JP2002220237A - ガラス成形方法 - Google Patents

ガラス成形方法

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JP2002220237A
JP2002220237A JP2001014115A JP2001014115A JP2002220237A JP 2002220237 A JP2002220237 A JP 2002220237A JP 2001014115 A JP2001014115 A JP 2001014115A JP 2001014115 A JP2001014115 A JP 2001014115A JP 2002220237 A JP2002220237 A JP 2002220237A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスク用のガラス基板を製造するのに
好適なガラス成形方法の提供を目的とする。 【解決手段】 超硬合金からなる金型母材の少なくとも
プレス面に貴金属合金からなる保護膜を配した上下一対
の金型1,2のプレス面3,4に離型剤を塗布する第1
の工程と、前記金型プレス面3にガラス材料を載置し、
前記金型1,2をガラス材料の軟化点付近まで加熱した
後、加圧成形する第2の工程と、更に、前記金型1,2
を前記ガラス材料のガラス転移温度付近まで冷却する第
3の工程を経て、所望の形状のガラス製品を得るもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱により軟化し
たガラス材料をプレス成形するガラス成形方法に関し、
更に詳しくは、記録媒体、特に磁気ディスク用のガラス
基板の成形に好適なガラス成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの普及に伴い外部記
憶装置の一つであるハードディスクの小型化、高容量化
などの高性能化への要求は、非常に高まってきている。
それに伴って、磁気ヘッドの低浮上化が、盛んに検討さ
れ、磁気ディスクの平滑性については極めて高い精度が
要求されてきている。
【0003】従来、磁気ディスク用の基板材料として
は、アルミニュウム合金が主として用いられてきた。し
かしながら、アルミニュウム合金基板の場合には硬度が
低いことから高精度な砥粒および研磨装置を使用して精
密研磨加工しても、研磨面が塑性変形するため、高精度
の平滑面を得ることは難しく、また基板表面により硬度
の高いニッケル−リンメッキ層を形成しても、高い精度
の要求に応えることが難しくなってきた。
【0004】また、小型化の動きはディスク厚みの薄膜
化を要求し、強度の低いアルミニュウム合金基板は、こ
の面からも要求に応えることが難しくなってきている。
【0005】最近の高感度な巨大磁気抵抗効果型ヘッド
の採用は、磁気ディスクにノイズ低減を要求し、基板に
は、磁性膜成膜後の熱処理によるノイズ低減に対応する
ことが求められている。しかしながら、この面からもア
ルミニュウム合金は要求に応えることが難しくなってき
ている。
【0006】上記問題を解決するため、磁気ディスク用
基板として、ガラス、セラミック、カーボンなど新しい
材料が提案されており、中でも、ガラス基板は広く検討
され既に実用化されている。ガラス基板は強度が大き
く、耐熱性も良好で、表面硬度が高く、高精度な精密研
磨によって、高精度な平滑性の要求に十分応えることが
できるものである。
【0007】従来、磁気ディスク用のガラス基板は、所
定のサイズに切り抜かれた後、平滑な表面を得るために
1枚1枚ガラス基板を精密研磨する研磨法により製造さ
れてきた。しかしながら、研磨工程に高い精度が要求さ
れ、かつ、工程数も多いという欠点があった。
【0008】そのため、磁気ディスク用のガラス基板の
新しい製造方法として、金型とガラス材料を等温度でプ
レスする等温プレス成形法が検討されている。等温プレ
ス成形法は、光学ガラス素子製造の分野では、数多くの
検討がなされ、高品質かつ高生産性の可能な製造方法と
して既に実用化が図られている。
【0009】プレス成形に用いる金型は、高温高圧状態
でガラスを繰り返し成形しても劣化しない特殊な金型が
必要であり、種々の検討がなされている。
【0010】プレス成形用の金型母材としては、超硬合
金(タングステンカーバイド)や、サーメット、ジルコ
ニア、炭化珪素その他セラミックスが使用され、金型は
母材保護と離型時のガラスの粘着を防止するため、離型
性、耐酸化性、耐反応性の良い保護膜がコーティングさ
れるものが開発されている。
【0011】例えば、特開平2−137914号には、
超硬合金表面に貴金属合金薄膜を設けたディスク用成形
金型が提案されている。しかしながら、最近の高密度記
録の動きは、より高精度な平滑性を要求し、前記金型を
用いたプレス成形においても、十分に応えることができ
なくなってきている。すなわち、高精度な平滑性を有し
た磁気ディスク用ガラス基板のプレス成形において、高
精度な平滑性を有しているために離型力が低下し、離型
の際に、成形ガラスの表面にミクロなクラックやミクロ
欠けなどの欠陥の発生を防止することが難しくなってき
た。
【0012】また、このような成形ガラス表面の欠陥を
防止するため、金型表面に離型剤を塗布することが、高
温度のガラスゴブ(溶融ガラス塊)を低温の金型に注ぎ
込むダイレクト成形法において、ビンやブラウン管の成
形に広く検討され、実用化されている。
【0013】例えば、特開平8−143325号には、
粒度100nm以下のカーボンブラックを鉱物油中に混
合したガラス金型用離型剤が、提案されているが、等温
プレス成形法においては、離型作用は見られるものの、
成形後のガラス基板に、残留した離型剤成分に起因する
異物が付着するなど磁気ディスク用のガラス基板として
必要な高精度な平滑性は得られなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決し、高精度な平滑性を有するとともに、ミ
クロなクラックやミクロ欠けなどの発生を抑制したガラ
ス成形方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0016】すなわち、本発明のガラス成形方法は、超
硬合金からなる金型母材の少なくともプレス面に貴金属
合金からなる保護膜を配した上下一対の金型を用いてガ
ラス材料を加圧成形してガラス製品を得るガラス成形方
法であって、前記一対の金型の各プレス面に離型剤を塗
布する第1の工程と、前記両プレス面の間にガラス材料
を配置し、前記金型を加熱して軟化したガラス材料を加
圧成形する第2の工程と、前記金型を冷却する第3の工
程とを備えている。
【0017】本発明によれば、プレス面に貴金属合金か
らなる保護膜が形成された金型に、離型剤を塗布してガ
ラス材料を加圧成形するので、保護膜と離型剤との相乗
効果によって、高精度な平滑性を有するガラス製品を、
ミクロなクラックや欠けなどの欠陥を発生することな
く、製造することができ、さらに、長期間の繰り返し使
用においても、金型の劣化を抑制して高価な金型の寿命
を延ばすことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載のガラス
成形方法は、超硬合金からなる金型母材の少なくともプ
レス面に貴金属合金からなる保護膜を配した上下一対の
金型を用いてガラス材料を加圧成形してガラス製品を得
るガラス成形方法であって、前記一対の金型の各プレス
面に離型剤を塗布する第1の工程と、前記両プレス面の
間にガラス材料を配置し、前記金型を加熱して軟化した
ガラス材料を加圧成形する第2の工程と、前記金型を冷
却する第3の工程とを備えており、プレス面に貴金属合
金からなる保護膜が形成された金型に、離型剤を塗布し
てガラス材料を加圧成形するので、保護膜と離型剤との
相乗効果によって、高精度な平滑性を有するガラス製品
を、ミクロなクラックや欠けなどの欠陥を発生すること
なく、製造することができ、さらに、長期間の繰り返し
使用においても、金型の劣化を抑制して高価な金型の寿
命を延ばすことができる。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のガラス成形方法であって、前記第2の工程は、前記金
型をガラス材料の軟化点付近まで加熱した後、ガラス材
料を加圧成形するものであり、前記第3の工程は、前記
金型を前記ガラス材料のガラス転移温度付近まで冷却す
るものであり、少なくとも前記第2の工程および前記第
3の工程を、窒素雰囲気中で行うものであり、離型剤の
酸化が防止されて安定な離型効果が得られるとともに、
保護膜の酸化による劣化も防止することができる。
【0020】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のガラス成形方法であって、前記離型剤がパラ
フィン系オイルおよび高級脂肪酸金属塩を含むものであ
り、安定した離型効果を得ることができる。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のガラス成形方法であって、前記プレス
面に塗布される前記離型剤の膜厚が、0.1μm〜0.
5μmであり、金型表面を精密に転写して高精度な平滑
性を有するガラス製品を得ることができる。
【0022】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載のガラス成形方法であって、前記ガラス
製品が、ガラス基板であって、その外径Xとその厚さY
との関係において、X>40Yであり、厚みに比べて表
面が大きいために離型が難しいガラス基板の成形に特に
優れた効果を奏することができ、磁気ディスク用のガラ
ス基板の成形に好適である。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載のガラス成形方法であって、前記第3の
工程の後、前記金型から取り出された加圧成形後のガラ
ス材料を、そのガラス転移温度以下でかつ300℃以上
の温度で空気中において加熱するものであり、加圧成形
後のガラス材料、すなわち、ガラス製品の表面の微量の
付着成分を酸化除去することができる。
【0024】以下、本発明の実施形態について、図面を
参照しながら詳細に説明する。
【0025】(実施の形態1)図1は本発明で使用する
プレス成形機の構成を示す模式図である。以下に、この
装置を用いてガラス製品として磁気ディスク用のガラス
基板を成形する工程を詳細に説明する。
【0026】図中、19はプレス室であり、導入管20
を通じて、窒素ガスを導入するすることができかでき、
窒素雰囲気中でプレス成形することができるものであ
る。1,2は上下一対の金型である。金型1,2は、超
硬合金からなる金型母材の少なくともプレス面3,4に
貴金属合金薄膜からなる保護膜を形成してある。
【0027】この実施の形態のガラス成形方法では、か
かる金型1,2を用いてガラス基板を成形するものであ
り、先ず、第1の工程において、金型1,2のプレス面
3,4に、自動スプレー装置(図示せず)を用い、離型
剤を散布し、離型剤塗膜を形成する。
【0028】次いで、第2の工程として、予熱室5の予
熱ヒータ6により予め加熱したガラス材料7を移載機8
を用いて、金型2のプレス面3上に載置する。予熱室5
には、導入管21を通じて、窒素ガスが導入され、窒素
雰囲気中でガラス材料7が予熱される。プレス面3上に
ガラス材料7が載置された後、上金型部を下降させると
共に上下ヒータ9,10によって上下金型1,2をガラ
ス材料7の軟化温度付近まで加熱し、次いで、シリンダ
11を介してプレス機12で所定の圧力で加圧し、規制
板13により厚み規制されたディスク状のガラス基板1
4に加圧成形する。
【0029】次に、第3の工程として、上下金型1,2
をガラス材料のガラス転移温度付近まで冷却した後、上
金型部を上昇させ、ディスク状のガラス基板14が形成
される。
【0030】さらに、この実施の形態では、第4の工程
として、移載機15を用いて、ディスク状のガラス基板
14を後処理室17に移し、導入管18を通じて空気を
導入し、ヒータ16により、300℃以上であって、か
つガラス転移温度以下の温度に一定時間保持し後処理を
行う。その後、ガラス基板14を取り出し、磁気ディス
ク用のガラス基板を得るものである。
【0031】金型母材は、成形時の高温、高加重での繰
り返し使用による変形を防止するため、できるだけ高温
時の機械強度の優れたものがよく、例えば、WC(タン
グステンカーバイト)を主成分とする超硬合金は、金型
母材として最適である。
【0032】金型プレス面3,4の平滑性は、磁気ディ
スク用としては2nm以下が適当であり、このような平
滑面はダイヤモンド微粒子を用いた精密研磨法によって
得ることができる。
【0033】少なくともプレス面3,4に形成される保
護膜は、貴金属合金薄膜からなり、白金(Pt)、パラ
ジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニュウム(R
u)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、レニ
ウム(Re)、タンタル(Ta)の元素を一種以上含有
しており、プレス成形時の高温高加重下での繰り返し使
用におけるプレス面へのガラス付着を防止、プレス面の
面荒れによる表面性の低下を防止する。
【0034】保護膜は、対応する材料から成るターゲッ
トをスパッタリングし、形成することができる。スパッ
タリング法としては、直流スパッタ法、高周波スパッタ
法、マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法
が適用でき、製膜条件としては、ガス圧1×10-2〜1
×10-4Torr、パワー密度1〜10W/cm2が適当
であり、膜厚としては、0.5〜5μmが適当である。
0.5μm未満の膜厚では、保護膜として十分な膜強度
が得られなくなり、5μmを超える膜厚では、表面が荒
れやすくなり、金型表面の平滑性が損なわれる。
【0035】本発明においては、少なくとも、金型プレ
ス面3にガラス材料7を載置し、前記金型1,2をガラ
ス材料7の軟化点付近まで加熱した後、加圧成形する第
2の工程と、前記金型1,2を前記ガラス材料7のガラ
ス転移温度付近まで冷却する第3の工程とを窒素雰囲気
中で行うのが好ましい。
【0036】窒素雰囲気中では、離型剤の酸化が防止さ
れるので、安定な離型効果が得られる。同時に保護膜の
酸化による劣化も防止することができる。
【0037】すなわち、窒素雰囲気中で加熱することに
よって、離型剤は、保護膜に対して、還元作用を行うた
め、保護膜表面のミクロな酸化物の生成を防止し、保護
膜本来の離型効果を発揮すると共に、加熱により生成し
たカーボンによる離型効果が相乗し、金型表面を精密に
転写することができ、磁気ディスク用のガラス基板とし
て必要な高精度な平滑性を得られるものである。
【0038】離型剤は、パラフィン系オイルおよび高級
脂肪酸金属塩を含むものが好ましい。高級脂肪酸金属塩
としては、ミリスチン酸、バルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸など高級脂肪酸のリチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの金属塩が有
効である。高級脂肪酸金属塩は、パラフィン系オイル中
に1〜30重量%が適当である。1重量%以下、また
は、30重量%以上であると離型剤の塗膜にムラが発生
しやすくなるため、安定した離型効果が得られにくい。
【0039】離型剤の塗膜厚みは、0.1μm〜0.5
μmが最適である。離型剤の塗膜が0.1μm以下では、
離型効果が不安定となり、ガラス表面に、ミクロなクラ
ックや欠けなどが、発生しやすくなる。また、0.5μ
m以上になると金型表面の精密転写が不安定となり、ミ
クロなウネリのしわなどが発生する。また、著しい場合
には、残留した離型剤成分に起因する異物が発生し、金
型表面に固着したり、成形ガラス面に付着物を発生させ
たり、凹みを発生させたりする。
【0040】また、本発明のガラス成形方法は、外径X
と厚さYとの関係において、X>40Yであるガラス基
板の成形において、その効果が著しい。厚みに比べて、
表面、すなわち、プレス面が大きいため、離型が難し
く、本発明のガラス成形方法の効果が大きいものであ
る。
【0041】なお、本発明のガラス成形方法は、ガラス
基板の成形に限るものではなく、ビンやブラウン管など
その他のガラス製品の成形に適用できるものである。
【0042】
【実施例】以下、更に具体的に本発明のガラス成形方法
について比較例との対比で説明する。図1に示すプレス
成形機用いて、磁気ディスク用のガラス基板を成形した
場合を示す。 (実施例1)超硬合金からなる金型母材の成形面3,4
を粒径0.1μmの微細なダイヤモンド砥粒を用いて鏡
面研磨し、中心線平均粗さ(Ra)1.5nmに研磨し
た。次に、真空度3×10-4Torr、電力500Wの
条件でプレス面3,4をアルゴンガスの高周波プラズマ
でクリーニングした後、イリジウム(Ir)−レニウム
(Re)をターゲットとしマグネトロン高周波スパッタ
法により真空度5×10-4Torr、電力600Wの条
件でIr50atom%−Re50atom%組成の薄
膜から成る保護膜を形成した一対のプレス成形用金型
1,2を製作した。
【0043】次にこの金型を図1に示すプレス成形機に
セットし、予熱室5、プレス室19、後処理室17に導
入管21,20,18を通じて、窒素を導入し、酸素濃
度100ppm以下にした。
【0044】離型剤(鉱油90wt%ステアリン酸ナト
リウム10wt%)を自動スプレー装置(図示せず)を
用いてプレス面3,4に散布し、厚み0.1μmの離型
剤塗膜を形成した後、ヒータ9,10を用い金型1,2
の加熱を開始した。
【0045】また、マーブル状のアルミノシリケートガ
ラス7(軟化温度600℃、ガラス転移温度450℃)
を予熱室5の予熱ヒータ6上にセットし450℃で予熱
した。次いで、予熱室5より移載機8を用い、既に45
0℃まで上昇した金型2のプレス面3に載置した後、上
金型部を下降させると共に、上下ヒータ9,10によ
り、更に加熱し、金型温度620℃に上昇させた。シリ
ンダ11を介して、プレス機12で加圧し、350kg
/cm2の圧力で所定厚みまでプレス成形した。次に、
430℃まで冷却した後、上金型部を上昇させた。
【0046】成形されたディスク状のガラス基板14を
移載機15を用い、400℃に保たれた後処理室17に
移した後、後処理室17に導入管18を通じて、空気を
導入し、ディスク状のガラス基板14表面の微量の付着
成分を酸化し除去し、。厚み0.64mm外径65mm
の磁気ディスク用のガラス基板14が得られた。 (実施例2,3、比較例4〜7)また、自動スプレー装
置の散布条件を変更し、実施例2,3および比較例4〜
6として種々の厚みの離型剤塗膜を形成し、同様の条件
でガラス基板を作成した。また、比較例7として離型剤
を用いない以外は実施例1と同様にして、ガラス基板を
作成した。
【0047】更に、各実施例1〜3,比較例4〜7の各
条件で500回成形を繰り返し、ガラス基板を得た。 (評価)初期に得られた磁気ディスク用のガラス基板お
よび500回目に得られた磁気ディスク用のガラス基板
の表面を、AFM(原子間力顕微鏡)で50μm角で5
ヶ所測定し、その表面粗さ(SRa)の平均を算出し評
価した。また、光学顕微鏡にて、ガラス基板の表面を倍
率100倍にて30カ所観察し、クラック、欠け、凹
み、しわなどの欠陥の有無を調べた。表1にこの評価結
果を示す。
【0048】
【表1】 また、保護膜のない金型を用いた場合、空気中で成形し
た場合についても、同様の条件で、ガラス基板の作成を
試みたが、いずれの場合にも、金型へのガラス付着によ
り割れが発生して、ガラス基板を得ることができなかっ
た。
【0049】表1からわかるように、実施例1〜3の本
発明のガラス成形方法で、製造したガラス基板は、50
0回成形後においても、金型プレス面の表面粗さを転写
しており、微小な欠陥の発生は観察されなかった。
【0050】しかし、離型剤の塗膜厚みが薄い比較例4
においては、金型プレス面の表面粗さを転写しているも
のの、ミクロなクラック、欠けなどの微小な欠陥発生が
観察され、離型剤の塗膜厚みが厚い比較例5において
は、初期から数ミクロンの凹みが見られ、また、表面粗
さも部分的に粗いところが発生し、この傾向は500回
成形後において増加していた。離型剤の塗膜厚みが更に
厚い比較例6においては、初期から、目視にて、しわの
発生が観察された。また、離型剤を使用していない比較
例7においては、金型プレス面の表面粗さを転写してい
るものの、ミクロなクラック、欠けなどの微小な欠陥発
生が観察され、成形回数が増加するに従って、ガラス割
れの頻度が増した。
【0051】なお、本実施例では、離型剤として、鉱油
90wt%ステアリン酸ナトリウム10wt%の例を示
したが、高級脂肪酸金属塩として、ミリスチン酸、バル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸など高級脂肪酸のリ
チウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシ
ウムなどの金属塩を用いた場合にも、同様の効果が確認
された。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明のガラス成形方法に
よれば、高精度な平滑性を有するガラス製品を、ミクロ
なクラック、欠け、凹み、しわなどの欠陥を発生するこ
となく、製造することができ、さらに、長期間の繰り返
し使用においても、金型の劣化を抑制することができ、
高価な金型の寿命を延ばすという顕著な効果が得られ、
特に、高品質な磁気ディスク用のガラス基板を安価にか
つ大量に提供するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス成形方法を実施するためのプレ
ス成形機の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1,2 金型 3,4 プレス面 5 予熱室 6 予熱ヒータ 7 ガラス素材 8,15 移載機 9,10,16 ヒータ 11 シリンダー 12 プレス機 13 規制板 14 ディスク状のガラス基板 17 後処理室 18,20,21 ガス導入管 19 プレス室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 猛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 皆澤 宏 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 Fターム(参考) 4G015 HA02 5D112 AA02 AA24 BA03 BA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超硬合金からなる金型母材の少なくとも
    プレス面に貴金属合金からなる保護膜を配した上下一対
    の金型を用いてガラス材料を加圧成形してガラス製品を
    得るガラス成形方法であって、 前記一対の金型の各プレス面に離型剤を塗布する第1の
    工程と、 前記両プレス面の間にガラス材料を配置し、前記金型を
    加熱して軟化したガラス材料を加圧成形する第2の工程
    と、 前記金型を冷却する第3の工程と、 を備えることを特徴とするガラス成形方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程は、前記金型をガラス材
    料の軟化点付近まで加熱した後、ガラス材料を加圧成形
    するものであり、前記第3の工程は、前記金型を前記ガ
    ラス材料のガラス転移温度付近まで冷却するものであ
    り、少なくとも前記第2の工程および前記第3の工程
    を、窒素雰囲気中で行う請求項1記載のガラス成形方
    法。
  3. 【請求項3】 前記離型剤がパラフィン系オイルおよび
    高級脂肪酸金属塩を含む請求項1または2記載のガラス
    成形方法。
  4. 【請求項4】 前記プレス面に塗布される前記離型剤の
    膜厚が、0.1μm〜0.5μmである請求項1〜3の
    いずれかに記載のガラス成形方法。
  5. 【請求項5】 前記ガラス製品が、ガラス基板であっ
    て、その外径Xとその厚さYとの関係において、X>4
    0Yである請求項1〜4のいずれかに記載のガラス成形
    方法。
  6. 【請求項6】 前記第3の工程の後、前記金型から取り
    出された加圧成形後のガラス材料を、そのガラス転移温
    度以下でかつ300℃以上の温度で空気中において加熱
    する請求項1〜5のいずれかに記載のガラス成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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