JPH07206466A - 陰極線管のフェイス用ガラス組成物 - Google Patents

陰極線管のフェイス用ガラス組成物

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JPH07206466A
JPH07206466A JP95494A JP95494A JPH07206466A JP H07206466 A JPH07206466 A JP H07206466A JP 95494 A JP95494 A JP 95494A JP 95494 A JP95494 A JP 95494A JP H07206466 A JPH07206466 A JP H07206466A
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JP
Japan
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glass
face
bao
sro
ray tube
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JP95494A
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English (en)
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Osamu Yanagisawa
修 柳沢
Koji Hirasawa
孝司 平澤
Masato Oe
正人 大江
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%表示で、SiO2 58.5〜60.5、
Al23 1.0〜2.5、Na2 O 6〜7.5、K
2 O 8〜9.5、SrO 8〜9.5、BaO 8〜9.5、ZnO 1〜2.5、ZrO2 2.5〜
3.5、CaO+MgO 0〜1、CeO2 0.1〜0.6、TiO2 0.3〜
0.6、Sb23 0.2〜0.5からなる。 【効果】フェイスガラスの肉厚を薄くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管のフェイス用
ガラス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビに用いられる陰極線管(C
RT)のフェイス面のガラスには成形時に必要な物性、
バルブとして製造される時に必要な物性、表示・安全性
能に必要な物性等多くの物性を要求される。
【0003】第一に、安全性能においては次のようなこ
とがある。カラーテレビは陰極から出た電子線をフェイ
ス内面に塗布された蛍光体に照射し、発光させ映像を写
す。電子線が蛍光体、蛍光体表面のアルミニウム、シャ
ドウマスクを照射すると、X線が発生する。このX線が
フェイスガラスを透過して外に漏れると人体に有害であ
る。そこでフェイスガラスにX線を吸収させるため、そ
のガラス組成はSrO、BaO、ZnO、ZrO2 等の
X線質量吸収係数の大きな酸化物を含んでいる。それら
ガラスは、0.6Åの波長におけるX線吸収係数μ値が
28〜29cm-1を持ち、フェイスガラスとして用いら
れている。
【0004】ガラスのX線吸収係数を上げるのに質量吸
収係数の大きなPbOを使用すればよいことは知られて
いる。しかし、フェイスガラスにPbOが存在すると、
電子線が照射されるとガラスは茶色に永久に着色(電子
線ブラウニング)することが知られている。この現象
は、ガラスに電子線を照射したとき、ガラス中のPbO
が容易に還元されるためである。したがって、フェイス
ガラスにはPbOの使用は避けなければならない。
【0005】第二に、表示性能面においては、カラーテ
レビ用のフェイスガラスの色調は中性色でなければなら
ない。このガラスの色調は極めて狭い範囲で管理されて
いるため、このガラスの着色剤はガラスの酸化還元度に
よって変化しないCoO、Cr23 、NiOに限られ
る。これらの着色剤では、色度図におけるy軸の負の方
向への色調調整ができない。基本的な色調はガラス組成
で決定されるので、ガラス組成は上述の着色剤で調整可
能な範囲にしなければならない。発生するX線によって
もガラスは茶色に着色する(X線ブラウニング)。この
現象はガラス組成へのCeO2 の導入により抑制される
ことも知られている。
【0006】第三に、溶けたガラスをフェイスガラス形
状に成形するための条件として、液相温度は、成形温度
より低くなければならない。フェイスガラスは、105
ポイズで成形されるため、液相温度は、105 ポイズに
相当する温度以下でなければならない。
【0007】第四に、ブラウン管製造時にフェイスガラ
スはファンネルガラスと450℃でハンダガラスを介し
て融着されるため、フェイスガラスは97〜99×10
-7/℃の範囲内の熱膨張係数と470℃以上の歪点とを
持たなければならない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、テレビの大型
化、高精細化にともなって、陰極における電子線加速電
圧を上げ輝度を上げる試みがされている。加速電圧の増
大にともなって、X線漏洩量を抑制する高いX線吸収係
数を持つガラスが要求される。また、ブラウン管の軽量
化を達成するためには、ガラスの厚みを薄くする必要が
ある。フェイスガラスのX線吸収能は、ガラスのX線吸
収係数とその厚みによって決定されるためにフェイスガ
ラスを薄くすると、フェイスガラスのX線吸収係数を高
くする必要がある。本発明の目的は、上述したようなC
RTのフェイスガラスに要求される多くの特性を全て満
足し、高いX線吸収係数を持つガラス組成の提供にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、本質的にフッ
素やリチウム、鉛、ヒ素の酸化物を含まず、重量%表示
で、 SiO2 58.5〜60.5 Al23 1.0〜 2.5 Na2 O 6 〜 7.5 K2 O 8 〜 9.5 SrO 8 〜 9.5 BaO 8 〜 9.5 ZnO 1 〜 2.5 ZrO2 2.5〜 3.5 CaO+MgO 0 〜 1 CeO2 0.1〜 0.6 TiO2 0.3〜 0.6 Sb23 0.2〜 0.5 からなり、0.6Åの波長のX線吸収係数μが少なくと
も32cm-1であり、高速電子線照射により本質的に茶
色に着色せず、液相温度が105 ポイズに相当する温度
以下であり、97〜99×10-7/℃の範囲内の熱膨張
係数を持ち、470℃以上の歪点を持ち、150℃にお
ける体積抵抗率が1011.2Ωcm以上であるガラス組成
物である。
【0010】本発明のガラス及び陰極線用フェイスガラ
スの組成を上述の範囲に限定したのは以下の理由によ
る。
【0011】SiO2 が58.5%未満では化学耐久
性、特にフッ酸による侵食量が大きくなりすぎ、60.
5%超ではフェイスガラスに要求される諸特性を満足し
X線吸収係数μ値を少なくとも32cm-1以上にするこ
とができない。
【0012】Al23 が1%未満では耐候性が悪くな
り、2.5%超では粘度が高くなりすぎ溶解成形が困難
となる。
【0013】Li2 Oは色座標におけるガラスの色調を
y軸の正の方向に大きく変化させる成分であるため、そ
の導入は避ける。
【0014】Na2 OとK2 Oがそれぞれ6%と8%未
満ではガラスの粘度が高くなりすぎ溶解成形が困難とな
る。Na2 OとK2 Oがそれぞれ7.5%と9.5%を
超えると電子線ブラウニングによる着色が激しくなる。
好ましくはNa2 O/(Na 2 O+K2 O)の比が0.
35から0.54の範囲にある条件を満たせばより電子
線による着色を軽減できる。
【0015】BaO、SrO及びZnOはガラスのX線
吸収能を高くするための成分であり、BaO、SrO及
びZnOが8、8、及び1.0%より少ないと0.6Å
の波長におけるX線吸収係数μ値32cm-1以上を満足
できず、BaO、SrO及びZnOが9.5、9.5、
及び2.5%より多くなると液相温度がガラスの粘度1
5 ポイズの時の温度以下とならないので好ましくな
い。好ましくは、BaO、SrO及びZnOが8.5、
8.5、及び1.5%以上、9.5、9.5、及び2.
5%以下とする。
【0016】ZrO2 もBaO、SrO及びZnOと同
様にガラスのX線吸収能を高くするための成分であり、
2.5%未満では0.6Åの波長におけるX線吸収係数
μ値32cm-1以上を満足できず、3.5%超では溶解
が悪くなる。
【0017】CaOとMgOはガラスの粘度を調整する
成分で、それらの合計量で1%まで導入可能である。
【0018】CeO2 はX線ブラウニングを抑制する成
分であるが、0.1%未満では前述の効果が小さすぎ、
0.6%超では可視部短波長側の吸収が大きくなる。
【0019】TiO2 は紫外線及びX線によるブラウニ
ングを抑制する成分であり、0.3%未満では前述の効
果が小さすぎ、0.6%超では可視部短波長側の吸収が
大きくなる。
【0020】Sb23 は高温のガラス融液から泡を抜
く清澄効果を持つ成分であり、0.2%未満では前述の
効果が小さすぎ、0.5%超ではガラス表面にSb2
3 −BaOまたはSb23 −SrO系の結晶が析出し
やすくなる。
【0021】フッ素やヒ素は清澄効果を有する成分であ
るが、公害や人体に害のある成分であるのでこれら成分
の使用は避ける。
【0022】PbOは、公害の成分であるとともに電子
線による着色を生じるので、使用を避ける。
【0023】ガラスの色を調整する成分としてCoO、
Cr23 、NiOから選ばれる少なくとも1種類以上
の着色酸化物を含む。
【0024】フェイスガラスは、ファンネルガラスと4
50℃でハンダガラスを介して融着されるため、熱膨張
係数はファンネルガラスとほぼ同じ97〜99×10-7
/℃の範囲内であり、歪点は、470℃以上である。
【0025】さらに、本発明のガラスは高いX線吸収係
数を持つことから、フェイスガラスの肉厚を薄くする、
即ち軽量化が可能となるが、機械的強度に問題があるよ
うな形状のフェイスガラスでは、好ましくはフェイスガ
ラスのフェイス中央の断面中央部に25〜85kg/c
2 の引張り応力を持つ強化ガラスに応用できる。ここ
で、引張り応力が25kg/cm2 未満では強化の効果
が小さく、85kg/cm2 超では自爆するので、いず
れも好ましくない。
【0026】
【実施例】本発明を実施例(例1〜4)と比較例(例5
〜7)で説明する。表1には各例のガラス組成(重量%
表示、ただしNa2 O/(Na2 O+K2 O)は重量
比)を示す。表2には、熱膨張係数(×10-7/℃)、
0.6Åの波長のX線に対するX線吸収係数μ(c
-1)、高速電子線照射による電子線ブラウニング、1
50℃における体積抵抗率(Ωcm)、フッ酸侵食量
(mg/cm2 )、高温粘度Aとして102 ポイズに相
当する温度(℃)、高温粘度Bとして105 ポイズに相
当する温度(℃)、歪点(℃)、液相温度(℃)を示
す。
【0027】表に示した試料は次のように調整した。す
なわち、表に示す組成になるように試薬を用いて調合し
たバッチを白金坩堝を用いて1450℃で4時間溶解し
た。溶解中にガラスを撹拌し、均質化した。清澄、均質
化したガラスを型に流し、板状に成形後、徐冷した。こ
れら板状に成形されたガラスから試料を調製し、各種物
性値測定に供した。測定結果は表のそれぞれの欄に示し
た。
【0028】これらのうち、電子線ブラウニングは以下
の方法で評価した。照射前の透過率を測定したガラス試
料に3000Åの厚みのアルミニウムを蒸着し、電子銃
の印加電圧35kV、電流密度5μA/cm2 の条件で
240時間照射した。その後、蒸着したアルミニウムを
除去し、照射後の透過率を測定し、照射前後の色差を求
め、その値を電子線ブラウニングの指標とした。即ち、
色差の値が大きいほど電子線による着色の程度が大きい
ことを表す。
【0029】また、フッ酸侵食量は以下の方法で測定し
た。予め面積と重量を測定した板状の試料を濃度15%
のフッ酸水溶液に液温40℃で90秒浸漬した。浸漬前
後の重量変化と試料面積からフッ酸侵食量を求めた。
【0030】例5のガラスは、X線吸収係数以外の諸特
性は満足するが、大きなX線質量吸収係数を持つSr
O、BaO、ZnO、ZrO2 等の成分が少ないため2
9cm-1程度のX線吸収係数しか示さない。例6のガラ
スはX線吸収係数、電子線ブラウニングなど諸特性は満
足するが、ZnOが2.7%と多いため液相温度がこの
ガラスの105 ポイズの粘度を示す温度より高く、大き
なフェイスガラス成形時に失透が析出することが分か
る。例7のガラスは34cm-1程度の高いX線吸収係数
を示し、電子線による色差の変化も小さいが、BaO、
SrOの量が多いため液相温度がこのガラスの105
イズの粘度を示す温度より高く、Li2 Oを含むため色
調も悪い。また、SiO2 含有量が57.9%と少ない
ためフッ酸による侵食量も大きいことが分かる。
【0031】一方、本発明の実施例である例1〜4のガ
ラスは熱膨張係数が97〜99×10-7/℃の範囲内に
あり、32cm-1以上の高いX線吸収係数を示し、液相
温度がこれらガラスの105 ポイズの粘度を示す温度よ
り低く、しかも色調も規格範囲にある。電子線ブラウニ
ングは許容される範囲にあり、150℃における体積抵
抗率も1011.2Ωcm以上を持ち、歪点も470℃以上
を示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】このように、本発明のガラスはフェイス
ガラスに要求される色調、熱膨張係数、液相温度はガラ
スの105 ポイズの粘度を示す温度より低いこと、歪点
は470℃以上であること、及びフッ酸に対する高い抵
抗性等の条件を満足し、高い電子線ブラウニングに対す
る抵抗性を持ち、しかも0.6Åの波長におけるX線吸
収係数μ値32cm-1以上という高い値を持つことか
ら、フェイスガラスの肉厚を薄くでき、軽量化フェイス
ガラスに最適である。また、薄肉化したとき、機械的強
度に問題がある場合には、強化したフェイスガラス用の
ガラス組成としてより好ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的にフッ素やリチウム、鉛、ヒ素の酸
    化物を含まず、重量%表示で、 SiO2 58.5〜60.5 Al23 1.0〜 2.5 Na2 O 6 〜 7.5 K2 O 8 〜 9.5 SrO 8 〜 9.5 BaO 8 〜 9.5 ZnO 1 〜 2.5 ZrO2 2.5〜 3.5 CaO+MgO 0 〜 1 CeO2 0.1〜 0.6 TiO2 0.3〜 0.6 Sb23 0.2〜 0.5 からなり、0.6Åの波長のX線吸収係数μが少なくと
    も32cm-1であり、高速電子線照射により本質的に茶
    色に着色せず、液相温度が105 ポイズに相当する温度
    以下であり、97〜99×10-7/℃の範囲内の熱膨張
    係数を持ち、470℃以上の歪点を持ち、150℃にお
    ける体積抵抗率が1011.2Ωcm以上である陰極線管の
    フェイス用ガラス組成物。
  2. 【請求項2】CoO、Cr23 、NiOから選ばれる
    少なくとも1種類以上の着色酸化物を含む請求項1記載
    の陰極線管のフェイス用ガラス組成物。
JP95494A 1994-01-10 1994-01-10 陰極線管のフェイス用ガラス組成物 Pending JPH07206466A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6074969A (en) * 1997-10-27 2000-06-13 Schott Glas Earth-alkaline aluminoborosilicate glass for lamp bulbs
WO2002072492A1 (fr) * 2001-03-08 2002-09-19 Nippon Electric Glass Co., Ltd. Enveloppe tubulaire pour lampe fluorescente
US6790799B2 (en) 2001-05-15 2004-09-14 Asahi Glass Company, Limited Glass panel for color cathode ray tube, and cathode ray tube

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Effective date: 20040511