JPH0148607B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔発明の背景〕 この発明は映像管の陰極線励起発光線状表示面
に近接して取付けられたスリツト形開孔型多孔シ
ヤドーマスクを有する型のカラー映像管に関し、
特に、その管内のマスク開孔列間隔の改良に関す
る。 現在製造されているカラー映像管は殆んど線状
表示面−スリツトマスク型である。この映像管は
陰極線励起発光材料の線状表示面を具備する球形
外面形状のフエースプレートと、その表示面に隣
接したほぼ球形の外面形状をしたスリツト形開孔
をもつシヤドーマスクとを有する。このような映
像管のスリツト形開孔は管状の短軸にほぼ平行な
列状に配置されている。 最近、いくつかのカラー映像管の変形が提案さ
れている。その１つは平面と錯覚させるような考
え方による新しいフエースプレートパネルの外面
形状概念である。このような映像管の変形は1983
年２月25日付米国特許願第469772号（特開59−
163737対応）、1983年２月25日付同第469774号
（特開59−163738対応）および1983年９月６日付
同第529644号（特願59−187217対応）の各明細書
に記載されている。変形管のフエースプレートの
外面形状はフエースプレートパネルの長短両軸に
沿つた曲面を呈するが球面ではない。上記米国出
願の推奨実施例では管球表示面の外周縁が平面
か、少なくとも視覚上実質的に平面に見える。こ
の平面または実質的平面状の外周縁を得るには、
長軸に沿う曲率がパネルの中心より両側辺におい
て大きいフエースプレートパネルを形成する必要
がある。このような非球面形状のフエースプレー
トパネルはシヤドーマスクの形状およびシヤドー
マスク開孔列の間隔を含む問題を発生する。 最初の線状表示面スリツトマスク型映像管で
は、シヤドーマスクの外面形状はほぼ球面であつ
て、長軸に沿う隣接開孔列の間隔（水平間隔）は
マスク全面で一定に保たれていたが、少し後のこ
の型の管状はシヤドーマスクの曲率を増し、米国
特許第4136300号の数示する開孔列間隔の変化を
採用している。この後者の管状では、隣接開孔列
の中心線間隔がマスクの中心から端縁にかけて増
大し、その増加が長軸に沿つてほぼ短軸からの距
離の２乗で変化する。もしこの新規なほぼ平面状
の管状の列間隔を短軸からの距離の２乗で変化さ
せるるなら、表示面の線位置または充填度を許容
可能なものとするためにはマスクの曲率を減じな
ければならない。しかし、表示面はシヤドーマス
クを写真マスタとして使用する写真処理で形成さ
れることに注意すべきで、シヤドーマスクの曲率
を減じると剛性が低下し、管球の動作時にマスク
の歪みが増加する。従つて、この新規な実質的に
平面状の管球のシヤドーマスクはフエースプレー
トの外面形状と同じ外面形状を有する。このよう
なマスクの外面形状は一般に前記米国特許願第
469772号明細書に記載されているが、この出願で
はマスクの外面形状に特定の方程式を提供してい
ないし、マスクの開孔列間隔の変化を教示してい
ない。とにかく、従来の列間隔の変化はこれらの
新規なマスク外面形状に不適当であり、従つて、
このような新規な管球のシヤドーマスクには新し
い開孔列間隔が必要である。 〔発明の概要〕 この発明による改良は、陰極線励起発光線状表
示面から離してスリツト形開孔型シヤドーマスク
を取付けたカラー映像管に対して行われたもの
で、隣接する開孔列の間隔をシヤドーマスクの中
心から端縁までその中心からの距離の約４乗に比
例して増大させるものである。 このように４乗で間隔を変えると、長軸に沿う
マスクの外面形状もまたマスクの中心からの距離
の４乗の関数として変化するようにシヤドーマス
クを形成することができる。 〔推奨実施例の詳細な説明〕 第１図は矩形のフエースプレートパネル１２、
管状ネツク部１４およびその双方を結合するフア
ンネル部１６を含むガラス外囲器１１を有するカ
ラー映像管１０の形の矩形陰極線管を示す。フエ
ースプレートパネルは観視用フエースプレート１
８とガラスフリツト部１７によりフアンネル部１
６に封着された外周フランジすなわち側壁２０と
を具備し、フエースプレート１８の内面には矩形
の３色陰極線励起発光型螢光表示面２２がある。
この表示面は（第１図の平面に直角な）その短軸
Ｙ−Ｙにほぼ平行な螢光体の線を有する線状表示
面であることが望ましい。フエースプレートパネ
ル１２の内側にはこの発明の多孔選色電極すなわ
ちシヤドーマスク２４が表示面２２に対して所定
の間隔で着脱自在に取付けられている。ネツク部
１４内にはその中心に第１図に破線で略示された
インライン型電子銃２６が取付けられ、最初同一
平面上の集中経路に沿つてマスク２４を通り表示
面２２に達する３本の電子ビーム２８を発生指向
させる。 第１図の管球１０は外部磁気偏向ヨークすなわ
ちネツク部１４とフアンネル部１６との結合部近
傍でそれを包囲する図示のヨーク３０を利用する
ように設計され、このヨークのため３本のビーム
２８が垂直水平の磁束に支配されて水平に長軸Ｘ
−Ｘの方向と垂直に短軸Ｙ−Ｙの方向とに走査さ
れ、表示面２２上に矩形ラスタを描く。 第２図はフエースプレートパネル１２の正面図
を示す。パネル１２の外周はわずかに彎曲した４
辺を有する矩形を成す。図中の破線は表示面２２
の外周縁を示す。この表示面外周縁は矩形であ
る。 第３図は短軸Ｙ−Ｙおよび長軸Ｘ−Ｘに沿うフ
エースプレートパネル１２の外面の相対的形状の
比較を示す。フエースプレートパネル１２の外面
は長短両軸に沿つて彎曲し、パネル１２の中心部
では短軸に沿う曲率が長軸に沿う曲率よりも大き
い。例えば、フエースプレートの中心における長
軸に沿う外面形状の曲率半径と短軸に沿う外面形
状の曲率半径との比は1.1よりも大きい（すなわ
ち10％以上異なる）。しかし、長軸に沿う曲率は
フエースプレートの中心部において小さく、フエ
ースプレートの端縁近傍で大きい。この１実施例
では、フエースプレートの端縁近傍の長軸に沿う
曲率が短軸に沿う一般的曲率よりも大きく、この
設計の場合、フエースプレートの中心部は一層平
坦になるが、表示面の外周部におけるフエースプ
レート外面の位置は実質的に平面Ｐ上にあつてほ
ぼ矩形の外周形状線を画定する。対角線に沿う表
面の曲率は長軸と短軸に沿う曲率の変り目を滑ら
かにするように選ばれている。推奨実施例では、
フエースプレートの中心部における短軸に沿う曲
率が長軸に沿う曲率の約4/3になつている。 長軸と短軸に沿う曲率を異らせることにより、
表示面２２の外周辺に対向するパネル外面上の各
点がほぼ同一平面Ｐ上に来る。この様な実質的に
同一の平面上の各点は、第２図のようにフエース
プレートパネル１２の前方から見ると、パネルの
外面上の外周形状線すなわち表示面２２の外周辺
に重なつた実質的な矩形を形成する。従つて、管
球１０をテレビジヨン受像機に組込んだとき、そ
の周囲の境界マスクすなわち額縁の幅を一様にす
ることができる。その矩形の外周形状線で管球に
接するこの額縁の端辺もまた実質的に同一平面Ｐ
の上にある。管球表示面上の映像の外周縁が平面
状に見えるので、フエースプレートパネルが長短
両軸に沿つて外側に彎曲していても、映像が平坦
に生成される錯覚をする。 第４図はこの発明のシヤドーマスク２４の正面
図を示す。破線３２はマスク２４の有孔部の境界
を示す。マスク２４の長軸Ｘ−Ｘ、短軸Ｙ−Ｙ、
および対角線に沿う外面形状は第５図の曲線５
ａ，５ｂおよび５ｃでそれぞれ示される。マスク
２４はその長軸に沿う曲率が短軸に沿う曲率と異
なり、また長軸に沿う外面形状の曲率がマスクの
中心近傍で小さく、周辺で大きい。このようなシ
ヤドーマスクの外面形状は一般に長軸Ｘ−Ｘの曲
率を長軸の中心部を形成する大半径の円と長軸の
残部を形成するそれより小半径の円として描くこ
とにより得られるが、詳言すれば長軸に沿う矢の
高さは短軸Ｙ−Ｙからの距離のほぼ４乗に比例し
て変化する。矢の高さとはマスク表面の中心に接
する想像平面からの距離である。短軸Ｙ−Ｙに平
行な曲率は所要のマスク外周まで長軸の曲面に滑
らかに適合するようになつており、長軸に沿つて
用いられているような曲率変化をすることができ
る。このようなマスクの外面形状では、長軸の両
端付近で曲率が増大するため、熱膨張特性が若干
改善される。この熱膨張特性の改善と曲率の増大
との関係は前記米国特許第4136300号に記載され
ている。 表１は対角線約68.58cm（27インチ）の観視用
表示面を有する映像管のこの発明のシヤドーマス
クの長軸Ｘ−Ｘに沿う４乗曲面を示す。表１の第
１欄は短軸Ｙ−Ｙからの距離、第２欄は短軸から
の距離の４乗、第３欄はＺ軸すなわち矢の高さの
４乗の計算値をそれぞれ示す。これらの計算は等
式、矢の高さ（ミル）＝0.1314X（インチ）⁴に基い
ている。

【表】 この発明のシヤドーマスクはこの近似４乗型外
面形状のために、従来のシヤドーマスクに使用さ
れて来た開孔列間隔の変化が適合しない。この発
明のマスクでは一般にＡ間隔すなわち隣接開孔列
の中心線間距離が従来のマスクのＡ間隔よりマス
クの中心から端縁まで大きく増加する。Ａ間隔の
このような増加はマスクの中心部を示す第６図と
マスクの端縁部を示す第７図とを比較すると分る
が、この発明のマスクではこのＡ間隔の変化が従
来のマスクと実質的かつ重要な意味で異なる。 この発明のシヤドーマスク２４の開孔列間の水
平Ａ間隔は管球の中心またはＹ軸からの距離の約
４乗の関数として変化する。このＡ間隔の４乗変
化な対角線約68.58cm（27インチ）の観視用表示
面を有するカラー映像管について表２に示す。表
２において、第１欄は長軸Ｘ−Ｘに沿つて測定し
た短軸Ｙ−Ｙからの距離、第２欄は第１欄の距離
の４乗、第３欄は距離の４乗の関数に基いて計算
したＡ間隔である。

【表】

【表】 同じ方法の従来の実質的に球形外面形状のシヤ
ドーマスクに関する比較データを表３に示す。こ
の表で、第１欄は長軸に沿う短軸からの距離、第
２欄は短軸からの距離の２乗、第３欄は距離の２
乗の関数に基いて計算したＡ間隔を示す。

【表】 第８図は表２および表３に示す実際のＡ間隔を
眼で比較できるようにした図表である。通常のシ
ヤドーマスクのＡ間隔は短軸付近で増加し始め、
幾分滑らかにマスクの端縁に向つて増加を続ける
が、この発明のシヤドーマスクのＡ間隔はマスク
の中心部付近で比較的一定で、マスクの端縁に近
付くと急速に増加する。 この発明のマスクの長軸から離れているが長軸
と平行な断面のＡ間隔は、僅かな差はあるが短軸
からの距離のほぼ４乗に比例して変化する。表４
はこの発明のシヤドーマスクの開孔パターンの外
周縁付近の長軸に平行な（Ｙ＝７インチ）断面に
ついて表２のそれと比較したデータを示す。長軸
とＹ＝７インチの平行断面との間の断面に対する
X⁴の係数は0.001と0.00126との間にある。

【表】 【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の１実施例を組込んだシヤド
ーマスク式カラー映像管の部分断面平面図、第２
図は第１図の線２−２から見たカラー映像管のフ
エースプレートの正面図、第３図は第２図のフエ
ースプレートパネル表面の長軸３ａ−３ａと短軸
３ｂ−３ｂに沿う外面形状を示す合成図、第４図
は第１図のカラー映像管のシヤドーマスクの正面
図、第５図は第４図のシヤドーマスク表面の長軸
５ａ−５ａ、短軸５ｂ−５ｂおよび対角線５ｃ−
５ｃに沿う外面形状を示す合成図、第６図および
第７図は第４図のシヤドーマスクの円６および７
内の拡大図、第８図は通常の球形シヤドーマスク
とこの発明によるシヤドーマスクの開孔列間隔の
変化を示す図表である。 １０…カラー映像管、２２…陰極線励起発光線
状表示面、２４…シヤドーマスク、５ａ…長軸に
沿う外面形状。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 陰極線励起発光線状表示面に近接して取付け
   られたシヤドーマスクを具備し、このマスクは、
   長軸とこの長軸に直交する短軸とこの短軸方向に
   延びる列状に配置された複数個のスリツト形開孔
   とを有し、その隣接する開孔列相互間の上記長軸
   方向の間隔がこのマスクの中心から端縁に向つて
   その中心からの距離の約４乗に比例して増大して
   いることを特徴とするカラー映像管。 ２ 上記マスクの上記長軸方向における外面形状
   が上記マスクの中心からの距離の約４乗の関数と
   して変化していることを特徴とする特許請求の範
   囲１項に記載のカラー映像管。