JP2002329604A - 鉄基希土類磁石原料合金の製造方法 - Google Patents

鉄基希土類磁石原料合金の製造方法

Info

Publication number
JP2002329604A
JP2002329604A JP2002024944A JP2002024944A JP2002329604A JP 2002329604 A JP2002329604 A JP 2002329604A JP 2002024944 A JP2002024944 A JP 2002024944A JP 2002024944 A JP2002024944 A JP 2002024944A JP 2002329604 A JP2002329604 A JP 2002329604A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
cooling roll
phase
producing
molten metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002024944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3583105B2 (ja
Inventor
Hirokazu Kanekiyo
裕和 金清
Satoru Hirozawa
哲 広沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP2002024944A priority Critical patent/JP3583105B2/ja
Publication of JP2002329604A publication Critical patent/JP2002329604A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3583105B2 publication Critical patent/JP3583105B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/057Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
    • H01F1/0579Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B with exchange spin coupling between hard and soft nanophases, e.g. nanocomposite spring magnets

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 冷却ロールによる溶湯の急冷冷却過程を均一
かつ再現性良く行ない、高性能なナノコンポジット磁石
に必要な均質微細構造を持つ急冷凝固合金を量産する。 【解決手段】 組成式が(Fe1-mm100-x-y-zx
yzで表現され、組成比率x、y、z、およびmが、そ
れぞれ、10≦x≦30原子%、2≦<10原子%、0
≦z≦10原子%、および0≦m≦0.5を満足する鉄
基希土類原料合金の溶湯を用意する。このとき、合金溶
湯の酸素濃度を3000ppm以下に調節して、溶湯の
動粘度を5×10-62/秒以下にする。次に、この合
金溶湯を案内手段上に供給し、案内手段上で冷却ロール
へ向かう合金溶湯の流れを形成し、冷却ロールとの接触
領域に移動させた後。冷却ロールによって急冷し、急冷
合金を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種モータやアク
チュエータに好適に使用される鉄基希土類磁石合金の製
造方法に関している。
【0002】
【従来の技術】近年、家電用機器、OA機器、および電
装品等において、より一層の高性能化と小型軽量化が要
求されている。そのため、これらの機器に使用される永
久磁石については、磁気回路全体としての性能対重量比
を最大にすることが求められており、例えば残留磁束密
度Brが0.5T(テスラ)以上の永久磁石を用いるこ
とが要求されている。しかし、従来の比較的安価なハー
ドフェライト磁石によっては、残留磁束密度Brを0.
5T以上にすることはできない。
【0003】現在、0.5T以上の高い残留磁束密度B
rを有する永久磁石としては、粉末冶金法によって作製
されるSm−Co系磁石が知られている。しかしなが
ら、Sm−Co系磁石は、原料となるSmおよびCoの
いずれもが高価であるため、磁石価格が高いという欠点
を有している。
【0004】Sm−Co系磁石以外では、粉末冶金法に
よって作製されるNd−Fe−B系磁石や、液体急冷法
によって作製されるNd−Fe−B系急冷磁石が高い残
留磁束密度Brを発揮することができる。前者のNd−
Fe−B系磁石は、例えば特開昭59−46008号公
報に開示されており、後者のNd−Fe−B系急冷磁石
は例えば特開昭60−9852号公報に開示されてい
る。Nd−Fe−B系焼結磁石の場合は、安価なFeを
主成分として(全体の60重量%〜70重量%程度)含
むため、Sm−Co系磁石に比べて安価ではあるが、そ
の製造工程に要する費用が高いという問題がある。製造
工程費用が高い理由のひとつは、含有量が全体の10原
子%〜15原子%程度を占めるNdの分離精製や還元反
応に大規模な設備と多大な工程が必要になることであ
る。また、焼結後に加工も必要となる。従って、粉末冶
金法による場合は、どうしても製造工程数が多くなる。
【0005】これに対し、液体急冷法によって製造され
るNd−Fe−B系急冷磁石は、溶解工程→液体冷却工
程→熱処理工程といった比較的簡単な工程で得られるた
め、粉末冶金法によるNd−Fe−B系磁石に比べて工
程費用が安いという利点がある。しかし、液体急冷法に
よる場合、バルク状の永久磁石を得るには、急冷合金か
ら作製した磁石粉末を樹脂と混ぜ、ボンド磁石を形成す
る必要があるので、成形されたボンド磁石に占める磁石
粉末の充填率(体積比率)は高々80%程度である。ま
た、液体急冷法によって作製した急冷合金は、磁気的に
等方性である。
【0006】Nd−Fe−B系磁石の場合、希土類元素
の濃度が比較的に低い組成、すなわち、Nd3.8Fe
77.219(原子%)の近傍組成を持ち、Fe3B型化合
物を主相とする磁石材料が提案されている(R. Coehoor
n等、J. de Phys, C8,1998, 669〜670頁)。この永久磁
石材料は、液体急冷法によって作製したアモルファス合
金に対して結晶化熱処理を施すことにより、軟磁性であ
るFe3B相と硬磁性であるNd2Fe14B相が混在する
微細結晶集合体から形成された準安定構造を有してお
り、「ナノコンポジット磁石」と称されている。
【0007】このようなナノコンポジット磁石の原料合
金に種々の金属元素を添加し、磁気特性を向上させる試
みがなされている(国際出願の国際公開公報WO003/03
403、W.C.Chan, et.al. "THE EFFECTS OF REFRACTORY M
ETALS ON THE MAGNETIC PROPERTIES OF α-Fe/R2Fe14B-
TYPE NANOCOMPOSITES", IEEE, Trans. Magn. No. 5,INT
ERMAG. 99, Kyongiu, Korea pp.3265-3267, 1999)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ナノコ
ンポジット磁石を液体急冷法で作製する場合、原料合金
の溶湯と冷却ロール表面との接触状態によって急冷凝固
合金の組織が大きな影響を受け、最終的な磁石特性が変
化してしまうという問題がある。特に、ナノコンポジッ
ト磁石をストリップキャスト法により製造しようとする
と、求める微細構造を持つ急冷合金組織を安定的に再現
性良く形成することが困難であることがわかった。特
に、合金溶湯をシュートなどの案内手段を介して冷却ロ
ールへ供給する場合、シュート上で溶湯表面に酸化膜が
形成されやすく、溶湯の流れが酸化膜に阻害されるた
め、安定した冷却工程の実行が妨げられるという問題が
生じた。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、冷却ロールによる溶
湯の急冷過程を均一かつ再現性良く行ない、高性能なナ
ノコンポジット磁石に必要な均質微細構造を持つ鉄基希
土類磁石原料合金の製造方法を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、上記鉄基希土類磁石
原料合金を用いて作製する永久磁石の製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による鉄基希土類
磁石原料合金の製造方法は、組成式が(Fe1-mm
100-x-y-zxyz(TはCoおよびNiからなる群か
ら選択された1種以上の元素、QはBおよびCからなる
群から選択された1種以上の元素、RはY(イットリウ
ム)および希土類金属からなる群から選択された1種以
上の元素、Mは、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、
Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、T
a、W、Pt、Au、およびPbからなる群から選択さ
れた1種以上の元素)で表現され、組成比率x、y、
z、およびmが、それぞれ、10≦x≦30原子%、2
≦y<10原子%、0≦z≦10原子%、および0≦m
≦0.5を満足する鉄基希土類原料合金の溶湯を用意す
る工程と、前記合金溶湯を案内手段上に供給し、前記案
内手段上で冷却ロールに向かう前記合金溶湯の流れを形
成し、それによって、前記合金溶湯を前記冷却ロールと
の接触領域に移動させる工程と、前記合金溶湯を前記冷
却ロールによって急冷し、急冷合金を作製する冷却工程
とを包含し、前記案内手段に供給される前の時点におけ
る前記合金溶湯の酸素濃度を質量比率で3000ppm
以下に調節することを特徴とする。
【0012】好ましい実施形態においては、前記案内手
段に供給される前の時点における前記合金溶湯の動粘度
を5×10-6(m2/秒)以下にすることができる。
【0013】好ましい実施形態において、前記冷却工程
は、回転する冷却ロールの表面に向かう合金溶湯の少な
くとも一部の流れを制御することができるシュートを前
記案内手段として用い、前記合金溶湯を前記冷却ロール
の軸線方向に沿って所定の幅で前記冷却ロールの表面に
接触させる工程を包含し、前記シュートは、前記冷却ロ
ールの近傍に配置され、前記冷却ロールの軸線方向に沿
って所定の幅の溶湯排出部を備えており、前記冷却ロー
ルと接触した合金溶湯から前記急冷凝固合金が形成され
る。
【0014】前記冷却工程において前記R2Fe14B型
化合物相を析出させることが好ましい。
【0015】本発明による永久磁石の製造方法は、上記
いずれかの鉄基希土類磁石原料合金の製造方法によって
作製された前記急冷合金に対して結晶化熱処理を行な
い、少なくともR2Fe14B型化合物相、α−Fe相、
および硼化物相を含む3種類以上の結晶相を含有する組
織を形成し、前記R2Fe14B型化合物相の平均結晶粒
径を20nm以上150nm以下、前記α−Fe相およ
び硼化物相の平均結晶粒径を1nm以上50nm以下と
することを特徴とする。
【0016】好ましい実施形態においては、前記結晶化
熱処理は前記急冷合金を550℃以上850℃以下の温
度で30秒以上保持する。
【0017】前記硼化物相は、強磁性の鉄基硼化物を含
んでいることが好ましい。
【0018】好ましい実施形態において、前記鉄基硼化
物は、Fe3Bおよび/またはFe2 36を含んでいる。
【0019】本発明による永久磁石の製造方法は、上記
いずれかの鉄基希土類磁石原料合金の製造方法によって
作製された前記急冷合金の粉末を用いて磁石を作製する
ことを特徴とする。
【0020】本発明によるボンド磁石の製造方法は、上
記いずれかの永久磁石の製造方法によって作製された永
久磁石の粉末を用意する工程と、前記永久磁石の粉末を
用いてボンド磁石を作製する工程とを包含する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明では、組成式が(Fe1-m
m100-x-y-zxyzで表現される鉄基希土類原料
合金をストリップキャスト法により作製する。ここで、
TはCoおよびNiからなる群から選択された1種以上
の元素、QはBおよびCからなる群から選択された1種
以上の元素、RはY(イットリウム)および希土類金属
からなる群から選択された1種以上の元素、Mは、A
l、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、
Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、Pt、A
u、およびPbからなる群から選択された1種以上の元
素である。そして、組成比率x、y、z、およびmは、
それぞれ、10≦x≦30原子%、2≦y<10原子
%、0≦z≦10原子%、および0≦m≦0.5を満足
する。
【0022】本発明では、上記組成を有する合金の溶湯
をシュートなどの案内手段を介して冷却ロールへ供給す
る。案内手段の傾斜角度やサイズを調節することによ
り、冷却ロールに供給される溶湯流れを高い精度で制御
することが可能になる。好ましい実施形態では、案内手
段を水平方向に対して5〜70°程度下方に傾斜するよ
うに配置している。案内手段上に供給された合金溶湯は
案内手段に沿って横方向に流れ、冷却ロールとの接触領
域に移動し、回転する冷却ロールの表面上に湯溜まり
(パドル)を形成する。回転する冷却ロールの表面に沿
ってパドルから引き上げられた合金溶湯は、ロール表面
上を薄く延び、所定の時間、冷却ロールと密着しつつ、
ロールの回転にしたがって移動する。この間、溶湯は冷
却ロールによって熱を奪われ、凝固し、やがて、冷却ロ
ールの表面から離れてゆく。冷却速度は、溶湯の供給量
や冷却ロールの回転速度を調節することによって所望の
範囲に制御することができる。パドルを形成する合金溶
湯の粘度が変動すると、合金の冷却プロセスも微妙に変
動することになるが、本発明で製造するナノコンポジッ
ト磁石では冷却プロセスの僅かな変動が急冷凝固合金の
微細組織構造を変化させ、最終的な磁石特性に大きな影
響を与えてしまう。
【0023】本発明者は、最終的な磁石中の酸素濃度や
溶融される前の原料中の酸素濃度を管理するだけではな
く、案内手段に供給する前の状態における合金溶湯中の
酸素濃度を適切なレベルに維持管理することが、上記の
組成を持つ合金溶湯の粘度を制御するために不可欠であ
ることを見出して、本発明を想到するに至った。
【0024】具体的には、案内手段に供給される前の時
点における合金溶湯の酸素濃度を質量比率で3000p
pm以下に調節することにより、合金溶湯の動粘度を5
×10-6(m2/秒)以下に制御する。こうすることに
より、案内手段上を冷却ロールへ向かう溶湯の流れを最
適なものとするとともに、冷却ロール表面と溶湯との間
の密着性も適切な範囲に調節することができることがわ
かった。本発明では、このようにして合金の湯流れを安
定化しているため、急冷合金組織の均一性を向上させ、
特性の優れた磁石を再現性良く製造することができるよ
うになる。
【0025】なお、本発明で用いる原料合金は、酸素に
対して活性な希土類元素を必須成分として含有している
ため、溶湯状態において雰囲気ガスや酸化物系耐火物か
ら酸素を取り込み、希土類酸化物を形成しやすい。その
ため、溶湯中に含まれる酸素の量は経時的に増加する傾
向にある。そのため、雰囲気ガス中の酸素分圧や、合金
が溶融されてから急冷凝固されるまでの時間などを適切
に管理し、制御する必要がある。故に、溶融前の合金中
の酸素濃度を管理するだけでは、急冷凝固合金の組織を
均一化することはできない。
【0026】本発明者の実験によれば、合金溶湯中の酸
素濃度が質量比率で3000ppmを超えると、液相中
に希土類酸化物からなる固相が混在する状態となり、急
激に溶湯粘度が上昇する。このことは、複数の準安定相
を析出しやすいナノコンポジット磁石原料合金の場合に
顕著に生じるものであり、今までは知られていなかった
ことである。本発明では、合金溶湯に含有される酸素濃
度を質量比率で3000ppm以下に調節することによ
り、合金溶湯の動粘度を5×10-62/秒以下に制御
し、安定した出湯を実現することに成功した。そして、
その結果、溶湯を冷却ロール上で充分に冷却することが
できるようになったため、ロールでの巻きつきを防止す
るとともに、急冷凝固合金組織の均一微細化が可能にな
る。
【0027】一方、溶湯の酸素濃度が質量比率で300
0ppmを超えると、合金溶湯の動粘度が5×10-6
2/秒を超えるため、溶湯の流動性が大きく低下し、溶
湯が案内手段上を安定して流れなくなる。その結果、冷
却ロールへの溶湯供給量が変動するため、均一な急冷合
金組織を得られなくなる。また、溶湯粘度が高いと、冷
却ロールに達した溶湯がロール表面で広がりにくくなる
ため、急冷合金の厚みが増し、溶湯急冷速度が低下す
る。実験によると、酸素濃度は2000ppm以下であ
ることが好ましく、1000ppm以下であることが更
に好ましい。なお、溶湯の酸素濃度はできる限り低いこ
とが好ましいが、50ppmを下回るようにするには原
料や冷却室内の雰囲気ガスに含まれる酸素の濃度を更に
低く設定する必要があり、生産性が低下してしまう。こ
のため、実用上、溶湯の酸素濃度は100ppm以上の
値に設定することが好ましい。
【0028】なお、従来から、Nd−Fe−B系希土類
合金焼結磁石の分野では、粉末中の酸素濃度を一定レベ
ル以下に制御し、焼結磁石の最終的な特性を向上させる
技術が知られていた。これは、粉末中の酸素濃度が高く
なりすぎると、Ndが酸化物形成のために消費されてし
まう結果、Nd2Fe14Bの主相量が減少してしまうと
いう問題を解決するために行なわれていたものである。
これに対し、本発明の製造方法が対象とするナノコンポ
ジット磁石では、希土類含有量が焼結磁石に比べて少な
くてもよく、希土類元素が酸化によって多少消費された
としても、最終的な磁石特性に大きな影響を与えるもの
ではないと考えられていた。また、溶湯中の酸素が粘度
に大きな影響を与えることも知られていなかった。以上
のことから、従来は、溶湯状態における酸素濃度を管理
して溶湯粘度を制御するという技術的思想は全く無かっ
た。
【0029】以下、酸素濃度以外の製造条件について、
適切な範囲を説明する。
【0030】まず、冷却ロールによる合金の巻きつきを
より確実に防止するためには、冷却時の雰囲気ガス圧を
適切な範囲に調節することが好ましい。雰囲気ガスの好
ましい範囲は、10kPa〜常圧の範囲である。雰囲気
ガスの圧力が10kPa以下になると、合金薄帯とロー
ル表面との密着性が強くなり過ぎ、雰囲気ガスの圧力が
常圧(大気圧:101.3kPa)を超えて高くなり過
ぎると、合金溶湯と冷却ロールとの間にまき込まれる雰
囲気ガスの影響が大きくなるため、合金溶湯の表面に小
さなエアーポケットが多数形成され、冷却ロールによる
充分な冷却が達成されなくなる。その結果、粗大なα−
Feが析出し、良好な硬磁気特性が得られなくなる。
【0031】本発明者の実験によれば、急冷時に雰囲気
ガスの圧力は、10kPa以上でしかも常圧(101.
3kPa)以下に制御することが好ましく、20kPa
以上90kPa以下の範囲にすることが更に好ましい。
より好ましい範囲は30kPa以上60kPa以下であ
る。
【0032】ロール表面周速度の好ましい範囲は5m/
秒以上20m/秒以下である。ロール表面周速度が5m
/秒より遅くなると、急冷合金中に含まれるR2Fe14
B型化合物相の結晶粒が粗大化し、その平均結晶粒径が
150nmを超えてしまうことになる。その結果、熱処
理によってR2Fe14B型化合物相は更に大きくなり、
磁気特性が劣化する。一方、ロール表面周速度が20m
/秒より速くなると、急冷合金がほぼ完全な非晶質とな
り、R2Fe14B型化合物相がほとんど析出しない状態
になる。急冷合金中における非晶質部分の割合が大きく
なると、熱処理時の結晶化に伴う発熱量が大きくなるた
め、熱処理条件を所望の範囲に制御することが困難にな
り、磁気特性が劣化してしまう。
【0033】本発明では、Tiなどの元素Mを適量添加
することにより、急冷合金中に粗大なα−Feをほとん
ど析出させず、微細なR2Fe14B型化合物相を有する
組織、あるいは、微細なR2Fe14B型化合物相を有す
る組織とアモルファス相が混在した組織を作製すること
ができる。これにより、R2Fe14B型化合物相の粗大
化を抑制し、熱処理後であっても、その平均粒径を20
nm以上150nm以下とし、かつ、α−Fe相などの
軟磁性相が微細に分散した高性能の複合型永久磁石を得
ることができる。なお、Tiが0.5原子%以上5原子
%以下の範囲で添加されるとき、Rの量は6原子%以上
9原子%以下の範囲に調整されることが好ましい。
【0034】次に、図面を参照しながら、本発明の好ま
しい実施形態を説明する。
【0035】本実施形態では、図1に示すストリップキ
ャスティング装置を用いて急冷凝固合金を製造する。酸
化しやすい希土類元素RやFeを含む原料合金の酸化を
防ぐため、不活性ガス雰囲気中で合金製造工程を実行す
る。不活性ガスとしては、ヘリウムまたはアルゴン等の
希ガスや窒素を用いることができる。なお、窒素は希土
類元素Rと比較的に反応しやすいため、ヘリウムまたは
アルゴンなどの希ガスを用いることが好ましい。
【0036】[ストリップキャスト法]図1のストリッ
プキャスティング装置は、内部を不活性ガス雰囲気で減
圧状態にすることができるチャンバ内に配置される。こ
のストリップキャスティング装置は、合金原料を溶解す
るための溶解炉1と、溶解炉1から供給される合金溶湯
3を急冷・凝固させるための冷却ロール7と、溶解炉1
から冷却ロール7に溶湯3を導くシュート(タンディッ
シュ)5と、凝固して冷却ロール7から薄帯状の合金8
を剥離しやすくするスクレパーガス噴出器9とを備えて
いる。
【0037】溶解炉1は、合金原料を溶融することによ
って作製した溶湯3をシュート5に対して略一定の供給
量で供給することができる。この供給量は、溶解炉1を
傾ける動作を制御することなどによって、任意に調節す
ることができる。本実施形態では、酸素濃度が質量比率
で1000ppm以下の原料を溶融し、溶融状態におけ
る合金の酸素濃度を質量比率で3000ppm以下に制
御している。前述のように、溶湯の酸素濃度は雰囲気中
の酸素分圧や溶融から急冷凝固までの時間などによって
変化するため、本実施形態では、これらの諸条件を調節
することにより、酸素濃度が3000ppmを超えない
ようにしている。
【0038】冷却ロール7は、その外周面が銅などの熱
伝導性の良好な材料から形成されており、直径(2r)
が30cm〜100cmで幅が15cm〜100cmの
寸法を有する。冷却ロール7は、不図示の駆動装置によ
って所定の回転速度で回転することができる。この回転
速度を制御することによって、冷却ロール7の溶湯冷却
面の周速度を任意に調節することができる。このストリ
ップキャスティング装置による冷却速度は、冷却ロール
7の回転速度などを選択することにより、約102℃/
秒〜約2×105℃/秒の範囲で制御可能である。
【0039】シュート5の溶湯案内面は、水平方向(X
軸)に対して角度αで傾斜し、シュート5の先端部と冷
却ロールの表面との距離は数mm以下に保たれる。そし
て、シュート5は、その先端部と冷却ロール7の中心と
を結ぶ線が水平方向に対して角度β(0°≦β≦90
°)を形成するように配置される。シュート傾斜角度α
は、溶湯の供給量(レート)を微妙に制御するために重
要なパラメータであり、1°≦α≦80°であることが
好ましく、10°≦α≦45°が更に好ましい。一方、
角度βは、ロールと溶湯の密着性に影響を与えるパラメ
ータであり、0°≦β≦90°であることが好ましく、
5°≦β≦80°であることが更に好ましい。
【0040】シュート5上に供給された溶湯3は、シュ
ートの先端部から冷却ロール7の表面に対して圧力を加
えられずに供給され、冷却ロール7の表面に溶湯のパド
ル6が形成される。本実施形態では、溶湯粘度(動粘
度)が5×10-62/秒以下に維持されているため、
スムーズな湯流れが実現する。また、溶湯がシュート5
上をスムーズに流れることによって冷却ロールの表面は
溶湯から圧力を受け、溶湯と冷却ロールとの間の密着性
が向上する。
【0041】シュート5は、アルミナ焼結体等のセラミ
ックスで構成され、溶解炉1から所定の流量で連続的に
供給される溶湯3を一時的に貯湯するようにして流速を
遅延し、溶湯3の流れを整流することができる。シュー
ト5に供給された溶湯3における溶湯表面部の流れを選
択的に堰き止めることができる堰き止め板を設ければ、
整流効果をさらに向上させることができる。
【0042】シュート5を用いることによって、冷却ロ
ール7の胴長方向(軸線方向:紙面に垂直)において、
一定幅にわたって略均一な厚さに広げた状態で、溶湯3
を供給することができる。なお、シュート5は上記機能
に加え、冷却ロール7に達する直前の溶湯3の温度を調
整する機能をも有する。シュート5上における溶湯3の
温度は、液相線温度よりも100℃以上高い温度である
ことが望ましい。溶湯3の温度が低すぎると、急冷後の
合金特性に悪影響を及ぼすTiB2などの初晶が局所的
に核発生し、これが凝固後に残存してしまうことがある
からである。また、溶湯3の温度が低すぎると、溶湯粘
度が高くなり、スプラッシュが発生しやすくなる。
【0043】シュート5上での溶湯滞留温度は、溶解炉
1からシュート5に注ぎ込む時点での溶湯温度やシュー
ト5自体の熱容量などを調節することによって制御可能
であるが、必要に応じてシュート加熱設備(不図示)を
設けても良い。
【0044】本実施形態におけるシュート5は、冷却ロ
ール7の外周面に対向するように配置された端部におい
て、冷却ロールの軸線方向に沿って所定の間隔だけ離し
て設けられた複数の排出部を有している。この排出部の
幅(出湯幅)は、好適には0.5cm〜10.0cmに
設定され、より好適には0.7cm〜4.0cmに設定
される。本実施形態では、出湯幅は1cmに設定されて
いる。なお、溶湯の流れの幅は、上記排出部の位置から
離れるにつれ、横方向に広がる傾向がある。シュート5
に複数の排出部を設け、複数の溶湯流れを形成する場合
は、隣接する溶湯流れが相互に接触しないようにするこ
とが好ましい。
【0045】シュート5上に供給された溶湯3は、冷却
ロール7の軸線方向に沿って、各排出部の幅と略同一幅
を有して冷却ロール7と接触する。その後、冷却ロール
7に出湯幅で接触した溶湯3は、冷却ロール7の回転に
伴って(冷却ロール7に引き上げられるようにして)ロ
ール周面上を移動し、この移動過程において冷却され
る。なお、溶湯漏れを防止するために、シュート5の先
端部と冷却ロール7との間の距離は、3mm以下(特に
0.4〜0.7mmの範囲)に設定されることが好まし
い。
【0046】隣接する排出部間の間隙は、好適には1c
m〜10cmに設定される。このようにして冷却ロール
7の外周面における溶湯接触部(溶湯冷却部)を複数の
箇所に分離すれば、各排出部から排出された溶湯を効果
的に冷却することができる。結果として、シュート5へ
の溶湯供給量を増加させた場合にも所望の冷却速度を実
現することができる。
【0047】なお、シュート5の形態は、上記形態に限
られず、単一の排出部を有するものであってもよいし、
出湯幅がより大きく設定されていてもよい。シュート5
に関する他の改良も可能である。
【0048】冷却ロール7の外周面上で凝固された合金
溶湯3は、薄帯状の凝固合金8となって冷却ロール7か
ら剥離する。好ましい実施形態では、対応する排出部か
ら出た各溶湯流れが所定幅のストリップとなる。剥離し
た凝固合金8は、不図示の回収装置において破砕され、
回収される。
【0049】このようにストリップキャスト法は、ジェ
ットキャスト法のようにノズルを用いておらず、ノズル
径による噴射スピードの制約やノズル部での凝固による
溶湯詰まりなどの問題がないので、大量生産に適してい
る。また、ノズル部の加熱設備や溶湯ヘッド圧を制御す
る為の圧力制御機構も必要でないため、初期設備投資や
ランニングコストを小さく抑えることができる。
【0050】また、ジェットキャスト法ではノズル部分
の再利用が不可能な為、加工コストの高いノズルを使い
捨てにしなければならなかったが、ストリップキャスト
法ではシュートを繰り返し使用することが可能であるの
でランニングコストが安価である。
【0051】更に、上述のような案内手段を持つストリ
ップキャスト法によれば、比較的低速でロールを回転さ
せ、なおかつジェットキャスト法よりも合金出湯量を多
くできるため、薄帯を厚くすることができ、その回収も
容易となる。
【0052】好ましい溶湯供給速度(処理量)の上限値
は、溶湯と冷却ロールとの間の単位接触幅あたりの供給
速度で規定することができる。ストリップキャスト法の
場合、溶湯は冷却ロールの軸線方向に沿って所定の接触
幅を有するように冷却ロールと接触し、溶湯の冷却条件
は上記単位接触幅あたりの溶湯供給速度に大きく依存す
るからである。
【0053】溶湯供給速度が速すぎると、冷却ロールに
よる溶湯の冷却速度が低下し、その結果、非晶質化が促
進せずに結晶化組織を多く含む急冷合金が作製されてし
まいナノコンポジット磁石に適した原料合金を得ること
ができなくなってしまう。このため、本実施形態では、
単位接触幅(cm)あたりの供給速度(kg/分)を3
kg/分/cm以下に設定している。
【0054】また、例えば接触幅約2cm×3本の接触
形態で溶湯を冷却ロールに接触させる場合、供給速度を
約0.5kg/分/cm以上に設定することによって、
約3kg/分以上の処理量を実現することができる。
【0055】このように、上記特定範囲の周速度で回転
する冷却ロールに対して上記特定範囲の供給速度で溶湯
を供給することによって、ストリップキャスト法を用い
た場合にも所望の急冷合金を生産性高く作製することが
できる。ストリップキャスト法では、ジェットキャスト
法のように製造コストを著しく増加させるノズルを使用
しないので、ノズルにかかるコストが不必要となり、ま
た、ノズルの閉塞事故によって生産が停止することもな
い。
【0056】冷却ロールの周速度の好ましい範囲は5m
/秒以上20m/秒未満である。その理由は、ロール周
速度が5m/秒未満であると、冷却能力の不足により所
望の急冷合金が得られず、また、20m/秒以上にする
と、ロールによって溶湯を引き上げることが難しくな
り、冷却合金が薄片状で飛散するため、回収にも困難を
来すからである。最適な周速度は、冷却ロールの構造、
材質、溶湯供給速度などによって異なり得るが、周速度
が速いと、得られる薄帯状合金は極端に薄くなって嵩張
るため、取り扱いにくくなる。また、周速度が速すぎる
と、薄帯状合金を粉砕して作製した磁粉の形状が薄く扁
平になるため、磁粉を成形する際、磁粉の流動性やキャ
ビティ充填率が低下する。その結果、磁石の磁粉密度が
低下し、磁石特性が劣化してしまう。更に、そのような
磁粉を圧縮成形する場合、圧縮工程後の成形体抜き出し
時に成形体のスプリングバック(リコイル)が発生しや
すく、成形体の形状精度が劣化してしまう。一方、周速
度が遅いと、十分な冷却速度を得ることが困難になり、
これに対し冷却速度を高めるために溶湯供給速度を低く
したのでは、生産性が悪くなってストリップキャスト法
を用いるメリットが減少する。これらのことから、冷却
ロールの周速度は、好ましくは5m/秒〜20m/秒に
設定される。更に好ましくは6m/秒〜15m/秒に設
定される。冷却ロールの周速度の更に好ましい範囲は、
10m/秒以上15m/秒以下である。
【0057】単位接触幅あたりの供給速度が3kg/分
/cmを超えると、所定の冷却速度が得られず、所望の
急冷合金を作製することが困難になる。単位接触幅あた
りの供給速度の適切な範囲は、ロール周速度、ロール構
造などに応じて異なり得るが、2kg/分/cm以下で
あることが好ましく、1.5kg/分/cm以下である
ことがさらに好ましい。
【0058】なお、シュート(タンディッシュ)の形状
や、溶湯排出部の幅と本数、溶湯供給速度などを適切に
選択することによって、得られる薄帯状急冷合金の厚さ
及び幅が適正範囲内になるようにすることも重要であ
る。薄帯状急冷合金の幅は、15mm〜80mmの範囲
であることが好ましい。また、薄帯状合金の厚さは、薄
すぎると嵩密度が低くなるので回収困難となり、厚すぎ
ると溶湯のロール接触面と自由面(溶湯表面)とで冷却
速度が異なり、自由面の冷却速度が十分に得られないた
め好ましくない。このため、薄帯状合金の厚さが50μ
m以上250μm以下となるようにすることが好まし
く、60μm以上200μm以下となるようにすること
がより好ましい。急冷合金の厚さの更に好ましい範囲
は、70μm以上90μm以下である。また、ボンド磁
石中の磁粉充填密度を考慮すると、急冷合金の厚さは8
0μmを超えることが好ましい。
【0059】[熱処理]本実施形態では、熱処理をアル
ゴン雰囲気中で実行する。好ましくは、昇温速度を5℃
/秒〜20℃/秒として、550℃以上850℃以下の
温度で30秒以上20分以下の時間保持した後、室温ま
で冷却する。この熱処理によって、残存アモルファス相
中に準安定相の微細結晶が析出・成長し、ナノコンポジ
ット組織構造が形成される。本実施形態によれば、Rの
量が6〜9原子%、Tiの量が0.5〜5原子%となる
組成を有する場合、熱処理の開始前の時点(as−ca
st)で既に微細なR2Fe14B結晶相(Nd2Fe14
型結晶相)が全体の60体積%以上存在しているため、
α−Fe相や他の結晶相の粗大化が抑制され、Nd 2
14B型結晶相以外の各構成相(軟磁性相)が均一に微
細化される。熱処理後におけるR2Fe14B結晶相(N
2Fe14B型結晶相)が合金中に占める体積比率は6
5〜85%である。
【0060】なお、熱処理温度が550℃を下回ると、
熱処理後もアモルファス相が多く残存し、急冷条件によ
っては、保磁力が充分なレベルに達しない場合がある。
また、熱処理温度が850℃を超えると、各構成相の粒
成長が著しく、残留磁束密度Brが低下し、減磁曲線の
角形性が劣化する。このため、熱処理温度は550℃以
上850℃以下が好ましいが、より好ましい熱処理温度
の範囲は570℃以上820℃以下である。
【0061】本実施形態では、溶湯粘度が常に適切なレ
ベルにあるため、安定した冷却が行なわれる結果、アモ
ルファス、もしくは、アモルファス中にFe−B相もし
くはNb2Fe14B相が混在する組織、更には、急冷合
金中に充分な量のNd2Fe14B型化合物相が均一かつ
微細に析出している金属組織が得られる。このため、急
冷合金に対して敢えて結晶化熱処理を行なわない場合で
も、急冷凝固合金自体が硬磁気特性を発揮し得る場合が
ある。そのため、結晶化熱処理は本発明に必須の工程で
はないが、これを行なうことが磁石特性向上のためには
好ましい。なお、従来に比較して低い温度の熱処理でも
充分に磁石特性を向上させることが可能である。
【0062】熱処理雰囲気は、合金の酸化を防止するた
め、50kPa以下のArガスやN 2ガスなどの不活性
ガスが好ましい。0.1kPa以下の真空中で熱処理を
行っても良い。
【0063】熱処理前の急冷合金中には、R2Fe14
化合物相およびアモルファス相以外に、Fe3B相、F
236、R2Fe14B相、およびR2Fe233相等の準
安定相が含まれていても良い。その場合、熱処理によっ
てR2Fe233相は消失し、R2Fe14B相の飽和磁化
と同等、または、それよりも高い飽和磁化を示す鉄基硼
化物(例えばFe236)やα−Feを結晶成長させる
ことができる。なお、本明細書における「Fe3B相」
は、「Fe3.5B相」を含むものとする。
【0064】本実施形態の場合、最終的にα−Feのよ
うな軟磁性相が存在していても、磁石が微細結晶組織を
有し、かつ、軟磁性相の平均結晶粒径が硬磁性相の平均
結晶粒径よりも小さいため、軟磁性相と硬磁性相とが交
換相互作用によって磁気的に結合し、優れた磁気特性が
発揮される。
【0065】熱処理後におけるNd2Fe14B型化合物
相の平均結晶粒径は、単軸結晶粒径である300nm以
下となる必要があり、20nm以上150nm以下であ
ることが好ましく、20nm以上100nm以下である
ことが更に好ましい。これに対し、硼化物相やα−Fe
相の平均結晶粒径が50nmを超えると、各構成相間に
働く交換相互作用が弱まり、減磁曲線の角形性が劣化す
るため、(BH)maxが低下してしまう。通常、これら
の相は1nmよりも小さな直径をもつ析出物とはなら
ず、数nmの大きさの析出物となる。以上のことから、
硼化物相やα−Fe相などの軟磁性相の平均結晶粒径は
1nm以上50nm以下であることが好ましい。磁気特
性上、Nd2Fe14B型化合物相の平均結晶粒径が20
nm以上100nm以下、軟磁性相の平均結晶粒径が1
nm以上30nm以下であることが更に好ましい。ま
た、交換スプリング磁石として優れて性能を発揮するに
は、Nd2Fe14B型化合物相の平均結晶粒径は、軟磁
性相の平均結晶粒径よりも大きいことが好ましい。
【0066】なお、熱処理前に急冷合金の薄帯を粗く切
断または粉砕しておいてもよい。
【0067】熱処理後、得られた磁石を微粉砕し、磁石
粉末(磁粉)を作製すれば、その磁粉から公知の工程に
よって種々のボンド磁石を製造することができる。ボン
ド磁石を作製する場合、鉄基希土類合金磁粉はエポキシ
樹脂やナイロン樹脂と混合され、所望の形状に成形され
る。このとき、ナノコンポジット磁粉に他の種類の磁
粉、例えばSm−Fe−N系磁粉やハードフェライト磁
粉を混合してもよい。
【0068】上述のボンド磁石を用いてモータなどの各
種回転機やアクチュエータを製造することができる。
【0069】本発明の磁石磁末を射出成形ボンド磁石用
に用いる場合は、平均粒度が200μm以下になるよう
に粉砕することが好ましく、より好ましい粉末の平均粒
径は30μm以上150μm以下である。また、圧縮成
形ボンド磁石用に用いる場合は、粒度が300μm以下
になるように粉砕することが好ましく、より好ましい粉
末の平均粒径は30μm以上250μm以下である。さ
らに好ましい範囲は50μm以上200μm以下であ
る。
【0070】[組成の限定理由]Qは、その全量がB
(ホウ素)から構成されるか、または、BおよびC(炭
素)の組み合わせもしくはC単独から構成される。Qの
組成比率xが10原子%を下回ると、急冷時の冷却速度
が102℃/秒〜105℃/秒程度と比較的低い場合、R
2Fe14B型結晶相とアモルファス相とが混在する急冷
合金を作製することが困難になる。また、液体急冷法の
中でも工程費用が比較的安いストリップキャスト法を採
用できなくなり、永久磁石の価格が上昇してしまうこと
になる。一方、Qの組成比率xが30原子%を超える
と、R2Fe14B型化合物相がほとんど析出せず、硬磁
気特性が得られない。以上のことから、Qの組成比率x
は10原子%以上、30原子%以下となるように設定す
ることが好ましい。Qの組成比率xの更に好ましい範囲
は、11原子%以上15原子%以下である。ただし、Q
におけるCの比率が50%を超えると、高い磁化を有す
るFe−B相が生成されず、磁気特性の低下を引き起こ
すため、QにおけるCの比率は50%以下(残部はB)
が良い。QにおけるCの比率は30%以下であることが
好ましく、20%以下であることが更に好ましい。溶湯
粘度を下げるためには、Cの組成比率を0.5原子%以
上にすることが好ましい。
【0071】Rは、希土類元素(イットリウムを含む)
の群から選択された1種以上の元素である。Laまたは
Ceが存在すると、R2Fe14B相のR(典型的にはN
d)がLaやCeで置換され、保磁力および角形性が劣
化するため、LaおよびCeを実質的に含まないことが
好ましい。ただし、微量のLaやCe(0.5原子%以
下)が不可避的に混入する不純物として存在する場合、
磁気特性上、問題はない。従って、0.5原子%以下の
LaやCeを含有する場合は、LaやCeを実質的に含
まないといえる。
【0072】Rは、より具体的には、PrまたはNdを
必須元素として含むことが好ましく、その必須元素の一
部をDyおよび/またはTbで置換してもよい。Rの組
成比率yが全体の2原子%を下回ると、保磁力の発現に
必要なR2Fe14B型結晶構造を有する化合物相が充分
に析出せず、高い保磁力HcJを得ることができなくな
る。また、Rの組成比率yが10原子%以上になると、
強磁性を有する鉄基硼化物やα−Feの存在量が低下
し、これらが残留磁束密度Brの向上に寄与しなくな
る。故に、希土類元素Rの組成比率yは2原子%以上1
0原子%未満の範囲に調節することが好ましく、3原子
%以上9.5原子%以下であることがより好ましく、4
原子%以上9.2原子%以下であることが更に好まし
い。6原子%以上9.2原子%以下の場合は、溶湯を冷
却ロールに密着させて急冷する必要がでてくるので、酸
素濃度は2000ppm以下とすることが好ましい。
【0073】Mは、Al、Si、Ti、V、Cr、M
n、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、H
f、Ta、W、Pt、Au、Pbの1種または2種以上
の元素である。元素Mを添加することにより、磁気特性
が向上するだけでなく、最適熱処理温度域を拡大する効
果が得られる。元素Mの添加量zが10原子%を超える
と、磁化の低下を招くため、zは0at%〜10at%
の範囲にあることが好ましい。zの更に好ましい範囲
は、0.1at%〜5at%である。
【0074】Feは、上述の元素の含有残余を占める
が、Feの一部をCoおよびNiの一種または二種の遷
移金属元素で置換しても所望の硬磁気特性を得ることが
できる。Feに対するTの置換量が50%を超えると、
0.7T以上の高い残留磁束密度Brが得られない。こ
のため、置換量は0%以上50%以下の範囲に限定する
ことが好ましい。なお、Feの一部をCoで置換するこ
とによって、減磁曲線の角形性が向上するとともに、R
2Fe14B相のキュリー温度が上昇するため、耐熱性が
向上する。CoによるFe置換量の好ましい範囲は0.
5%以上40%以下である。
【0075】
【実施例】(実施例1)下記の表1に示す組成を有し、
総量が80キログラム(kg)となるように純度99.
5%以上のB、Fe、Co、Nd、Ti、およびCrを
秤量し、アルミナ製坩堝に投入した。その後、これらの
合金原料を高周波加熱によって圧力70kPaのアルゴ
ン(Ar)雰囲気中で溶解し、合金溶湯を作製した。溶
湯温度が1350℃に到達した後、坩堝を傾転し、アル
ミナ製のシュートを介して、回転する銅製の冷却ロール
の表面へ溶湯を供給し急冷合金を作製した。このとき、
冷却ロールのロール表面速度は15m/sとし、溶湯の供
給速度は5kg/minとした。また、このとき、シュ
ート角αは20°、βは40°とした。
【0076】
【表1】
【0077】表1において、例えば「Fe70.2+C
o3」とは、鉄系遷移金属元素として、70.2原子%
のFeと3原子%のCoが含まれていることを意味して
いる。
【0078】ここで、試料No.1〜8は本発明の実施
例であり、試料No.9〜12は比較例である。実施例
と比較例との間の主な相違点は、溶湯中の酸素濃度にあ
り、表1の最右欄に、坩堝内における合金溶湯の酸素濃
度が記載されている。
【0079】酸素濃度は、次のようにして測定すること
ができる。すなわち、溶解坩堝内の溶湯中にMo製の管
を挿入した後、管内を排気し、溶解槽内よりもMo製管
内を負圧にする。こうして、溶湯を管内に吸い上げた
後、管内の溶湯を冷却し、円柱状のインゴットを得る。
このインゴットの表面を研削し、表面の自然酸化膜を除
去した後、インゴットを粉砕して、粒径300μm以下
の粉末を作製する。この粉末を対象として、酸素ガス分
析装置を用いて酸素濃度を分析する。なお、本実施例の
酸素濃度は、酸素ガス分析装置として、日立堀場製の型
式EMGA−550Wを用いて測定したものである。
【0080】合金溶湯中の酸素濃度は、溶解槽内の雰囲
気圧や酸素分圧を制御することにより、表1に示す値に
調整した。具体的には、試料No.1〜No.4の場
合、溶解槽内を5×10−2Paまで排気した後、不活
性ガスを供給して、溶解槽内を70kPa、槽内の酸素
分圧を1Pa以下とした。また、試料No.5〜No.
8の場合は、溶解槽内を70kPa、槽内の酸素分圧を
10〜50Paとするように調整した。比較例である試
料No.9〜No.12の場合は、溶解槽内を70kP
a、槽内酸素分圧を1kPa〜1.5kPaに調節し
た。
【0081】表2は、回転振動法にて計測した1350
℃での溶湯粘度を各組成合金の溶湯密度で割った動粘度
と、最適熱処理条件にて急冷合金に熱処理を施し磁石化
した際の硬磁気特性とを示している。
【0082】
【表2】
【0083】表2から明らかなように、試料No.1〜
8(実施例)では、いずれも動粘度が5×10-62
秒であるのに対して、試料No.9〜12(比較例)の
動粘度は5×10-62/秒を超える大きな値を示して
いる。そして、最大エネルギー積(BH)maxおよび残
留磁束密度のいずれについても、実施例が比較例を上回
る優れた値を示していることがわかる。これは、比較例
の磁石特性が劣化した理由は、溶湯の酸素濃度が300
0ppmを超え、動粘度が高くなりすぎていたため、ス
ムーズな湯流れが実現されず、また冷却ロールとの密着
性も悪化し、その結果、冷却プロセスが不均一に進行し
たためと考えられる。
【0084】(実施例2)表1に示す資料No.3の合
金組成にて、実施例1の条件と同一条件で急冷合金(S
C合金)を作製した。ただし、その際、表3に示すシュ
ート角度αおよび溶湯酸素濃度に制御した状態でストリ
ップキャスト工程を行なった。そして、どのような条件
において、冷却ロール表面上でパドルを生成し、ストリ
ップキャスト法による急冷合金を安定して製造できるか
を検討した。
【0085】
【表3】
【0086】表3における「SC生成状態」の欄に記載
した符号「○」は、安定して急冷合金を作製できた場合
を示している。これに対して、符号「×」は、ロール表
面上にパドルが生成されず、急冷合金を作製できなかっ
た場合を意味し、符号「△」は、ロール表面上にパドル
は生成されたが、急冷合金の組織が不均一となり、実用
的な磁石特性が得られなかった場合を示している。この
実施例から、溶湯の酸素濃度が2000ppm以下の場
合、角度αは10°以上50°以下の範囲の調節するこ
とが好ましく、20°以上30°以下の範囲に調節する
ことが更に好ましいことがわかる。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、合金溶湯中の酸素濃度
を適切なレベルに維持管理することにより、合金溶湯の
粘度を低く抑えているため、ストリップキャスト装置に
おける溶湯流れをスムーズなものとするとともに、冷却
ロール表面と溶湯との間の密着性を適切な範囲に調節す
ることができる。その結果、本発明によれば、冷却ロー
ルによる溶湯の急冷冷却過程を均一かつ再現性良く行な
うことができるので、高性能なナノコンポジット磁石に
必要な均質微細構造を持つ急冷凝固合金を量産化するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄基希土類磁石原料合金のための
急冷合金を製造する装置(ストリップキャスター)の構
成例を示す図である。
【符号の説明】
1 溶解炉 3 合金溶湯 5 シュート(タンディッシュ) 6 合金溶湯のパドル 7 冷却ロール 8 急冷合金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/08 H01F 41/02 G 41/02 1/04 H Fターム(参考) 4E004 DB02 NC10 TA03 5E040 AA04 AA19 CA01 NN01 NN06 NN18 5E062 CC05 CD04 CE05 CG03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式が(Fe1-mm100-x-y-zx
    yz(TはCoおよびNiからなる群から選択された1
    種以上の元素、QはBおよびCからなる群から選択され
    た1種以上の元素、RはY(イットリウム)および希土
    類金属からなる群から選択された1種以上の元素、M
    は、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、
    Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、Hf、Ta、W、P
    t、Au、およびPbからなる群から選択された1種以
    上の元素)で表現され、組成比率x、 y、z、およびmが、それぞれ、 10≦x≦30原子%、 2≦y<10原子%、 0≦z≦10原子%、および 0≦m≦0.5、 を満足する鉄基希土類原料合金の溶湯を用意する工程
    と、 前記合金溶湯を案内手段上に供給し、前記案内手段上で
    冷却ロールに向かう前記合金溶湯の流れを形成し、それ
    によって、前記合金溶湯を前記冷却ロールとの接触領域
    に移動させる工程と、 前記合金溶湯を前記冷却ロールによって急冷し、急冷合
    金を作製する冷却工程と、を包含し、 前記案内手段に供給される前の時点における前記合金溶
    湯の酸素濃度を質量比率で3000ppm以下に調節す
    ることを特徴とする鉄基希土類磁石原料合金の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記案内手段に供給される前の時点にお
    ける前記合金溶湯の動粘度を5×10-6(m2/秒)以
    下とすることを特徴とする請求項1に記載の鉄基希土類
    磁石原料合金の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記冷却工程は、 回転する冷却ロールの表面に向かう合金溶湯の少なくと
    も一部の流れを制御することができるシュートを前記案
    内手段として用い、前記合金溶湯を前記冷却ロールの軸
    線方向に沿って所定の幅で前記冷却ロールの表面に接触
    させる工程を包含し、 前記シュートは、前記冷却ロールの近傍に配置され、前
    記冷却ロールの軸線方向に沿って所定の幅の溶湯排出部
    を備えており、 前記冷却ロールと接触した合金溶湯から前記急冷凝固合
    金が形成される請求項1または2に記載の鉄基希土類磁
    石原料合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却工程において前記R2Fe14
    型化合物相を析出させる請求項1から3のいずれかに記
    載の鉄基希土類磁石原料合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の鉄基
    希土類磁石原料合金の製造方法によって作製された前記
    急冷合金に対して結晶化熱処理を行ない、少なくともR
    2Fe14B型化合物相、α−Fe相、および硼化物相を
    含む3種類以上の結晶相を含有する組織を形成し、前記
    2Fe14B型化合物相の平均結晶粒径を20nm以上
    150nm以下、前記α−Fe相および硼化物相の平均
    結晶粒径を1nm以上50nm以下とすることを特徴と
    する永久磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記結晶化熱処理は前記急冷合金を55
    0℃以上850℃以下の温度で30秒以上保持すること
    を含む請求項5に記載の永久磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記硼化物相は、強磁性の鉄基硼化物を
    含んでいる請求項5または6に記載の永久磁石の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記鉄基硼化物は、Fe3Bおよび/ま
    たはFe236を含んでいる請求項7に記載の永久磁石
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から4のいずれかに記載の鉄基
    希土類磁石原料合金の製造方法によって作製された前記
    急冷合金の粉末を用いて磁石を作製することを特徴とす
    る永久磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項5から8のいずれかに記載の永
    久磁石の製造方法によって作製された永久磁石の粉末を
    用意する工程と、 前記永久磁石の粉末を用いてボンド磁石を作製する工程
    とを包含するボンド磁石の製造方法。
JP2002024944A 2001-02-07 2002-02-01 鉄基希土類磁石原料合金の製造方法 Expired - Fee Related JP3583105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002024944A JP3583105B2 (ja) 2001-02-07 2002-02-01 鉄基希土類磁石原料合金の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001031484 2001-02-07
JP2001-31484 2001-02-07
JP2002024944A JP3583105B2 (ja) 2001-02-07 2002-02-01 鉄基希土類磁石原料合金の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002329604A true JP2002329604A (ja) 2002-11-15
JP3583105B2 JP3583105B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=26609082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002024944A Expired - Fee Related JP3583105B2 (ja) 2001-02-07 2002-02-01 鉄基希土類磁石原料合金の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3583105B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006245534A (ja) * 2005-02-01 2006-09-14 Neomax Co Ltd 鉄基希土類合金ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP2008192903A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Hitachi Metals Ltd 鉄基希土類合金磁石
JPWO2006101117A1 (ja) * 2005-03-24 2008-09-04 日立金属株式会社 鉄基希土類系ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP2009013498A (ja) * 2004-12-16 2009-01-22 Hitachi Metals Ltd 鉄基希土類系ナノコンポジット磁石粉末の製造方法
US7955442B2 (en) 2003-11-18 2011-06-07 Tdk Corporation Method for producing sintered magnet and alloy for sintered magnet
WO2013021885A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 株式会社村田製作所 セラミック電子部品の製造方法
CN115605622A (zh) * 2021-04-28 2023-01-13 Neo新材料技术(新加坡)私人有限公司(Sg) 生产磁性材料的方法和系统

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7955442B2 (en) 2003-11-18 2011-06-07 Tdk Corporation Method for producing sintered magnet and alloy for sintered magnet
JP2009013498A (ja) * 2004-12-16 2009-01-22 Hitachi Metals Ltd 鉄基希土類系ナノコンポジット磁石粉末の製造方法
JP2006245534A (ja) * 2005-02-01 2006-09-14 Neomax Co Ltd 鉄基希土類合金ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JPWO2006101117A1 (ja) * 2005-03-24 2008-09-04 日立金属株式会社 鉄基希土類系ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP4766045B2 (ja) * 2005-03-24 2011-09-07 日立金属株式会社 鉄基希土類系ナノコンポジット磁石およびその製造方法
KR101326930B1 (ko) * 2005-03-24 2013-11-11 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 철 기재의 희토류계 나노컴포지트자석 및 그 제조방법
JP2008192903A (ja) * 2007-02-06 2008-08-21 Hitachi Metals Ltd 鉄基希土類合金磁石
JP4687662B2 (ja) * 2007-02-06 2011-05-25 日立金属株式会社 鉄基希土類合金磁石
WO2013021885A1 (ja) * 2011-08-05 2013-02-14 株式会社村田製作所 セラミック電子部品の製造方法
JPWO2013021885A1 (ja) * 2011-08-05 2015-03-05 株式会社村田製作所 セラミック電子部品の製造方法
US9378877B2 (en) 2011-08-05 2016-06-28 Murata Manufacturing Co., Ltd. Method for manufacturing ceramic electronic component
CN115605622A (zh) * 2021-04-28 2023-01-13 Neo新材料技术(新加坡)私人有限公司(Sg) 生产磁性材料的方法和系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3583105B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100535946B1 (ko) 철기재 희토류자석 원료합금의 제조방법
KR100535945B1 (ko) 나노컴포지트 자석
US20040020569A1 (en) Iron-based rare earth alloy nanocomposite magnet and method for producing the same
JPH09170055A (ja) 希土類磁石用合金及びその製造方法並びに永久磁石の製造方法
EP1552537A1 (en) Nanocomposite magnet and method for producing the same
JP3801456B2 (ja) 鉄基希土類系永久磁石合金およびその製造方法
JP3583105B2 (ja) 鉄基希土類磁石原料合金の製造方法
WO2005057594A1 (ja) ナノコンポジット磁石、ナノコンポジット磁石用急冷合金、およびこれらの製造方法ならびに判別方法
JP4332982B2 (ja) 鉄基合金磁石の製造方法
JP4120253B2 (ja) ナノコンポジット磁石用急冷合金およびその製造方法
JP4788300B2 (ja) 鉄基希土類合金ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP3264664B1 (ja) 複数の強磁性相を有する永久磁石およびその製造方法
JP3297676B1 (ja) ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP2003286548A (ja) ナノコンポジット磁石用急冷合金およびその製造方法
JP4715245B2 (ja) 鉄基希土類ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP3773484B2 (ja) ナノコンポジット磁石
JP2003158005A (ja) ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP2002064009A (ja) 鉄基希土類合金磁石およびその製造方法
JP4670179B2 (ja) 複数の強磁性相を有する永久磁石およびその製造方法
JP3358735B1 (ja) ナノコンポジット磁石用急冷合金および磁粉
JP3763774B2 (ja) 鉄基希土類合金磁石用急冷合金、及び鉄基希土類合金磁石の製造方法
JP4168643B2 (ja) ボンド磁石用コンパウンドおよびその製造方法
JP3625821B6 (ja) ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP3625821B2 (ja) ナノコンポジット磁石およびその製造方法
JP3583116B2 (ja) 鉄基希土類合金磁石およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040727

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040727

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3583105

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110806

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120806

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees