JP2002309273A - ディーゼルエンジンシステム - Google Patents

ディーゼルエンジンシステム

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JP2002309273A
JP2002309273A JP2001116872A JP2001116872A JP2002309273A JP 2002309273 A JP2002309273 A JP 2002309273A JP 2001116872 A JP2001116872 A JP 2001116872A JP 2001116872 A JP2001116872 A JP 2001116872A JP 2002309273 A JP2002309273 A JP 2002309273A
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章浩 大橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼル車の継続走行による燃費の悪化を
防ぎ、かつ排出ガス中の汚染物質の低減とともに温室効
果ガスの排出量の削減による環境改善に効果的に対処で
きる燃料とオイルとを組み合わせて使用するディーゼル
エンジンシステムを提供する。 【解決手段】 燃料全量基準でセタン価向上剤500p
pm以上を含有する燃料と、数平均分子量(Mn)15
00以上の長鎖炭化水素基を有するコハク酸イミド及び
/又はその誘導体をオイル全量基準で1〜15質量%及
び酸化防止剤をオイル全量基準で0.1〜10質量%を
それぞれ含有するエンジンオイルとを組み合わせて使用
することを特徴とするディーゼルエンジンシステム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンシステムに関し、更に詳しくは、継続使用(走行)に
よる燃費の悪化を防ぎ(初期の低燃費の維持)、環境改
善に有効な、特定の燃料と特定のエンジンオイルを組み
合わせて用いるディーゼルエンジンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年社
会的に資源問題、環境問題への関心が高まり、とりわけ
二酸化炭素による地球温暖化問題と都市における大気汚
染問題に対する解決策が強く求められるようになった。
自動車に対しては次世代エネルギーといわれる燃料電池
の開発や代替エネルギーの開発とともに燃費向上、排出
ガス規制対応のための技術向上が急務となっている。京
都議定書では我が国の温室効果ガス排出量を2010年
前後に1990年比で6%削減することを盛り込んでお
り、産業、民生、運輸の3部門で2%の温室効果ガス排
出量の削減を達成することが政府の基本方針として示さ
れている。自動車の燃費目標については1998年に通
産省と運輸省の合同小委員会でガソリン自動車は201
0年度に乗用車22.8%、貨物車13.2%、ディー
ゼル自動車は2005年度に乗用車14.9%、貨物車
6.5%改善(1995年度対比)が告示されている。
これらの高い目標に対応するためディーゼルエンジンで
はコモンレール化、電子制御化、加給、直噴化等の技術
が開発されている。そこで、本発明はこのような実状に
鑑みなされたものであり、ディーゼル車の排出ガス中の
汚染物質を低減するとともに、温室効果ガスの排出量の
削減による環境改善に効果的に対処できる燃料とオイル
とを組み合わせて使用するディーゼルエンジンシステム
を提供することを目的とする。また、本発明は継続走行
による燃費の悪化を防ぐことができる燃料とオイルとを
組み合わせて使用するディーゼルエンジンシステムを提
供することをも目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の燃料と特
定のエンジンオイルとを組み合わせてディーゼルエンジ
ンに使用することにより、継続走行による燃費の悪化を
抑制できると共に特に二酸化炭素の排出量の削減など環
境の改善にも顕著に効果が得られることを見出し、本発
明を完成させるに至った。本発明は、燃料全量基準でセ
タン価向上剤500ppm以上を含有する燃料と、数平
均分子量(Mn)1500以上の長鎖炭化水素基を有す
るコハク酸イミド及び/又はその誘導体をオイル全量基
準で1〜15質量%及び酸化防止剤をオイル全量基準で
0.1〜10質量%をそれぞれ含有するエンジンオイル
とを組み合わせて使用することを特徴とするディーゼル
エンジンシステムにある。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明では、セタン価向上剤を5
00ppm以上を含有する燃料と、数平均分子量(M
n)1500以上の長鎖炭化水素基を有するコハク酸イ
ミド及び/又はその誘導体をオイル全量基準で1〜15
質量%及び酸化防止剤をオイル全量基準で0.1〜10
重量%それぞれ含有するエンジンオイルとを組み合わせ
て使用することを特徴とする。
【0005】先ず、燃料(軽油組成物)について説明す
る。本発明で用いる燃料は、軽油にセタン価向上剤を含
有してなるものである。セタン価向上剤は、当業界でセ
タン価向上剤として知られる各種の化合物を任意に使用
することができる。例えば、硝酸エステルや有機過酸化
物等を挙げることができる。本発明では、硝酸エステル
を用いることが好ましい。硝酸エステルには、2−クロ
ロエチルナイトレート、2−エトキシエチルナイトレー
ト、イソプロピルナイトレート、ブチルナイトレート、
第一アミルナイトレート、第二アミルナイトレート、イ
ソアミルナイトレート、第一ヘキシルナイトレート、第
二ヘキシルナイトレート、n−ヘプチルナイトレート、
n−オクチルナイトレート、2−エチルヘキシルナイト
レート、シクロヘキシルナイトレート、及びエチレング
リコールジナイトレートなどの種々のナイトレート等が
包含される。この中でも、炭素数6〜8のアルキルナイ
トレートが好ましい。また、セタン価向上剤としては1
種の化合物を単独で用いても良く、2種以上の化合物を
組み合わせて用いても良い。
【0006】セタン価向上剤の含有量は、燃料全量基準
で500質量ppm以上である。この含有量に満たない
場合にはディーゼルエンジン排出ガス中のNOx濃度、
PM濃度、アルデヒド濃度等を満足できる程度に低下さ
せることができない。本発明では、セタン価向上剤の含
有量は燃料全量基準で600質量ppm以上であること
が好ましく、800質量ppm以上であることがより好
ましく、1000質量ppm以上であることが更に好ま
しく、1200質量ppm以上であることが最も好まし
い。なお、セタン価向上剤と称して市販されている商品
は、セタン価向上に寄与する有効成分(セタン価向上
剤)を適当な溶剤で希釈した状態で入手されるのが通例
である。こうした市販品を使用して燃料を調製する場合
には、燃料中の前記有効成分の含有量が、燃料全量基準
で500質量ppm以上となるように用いることが肝要
である。
【0007】本発明で用いる燃料は、軽油にセタン価向
上剤を添加することで製造することができる。その製造
方法は特に限定されず従来周知の任意の方法を採用する
ことができる。通常軽油は軽油基材を1種又は2種以上
使用して製造する。軽油基材としては、具体的には例え
ば、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油;常圧蒸
留装置から得られる直留重質油や残査油を減圧蒸留装置
にかけて得られる減圧軽油;減圧蒸留装置から得られる
減圧軽油を水素化精製して得られる水素化精製軽油;直
留軽油を通常の水素化精製より苛酷な条件で一段階又は
多段階で水素化脱硫して得られる水素化脱硫軽油;脱硫
又は未脱硫の減圧軽油、減圧重質軽油あるいは脱硫重油
を接触分解して得られる接触分解軽油;原油の常圧蒸留
により得られる直留灯油;直留灯油を水素化精製して得
られる水素化精製灯油;原油の常圧蒸留によって得られ
る軽油留分を分解して得られる分解灯油等が挙げられ
る。
【0008】本発明で用いる燃料の蒸留性状については
特に制限はない。しかし、下記の性状を満たしているこ
とが望ましい。 初留点 :135〜200℃ 10容量%留出温度(T10):155〜230℃ 30容量%留出温度(T30):175〜260℃ 50容量%留出温度(T50):190〜300℃ 70容量%留出温度(T70):220〜330℃ 90容量%留出温度(T90):290〜360℃ 95容量%留出温度(T95):310〜370℃ 蒸留終点 :330〜380℃
【0009】本発明で用いる燃料の初留点の下限値は、
低すぎると一部の軽質留分が気化して噴霧範囲が広がり
すぎ、未燃分として排出ガスに同伴される炭化水素量が
増加する恐れがあることから、135℃が好ましく、よ
り好ましくは140℃、さらにより好ましくは145℃
である。一方、初留点の上限値は、高すぎると低温始動
性及び低温運転性に不具合を生じる可能性があることか
ら、200℃であることが好ましい。本発明で用いる燃
料のT10の下限値は、低すぎると初留点が低すぎる場合
と同様な理由から、排出ガスに同伴される炭化水素量の
増大が懸念されるため、155℃が好ましく、より好ま
しくは165℃である。一方、T10の上限値は、高すぎ
ると低温始動性及び低温運転性に不具合を生じる心配が
あることから、230℃であることが好ましい。本発明
で用いる燃料のT30の下限値は、低すぎると上述と同じ
理由から、排出ガスに同伴される炭化水素量の増大が懸
念されるため175℃が好ましく、より好ましくは18
0℃、さらにより好ましくは185℃である。一方、T
30の上限値は、高すぎると低温始動性及び低温運転性に
不具合を生じる可能性があることから、260℃である
ことが好ましい。
【0010】本発明で用いる燃料のT50の下限値は、燃
費及びエンジン出力の面から、190℃が好ましく、よ
り好ましくは195℃、さらにより好ましくは200℃
である。一方、T50の上限値は、排出ガス中の粒子状物
質(PM)濃度を増加させないために、300℃である
ことが好ましい。本発明で用いる燃料のT70の下限値
は、上記T50と同様T70は燃費とエンジン出力を左右す
るため、燃費をより向上させ、エンジンの出力をより高
めるために、220℃が好ましく、より好ましくは22
5℃、さらにより好ましくは230℃である。一方、T
70の上限値は、低温運転性の点から及び排出ガス中のP
M濃度を増加させないために、330℃であることが好
ましい。本発明で用いる燃料のT90の下限値は、燃料噴
射ポンプにおける潤滑性の点から、290℃が好まし
く、より好ましくは300℃である。一方、T90の上限
値は、低温運転性の点から及び排出ガス中のPM濃度を
増加させないために、360℃であることが好ましく、
350℃であることがさらに好ましい。本発明で用いる
燃料のT95の下限値は、燃料噴射ポンプにおける潤滑性
の点から、310℃が好ましい。一方、T95の上限値
は、低温運転性の点から及び排出ガス中のPM濃度を増
加させないために、370℃であることが好ましい。本
発明で用いる燃料の蒸留終点の下限値は、燃料噴射ポン
プにおける潤滑性の点から、330℃が好ましい。一
方、蒸留終点のの上限値は、低温運転性の点から及び排
出ガス中のPM濃度を増加させないためには、380℃
であることが好ましく、375℃であることが更に好ま
しい。本発明において、蒸留性状(初留点、T10
30、T50、T70、T90、T95、蒸留終点)は、全てJ
IS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」によっ
て測定される値である。
【0011】本発明で用いる燃料において、飽和分、オ
レフィン分及び芳香族分の各含有量については特に制限
はないが、下記を満たすことが望ましい。 飽和分含有量 :60〜95容量% オレフィン分含有量:5容量%以下 芳香族分含有量 :5〜40容量% 本発明で用いる燃料の飽和分含有量の下限値は、排出ガ
ス中のNOx及びPMの各濃度を低下させることから、
60容量%であることが好ましく、より好ましくは70
容量%であり、さらにより好ましくは75容量%であ
る。一方、飽和分含有量の上限値は、低温始動性及び低
温運転性を良好に維持することから、95容量%である
ことが好ましく、より好ましくは90容量%、さらによ
り好ましくは80容量%である。本発明で用いる燃料の
オレフィン分含有量は、当該組成物の安定性の観点か
ら、5容量%以下が好ましく、より好ましくは3容量%
以下、最も好ましくは1容量%以下である。本発明で用
いる燃料の芳香族分含有量の下限値は、燃料消費率及び
エンジン出力に関係することから、5容量%が好まし
く、より好ましくは10容量%、さらにより好ましくは
15容量%、最も好ましくは20容量%である。一方、
芳香族分含有量の上限値は、排出ガスに含まれるNOx
及びPMの各濃度に関係することから、40容量%であ
ることが好ましく、より好ましくは35容量%、最も好
ましくは30容量%である。本発明において、飽和分含
有量、オレフィン分含有量及び芳香族分含有量は、JP
I 5S−49−97に規定する「石油製品−炭化水素
タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」に準拠し
て測定される飽和分、オレフィン分及び芳香族分の容量
百分率(容量%)を意味する。
【0012】本発明に用いる燃料の2環以上の芳香族含
有量は何ら制限はないが、この含有量が12容量%を越
える場合にエンジンからのPM排出量が増加する恐れが
あるため、12容量%以下であることが好ましく、更に
好ましくは10容量%以下、特に好ましくは8容量%以
下、最も好ましくは6容量%以下である。本発明におい
て、2環以上の芳香族分含有量は、JIS 5S−49
−97に規定する「石油製品−炭化水素タイプ試験方法
−高速液体クロマトグラフ法」に準拠して測定される2
環芳香族分、及び3環以上の芳香族分を合わせた容量百
分率(容量%)を意味する。
【0013】本発明に用いる燃料中の硫黄分は何ら制限
はないが、硫黄分が0.05質量%を超える場合は排出
ガスの後処理装置の耐久性を悪化させたり、エンジン内
部の腐食を招く恐れがあるため、硫黄分は0.05質量
%以下であることが好ましく、0.03質量%以下であ
ることが更に好ましく、0.005質量%以下であるこ
とが最も好ましい。本発明において、硫黄分とはJIS
K 2541「硫黄分試験方法」により測定される硫
黄の含有量を意味する。
【0014】本発明で用いる燃料のセタン指数、セタン
価については特に制限はない。しかし、排出ガス中のN
Ox、PM、アルデヒドの各濃度をより低減させること
ができることから、セタン指数は45以上であることが
好ましく、より好ましくは48以上、更に好ましくは5
0以上、最も好ましくは52以上である。セタン価は4
7以上であることが好ましく、より好ましくは50以
上、更に好ましくは52以上、最も好ましくは54以上
である。本発明において、セタン指数とは、JIS K
2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン
価試験方法並びにセタン指数算出方法」の「8.4変数
方程式を用いたセタン指数の算出方法」に準拠して算出
した値を意味する。なお、セタン指数は通常はセタン価
向上剤を添加した軽油には適用されないが、本発明にお
いてはセタン価向上剤を含有する軽油に対しても同様の
式を用いて算出した値を用いるものとする。またセタン
価とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油−オ
クタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方
法」の「7.セタン価試験方法」に準拠して測定される
セタン価を意味する。
【0015】本発明で用いる燃料の動粘度については特
に制限はない。しかし、燃料噴射時期の制御及びエンジ
ンに付設された分配型燃料噴射ポンプの潤滑性の点か
ら、30℃における動粘度は、1.7mm2/s以上で
あることが好ましく、より好ましくは2.0mm2/s
以上、更に好ましくは2.5mm2/s以上、最も好ま
しくは2.7mm2/s以上である。一方、排出ガス中
のPM濃度を増加させないためにも、また低温での始動
性に及ぼす影響を小さくさせるためにも、30℃におけ
る動粘度は、6.0mm2/s以下であることが好まし
く、より好ましくは5.0mm2/s以下、最も好まし
くは4.5mm2/s以下である。本発明において、動
粘度とはJIS K 2283「原油及び石油製品−動
粘度試験方法及び粘度指数算出方法」により測定される
動粘度を意味する。
【0016】本発明で用いる燃料の15℃における密度
については特に制限はない。しかし、燃料消費率及び加
速性をより向上させることができることから、その値は
800kg/m3以上であることが好ましく、更に好ま
しくは810kg/m3以上であり、更に好ましくは8
20kg/m3以上である。一方、排出ガス中のPM濃
度をより低下させることができることから、15℃にお
ける密度は、860kg/m3以下であることが好まし
く、より好ましくは850kg/m3以下である。本発
明において、密度とはJIS K 2249「原油及び
石油製品の密度試験方法並びに密度・質量・容量換算
表」により測定される密度を意味する。
【0017】本発明に用いる燃料の流動点(PP)につ
いては特に制限はない。しかし、低温始動性ないしは低
温運転性の点から、PPは0℃以下であることが好まし
く、より好ましくは−5℃以下、最も好ましくは−7.
5℃以下である。本発明においてPPとは、JIS K
2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品
曇り点試験方法」により測定される流動点を意味する。
本発明に用いる燃料の目詰まり点(CFPP)について
は特に制限はない。しかし、一般的には燃料のCFPP
は0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−3
℃以下、最も好ましくは−5℃以下である。本発明にお
いてCFPPとは、JIS K 2288「軽油−目詰
まり点試験方法」により測定される目詰まり点を意味す
る。本発明に用いる燃料の曇り点(CP)については特
に制限はない。しかし、低温始動性ないしは低温運転性
の点から、CPは0℃以下であることが好ましい。本発
明においてCPとは、JIS K 2269「原油及び
石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」によ
り測定される流動点を意味する。
【0018】本発明で用いる燃料には添加剤として、セ
タン価向上剤以外の他の添加剤を含有していても良い。
このような添加剤として例えば、潤滑性向上剤及び清浄
剤を挙げることができる。潤滑性向上剤としては、例え
ば、カルボン酸系、エステル系、アミン系、アルコール
系及びフェノール系の各潤滑性向上剤等が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上が任意に使用可能である。この
中でも、カルボン酸系、エステル系、あるいはアミン系
の潤滑性向上剤を使用することが好ましい。カルボン酸
系の潤滑性向上剤としては、例えば、リノ−ル酸、オレ
イン酸、サリチル酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、及
びヘキサデセン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種
以上が任意に使用可能である。エステル系の潤滑性向上
剤としては、例えば、グリセリンのカルボン酸エステル
等が挙げられる。カルボン酸エステルを構成するカルボ
ン酸は、1種であっても2種以上であってもよく、その
具体例としては、リノ−ル酸、オレイン酸、サリチル
酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ヘキサデセン酸等が
挙げられる。アミン系の潤滑性向上剤としては、例え
ば、オレイン酸のアミン塩を挙げることができる。アミ
ンとしては炭素数2〜20のものが好ましく、更に好ま
しくは炭素数2〜18のものであり、最も好ましくは炭
素数2〜12のものである。潤滑性向上剤の含有量は特
に制限はない。しかし、潤滑性向上剤の効能を引き出す
ためには、具体的には、分配型噴射ポンプを搭載したデ
ィーゼルエンジンにおいては、運転中のポンプの駆動ト
ルク増を抑制し、ポンプの摩耗を低減させるために、潤
滑性向上剤の含有量は、燃料全量基準で35質量ppm
以上であることが好ましく、50質量ppm以上である
ことがより好ましい。一方、それ以上加えても添加量に
見合う効果が得られないことから、潤滑性向上剤の含有
量は、燃料全量基準で500質量ppm以下であること
が好ましく、300質量ppm以下であることがより好
ましい。なお、潤滑性向上剤と称して市販されている商
品は、それぞれ潤滑性向上に寄与する有効成分が適当な
溶剤で希釈された状態で入手されるのが通例である。こ
うした市販品を本発明の燃料に配合した場合にあって
は、潤滑性向上剤に関して上述した含有量は、有効成分
としての含有量を意味する。
【0019】清浄剤としては、例えば、イミド系化合
物;ポリブテニルコハク酸無水物とエチレンポリアミン
類とから合成されるポリブテニルコハク酸イミド等のア
ルケニルコハク酸イミド;ペンタエリスリトール等の多
価アルコールとポリブテニルコハク酸無水物から合成さ
れるポリブテニルコハク酸エステル等のコハク酸エステ
ル;ジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリエチ
レングリコールメタクリレート、ビニルピロリドン等と
アルキルメタクリレートとのコポリマー等の共重合系ポ
リマー;及びカルボン酸とアミンの反応生成物等の無灰
清浄剤等が挙げられる。これらの中の任意の1種又は2
種以上が使用可能である。これらの中でも、アルケニル
コハク酸イミド及びカルボン酸とアミンとの反応生成物
が好ましい。アルケニルコハク酸イミドとしては、重量
平均分子量1000〜4000程度のアルケニルコハク
酸イミドを単独使用する場合と、重量平均分子量700
〜2000程度のアルケニルコハク酸イミドと重量平均
分子量10000〜20000程度のアルケニルコハク
酸イミドとを混合したもの等が挙げられる。カルボン酸
とアミンとの反応生成物を構成するカルボン酸は1種で
あっても2種以上であってもよく、その具体例として
は、炭素数12〜24の脂肪酸及び炭素数7〜24の芳
香族カルボン酸等が挙げられる。炭素数12〜24の脂
肪酸としては、リノール酸、オレイン酸、パルミチン
酸、ミリスチン酸等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。また、炭素数7〜24の芳香族カルボ
ン酸としては、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、カルボン
酸とアミンとの反応生成物を構成するアミンは、1種で
あっても2種以上であっても良い。ここで用いられるア
ミンとしては、オレイルアミンが代表的であるが、これ
に限定されるものではなく、各種アミンが使用可能であ
る。
【0020】清浄剤の含有量は、燃料全量基準で30質
量ppm以上であることが好ましく、更に好ましくは7
0質量ppm以上、より好ましくは100質量ppm以
上、最も好ましくは150質量ppm以上である。清浄
剤の含有量が30質量ppmに満たない場合には添加し
ても充分な効果が得られにくい。一方、清浄剤の含有量
が多すぎても、それに見合う効果が期待できず、逆にデ
ィーゼルエンジン排出ガス中のNOx、PM、アルデヒ
ド等を増加させる恐れがあることから、その含有量は3
00質量ppm以下であることが好ましく、より好まし
くは180質量ppm以下である。なお、清浄剤と称し
て市販されている商品は、それぞれ清浄に寄与する有効
成分が適当な溶剤で希釈された状態で入手されるのが通
例である。こうした市販品を燃料に配合した場合にあっ
ては、清浄剤に関して上述した含有量は、有効成分とし
ての含有量を意味する。
【0021】本発明で使用する燃料には、他の性能をさ
らに高める目的でその他の公知の燃料油添加剤を単独で
又は数種類組み合わせて添加することもできる。これら
の添加剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重
合体をはじめとするエチレン−カルボン酸ビニル共重合
体、アルケニルコハク酸アミド等の低温流動性向上剤;
フェノール系、アミン系等の酸化防止剤;サリチリデン
誘導体等の金属不活性化剤;ポリグリコールエーテル等
の氷結防止剤;脂肪族アミン、アルケニルコハク酸エス
テル等の腐食防止剤;アニオン系、カチオン系、両性系
界面活性剤等の帯電防止剤;アゾ染料等の着色剤;及び
シリコン系等の消泡剤等が挙げられる。これらの添加剤
の添加量は任意に決めることができるが、添加剤個々の
添加量は、燃料全量基準で通常0.5質量%以下、好ま
しくは0.2質量%以下である。
【0022】次にエンジンオイルについて説明する。本
発明に用いるエンジンオイルは、基油に数平均分子量
(Mn)1500以上の長鎖炭化水素基を有するコハク
酸イミド及び/又はその誘導体と酸化防止剤とを含有す
る。基油としては、鉱油系基油あるいは合成系基油が挙
げられる。鉱油系基油としては、具体的には例えば、原
油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、
溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触
脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理
等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン
系等の油やノルマルパラフィン等が使用できる。合成系
基油としては、具体的には例えば、ポリα−オレフィ
ン、ポリオールエステル、イソブテンオリゴマー若しく
はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、
アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシ
ルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジ
イソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2
−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオキシアルキレ
ングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフ
ェニルエーテル等が使用できる。
【0023】コハク酸イミド及び/又はその誘導体に含
まれる長鎖炭化水素基としては、例えば、アルキル基及
びアルケニル基を挙げることができ、具体的にはポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレンオリゴマー、及びポリ
ブテンなどから誘導される分枝アルケニル基やその水素
化物である分枝アルキル基が挙げられる。本発明では、
長鎖炭化水素基はポリブテニル基であることが好まし
い。なお、ポリブテンとはブテン混合物あるいは高純度
イソブチレンを塩化アルミニウム系触媒又はフッ化ホウ
素系触媒等の共存下で重合させたポリブテンあるいはポ
リイソブチレンを意味する。コハク酸イミドの製造方法
については任意の従来方法が採用可能であり、例えば数
平均分子量1500以上のポリブテン又は塩素化ポリブ
テンと無水マレイン酸とを100〜200℃の温度で反
応させて得られるポリブテニルコハク酸に、ポリアミン
を反応させることにより得ることができる。ポリアミン
としては、具体的にはジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペン
タエチレンヘキサミン等が好ましい例として挙げること
ができる。
【0024】またコハク酸イミドの誘導体としては、具
体的には例えば、前述したようなコハク酸イミドに炭素
数1〜30のモノカルボン酸や、シュウ酸、フタル酸、
トリメリット酸、あるいはピロメリット酸等の炭素数2
〜30のポリカルボン酸若しくはこれらの無水物、又は
エステル化合物、炭素数2〜6のアルキレンオキサイ
ド、ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネー
ト、又はこれらの混合物を作用させて、残存するアミノ
基及び/又はイミノ基の一部又は全部を中和したり、ア
ミド化した含酸素炭化水素変性化合物;前述したような
コハク酸イミドに硫黄化合物を作用させた硫黄変性化合
物;前述したようなコハク酸イミド又は上記のコハク酸
イミド変性化合物をホウ酸、ホウ酸塩又はホウ酸エステ
ル等のホウ素化合物で変性した、いわゆるホウ素変性化
合物等を挙げることができる。コハク酸イミド及びその
誘導体の構造は、モノ体、ビス体を問わず、いずれでも
良く、また長鎖炭化水素基の数もこれに応じて増減でき
る。ポリブテニル基を2つ有するポリブテニルビスコハ
ク酸イミド及びその誘導体であることが好ましい。
【0025】コハク酸イミド及び/又はその誘導体の含
有量は、オイル全量基準で1〜15質量%であり、好ま
しくは2〜12質量%である。これらの含有量が1質量
%に満たないエンジンオイルを用いた場合は、本発明で
規定する燃料と組み合わせても継続使用による燃費悪化
抑制(初期低燃費維持)及び環境改善に寄与できず好ま
しくない。一方、これらの含有量が15質量%を超える
場合は、含有量に見合うだけのすす分散性の向上が得ら
れず、また低温流動性を悪化させるため、好ましくな
い。また、コハク酸イミド及びその誘導体の数平均分子
量(Mn)は、1500以上、好ましくは1900以上
である。数平均分子量(Mn)が1500に満たない場
合、本発明で規定する燃料と組み合わせても上記継続使
用による燃費悪化抑制や環境改善に寄与できない。
【0026】酸化防止剤としては、フェノール系化合物
やアミン系化合物等、潤滑油に一般的に使用されている
ものであれば、いずれも使用可能である。このような酸
化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブ
チル−4−メチルフェノール等のアルキルフェノール
類、メチレン−4,4−ビス(2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノール)等のビスフェノール
類、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン
類、エステル基含有フェノール類、ジアルキルジフェニ
ルアミン類、フェノチアジン類、及びモリブデン、銅等
の金属系酸化防止剤等を挙げることできる。酸化防止剤
の含有量は、オイル全量基準で0.1〜10質量%であ
り、好ましくは0.3〜5.0質量%である。その含有
量が0.1質量%に満たない場合は、継続使用による燃
費低減抑制及び環境改善に寄与できず好ましくない。一
方、その含有量が10質量%を超える場合は、含有量に
見合うだけの上記のような効果が得られず、好ましくな
い。
【0027】本発明で用いるエンジンオイルには、さら
に性能を高める目的で、公知の潤滑油添加剤を添加する
ことができる。例えば、潤滑油添加剤としては、例え
ば、上記コハク酸イミド及びその誘導体以外の無灰分散
剤、金属系清浄剤、極圧添加剤及び摩耗防止剤、摩擦調
整剤、粘度指数向上剤、錆止め剤、腐食防止剤、流動点
降下剤、ゴム膨潤剤、消泡剤、及び着色剤等を挙げるこ
とができる。これらは単独で又は数種類組み合わせた形
で添加することができる。
【0028】コハク酸イミド及びその誘導体以外の無灰
分散剤としては、例えば、ベンジルアミン、アルキルポ
リアミン、又はこれらのホウ素化合物や硫黄化合物によ
る変性品、アルケニルコハク酸エステル等を挙げること
ができ、これらを混合して使用することも可能である。
金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ土類金属スル
ホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類
金属サリシレート等を挙げることができる。アルカリ土
類金属としてはマグネシウム又はカルシウムが好まし
く、カルシウムが特に好ましい。これらの化合物の全塩
基価としては、通常0〜500mgKOH/g、好まし
くは0〜400mgKOH/gのものを適宜選択し、必
要に応じて混合使用することができる。金属系清浄剤の
添加量は、通常オイル全量基準で0.1〜10質量%で
あり、好ましくは0.5〜8質量%である。
【0029】極圧添加剤および摩耗防止剤としては、例
えば、第1級及び/又は第2級のアルキル基を持つジア
ルキルジチオリン酸亜鉛を挙げることができる。本発明
においてはこれらを単独あるいは混合して使用すること
ができる。またその他の極圧添加剤および摩耗防止剤と
しては、硫黄系化合物やリン系化合物が使用できる。硫
黄系化合物としては、例えば、ジスルフィド類、硫化オ
レフィン類、硫化油脂類を挙げることができる。またリ
ン系化合物としては、例えば、リン酸モノエステル類、
リン酸ジエステル類、リン酸トリエステル類、亜リン酸
モノエステル類、亜リン酸ジエステル類、亜リン酸トリ
エステル類、及びこれらのエステル類とアミン類、アル
カノールアミン類との塩等を挙げることができる。
【0030】摩擦調整剤としては、例えば、ジチオカル
バミン酸モリブデンやジチオリン酸モリブデン等の有機
モリブデン化合物;炭素数6〜30のアルキル基又はア
ルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基又は
直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、ア
ミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、あるいは
脂肪酸金属塩等およびこれらの任意混合物が挙げられ
る。これらの中では、ジチオカルバミン酸モリブデンが
好ましい。
【0031】粘度指数向上剤としては分散型あるいは非
分散型の粘度指数向上剤等が挙げられ、例えば分散型あ
るいは非分散型のポリメタクリレート類や、分散型ある
いは非分散型のエチレン−プロピレン共重合体等のオレ
フィン共重合体、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ス
チレン−ジエン共重合体等が使用可能である。錆止め剤
としては、例えば、アルケニルコハク酸、アルケニルコ
ハク酸エステル、多価アルコールエステル、石油スルホ
ネート、ジノニルナフタレンスルホネート等を挙げるこ
とができる。
【0032】腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリ
アゾール系、チアジアゾール系、イミダゾール系の化合
物等を挙げることができる。流動点降下剤としては、例
えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレー
ト系のポリマー等を挙げることができる。消泡剤として
は、例えば、ジメチルシリコーンやフルオロシリコーン
等のシリコーン類を挙げることができる。これらの添加
剤の添加量は任意であるが、通常エンジンオイル全量基
準で粘度指数向上剤は0.05〜20質量%、腐食防止
剤は0.005〜0.2質量%、消泡剤は0.0005
〜0.01質量%の含有量となるように添加し、その他
の添加剤は、通常エンジンオイル全量基準でそれぞれ
0.005〜10質量%程度の含有量となるように添加
する。
【0033】本発明は、ディーゼルエンジンに上記燃料
とエンジンオイルとを組み合わせて用いることで、初期
低燃費性維持特性を実現し、かつ環境改善に優れた効果
をもたらす技術を提供するものであり、これらの燃料と
エンジンオイルとを組み合わせて用いる対象にはディー
ゼルエンジンを原動機とする車両であれば何ら制限はな
い。ディーゼルエンジンとは燃料を圧縮着火し、ピスト
ンの往復運動から仕事を取り出す機関である。このよう
なディーゼルエンジンとしては、例えば、分配型ポンプ
副室式ディーゼルエンジン、分配型ポンプ直接噴射式デ
ィーゼルエンジン、列型ポンプ直接噴射式ディーゼルエ
ンジン、及びコモンレール直接噴射式ディーゼルエンジ
ン等を挙げることができる。本発明の方法は、これらの
全てのディーゼルエンジンに適用することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるも
のではない。
【0035】(実施例1〜8及び比較例1〜7)各種の
軽油組成物(燃料)とエンジンオイルをそれぞれ製造
し、これらの軽油組成物とエンジンオイルとを表1(実
施例1〜8)及び表2(比較例1〜7)のように組み合
わせてディーゼルエンジンに適用した。そして各組み合
わせについて耐久運転を行い、運転後の排出ガス評価及
び燃費性能評価を行なった。その評価結果を表1及び表
2に併記する。
【0036】(排出ガス評価)下記車両を用いて、市街
地を模擬した10・15モードにて1万km耐久運転を
行ない耐久走行後の排出ガス性能を評価した。排出ガス
性能評価はTRIAS24−4−1993 ディーゼル
自動車10.15モード排出ガス試験に従って行なっ
た。あわせて燃料流量測定器を用いて積算することから
燃料消費率を測定した。
【0037】 (試験車両) エンジン :直列4気筒 排気量 :2.2L 噴射方式 :副室式 噴射ポンプ :分配型電子制御噴射ポンプ 噴射ノズル開弁圧 :200kgf/cm2(19.6MPa) 後処理 :酸化触媒 触媒容量 :2L
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1及び表2の結果から、本発明の軽油組
成物(燃料)とエンジンオイルとを組み合わせて使用し
た実施例1〜8の場合には、いずれも1万km走行後に
おいても走行前の燃費とあまり変化なく、初期の良好な
燃費を維持しており、また二酸化炭素の排出量も抑えら
れ、従って本発明の特定の燃費と特定のオイルとを組み
合わせることによって環境改善にも貢献できることが分
かる。
【0041】これに対して、所定量のコハク酸イミドを
含有しないエンジンオイルと組み合わせた比較例1や所
定の数平均分子量を有しないコハク酸イミドとを組み合
わせた比較例2では、1万km走行後においては燃費が
悪化し、初期の良好な燃費が維持されず、またに二酸化
炭素の排出量も増加している。またセタン価向上剤を含
まない燃料を用いた場合やこの燃料と所定量のコハク酸
イミドを含有しないエンジンオイル、あるいは所定の数
平均分子量を有しないコハク酸イミドと組み合わせた比
較例3〜6の場合にも、同様に継続走行により燃費が悪
化し、またに二酸化炭素の排出量も増加することがわか
る。さらに酸化防止剤を含有しないエンジンオイルを組
み合わせた場合(比較例7)にも同様な結果を示してい
る。
【0042】
【発明の効果】セタン価向上剤を含有する燃料と、特定
の組成のコハク酸イミド及び/又は酸化防止剤を含有す
るエンジンオイルとを組み合わせて用いることによっ
て、ディーゼルエンジンの継続使用(走行)による燃費
の悪化を防ぐことができ、また特に二酸化炭素の排出量
の低減を可能にし、環境改善にも有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 169/04 C10M 169/04 // C10L 1/18 C10L 1/18 Z 1/22 1/22 Z C10N 30:04 C10N 30:04 30:10 30:10 40:25 40:25 (72)発明者 渡辺 裕朗 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 太田 晴久 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日石三 菱株式会社技術開発部内 Fターム(参考) 4H013 AA06 CE00 4H104 BB05C BE07C BF03C LA02 LA05 PA42

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料全量基準でセタン価向上剤500p
    pm以上を含有する燃料と、数平均分子量(Mn)15
    00以上の長鎖炭化水素基を有するコハク酸イミド及び
    /又はその誘導体をオイル全量基準で1〜15質量%及
    び酸化防止剤をオイル全量基準で0.1〜10質量%を
    それぞれ含有するエンジンオイルとを組み合わせて使用
    することを特徴とするディーゼルエンジンシステム。
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