JPH09144613A - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置

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JPH09144613A
JPH09144613A JP29971995A JP29971995A JPH09144613A JP H09144613 A JPH09144613 A JP H09144613A JP 29971995 A JP29971995 A JP 29971995A JP 29971995 A JP29971995 A JP 29971995A JP H09144613 A JPH09144613 A JP H09144613A
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vapor
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fuel
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JP29971995A
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Iku Otsuka
郁 大塚
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パージ制御実行時において空燃比の荒れを招
くことのない内燃機関の蒸発燃料処理装置を提供する。 【解決手段】 パージを実行する際に、パージ通路18
にベーパが残留しているかどうかを推定する。パージ通
路18内のベーパの残留が少なければ、ベーパが充満す
るようにベーパを供給する。パージ実行開始時には、常
にパージ通路18内にベーパが存在していることとなる
ため、パージ制御弁68を開いてからベーパがエンジン
本体に流入するまでの遅延時間は、常に一定となる。従
って、燃料噴射制御における空燃比制御精度が向上し、
空燃比の荒れが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(エンジ
ン)において、大気汚染防止及び燃料損失防止を目的と
して、燃料タンクから蒸発した燃料蒸気(以下、「ベー
パ」という。)を一時的に貯蔵し、運転状態に応じて吸
気系に放出する処理を行う蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用エンジンにおいて
は、活性炭などの吸着剤を収納した容器であるキャニス
タにベーパを吸着させ、エンジン運転時にその吸着させ
たベーパを離脱させ、機関運転中の吸入負圧を利用して
吸気系に放出(以下、「キャニスタパージ」という。)
する蒸発燃料処理が一般的に行われている。かかるパー
ジ制御は、キャニスタとスロットル弁より下流側の吸気
通路とを接続するパージ通路にその通路を開閉する制御
弁を設け、機関の運転状態に応じてその制御弁の開度を
制御することにより実現されている。
【0003】すなわち、パージを実行しない運転領域
(低負荷、低回転域)からパージを実行する運転領域
(高負荷、高回転域)に機関運転状態が移行したとき
に、パージ制御弁が開弁される。また、その逆に、パー
ジを実行する運転領域からパージを実行しない運転領域
に機関運転状態が移行したときには、パージ制御弁が閉
弁される。パージ実行中においては、機関運転状態に応
じてパージガス量を制御するために、パージ制御弁の開
度がデューティ比信号に基づき制御される。
【0004】なお、パージ実行中には、燃料噴射弁から
噴射される燃料に加え、キャニスタパージによる燃料が
エンジン本体に供給されることとなるため、空燃比制御
の観点から、パージ量に応じて燃料噴射量を補正する必
要がある。その際には、パージ制御機構の応答遅延時間
を考慮しなければならない。すなわち、パージ制御弁が
開弁(パージオン)してから実際にエンジン本体にベー
パが流入するまでに遅延時間が存在する。そのため、こ
の遅延時間を考慮した燃料噴射制御が行われている。例
えば、特開平 7-63078号公報は、キャニスタパージシス
テムにおいて、パージ通路から吸気通路に流入するパー
ジ燃料がエンジン本体に到達するまでの遅延時間を考慮
して、実パージ率(=パージ率/吸入空気量)(パージ
率=パージ流量/吸入空気量)を推定することにより、
適切な燃料噴射制御及びパージ制御を行う技術構成を開
示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術は、パージ通路に存在するベーパの状態につ
いて深く考究したものではない。すなわち、従来技術で
は、パージオン時にベーパがエンジン本体に流入するま
での遅延時間を一定のものとして処理しているが、実際
には、この遅延時間は、パージ通路内にベーパが充満し
ている場合と空気が充満している場合とで著しく相違す
る。これは、パージ通路内にベーパが充満している場合
は、パージ制御弁が開弁したときに直ちにベーパがエン
ジン本体に吸入されるが、空気が充満している場合は、
パージ通路内の空気がエンジン本体に全て吸入された後
にはじめてベーパが吸入されることとなるためである。
そのため、従来技術のように、かかる遅延時間を一定値
として制御した場合には、例えば、ベーパがエンジンに
吸入される前に、パージ実行に伴う燃料減量補正が行わ
れてしまい、その結果、空燃比(A/F)がリーンとな
り、エミッション及び運転性に悪影響が及ぶおそれがあ
る。
【0006】かかる実情に鑑み、本発明の目的は、パー
ジ制御実行時において空燃比の荒れを招くことのない内
燃機関の蒸発燃料処理装置を提供することにより、空燃
比制御精度すなわち排出ガス浄化性能の向上及び運転性
の向上を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく案
出された、本願第1の発明に係る、内燃機関の蒸発燃料
処理装置は、内燃機関の燃料タンクからのベーパを一時
的に吸着して貯蔵するキャニスタと、前記キャニスタと
該内燃機関の吸気管とを連通するパージ通路と、前記パ
ージ通路を介して該吸気管に吸入されるベーパを制御す
るパージ制御手段と、を備える内燃機関の蒸発燃料処理
装置において、前記パージ通路におけるベーパの残留状
態を推定するベーパ推定手段と、前記ベーパ推定手段に
より推定されたベーパの残留状態に応じて前記パージ制
御手段の制御定数を変更する制御定数変更手段と、を具
備することを特徴とする。
【0008】また、第2の発明に係る、内燃機関の蒸発
燃料処理装置は、内燃機関の燃料タンクからのベーパを
一時的に吸着して貯蔵するキャニスタと、前記キャニス
タと該内燃機関の吸気管とを連通するパージ通路と、前
記パージ通路を介して該吸気管に吸入されるベーパを制
御するパージ制御手段と、を備える内燃機関の蒸発燃料
処理装置において、前記パージ通路におけるベーパの残
留状態を推定するベーパ推定手段と、前記ベーパ推定手
段により推定されたベーパの残留状態に応じてパージ通
路内にベーパが残留するようにベーパを供給するベーパ
供給手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】上述の如く構成された、第1の発明に係
る、内燃機関の蒸発燃料処理装置においては、パージを
実行する際に、パージ通路にベーパが残留しているかど
うかが推定され、その残留状態に応じてパージ制御手段
の制御定数が変更される。例えば、パージ通路に空気が
充満していれば、それに応じてパージ制御手段の遅延時
間が変更される。従って、パージが実行されたときに、
最適な制御定数でパージが実行されることとなり、空燃
比の荒れが抑制され、エミッション及び運転性の悪化が
防止される。
【0010】また、第2の発明に係る、内燃機関の蒸発
燃料処理装置においては、パージ通路内のベーパの残留
が少なければ、ベーパが充満するようにベーパが供給せ
しめられるので、パージ実行の際には常に一定の遅延時
間でパージが実行されることとなる。従って、空燃比の
荒れが抑制されることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態について説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例に係る蒸発燃料
処理装置を備えた電子制御式内燃機関の全体概要図であ
る。エンジン20の燃焼に必要な空気は、エアクリーナ
2でろ過され、スロットルボデー4を通ってサージタン
ク(インテークマニホルド)6で各気筒の吸気管7に分
配される。なお、その吸入空気流量は、スロットルボデ
ー4に設けられたスロットル弁5により調節されるとと
もに、エアフローメータ40により計測される。また、
吸入空気温度は、吸気温センサ43により検出される。
さらに、吸気管圧力は、バキュームセンサ41によって
検出される。
【0013】また、スロットル弁5の開度は、スロット
ル開度センサ42により検出される。また、スロットル
弁5が全閉状態のときには、アイドルスイッチ52がオ
ンとなり、その出力であるスロットル全閉信号がアクテ
ィブとなる。また、スロットル弁5をバイパスするアイ
ドルアジャスト通路8には、アイドル時の空気流量を調
節するためのアイドル回転速度制御弁(ISCV)66
が設けられている。
【0014】一方、燃料タンク10に貯蔵された燃料
は、燃料ポンプ11によりくみ上げられ、燃料配管12
を経て燃料噴射弁60により吸気管7に噴射される。
【0015】また、このエンジンには、大気汚染防止及
び燃料損失防止を目的として、燃料タンク10から蒸発
する燃料蒸気(ベーパ)を一時的に貯蔵し、運転状態に
応じて吸気系に放出(パージ)する処理を行うために、
活性炭(吸着剤)14を内蔵したキャニスタ13が設け
られている。このキャニスタ13は、活性炭14の両側
にそれぞれ燃料蒸気室15と大気室16とを有する。燃
料蒸気室15は、一方ではベーパ捕集管17を介して燃
料タンク10に連結され、他方ではパージ通路18を介
してスロットル弁5より下流側の吸気通路すなわちサー
ジタンク6に連結される。そのパージ通路18には、パ
ージガス量制御用の電磁弁(デューティ比信号に基づき
制御される負圧切り替え弁(D−VSV))68が設置
されている。このような構成において、燃料タンク10
で発生する燃料蒸気すなわちベーパは、ベーパ捕集管1
7を通ってキャニスタ13に導かれ、キャニスタ13内
の活性炭(吸着剤)14に吸着されることにより一時的
に貯蔵される。電磁弁68が開弁すると、吸気管圧力は
負圧のため、空気が大気室16から活性炭14内を通っ
てパージ通路18に送り込まれる。空気が活性炭14内
を通過する際には、活性炭14に吸着されている燃料蒸
気が活性炭14より離脱する。かくして、燃料蒸気を含
んだ空気すなわちベーパが、パージ通路18を介してサ
ージタンク6に導かれ、燃料噴射弁60から噴射された
燃料とともに使用される。
【0016】吸気管7では、空気と燃料とが混合され、
その混合気は、吸気弁24を介してエンジン本体すなわ
ち気筒(シリンダ)20の燃焼室21に吸入される。気
筒20において、混合気は、ピストン23により圧縮さ
れた後、点火されて爆発・燃焼し、動力を発生する。そ
のような点火は、点火信号を受けたイグナイタ62が、
点火コイル63の1次電流の通電及び遮断を制御し、そ
の2次電流が、点火ディストリビュータ64を介してス
パークプラグ65に供給されることによりなされる。
【0017】なお、点火ディストリビュータ64には、
その軸が例えばクランク角(CA)に換算して720°
CAごとに基準位置検出用パルスを発生させる基準位置
検出センサ50、及び30°CAごとに位置検出用パル
スを発生させるクランク角センサ51が設けられてい
る。なお、実際の車速は、車速を表す出力パルスを発生
させる車速センサ53によって検出される。また、エン
ジン20は、冷却水通路22に導かれた冷却水により冷
却され、その冷却水温度は、水温センサ44によって検
出される。また、スタータスイッチ54は、スタータモ
ータ(図示せず)を駆動する際に閉成されるスイッチで
ある。
【0018】燃焼した混合気は、排気ガスとして排気弁
26を介して排気マニホルド30に放出され、次いで排
気管34に導かれる。なお、排気管34には、排気ガス
中の酸素濃度を検出する空燃比センサ(O2 センサ)4
5が設けられている。さらにそれより下流の排気系に
は、触媒コンバータ38が設けられており、その触媒コ
ンバータ38には、排気ガス中の未燃成分(HC,C
O)の酸化と窒素酸化物(NOx )の還元とを同時に促
進する三元触媒が収容されている。こうして触媒コンバ
ータ38において浄化された排気ガスが大気中に排出さ
れる。
【0019】エンジン電子制御ユニット(エンジンEC
U)70は、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回
転速度制御などに加え、本発明に係る蒸発燃料処理を実
行するマイクロコンピュータシステムであり、そのハー
ドウェア構成は、図2のブロック図に示される。リード
オンリメモリ(ROM)73に格納されたプログラム及
び各種のマップに従って、中央処理装置(CPU)71
は、各種センサ及びスイッチからの信号をA/D変換回
路75又は入力インタフェース回路76を介して入力
し、その入力信号に基づいて演算処理を実行し、その演
算結果に基づき駆動制御回路77a〜77dを介して各
種アクチュエータ用制御信号を出力する。ランダムアク
セスメモリ(RAM)74は、その演算・制御処理過程
における一時的なデータ記憶場所として使用される。ま
た、バックアップRAM79は、バッテリ(図示せず)
に直接接続されることにより電力の供給を受け、イグニ
ションスイッチがオフの状態においても保持されるべき
データ(例えば、各種の学習値)を格納するために使用
される。また、これらのECU内の各構成要素は、アド
レスバス、データバス、及びコントロールバスからなる
システムバス72によって接続されている。
【0020】以上のようなハードウェア構成を有する内
燃機関(エンジン)において実行されるECU70のエ
ンジン制御処理について、以下、説明する。
【0021】燃料噴射制御は、基本的には、エンジン1
回転当たりの吸入空気量に基づいて、所定の目標空燃比
を達成する燃料噴射量すなわち燃料噴射弁60による噴
射時間を演算し、所定のクランク角に達した時点で燃料
を噴射すべく、駆動制御回路77aを介して燃料噴射弁
60を制御するものである。なお、エンジン1回転当た
りの吸入空気量は、エアフローメータ40により計測さ
れる吸入空気流量とクランク角センサ51から得られる
エンジン回転速度とから算出されるか、又はバキューム
センサ41から得られる吸気管圧力とエンジン回転速度
とによって推定される。そして、かかる燃料噴射量演算
の際には、スロットル開度センサ42、吸気温センサ4
3、水温センサ44等の各センサからの信号に基づく基
本的な補正、空燃比センサ(O2 センサ)45からの信
号に基づく空燃比フィードバック補正、そのフィードバ
ック補正値の中央値が理論空燃比となるようにする空燃
比学習補正、及びキャニスタパージに基づく補正、等が
加えられる。
【0022】また、点火時期制御は、クランク角センサ
51から得られるエンジン回転速度及びその他のセンサ
からの信号により、エンジンの状態を総合的に判定し、
最適な点火時期を決定し、駆動制御回路77bを介して
イグナイタ62に点火信号を送るものである。
【0023】また、アイドル回転速度制御は、アイドル
スイッチ52からのスロットル全閉信号及び車速センサ
53からの車速信号によってアイドル状態を検出すると
ともに、水温センサ44からのエンジン冷却水温度等に
よって決められる目標回転速度と実際のエンジン回転速
度とを比較し、その差に応じて目標回転速度となるよう
に制御量を決定し、駆動制御回路77cを介してISC
V66を制御して空気量を調節することにより、最適な
アイドル回転速度を維持するものである。
【0024】以下、本発明に係る蒸発燃料処理について
詳細に説明する。本発明は、パージ通路内にベーパが残
留してるか否かの判定処理と、パージ通路内にベーパが
残留していないと判定された場合の対策処理とに大別さ
れる。以下では、かかる判定処理についての1つの実施
例及びかかる対策処理についての4つの実施例を採り上
げ、詳細に説明する。
【0025】なお、以下の説明で使用される冷却水温度
及び吸気管圧力は、図示しないAD変換ルーチンによっ
て取り込まれる。すなわち、水温センサ44によって検
出される信号がAD変換され、RAM74の所定領域に
THWデータとして格納される。また、バキュームセン
サ41によって検出される信号が、同様に、AD変換さ
れ、RAM74の所定領域にPMデータとして格納され
る。このAD変換ルーチンは、一定クランク回転角ごと
に実行されるため、RAM74上には常に最新の冷却水
温度データTHW及び吸気管圧力データPMが存在する
こととなる。さらに、クランク角センサ51のパルス信
号が入力されるごとに、そのパルス間隔から図示しない
ルーチンによりエンジン回転速度が算出され、RAM7
4の所定領域にエンジン回転速度NEとして格納されて
いる。
【0026】図3は、ベーパ残留判定ルーチンの処理手
順を示すフローチャートである。本ルーチンは、所定時
間周期で実行されるように構成されている。本ルーチン
では、まず、エンジン回転速度NE及びスタータスイッ
チ54からの信号に基づき、エンジン始動時か否かを判
定する(ステップ102)。エンジン始動時であると判
定されたときには、前回の運転時にパージ通路18にベ
ーパが残留した状態でエンジンが停止したことを示すフ
ラグXDVSVGが1であるか否かを判定する(ステッ
プ104)。なお、フラグXDVSVGは、後述するよ
うに、バックアップRAM79に格納されている。
【0027】XDVSVG=1のとき、すなわちベーパ
残留状態でエンジンが停止した後のエンジン始動時であ
るときには、図4に示されるようなマップを検索するこ
とにより、吸気管圧力PMに応じた所定のベーパ残留判
定基準値αを求める(ステップ106)。なお、この判
定基準値αのマップは、予めROM73に格納されてい
る。次いで、先のエンジン停止時におけるエンジン冷却
水温度THWGと現在のエンジン冷却水温度THWとの
差THWG−THWがベーパ残留判定基準値α以下か否
かを判定する(ステップ108)。なお、このTHWG
は、後述するように、バックアップRAM79に格納さ
れている。THWG−THW≦αのとき、すなわちエン
ジン停止後あまり時間が経過していない場合のエンジン
再始動であると認められるときには、現在パージ通路1
8にベーパが残留した状態であることを示すフラグXD
VSVに1をセットする(ステップ110)。
【0028】ステップ104においてXDVSVG=
0、すなわち前回の運転時にパージ通路18にベーパが
残留していない状態でエンジンが停止したと判定された
とき、及びステップ108においてTHWG−THW>
α、すなわちベーパ残留状態でエンジンは停止したが今
回の始動時までにある程度時間が経過しているためベー
パがなくなっているとみなされるときには、前記したフ
ラグXDVSVに0をセットする(ステップ112)。
なお、前記したベーパ残留判定基準値αは、図4に示さ
れるように、吸気管圧力PMが低いほど、すなわち負圧
が高いほど、小さな値をとるようにされている。なお、
ベーパ濃度がパージ制御処理中に算出されるときには、
図5に示されるように、吸気管圧力に代えてベーパ濃度
に基づき、ベーパ残留判定基準値αを設定してもよい。
また、エンジン冷却水温度の差に基づいてエンジン停止
時間を推定するのに代えて、直接停止時間を計測するよ
うにしてももちろんよい。
【0029】ステップ102において非始動時すなわち
始動後であると判定されたときには、パージ制御の実行
中か否かを判定する(ステップ114)。そして、パー
ジ実行中のときには、所定のパージ制御オフ時間カウン
タCPOFFをクリアする(ステップ116)。また、
パージ通路18にはベーパが充満しているとみなすこと
ができるため、前記したベーパ残留フラグXDVSVに
1をセットし(ステップ118)、ステップ128に進
む。
【0030】一方、ステップ114においてパージ制御
中でないと判定されたときには、まず、前記したパージ
制御オフ時間カウンタCPOFFをインクリメントする
(ステップ120)。次いで、図6に示されるようなマ
ップを検索することにより、吸気管圧力PMに応じた所
定のベーパ残留判定基準値βを求める(ステップ12
2)。なお、このベーパ残留判定基準値βのマップは、
予めROM73に格納されている。
【0031】次いで、パージ制御オフ時間カウンタCP
OFFの値が判定基準値β以上か否かを判定する(ステ
ップ124)。CPOFF≧βのとき、すなわちパージ
制御が停止してからある程度時間が経過し、パージ通路
18にはもはやベーパが残留していないとみなされると
きには、ベーパ残留フラグXDVSVに0をセットし
(ステップ126)、ステップ128に進む。一方、C
POFF<βのとき、すなわちパージ制御が停止されて
からあまり時間が経過しておらず、パージ通路18には
まだベーパが残留しているとみなされるときには、何も
せず、ステップ128に進む。
【0032】ステップ128では、現在のベーパ残留フ
ラグXDVSVの値及びエンジン冷却水温度THWの値
をXDVSVG及びTHWGとしてバックアップRAM
79に格納し、本ルーチンを終了する。このようにして
格納されたXDVSVG及びTHWGは、エンジンが停
止したときにそのエンジン停止時におけるベーパ残留状
態及びエンジン冷却水温度を示すものとして、前述のよ
うに、次回のエンジン始動時に使用されることとなる。
なお、前記したベーパ残留判定基準値βは、図6に示さ
れるように、吸気管圧力PMが低いほど、すなわち負圧
が高いほど、小さな値をとるようにされている。なお、
ベーパ濃度がパージ制御処理中に算出されるときには、
図7に示されるように、吸気管圧力に代えてベーパ濃度
に基づき、ベーパ残留判定基準値βを設定してもよい。
【0033】次に、パージ通路内にベーパが残留してい
ないと判定された場合の対策処理に関する第1実施例に
ついて説明する。この第1実施例は、エンジンの定常状
態時には、パージ通路内を流れる流量を精密に制御する
ことができるため、パージ通路内にベーパを充満させる
ためのD−VSV(パージ制御弁)68のオン時間を吸
気管圧力PMから求め、パージ制御実行前にはそのオン
時間だけD−VSV68をオンすることにより、パージ
実行開始時にベーパがエンジン本体に流入するまでの遅
延時間を一定にしようというものである。
【0034】具体的には、パージ制御の実行前に、図8
に示されるパージ制御前処理ルーチンを実行するように
構成する。まず、ステップ202では、ベーパ残留フラ
グXDVSVの値を判定し、XDVSV=1すなわちパ
ージ通路18に既にベーパが充満していると判定された
ときには、本ルーチンを終了し、一方、XDVSV=0
すなわちパージ通路18に空気が充満していると判定さ
れたときには、ステップ204に進む。ステップ204
では、定常状態か否かを判定し、定常状態でないときす
なわち過渡状態のときには、本ルーチンを終了し、一
方、定常状態のときには、ステップ206に進む。な
お、定常状態とは、例えば、機関暖機後でかつ吸気管圧
力が一定の範囲にある状態をいい、その判定は、単位時
間当たりのエンジン回転速度NEの変化、スロットル開
度TAの変化、吸気管圧力PMの変化等に基づいてなさ
れる。
【0035】ステップ206では、図9に示されるよう
なマップを検索することにより、パージ通路内にベーパ
を充満させるために必要なD−VSVオン時間TDLY
VSVを現在の吸気管圧力PMに応じて求める。なお、
このTDLYVSVのマップは、予めROM73に格納
されている。次のステップ208では、D−VSV68
をオンする。次のステップ210では、現時刻から時間
TDLYVSV後に発生するタイマ割り込みをセット
し、本ルーチンを終了する。そして、時間TDLYVS
V後に発生するタイマ割り込みに対するサービスルーチ
ンにおいては、図10に示されるように、D−VSV6
8をオフし(ステップ302)、ベーパ残留フラグXD
VSVに1をセットする(ステップ304)。このよう
なパージ制御前処理ルーチンの後に実行されるパージ制
御の本体のルーチンでは、ベーパ残留フラグXDVSV
が1にセットされているか否かを検査し、セットされて
ないときには、パージ実行を一時的に見送り、当該前処
理ルーチンを再度起動せしめる。
【0036】次に、パージ通路内にベーパが残留してい
ないと判定された場合の対策処理に関する第2実施例に
ついて説明する。第1実施例では、定常状態に限りパー
ジ通路へのベーパ供給処理を実施したが、それだけでは
実行可能領域が十分に確保されないおそれがある。そこ
で、第2実施例では、定常状態時に加え、低温増量及び
OTP(Over Temperature Protection) 増量作動中にお
いても、ベーパ供給処理が実施される。すなわち、燃料
噴射制御において低温増量及びOTP増量作動中には、
多少のベーパがエンジン本体に流入してもエミッション
及び運転性への悪影響が少ないため、過渡状態であって
も、かかるベーパ供給処理を実行することは問題がない
と考えられる。
【0037】具体的には、図11のフローチャートに示
されるパージ制御前処理ルーチンを第1実施例(図8)
と同様に実行する。第1実施例(図8)との相違点のみ
説明すると、ステップ406が追加された点のみが相違
する。すなわち、たとえ定常状態になくとも、低温増量
及びOTP増量作動中であれば、パージ通路へのベーパ
供給処理が実行されるのである。
【0038】次に、パージ通路内にベーパが残留してい
ないと判定された場合の対策処理に関する第3実施例に
ついて説明する。燃料噴射制御において、エンジン始動
時には、多少のベーパがエンジン本体に流入しても、エ
ミッション及び運転性への悪影響が少ない。そこで、第
3実施例は、エンジン始動時において、パージ通路への
ベーパ供給処理を済ませておこうというものである。具
体的には、エンジン始動時に1回走行する始動処理ルー
チン内に図12に示される処理を追加することにより実
現される。なお、ステップ502〜508の処理内容
は、既に説明されているものである。
【0039】最後に、パージ通路内にベーパが残留して
いないと判定された場合の対策処理に関する第4実施例
について説明する。この第4実施例は、図13に示され
るように、パージ通路18内にベーパを還流させるため
の循環ポンプ81及びキャニスタ13の大気室16側に
ON/OFF−DSV82を設け、パージ制御実行前に
ベーパを還流・充満させることにより、パージ実行開始
時にベーパがエンジン本体に流入するまでの遅延時間を
一定にしようというものである。なお、循環ポンプ81
及びON/OFF−DSV82は、エンジンECU70
により制御される。
【0040】具体的には、パージ制御の実行前に、図1
4に示されるパージ制御前処理ルーチンを実行するよう
に構成する。まず、ステップ602では、ベーパ残留フ
ラグXDVSVの値を判定し、XDVSV=1すなわち
パージ通路18に既にベーパが充満していると判定され
たときには、本ルーチンを終了し、一方、XDVSV=
0すなわちパージ通路18に空気が充満していると判定
されたときには、ステップ604に進む。ステップ60
4では、循環ポンプ81をオンするとともに、ON/O
FF−DSV82をオフする(閉じる)。次いで、ステ
ップ606では、ベーパを充満させるための所要時間τ
の経過後にタイマ割り込みが発生するようにセットし
て、本ルーチンを終了する。そして、時間τ後に発生す
るタイマ割り込みに対するサービスルーチンにおいて
は、図15に示されるように、循環ポンプ81をオフす
るとともにON/OFF−DSV82をオンし(ステッ
プ702)、次いでベーパ残留フラグXDVSVに1を
セットする(ステップ704)。
【0041】以上、本発明の実施例について述べてきた
が、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、
様々な実施例を案出することは当業者にとって容易なこ
とであろう。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パージ通路にベーパが残留しているかどうかが推定さ
れ、パージ通路内のベーパの残留が少なければ、ベーパ
が充満するようにベーパが供給され、パージ実行開始時
には、常にパージ通路内にベーパが存在するようにされ
るため、パージ制御弁を開いてからベーパがエンジン本
体に流入するまでの遅延時間が常に一定となり、その結
果、燃料噴射制御における空燃比制御精度が向上し、空
燃比の荒れが抑制される。従って、排出ガス浄化性能の
向上及び運転性の向上が図られる。空燃比制御精度の向
上により、空燃比学習、デポジット学習等の誤学習が防
止される。特に燃料カット時は、パージ制御がカットさ
れ、また吸気管圧力も低いため、パージ通路内のベーパ
が抜け易く、その直後の加速時にパージ制御が開始せし
められると、最初は空気が吸入されて加速リーンが発生
し、デポジット学習が誤って更新されてしまうことがあ
ったが、本発明によりこのような不具合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る蒸発燃料処理装置を備
えた電子制御式内燃機関の全体概要図である。
【図2】本発明の一実施例に係るエンジンECUのハー
ドウェア構成を示すブロック図である。
【図3】ベーパ残留判定ルーチンの処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図4】吸気管圧力PMに応じてベーパ残留判定基準値
αを求めるためのマップを示す図である。
【図5】ベーパ濃度に応じてベーパ残留判定基準値αを
求めるためのマップを示す図である。
【図6】吸気管圧力PMに応じてベーパ残留判定基準値
βを求めるためのマップを示す図である。
【図7】ベーパ濃度に応じてベーパ残留判定基準値βを
求めるためのマップを示す図である。
【図8】ベーパ非残留時対策処理の第1実施例に係るパ
ージ制御前処理ルーチンの手順を示すフローチャートで
ある。
【図9】パージ通路内にベーパを充満させるために必要
なD−VSVオン時間TDLYVSVを吸気管圧力PM
に応じて求めるためのマップを示す図である。
【図10】ベーパ非残留時対策処理の第1実施例に係る
タイマ割り込みサービスルーチンの処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【図11】ベーパ非残留時対策処理の第2実施例に係る
パージ制御前処理ルーチンの手順を示すフローチャート
である。
【図12】ベーパ非残留時対策処理の第3実施例に係る
始動処理ルーチンの一部手順を示すフローチャートであ
る。
【図13】ベーパ非残留時対策処理の第4実施例に係る
ハードウェア構成を示す図である。
【図14】ベーパ非残留時対策処理の第4実施例に係る
パージ制御前処理ルーチンの手順を示すフローチャート
である。
【図15】ベーパ非残留時対策処理の第4実施例に係る
タイマ割り込みサービスルーチンの処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
2…エアクリーナ 4…スロットルボデー 5…スロットル弁 6…サージタンク(インテークマニホルド) 7…吸気管 8…アイドルアジャスト通路 10…燃料タンク 11…燃料ポンプ 12…燃料配管 13…キャニスタ 14…活性炭 15…燃料蒸気室 16…大気室 17…ベーパ捕集管 18…パージ通路 20…エンジン本体(気筒) 21…燃焼室 22…冷却水通路 23…ピストン 24…吸気弁 26…排気弁 30…排気マニホルド 34…排気管 38…触媒コンバータ 40…エアフローメータ 41…バキュームセンサ 42…スロットル開度センサ 43…吸気温センサ 44…水温センサ 45…空燃比センサ(O2 センサ) 50…基準位置検出センサ 51…クランク角センサ 52…アイドルスイッチ 53…車速センサ 54…スタータスイッチ 60…燃料噴射弁 62…イグナイタ 63…点火コイル 64…点火ディストリビュータ 65…スパークプラグ 66…アイドル回転速度制御弁(ISCV) 68…パージ制御弁(D−VSV) 70…エンジンECU 71…CPU 72…システムバス 73…ROM 74…RAM 75…A/D変換回路 76…入力インタフェース回路 77a,77b,77c,77d…駆動制御回路 79…バックアップRAM 81…循環ポンプ 82…ON/OFF−VSV

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃料タンクからのベーパを一
    時的に吸着して貯蔵するキャニスタと、 前記キャニスタと該内燃機関の吸気管とを連通するパー
    ジ通路と、 前記パージ通路を介して該吸気管に吸入されるベーパを
    制御するパージ制御手段と、 を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置において、 前記パージ通路におけるベーパの残留状態を推定するベ
    ーパ推定手段と、 前記ベーパ推定手段により推定されたベーパの残留状態
    に応じて前記パージ制御手段の制御定数を変更する制御
    定数変更手段と、 を具備することを特徴とする、内燃機関の蒸発燃料処理
    装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の燃料タンクからのベーパを一
    時的に吸着して貯蔵するキャニスタと、 前記キャニスタと該内燃機関の吸気管とを連通するパー
    ジ通路と、 前記パージ通路を介して該吸気管に吸入されるベーパを
    制御するパージ制御手段と、 を備える内燃機関の蒸発燃料処理装置において、 前記パージ通路におけるベーパの残留状態を推定するベ
    ーパ推定手段と、 前記ベーパ推定手段により推定されたベーパの残留状態
    に応じてパージ通路内にベーパが残留するようにベーパ
    を供給するベーパ供給手段と、 を具備することを特徴とする、内燃機関の蒸発燃料処理
    装置。
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WO2010113561A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 日立建機株式会社 作業機械の学習診断システム、状態診断装置及び状態学習装置

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