JP2002326773A - エレベーターの通信制御装置 - Google Patents

エレベーターの通信制御装置

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JP2002326773A JP2001134061A JP2001134061A JP2002326773A JP 2002326773 A JP2002326773 A JP 2002326773A JP 2001134061 A JP2001134061 A JP 2001134061A JP 2001134061 A JP2001134061 A JP 2001134061A JP 2002326773 A JP2002326773 A JP 2002326773A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同期指令が全局のデータ受理負担とならない
ようにすることができ、円滑なデータ転送を実現できる
エレベーターの通信制御装置を得る。 【解決手段】 マスタとして振る舞うノードは、複数の
スレーブのうち一つのスレーブに同期開始データを送付
し、スレーブからの同期完了データを受信すると、順繰
りに次のスレーブに次の同期開始データに送信し、同期
開始データの送信間隔を同期開始データ送信周期とした
時、同期開始データの送信から同期完了データ受信まで
の時間と、自身のデータ送信タイミングまでに送信バッ
ファにためた送信データの数から算出できるデータ送信
所要時間と、同期開始データ送信周期の目標時間とから
同期開始データ送信のタイミングが目標の周期になるよ
うに調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビル内に設置さ
れた複数のエレベーターの運行管理において、乗降客の
エレベーター乗車待ち時間と希望目的階到着待ち時間の
両方を短縮することができ、かつ、故障に強いエレベー
ターの通信制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のエレベーターの通信制御装置につ
いて図面を参照しながら説明する。図21は、特開平6
−80322号公報に示された従来のエレベーターの通
信制御装置の構成を示す図である。この従来のエレベー
ターの通信制御装置においては、図21に示すように、
例として3台のエレベーターを制御する3組の制御ユニ
ット91、92、93が設けられている。
【0003】各制御ユニット91、92、93は、それ
ぞれ固有のエレベーターを制御するカーコントロールユ
ニットCCa、CCb、CCcを有しているほかに、分
散処理用にコンパクト化された群管理制御処理用グルー
プコントロールユニットGCa、GCb、GCcと、ホ
ール呼び制御処理用ホールコントロールユニットHC
a、HCb、HCcとを一体化して備えている。
【0004】各制御ユニット91、92、93は、さら
に伝送用LSI(大規模集積回路)Sa、Sb、Scを
有し、ここから出力された情報がバス状の高速伝送ライ
ン94を介して伝送される。
【0005】ホール側には、この例の場合は2系列化さ
れているのに対応して、各ホールの各系列ごとに1チッ
プマイクロコンピュータ(1チップマイコン)からなる
ホールコントローラ95が設けられている。個々のホー
ルコントローラ95は、符号Sに続けて系列種別を表わ
す数字(1または2)と、ホール種別を表わす数字(1
〜m)を連ねて表現される。例えば、系列1側のm階の
ホールコントローラ95はS1mとして特定される。
【0006】これらのホールコントローラ95は、ホー
ル呼び登録ボタン96からのホール呼び登録信号の入力
処理や、ホール呼び登録ランプ97への点灯信号の出力
処理をしたりする。そして、これらのホールコントロー
ラ95は、各系列ごとに伝送ライン98、99を介して
各制御ユニット91、92、93のマスタノード用CP
UMa、Mb、Mcと並列的に接続されている。
【0007】複数の制御ユニット91〜93のうち、い
ずれか1つを各エレベーターへの分担処理、及び各制御
ユニット間の同期をとるためのメイン局とし、他の制御
ユニットを前記メイン局に従うサブ局とし、リアルタイ
ム処理の必要な制御機能に対しては、前記メイン局にて
全号機の制御ユニットを同期的に制御処理し、サイクリ
ック処理の必要な制御機能に対しては、各号機の制御ユ
ニットに分担させて処理している。
【0008】上述した従来のエレベーターの通信制御装
置は、サイクリック処理の同期指令においては、あきら
かに当該通信には関係のないサブ局にとっては無駄な処
理負担となっているという問題点があった。
【0009】また、上述した従来のエレベーターの通信
制御装置では、サブ局側がアンサの送出衝突を検出して
時間をずらしながら送出する方法を取る時、サブ局が十
数台以上多くぶら下がる場合、アンサ衝突が想定され、
アンサすべての受理のために、メイン局の待ち時間は大
きくばらつき、アンサ衝突に伴う不良データの多くの送
出によりネットワークは無駄なトラフィックを抱え込む
という問題点があった。
【0010】また、上述した従来のエレベーターの通信
制御装置では、ネットワーク分断障害によりネット上の
データ衝突が想定され、全局で正しいデータ送出/受理
を行うことが困難となる上に、ネットワーク分断により
全てのメイン局がいなくなってしまう可能性もあり、こ
ういった誤った処理からの障害復旧に時間が割かれてい
ると、人命を扱うエレベーターの運行に甚大な障害をも
たらす可能性があるという問題点があった。
【0011】また、上述した従来のエレベーターの通信
制御装置では、ネットワーク接続の障害により二つ以上
のネットワークが衝突するような時、二台以上のメイン
局の同時動作によりネット上のデータ衝突が想定され、
同時に同期指令を別々に送出し全局で正しいデータ送出
/受理を行うことが困難となる上に、衝突により全ての
メイン局がいなくなってしまう可能性もあり、こういっ
た誤った処理からの障害復旧に時間を割かれていると、
人命を扱うエレベーターの運行に甚大な障害をもたらす
可能性があるという問題点があった。
【0012】次に、従来の通信制御装置におけるマスタ
の競合制御方法について、図面を参照し説明する。図2
2は、特開平9−149061号公報に示された通信制
御装置の構成を示す。図22に示す通信制御装置では、
同一伝送路に誤って複数のマスタが存在した場合に、唯
一に制御する競合方式を提供しており、上位の計算機8
1からの指示でマスタに移行できるように、制御ステー
ション82は各々、マスタ機能83を有している。
【0013】マスタになった制御ステーション82は、
自身の優先度を含むマスタ通知を所定の周期で発行し、
一斉同時送信する。一方、マスタ通知を受信した制御ス
テーション82は、自身のステータスもマスタであると
き、マスタ通知の優先度と自身の優先度を比較し、自身
の方が低い場合はスレーブに移行する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の通信制御装置においては、マスタとして振る舞
うノードが、複数のスレーブのうち一つのスレーブに同
期開始データを送付し、スレーブからの同期完了データ
を受信し、順繰りに次のスレーブに次の同期開始データ
に送信していくようになるが、このようにしてスレーブ
との間で同期開始データの送信と同期完了データの受信
を行うと、本来、送受信したいエレベーターの運行にか
かわるデータに対して、同期開始データ及び同期完了デ
ータの占める割合が高くなり、マスタ/スレーブ共にネ
ットワークの負荷が増大してしまうという問題点があっ
た。
【0015】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、同期指令が全局のデータ受理負担
とならないようにすることができ、円滑なデータ転送を
実現できるエレベーターの通信制御装置を得ることを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
ターの通信制御装置は、エレベーターを制御する各台制
御ユニット及び乗場登録制御ユニットを含む複数の制御
ユニットが各々ノードを有し、これら複数のノードがネ
ットワークを介して相互に接続され、各ノードがノード
番号とネットワークアドレスを対応づけた管理表を持っ
ているエレベーターの通信制御装置であって、前記管理
表を参照して自己のノード番号に対応する第1のネット
ワークアドレスが前記管理表の中で特定のアドレスであ
る場合は、他の全てのノードに対して前記第1のネット
ワークアドレスを付加した仮マスタである旨の一斉同報
通信を送信し、別の仮マスタから自己のノード番号に対
応する第2のネットワークアドレスを付加した仮マスタ
である旨の一斉同報通信を受信したときに、前記第1及
び第2のネットワークアドレスが特定の条件に適合した
ときにはマスタとして振る舞うノードと、前記管理表を
参照して自己のノード番号に対応するネットワークアド
レスが前記管理表の中で特定のネットワークアドレスで
ない場合、または前記管理表を参照して自己のノード番
号に対応する第1のネットワークアドレスが前記管理表
の中で特定のアドレスである場合で、他の全てのノード
に対して前記第1のネットワークアドレスを付加した仮
マスタである旨の一斉同報通信を送信し、別の仮マスタ
から自己のノード番号に対応する第2のネットワークア
ドレスを付加した仮マスタである旨の一斉同報通信を受
信したときに、前記第1及び第2のネットワークアドレ
スが特定の条件に適合しないときにはスレーブとして振
る舞うノードとを備えたエレベーターの通信制御装置に
おいて、前記マスタとして振る舞うノードは、複数のス
レーブのうち一つのスレーブに同期開始データを送付
し、スレーブからの同期完了データを受信すると、順繰
りに次のスレーブに次の同期開始データに送信し、同期
開始データの送信間隔を同期開始データ送信周期とした
時、同期開始データの送信から同期完了データ受信まで
の時間と、自身のデータ送信タイミングまでに送信バッ
ファにためた送信データの数から算出できるデータ送信
所要時間と、同期開始データ送信周期の目標時間とから
同期開始データ送信のタイミングが目標の周期になるよ
うに調整することを特徴とするものである。
【0017】また、前記ネットワーク上の各ノードは、
それぞれネットワークとの接続を監視し、接続が電気的
(物理的)に途切れた時に、切断直前の状態を維持し停
止して、引き続きネットワークとの接続を監視し、ネッ
トワークが復旧し、再度接続された時に、マスタノー
ド、スレーブノード共に切断直前の状態でネットワーク
に参入することを特徴とするものである。
【0018】また、前記ネットワークの復旧時に、前記
管理表中でネットワークアドレスがマスタとしての特定
のアドレスであるノードの場合、切断直前の状態がスレ
ーブだったとしても、再接続時にはマスタとして参入す
ることを特徴とするものである。
【0019】また、前記ネットワークの途中が物理的
(電気的)に分断され、分断された双方のネットワーク
において復旧が行われ、それぞれのネットワーク上でマ
スタ動作するノードがネットワークを制御している場
合、分断された接続が再び接続され1つのネットワーク
を形成した時に、それぞれのネットワークのマスタノー
ドが、1つになったネットワークのマスタ権利を奪い合
うとき、自身のネットワーク上にスレーブノードがある
かどうかの判定条件と、前記管理表中でのネットワーク
アドレスで定義した優先度の比較条件との二つの複合条
件からマスタ権利を獲得できる唯一のノードを決定する
ことを特徴とするものである。
【0020】さらに、前記ネットワーク中のマスタ権利
を、他のノード(スレーブ)に移す時に、ノードの上位
のCPU間で当該ネットワークを介したネゴシエーショ
ンを持って実現することを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係るエレベーターの通信制御装置について図面
を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形
態1に係るエレベーターの通信制御装置の構成を示す図
である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を
示す。図1において、エレベーターの通信制御装置は、
伝送路31を通じて接続された、群管理制御ユニット1
と、各台制御ユニット2〜4と、乗場登録制御ユニット
5〜7と、拡張用制御ユニット8とを備える。伝送路3
1には、図示の如く集線装置としてHUB11が設置さ
れる場合も想定される。集線装置は各ノードをスター状
に接続することによってネットワークを構築する目的で
使用される。
【0022】また、同図において、群管理制御ユニット
1は、通信装置10と群管理制御装置20Aを有する。
この群管理制御ユニット1は、乗場呼び登録信号に基づ
き、登録された乗場呼びに対するエレベーターのかご
(図示せず)の割付制御を行う。
【0023】また、各台制御ユニット2は、通信装置1
0と各台制御装置20Bを有する。この各台制御ユニッ
ト2は、群管理制御ユニット1からの乗場呼び登録信号
に対するかご割付信号、かごからのかご呼び信号に基づ
き、エレベーターのかごの昇降を制御する。
【0024】同様に、各台制御ユニット3は、通信装置
10と各台制御装置20Cを有し、各台制御ユニット4
は、通信装置10と各台制御装置20Dを有する。これ
らの各台制御ユニット3及び4は、各台制御ユニット2
の機能と同じ機能を有する。なお、本例では図示されて
いないが、実際は各台制御ユニット2、3、4とかご機
器も伝送線で結合されている。
【0025】また、乗場登録制御ユニット5は、通信装
置10と乗場登録制御装置20Eを有する。この乗場登
録制御ユニット5は、伝送線32を通じて各階床に設置
された乗場釦登録装置41からの乗場呼び登録信号の入
力処理と、群管理制御ユニット1からの乗場呼びに対す
る乗場登録灯信号の出力処理を制御する。なお、この例
では、乗場登録制御ユニット5は、各台制御ユニット2
〜4が制御する3台分のエレベーターのA系列の乗場呼
び登録情報、乗場登録灯情報を扱う。
【0026】同様に、乗場登録制御ユニット6は、通信
装置10と乗場登録制御装置20Fを有する。この乗場
登録制御ユニット6は、乗場登録制御ユニット5の機能
と同じ機能を有する。なお、この例では、乗場登録制御
ユニット6は、各台制御ユニット2〜4が制御する3台
分のエレベーターのB系列の乗場呼び登録情報、乗場登
録灯情報を扱う。
【0027】また、乗場表示制御ユニット7は、通信装
置10と乗場表示制御装置20Gを有する。この乗場表
示制御ユニット7は、伝送線34を通じて乗場に設置さ
れた行先階登録装置43からの行先階登録信号の入力処
理と、群管理制御ユニット1からの行先階登録信号に対
するかご割付信号及び行先階登録灯信号の出力処理を制
御する。なお、この例では、乗場表示制御ユニット7
は、各台制御ユニット2〜4が制御する3台分のエレベ
ーターの行先階登録情報、行先階登録灯情報などを扱
う。
【0028】各階床に設置された乗場表示装置42は、
乗場表示制御ユニット7からのかご割付信号に基づき、
実際の割付け号機の表示等の表示制御を行う。
【0029】各階床に設置された行先階登録装置43
は、行先階登録釦からのON/OFF接点信号の入力処
理と、乗場表示制御ユニット7からの行先階登録灯信号
に基づき、実際の点灯/消灯制御を行う。
【0030】さらに、図1において、拡張用制御ユニッ
ト8は、通信装置10と拡張用制御装置20Hを有す
る。この拡張用制御ユニット8は、伝送線35を通じて
他ネットワークと相互に結合され、他のエレベーターの
群管理通信制御システムと結合するためのブリッジ機能
を果たす。また、拡張用制御ユニット8は、伝送線35
を通じて管理室に設置されたパソコンにも接続され、こ
のパソコンはビル全体に設けられた複数のエレベーター
の群管理通信制御システムを監視する。
【0031】なお、図1に記載された、A系列とは、乗
場呼び登録信号及び乗場登録灯信号のうち、例えば一般
用(健常者用)のものを表し、B系列とは、例えば障害
者用のものを表す。また、a系列とは、例えば行先階登
録情報などのうち、特定階用のものを表す。
【0032】以降の説明では、各制御ユニット20A〜
20Hの通信装置10を『ノード』と呼び、同時刻に唯
一のみ存在が許され、ネットワークのデータ送信/受信
に関する管理を行うノードを「ネットワークマスタノー
ド」(略して『マスタ』)と呼び、マスタではないその
他すべてのノードを「ネットワークスレーブノード」
(略して『スレーブ』)と呼ぶ。
【0033】マスタ/スレーブの判定は、例えば、マス
タとなるノードに対応する制御ユニットは、群管理制御
ユニット1となることもあるし、乗場登録制御ユニット
5となることもあり、ネットワークアドレス管理表で予
め設定された論理的ネットワークアドレスの大小(優先
度の比較)によって決まる。
【0034】次に、図2は、このネットワークアドレス
管理表を示す図である。本表は、「Alive/Dead識別
子」、「Master/Slave」、「所属」、「ノード番
号」、「論理的ネットワークアドレス」及び「物理的ネ
ットワークアドレス」を対応付ける為のものである。本
表は、例えば、予め、エレベータの通信制御装置の構成
を示した図1の通信装置10内に格納されている。
【0035】すなわち、この発明の実施の形態1に係る
エレベーターの通信制御装置は、エレベーターを制御す
る各台制御ユニット及び乗場登録制御ユニットを含む複
数の制御ユニットが各々ノードを有し、これら複数のノ
ードがネットワークを介して相互に接続され、各ノード
がノード番号とネットワークアドレスを対応づけた図2
に示す管理表を持っているエレベーターの通信制御装置
であって、前記管理表を参照して自己のノード番号に対
応する第1のネットワークアドレスが前記管理表の中で
優先度の高い特定のアドレスである場合は、他の全ての
ノードに対して前記第1のネットワークアドレスを付加
した仮マスタである旨の一斉同報通信を送信し、別の仮
マスタから自己のノード番号に対応する第2のネットワ
ークアドレスを付加した仮マスタである旨の一斉同報通
信を受信したときに、前記第1及び第2のネットワーク
アドレスが特定の条件(優先度)に適合したときにはマ
スタとして振る舞うノードと、前記管理表を参照して自
己のノード番号に対応するネットワークアドレスが前記
管理表の中で特定のネットワークアドレスでない場合、
または前記管理表を参照して自己のノード番号に対応す
る第1のネットワークアドレスが前記管理表の中で特定
のアドレスである場合で、他の全てのノードに対して前
記第1のネットワークアドレスを付加した仮マスタであ
る旨の一斉同報通信を送信し、別の仮マスタから自己の
ノード番号に対応する第2のネットワークアドレスを付
加した仮マスタである旨の一斉同報通信を受信したとき
に、前記第1及び第2のネットワークアドレスが特定の
条件に適合しないときにはスレーブとして振る舞うノー
ドとを備えている。
【0036】次に、この発明の実施の形態1に係るエレ
ベーターの通信制御装置の動作について図面を参照しな
がら説明する。図3は、図1の接続を簡略的に表したも
のであり、1台のマスタ51と3台のスレーブ52を備
える。図3に示すように、マスタ(ノード1)がスレー
ブ(ノード2)に同期開始データD1を送信すると、ス
レーブ(ノード2)は自身のデータを送信した後、マス
タ(ノード1)に同期完了データD2を送信する。マス
タにおいて、同期完了データ受信タイミングまでに送信
バッファにためたデータを送信した後、次に、スレーブ
(ノード3)へ同期開始データD3を送信し、順次、次
のスレーブへと同期開始完了データの送受信処理を実施
する。なお、D4,D6は同期完了データ、D5は同期
開始データを示す。
【0037】今、図4に示すように、マスタにおける、
同期開始データ送信タイミングから同期完了データ受信
タイミングまでの間隔を、同期開始完了データ送受信実
処理時間Taとする。マスタにおいて、1データパケッ
ト送出処理の予測見積り時間をT_1datasendとした
時、このT_1datasendと同期完了データ受信タイミン
グまでに送信バッファにためた送信データの数からデー
タ送信所要時間Tbが算出できる。何も送信するデータ
がない場合に費やされる基本時間を、送受信処理基本時
間Tbaseとする。また、同期開始データ送信周期目標時
間をTcとする。
【0038】マスタ(ノード1)は、次の条件に則り、
同期開始データを送信する。同期開始完了データ送受信
実処理時間Taとデータ送信所要時間Tb、送受信処理
基本時間Tbaseの三つの和が、同期開始データ送信周期
目標時間をTcより大きい場合は、マスタでのデータ送
信処理完了後、速やかに次のスレーブノードに同期開始
データを送信する。
【0039】同期開始完了データ送受信実処理時間Ta
とデータ送信所要時間Tb、送受信処理基本時間Tbase
の三つの和が、同期開始データ送信周期目標時間をTc
より小さい場合は、Tcとの差をマスタ余裕時間Tdと
して、次のスレーブノードに同期開始データを送信する
タイミングをマスタ余裕時間Tdだけ遅らせて、同期開
始データ送信周期を目標時間と同じになるように調整す
る。
【0040】図5は、同期開始データ送信タイミング調
整ルーチンの処理内容を示すフローチャートである。マ
スタは、まず、ステップ101でスレーブに同期開始デ
ータを送信する。ステップ102でスレーブからの各種
運行データを受信する。ステップ103でスレーブから
の同期完了データを受信すると、ステップ104におい
て、1データパケット送出処理時間予測見積りT_1dat
asendとマスタが現在送出準備完了しているデータパケ
ット数nの積からデータ送出時間を算出し、これとスレ
ーブからの同期開始完了データ送受信処理時間Tbと送
信データが何も無くても費やされる送受信処理基本時間
Tbaseとの三つの和を同期データ送出周期目標時間Tc
から引いて、マスタ余裕時間Tdを次式のように算出す
る。Td=Tc−(Tbase+Tb+T_1datasend×
n)
【0041】ステップ105にて、マスタ余裕時間Td
がプラス値であれば、同期データ送出周期目標時間に対
して余裕があることから、ステップ108で送信バッフ
ァ内のデータを全て送信し終えたあと、ステップ109
にて、次のスレーブへの同期開始データ送付タイミング
までの余裕時間Tdを割込みタイマにセットし、Td時
間経過後、ステップ110にて、次のスレーブに同期開
始データを送信し、ステップ102に移る。また、ステ
ップ105にて、マスタ余裕時間Tdがマイナス値であ
れば、同期データ送出周期目標時間に対して余裕がない
ことから、ステップ106で送信バッファ内のデータを
全て送信し終えたあと、時間を置かず、ステップ107
にて、次のスレーブに同期開始データを送信し、ステッ
プ102に移る。
【0042】ここで、マスタ余裕時間Tdがプラス値
で、同期データ送出周期目標時間Tcに対して余裕があ
るにもかかわらず、送信バッファ内のデータを全て送信
し終えたあと、すぐに次のスレーブに同期開始データを
送信していると、本来、送受信したい運行にかかわるデ
ータに対して、同期開始完了データの占める割合が高く
なり、マスタ/スレーブ共にネットワークの負荷が増大
してしまう。同期データ送出周期目標時間Tcに則った
同期開始完了データの送受信を行うようコントロールす
ることにより、この問題が解決される。
【0043】実施の形態2.次に、この発明の実施の形
態2に係るエレベーターの通信制御装置の動作について
図面を参照しながら説明する。この発明の実施の形態2
に係るエレベーターの通信制御装置においても、実施の
形態1と同様に、図1に示す接続関係を有する構成を備
えており、マスタ決定動作、同期通信等の主要な動作は
実施の形態1と同じである。
【0044】図6は、図1に示すマスタノード/スレー
ブノードの構成を簡略的に示した図であり、1台のマス
タ51と7台のスレーブ52が同一伝送路36につなが
っている。同図のマスタ1/スレーブ3で処理の説明を
実施する。
【0045】まず、マスタ(ノード1)の動作から説明
する。図7に示すフローチャートのステップ200で、
各ノードは定期的にネットワークへの接続を監視してい
る。具体的には図1で示した通信装置10において電気
的に接続を監視する。何らかの原因で、ネットワークの
切断(図6に示す符号60)が発生したとする。ステッ
プ201において、マスタ(ノード1)は、ネットワー
クへの接続が電気的に分断されたことを検知する。
【0046】ステップ202において、マスタ(ノード
1)は内部の状態を保持したまま、ネットワークを介し
たデータ転送を停止し、ステップ203で、再びネット
ワークを監視して接続が再開されるのを待つ。ステップ
204において、障害が解除され、再びネットワークに
接続されたのを検知した時に、ステップ205にて、マ
スタ(ノード1)は停止直前の状態のままデータ転送を
再開する。つまり、ネットワーク上、唯一のマスタノー
ドとして、データ転送の管理を行い、ネットワークの運
行が円滑に再開される様に動作する。
【0047】このように、ネットワークの接続が分断さ
れても内部の状態を保持し、接続が再開された時に、分
断直前の状態でネットワークに参入することにより、復
旧による滞りが極力押さえられ、障害復旧に強いネット
ワークが形成できる。
【0048】次に、スレーブ(ノード3)の動作を説明
する。図8に示すフローチャートのステップ210で、
スレーブノードは、定期的にネットワークへの接続を監
視している。具体的には図1で示した通信装置10にお
いて電気的に接続を監視する。何らかの原因で、ネット
ワークの切断(図6に示す符号61)が発生したとす
る。ステップ211において、スレーブ(ノード3)
は、ネットワークへの接続が電気的に分断されたことを
検知する。
【0049】ステップ212において、スレーブ(ノー
ド3)は内部の状態を保持したまま、ネットワークを介
したデータ転送を停止し、ステップ213で、再びネッ
トワークを監視して接続が再開されるのを待つ。ステッ
プ214において、障害が解除され、再びネットワーク
に接続された時に、ステップ215にて、スレーブ(ノ
ード3)は停止直前の状態のままデータ転送を再開す
る。つまり、ネットワーク上のマスタノードの管理課に
おいて、スレーブノードとして、データ転送を行い、ネ
ットワークの運行が円滑に再開される様に動作する。
【0050】このように、スレーブにおいても、ネット
ワークの接続が分断されても内部の状態を保持し、接続
が再開された時に、分断直前の状態でネットワークに参
入することにより、復旧による滞りが極力押さえられ、
障害復旧に強いネットワークが形成できる。
【0051】例えばStandard Microsystems社の提供す
る通信制御用IC(LAN91C96)を通信装置として使った
場合の電気的な接続の監視について説明する。この通信
制御用IC(LAN91C96)は、図9に示すレジスタマップ
を持ち、このレジスタマップ上のLINK_OKレジスタがネ
ットワークへの電気的な接続チェック結果を示す機能を
持っている。具体的には、通信装置としての通信制御用
IC(LAN91C96)が、図1で示す伝送路31に物理的に
接続されている時、通信制御用IC(LAN91C96)は、こ
の接続状態を確認し、LINK_OKレジスタを“1”にセッ
トする。逆に、伝送路31への物理的な接続が切れてい
る場合、通信制御用IC(LAN91C96)は、この分断状態
を確認し、LINK_OKレジスタを“0”にセットする。よ
って、通信装置として、このLINK_OKレジスタをチェッ
クして、ネットワークへの接続/分断が判断できる。ま
た、他の同等機能を持ったICを使うこともできる。
【0052】ネットワークの分断で容易に想定できるも
のとして、図10に示すような、ネットワーク上で複数
ノードの接続を実現するHUBの障害がある。HUB5
3において障害が発生し、HUBのところでネットワー
クが分断された場合、HUBに接続された全てのノード
から見た場合、ネットワークが電気的に分断されたよう
に見える。この時に、前記にあげた手順でマスタノード
/スレーブノードが自ノードの動作状態を保持し、ネッ
トワーク障害が復帰すると同時に、障害発生直前の状態
を極力再現し、障害復旧が極めて円滑に行う頃ができ
る。
【0053】実施の形態3.次に、この発明の実施の形
態3に係るエレベーターの通信制御装置の動作について
図面を参照しながら説明する。この発明の実施の形態3
に係るエレベーターの通信制御装置においても、実施の
形態1と同様に、図1に示す接続関係を有する構成を備
えており、マスタ決定動作、同期通信等の主要な動作は
実施の形態1と同じである。また、マスタノード/スレ
ーブノードの動作は、実施の形態2に係るエレベータの
通信制御装置の動作と同じである。
【0054】図11は、図1に示すマスタノード/スレ
ーブノードの構成を簡略的に示した図であり、1台のマ
スタ55と1台のスレーブ54、7台のスレーブ52が
同一伝送路36につながっている。
【0055】同図のノード1は、図2に示す管理表中の
自己のノード番号に対応する第1のネットワークアドレ
スが前記管理表の中で特定のアドレスであるノードであ
り、他の全てのノードに対して前記第1のネットワーク
アドレスを付加した仮マスタである旨の一斉同報通信を
送信し、別の仮マスタから自己のノード番号に対応する
第2のネットワークアドレスを付加した仮マスタである
旨の一斉同報通信を受信したときに、前記第1及び第2
のネットワークアドレスが特定の条件に適合したときに
はマスタとして振る舞うノードであるとする。
【0056】マスタとして振る舞うノードの動作を説明
する。図12に示すフローチャートのステップ220
で、このノードが定期的にネットワークへの接続を監視
しているとする。具体的には図1で示した通信装置10
において電気的に接続を監視する。何らかの原因で、ネ
ットワークの切断(図11に示す符号60)が発生した
とする。ステップ221において、ノード1は、ネット
ワークへの接続が電気的に分断されたことを検知する。
【0057】ステップ222において、ノード1は内部
の状態を初期化し、ネットワークを介したデータ転送を
停止し、ステップ223で再びネットワークを監視して
接続が再開されるのを待つ。ステップ224において、
障害が解除され、再びネットワークに接続されたのを検
知した時、ノード1は新たにネットワークに参入する形
で動作を開始する。
【0058】よって、ステップ225にて、別マスタか
らの一斉同時送信の受信待ち状態になる。ステップ22
6にてタイムアウトが発生した場合、つまり、別マスタ
が不在の場合、ステップ229にてノード1がマスタ動
作することが確定し、ステップ230で各スレーブにス
レーブ確認の同期開始データを送信し、ステップ231
でマスタとしてネットワーク上で動作する。また、ステ
ップ226にて、タイムアウトが発生せず、ステップ2
27にて別ノードからの一斉同時送信を受信した場合
は、ステップ228でスレーブとしてネットワークに参
加する。
【0059】このように、ネットワークの接続が分断さ
れてたのち接続が再開された時に、ネットワーク上にマ
スタが不在となる障害が発生しても、自身を一度、初期
化しマスタとして参入可能な唯一のノードを設けておく
ことにより、復旧による滞りが極力押さえられ、障害復
旧に強いネットワークが形成できる。
【0060】例えばStandard Microsystems社の提供す
る通信制御用IC(LAN91C96)を通信装置として使った
場合の電気的な接続の監視について説明する。この通信
制御用IC(LAN91C96)は、図2に示すレジスタマップ
を持ち、このレジスタマップ上のLINK_OKレジスタがネ
ットワークへの電気的な接続チェック結果を示す機能を
持っている。具体的には、通信装置としての通信制御用
IC(LAN91C96)が、図1で示す伝送路31に物理的に
接続されている時、通信制御用IC(LAN91C96)は、こ
の接続状態を確認し、LINK_OKレジスタを“1”にセッ
トする。逆に、伝送路31への物理的な接続が切れてい
る場合、通信制御用IC(LAN91C96)は、この分断状態
を確認し、LINK_OKレジスタを“0”にセットする。よ
って、通信装置として、このLINK_OKレジスタをチェッ
クして、ネットワークへの接続/分断が判断できる。ま
た、他の同等機能を持ったICを使うこともできる。
【0061】ネットワークの分断で容易に想定できるも
のとして、図13に示すような、ネットワーク上で複数
ノードの接続を実現するHUBの障害がある。HUBに
おいて、このHUBに障害が発生し、HUBのところで
ネットワークが分断された場合、HUBに接続されたノ
ードから見た場合、ネットワークが電気的に分断された
ように見える。また、この障害により、障害発生直前、
マスタとして動作していたノード3にも動作障害が発生
した場合、HUBの障害復帰後、マスタが不在となりネ
ットワークの復旧が遅れる要因となる。
【0062】この時に、前記にあげた手順でノード1が
初期化されマスタとして参入することにより、障害発生
直前の状態を極力再現し、障害復旧を極めて円滑に行う
事ができる。
【0063】実施の形態4.次に、この発明の実施の形
態4に係るエレベーターの通信制御装置の動作について
図面を参照しながら説明する。この発明の実施の形態4
に係るエレベーターの通信制御装置においても、実施の
形態1と同様に、図1に示す接続関係を有する構成を備
えており、マスタ決定動作、同期通信等の主要な動作は
実施の形態1と同じである。また、マスタノード/スレ
ーブノードの動作は、実施の形態2、3に係るエレベー
タの通信制御装置の動作と同じである。
【0064】図14は、図1に示すマスタノード/スレ
ーブノードの構成を簡略的に示した図であり、2台のマ
スタ601、3台のスレーブ602が同一伝送路604
に接続されている。
【0065】図14において、断線605の部分でネッ
トワークが分断され、二つのネットワークがそれぞれマ
スタノードを持ち動作しているとする。断線605の障
害が復旧した時、二つのネットワークが接続され、衝突
する。元の一つのネットワークとして動作する為、二つ
あるマスタノードのうち、一方がスレーブに切り替わ
る。
【0066】この動作を図14のマスタ(ノード1)の
動作で説明する。図15に示すフローチャートのステッ
プ301で別マスタからの一斉同時送信を受信するかど
うか判定する。図14の断線605の故障が復旧する
と、ネットワーク2においてマスタ動作しているノード
5からの一斉同時送信を受信する為、ステップ302に
移る。ステップ303にて、自身のネットワークに接続
されているスレーブがあるかどうか判定する。ステップ
305にて、別マスタからの一斉同時送信データより、
別マスタのネットワークに接続されているスレーブがあ
るかどうか判定する。ここでは、ないため、ステップ3
08にてノード1が障害復旧後のネットワークのマスタ
となり動作する。
【0067】次に、図16も、図1に示すマスタノード
/スレーブノードの構成を簡略的に示した図である。図
16において、断線615の部分でネットワークが分断
され、二つのネットワークがそれぞれマスタノードを持
ち動作しているとする。断線615の障害が復旧した
時、二つのネットワークが接続され、衝突する。元の一
つのネットワークとして動作する為、二つあるマスタノ
ードのうち、一方がスレーブに切り替わる。
【0068】この動作を図16のマスタ(ノード1)の
動作で説明する。まず、図15に示すフローチャートの
ステップ301で別マスタからの一斉同時送信を受信す
るかどうか判定する。図16の断線615の故障が復旧
すると、ネットワーク2においてマスタ動作しているノ
ード5からの一斉同時送信を受信する為、ステップ30
2に移る。ステップ303にて、自身のネットワークに
接続されているスレーブがあるかどうか判定する。ステ
ップ305にて、別マスタからの一斉同時送信データよ
り、別マスタのネットワークに接続されているスレーブ
があるかどうか判定する。別マスタの方にもスレーブが
ある為、ステップ306で、ノード1、ノード5のネッ
トワークアドレスからマスタとしての優先度を比較す
る。ここでは、ノード1の優先度が高い為、ステップ3
08にてノード1が障害復旧後のネットワークのマスタ
となり動作する。
【0069】次に、図17も、図1に示すマスタノード
/スレーブノードの構成を簡略的に示した図である。図
17において、断線625の部分でネットワークが分断
され、二つのネットワークがそれぞれマスタノードを持
ち動作しているとする。断線625の障害が復旧した
時、二つのネットワークが接続され、衝突する。元の一
つのネットワークとして動作する為、二つあるマスタノ
ードのうち、一方がスレーブに切り替わる。
【0070】この動作を図17のマスタ(ノード1)の
動作で説明する。まず、図15に示すフローチャートの
ステップ301で別マスタからの一斉同時送信を受信す
るかどうか判定する。図17の断線625の故障が復旧
すると、ネットワーク2においてマスタ動作しているノ
ード5からの一斉同時送信を受信する為、ステップ30
2に移る。ステップ303にて、自身のネットワークに
接続されているスレーブがあるかどうか判定する。ステ
ップ304にて、別マスタからの一斉同時送信データよ
り、別マスタのネットワークに接続されているスレーブ
があるかどうか判定する。別マスタの方にもスレーブが
ない為、ステップ306で、ノード1、ノード5のネッ
トワークアドレスからマスタとしての優先度を比較す
る。ここでは、ノード1の優先度が高い為、ステップ3
08にてノード1が障害復旧後のネットワークのマスタ
となり動作する。
【0071】以上のように、ネットワークに接続されて
いるスレーブノードがあるかないかという条件とネット
ワークアドレスの優先度の複合条件から、障害復旧時に
二つ以上存在するマスタノードから、唯一1つのマスタ
ノードを選択し、障害復旧を極めて円滑に行うことがで
きる。
【0072】実施の形態5.次に、この発明の実施の形
態5に係るエレベーターの通信制御装置の動作について
図面を参照しながら説明する。この発明の実施の形態5
に係るエレベーターの通信制御装置においても、図1に
示す接続関係を有する構成を備えており、マスタ決定動
作、同期通信等の主要な動作は実施の形態1と同じであ
る。また、マスタノード/スレーブノードの動作は、実
施の形態2、3、4に係るエレベータの通信制御装置の
動作と同じである。
【0073】図18は、図1に示すマスタノード/スレ
ーブノードの構成を簡略的に示した図であり、1台のマ
スタ503と、2台のスレーブ501、1台のスレーブ
502が、同一伝送路505に接続されている。また、
各ノードは伝送路504を介して、上位CPU500と
接続されている。
【0074】図18において、ノード2がマスタとして
動作しており、この例ではノード1にマスタ権利を移す
動作を示す。
【0075】図18に示すフローチャートのステップ4
01において、上位CPU1は、ノード1に対して、D
1のマスタ権利の獲得命令を出す。ステップ402で、
ノード1はノード2(マスタ)に対してD2のマスタ権
利放棄要求パケットを送信する。403において、ノー
ド1はノード2(マスタ)からの一斉同時送信のタイム
アウトが発生するのを待つ。ステップ404でノード2
(マスタ)からの一斉同時送信のタイムアウトが発生す
ると、ステップ405にて、ノード1のマスタ権利獲得
が確定し、ステップ406にて各スレーブにスレーブ確
認の同期開始データを送信して、ステップ407にてマ
スタとして動作を開始する。
【0076】また、図20に示すフローチャートのステ
ップ411において、ノード2は、ノード1(マスタ)
からのマスタ権利放棄要求パケットを受信する。ステッ
プ412で、ノード2はマスタ権利放棄要求パケット受
信ステータスに移る。ステップ413で、CPU2はノ
ード2がマスタ権利放棄要求パケット受信ステータスで
あることを検知する。ステップ414で、CPU2がマ
スタ権利を放棄することを許可する場合は、D3のマス
タ権放棄命令をノード2に送る。ステップ415におい
て、ノード2はマスタ権利を放棄し、スレーブに降格す
る。ステップ414で、CPU2がマスタ権利を放棄す
ることを許可しない場合は、ステップ417で、ノード
2は通常のステータスに戻る。
【0077】以上のようにマスタ権利の移動において、
上位のCPUが介在することにより、上位のCPUが認
知しないところでのマスタ権利移動を防ぎ、安定したネ
ットワークのい動作を保証できる。
【0078】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、マス
タが複数のスレーブのうち一つのスレーブに同期開始デ
ータを送付し、スレーブからの同期完了データを受信す
ると順繰りに次のスレーブに次の同期開始データに送信
し、この同期開始データの送信間隔を同期開始データ送
信周期とした時、同期開始データの送信から同期完了デ
ータ受信までの時間と、自身のデータ送信タイミングま
でに送信バッファにためた送信データの数から算出でき
るデータ送信所要時間と、同期開始データ送信周期の目
標時間とから、同期開始データ送信のタイミングが目標
の周期になるように調整することにより、単位時間中で
の、同期開始データ/同期完了データの数が一定に保た
れるよう動作し、同期開始データ/同期完了データの数
が増えマスタ/スレーブへの負荷が増大することを防ぐ
ことができる。
【0079】また、ネットワーク上の各ノードはそれぞ
れネットワークとの接続を監視し、接続が電気的(物理
的)に途切れた時、切断直前の状態を維持し停止して、
引き続きネットワークとの接続を監視し、再度、接続さ
れた時、マスタノード、スレーブノード共に、切断直前
の状態、つまり、マスタノードはマスタ、スレーブノー
ドはスレーブとしてネットワークに参入することにより
ネットワークの混乱を最小限に抑えられ、円滑なデータ
転送を実現することができる。
【0080】また、ネットワークの復旧において、管理
表中でネットワークアドレスがマスタとしての特定なア
ドレスであるノードの場合、切断直前の状態がスレーブ
だったとしても、再接続時にはマスタとして参入し、ネ
ットワーク上のマスタが不在となってしまう障害復旧の
一方法を持ち、障害に強いデータ転送が可能となる。
【0081】また、なんらかの原因で前記ネットワーク
の途中が物理的(電気的)に分断され、分断された双方
のネットワークにおいて復旧が行なわれ、それぞれのネ
ットワーク上でマスタ動作するノードがネットワークを
制御している場合、分断された接続が再び接続され1つ
のネットワークを形成した時に、それぞれのネットワー
クのマスタノードが、1つになったネットワークのマス
タ権利を奪い合うとき、自身のネットワーク上にスレー
ブノードがあるかどうかと、前記管理表中でのネットワ
ークアドレスで定義した優先度の、二つの複合条件か
ら、マスタ権利を獲得できる唯一のノードを決めること
ができ、ネットワーク上に複数のマスタが存在してしま
う障害からの復旧の一方法を持ち、障害に強いデータ転
送が可能となる。
【0082】さらに、前記ネットワーク中のマスタ権利
を、他のノード(スレーブ)に移す時に、ノードの上位
のCPU間で当該ネットワークを介したネゴシエーショ
ンを持って実現することにより、ネットワークの運行を
円滑に行う為に極めて重要な機能を有するマスタ権利の
移動を、上位CPUが介在せず通信装置のみの単独で実
施して、ネットワークの動作が不安定となる可能性が排
除されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1〜5に係るエレベー
ターの通信制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1〜3に係る通信制御
装置の持つレジスタを示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る通信制御装置
の構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係るデータ通信タ
イミングを示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る同期開始デー
タ送信タイミングを示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る通信制御装置
の構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る伝送路切断時
のマスタの動作を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態2に係る伝送路切断時
のスレーブの動作を示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態2〜4に係る通信制御
装置の持つレジスタマップを示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態2に係る通信制御装
置の構成を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態3に係る通信制御装
置の構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態3に係る伝送路切断
時のマスタの動作を示すフローチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態3に係る通信制御装
置の構成を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態4に係る通信制御装
置の構成を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態4に係るネットワー
ク衝突時のマスタの動作を示すフローチャートである。
【図16】 この発明の実施の形態4に係る通信制御装
置の構成を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態4に係る通信制御装
置の構成を示す図である。
【図18】 この発明の実施の形態5に係る通信制御装
置の構成を示す図である。
【図19】 この発明の実施の形態5に係るスレーブノ
ードのマスタ権利獲得手順を示すフローチャートであ
る。
【図20】 この発明の実施の形態5に係るマスタノー
ドのマスタ権利放棄手順を示すフローチャートである。
【図21】 従来のエレベータの通信制御装置の構成を
示す図である。
【図22】 従来の通信制御装置の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 群管理制御ユニット、2 各台制御ユニット、3
各台制御ユニット、4各台制御ユニット、5 乗場登録
制御ユニット、6 乗場登録制御ユニット、7 乗場表
示制御ユニット、8 拡張用制御ユニット、10 通信
装置、11HUB、20A 群管理制御装置、20B
各台制御装置、20C 各台制御装置、20D 各台制
御装置、20E 乗場登録制御装置、20F 乗場登録
制御装置、20G 乗場表示制御装置、20H 拡張用
制御装置、31 伝送路、32 伝送路、33 伝送
路、34 伝送路、35 伝送線、36 伝送路、41
乗場釦登録装置、42 乗場表示装置、43 行先階登
録装置、51 マスタ、52 スレーブ、53 HU
B、54 スレーブ、55 マスタ、60 ネットワー
クの切断、61 ネットワークの切断、500 上位C
PU、501 スレーブ、502 スレーブ、503
マスタ、504 伝送路、505 伝送路、601 マ
スタ、602 スレーブ、603 ネットワーク、60
4 伝送路、605 断線、611 マスタ、612
スレーブ、613 ネットワーク、614 伝送路、6
21 マスタ、623 ネットワーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 淳也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山口 啓太 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3F303 AA05 CA01 CB42 CB52 FA01 FA07 3F304 CA11 EA24 EB27 ED01 5K033 AA07 CC01 DA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベーターを制御する各台制御ユニッ
    ト及び乗場登録制御ユニットを含む複数の制御ユニット
    が各々ノードを有し、これら複数のノードがネットワー
    クを介して相互に接続され、各ノードがノード番号とネ
    ットワークアドレスを対応づけた管理表を持っているエ
    レベーターの通信制御装置であって、 前記管理表を参照して自己のノード番号に対応する第1
    のネットワークアドレスが前記管理表の中で特定のアド
    レスである場合は、他の全てのノードに対して前記第1
    のネットワークアドレスを付加した仮マスタである旨の
    一斉同報通信を送信し、別の仮マスタから自己のノード
    番号に対応する第2のネットワークアドレスを付加した
    仮マスタである旨の一斉同報通信を受信したときに、前
    記第1及び第2のネットワークアドレスが特定の条件に
    適合したときにはマスタとして振る舞うノードと、 前記管理表を参照して自己のノード番号に対応するネッ
    トワークアドレスが前記管理表の中で特定のネットワー
    クアドレスでない場合、または前記管理表を参照して自
    己のノード番号に対応する第1のネットワークアドレス
    が前記管理表の中で特定のアドレスである場合で、他の
    全てのノードに対して前記第1のネットワークアドレス
    を付加した仮マスタである旨の一斉同報通信を送信し、
    別の仮マスタから自己のノード番号に対応する第2のネ
    ットワークアドレスを付加した仮マスタである旨の一斉
    同報通信を受信したときに、前記第1及び第2のネット
    ワークアドレスが特定の条件に適合しないときにはスレ
    ーブとして振る舞うノードとを備えたエレベーターの通
    信制御装置において、 前記マスタとして振る舞うノードは、複数のスレーブの
    うち一つのスレーブに同期開始データを送付し、スレー
    ブからの同期完了データを受信すると、順繰りに次のス
    レーブに次の同期開始データに送信し、 同期開始データの送信間隔を同期開始データ送信周期と
    した時、同期開始データの送信から同期完了データ受信
    までの時間と、自身のデータ送信タイミングまでに送信
    バッファにためた送信データの数から算出できるデータ
    送信所要時間と、同期開始データ送信周期の目標時間と
    から同期開始データ送信のタイミングが目標の周期にな
    るように調整することを特徴とするエレベーターの通信
    制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のエレベーターの通信制
    御装置において、 前記ネットワーク上の各ノードは、それぞれネットワー
    クとの接続を監視し、接続が電気的(物理的)に途切れ
    た時に、切断直前の状態を維持し停止して、引き続きネ
    ットワークとの接続を監視し、ネットワークが復旧し、
    再度接続された時に、マスタノード、スレーブノード共
    に切断直前の状態でネットワークに参入することを特徴
    とするエレベーターの通信制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエレベーターの通信制
    御装置において、 前記ネットワークの復旧時に、前記管理表中でネットワ
    ークアドレスがマスタとしての特定のアドレスであるノ
    ードの場合、切断直前の状態がスレーブだったとして
    も、再接続時にはマスタとして参入することを特徴とす
    るエレベーターの通信制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のエレベーターの通信制
    御装置において、 前記ネットワークの途中が物理的(電気的)に分断さ
    れ、分断された双方のネットワークにおいて復旧が行わ
    れ、それぞれのネットワーク上でマスタ動作するノード
    がネットワークを制御している場合、分断された接続が
    再び接続され1つのネットワークを形成した時に、それ
    ぞれのネットワークのマスタノードが、1つになったネ
    ットワークのマスタ権利を奪い合うとき、 自身のネットワーク上にスレーブノードがあるかどうか
    の判定条件と、 前記管理表中でのネットワークアドレスで定義した優先
    度の比較条件との二つの複合条件からマスタ権利を獲得
    できる唯一のノードを決定することを特徴とするエレベ
    ーターの通信制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のエレベーターの通信制
    御装置において、 前記ネットワーク中のマスタ権利を、他のノード(スレ
    ーブ)に移す時に、ノードの上位のCPU間で当該ネッ
    トワークを介したネゴシエーションを持って実現するこ
    とを特徴とするエレベーターの通信制御装置。
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