JP2002290034A - 積層基板およびその製造方法 - Google Patents
積層基板およびその製造方法Info
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Abstract
い場合であっても、形成された積層基板における導体パ
ターンと樹脂との密着力を十分に確保できるようにす
る。 【解決手段】 積層された樹脂よりなる複数の層1の間
に、金属よりなる導体パターン2が形成されてなる積層
基板の製造方法において、導体パターン2を構成する金
属の表面が活性化される温度以上に導体パターン2を加
熱しつつ、加圧することにより、導体パターン2と樹脂
とを接着させる。
Description
りなる複数の層の間に、金属よりなる導体パターンが形
成されてなる積層基板およびその製造方法に関し、多層
基板、パッケージ基板、アルミベース基板、回路基板を
含むモジュール製品等、電子部品全般に適用することが
できる。
に示すような積層型のプリント配線基板がある。このも
のは、ガラス繊維を含むエポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂
材料等よりなる複数の層J1を積層し、各層J1の間に
銅等の金属箔をエッチングした導体パターンJ2を形成
し、各層J1間の導体パターンJ2をめっきやペースト
等を用いたスルーホール(図示せず)で接続してなる。
製造方法は千差万別であるが、導体パターン(回路パタ
ーン)J2を構成する金属箔(銅やアルミや銀等)が、
各層J1を構成する樹脂と接着しにくいことから、金属
箔の表面を化学処理等により粗化したり、熱処理して金
属酸化物(酸化銅等)を析出させたり、特殊な凹凸を持
つめっきを析出させたりする等の表面粗化処理を行うこ
とで、表面粗度を大きくし、樹脂とのアンカー効果を持
たせて接着効果を発現させている。
ては、金属箔の表面を上記したように粗化してからパタ
ーン加工(エッチング)を行うか、または、パターン加
工してから金属箔の表面を粗化するかの方法に別れる。
化した表面ではエッチングマスクを形成する際の露光精
度が不十分となったり、金属箔をエッチングする時のエ
ッチング精度が不十分であったりする等の問題がある。
に粗化屑が残ったり、パターンの細線が切れたりショー
トしたりする等の問題がある。いずれにせよ、従来の様
に、導体パターンと樹脂との密着力を十分に確保すべく
金属箔の表面に表面粗化処理を行う方法では、ファイン
パターンの形成に不利である。
理することなく、積層でき、出来上がった積層基板が信
頼性に耐え得るだけの密着力を持てば、上記問題点は解
消され、高品質で低コストな積層基板を実現できること
になる。
ターンに対して表面粗化処理を行わない場合であって
も、形成された積層基板における導体パターンと樹脂と
の密着力を十分に確保できるようにすることを目的とす
る。
ーンを構成する金属の表面と各層を構成する樹脂とが化
学的に接着できたならば、上記したアンカー効果を発揮
させるための表面粗化処理を行う必要がなくなるのでは
ないか、という考えに基づき、鋭意検討を行った。
おいて、従来よりも高い温度すなわち金属の表面が活性
化される温度以上まで加熱しながら両者を加圧すること
により、金属表面が樹脂と十分に接着し、従来のような
表面粗化処理を行うことなく良好な接着が実現できるこ
とを見出した。
者等の検討結果に基づいてなされたもので、積層された
樹脂よりなる複数の層(1)の間に、金属よりなる導体
パターン(2)が形成されてなる積層基板の製造方法に
おいて、導体パターンを構成する金属の表面が活性化さ
れる温度以上に導体パターンを加熱しつつ、加圧するこ
とにより、導体パターンと樹脂とを接着させることを特
徴としている。
粗化処理を行わない場合であっても、形成された積層基
板における導体パターンと樹脂との密着力を十分に確保
することができる。その結果、表面粗化処理を不要とで
きるため、製造コストの低減やファインパターンの形成
に有利である。
属の表面が活性化される温度は、金属表面にて金属の酸
化が始まるレベルの温度であり、本発明者等の検討によ
れば、加圧条件に関係なく250℃であれば、その条件
を満足できることがわかった。つまり、250℃以上に
加熱しつつ加圧することにより、導体パターンと樹脂と
を接着させれば、請求項1の発明の効果を適切に実現す
ることができる。
た樹脂よりなる複数の層(1)の間に、金属よりなる導
体パターン(2)が形成されてなる積層基板において、
樹脂と密着している導体パターンの少なくとも一面は、
表面粗化処理がなされておらず平滑面となっていること
を特徴とする積層基板を提供するものである。
いることにより、製造しうるものであり、その効果は、
請求項1の発明と同様である。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る積
層基板100の概略断面構成を示す図である。積層基板
100は、樹脂よりなる複数の層1が積層され、積層さ
れた各層1の間に、金属よりなる導体パターン2が形成
されてなる。
と密着している導体パターン2の一面2aは、表面粗化
処理がなされておらず平滑面(例えば表面粗度Raが±
2μm以下)となっており、当該導体パターン2の他面
2bは表面粗化処理がなされた粗化面(例えば表面粗度
Raが±5μm以上)となっている。
も250℃以上の加熱が可能な樹脂であれば特に限定さ
れないが、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PE
EK)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、また
はそれらの混合物(ポリエーテルエーテルケトン樹脂を
65〜35重量%とポリエーテルイミド樹脂を35〜6
5重量%含む混合物(PEEK/PEI樹脂))、熱可
塑性ポリイミド樹脂(熱可塑性PI)あるいはポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)等を用いることができ
る。
しては、特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウ
ム、ニッケル等を用いることができる。また、図示しな
いが、各導体パターン2は、各層1に形成された貫通孔
にめっきや導体ペーストを充填することにより形成され
たスルーホール等により、互いに電気的に接続され、回
路を構成している。
0の製造方法について説明する。まず、図2(a)に示
す様に、一面20aが平滑面であり他面20bが表面粗
化処理された粗化面である金属箔20を用意し、樹脂に
より成形された各層1に、金属箔20の他面(粗化面)
20b側を圧着もしくは接着する。図示例では、層1の
一面側に金属箔20を貼り合わせているが、必要に応じ
て、層1の両面に金属箔20を貼り合わせてもよい。
グラフ法により、層1に貼り付けられた金属箔20をエ
ッチングし、導体パターン2の形状にパターン加工す
る。ここにおいて、パターニング導体パターン2の表面
は、表面粗化処理のされていない平滑面すなわち上記導
体パターン2の一面2aである。
上記したスルーホールを形成するために、レーザ加工等
により貫通孔を形成し、この貫通孔内にめっきを施した
り、導電性ペーストを充填する等の処理を行う。
層1を積層し、熱圧着装置や真空熱プレス装置を用い
て、導体パターン2を構成する金属の表面が活性化され
る温度(金属表面活性化温度)まで導体パターン2を加
熱しつつ、加圧することにより、導体パターン2と層1
を構成する樹脂とを接着させる。この積層工程により、
上記図1に示す積層基板100が出来上がる。
属表面において酸化が始まる温度であり、250℃以上
が必要である。また、加圧は限定しないが例えば20k
g〜100kgとすることができる。それにより、樹脂
を構成するO、H、N等の原子と導体パターン2を構成
する金属とが何らかの形で結合し、形成された積層基板
100における導体パターン2と樹脂との密着力を十分
に確保することができる。
ン2に対して表面粗化処理することなく、形成された積
層基板100における導体パターン2と樹脂との密着力
を十分に確保することができる。そして、表面粗化処理
が不要となるため、導体パターン2のエッチング精度の
向上や更なる細線化が可能となる等、製造コストの低減
やファインパターンの形成に有利である。
て、樹脂により成形された各層1に、貼り付ける金属箔
20は、両面が表面粗化処理されていない平滑面である
ものを用いても良い。
わせは、上記した積層工程と同様に、熱圧着装置や真空
熱プレス装置を用いて、金属表面活性化温度以上に金属
箔20を加熱しつつ、加圧することにより、金属箔20
と各層1を構成する樹脂とを接着させる。それにより、
導体パターン2の両面2a、2bが上記平滑面となるた
め、ファインパターンの形成にいっそう有利である。
て、より具体的に説明する。図3は、導体パターン2を
構成する金属として、樹脂との密着面が平滑面(表面粗
化処理がされていない平滑面)であるアルミニウム(図
中、Al)、当該密着面が平滑面である銅(図中、C
u)、当該密着面が表面粗化処理され粗化面となった
銅(図中、Cu)を用い、これら金属と樹脂(例えば
上記PEEK/PEI樹脂等)との熱圧着を行い、その
密着強度を調べたものである。
し強度にて評価し、上記各金属(Al、Cu、Cu
)について、熱圧着におけるプレス温度及びプレス荷
重を変えた場合のピール強度を求めた。図3中、横軸に
プレス温度(単位:℃)、縦軸に引き剥がし強度(ピー
ル強度、単位:N/cm)を示し、プレス荷重(単位:
kg)は、丸プロットが20kg、三角プロットが50
kg、四角プロットが100kgというようにプロット
の形で示した。
なく、おおよそプレス温度とともにピール強度が向上し
ており、金属表面活性化温度(250℃)以上にて加圧
しつつ金属と樹脂とを接着させれば、粗化面ほどではな
いが、金属の密着面が上記平滑面の場合であっても、十
分な密着強度が得られている。
00に対するプレッシャクッカー後はんだ耐熱試験を行
った結果を示す図表である。上記積層基板100おい
て、導体パターン2を構成する金属として、Cu、A
l、Niを採用し、各層1を構成する樹脂として、A:
PEEK/PEI樹脂、B:熱可塑性PIを採用し、各
々の金属と樹脂との組合せについて、プレス温度を変え
たサンプルを作製した。
クッカーテスト(2気圧、121℃、湿度100%の雰
囲気に2時間放置)を行い、次に、はんだリフロー炉
(炉内温度:最大250℃)内を通過させた後、各サン
プルの状態を調べ、膨れ(密着力の弱いところで剥が
れ、積層基板が膨れる現象)の発生が無ければ、実用レ
ベルで密着性が確保できるため、異常無し「○」とし、
膨れが発生していれば「×」とした。
度にて処理した本実施形態の積層基板100は、表面粗
化処理が無くても密着性に問題がないことが確認でき
た。
層基板においては、導体パターンJ2における樹脂との
密着面の両面が、表面粗化処理されて粗化面となってい
るが、それに対して、図1に示した本実施形態の積層基
板100においては、導体パターン2の一面2aまたは
両面2a、2bを平滑面とすることができる。
特徴は、上記した本実施形態の製造方法を用いることに
より初めて実現できるものであり、このような構成上の
特徴を有するものであれば、上述した本実施形態の効果
を有する積層基板を実現することができるといえる。
方法において、金属表面活性化温度以上に導体パターン
2を加熱しつつ、加圧することにより、導体パターン2
と樹脂とを接着させることを主たる特徴としており、そ
れによる効果は上述の通りである。
ーン2に対して従来のような表面粗化処理を行わない場
合であっても、導体パターン2と樹脂との密着力を十分
に確保することができるというものであり、上記した金
属表面活性化温度における導体パターン2と樹脂との接
着において、導体パターン2における樹脂との密着面が
表面粗化処理された粗化面となっている場合を除外する
ものではない。
(250℃)以上まで耐熱性を有する樹脂(PEEK/
PEI樹脂、熱可塑性PI、PPS等)を用いて、従来
為されていなかった金属表面活性化温度以上という高温
の状態で、導体パターン2と樹脂とを接着させるという
新規な手法を採用するものである。従って、導体パター
ン2の粗化面と樹脂との接着を、金属表面活性化温度以
上に加熱しつつ、加圧して行っても良い。
である。
工程図である。
である。
ー後はんだ耐熱試験を行った結果を示す図表である。
Claims (3)
- 【請求項1】 積層された樹脂よりなる複数の層(1)
の間に、金属よりなる導体パターン(2)が形成されて
なる積層基板の製造方法において、 前記導体パターンを構成する金属の表面が活性化される
温度以上に前記導体パターンを加熱しつつ、加圧するこ
とにより、前記導体パターンと前記樹脂とを接着させる
ことを特徴とする積層基板の製造方法。 - 【請求項2】 前記導体パターン(2)を構成する金属
の表面が活性化される温度は、250℃以上であること
を特徴とする請求項1に記載の積層基板の製造方法。 - 【請求項3】 積層された樹脂よりなる複数の層(1)
の間に、金属よりなる導体パターン(2)が形成されて
なる積層基板において、 前記樹脂と密着している前記導体パターンの少なくとも
一面は、表面粗化処理がなされておらず平滑面となって
いることを特徴とする積層基板。
Priority Applications (1)
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JP2001088594A JP4200664B2 (ja) | 2001-03-26 | 2001-03-26 | 積層基板およびその製造方法 |
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JP4200664B2 JP4200664B2 (ja) | 2008-12-24 |
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