JP2002327640A - 車輌用間歇運転式内燃機関の運転方法 - Google Patents
車輌用間歇運転式内燃機関の運転方法Info
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Abstract
ド車に於ける内燃機関の始動時の燃料増量を、機関停止
後時を経ずして機関が再始動される場合や短時間内に機
関始動が繰り返される場合にも、大気汚染を来さないよ
うにして最適に制御する。 【解決手段】 機関始動時燃料増量を機関始動時に於け
る吸気ポート周辺への燃料付着量の推定に基づいて制御
し、機関停止後間もない再始動時には時間経過と共に漸
減する補正量だけ燃料増量を減じ或は時間経過が極く短
いときには燃料増量を零とし、また短時間内に機関始動
が繰り返えされるときには後の始動時燃料増量を先の始
動時の続きとする。
Description
運転方法に係り、特に車輌の運行中、内燃機関を一時停
止させる車輌運転条件が成立している間、内燃機関を一
時停止させる要領にて内燃機関を間歇運転する車輌の内
燃機関の運転方法に係る。
に燃料を一時的に増量することが行われている。かかる
機関始動時の燃料一時増量は、従来主として機関始動に
当って混合気を一時的に濃くすることにより機関の始動
性をよくするために行なわれていたが、更に近年の排気
浄化触媒を備えた車両に於いては、機関が停止されると
排気浄化触媒が酸素を捕捉した状態となり、機関始動時
にNOxの浄化機能が損なわれることに対処し、機関始
動に当って排気浄化触媒へCOやHCの如き可燃成分を
供給し、これによって酸素を捕捉した触媒を還元処理す
べく、機関始動時に燃料を一時増量することが注目され
てきている。
車、エコラン車、ハイブリッド車のいづれに於いても燃
料遮断によって行われるが、機関は燃料が遮断されて
も、その回転が完全に停止するまでには、数回転に亙っ
て燃料噴射なしで空転するので、機関の排気系に設けら
れた排気浄化触媒には酸素が送り込まれ、これによって
触媒は酸素を捕捉する。このように、触媒が機関の停止
に伴って酸素を捕捉した状態となる点に於いては、従来
車もエコラン車やハイブリッド車も殆ど同じであるが、
エコラン車やハイブリッド車は頻繁に機関の一時停止と
再始動を繰り返すので、機関始動時の排気浄化触媒の還
元処理を適正に行なうこと、即ちCOやHCの如き可燃
成分を大気へ排出することなく触媒の還元処理を十分に
行なうように燃料を一時増量することは、エコラン車や
ハイブリッド車に於いては従来車に於けるよりも遥かに
重要である。
は、エコラン車やハイブリッド車には、また別の特異な
問題が考えられる。それは、燃料を気化器やポート噴射
により供給する多くのガソリン機関に於いては、供給さ
れた燃料の一部が吸気ポートの周辺に付着し、そこに燃
料の液膜が形成されるという現象に関連するものであ
る。即ち、気化器やポート噴射により燃料を供給する機
関に於いては、機関の作動中吸気ポートの周辺には略一
定の厚さの燃料液膜が形成され、かかる燃料液膜の形成
には或るかなりの量の燃料が関与することである。
化触媒の還元処理を十分に達成するに足りるが余って大
気へ燃料の可燃成分が排出されることのないよう適切に
制御された量にて機関始動時燃料増量を行なおうとすれ
ば、上記の燃料液膜形成に要する燃料の量が考慮されな
ければならない。この点に関し、車輌の運行開始時にの
み機関始動が行なわれる従来車に於いては、機関始動
時、上記の燃料液膜は通常消失しているが、車輌の運行
中に機関が一時停止され、短時間を置いて機関が再始動
されるエコラン車やハイブリッド車に於いては、機関始
動時に燃料液膜は尚実質的に残留している場合が多く、
しかもその残留の度合は機関停止後の経過時間の長短に
応じて異なる。そのような場合に、機関再始動に当って
燃料の一時増量が常時一定量にて行われると、一時増量
燃料のうち燃焼室内へ持ち込まれる分量が大きく変動
し、排気浄化触媒還元処理のための燃料可燃成分の供給
に不足を生じたり、また逆にそれが多すぎて可燃成分が
大気へ放出され、大気環境保全を損なう虞れがある。
記の問題に対処し、これに適切に対処し得る車輌用内燃
機関の運転方法を提供することを課題としている。
のとして、本発明は、車輌の運行中、内燃機関を一時停
止させる車輌運転条件が成立している間、内燃機関を一
時停止させる車輌用内燃機関の運転方法にして、機関始
動時の燃料増量を機関始動時に於ける吸気ポート周辺へ
の燃料付着量の推定に基づいて制御することを特徴とす
る内燃機関運転方法を提案するものである。
動時に於ける吸気ポート周辺への燃料付着量の推定に基
づいて制御することは、一つの態様として、内燃機関の
停止より次の始動までの経過時間が所定のしきい値以上
でないとき、該次の機関始動時の燃料増量が、該経過時
間が該しきい値以上であるときに比して低減される要領
にて行なわれてよい。
に於ける吸気ポート周辺への燃料付着量の推定に基づい
て制御することは、他の一つの態様として、内燃機関の
停止より次の始動までの時間の経過と共に漸減する補正
値を所定の標準値より差し引いた量が該次回の機関始動
時の燃料増量とされる要領にて行なわれてもよい。
動時に於ける吸気ポート周辺への燃料付着量の推定に基
づいて制御することは、内燃機関の一回の始動から一時
停止を挟んだ次回の始動までの経過時間が所定のしきい
値以上でないとき、該次回の機関始動時に於ける燃料増
量を所定の標準値より低減する要領にて行なわれてもよ
い。
回の機関始動時に於ける燃料増量の初期値を該一回の始
動による機関運転の終了時の燃料増量に対応させるよう
なされる要領にて行なわれてよい。
量が機関始動時に於ける吸気ポート周辺への燃料付着量
の推定に基づいて制御されるようになっていれば、エコ
ラン車やハイブリッド車に於ける如く機関始動時の吸気
ポート周辺の燃料液膜の状態が種々に大きく異なり、そ
の修復に費やされる燃料の量に大きな差が生ずる可能性
のある場合にも、常にそれに見合って制御された燃料量
を正しく一時増量することができ、頻繁に行なわれる機
関再始動の度に、COやHCの如き燃料可燃成分を大気
へ放出することなく、常に機関の良好な始動性を確保
し、また必要に応じて排気浄化触媒の始動時還元処理を
適切に行なうことができる。尚、かかる吸気ポート周辺
の燃料付着の推定に基づく機関始動時燃料増量の可変制
御は、機関始動時燃料増量が専ら機関の始動性の確保の
ために行われる場合にも、大気への可燃成分の排出を可
及的に減じてその目的を達成する上で有効である。
への燃料付着量の推定に基づいた燃料一時増量制御とし
て、特に内燃機関の停止より次の始動までの経過時間が
所定のしきい値以上でないとき、該次の機関始動時の燃
料増量は、該経過時間が該しきい値以上であるときに比
して低減されるようにされるときには、機関停止後あま
り間を置かずに機関が最始動され、機関再始動時に吸気
ポート周辺の燃料液膜が残留する度合が大きいとき、該
残留度合に応じて機関始動時燃料増量を適正に減量修正
することができる。かかる減量修正は、機関停止後再始
動までの時間が特に小さいときには燃料増量を零とする
ことを含んでいてよい。
での時間の経過と共に漸減する補正値を所定の標準値よ
り差し引いた量が該次回の機関始動時の燃料増量とされ
るときには、機関停止より次の始動までの時間経過が短
い程、次回の機関始動時に吸気ポート周辺にはより完全
に近い燃料液膜が残留していることに対応して、不要な
燃料液膜立上げ用の燃料の追加供給を抑えることができ
る。
停止を挟んだ次回の始動までの経過時間が所定のしきい
値以上でないとき、該次回の始動に於ける前記燃料増量
を所定の標準値より低減するようにすれば、始動時燃料
一時増量の重なりにより吸気ポート周辺の燃料液膜形成
による燃料吸収能を越えて燃料を増量することが事前に
阻止される。
機関始動時の初期値から時間の経過と共に漸減されるよ
うにし、前記の標準値よりの低減は該次回の機関始動時
に於ける燃料増量の初期値を該一回の始動による機関運
転の終了時の燃料増量に対応させるようなされれば、時
間的に近接して行なわれる2度の機関始動の後者に於け
る燃料一時増量を前者に於けるそれに連続させる如き制
御特性を得ることができる。
転方法を実施例について詳細に説明する。
制御過程の流れとして示すフローチャートである。この
フローチャートによる車輌用内燃機関の運転制御は、図
には示されていない車輌のキースイッチが閉成されるこ
とにより車輌の運行が開始されると同時に開始される。
御に必要なデータの読込みが行われる。次いで、ステッ
プ20にて、内燃機関が運転されているか否かが判断さ
れる。機関を運転するか否かの判断は、車輌の運行開始
時には勿論運転者によってなされるが、車輌の運行中に
於けるその判断は、図には示されていないコンピュータ
を備えた車輌自動運転装置によりなされるものであり、
それはこの技術分野に於いて既になされている種々の提
案による車輌の運転状態に基づく制御判断の何れによっ
てなされてもよい。そのような任意の機関運転制御によ
り機関が運転されているか或いは一時停止されているか
に応じて、このステップに於ける判断の答はイエスまた
はノーになるものとする。
輌或いは内燃機関の運転制御の分野に於いては周知の通
り、この種のフローチャートにより表される制御は、数
十マイクロセカンド程度の周期にてフローチャートを循
環しつつ行われるものであり、従ってこのステップ20
に於ける先の制御循環過程に於ける答がイエスであり、
次の制御循環過程に於ける答がノーとなることは、数十
マイクロセカンド内のほぼ瞬間的時点から始まって機関
が一時停止されることであり、また逆に先の制御循環過
程に於ける答がノーであり、次の制御循環過程に於ける
答がイエスとなることは、その時点から一時停止中であ
った機関が再始動されることを意味する。
は、制御はステップ30へ進み、ここでフラグ1が1に
セットされる。次いで制御はステップ40へ進み、フラ
グF5が1であるか否かが判断される。フラグF5は、
この種の技術分野に於いては周知の通り制御の開始に当
って0にリセットされると共に、後述のステップ170
に於いて改めて0にセットされ、或いは後述のステップ
240に於いて1にセットされるものである。従って、
制御が開始後初めてステップ40に至ったとき、或いは
ステップ170からのリターンによりステップ10、2
0、30を経てここに至ったときには、F5は0であ
り、判断の答はノーであり、後述の通り機関停止時に制
御がステップ180〜270を巡って循環した後に機関
が始動されて最初に制御がここに至ったときには1であ
り、このとき答はイエスとなる。一先ず、答がイエスの
場合について制御を進める。
ント値C1が所定のしきい値C10以上であるか否かが判
断される。このカウント値C1も制御開始に当って0に
リセットされ、その後、後述のステップ120に於いて
リセットされたり、ステップ140に於いて1ずつ増分
されるものである。このステップ50の目的は、機関が
始動され或いは再始動された時点より所定時間以上が経
過したか否かを判断することである。答がイエスのとき
には、制御はステップ60へ進み、ここで内燃機関を通
る空気量の積算値Qaが所定のしきい値Qao以上である
か否かが判断される。Qaも制御開始時には0にリセッ
トされるものであり、また後述のステップ90に於いて
0にリセットされ、ステップ160に於いて、このフロ
ーチャートを巡る一サイクル間に於ける内燃機関を通る
空気量だけ増分されて機関始動後或いは再始動後の空気
流量を積算した値を示すものである。このステップ60
もまた機関が始動後或いは再始動後に所定の積算空気量
以上を通すだけ運転されたか否かを判断するものであ
る。尚、C1およびQaは、それぞれ判別の目的を達成
する適当な値に達したら、それ以上は増大しないように
なっていてよい。そしてステップ50および60の判断
結果が何れもイエスのとき、制御はステップ70に至
り、ここでフラッグF2が0にリセットされ、また後述
のパラメータ値Kaも0にリセットされる。これに対し
ステップ50或いは60に於ける答の何れか一つでもノ
ーであれば、制御はステップ80へ進み、フラグF2が
1にセットされる。
はステップ80を通った場合にも、制御は次いでステッ
プ90に至り、ここでフラッグF3が0にリセットさ
れ、また上記の空気量積算値Qaも0にリセットされ
る。次いで制御はステップ100へ進む。
はステップ50〜90をバイパスして直ちにステップ1
00へ進む。フラグF5によるかかる制御の仕分けの理
由は後程明らかとなる。
1であるか否かが判断される。答がノーのとき、即ちス
テップ50に於いて機関始動後或いは再始動後の時間経
過を示すカウント値C1がしきい値C10よりも大きくな
るような充分な時間が経過したと判断され、またステッ
プ60に於いて機関を通って流れた空気量の積算値Qa
がしきい値Qaoより大きくなるよう充分大きな空気量が
機関を通って流れるほど機関が運転されたと判断された
ときには、制御はステップ110へ進む。これに対しF
2が1のとき、即ちカウント値C1がしきい値C10に達し
ていないか或いは空気量積算値Qaがしきい値Qaoに達
していないかの少なくとも何れか一方のときには、制御
はステップ105へ進み、ここでパラメータ値Kaが後
述のステップ260にて求められた値Rにセットされ
る。このとき制御は次いでステップ106へ進み、ここ
でフラッグF2が0にリセットされる。
1が所定のしきい値以上であるか否かを判断すると共
に、ステップ60にて機関を通る空気量の積算値Qaが
所定のしきい値以上であるか否かを判断するよう、両方
の条件を重ね合わせてフラグF2を0とするか1とする
か、即ち機関が始動後或いは再始動後或る所定の時間的
或いは量的運転量を経過したか否かの判断を行ったの
は、機関の始動または再始動からの機関の実質運転をよ
り確実に判断するためである。
20、130の制御は、ステップ20に於ける判断結果
がイエスとなったとき、即ち機関が始動され或いは再始
動されたとき、その時点からの時間の経過を図るカウン
ト値C1を最初に0にリセットするためのものである。
こうして最初にカウント値C1を0にリセットした後、
制御はステップ140へ進み、ここで制御がこの経路を
通って循環する度にカウント値C1は1ずつ増分され、
これによって機関が始動され或いは再始動された時点か
らの経過時間が計測される。
いは再始動時の燃料増量を行うための燃料増量係数Kfs
が計算される。この係数Kfsの値は、所定の初期値Kfs
o、或いは上記のステップ105にて入力されたパラメ
ータ値Kaが0でないときにはKfsoよりKaを差し引い
た初期値、或いは更に後述のステップ230にて計算さ
れる係数値Kfrが0でないときにはKfso−Kaより更に
Kfrを差し引いた値を初期値とし、これより時間の経過
と共に所定の係数減分ΔKfs・C1ずつ次第に低減する
値とされる。この燃料増分係数Kfsは機関始動時或いは
再始動時に行う燃料増量の度合を示す係数であり、この
係数に正規の燃料噴射量を乗じた値が増量される燃料量
である。
積算値Qaがこの経路を一巡する間に追加された空気量
だけ増分される。ここでqは単位時間当りの空気流量で
あり、ΔTは制御が一巡する間に経過した微少時間であ
る。次いで制御はステップ70に至り、フラグF5およ
びF7が0にリセットされる。
の如き制御過程の対象となる内燃機関の運転状態、上記
の如き制御過程により変化するカウント値C1、空気量
積算値Qa、燃料増量係数Kfsおよび以下に説明する他
の一つのカウント値C2と燃料液膜係数Kfrが変化する
態様の一例を示すグラフである。上記の通り時刻t1に
て機関の運転が開始されると、カウント値C1は0から
時間の経過と共に増加し始める。また空気量積算値Qa
も0より出発して機関を流れる空気量の積算量に応じて
増大していく。燃料増量係数Kfsは時点t1に於ける初
期値Kfso−Ka−Kfrより出発して時間の経過と共に漸
減していく。尚、他の一つの時間カウント値C2は時点
t1ではまだ始まっていない。また燃料液膜係数Kfr
は、吸気ポート周辺に付着した燃料液膜の厚さを示す係
数であり、機関始動時に燃料噴射が開始されると、一時
急激に増大するが、その後機関の運転が継続するにつれ
てほぼ一定の値に落ち付き、機関が運転を停止される
と、そのときの値から始まって時間の経過につれて次第
に低下していく。
て始動或いは再始動されて時点t2まで運転され、ここ
で機関が一時停止されたとする。それまで制御はステッ
プ10よりステップ20、30を経てステップ40に至
り、これより上に説明したステップ50〜90を通り、
これよりステップ110に進み、最初の一回だけステッ
プ120に進んでカウント値C1を0にリセットした後
はステップ110より直ちにステップ140へ進み、こ
れよりステップ150、160、170を通って循環
し、それに応じてカウント値C1、空気量積分値Qa、燃
料増量係数Kfsは、時間の経過につれて図2に示されて
いる如く演算される。
テップ20の答がノーとなるので、制御はこれよりステ
ップ180へ進み、フラグF1が1であるか否かが判断
される。車輌のキースイッチが入れられたまま機関が未
だ一度も始動されていないときには、フラグF1は制御
開始時に0にリセットされたままであるので、このとき
には制御はステップ180より直ちにステップ10へ戻
り、読込みデータを更新しつつ機関の始動を待つ。しか
し今、時点t2にてステップ180に至ったときには、
フラグF1は1にセットされているので、制御はステッ
プ190へ進み、ステップ200および210と共にカ
ウント値C2を最初に0にリセットする制御が行われ
る。そしてその後、制御はこの経路を通って循環し、そ
れにつれてステップ220にてカウント値C2を1ずつ
増分し、この経路を通る制御の経過時間の計測が行われ
る。こうしてカウント値C2は図2に示されている如く
時点t2より漸増していく。
辺に付着した燃料液膜の厚さを表す燃料液膜係数Kfr
が、Kfroをその初期値とし、これより時間の経過と共
に漸減する値としてKfr=Kfro−ΔKfr・C2として計
算される。その状態が図2に示されている。
路を通ったこと、即ち機関が停止状態にあることを示す
よう、フラグF5が1にセットされる。その後ステップ
260にてフラグF7が1であるか否かが判断される。
制御がステップ180よりイエスへ進む経路を通って初
めてここに至ったときにはF7は0にリセットされてい
るので、制御はステップ260へ進み、燃料増量係数K
fsに対する減分量を示すΔKfs・C1が燃料増量係数Kf
sの初期値Kfsoに達したか否かが判断される。答がノー
のときには制御はステップ270へ進み、ΔKfs・C1
がパラメータ値Rとして記録され、答がイエスのときに
は制御はステップ280へ進み、パラメータ値Rは0に
リセットされる。このパラメータ値Rは、前述のステッ
プ105にてパラメータ値Kaに変換され、ステップ1
50に於ける燃料増量係数Kfsの算出に用いられる。図
2に示す例に於いては、時点t2にては燃料増量係数Kf
sは既に0に達しており、即ちΔKfs・C1は初期値Kfs
oを越えているので、ステップ260の答はイエスであ
り、パラメータ値Rは0にリセットされる。
時点t3にて機関が再始動されると、ステップ20に於
ける答はノーよりイエスに転じる。これより制御は再度
ステップ30を経てステップ40に至るが、このときフ
ラグF5は1にセットされているので、制御はステップ
50へ進み、ここでカウント値C1が所定のしきい値C1
0より大きいか否かが判断される。図2に示す例では、
時点t3にてはカウント値C1はしきい値C10を越えてい
るので、答はイエスとなる。次いでステップ60にて空
気量積算値Qaが所定値Qaoより大きいか否かが判断さ
れる。図2の例では、Qaもまたしきい値Qaoを越えて
いるので、答はイエスとなり、制御はステップ70へ進
み、フラグF2およびパラメータ値Qaがいずれも0にリ
セットされる。従ってこのときには制御はステップ10
0より直ちにステップ110へ進み、ステップ105は
バイパスされるので、パラメータ値Kaはステップ70
にて0にリセットされたまま保持される。また図2の例
では、時点t3に於いては、先にステップ230にて計
算された燃料液膜係数Kfrも0となっているので、ステ
ップ150に於ける燃料増量係数Kfsの計算は、規定の
初期値Kfsoをそのまま初期値とし、これより時間の経
過と共に漸減する値として計算される。
れ、その始動初期に於ける燃料増量の影響が消滅するに
至る期間に亙って機関が運転され(C1>C10、Qa>Q
ao)、また機関が停止されたときには、吸気ポート周辺
の燃料液膜が消滅するに至る期間に亙って機関が停止さ
れる(Kfr=0)ときには、機関再始動時の燃料増量は
正規の初期値Kfsoから時間の経過と共に漸減する正規
の要領にて行われて、正規の始動時燃料増量によって機
関の始動性を良好にし、また燃料可燃成分を大気へ放出
することなく排気浄化触媒の機関始動時還元処理を適正
に行なってエコラン車やハイブリッド車の機関間歇運転
による運行を続けることができる。尚、図1および2に
ついて上に説明した実施例に於いては、機関始動時の燃
料増量は、或る初期値より始まって時間の経過と共に漸
減されているが、機関停止と機関始動との間に十分な時
間を置いてその切換えが行なわれるときには、燃料増量
の時間的変化は特に漸減的変化でなくてもよく、燃料増
量は或る一定期間に亙って一定の追加率にて行なわれて
もよい。
図2と同様の図である。この例では、時点t1にて始動
された機関は、極く短時間運転された後、時点t2にて
一時停止され、その後時点t3にて再始動されており、
t1〜t2間に於ける機関の運転時間が短く、またそれに
続くt2〜t3間の機関一時停止期間もさほど大きくない
ことから、時点t1にてカウントを開始したカウント値
C1は時点t3にてしきい値C10に達しておらず、また
同じく時点t1にて積算を開始した空気量積算値Qaもし
きい値Qaoに達していない。このように機関が始動後短
時間の運転にて停止されると、吸気ポート周辺には厚い
燃料液膜が残留した状態となり、その消滅にはそれだけ
長い時間がかかるが、そのような状況にて、更に後の機
関始動が早々に行なわれ、機関始動時燃料増量が通常通
り行なわれると、機関始動時の燃料増量が多過となる虞
れがある。
てステップ20の判断結果がノーよりイエスに転じ、制
御がステップ30、40を経てステップ50に至ったと
き、ステップ50の答がノーとなること、或いはステッ
プ60の答がノーとなることのいずれによっても、制御
はステップ80へ進み、フラグF2が1にセットされ
る。これによって制御はステップ100にてイエスの側
へ進み、ステップ105にてパラメータ値KaにRが入
力される。このRの値は、それに先立つ機関一時停止時
の最後の瞬間にそのときのカウント値C1に基づいて計
算されたΔKfs・C1の値である。この値がステップ1
50に於ける燃料増量係数Kfsの計算に於いて正規の初
期値Kfsoより差し引かれるので、時点t3にて行われる
機関の再始動に当っては、燃料増量係数Kfsは、図3に
示す如く、時点t2にて機関が停止された時点に於ける
燃料増量係数Kfsの値をそのまま引き継いだ値から出発
して時間の経過と共に漸減する値とされる。
於けるKfsの計算では、上記のKaと共に更にステップ
230にて計算された燃料液膜残留係数KfrがKfsoよ
り差し引かれているが、図1のフローチャートは本発明
により可能な幾つかの手段を総合的に組み込んだもので
あり、ステップ150に於けるKfsの計算についは、K
aまたはKfrのいづれか一方を省略する実施例があって
よいものである。
れ、また時間的に近接して再始動されるとき、後の機関
始動に於ける燃料増量が先の機関始動時に於ける燃料増
量の影響を反映して低減されることにより、後の機関始
動時の燃料増量を適正化することができる。
示す図2又は図3と同様の図である。この例は、機関が
始動後、吸気ポート周辺に一時急激に厚くなるまで形成
された燃料液膜が機関の運転により落ち付いた後に停止
されたが、その後、極く短時間の停止期間をおいて再始
動された場合である。この場合、時点t1にて始動され
た機関は時点t2まで運転されたところで一時停止さ
れ、程なく時点t3にて再始動されている。このような
場合、時点t2にて機関が停止された際、吸気ポート周
辺の燃料液膜は図3の場合よりも薄くなっているが、機
関停止の時点t2よりあまり時間を置かずして時点t3に
て機関が再始動されると、燃料液膜係数Kfrはまだかな
り高い値に留まっており、このとき始動時燃料増量が普
通に行なわれると、始動時燃料増量の多過を来す。
は、機関が停止されると、その時点よりカウント値C2
がカウントされ、このカウント値の増大に応じて、ステ
ップ230にて燃料液膜係数Kfrが、所定の初期値Kfr
oよりカウント数C2の値に応じてΔKfr・C2ずつ漸減
する値として計算され、この係数の大きさに応じて次の
機関始動時にステップ150にて計算される燃料増量係
数Kfsを減量修正するようになっている。かかる構成に
より、ステップ230に於ける燃料液膜係数Kfrの計算
値が0となる時間経過を待たずして機関の再始動が行わ
れるときには、それに応じた機関始動時の燃料増量の低
減補正が行われる。
つの実施例を示す図1と同様のフローチャートである。
図5に示すフローチャートに於いて、図1に於けるフロ
ーチャートのステップに対応するステップは、図1に於
けると同じステップ番号を付されており、図1に於ける
と同様の制御作用をなす。この実施例に於いては、ステ
ップ235にてカウント値C2が所定のしきい値C20よ
り大きいか否かが判断される。そして、それが値C20に
満たないほど機関停止後機関再始動までの時間が短いと
きには、ステップ236にてフラグF8を0にリセット
する代わりに、ステップ237にてフラグF8を1にセ
ットすることが行なわれる。
て判断され、それが0のときには制御は、ステップ12
0〜151を通り、燃料増量係数Kfsがカウント値C1
およびパラメータ値Kaに応じて計算されるが、フラグ
F8が1のときには、制御はステップ115へ進み、ス
テップ120〜151をバイパスしつつ燃料増量係数K
fsを0とすること、即ち燃料増量を行わないこととする
制御が行われる。
り、機関始動後、時を経ずして機関の停止と再始動が行
われたり、機関停止後、時を経ずして機関の再始動が行
われたとき、通常の機関始動時燃料増量が行われること
により、排気浄化触媒の還元処理用燃料の供給多過によ
りCOやHCの如き燃料可燃成分が大気へ放出されるこ
とを回避しつつ、排気浄化触媒の還元処理に必要な機関
始動時燃料増量を確実に行なうことができる。
ラグF2がステップ70に於いて0と判断されるか或い
はステップ80に於いて1と判断されるかは、ステップ
50に於いて機関始動後の経過時間が所定のしきい値以
上であること、およびステップ60に於いて機関始動後
に機関を通った空気量の積算値が所定のしきい値以上で
あること、のいずれもが満たされたか否かの判断となっ
ているが、この点に関する制御判断にカウント値C1と
機関を通る空気量の積算値Qaの両方を用いたのは、機
関が始動後或る程度以上の実質運転を行ったか否かをよ
り確実に判断するためである。従って、これら二つのパ
ラメータに基づく判断は、上記の如き両者同時成立の判
断とされる代わりに、いずれか少なくとも一方が成立す
るという判断とされてもよい。そのようにするためには
図1或いは図5に於けるステップ50、60、70、8
0に関する制御の流れを、図6に示す如く修正すればよ
い。
の一部の修正例について詳細に説明したが、本発明がこ
れらの実施例にのみ限られるものではなく、本発明の範
囲内にて他に種々の実施例が可能であることは当業者に
とって明らかであろう。
実施例を示すフローチャート。
制御の一例を示す線図。
図。
と同様の線図。
つの実施例を示すフローチャート。
する修正例を示す部分ステップ図。
19)
期値から時間の経過と共に漸減されるようになってお
り、前記の標準値よりの低減は該次回の機関始動時に於
ける燃料増量の初期値を該一回の始動による機関運転の
終了時の燃料増量に対応させるようなされることを特徴
とする請求項1に記載の内燃機関運転方法。
のとして、本発明は、車輌の運行中、内燃機関を一時停
止させる車輌運転条件が成立している間、内燃機関を一
時停止させる車輌用内燃機関の運転方法にして、機関始
動時の燃料増量を機関始動時に於ける吸気ポート周辺へ
の燃料付着量の推定に基づいて制御し、その際、内燃機
関の一回の始動から一時停止を挟んだ次回の始動までの
経過時間が所定のしきい値以上でないとき、該次回の機
関始動時に於ける燃料増量を所定の標準値より低減する
ことを特徴とする内燃機関運転方法を提案するものであ
る。
量が機関始動時に於ける吸気ポート周辺への燃料付着量
の推定に基づいて制御されるようになっていれば、エコ
ラン車やハイブリッド車に於ける如く機関始動時の吸気
ポート周辺の燃料液膜の状態が種々に大きく異なり、そ
の修復に費やされる燃料の量に大きな差が生ずる可能性
のある場合にも、常にそれに見合って制御された燃料量
を正しく一時増量することができ、頻繁に行なわれる機
関再始動の度に、COやHCの如き燃料可燃成分を大気
へ放出することなく、常に機関の良好な始動性を確保
し、また必要に応じて排気浄化触媒の始動時還元処理を
適切に行なうことができる。この場合、特に内燃機関の
一回の始動から一時停止を挟んだ次回の始動までの経過
時間が所定のしきい値以上でないとき、該次回の始動に
於ける前記燃料増量を所定の標準値より低減するように
すれば、始動時燃料一時増量の重なりにより吸気ポート
周辺の燃料液膜形成による燃料吸収能を越えて燃料を増
量することが事前に阻止される。尚、かかる吸気ポート
周辺の燃料付着の推定に基づく機関始動時燃料増量の可
変制御は、機関始動時燃料増量が専ら機関の始動性の確
保のために行われる場合にも、大気への可燃成分の排出
を可及的に減じてその目的を達成する上で有効である。
経過と共に漸減する補正値を所定の標準値より差し引い
た量が該次回の機関始動時の燃料増量とされるときに
は、機関停止より次の始動までの時間経過が短い程、次
回の機関始動時に吸気ポート周辺にはより完全に近い燃
料液膜が残留していることに対応して、不要な燃料液膜
立上げ用の燃料の追加供給を抑えることができる。
は、制御はステップ30へ進み、ここでフラグF1が1
にセットされる。次いで制御はステップ40へ進み、フ
ラグF5が1であるか否かが判断される。フラグF5
は、この種の技術分野に於いては周知の通り制御の開始
に当って0にリセットされると共に、後述のステップ1
70に於いて改めて0にリセットされ、或いは後述のス
テップ240に於いて1にセットされるものである。従
って、制御が開始後初めてステップ40に至ったとき、
或いはステップ170からのリターンによりステップ1
0、20、30を経てここに至ったときには、F5は0
であり、判断の答はノーであり、後述の通り機関停止時
に制御がステップ180〜270を巡って循環した後に
機関が始動されて最初に制御がここに至ったときには1
であり、このとき答はイエスとなる。一先ず、答がイエ
スの場合について制御を進める。
1であるか否かが判断される。答がノーのとき、即ちス
テップ50に於いて機関始動後或いは再始動後の時間経
過を示すカウント値C1がしきい値C10よりも大きくな
るような充分な時間が経過したと判断され、またステッ
プ60に於いて機関を通って流れた空気量の積算値Qa
がしきい値Qaoより大きくなるよう充分大きな空気量が
機関を通って流れるほど機関が運転されたと判断された
ときには、制御はステップ110へ進む。これに対しF
2が1のとき、即ちカウント値C1がしきい値C10に達し
ていないか或いは空気量積算値Qaがしきい値Qaoに達
していないかの少なくとも何れか一方のときには、制御
はステップ105へ進み、ここでパラメータ値Kaが後
述のステップ270にて求められた値Rにセットされ
る。このとき制御は次いでステップ106へ進み、ここ
でフラッグF2が0にリセットされる。
積算値Qaがこの経路を一巡する間に追加された空気量
だけ増分される。ここでqは単位時間当りの空気流量で
あり、ΔTは制御が一巡する間に経過した微少時間であ
る。次いで制御はステップ170に至り、フラグF5お
よびF7が0にリセットされる。
路を通ったこと、即ち機関が停止状態にあることを示す
よう、フラグF5が1にセットされる。その後ステップ
250にてフラグF7が1であるか否かが判断される。
制御がステップ180よりイエスへ進む経路を通って初
めてここに至ったときにはF7は0にリセットされてい
るので、制御はステップ260へ進み、燃料増量係数K
fsに対する減分量を示すΔKfs・C1が燃料増量係数Kf
sの初期値Kfsoに達したか否かが判断される。答がノー
のときには制御はステップ270へ進み、ΔKfs・C1
がパラメータ値Rとして記録され、答がイエスのときに
は制御はステップ280へ進み、パラメータ値Rは0に
リセットされる。このパラメータ値Rは、前述のステッ
プ105にてパラメータ値Kaに変換され、ステップ1
50に於ける燃料増量係数Kfsの算出に用いられる。図
2に示す例に於いては、時点t2にては燃料増量係数Kf
sは既に0に達しており、即ちΔKfs・C1は初期値Kfs
oを越えているので、ステップ260の答はイエスであ
り、パラメータ値Rは0にリセットされる。
Claims (5)
- 【請求項1】車輌の運行中、内燃機関を一時停止させる
車輌運転条件が成立している間、内燃機関を一時停止さ
せる車輌用内燃機関の運転方法にして、機関始動時の燃
料増量を機関始動時に於ける吸気ポート周辺への燃料付
着量の推定に基づいて制御することを特徴とする内燃機
関運転方法。 - 【請求項2】内燃機関の停止より次の始動までの経過時
間が所定のしきい値以上でないとき、該次の機関始動時
の燃料増量は、該経過時間が該しきい値以上であるとき
に比して低減されることを特徴とする請求項1に記載の
内燃機関運転方法。 - 【請求項3】内燃機関の停止より次の始動までの時間の
経過と共に漸減する補正値を所定の標準値より差し引い
た量が該次回の機関始動時の燃料増量とされることを特
徴とする請求項1に記載の内燃機関運転方法。 - 【請求項4】内燃機関の一回の始動から一時停止を挟ん
だ次回の始動までの経過時間が所定のしきい値以上でな
いとき、該次回の機関始動時に於ける燃料増量を所定の
標準値より低減することを特徴とする請求項1に記載の
内燃機関運転方法。 - 【請求項5】機関始動時燃料増量は機関始動開始時の初
期値から時間の経過と共に漸減されるようになってお
り、前記の標準値よりの低減は該次回の機関始動時に於
ける燃料増量の初期値を該一回の始動による機関運転の
終了時の燃料増量に対応させるようなされることを特徴
とする請求項4に記載の内燃機関運転方法。
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