JP2002336042A - 棒状化粧材容器 - Google Patents

棒状化粧材容器

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JP2002336042A
JP2002336042A JP2001143614A JP2001143614A JP2002336042A JP 2002336042 A JP2002336042 A JP 2002336042A JP 2001143614 A JP2001143614 A JP 2001143614A JP 2001143614 A JP2001143614 A JP 2001143614A JP 2002336042 A JP2002336042 A JP 2002336042A
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push rod
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material container
synchronous
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Wataru Yamamoto
渉 山本
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Suzuno Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰出式の棒状化粧材容器において、上昇限及
び下降限において過大な回転トルクが加えられた際に、
繰出機構の破壊の防止、及び棒状化粧材容器の分解を防
止する。 【解決手段】先筒10と基筒20とが回動可能に連結さ
れた外殻部2に内装され、前記外殻部2を構成する一方
の筒体の内周面に設けられた第2摺動面と、螺旋筒40
の外周面43とが同期に回動する同期回動手段を備え、
押棒30が上昇限及び下降限に達した際に、同期回動手
段が解除されることにより繰出機構の破壊が防止される
ことを可能としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】棒状化粧材容器に係わリ、特
には繰出機構の破壊の防止にかかわる新しい構成に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、棒状化粧材を収容して繰出を可能
とする棒状化粧材容器は、多くの構造が提案されてい
る。
【0003】その中でも、上昇限或いは下降限におい
て、繰出機構を構成する部材にかかる負荷がピークに達
したときこれら部材を保護すること、或いは、棒状化粧
材容器が分解してしまうことを防止することは、棒状化
粧材容器の大きな課題であった。
【0004】この課題に対応するものとしては、螺合す
る雄ネジと雌ネジにある一定の回転トルクを超えて負荷
が加えられると、雄ネジが雌ネジのねじ山を超えること
により、螺合を解除して繰出機構の破壊の防止をする方
法があった。
【0005】しかし、この方法では雄ネジがねじ山を超
えるときに引っ掛かったような感覚があり、また、ねじ
山の高さの設定によって螺合の解除の際の許容応力が決
定されるので、金型を設計する時点で最終的な許容限度
を正確に設定することは難しかった。
【0006】また、押棒を後退方向に付勢するバネを繰
出容器内に設け、上昇限において雌ネジの終端から押棒
に形成された雄ネジが抜け出すように構成することによ
り、上昇限において雄ネジが雌ネジの終端を乗り越える
と、押棒の雄ネジが次のピッチの雌ネジのねじ山に当接
するまで落ち込むように構成して、繰出機構の保護をす
るものもある。
【0007】このように構成されていると、特に棒状化
粧材が残り少なくなった際には、押棒の雄ネジが次のね
じ山に当接するまでネジのピッチ分落ち込むので、それ
に応じて棒状化粧材が容器内に引き込まれるので、僅か
ではあるが棒状化粧材を使い切ることができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本件発明は、上記事情
に鑑み、特に、押棒のストロークの終端である、繰出時
の上昇限及び下降限における繰出機構の保護、及び容器
自体の分解などの防止を可能とする新しい機構を備え、
上昇限で棒状化粧材が後退方向へ落ち込むことを防止可
能な棒状化粧材容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため、本件の第1の
発明においては、先筒と、前記先筒に連結可能な基筒
と、前記先筒と前記基筒とが回動可能に連結された外殻
部と、前記外殻部は棒状化粧材を保持する保持部を備え
た移動部を内装し、前記先筒と前記基筒とを相対回転さ
せると内装された前記移動部を進退させる繰出機構を備
えた棒状化粧材容器において、前記外殻部と前記移動部
とが同期に回動する回転止め機構と、前記外殻部と摺動
抵抗により同期に回動する同期回動手段を備えると共に
内周面に雌ねじ部が形成された螺旋筒と、前記移動部に
形成された雄ねじ部と、前記雌ねじ部と前記雄ねじ部と
が螺合する螺合機構と、前記螺合機構と前記回転止め機
構とからなる繰出機構を備え、前記先筒と前記基筒とを
相対回転させると前記移動部が前記繰出機構により繰り
出され、前記移動部が上昇限に達した際に前記先筒と前
記基筒とを相対回転させる回転トルクが前記同期回動手
段における前記摺動抵抗の値を超えた際に前記同期回動
手段が解除される。
【0010】本件第2の発明においては、前記先筒と前
記移動部とが同期に回動する前記回転止機構と、前記基
筒と前記螺旋筒とが同期に回動する前記同期回動手段を
備えた。
【0011】本件第3の発明においては、前記基筒と前
記移動部とが同期に回動する前記回転止め機構と、前記
先筒と前記螺旋筒とが同期に回動する前記同期回動手段
を備えた。
【0012】
【発明の作用及び効果】本件第1の発明においては、様
々な径及び物性の棒状化粧材に対応可能な、上昇限で過
大な回転トルクが繰出機構にかかった際に作動して、繰
出機構の破壊が防止可能な棒状化粧材容器が提供でき
る。
【0013】第2の発明においては、棒状化粧材が先筒
と同期に回動して繰出されるので、粘性のある細径芯等
においては、先筒内周面に張り付いた棒状化粧材を保持
部と先筒とが、棒状化粧材をねじって折ってしまうと言
う事故が防止できる。
【0014】第3の発明においては、同期回動手段によ
って先筒と螺旋筒とが繰出時に同期回動するように構成
されているので、棒状化粧材は先筒に対して回動しなが
ら繰出されてくる、このように先筒から回動しながら棒
状化粧材が繰出されてくるので、リップなどの成形され
た棒状化粧材の立体感を効果的に演出することができ
る。
【実施例】
【0015】以下に添付図面に基づいて、本件発明の実
施の形態を説明する。図1から図3は、本件発明の第1
の実施例の棒状化粧材容器を示す。
【0016】図示されるように、棒状化粧材容器1は、
先筒10と基筒20と螺旋筒40と、押棒30とストッ
パー部材50とを備えている。また、先筒10と基筒2
0とが回動可能に連結されて外殻部2が構成され、後述
する回転止機構と螺合機構とが内装されている。
【0017】先筒10の下半身には、係合凸部12が形
成され、基筒20内周の第1摺動面22に形成された凹
部21と嵌合して、先筒10と基筒20とは回動可能に
連結され第1摺動部を構成している。本実施例において
は、先筒10と基筒20とが回動する第1摺動部の所定
の位置にOリング5が配され、先筒10と基筒20とが
相対的な回動をする際に適当な摺動抵抗を付与してい
る。
【0018】又、基筒20の内周には、先筒10が回動
可能に嵌合される凹部21が形成された第1摺動面22
と、螺旋筒40が内挿される第2摺動面23とを備えて
いる。
【0019】一方、押棒30と、この押棒30の後端に
取り付けられたストッパー部材50からなる移動部に
は、先端に棒状化粧材Aを保持する爪片32を備えた保
持部31が形成されている。この保持部31の下端のフ
ランジ状の部分には爪片基部33が形成され、この爪片
基部33は先筒10内周面に形成された摺動溝11と回
動不能且つ摺動可能に係合し、回転止め機構を構成して
いる。
【0020】又、保持部31から延設された竿体34の
外周には突起35からなる雄ネジ部36が形成され、こ
の雄ネジ部36は螺旋筒40内周に形成された雌ネジ部
41と螺合して螺合機構を構成している。
【0021】螺旋筒40は、基筒20の第2摺動面23
に摺接するように内挿され、この時、螺旋筒40の外周
面43と第2摺動面23とによって第2摺動部が形成さ
れている。
【0022】この第2摺動部には、押棒30が上部に進
出する進出及び後退の繰出操作時において、螺旋筒40
と基筒20とが同期に回動するために必要な摺動抵抗、
及び使用者が化粧をする際に生じる負荷で、基筒20に
対して螺旋筒40が勝手に回動してしまうことを防止す
るのに必要な摺動抵抗を付与する同期回動手段として、
Oリング6が配されている。
【0023】以下に第1実施例の作用を説明する。図1
に示された棒状化粧材容器1においては、押棒30は保
持部31の後端と螺旋筒40の上端面とが当接する後退
限に位置している。この状態において、基筒20に対し
先筒10を押棒が進出する回転方向である正回転方向に
回動させると、押棒30は回転止め機構により先筒10
と同期に回動するので、基筒20に対しては相対的に回
動することになる。
【0024】この時、基筒20に内挿された螺旋筒40
は、Oリング6による同期回動手段によって基筒20と
同期に回動するので、押棒30に対しては相対的に回動
することとなるので、螺合機構と回転止め機構とからな
る繰出機構が働き、押棒30を含む移動部は棒状化粧材
容器内を進出する事となる。
【0025】更に回動を続けると、図2に示す上昇限の
状態になる。この上昇限においては、押棒30の後端に
取り付けられたストッパー部材50の先端面が、螺旋筒
40の後端面に当接して押棒30はそれ以上進出するこ
とができなくなっている。
【0026】この上昇限で、更に使用者が棒状化粧材A
を繰り出そうとして、正回転方向に先筒10を回動させ
ると、先筒10と同期に回動する押棒30を通じて螺旋
筒40を基筒20に対して回動させようとする回転力で
あるトルクがかかる。このトルクが一定の値を超える事
態、即ち、螺旋筒40と基筒20とを同期に回動させる
同期回動手段によってもたらされる摺動抵抗の値よりも
大きな回転力のトルクが螺旋筒40にかかると、同期回
動手段が解除されて、基筒20に対し螺旋筒40が回動
を始めることにより押棒30の制御手段が働く。
【0027】従って、上昇限において、先筒10と螺旋
筒40とが相対的に回動しようとして、押棒30がねじ
られることにより生じる剪断応力は、同期回動手段によ
る摺動抵抗の値以上に大きくなることが無い。
【0028】このように押棒30の強度を設定する際
に、上昇限における押棒30の剪断応力を予め予測する
ことができるので、押棒30を必要以上に太くする必要
がない、又、螺旋筒40についても、必要とされる強度
を予測して設計することが可能となる。
【0029】つまり、本実施例においては、まず、使用
者によっては予想以上の力で先筒10と基筒20とが相
対的に回動させられたとしても、押棒30に係るねじり
による剪断応力は一定の値以上になることはないので、
最小限の強度を持つ棒状化粧材容器であっても繰出機構
が破壊されるような事故を防止することが可能となるの
である。
【0030】次に、基筒20に対し押棒30が進出する
方向と逆の方向に先筒10を負回転させると、基筒20
と螺旋筒40とを同期に回動させる同期回動手段が正常
に動作して繰出機構が働き、押棒30は後退し、やが
て、保持部31の後端が螺旋筒40の上端面に当接し、
図1に示す後退限の状態になる。このとき更に、基筒2
0に対し先筒10を負回転させたとしても、螺旋筒40
にかかるトルクが一定の値を超えると、基筒20と螺旋
筒40とによる同期回動手段が解除されて繰出機構の破
壊が防止されるのである。
【0031】図4及び図5には、本発明の第2の実施例
の棒状化粧材容器を示す。この実施例の棒状化粧材容器
は、第1実施例の棒状化粧材容器と比較して、上昇限の
構成が異なりストッパー部材を必要としないが、他の基
本的な構成は共通する。従って、図4、図5においては
図1乃至図3に示した構成と同一の機能を持つ構成は同
一の符号を付して示すとともに、以下の説明において
は、本実施例の形態の特徴である、上昇限における作用
及びこれに係わる押棒130(移動部)、及び、先筒1
10を中心に説明する。本実施例においては、先筒11
0と基筒20とが回動可能に連結されて外殻部102が
構成され、以下に記載の回転止め機構と螺合機構を収容
している。
【0032】本実施例の上昇限は、第1実施例のストッ
パー部材50が存在しないので、代わりに先筒110の
内周面に形成された摺動溝111に下向き段部113を
設け、これに押棒130(移動部)に形成された保持部
131の下部に設けられた、摺動溝111内を軸方向に
移動可能な係止突起138の上端面を当接させているも
のである。
【0033】本実施例の回転止め機構は、先筒110の
内周面に形成された摺動溝111に押棒130の爪片基
部33が回動不能且つ軸方向に摺動可能に係合して構成
されている。
【0034】一方、本実施例の螺合機構は、保持部13
1から延設された竿体134の外周に形成された雄ネジ
部36と、螺旋筒40の雌ネジ部41とが螺合して構成
されている。また、螺旋筒40は基筒20に内挿され、
基筒20と螺旋筒40とが同期に回動する同期回動手段
としてOリング6が螺旋筒外周面43に配されている。
【0035】この、第2実施例の作用を説明すると、基
筒20に対し先筒110を正回転方向に回動させると、
第1実施例と同様に繰出機構が働き内挿された押棒13
0が繰り出され、やがて図5に示すように、先筒110
の摺動溝111に形成された下向き段部113に、押棒
130の係止突起138の上端面が当接して、上昇限の
状態になる。
【0036】この上昇限の状態において更に、上昇させ
ようと先筒110を正回転させても、螺旋筒40と基筒
20とを同期に回動させる同期回動手段が解除され、基
筒20と螺旋筒40とが相対的に回動してしまうので、
同期回動手段によって得られる摺動抵抗の負荷以上に
は、押棒130及び繰出機構を構成する部位に余分な負
荷がかからないという顕著な効果がある。
【0037】また、この上昇限における負荷は、螺旋筒
40と押棒130との螺合によって押棒130を上方に
繰り出そうと作用する、この作用は重い物体を上に押し
上げるねじジャッキにも応用されるくらい強いものであ
る。しかし、本実施例では、同期回動手段によって得ら
れる摺動抵抗の負荷以上に、螺合する螺旋筒40と押棒
130とを相対的に回動させることができないので、前
記ねじジャッキにも利用される螺合による押棒130を
上に押し出す力が制御できるのである。
【0038】このような螺合による作用は、従来の繰出
容器においてストッパー部材を省略するために先筒の内
周面に押棒を当接させて上昇限を構成した場合、凹部2
1と係合凸部12に相当する部分の嵌合を強くしない
と、押棒が基筒から先筒を押し出して棒状化粧材容器が
分解してしまうことになるので、アンダーカット部であ
る凹部21を深くする、或いは抜けにくい形状にするな
どの対策が必要とされ、ひいては成形時にアンダーカッ
ト部分のひび割れなど不良品の発生を誘引し、製品の歩
留まりを悪くしていたのである。
【0039】しかし本実施例によれば、螺合により押し
出そうとする作用は、螺合機構の雄ネジと雌ネジとを相
対的に強く回動させると、その負荷に応じて強く押し出
そうとするが、本実施例のように同期回動手段による摺
動抵抗以上に回動させるトルクが押棒にかかっても、同
期回動手段が解除されるので摺動抵抗以上のトルクで螺
合機構の雄ネジと雌ネジを回動させることができないの
である。
【0040】従って、凹部21と係合凸部12とが回動
可能に嵌合する部位に、予想以上の負荷が掛らないの
で、アンダーカット部である凹部21を必要以上に深く
する必要がなく、成形時におけるひび割れなどの事故の
発生を少なくすることが可能となるのである。
【0041】図6及び図7では、本発明の第3実施例の
細径の棒状化粧材に適した棒状化粧材容器201を示
す。本実施例においては、先筒210と基筒20とが回
動可能に連結されて外殻部202が構成され、以下に記
載の回転止め機構と螺合機構を収容している。
【0042】この第3実施例の棒状化粧材容器は、第1
実施例及び第2実施例の棒状化粧材容器と比較して、下
降限等の構成が異なり、ストッパー部が押棒230(移
動部)に一体に成形されているので、ストッパー部を別
部材としなくても良い。
【0043】従って、図6、図7においては図1乃至図
5に示した構成と同一の機能を持つ構成は同一の符号を
付して示すとともに、以下の説明においては、本実施例
の形態の特徴である、下降限における作用及び押棒等の
形状を中心に説明する。
【0044】本実施例は、比較的細径の棒状化粧材に適
し、先筒210の形状は棒状化粧材が進退する貫通孔2
13の先端部分は、他の部分よりも内径が小さな開口部
214となって、棒状化粧材が繰り出された際に側面を
支持している。
【0045】また、本実施例の回転止め機構は、先筒2
10の内周面に設けられた摺動溝211に、押棒230
の突起235が回動不能且つ摺動可能なスプライン係合
をすることにより構成されている。
【0046】一方、本実施例の螺合機構は、雄ネジのつ
る巻線上に配されている前記突起235と螺旋筒40の
雌ネジ部41とが螺合することにより構成されている。
【0047】この第3実施例の作用を説明すると、基筒
20に対し先筒210を正回転方向に回動させると、回
転止め機構と螺合機構とからなる繰出機構が働き、押棒
230が先筒210と同期に回動しながら繰り出され、
やがて図7に示すように螺旋筒40の下端にストッパー
部250の上端が当接して上昇限の状態となる。
【0048】次に、押棒230を繰下げるために先筒2
10を負回転方向に回動させると、やがて基筒20内孔
の底面24に押棒230の後端が当接し図6に示す後退
限の状態になる。
【0049】このとき、螺旋筒40と基筒20とが同期
に回動する同期回動手段の摺動抵抗よりも大きな負回転
方向のトルクが押棒230にかかっても、同期回動手段
が解除され、螺旋筒40と基筒20とが相対的に回動し
始めるので、押棒230及び繰出機構の他の部位に過負
荷がかかることを防止でき、更に、押棒230は螺旋筒
40を押し上げることで、第2実施例の上昇限の際と同
様に基筒20から先筒210が離脱させようとする応力
は、摺動抵抗の値によって制御できるのである。
【0050】図8及び図9では、本発明の第4実施例の
棒状化粧材容器301を示す。この第4実施例の棒状化
粧材容器301は、第1実施例と比較すると、特に螺合
機構を構成する押棒330(移動部)、及び基筒320
と螺旋筒340とが回動可能に摺接する第2摺動部の構
成が異なる。
【0051】従って、本実施例においては図1に示した
構成と同一の機能を持つ構成は同一の符号を付して示す
とともに、以下の説明においては本実施例の形態の特徴
である螺合機構を構成する部位、及び第2摺動部などを
中心に説明する。
【0052】本実施例においては、先筒10と基筒32
0とが回動可能に連結されて外殻部302が構成され、
以下に記載する回転止め機構と螺合機構を内装してい
る。本実施例の、回転止め機構は押棒330の爪片基部
333と先筒10の摺動溝11とが、回動不能に係合し
て構成される。
【0053】また本実施例の、押棒330の先端部には
保持部331が形成され、この保持部331に延設され
る竿体334の後端に、フランジ状のストッパー部33
7が形成されそのストッパー部337の外周には、突起
状の雄ネジ部336が形成されている。
【0054】一方、螺旋筒340には、内周面に雌ネジ
部341が形成され、この雌ネジ部341と雄ネジ部3
36とが螺合して螺合機構が構成されている。
【0055】螺旋筒340の下方には、スリット346
を上下に備えた、摺動突部345(ベンド部)が形成さ
れ、この摺動突部345は、基筒320の内周下部に形
成された第2摺動面323と当接して第2摺動部を構成
し、螺旋筒340と基筒320との間に摺動抵抗が付与
され、繰出操作時及び化粧時において螺旋筒340と基
筒320とを同期に回動させる同期回動手段を構成する
ので、Oリングを省略することが可能で部品点数を少な
くすることができる。
【0056】この第4実施例の作用を説明する、まず基
筒320に対して先筒10を回動させると、押棒330
は、摺動溝11と爪片基部333が回動不能に係合する
同期回動手段によって先筒10とは同期に回動し、また
繰出操作時に基筒320と同期に回動する螺旋筒340
とは相対的に回動するので、回転止機構と螺合機構とか
らなる繰出機構が働き、押棒330は先端方向に進出す
る。
【0057】やがて、押棒330の後端のストッパー部
337の先端面が先筒10の後端に当接して上昇限に達
し、図9の状態となる。この時更に、使用者が棒状化粧
材Dを繰り出そうとして第2摺動部で設定された摺動抵
抗の値よりも大きな力で先筒10を正回転方向に回動さ
せると、同期回動手段が解除され、先筒10と押棒33
0と螺旋筒340とが、基筒320に対して回動して、
繰出機構にかかる応力が同期回動手段の摺動抵抗の値よ
りも大きくなることを防止している。
【0058】次に、先筒10を基筒320に対して負回
転させると押棒330は後端方向に後退し、やがて、押
棒330の後端が雌ネジ終端部342に当接して図8に
示す後退限の状態になリ、この後退限においても摺動抵
抗よりも大きな負荷がかかると同期回動手段が解除され
Oリングを用いることなく、他の実施例と同様の効果が
得られるものである。
【0059】図10及び図11には、本発明の第5の実
施例の棒状化粧材容器を示す。この実施例の棒状化粧材
容器401は、他の実施例と比較すると、後述する第2
摺動部404によって螺旋筒440と先筒410とが同
期に回動するように構成され、この構成によって、先筒
410から棒状化粧材Eが回動しながら繰り出される点
が最も異なるが、他の基本的な構成は共通する。
【0060】従って、図10、図11においては図1乃
至図3に示した構成と同一の機能を持つ構成は同一の符
号を付して示すとともに、以下の説明においては、本実
施例の形態の特徴である先筒410と押棒430を含む
移動部の構成と作用を中心に説明する。
【0061】本実施例は、第2摺動部404を先筒41
0と螺旋筒440との間に設け、更に第1摺動部403
をその下部に設けたので、図10に示すように保持部4
31を先筒410に対して最も大きく設計することが可
能である。
【0062】従って本実施例は、比較的太い棒状化粧材
に適し、更に化粧材の保持部431が摺動する貫通孔4
13には、摺動溝などを必要としないので溶解した化粧
材を充填して成形する充填式の棒状化粧材容器にも適し
ている。
【0063】本実施例において、押棒430の後端に
は、中央にスリット部のある略板状のストッパー係止部
347が設けられ、このスリットの両端にベンド片43
9が設けられている。
【0064】一方、ストッパー部材450の内周面には
内突部452が設けられているので前記ベンド片439
がこの内突部452に係合して、ストッパー部材450
は押棒430に回動不能に係止され移動部が構成され
る。
【0065】また、先筒410内には、外殻部402を
構成する基筒420と先筒410とが相対的に回動する
第1摺動部403を備えている。更に、その上方には、
螺旋筒440と先筒410とが、押棒430が進退する
繰出し操作時に同期に回動する同期回動手段を有する第
2摺動部404とが設けられている。
【0066】この第2摺動部404には、先筒410内
周面の第2摺動面416と螺旋筒外周面443との間に
設けられたOリング406によって摺動抵抗を付与さ
れ、螺旋筒440と先筒410とが押棒430が進退す
る繰出し操作時に同期に回動する同期回動手段が設けら
れている。
【0067】次に、本実施例の回転止め機構は、押棒4
30と同期に回動するストッパー部材450の外周面に
設けられた係合条部451と、基筒420内周面に設け
られた係合溝425とが回動不能且つ摺動可能にスプラ
イン結合することによって構成されている。
【0068】また、螺合機構は、螺旋筒440内周の雌
ネジ部441と押棒430の雄ネジ部436とが螺合す
ることにより構成されている。
【0069】本実施例の、作用について説明する。本実
施例においては外殻部402を構成する先筒410(第
1の筒体)と、基筒420(第2の筒体)とを相対的に
回動させると、内挿された押棒430は同期に回動する
ストッパー部材450を介して回転止め機構により基筒
420と同期に回動する。
【0070】一方、先筒410と螺旋筒440とは同期
回動手段により同期に回動するので、結局、螺合機構を
構成する押棒430と螺旋筒440とが相対的に回動す
ることとなり、繰出機構が働き押棒430は繰出され、
押棒先端の保持部431に保持された棒状化粧材Eは先
筒410に対し回動しながら先端から繰出され、やが
て、図11に示すように螺旋筒440の下端にストッパ
ー部材450の上端が当接して上昇限の状態となる。
【0071】このとき更に、Oリング406によって付
与される摺動抵抗よりも大きなトルクで上昇する方向に
回動させると、他の実施例と同様に同期回動手段が解除
され、この時ストッパー部材450を係止する押棒43
0のストッパー係止部437と、棒状化粧材容器401
の繰出機構の破壊が防止される。
【0072】次に、先筒410を基筒420に対し押棒
430が後退する方向に相対回転させると押棒430は
後退し、やがて図10に示す下降限の状態になリ、この
時更に後退方向に相対回転させると同期回動手段が解除
されて繰出機構の破壊が防止される。
【0073】図12及び図13には、本発明の第6の実
施例の棒状化粧材容器を示す。この実施例の棒状化粧材
容器501は、第1実施例と比較すると第2摺動部を構
成する基筒520の内周面に形成された第2摺動面52
3の断面形状が多角形をしており、また、棒状化粧材容
器501の中心軸から第2摺動面523の角526の部
分までの距離が最長で、辺527中央までの距離は最短
であることを利用して、螺旋筒540の摺動突起547
が辺527の中央部分を乗越える際に生じる抵抗を摺動
抵抗としたことを特徴とする。
【0074】従って、図12、図13においては図1乃
至図3に示した構成と同一の機能を持つ構成は同一の符
号を付して示めした。
【0075】基筒520の内周面には多角形の断面形状
をした第2摺動面523が設けられている。この第2摺
動面523の角526に、螺旋筒540外周に形成され
た摺動突起547が係止されて同期回動手段とされ、そ
の際、摺動抵抗の値は、摺動突起547が辺527の中
心部分を乗越える際に生じる抵抗によって付与される。
【0076】このように構成されているので、本実施例
ではOリングを必要とすることなく、更に、上昇限にお
いて、辺527を摺動突起547が移動する際に引っ掛
かったような感覚(クリック感)を生じさせることが可
能となるので、上昇限等を明確に使用者に知らせること
ができるのである。
【0077】本発明において、外殻部を先筒と基筒から
構成し両筒体で外観を形成したが、これに捕われず、例
えば先筒のみで外観を形成するとともに、基筒の後端に
係合部を設けて、この係合部と係合して基筒と同期に回
動する容器本体を備えたカートリッジ式の棒状化粧材容
器としてもよい。
【0078】即ち、本件発明においては、連結された相
対的に回動可能な2つの筒体が外殻部を構成していれば
よく、この外殻部内に第3の筒体である螺旋筒が内挿さ
れて繰出機構が構成されているので、様々な態様に応用
が可能で、前記のようなカートリッジ式の棒状化粧材容
器にも応用可能な発明である。
【0079】また、本発明の外殻部を構成する先筒(第
1の筒体)、及び基筒(第2の筒体)を、実施例では1
部材で構成したが、これに捕われることなく、例えば基
筒(第2の筒体)を2以上の複数の部材で構成しても良
いことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本件発明の、第1の実施例を示した一部断面
図である。
【図2】 本件発明の、第1の実施例を示した一部断面
図である。
【図3】 第1実施例の、分解断面図である。
【図4】 本件発明の、第2の実施例を示した一部断面
図である。
【図5】 本件発明の、第2の実施例を示した一部断面
図である。
【図6】 本件発明の、第3の実施例を示した一部断面
図である。
【図7】 本件発明の、第3の実施例を示した一部断面
図である。
【図8】 本件発明の、第4の実施例を示した一部断面
図である。
【図9】 本件発明の、第4の実施例を示した一部断面
図である。
【図10】 本件発明の、第5の実施例を示した一部断
面図である。
【図11】 本件発明の、第5の実施例を示した一部断
面図である。
【図12】 本件発明の、第6の実施例を示した一部断
面図である。
【図13】 図12図の、A−A断面図である。
【符号の説明】
1、棒状化粧材容器 2、外殻部 3、第1摺動部 4、第2摺動部 5、Oリング 6、Oリング 10、先筒 20、基筒 30、押棒 40、螺旋筒 50、ストッパー部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先筒と、 前記先筒に連結可能な基筒と、 前記先筒と前記基筒とが回動可能に連結された外殻部
    と、 前記外殻部は棒状化粧材を保持する保持部を備えた移動
    部を内装し、 前記先筒と前記基筒とを相対回転させると内装された前
    記移動部を進退させる繰出機構を備えた棒状化粧材容器
    において、 前記外殻部と前記移動部とが同期に回動する回転止め機
    構と、 前記外殻部と摺動抵抗により同期に回動する同期回動手
    段を備えると共に内周面に雌ねじ部が形成された螺旋筒
    と、 前記移動部に形成された雄ねじ部と、 前記雌ねじ部と前記雄ねじ部とが螺合する螺合機構と、 前記螺合機構と前記回転止め機構とからなる繰出機構を
    備え、 前記先筒と前記基筒とを相対回転させると前記移動部が
    前記繰出機構により繰り出され、前記移動部が上昇限に
    達した際に前記先筒と前記基筒とを相対回転させる回転
    トルクが前記同期回動手段における前記摺動抵抗の値を
    超えた際に前記同期回動手段が解除されることを特徴と
    する棒状化粧材容器。
  2. 【請求項2】前記先筒と前記移動部とが同期に回動する
    前記回転止機構と、 前記基筒と前記螺旋筒とが同期に回動する前記同期回動
    手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の棒状化
    粧材容器
  3. 【請求項3】前記基筒と前記移動部とが同期に回動する
    前記回転止め機構と、 前記先筒と前記螺旋筒とが同期に回動する前記同期回動
    手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の棒状化
    粧材容器。
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