熱処理を行い強化する。
【0013】しかし、従来のパネル部の場合、図4に示
すようにブレンドR部はその近傍のフェース部またはス
カート部に比較しかなり厚肉になっている。このため、
強化の際の冷却過程においては、ブレンドR部の熱容量
が大きいこととブレンドR部の形状が急激に変化するた
めに、大きい引張真空応力が発生するブレンドR部に連
結しているフェース部やスカート部に隣接している領域
の冷却が遅れ、強化により表面に形成される圧縮応力が
フェース部の中心部に比較して小さくなる。
【0014】このため、この領域での強化応力値を大き
く取ろうとすると、フェース中心部やスカート部シー
ルエッジ部の強化応力値が過大になり、このアンバラン
スを解消しようとしてフェース端部の内表面または外表
面に、引張り性の平面応力が新たに発生する問題があ
る。また、このような厚肉部分がある場合、冷却が不安
定になり、上記領域での強化応力値の大きさを制御しに
くい問題もある。
【0015】本発明の目的は、従来技術におけるこうし
た欠点を解消しつつ、さらに最大引張真空応力を低減で
きて、陰極線管の爆縮を招かない強化したガラスバルブ
を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】略矩形のフェース部とそ
の側壁を構成するスカート部とを有するパネル部、ファ
ンネル部およびネック部からなる陰極線管用ガラスバル
ブにおいて、前記ガラスバルブの少なくともパネル部の
外表面に物理強化による圧縮応力が形成されており、前
記フェース部の中心を通り互いに垂直な長軸および短軸
の少なくともいずれかの軸上におけるフェース部の最大
肉厚tFとスカート部を連結しているブレンドR部の最
大肉厚tRとの間に、1.0≦tR/tF 1.4なる関
係を有し、陰極線管組み立て後に少なくとも最大引張真
空応力σVmaxが形成される位置を含む領域での前記物理
強化による圧縮応力値をσcとするとき、7MPa≦|
σc|≦30MPaであることを特徴とする陰極線管用
ガラスバルブを提供する。
【0017】本発明は、また、略矩形でほぼ平面のフェ
ース部とその側壁を構成するスカート部とを有するパネ
ル部、ファンネル部およびネック部からなる陰極線管用
ガラスバルブにおいて、前記ガラスバルブの少なくとも
パネル部の外表面に物理強化による圧縮応力が形成され
ており、前記フェース部の中心を通り互いに垂直な長軸
および短軸の少なくともいずれかの軸上におけるフェー
ス部の最大肉厚tF とスカート部を連結しているブレン
ドR部の最大肉厚tR との間に、1.0≦tR/tF
1.3なる関係を有し、 陰極線管組み立て後に少なくと
も最大引張真空応力σVmaxが形成される位置を含む領域
での前記物理強化による圧縮応力値をσc とするとき、
7MPa≦|σc |≦30MPaであることを特徴とす
る陰極線管用ガラスバルブを提供する。
【0018】本発明は、また、前記ブレンドR部の最大
肉厚tR とブレンドR部の実質的な曲率半径Rb との間
に、tR ≦Rb なる関係を有する上記の陰極線管用ガラ
スバルブを提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、 陰極線管用パネルガラ
スのフェース部とスカート部との連結部分の領域の肉厚
や形状を特定することにより、前述のプレス成形後の強
化処理または熱処理の際、上記領域の近傍における圧縮
性の強化応力値を大きくし、これにより陰極線管を組み
立てた後に形成される引張り性の真空応力を低減する。
【0020】強化のための熱処理は、ガラスの表面温度
が約600℃〜380℃で通常行われる。しかし、パネ
ルガラスの不均一な肉厚分布や形状と一様な冷却操作の
至難性が、上記領域でかなりの温度分布を発生させる。
ブレンドR部の厚みが大きいほど熱容量が大きくなり、
冷却過程でブレンドR部から近傍付近への熱流を発生さ
せる。この結果、陰極線管に組み立てた後、ブレンドR
部近傍に存在する最大引張真空応力の発生位置での強化
応力が低下する。このため、フェース中心部の強化応力
値と比較し過小にならないためには、少なくともこの最
大引張真空応力が発生する軸上でのフェース部の最大肉
厚tFとブレンドR部の最大肉厚tRとの比tR/tF
1.4未満とする。
【0021】また、1000℃前後のガラス塊をモール
ド内でプレスする際に、図5に示すようにガラスをモー
ルド内に充填するが、比較的小さなプレス圧力で成形で
きるような抵抗が少ない形状として比tR /tF を1.
0以上とする。
【0022】一方、陰極線管組み立て後に発生する引張
真空応力の分布は、ブレンドR部の曲率半径Rb の大き
さに依存する。Rb が大きいほど引張真空応力の分布が
広がるが、最大値σVmaxは低減し、強化による陰極線管
ガラスバルブ強度の向上効果が相対的に高められる。特
に、tF ≦Rb の場合、この効果が著しく好ましい。
【0023】また、本発明は前述のブレンドR部の形状
によって、最大引張真空応力が発生する領域にもたらさ
れる強化応力値の効果的な範囲を特定することである。
前述のように、圧縮性の強化応力値は、強化の熱処理の
際に必要なガラス内部と表面との温度差が大きいほど大
きくなる。かかる領域における圧縮性の強化応力値が5
MPaより小さい場合、ブレンドR部からその近傍に流
入する熱量が小さくなるので、本発明でなされた形状で
得られる効果は小さくなり、従来の形状と比較して大差
がない強化応力値になる。比較的著しい効果が得られる
のは7MPa以上である。
【0024】一方、強化応力値が30MPaより大きい
場合には、フェース部とスカート部との冷却バランスの
制御が困難になる。その結果、不要な引張り性の平面応
力を上記最大引張真空応力が発生する領域やコーナー
近の内面または外面に発生させ実用的ではない。
【0025】また、パネルガラスのブレンドR部近傍に
おいて、フェース部とスカート部とのなす角度が直角に
近づくほど、強化処理の際フェース部とスカート部から
の熱伝達を一様にするのが困難となるために冷却のアン
バランスが生じ、ブレンドR部近傍のフェース部または
スカート部のいずれかに熱量の流入が大きくなる。した
がって、 ほぼ平面のフェース部を有する場合、tR /t
F ≦1.3なる範囲にすることが本発明の効果を得るう
えで好ましい。
【0026】陰極線管組み立て後におけるパネルガラス
の強度は、実質的に最大引張応力σVmaxが発生する領域
によって制約される。したがって、この領域の強度の改
善が重要であり、本発明は構造的または実験的にこの最
大引張応力σVmaxの形成が確認されている短軸または長
軸の方位に着目して、強度的に最も問題のあるこれら領
域の強度を、物理強化と構造的改善により向上させるこ
とを特徴とする。
【0027】本発明の好ましい実施形態において、フェ
ース部とスカート部との連結部であるブレンドR部の曲
率半径は、フェース部の短軸または長軸が交わる長辺ま
たは短辺の中央からコーナー部に向かって同一であるか
または単調に減少する。また、ブレンドR部のtR およ
びtF は、通常コーナー部に向かって単調に増加する
が、その増加割合は主としてパネルガラスの形状、大き
さ等により変わり、一義的には定まらない。
【0028】
【作用】本発明によれば、少なくとも物理強化法による
圧縮性の強化応力をパネル部表面に有するガラスバルブ
において、このパネル部のフェース部とスカート部を連
結しているブレンドR部の肉厚とその近傍でのフェース
部の肉厚との関係を特定し、かつこの圧縮応力の大きさ
を特定することにより、上記領域で得られる強化応力値
をより大きくしかつフェース中心部やスカート部の封着
部の強化応力値と比較し過小にならないような効果を生
じる。
【0029】
【実施例】
「例1(実施例)および例2(比較例)」例1において
は、図2に示すような、カラーテレビジョン用陰極線管
に通常使用されるもので、表2に示す特性を有するガラ
ス材料を用いてガラスバルブを作製した。なお、表2に
おける「名称」はいずれも商品名(旭硝子製)である。
【0030】前記ガラスバルブは、アスペクト比が4:
3で、対角径68cmの有効画面を有する29型テレビ
ジョン用の従来品(例2)と、短軸上のブレンドR部の
最大肉厚tR と曲率半径Rb および短軸上のRb から対
角へ向かって連続的に変化する長辺上のブレンドR部の
曲率半径を除いては同一形状にしている。その概略寸法
を表1に示す。なお、パネル最大外径と有効画面サイズ
は対角長を示す。ブレンドR部の曲率半径Rb を例2の
8.0mmから12.5mmに変更した結果、ブレンド
R部の最大肉厚tR は例2と比べ24.4mmから2
2.5mmへ減少した。
【0031】また、ガラスバルブの内部を真空にする
と、フェース部外面の有効画面端部の短軸上に最大引張
真空応力σVmaxを形成する。その値を表1に示すが、例
2と比較し8.5MPaから8.3MPaへ低減でき
た。
【0032】一方、例1と例2では同一の熱処理にて強
化を行った。フェース中央部と短軸上のフェース端部に
形成された圧縮性の強化応力の値を表1に示す。フェー
ス中央での強化応力値σCOは両者ほぼ変わらないが、例
1ではフェース端部での強化応力値σCEは、例2の7.
7MPaから9.4MPaへ、σCE/σCOは0.46か
ら0.56へ向上した。
【0033】「例3(実施例)」例3は、例1と同一の
ガラス材料を用いており、例2とは短軸上のブレンドR
部の最大肉厚tR と曲率半径Rb および短軸上のRb
ら対角へ向かって連続的に変化する長辺上のブレンドR
部の曲率半径を除いては、同一のバルブ形状をしてい
る。
【0034】短軸上のブレンドR部の曲率半径Rb をさ
らに大きくし20.0mmにしたところ、ブレンドR部
の肉厚が例2の24.4mmから17.9mmに薄くな
ったにもかかわらず、最大引張真空応力σVmaxは8.5
MPaから8.1MPaに低減できた。
【0035】また、例3と例2では同一の熱処理にて強
化を行った。フェース中央部と短軸上のフェース端部で
形成された圧縮性の強化応力の値を表1に示す。フェー
ス中央部での強化応力値σCOは両者で変わらないが、例
3ではフェース端部での強化応力値σCEは、例2の7.
7MPaから12.5MPaへ、σCE/σCOは0.46
から0.74へ向上した。
【0036】「例4(実施例)および例5(比較例)」
例4は、例1と同一のガラス材料を用いてガラスバルブ
を作製した。前記ガラスバルブは、フェース部の曲率が
ほぼフラットで、アスペクト比が16:9、対角径66
cmの有効画面を有する28型テレビジョン用の従来品
(例5)と、短軸上のブレンドR部の最大肉厚tR と曲
率半径Rb および短軸上のRb から対角へ向かって連続
的に変化する長辺上のブレンドR部の曲率半径を除いて
は、同一形状にしている。その概略寸法を表1に示す。
ブレンドR部の曲率半径Rb を例5の17.5mmから
25.0mmに変更した結果、ブレンドR部の最大肉厚
R は例5と比べ22.2mmから19.5mmへ減少
した。
【0037】また、ガラスバルブの内部を真空にする
と、フェース部外面の有効画面端部の短軸上に最大引張
真空応力σVmaxを形成する。その値を表1に示すが、例
5と比較し9.6MPaから9.2MPaへ低減でき
た。
【0038】一方、例4と例5では同一の熱処理にて強
化を行った。フェース中央部と短軸上のフェース端部に
形成された圧縮性の強化応力の値を表1に示す。フェー
ス中央部での強化応力値σCOは両者で変わらないが、例
4では、フェース端での強化応力値σCEは、例5の6.
6MPaから10.6MPaへ、σCE/σCOは0.41
から0.66へ向上した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明においては、少なくとも物理強化
法による圧縮性の強化応力をパネル部表面に有するガラ
スバルブであって、該パネル部のフェース部とスカート
部を連結しているブレンドR部の肉厚とその近傍でのフ
ェース部の肉厚との関係を特定し、かつこの圧縮応力の
大きさを特定することにより、陰極線管に組み立て後、
比較的大きな引張り性の真空応力が形成される領域での
強化応力値をより大きくし、かつフェース中心部やスカ
ート部の封着部の強化応力値と比較し過小にならないよ
うに、実効的な強化応力値の分布をパネル部の外面に生
じる。
【0042】また、前記の特定な関係を有することによ
りフェース部とスカート部との冷却バランスの制御が可
能となり、上記領域やコーナー部の接合部付近の内面ま
たは外面に発生する不要な引張り性の平面応力を軽減す
る効果がある。
【0043】さらに、上記領域におけるブレンドR部の
曲率半径と肉厚との関係を特定することにより、前記引
張り性の真空応力の低減をもたらす効果がある。これら
の効果により、陰極線管組み立て中の爆縮や完成後の疲
労破壊を招かない強固な陰極線管ガラスバルブが容易に
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陰極線管用ガラスバルブのパネル部の
部分拡大断面図。
【図2】本発明の陰極線管用ガラスバルブを説明するた
めのものであって、陰極線管の部分断面図。
【図3】従来の陰極線管用ガラスバルブの応力分布図。
【図4】本発明の陰極線管用ガラスバルブのパネル部の
ブレンドR部近傍の拡大断面図。
【図5】陰極線管用ガラスバルブのパネル部の成形工程
を示す断面説明図で、(a)および(b)はA部の拡大
図。
【符号の説明】
1:陰極線管 2:ガラスバルブ 3:パネル部 4:ファンネル部 5:ネック部 6:スカート部 7:フェース部 9:ブレンドR部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−142012(JP,A) 特開 平7−142013(JP,A) 実開 昭63−73849(JP,U) 実開 平1−81855(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/86

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略矩形のフェース部とその側壁を構成する
    スカート部とを有するパネル部、ファンネル部およびネ
    ック部からなる陰極線管用ガラスバルブにおいて、 前記ガラスバルブの少なくともパネル部の外表面に物理
    強化による圧縮応力が形成されており、 前記フェース部の中心を通り互いに垂直な長軸および短
    軸の少なくともいずれかの軸上におけるフェース部の最
    大肉厚tFとスカート部を連結しているブレンドR部の
    最大肉厚tRとの間に、1.0≦tR/tF 1.4なる
    関係を有し、 陰極線管組み立て後に少なくとも最大引張真空応力σ
    Vmaxが形成される位置を含む領域での前記物理強化によ
    る圧縮応力値をσcとするとき、7MPa≦|σc|≦3
    0MPaであることを特徴とする陰極線管用ガラスバル
    ブ。
  2. 【請求項2】略矩形でほぼ平面のフェース部とその側壁
    を構成するスカート部とを有するパネル部、ファンネル
    部およびネック部からなる陰極線管用ガラスバルブにお
    いて、 前記ガラスバルブの少なくともパネル部の外表面に物理
    強化による圧縮応力が形成されており、 前記フェース部の中心を通り互いに垂直な長軸および短
    軸の少なくともいずれかの軸上におけるフェース部の最
    大肉厚tF とスカート部を連結しているブレンドR部の
    最大肉厚tR との間に、1.0≦tR /tF ≦1.3な
    る関係を有し、 陰極線管組み立て後に少なくとも最大引張真空応力σ
    Vmaxが形成される位置を含む領域での前記物理強化によ
    る圧縮応力値をσc とするとき、7MPa≦|σc |≦
    30MPaであることを特徴とする陰極線管用ガラスバ
    ルブ。
  3. 【請求項3】前記ブレンドR部の最大肉厚tR とブレン
    ドR部の実質的な曲率半径Rb との間に、tR ≦Rb
    る関係を有する請求項1または2の陰極線管用ガラスバ
    ルブ。
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