JP2002338276A - ディスク用ガラス基板成形用金型、ディスク用ガラス基板製造装置、ディスク用ガラス基板製造方法およびディスク用ガラス基板 - Google Patents

ディスク用ガラス基板成形用金型、ディスク用ガラス基板製造装置、ディスク用ガラス基板製造方法およびディスク用ガラス基板

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JP2002338276A
JP2002338276A JP2001150339A JP2001150339A JP2002338276A JP 2002338276 A JP2002338276 A JP 2002338276A JP 2001150339 A JP2001150339 A JP 2001150339A JP 2001150339 A JP2001150339 A JP 2001150339A JP 2002338276 A JP2002338276 A JP 2002338276A
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press
glass substrate
disk
mold
glass material
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JP2001150339A
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Kunio Hibino
邦男 日比野
Takeshi Murakami
猛 村上
Tatsumi Kawada
辰実 川田
Kengo Kainuma
研吾 貝沼
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Fuji Electric Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
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Fuji Electric Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B40/00Preventing adhesion between glass and glass or between glass and the means used to shape it, hold it or support it
    • C03B40/02Preventing adhesion between glass and glass or between glass and the means used to shape it, hold it or support it by lubrication; Use of materials as release or lubricating compositions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】金型表面からガラス材料が容易に離型するよう
にしてその離型に際してガラス基板の割れをなくすこ
と。 【解決手段】ガラス材料を予熱する予熱工程と、ガラス
材料をプレス成形するプレス工程と、ガラス材料を冷却
する冷却工程とを有し、前記プレス工程は、プレス成形
時に金型のプレス成形面に離型剤を塗布する。これによ
って、プレス成形後、金型からガラス材料を離型する
際、金型とガラス材料との界面に残存する離型剤成分で
それらの密着力が低減され、離型が容易となり、ガラス
割れの発生を有効に防止できる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク用ガラス
基板成形用金型、ディスク用ガラス基板製造装置、ディ
スク用ガラス基板製造方法およびディスク用ガラス基板
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータにおける外部記憶装置の一
つである磁気ディスク装置において、その磁気ディスク
の基板材料としては、アルミニュウム合金に代えてガラ
ス材料が検討され既に実用化されている。
【0003】そして、このガラス材料をプレス成形して
磁気ディスク用のガラス基板を製造する方法において、
それに用いる金型は、高温高圧状態でガラスを繰り返し
成形しても劣化しない特殊な金型が必要であり、種々の
検討がなされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】ところで、金型を構成す
る一対の型部材を型締めしてガラス材料を加熱してプレ
ス成形においては、そのプレス成形後、その型締め状態
で冷却させて所要形状のガラス基板を得る。そして、こ
の冷却時における金型とガラス材料との熱収縮の差によ
り金型表面からのガラス基板を離型させる。
【0005】しかしながら、最近の高密度記録の動きに
伴うプレス成形面が高い平滑な面とされた金型の場合、
ガラス基板のプレス成形において金型表面と加熱軟化し
たガラス材料とが強固に密着し、冷却時における金型表
面からのガラス基板の離型する力よりも密着する力が大
きく上回り、これによって、離型しにくく、ガラス割れ
を発生しやすい。
【0006】したがって、本発明は、冷却時に金型表面
からガラス材料が容易に離型するようにしてその離型に
際してガラス基板の割れをなくすことを解決課題として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)本発明のディスク
用ガラス基板成形用金型は、上下一対の第1および第2
型部材からなり、両型部材の対向するプレス成形面間で
ガラス材料を軸部一体型ディスク用ガラス基板の形状に
プレス成形するディスク用ガラス基板成型用金型であっ
て、前記第1型部材のプレス成形面は、ディスクの記録
面に対応した平坦なプレス成形面を有し、前記第2型部
材は、中央領域にディスクの軸部の成形に対応する凹み
を備えたプレス成形面を有し、かつ、そのプレス成形面
に離型剤が塗布されることを特徴とする。
【0008】本発明の金型によると、第2型部材のプレ
ス成形面に離型剤が塗布されているから、プレス成形し
て第2型部材とガラス材料との界面に離型剤成分が残存
し、それらの密着力が低減されており、これによって、
ガラス材料にかかる力も低減する結果、離型が容易とな
り、ガラス割れの発生を有効に防止できる。
【0009】好ましくは、前記第1型部材が、下側型部
材としてそのプレス成形面を上に向けられて配置される
一方、前記第2型部材が、上側型部材としてそのプレス
成形面を下に向けられて配置され、この配置状態で前記
両型部材の型締めおよび型開きが行われる。こうした場
合、型開き時に、成形したガラス基板が第2型部材のプ
レス成形面に付着することを防止することができ、落下
によるガラス基板の割れを防止することができる。
【0010】(2)本発明のディスク用ガラス基板製造
装置は、ガラス材料を予熱する予熱室と、ガラス材料を
プレス成形するプレス室と、ガラス材料を冷却する冷却
室とを有し、前記プレス室は、前記(1)の金型を備え
ており、かつ、プレス成形時に前記第2型部材のプレス
成形面に離型剤が塗布されて使用されることを特徴とす
る。
【0011】本発明によると、第2型部材のプレス成形
面に離型剤が塗布されているから、プレス成形して第2
型部材とガラス材料との界面に離型剤成分が残存し、そ
れらの密着力が低減されており、これによって、ガラス
材料にかかる力も低減する結果、離型が容易となり、ガ
ラス割れの発生を有効に防止できる。
【0012】本発明は、好ましくは、前記予熱室、プレ
ス室および冷却室は、それぞれ、不活性ガス雰囲気中
で、予熱、プレス成形、冷却を行う。この不活性ガス雰
囲気中で行う場合、離型剤の酸化が防止されるから、安
定した離型効果が得られる。また、金型表面に保護膜が
形成されている場合、その保護膜の酸化による劣化を防
止できて好ましい。
【0013】(3)本発明のディスク用ガラス基板製造
方法は、ガラス材料を予熱する予熱工程と、ガラス材料
をプレス成形するプレス工程と、ガラス材料を冷却する
冷却工程とを有し、前記プレス工程は、前記(1)の金
型を用い、かつ、プレス成形時に前記第2型部材のプレ
ス成形面に離型剤を塗布することを特徴とする。
【0014】本発明によると、第2型部材のプレス成形
面に離型剤が塗布されているから、プレス成形して第2
型部材とガラス材料との界面に離型剤成分が残存し、そ
れらの密着力が低減されており、これによって、ガラス
材料にかかる力も低減する結果、離型が容易となり、ガ
ラス割れの発生を有効に防止できる。
【0015】本発明は、好ましくは、前記予熱、プレス
および冷却の各工程は、それぞれ、不活性ガス雰囲気中
で、予熱、プレス成形、冷却を行う。
【0016】こうした場合、この不活性ガス雰囲気中で
行う場合、離型剤の酸化が防止されるから、安定した離
型効果が得られる。また、金型表面に保護膜が形成され
ている場合、その保護膜の酸化による劣化を防止できて
好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図面を参照
して説明する。本発明は、磁気ディスク用ガラス基板に
適用して説明するが、これに限定されるものではなく、
他の情報記録ディスク用ガラス基板にも適用することが
できる。
【0018】図1は、本発明の実施形態に従う金型を備
える磁気ディスク用ガラス基板製造装置の概略構成図、
図2は、前記製造装置で製造された磁気ディスク用ガラ
ス基板の側面図、図3は、図1の上側型部材と下側型部
材の斜視図である。
【0019】図1を参照して、この製造装置は、ガラス
材料搬入機1、予熱室2、プレス室3、冷却室4、およ
びガラス材料搬出機5を備える。
【0020】予熱室2、プレス室3、冷却室4それぞれ
の側壁には、符号をとらず、また、図示もしないが、そ
れぞれガラス材料搬入機1、ガラス材料搬出機5それぞ
れの搬入および搬出のための開口とそれら各開口を開閉
するためのシャッタが設けられている。
【0021】ガラス材料搬入機1は、予熱室2の側壁開
口を通して、ガラス材料6を予熱室2内に搬入するもの
であり、内部を通されるガラス材料6を加熱するととも
に、その先端からガラス材料6を排出するようになって
いる。なお、図1では、ガラス材料搬入機1は、予熱室
2の側壁の外部に位置している状態で示される。
【0022】予熱室2は、ガラス材料搬入機1から搬入
されてきたガラス材料6をプレス室3でプレス成形する
前に予め加熱するものであり、そのため、内部底面上の
搭載台7上に配備されたヒータブロック8によりその上
に搭載されたガラス材料6を予熱する。
【0023】そして、予熱室2は、前記予熱を行うに際
しては、その内部に対して天壁に貫通された窒素ガスや
アルゴンガスなどの不活性ガス導入管9から不活性ガス
が導入されることにより不活性ガス雰囲気とされてい
る。
【0024】プレス室3は、予熱室2で予熱されかつガ
ラス材料搬入機1で搬入されてきたガラス材料6をプレ
ス成形するものであり、そのため、内部底面上の搭載台
10上にヒータブロック11が配備されるとともに、そ
のヒータブロック11の上面に下側型部材12が設置さ
れている。
【0025】そして天壁の開口からプレス機13に直結
されたシリンダ14が内部に通されると共に、そのシリ
ンダ14の先端にヒータブロック15が接続され、さら
に、そのヒータブロック15下面に上側型部材16が設
置されている。
【0026】プレス室3はさらに、そのプレス成形を行
うに際しては、その内部に対して天壁に貫通された不活
性ガス導入管17から窒素ガスやアルゴンガスなどの不
活性ガスが導入されることにより不活性ガス雰囲気とさ
れている。
【0027】冷却室4は、プレス室3でプレス成形され
かつガラス材料搬入機1により搬入されてきたガラス材
料6に対して、その内部底面には配備された冷却ブロッ
ク18の上面で冷却するものである。
【0028】冷却室4はまた、天壁に貫通された不活性
ガス導入管19から窒素ガスやアルゴンガスなどの不活
性ガスが導入されることにより不活性ガス雰囲気とされ
ている。
【0029】ガラス材料搬出機5は、冷却室4の側壁に
設けられた開口を通して冷却が終了したガラス材料を外
部に搬出するようになっている。
【0030】本実施の形態の特徴について図2および図
3を参照して、説明する。
【0031】すなわち、本実施の形態に係る金型は、プ
レス成形用の上下一対の型部材12,16からなる。
【0032】両型部材12,16それぞれはその母材が
超硬合金で作られており、それぞれのプレス成形面に
は、貴金属合金薄膜からなる保護膜が形成されている。
【0033】そして、下側型部材12のプレス成形面
は、ガラス素材をプレス成形して磁気ディスク用ガラス
基板を得るときに、そのガラス基板の磁気記録面に対応
するプレス成形面となる。
【0034】上側型部材16は、その中心に図3で示さ
れるような中心に回転軸20を有するいわゆる軸一体型
磁気ディスク用ガラス基板21に対しその軸部形成用の
凹み22が設けられている。
【0035】両型部材12,16の母材は、成形時の高
温、高加重での繰り返し使用による変形を防止するた
め、できるだけ高温時の機械強度の優れたものがよく、
タングステンカーバイト(WC)を主成分とする超硬合
金は最適である。
【0036】下側型部材12のプレス成形面は、磁気デ
ィスクにおける磁気記録面の転写用プレス成形面となる
から、その表面粗さは、中心線平均粗さRaで1nm未
満が適当であり、より好ましくは、0.5nm以下、更
に好ましくは0.3nm以下が適当である。
【0037】このような表面粗さのプレス成形面は、金
型母材である超硬合金の成形面をダイヤモンド微粒子を
用いた精密研磨法によって得ることができる。
【0038】また、上側型部材16の凹み22は、ダイ
ヤモンド砥石による研削加工などで加工できる。
【0039】各型部材12,16の表面に形成する保護
膜は貴金属合金薄膜からなり、白金(Pt)、パラジウ
ム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニュウム(R
u)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、レニ
ウム(Re)、タンタル(Ta)の元素を一種以上含有
しており、プレス成形時の高温高加重下での繰り返し使
用におけるプレス面へのガラス付着を防止すると共に、
プレス面の面荒れによる表面性の低下を防止する。
【0040】前記保護膜は、対応する材料から成るター
ゲットをスパッタリングし、形成することができる。ス
パッタリング法としては、直流スパッタ法、高周波スパ
ッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッ
タ法が適用でき、成膜条件としては、ガス圧1x10
−2〜1x10−4Torr、パワー密度1〜10W/
cmが適当であり、膜厚としては、0.5〜5μmが
適当である。これ以下の膜厚では、保護膜として十分な
膜強度が得られなくなり、これ以上の膜厚では、表面が
荒れやすくなり、各型部材12,16それぞれの表面の
平滑性が損なわれる。
【0041】保護膜の形成は、各型部材12,16それ
ぞれの母材表面をアルゴンガスなどの不活性ガスでエッ
チングした後行う。エッチングにより、保護膜の付着強
度を向上することが出来ると共に、前記母材表面の平滑
性を制御することが出来る。
【0042】エッチング条件としては、ガス圧1x10
−2〜1x10−4Torr、パワー密度0.1〜10
W/cmが適当である。
【0043】離型剤の塗布、それに続く、予熱、プレス
成形、冷却の各工程は、窒素雰囲気中で行う。
【0044】不活性ガス雰囲気中では、離型剤の酸化が
防止されるから、安定した離型効果が得られる。同時に
保護膜の酸化による劣化も防止できる。
【0045】すなわち、不活性ガス雰囲気中で加熱する
ことにより離型剤は、保護膜に対して還元作用を行うか
ら、保護膜表面の微小な酸化物の生成を防止し、保護膜
本来の離型効果を発揮するとともに、加熱で生成した炭
素による離型効果が相乗し、各型部材12,16それぞ
れの表面を精密に転写することができ、磁気ディスク用
ガラス基板して必要な平滑性を得られる。
【0046】離型剤は、特に限定されないが、パラフィ
ン系オイルおよび高級脂肪酸金属塩を含むものが望まし
い。
【0047】高級脂肪酸金属塩としては、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸のリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、などの金属塩が有効である。高級脂肪酸金属塩は、
パラフィン系オイル中に1〜30重量%が適当である。
1重量%以下または30重量%以上では離型剤の塗膜に
ムラが発生しやすくなるため、安定した離型効果が得に
くい。
【0048】離型剤の塗膜厚みつまり離型膜の膜厚は、
0.1〜0.5μmが最適である。離型膜の膜厚が0.
1μm以下では離型効果が不安定となり、ガラス基板表
面に微小なクラックや欠けなどが発生しやすくなる。ま
た、0.5μm以上になると金型表面の精密転写が不安
定となり、微小なうねりのしわなどが発生する。また、
著しい場合は、残留した離型剤成分に起因する異物が発
生し、金型表面に固着したり、ガラス基板面に付着物を
発生させたり、凹みを発生させたりする。
【0049】離型剤は、上側型部材16の全面に塗布し
ても、部分的に塗布してもよい。求められる精度に応じ
て決めるとよい。
【0050】また、本実施の形態の磁気ディスク用ガラ
ス基板の製造方法は、外径Xと厚さYとの関係におい
て、X>40Yであるガラス基板において、その効果が
著しい。
【0051】以下、更に具体的に本実施の形態の製造方
法と従来の製造方法との比較をする。なお、本実施の形
態による場合を実施例といい、従来による場合を比較例
という。
【0052】超硬合金からなる金型母材のプレス成形面
を粒径0.1μmの微細なダイヤモンド砥粒を用いて鏡
面研磨し、表面粗さを中心線平均粗さ(Ra)で1.5
nmに研磨した。
【0053】次に、上側型部材16の中心部に直径7m
m、深さ1mmの凹み22をダイヤモンド砥石による研
削加工で形成した。
【0054】次に、真空度3x10-4Torr、電力1
00Wおよび500Wの条件で型部材12,16それぞ
れの母材のプレス成形面をアルゴンガスの高周波プラズ
マでエッチング処理をする。ついで、真空度3x10-4
Torr、電力500Wの条件でプレス成形面をアルゴ
ンガスの高周波プラズマでクリーニングした後、イリジ
ウム(Ir)−ロジウム(Rh)をターゲットとし、マ
グネトロン高周波スパッタ法により真空度5x10-4
orr、電力600Wの条件でIr50atom%−R
h50atom%組成の薄膜から成る保護膜を形成し
た。これによって、図3で示すような下側型部材12と
上側型部材16を製作した。
【0055】次に、両型部材12,16を図1に示すプ
レス室3にセットするとともに、予熱室2、プレス室
3、冷却室4に不活性ガス導入管9,17,19を通じ
て、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを導入
し、酸素濃度を50ppm以下にした後、プレス室3に
おける両型部材12、16を加熱した。
【0056】次に、碁石状のガラス材料6(これは、ア
ルミノシリケートガラスであり、その軟化温度は600
℃、ガラス転移温度は450℃)を予熱室2にセットし
450℃で予熱した。
【0057】次いで、ガラス材料6を予熱室2よりガラ
ス材料搬入機1を用い、既に450℃まで上昇した下側
型部材12のプレス成形面に載置した後、上側型部材1
6を下降させると共に、更に加熱し、両型部材12,1
6の温度を620℃に上昇させた。
【0058】ガラス材料6を、シリンダ14を介して、
プレス機13で加圧し、350kg/cm2の圧力で所
定厚みまでプレス成形して磁気ディスク用のガラス基板
21を得た。
【0059】そして、430℃まで冷却した後、上側型
部材16を上昇させた。
【0060】成形されたガラス基板21をガラス材料搬
出機5を用い、400℃に保たれた冷却室4に移した
後、冷却室4に不活性ガス導入管19を通じて、空気を
導入し、ガラス基板21表面の微量の付着成分を酸化し
除去した。
【0061】こうして厚み0.38mm、外径25mm
で、かつ、中心に直径7mmで長さ1mmの円筒形の軸
部を有するガラス基板21が得られた。
【0062】また、両型部材12,16それぞれのプレ
ス成形面の研磨条件を変更して種々の表面粗さに製作す
るとともに、離型剤の塗布条件を変更し、種々の厚みの
離型膜を形成し、同様の条件でガラス基板を成形した。
【0063】このような成形を30ショット行い、成形
時のガラス割れの発生頻度を調べるとともに、得られた
ガラス基板21の表面の表面粗さを中心線平均粗さRa
で原子間力顕微鏡(AFM)で10μm角で5ヶ所測定
し、その測定された平均値を算出した。
【0064】表1にその結果を示す。
【0065】
【表1】 表1からわかるように、下側型部材12のプレス成形面
の表面粗さが、1nmよりも小さい試作No.1〜12
において。離型剤を塗布しなかった試作No.4、7、
10、12では、成形時のガラス割れを発生している
が、離型剤を塗布した試作No.1〜3、5、6、8、
9、11ではガラス割れは発生せず、得られたガラス基
板における磁気媒体形成面は、下側型部材12のプレス
成形面が精密に転写され、その表面粗さは、中心線平均
粗さ(Ra)で0.2〜0.8nmを示している。
【0066】また、試作No.3においては、軸部を除
く上側型部材12のプレス成形面に離型剤を塗布した
が、同様の効果が得られている。
【0067】また、表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で
1nm以上の試作No.13〜15の場合には、離型剤
を塗布していないにも拘らず、ガラス割れは発生してい
ない。
【0068】したがって、本発明が、表面粗さが中心線
平均粗さ(Ra)で1nmより小さい、高密度の磁気ディ
スク用ガラス基板に対して有効であることを示してい
る。
【0069】更に、試作No.6の条件において、型部
材12、16の配置を上下反対にし、試作を行ったとこ
ろ、型開き時に成形されたガラス基板が上側型部材16
に付着し、しばらくして落下するという状況が発生し、
落下によるガラス割れが発生したことが確認された。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ガラス材
料を予熱する予熱工程と、ガラス材料をプレス成形する
プレス工程と、ガラス材料を冷却する冷却工程とを有
し、前記プレス工程は、プレス成形時に金型のプレス成
形面に離型剤を塗布するから、プレス成形して金型とガ
ラス材料との界面に離型剤成分が残存し、それらの密着
力が低減されており、これによって、ガラス材料にかか
る力も低減する結果、離型が容易となり、ガラス割れの
発生を有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る金型を備えた磁気ディ
スク用ガラス基板製造装置の概略構成図
【図2】図1の装置で製造された磁気ディスク用のガラ
ス基板の側面図
【図3】図1の金型の斜視図
【符号の説明】
2 予熱室 3 プレス室 4 冷却室 12 下側型部材 16 上側型部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/84 G11B 5/84 Z (72)発明者 村上 猛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 川田 辰実 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 貝沼 研吾 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4G015 HA02 5D006 CB04 CB07 DA03 5D112 AA02 AA24 BA03 BA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下一対の第1および第2型部材からな
    り、両型部材の対向するプレス成形面間でガラス材料を
    軸部一体型ディスク用ガラス基板の形状にプレス成形す
    るディスク用ガラス基板成型用金型であって、 前記第1型部材のプレス成形面は、ディスクの記録面に
    対応した平坦なプレス成形面を有し、 前記第2型部材は、中央領域にディスクの軸部の成形に
    対応する凹みを備えたプレス成形面を有し、かつ、その
    プレス成形面に離型剤が塗布される、ことを特徴とする
    ディスク用ガラス基板成形用金型。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のディスク用ガラス基板
    成形用金型において、 前記第1型部材が、下側型部材としてそのプレス成形面
    を上に向けられて配置され、 前記第2型部材が、上側型部材としてそのプレス成形面
    を下に向けられて配置され、 この配置状態で前記両型部材の型締めおよび型開きが行
    われる、ことを特徴とするディスク用ガラス基板成形用
    金型。
  3. 【請求項3】 ガラス材料を予熱する予熱室と、 ガラス材料をプレス成形するプレス室と、 ガラス材料を冷却する冷却室と、 を有し、 前記プレス室は、請求項1または2記載の金型を備えて
    おり、かつ、プレス成形時に前記第2型部材のプレス成
    形面に離型剤が塗布される、 ことを特徴とするディスク用ガラス基板製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のディスク用ガラス基板
    製造装置において、 前記予熱室、プレス室および冷却室は、それぞれ、不活
    性ガス雰囲気中で、予熱、プレス成形、冷却を行う、こ
    とを特徴とするディスク用ガラス基板製造装置。
  5. 【請求項5】 ガラス材料を予熱する予熱工程と、 ガラス材料をプレス成形するプレス工程と、 ガラス材料を冷却する冷却工程と、 を有し、 前記プレス工程は、請求項1または2記載の金型を用
    い、かつ、プレス成形時に前記第2型部材のプレス成形
    面に離型剤を塗布する、 ことを特徴とするディスク用ガラス基板製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のディスク用ガラス基板
    製造方法において、 前記予熱、プレスおよび冷却の各工程は、それぞれ、不
    活性ガス雰囲気中で、予熱、プレス成形、冷却を行う、
    ことを特徴とするディスク用ガラス基板製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載のディスク用ガラ
    ス基板製造方法により製造されたディスク用ガラス基
    板。
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