JP2002302790A - スズ−銅合金メッキ方法 - Google Patents

スズ−銅合金メッキ方法

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JP2002302790A
JP2002302790A JP2001108025A JP2001108025A JP2002302790A JP 2002302790 A JP2002302790 A JP 2002302790A JP 2001108025 A JP2001108025 A JP 2001108025A JP 2001108025 A JP2001108025 A JP 2001108025A JP 2002302790 A JP2002302790 A JP 2002302790A
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Seiki Tsuji
清貴 辻
Keigo Obata
惠吾 小幡
Masakazu Yoshimoto
雅一 吉本
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Daiwa Kasei Kenkyusho KK
Ishihara Chemical Co Ltd
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Daiwa Kasei Kenkyusho KK
Ishihara Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛フリーであるスズ−銅合金メッキ皮膜での
スズホイスカーの発生を有効に防止する。 【解決手段】 スズ−銅合金メッキ浴を用いて素地金属
上にスズ−銅合金の電着皮膜を形成するスズ−銅合金メ
ッキ方法において、予め素地表面上にニッケルメッキを
施した後、このニッケルの下地メッキ皮膜の上にスズ−
銅合金メッキを施すスズ−銅合金メッキ方法である。素
地表面に予めニッケルメッキ皮膜を電気メッキ又は無電
解メッキで形成し、且つ、その後にスズ−銅合金メッキ
を施すため、鉛を含まないハンダメッキであり、クラッ
クが生じ難いなどの長所があるスズ−銅合金メッキ皮膜
にホイスカーが発生するのを確実に防止できる。しか
も、本発明では、ニッケルの下地メッキの膜厚に影響さ
れず、この課題を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスズ−銅合金メッキ
方法に関して、鉛フリーであるスズ−銅合金メッキ皮膜
でのホイスカーの発生を有効に防止できるものを提供す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、鉛は人体や環境への悪影響が懸念
されるようになり、鉛を含まないハンダメッキの開発が
要望されている。鉛フリーのハンダとしては、スズ−銅
合金、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金などがある
が、なかでも、スズ−銅合金はクラックが生じ難く、接
合強度に優れるうえ、スズ−銀合金などに比べてコスト
が低いという様々な長所があるが、その反面、銅合金な
どの金属素地にメッキするとスズホイスカーが発生し易
いという問題がある。
【0003】一般に、スズメッキ皮膜にはスズホイスカ
ーが発生することが知られており、プリント基板、或は
フィルムキャリアーのインナーリード部等の微細パター
ンにホイスカーが発生すると短絡の原因になる。スズメ
ッキ皮膜におけるホイスカーの抑制方法としては、メッ
キ後にアニール処理を施したり、鉛や錫−鉛合金などの
下地メッキを施したり、或は、スズメッキに鉛などの金
属を少量含有させるなどの方法がある。
【0004】例えば、特開平5−33187号公報に
は、銅又は銅合金の微細パターン上にスズメッキを施す
のに際して、最初に厚さ0.15μm以上のスズメッキ
を施し、次いで加熱処理して当該純スズ層を銅素地との
銅−スズ拡散層とした後、その上にスズメッキを施す方
法が開示されている。当該従来技術では、スズホイスカ
ーの駆動源の一つである銅−スズ拡散層を積極的に形成
することで、その上に再スズメッキ層を形成しても、そ
れ以上の銅−スズ拡散が進まず、或は進み難いために、
スズホイスカーが生長し難くなることが主張されている
(同公報の段落9参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術はスズメ
ッキ皮膜におけるホイスカーの防止方法であるが、本発
明は、同様にスズホイスカーが発生し易いスズ−銅合金
メッキ皮膜において、ホイスカーを有効に防止すること
を技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本出願人は、先に、特願
平11−358198号(以下、先行技術という)で、可
溶性第一スズ塩と、可溶性銅塩に加えて、鉄、コバル
ト、ニッケル、ビスマスなどの第三成分金属の可溶性塩
を含有し、当該含有重量比率が、例えば、可溶性銅塩/
可溶性第一スズ塩=0.001〜0.25で、且つ、第三
成分の可溶性金属塩/可溶性第一スズ塩=0.0001
〜0.1であることにより、ホイスカーを有効に防止で
きるスズ−銅合金系メッキ浴を提案した。
【0007】上記先行技術は、いわばスズ−銅合金メッ
キに第三成分金属を少量含有させて3元合金を形成させ
ることで、ホイスカーが発生し易いスズ−銅合金メッキ
皮膜の問題を克服しようとするものである。本発明者ら
は、上記先行技術の3元合金方式ではなく、当該先行技
術の第三成分金属の一つに列挙されているニッケルに着
目し、スズ−銅合金メッキ皮膜においては、銅合金など
の素地表面に予めニッケルの下地メッキを施すと、スズ
ホイスカーを効率良く防止できることを見い出し、本発
明を完成した。
【0008】即ち、本発明1は、スズ−銅合金メッキ浴
を用いて素地表面上にスズ−銅合金の電着皮膜を形成す
るスズ−銅合金メッキ方法において、予め素地表面上に
ニッケルメッキを施した後、このニッケルの下地メッキ
皮膜の上にスズ−銅合金メッキを施すことを特徴とする
スズ−銅合金メッキ方法である。
【0009】本発明2は、上記本発明1において、ニッ
ケルの下地メッキ皮膜の膜厚が0.05μm以上である
ことを特徴とするスズ−銅合金メッキ方法である。
【0010】本発明3は、上記本発明1又は2におい
て、ニッケルの下地メッキ皮膜が、コバルト、鉄、又は
リンなどを微量含有することを特徴とするスズ−銅合金
メッキ方法である。
【0011】本発明4は、上記本発明1〜3のいずれか
のスズ−銅合金メッキ方法を用いて、素地金属表面上に
スズ−銅合金メッキ皮膜を形成した半導体デバイス、プ
リント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャ
リアー、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデ
ンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動
子、リード線などの電子部品である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、第一に、予め素地表面
上にニッケルメッキを施し、この下地ニッケル皮膜の上
にスズ−銅合金メッキ浴を用いてスズ−銅合金メッキ皮
膜を被覆するスズ−銅合金メッキ方法であり、第二に、
この方法でスズ−銅合金メッキ皮膜を形成した各種電子
部品である。
【0013】上記スズ−銅合金メッキ浴は公知のメッキ
浴であって、その組成は特に限定されず、可溶性第一ス
ズ塩、可溶性銅塩、並びに酸又はその塩を浴ベースとし
て、これに界面活性剤、その他の添加剤を含有すること
ができる。上記可溶性第一スズ塩又は可溶性銅塩は、基
本的に、相当する金属イオンを水中で生成する任意の有
機又は無機の金属塩をいい、各々単用又は併用できる。
上記可溶性第一スズ塩としては、メタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、p−フ
ェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩
を初め、ホウフッ化第一スズ、スルホコハク酸第一ス
ズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズなどが
挙げられる。可溶性銅塩としては、上記有機スルホン酸
の銅塩、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピ
ロリン酸銅、シュウ酸銅などが挙げられる。
【0014】前述したように、浴ベースとなる酸は有機
酸又は無機酸を単用或は併用でき、有機酸としては、有
機スルホン酸、脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、
アミノカルボン酸などが挙げられ、無機酸としては、硫
酸、塩酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ酸、ス
ルファミン酸などが挙げられる。上記有機酸のうち、有
機スルホン酸は排水処理が容易であり、金属塩の溶解性
が高く、高速メッキが可能で、電導度も高いなどの点で
優れている。また、上記脂肪族カルボン酸、オキシカル
ボン酸、アミノカルボン酸などは、pH1〜10程度の
領域で金属塩の加水分解を防止する点で有効である。上
記有機スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタン
スルホン酸、1―プロパンスルホン酸、2―プロパンス
ルホン酸、1―ブタンスルホン酸、2―ブタンスルホン
酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカン
スルホン酸、ドデカンスルホン酸などのアルカンスルホ
ン酸、2―ヒドロキシエタン―1―スルホン酸、2―ヒ
ドロキシプロパン―1―スルホン酸(2−プロパノール
スルホン酸)、2―ヒドロキシブタン―1―スルホン
酸、2―ヒドロキシペンタン―1―スルホン酸などの
外、1―ヒドロキシプロパン―2―スルホン酸、3―ヒ
ドロキシプロパン―1―スルホン酸、4―ヒドロキシブ
タン―1―スルホン酸、2―ヒドロキシヘキサン―1―
スルホン酸、2―ヒドロキシデカン―1―スルホン酸、
2―ヒドロキシドデカン―1―スルホン酸などのアルカ
ノールスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナ
フタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンス
ルホン酸、p−フェノールスルホン酸、クレゾールスル
ホン酸、スルホサリチル酸、ニトロベンゼンスルホン
酸、スルホ安息香酸、ジフェニルアミン−4−スルホン
酸などの芳香族スルホン酸が挙げられる。前記脂肪族カ
ルボン酸としては、一般に、炭素数1〜6のカルボン酸
が使用でき、具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
スルホコハク酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。
上記オキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、グル
コン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。上記アミ
ノカルボン酸としては、エチレンジアミン四酢酸(ED
TA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニト
リロ三酢酸(NTA)、イミノジ酢酸(IDA)、イミノジ
プロピオン酸(IDP)、ヒドロキシエチルエチレンジア
ミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢
酸(TTHA)、グリシン、アラニン、N−メチルグリシ
ン、リジン、グルタミン酸、アスパラギン酸などが挙げ
られる。
【0015】本発明のスズ−銅合金メッキ浴には、目的
に応じて公知の界面活性剤、錯化剤、安定剤、光沢剤、
半光沢剤、pH調整剤、緩衝剤などの各種添加剤を適宜
混合することができる。上記界面活性剤としては、C1
〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフ
ェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリール
アルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、
1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエス
テル、スチレン化フェノール、ポリアルキレングリコー
ル、C1〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドな
どにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキ
シド(PO)を2〜300モル付加縮合したノニオン系界
面活性剤を初め、カチオン系、アニオン系、或は両性の
各種界面活性剤が挙げられる。 上記安定剤としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、ア
クロレイン、クロトンアルデヒドなどなどの不飽和カル
ボニル化合物、システイン、グルタルアルデヒド、アセ
チルアセトンなどの飽和カルボニル化合物、アリルアル
コール、プロパルギルアルコールなどの不飽和アルコー
ル類、芳香族アミノ化合物などが挙げられる。
【0016】上記光沢剤としては、m−クロロベンズア
ルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキ
シベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、ベンジリ
デンアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラアルデヒド
などの各種アルデヒド、バニリン、トリアジン、イミダ
ゾール、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、
アニリンなどが挙げられる。上記半光沢剤としては、チ
オ尿素類、N―(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スル
ファニル酸、N―ブチリデンスルファニル酸、N―シン
ナモイリデンスルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―
(2′―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―
トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4
―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリ
アジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミ
ダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、サリ
チル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール、2―メチル
ベンゾチアゾール、2―(メチルメルカプト)ベンゾチア
ゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6
―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロ
ベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、
2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロ
ベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾー
ル、2―メルカプトベンゾチアゾール、6―ニトロ―2
―メルカプトベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―
メチルベンゾチアゾール、2―ベンゾチアゾールチオ酢
酸等のベンゾチアゾール類などが挙げられる。
【0017】上記錯化剤としては、主に銅塩の浴中への
溶解を安定化する見地から、エチレンジアミン四酢酸
(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、
ニトリロ三酢酸(NTA)、チオ尿素又はその誘導体など
を添加できる。上記酸化防止剤としては、アスコルビン
酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシ
ン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又はその
塩、フェノールスルホン酸又はその塩、ナフトールスル
ホン酸又はその塩などが挙げられる。上記pH調整剤と
しては、塩酸、硫酸等の各種の酸、水酸化アンモニウ
ム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられ
る。上記緩衝剤としては、ホウ酸類、リン酸類、塩化ア
ンモニウムなどが挙げられる。
【0018】本発明のスズ−銅合金メッキ浴に上記各種
添加剤を含有する場合、その含有濃度は、バレルメッ
キ、ラックメッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキ
などに対応して任意に調整・選択できる。
【0019】一方、前述の下地ニッケルメッキに用いる
ニッケルメッキ浴も公知の電気メッキ浴、或は無電解メ
ッキ浴が使用でき、その組成は特に限定されない。即
ち、上記電気ニッケルメッキ浴では、通常、硫酸ニッケ
ル、塩化ニッケル、ホウ酸をベースとするワット浴が使
用でき、また、スルファミン酸ニッケル、臭化ニッケ
ル、ホウ酸をベースとするスルファミン酸浴を使用して
も差し支えない。当該ニッケルメッキ浴には、市販の添
加剤を含有することができる。さらには、一次光沢剤と
二次光沢剤を組み合わせて浴に添加することもできる。
これら2種類の光沢剤は、併用することで被メッキ物に
光沢を付与することができ、一次光沢剤としては、ベン
ゼンスルホン酸、1,3,6−ナフタレンスルホン酸ナト
リウム、p−トルエンスルホン酸アミド、サッカリン、
チオフェン−2−スルホン酸、アリルスルホン酸、プロ
パギルアルコールなどが挙げられ、二次光沢剤として
は、ホルムアルデヒド、アリルスルホン酸、2−ブチン
−1,4−ジオール、エチルシアンヒドリン、キノリン
メチオダイドなどが挙げられる。但し、これらの添加剤
の含有は必須ではない。一方、上記無電解メッキ浴にお
いても市販のニッケルメッキ液が使用できる。さらに、
無電解ニッケル浴は、硫酸ニッケルなどの可溶性ニッケ
ル塩、次亜リン酸ナトリウムなどの還元剤、乳酸、プロ
ピオン酸、酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リン
ゴ酸、クエン酸ナトリウムなどの錯化剤から構成される
公知の浴を使用することができる。ちなみに、メッキの
際に使用するニッケル塩などに高純度品ではなく、通常
純度の市販品を選択すると、下地となるニッケル皮膜に
は、ニッケル以外の元素が微量混入してくる可能性が高
く、例えば、電気メッキでは、周期表の第一遷移系列に
おいてニッケルと隣接するコバルト、鉄などがニッケル
皮膜に含有されることが多い。また、無電解メッキに際
して、メッキ浴に次亜リン酸塩などの還元剤、或はその
他の添加剤を含有させると、リンなどがニッケル皮膜に
混在することが多い。ニッケル皮膜における上記コバル
ト、鉄、リンなどの組成比は、例えば、0.01重量%
〜数重量%程度である。このように、コバルト、鉄、リ
ンなどの元素がニッケル皮膜に微量混在すると(即ち、
本発明3では)、ニッケル皮膜の結晶粒が微細化するた
め、スズ−銅合金メッキ皮膜のスズホイスカーを有効に
防止する点でより好ましいメッキ皮膜が得られる。従っ
て、ニッケルメッキで使用する化合物の選択に伴ってニ
ッケル以外の元素が微量含有されるメッキ皮膜も本発明
のニッケルメッキ皮膜に包含され、微量含有のメッキ皮
膜は非含有のニッケル皮膜に比べて、かえってホイスカ
ー防止の点で優位性が増すのである。
【0020】本発明において、銅、銅合金などの素地表
面上に最初に下地となるニッケルメッキ皮膜を形成する
方法は電気メッキ、無電解メッキを問わない。従って、
浴組成は電気メッキ又は無電解メッキに際して適宜調整
すれば良い。一方のスズ−銅合金メッキ皮膜は基本的に
電気メッキで形成される。上記スズ−銅合金メッキ浴を
用いて電気メッキを行う場合、浴温は0℃以上、好まし
くは10〜50℃程度である。陰極電流密度は0.01
〜150A/dm2、好ましくは0.1〜30A/dm2
程度である。浴のpHも酸性からほぼ中性までの広い領
域に適用できる。また、ニッケルメッキ浴で電気メッキ
を行う場合の条件も同様であるが、浴温は30〜70℃
が好ましく、電流密度は0.5〜20A/dm2が好まし
い。
【0021】一方、ニッケルの下地メッキ皮膜の膜厚は
基本的に限定されないが、0.05μm以上が好まし
く、より好ましくは0.5μm以上である。0.05μm
より薄いとポーラスになるため、スズホイスカーの抑止
効果が低下する。逆に、厚くてもホイスカーの防止に全
く支障はないが、コストと作業性を低下させるだけであ
る。また、上記ニッケルメッキ皮膜の上に被覆されるス
ズ−銅合金の厚みも特に限定されない。本発明のスズ−
銅合金メッキ方法を適用できる素地は、上述のように、
銅、リン青銅、黄銅などの銅合金が代表的であるが、半
導体リードフレーム用の各種銅合金、鉄、鋼、42合
金、コバールなどの金属や合金、或は、セラミックス
材、プラスチック材などに適用することもできる。
【0022】本発明4は、上記本発明1〜3の下地ニッ
ケルメッキ方式により、スズ−銅合金メッキ皮膜を素地
上に形成した電子部品であり、その具体例としては、半
導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基
板、フィルムキャリアー、抵抗、可変抵抗、コンデン
サ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子な
どのチップ部品、コネクタ、スイッチなどの機構部品、
或はフープ材、線材(例えば、リード線)などが挙げられ
る。また、ウエハーのバンプ電極などのように、電子部
品の一部に本発明の方法を適用しても良いことはいうま
でもない。
【0023】
【発明の効果】鉛を含まないハンダメッキとしてスズ−
銅合金メッキはクラックが生じ難く、接合強度に優れ、
コストが低いという長所がある反面、ホイスカーが発生
し易いという問題がある。しかしながら、本発明では、
銅又は銅合金などの素地表面上に予めニッケルメッキを
施し、このニッケルの下地メッキ皮膜上にスズ−銅合金
メッキ皮膜を形成するため、ホイスカーの発生を有効に
防止でき、もって鉛フリーのハンダとしての実用性をい
っそう改良することができる。尚、ホイスカー防止のメ
カニズムについては、下地のニッケル層とスズ−銅合金
層との間の拡散層の作用が推定されるが、なお、その詳
細は不明である。
【0024】
【実施例】以下、本発明のスズ−銅合金メッキ方法の実
施例、並びに当該メッキ方法で得られたスズ−銅合金メ
ッキ皮膜によるホイスカー発生試験例を順次説明する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例などに拘束されるも
のではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形
をなし得ることは勿論である。
【0025】下記の実施例では、先ず、3種類のニッケ
ルメッキ浴1〜3を用意し、そのうちの2種類のメッキ
浴を用いて電気メッキを行い、残りのメッキ浴で無電解
メッキを行って、素地金属の表面に下地となる各ニッケ
ルメッキ皮膜を形成し、次いで、2種類のスズ−銅合金
メッキ浴を用いて電気メッキを各々行って、上記ニッケ
ルメッキ皮膜の上にスズ−銅合金メッキ皮膜を被覆し
た。この場合、素地金属の種類はリン青銅、黄銅、銅、
軟鋼の4種類に変化させた。また、ニッケルメッキの膜
厚は0.5μm、1μm、2μmに変化させるととも
に、ニッケルメッキを施さない場合(即ち、膜厚0μm)
を比較例とした。スズ−銅合金メッキ皮膜の膜厚は1μ
m、5μm、10μmに変化させた。従って、下記の実
施例では、3種類のニッケルメッキ浴と2種類のスズ−
銅合金との組み合わせにより、(A)〜(F)の6つのグル
ープに分類した。
【0026】(A)グループ ニッケルメッキ浴1で電着の下地ニッケル皮膜を形成
し、その上にスズ−銅合金メッキ浴1で電着皮膜を形成
した例 《実施例1〜3及び比較例1》素地金属として、リン青
銅(Cu−8質量%Sn−0.1質量%P)、軟鋼を材質とする2
5mm×25mmの2種類の平板を用意し、各平板上に下記
のニッケルメッキ浴1で(1)の電気メッキを行って所定
の膜厚のニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−銅合
金メッキ浴1で(2)の電気メッキを行い、下地のニッケ
ル皮膜上に膜厚1μm、5μm、10μmの各スズ−銅
合金メッキ皮膜を被覆した。実施例1〜3及び比較例1
におけるニッケルメッキ皮膜の膜厚は次の通りである。 但し、各実施例、或は各比較例においては、可溶性ニッ
ケル塩として使用した通常純度の硫酸ニッケルに主に起
因すると思われるが、組成分析の結果、上記ニッケルメ
ッキ皮膜には0.05重量%程度のコバルトが微量混在
していた。即ち、電気メッキによりニッケル皮膜を下地
形成した実施例1〜12及び比較例1〜4では、ニッケ
ルメッキ皮膜にコバルトが上記組成比で混在していた点
が全て共通する。
【0027】 (1)ニッケルメッキ浴1 (a)浴の組成 硫酸ニッケル 240g/L 塩化ニッケル 45g/L ホウ酸 30g/L 2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L プロパギルアルコール 0.003g/L pH 4.0 (b)電気メッキ条件 電流密度 3A/dm2 浴温 45℃ エアー撹拌 (2)スズ−銅合金メッキ浴1 (a)浴の組成 硫酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L 硫酸銅(Cu2+として) 1g/L 硫酸 100g/L ポリオキシエチレン(EO10モル) −ノニルフェノールエーテル 10g/L ヒドロキノン 0.5g/L (b)電気メッキ条件 電流密度 1A/dm2 浴温 25℃ 陰極揺動 2m/分 析出皮膜のCu含有比 1%
【0028】(B)グループ ニッケルメッキ浴1で電着の下地ニッケル皮膜を形成
し、その上にスズ−銅合金メッキ浴2で電着皮膜を形成
した例 《実施例4〜6及び比較例2》素地金属として、黄銅(C
u−35質量%Zn)、銅を材質とする25mm×25mmの2種
類の平板を用意した。そして、スズ−銅合金メッキ浴1
に替えてスズ−銅合金メッキ浴2を使用した以外は、上
記(A)のグループの条件を基本として実施した。即ち、
各平板上に下記のニッケルメッキ浴1で(1)の電気メッ
キを行った後、下記のスズ−銅合金メッキ浴2で(2)の
電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上に膜厚1μ
m、5μm、10μmの各スズ−銅合金メッキ皮膜を被
覆した。実施例4〜6及び比較例2におけるニッケルメ
ッキ皮膜の膜厚は次の通りである。
【0029】(1)ニッケルメッキ浴1 浴の組成と電気メッキ条件は上記(A)のグループと同様
である。 (2)スズ−銅合金メッキ浴2 (a)浴の組成 メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 40g/L メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 2g/L メタンスルホン酸 120g/L トリスチレン化フェノール −ポリエトキシレート(EO15モル) 7g/L 1−ナフトアルデヒド 0.1g/L メタクリル酸 2g/L カテコール 1g/L (b)電気メッキ条件 電流密度 15A/dm2 浴温 25℃ スタラー撹拌 500rpm 析出皮膜のCu含有比 1.8%
【0030】(C)グループ ニッケルメッキ浴2で電着の下地ニッケル皮膜を形成
し、その上にスズ−銅合金メッキ浴1で電着皮膜を形成
した例 《実施例7〜9及び比較例3》素地金属として、前記
(A)のグループと同様に、リン青銅、軟鋼を材質とする
25mm×25mmの2種類の平板を用意した。そして、ニ
ッケルメッキ浴1に替えてニッケルメッキ浴2を使用し
た以外は、前記(A)のグループの条件を基本として実施
した。即ち、各平板上に下記のニッケルメッキ浴2で
(1)の電気メッキを行った後、下記のスズ−銅合金メッ
キ浴1で(2)の電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜
上に膜厚1μm、5μm、10μmの各スズ−銅合金メ
ッキ皮膜を被覆した。実施例7〜9及び比較例3におけ
るニッケルメッキ皮膜の膜厚は次の通りである。
【0031】 (1)ニッケルメッキ浴2 (a)浴の組成 硫酸ニッケル 240g/L 塩化ニッケル 45g/L ホウ酸 30g/L pH 4.0 (b)電気メッキ条件 電流密度 2A/dm2 浴温 40℃ エアー撹拌 (2)スズ−銅合金メッキ浴1 浴の組成と電気メッキ条件は前記(A)のグループと同様
である。
【0032】(D)グループ ニッケルメッキ浴2で電着の下地ニッケル皮膜を形成
し、その上にスズ−銅合金メッキ浴2で電着皮膜を形成
した例 《実施例10〜12及び比較例4》素地金属として、前
記(B)のグループと同様に、黄銅、銅を材質とする25
mm×25mmの2種類の平板を用意した。そして、スズ−
銅合金メッキ浴1に替えてスズ−銅合金メッキ浴2を使
用した以外は、上記(C)のグループの条件を基本として
実施した。即ち、各平板上に下記のニッケルメッキ浴2
で(1)の電気メッキを行った後、下記のスズ−銅合金メ
ッキ浴2で(2)の電気メッキを行い、下地のニッケル皮
膜上に膜厚1μm、5μm、10μmの各スズ−銅合金
メッキ皮膜を被覆した。実施例10〜12及び比較例4
におけるニッケルメッキ皮膜の膜厚は次の通りである。
【0033】(1)ニッケルメッキ浴2 浴の組成と電気メッキ条件は上記(C)のグループと同様
である。 (2)スズ−銅合金メッキ浴2 浴の組成と電気メッキ条件は前記(B)のグループと同様
である。
【0034】(E)グループ ニッケルメッキ浴3で無電解の下地ニッケル皮膜を形成
し、その上にスズ−銅合金メッキ浴1で電着皮膜を形成
した例 《実施例13〜15及び比較例5》素地金属として、前
記(A)のグループと同様に、リン青銅、軟鋼を材質とす
る25mm×25mmの2種類の平板を用意した。そして、
ニッケルメッキ浴1で電気メッキを行う替わりにニッケ
ルメッキ浴3で無電解メッキを行った以外は、前記(A)
のグループの条件を基本として実施した。即ち、各平板
上に下記のニッケルメッキ浴3で(1)の無電解メッキを
行った後、下記のスズ−銅合金メッキ浴1で(2)の電気
メッキを行い、下地のニッケル皮膜上に膜厚1μm、5
μm、10μmの各スズ−銅合金メッキ皮膜を被覆し
た。実施例13〜15及び比較例5におけるニッケルメ
ッキ皮膜の膜厚は次の通りである。但し、メッキ速度は
10μm/時間であった。 但し、後述の各実施例、或は各比較例においては、メッ
キ浴に還元剤として次亜リン酸塩を添加したことに主に
起因すると思われるが、組成分析の結果、上記ニッケル
メッキ皮膜には7重量%程度のリンが混在していた。即
ち、無電解メッキによりニッケル皮膜を下地形成した実
施例13〜18及び比較例5〜6では、ニッケルメッキ
皮膜にリンが上記組成比で混在していた点が全て共通す
る。
【0035】 (1)ニッケルメッキ浴3 (a)無電解浴の組成 硫酸ニッケル 21g/L 次亜リン酸ナトリウム 25g/L 乳酸 27g/L プロピオン酸 2.2g/L pH 4.5 (b)無電解メッキ条件 浴温 90℃ 被メッキ物揺動 2m/分 (2)スズ−銅合金メッキ浴1 浴の組成と電気メッキ条件は前記(A)のグループと同様
である。
【0036】(F)グループ ニッケルメッキ浴3で無電解の下地ニッケル皮膜を形成
し、その上にスズ−銅合金メッキ浴2で電着皮膜を形成
した例 《実施例16〜18及び比較例6》素地金属として、前
記(B)のグループと同様に、黄銅、銅を材質とする25
mm×25mmの2種類の平板を用意した。そして、スズ−
銅合金メッキ浴1に替えてスズ−銅合金メッキ浴2を使
用した以外は、上記(E)のグループの条件を基本として
実施した。即ち、各平板上に下記のニッケルメッキ浴3
で(1)の無電解メッキを行った後、下記のスズ−銅合金
メッキ浴2で(2)の電気メッキを行い、下地のニッケル
皮膜上に膜厚1μm、5μm、10μmの各スズ−銅合
金メッキ皮膜を被覆した。実施例16〜18及び比較例
6におけるニッケルメッキ皮膜の膜厚は次の通りであ
る。但し、メッキ速度は10μm/時間であった。
【0037】(1)ニッケルメッキ浴3 無電解浴の組成と無電解メッキ条件は上記(E)のグルー
プと同様である。 (2)スズ−銅合金メッキ浴2 浴の組成と電気メッキ条件は前記(B)のグループと同様
である。
【0038】《ホイスカー発生状況の試験例》そこで、
上記実施例1〜18及び比較例1〜6のメッキ方法を実
施した各材質の平板を恒温恒湿機に収容し、機内を85
℃、相対湿度85%の高温多湿条件に設定して、100
0時間経過後の各平板のホイスカーの発生状況を走査型
電子顕微鏡(3000倍)で観察した。また、上記各平板
を6カ月に亘り室温放置し、同様にホイスカー発生状況
を上記電子顕微鏡で観察した。本試験例では、持続的に
成長すると考えられる針状の形状をしたホイスカーだけ
を長さに関係なく全てカウントし、それ以外の成長性の
ないコブ状のもの等はカウントしなかった。評価基準は
下記の通りである。 ○:ホイスカーの発生本数がゼロであった。 ×:ホイスカーが1本以上発生した。
【0039】下表は上記(A)のグループにおいて、85
℃−85%の恒温恒湿条件下での1000時間後の試験
結果である。但し、下表の()内はNiメッキ皮膜の膜
厚を示す。 リン青銅 軟鋼 Sn−Cu膜厚 Sn−Cu膜厚 1μm 5μm 10μm 1μm 5μm 10μm 比較例1(0μm) × × × × × × 実施例1(0.5μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例2(1μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例3(2μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ また、6カ月に亘り室温放置した試験結果も上表と同じ
であった。
【0040】下表は上記(B)のグループにおいて、85
℃−85%の恒温恒湿条件下での1000時間後の試験
結果である。但し、下表の()内はNiメッキ皮膜の膜
厚を示す。 黄銅 銅 Sn−Cu膜厚 Sn−Cu膜厚 1μm 5μm 10μm 1μm 5μm 10μm 比較例2(0μm) × × × × × × 実施例4(0.5μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例5(1μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例6(2μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ また、6カ月に亘り室温放置した試験結果も上表と同じ
であった。
【0041】下表は上記(C)のグループにおいて、85
℃−85%の恒温恒湿条件下での1000時間後の試験
結果である。但し、下表の()内はNiメッキ皮膜の膜
厚を示す。 リン青銅 軟鋼 Sn−Cu膜厚 Sn−Cu膜厚 1μm 5μm 10μm 1μm 5μm 10μm 比較例3(0μm) × × × × × × 実施例7(0.5μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例8(1μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例9(2μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ また、6カ月に亘り室温放置した試験結果も上表と同じ
であった。
【0042】下表は上記(D)のグループにおいて、85
℃−85%の恒温恒湿条件下での1000時間後の試験
結果である。但し、下表の()内はNiメッキ皮膜の膜
厚を示す。 黄銅 銅 Sn−Cu膜厚 Sn−Cu膜厚 1μm 5μm 10μm 1μm 5μm 10μm 比較例4(0μm) × × × × × × 実施例10(0.5μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例11(1μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例12(2μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ また、6カ月に亘り室温放置した試験結果も上表と同じ
であった。
【0043】下表は上記(E)のグループにおいて、85
℃−85%の恒温恒湿条件下での1000時間後の試験
結果である。但し、下表の()内はNiメッキ皮膜の膜
厚を示す。 リン青銅 軟鋼 Sn−Cu膜厚 Sn−Cu膜厚 1μm 5μm 10μm 1μm 5μm 10μm 比較例5(0μm) × × × × × × 実施例13(0.5μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例14(1μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例15(2μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ また、6カ月に亘り室温放置した試験結果も上表と同じ
であった。
【0044】下表は上記(F)のグループにおいて、85
℃−85%の恒温恒湿条件下での1000時間後の試験
結果である。但し、下表の()内はNiメッキ皮膜の膜
厚を示す。 黄銅 銅 Sn−Cu膜厚 Sn−Cu膜厚 1μm 5μm 10μm 1μm 5μm 10μm 比較例6(0μm) × × × × × × 実施例16(0.5μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例17(1μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ 実施例18(2μm) ○ ○ ○ ○ ○ ○ また、6カ月に亘り室温放置した試験結果も上表と同じ
であった。
【0045】上記(A)〜(F)のグループの試験結果を見
ると、ニッケルの下地メッキを施さずにスズ−銅合金メ
ッキを施した比較例1〜6では、素地金属の材質、スズ
−銅合金メッキ浴の組成、或はスズ−銅合金メッキの膜
厚を様々に変化させても、全てスズホイスカーが発生し
た。これに対して、最初にニッケルの下地メッキをした
後にスズ−銅合金メッキを施した実施例1〜18では、
素地金属の材質、ニッケルメッキ浴の組成が様々に変化
した場合でも、高温多湿の条件下、或は6カ月間の長期
室温放置下にも拘わらず、スズホイスカーを確実に防止
できた。また、ニッケルメッキの膜厚を0.5μm〜2
μmに変化させても、全てホイスカーの発生を確実に防
止できたことから、下地ニッケル皮膜を薄く形成しても
有効であることが明らかになった。このニッケルメッキ
は、当然ながら電気メッキ、無電解メッキを問わず有効
である。さらに、各種の素地金属上にニッケルの下地メ
ッキを形成すれば、その上に形成するスズ−銅合金メッ
キ皮膜の膜厚に影響されず、スズ−銅合金皮膜からホイ
スカーが発生するのを確実に防止できることも判明し
た。
フロントページの続き (72)発明者 小幡 惠吾 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8 株 式会社大和化成研究所内 (72)発明者 吉本 雅一 兵庫県明石市二見町南二見21番地の8 株 式会社大和化成研究所内 Fターム(参考) 4K024 AA03 AA21 AB02 BB09 BB11 BB12 CA01 CA02 CA03 CA06 GA16 5E343 BB14 BB44 BB54 BB55 CC78 DD33 DD43 GG20 5F044 MM23 MM35 QQ04 5F067 DC16 DC18 DC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スズ−銅合金メッキ浴を用いて素地表面
    上にスズ−銅合金の電着皮膜を形成するスズ−銅合金メ
    ッキ方法において、 予め素地表面上にニッケルメッキを施した後、このニッ
    ケルの下地メッキ皮膜の上にスズ−銅合金メッキを施す
    ことを特徴とするスズ−銅合金メッキ方法。
  2. 【請求項2】 ニッケルの下地メッキ皮膜の膜厚が0.
    05μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    スズ−銅合金メッキ方法。
  3. 【請求項3】 ニッケルの下地メッキ皮膜が、コバル
    ト、鉄、又はリンなどを微量含有することを特徴とする
    請求項1又は2に記載のスズ−銅合金メッキ方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のス
    ズ−銅合金メッキ方法を用いて、素地金属表面上にスズ
    −銅合金メッキ皮膜を形成した半導体デバイス、プリン
    ト基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア
    ー、コネクタ、スイッチ、抵抗、可変抵抗、コンデン
    サ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、
    リード線などの電子部品。
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