JP2003101219A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

配線基板及びその製造方法

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JP2003101219A
JP2003101219A JP2001298543A JP2001298543A JP2003101219A JP 2003101219 A JP2003101219 A JP 2003101219A JP 2001298543 A JP2001298543 A JP 2001298543A JP 2001298543 A JP2001298543 A JP 2001298543A JP 2003101219 A JP2003101219 A JP 2003101219A
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circuit layer
wiring
conductor
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Kenichi Ota
賢一 大田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】配線回路層と導体ペーストを充填したビア導体
との接続において、低抵抗化とともに、優れた耐久性を
有する信頼性の高い回路形成が可能な配線基板を得る。 【解決手段】少なくとも有機樹脂を含有する絶縁層1a
〜1dの表面に配線回路層2が形成され、配線回路層2
間を接続するために形成されたビアホール内に少なくと
もSnを含有する導体ペーストを充填したビア導体3を
形成してなる配線基板Aであって、絶縁層1と接する配
線回路層2の表面にCr、Ni、Zrの少なくとも1種
を含む金属層4が形成されており、ビア導体3と配線回
路層2との接触部にCr、Ni、Zrの少なくとも1種
と、Snとの金属間化合物5が存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも有機樹
脂を含有する絶縁層と、ビアホールに導体ペーストを充
填してなるビア導体を具備する配線基板において、ビア
導体と配線回路層の接続信頼性の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等
の熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の表面に配線回路層を形
成した、いわゆるプリント基板が回路基板や半導体素子
を搭載したパッケージ等に適用されている。このような
プリント基板において配線回路層を形成する方法として
は、絶縁基板の表面に銅箔を接着した後、これを回路パ
ターンにエッチングする方法、絶縁基板の表面に金属メ
ッキ法によって回路パターンを形成する方法等が用いら
れている。
【0003】また、配線回路層の多層化に伴い、異なる
層間の配線回路層をビア導体によって電気的に接続する
ことも行われている。このビア導体は多層配線基板の絶
縁層の所定の箇所にドリル等でビアホールを開けた後
に、ビアホールの内壁にメッキ等を施すのが一般的であ
る。
【0004】ところが、上記のような方法では化学的な
メッキ処理を施すのに用いられる薬品が高価であり、処
理時間も長いなど生産性と経済性に難がある。また、内
壁にメッキを施したビア導体は、多層構造における任意
の層間に形成することが難しく、配線回路層の密度を向
上できないという問題がある。
【0005】このような問題に対して、最近では配線回
路層を、銀、銅、半田などの金属粉末と熱硬化性樹脂や
活性剤とを混合した導体ペーストを用い、これを絶縁基
板の表面に塗布したり、ビアホール内に充填し、積層し
て多層化する方法が、特開平13−237550号、特
開平13−168532号、特開平13−102708
号等にて提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属粉
末を含む導体ペースト中には、絶縁層への印刷性および
ビアホールへの充填性を高めるとともに、金属粉末を互
いに結合させるために、結合用樹脂が配合されており、
しかも金属粉末表面には、高抵抗の酸化膜が生成されや
すいことから、金属粉末の接触界面には、樹脂や酸化膜が
介在するために、通常の金属箔や銅メッキにより形成さ
れた回路配線層またはビア導体よりも抵抗値が高いとい
う問題点があった。
【0007】それに加えて、絶縁基板が熱硬化性樹脂を
含有している関係上、銅や銀等の低抵抗金属を焼結でき
るような温度で処理することができないために、配線回
路層とビア導体間の接続信頼性が低く、ヒートサイクル
やヒートショック等による熱変形、さらには振動によ
り、配線回路層とビア導体間との導体抵抗が増大すると
いう問題があった。
【0008】また、この樹脂分を加熱分解したり、通電過
熱を行うことなど様々な改良も行われているが、これら
の加熱処理においても十分な効果が得られておらず、場
合によっては、通電加熱によっては通電時に発生する熱
によって絶縁層に対して悪影響を及ぼすなどの問題があ
った。
【0009】さらには、配線基板に形成される回路の高
密度化に伴い、配線基板内に形成されるビア導体の数も
非常に増加しており、それらのビア導体によって形成さ
れる回路の信頼性を得るには、基板内に形成されたすべ
てのビア導体が低抵抗化とともに耐久性を有することが
求められる。しかしながら、ビア導体の増加に伴い、す
べてのビア導体の品質を向上させることが難しくなって
いる。
【0010】従って、本発明は、配線回路層と導体ペー
ストを充填したビア導体との接続において、低抵抗化と
ともに、優れた耐久性を有する信頼性の高い回路形成が
可能な配線基板とその製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
に対して検討を重ねた結果、配線回路層の表面に、C
r、Ni、Zrの少なくとも1種を含む金属層を形成
し、この金属層とビア導体との接触部において、Cr、
Ni、Zrの少なくとも1種と、Snとの金属間化合物
を生成せしめることによって、配線回路層−ビア導体−
配線回路層間の高導電率化を図るとともに、ビア導体と
配線回路層との接続信頼性を高めることができることを
見出した。
【0012】即ち、本発明は、少なくとも有機樹脂を含
有する絶縁層の表面に配線回路層が形成され、配線回路
層間を接続するために前記絶縁層を貫通して形成された
ビアホール内に少なくともSnを含有する導体ペースト
を充填してビア導体を形成してなる配線基板であって、
前記配線回路層の絶縁層と接する表面にCr、Ni、Z
rの少なくとも1種を含む金属層が形成されており、前
記ビア導体と前記配線回路層との接触部にCr、Ni、
Zrの少なくとも1種と、Snとの金属間化合物が存在
することを特徴とするものである。
【0013】なお、前記配線回路層表面に存在する金属
層の厚みは5〜100nmであることが高電導化を図る
上で望ましく、また、配線回路層が金属箔を加工したも
のであることが微細配線化と低抵抗化を図る上で望まし
い。
【0014】また、本発明の配線基板の製造方法におい
ては、a)少なくとも熱硬化性有機樹脂を含有する軟質
の絶縁シートの所定箇所にビアホールを形成し、このビ
アホール内に少なくともSnを含む導体ペーストを充填
してビア導体を形成する工程と、b)前記絶縁シート表
面に、少なくとも絶縁シート側にCr、Ni、Zrの少
なくとも1種を含む金属層を形成した配線回路層を形成
する工程と、c)前記ビア導体および前記配線回路層が
形成された絶縁シートを所定の温度で加熱して熱硬化さ
せるとともに、前記ビア導体と前記配線回路層との接触
部にCr−Sn、Sn−Ni、Sn−Zrのいずれかの
金属間化合物を生成せしめる工程とを具備することを特
徴とするものである。また、上記の配線基板の製造方法
においては、前記b)工程と、c)工程の間に、前記
a)b)を経て作製されたビア導体および配線回路層を
具備する絶縁シートを複数枚積層する工程と、を具備す
ることによって多層化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面をもとに説明
する。
【0016】図1は本発明の配線基板を説明するための
概略断面図である。図1に示すように、本発明の配線基
板Aは、熱硬化性樹脂を含む複数の絶縁層1a〜1dを
積層してなる絶縁基板1の表面および内部に銅などの金
属箔からなる配線回路層2が形成されている。また、異
なる層の2つの配線回路層は、少なくとも金属粉末を含
む導体ペーストを充填して形成されたビア導体3によっ
て電気的に接続されている。
【0017】本発明における第1の大きな特徴は、図2
の配線回路層2のビア導体3との接続面側の要部拡大断
面図に示すように、配線回路層2の少なくとも絶縁層1
と接する表面にCr、Ni、Zrの少なくとも1種を含
む金属層4が形成されている点にある。この金属層4
は、蒸着、スパッタリング、あるいはメッキ等の手法に
よって形成されていることが望ましい。この金属層4
は、それ自体、配線回路層2を形成する銅等と比較して
耐酸化性に優れることから、このような金属層4を絶縁
層1との界面に形成することによって、外部または絶縁
層1を通じた腐食が界面を介して進行し、酸化がビア導
体3に達するのを抑制することができる。
【0018】また、本発明においては、絶縁層1に形成
されたビア導体3と配線回路層2との接触部に、Cr、
Ni、Zrの少なくとも1種と、Snとの金属間化合物
5が存在している点である。この金属間化合物5は、耐
酸化性および導電性に優れることから、ビア導体3と配
線回路層2との接続を強固なものとすることができると
ともに、ビア導体3と配線回路層2との接続抵抗を低下
させることができる。
【0019】なお、配線回路層2の表面の金属層4は、
5〜100nm、特に10〜50nmの厚みであること
が望ましく、5nmよりも薄いと金属間化合物の生成が
難しく、100nmよりも厚いと、金属間化合物自体の
抵抗が比較的高いために、ビア導体3と配線回路層2と
の接続抵抗が大きくなる恐れがある。
【0020】ビア導体3中の金属粉末としては、金、銀、
銅、およびアルミニウムの群から選ばれる少なくとも1
種の低抵抗金属粉末を主体とすることが低抵抗化を実現
する上で望ましく、特にこの中でも安価で低抵抗である
銅を含有することが望ましい。特に銅粉末、銀を表面に
被覆した銅粉末、銀―銅合金粉末の群から選ばれる少な
くとも1種が充填されていることが望ましい。
【0021】また、上記ビア導体3には、前記Cr、N
i、Zrの少なくとも1種と、Snとの金属間化合物5
を形成するために、Snが含まれていることが必要であ
る。このSnは、半田などとして、前記銅含有粉末とと
もに配合したり、金属粉末の表面に塗布したり、さらに
は、配線回路層2との接触部付近のみに半田等として塗
布しておくことも可能である。
【0022】特に、半田は、絶縁基板1の硬化温度以下
で溶融するものを選択するとによって半田が配線回路層
2とビア導体3の隙間を埋めることができると同時に、
半田が溶融することにより金属粉末間や、金配線回路層
と金属粉末との間に低融点金属によるネックが生成し両
者の結合が更に強固になるからである。
【0023】さらに、また、本発明においてはこのビア
導体3中には、銅含有粉末を含む場合、上記の金属間化
合物5以外に、Cu3Sn、Cu6Sn5などのCu−S
n系の金属間化合物が生成されていてもよい。このCu
−Sn系の金属間化合物も耐酸化性に優れることから銅
含有粉末間を強固に接続することができ、耐久性を高め
ることができる。
【0024】特に、本発明によれば、上記の構成によっ
て例えれば、銅箔からなる配線回路層2とビア導体3間
との初期抵抗は3.5×10-5Ω−cm以下まで低減す
ることができる。これに対して、配線回路層2とビア導
体3との間に、上記のような金属間化合物5が形成され
ないと、配線回路層2とビア導体3との強固な接続がで
きずに、ヒートサイクルやヒートショック等により、配
線回路層2とビア導体3間の抵抗が大きくなるという問
題が発生する。
【0025】なお、本発明の多層配線基板における絶縁
基板1は、絶縁材料としての電気的特性、耐熱性、および
機械的強度を有する熱硬化性樹脂、例えば、アラミド樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ
素樹脂、フェニレンエーテル樹脂、ビスマレイミドトリ
アジン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹
脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂
等が単独または組み合わせで含む。
【0026】また、上記の絶縁層1中には、絶縁基板1
あるいは配線基板A全体の強度を高めるために、熱硬化
性樹脂に対してフィラーを複合化させることもできる。
熱硬化性フィラーとしては、無機質フィラーが好適に用
いられる。また、ガラスやアラミド樹脂からなる不織
布、織布などに上記樹脂を含浸させて用いてもよい。な
お、熱硬化性樹脂とフィラーとは、体積比率で15:8
5〜50:50の比率で複合化されるのか適当である。
これらの中でも、絶縁層の加工性、強度の点で、エポキ
シ樹脂、イミド樹脂、フェニレンエーテル樹脂と、シリ
カまたはアラミド不織布との混合物であることがもっと
も望ましい。
【0027】次に、本発明の配線基板を製造する方法に
ついて説明する。まず、図3(a)に示すように未硬化
または半硬化状態の軟質の絶縁シート6に対して、レー
ザー加工やマイクロドリルなどによってビアホール7を
形成する。そして、図3(b)に示すように、そのビア
ホール7内に、前述したようにして調製された導体ペー
ストを充填してビア導体8を形成する。導体ペーストの
充填はスクリーン印刷によって行うことができる。
【0028】ここで、ビアホール7内に充填する導体ペ
ーストとしては、少なくともSnを含有する導体ペース
トを充填する。より具体的には、導体ペーストの金属成
分としては、金、銀、銅、およびアルミニウムの群から選
ばれる少なくとも1種の金属粉末を主体とするものであ
り、特に銅粉末、銀を表面に被覆した銅粉末、銀―銅合
金粉末の群から選ばれる少なくとも1種の銅含有粉末を
主体とするものであることが望ましい。Snは、Sn粉
末、またはSnを含有するPb−Sn,Ag−Sn−C
uなどの半田として添加することができる。
【0029】本発明においては、このビア導体中の金属
成分中において、Snを10〜70質量%、特に15〜
65質量%含有することが適当である。これは、Sn量
が10質量%よりも少ないと前記金属間化合物が形成さ
れにくく、70質量%を超えるとビア導体の抵抗が増大
する場合がある。
【0030】次に絶縁シート6の表面に、配線回路層9
を形成する。このような配線回路層を形成する方法とし
ては、本発明によれば、a)絶縁シートの表面に金属箔
を貼り付けた後、エッチング処理して回路パターンを形
成する方法、b)絶縁シート表面にレジストを形成し
て、メッキにより金属層を形成する方法、c)転写シー
ト表面に金属箔を貼り付けた後、エッチング処理して回
路パターンを形成した後、この金属箔の回路パターンを
絶縁シート表面に転写させる方法、等が挙げられる。
【0031】また、この時、絶縁シート表面に、配線回
路層を形成する場合に、その配線回路層の少なくともシ
ート側表面に、Cr、Ni、Zrの少なくとも1種の金
属層を形成しておくことが必要である。この金属層は、
5〜100nm、特に10〜50nmの厚みで、蒸着
法、スパッタリング法、メッキ法等の手法によって形成
することができる。
【0032】上記の配線回路層9の形成方法の中では、
絶縁シート6をエッチングやメッキ液などに浸漬する必
要がなく、ビア導体8内への薬品の侵入を防止する点
で、c)の転写法がもっとも望ましい。
【0033】そこで、c)転写法による配線回路層9を
例にして以下に説明する。図3(c)に示すように、転
写シート10の表面に金属箔からなる配線回路層9を形
成する。この配線回路層9は、転写シート10の表面に
金属箔を接着剤によって接着した後、この金属箔の表面
にレジストを回路パターン状に塗布した後、エッチング
処理およびレジスト除去を行って形成される。この時、
金属箔からなる配線回路層9露出面は、エッチング等に
より表面粗さ(Rz)0.1〜5μm、特に0.2〜4
μm程度に粗化されていることが望ましい。
【0034】この転写法においては、金属層は、転写シ
ート10に金属箔を貼りつける前に金属箔の表面に形成
するか、または回路パターン加工された配線回路層9の
表面に形成することも可能である。
【0035】次に、図3(d)に示すように、配線回路
層9が形成された転写シート10を前記ビア導体8が形
成された軟質の絶縁シート6の表面に位置合わせして加
圧積層した後、転写シート10を剥がして配線回路層9
を絶縁シート6に転写させることにより配線層aが形成
される。
【0036】この時、絶縁シート6が軟質状態であるこ
とから、配線回路層9は、絶縁シート6の表面に埋設さ
れ、実質的に絶縁シート6表面と配線回路層9の表面が
同一平面となるように加圧積層する。この時の加圧積層
条件としては、圧力20kg/cm2以上、温度60℃
〜140℃が適当である。これにより、ビア導体8の密
度を高め、導電性粉末間の接触点を増し、ビア導体8の
体積固有抵抗率を下げることができる。
【0037】そして、図3によれば、上記のようにして
作製された一単位の配線層a、あるいは同様にして作製
された一単位の配線層b、cを図3(e)に示すように
積層圧着し、絶縁シート6中の熱硬化性樹脂が完全硬化
する温度に加熱することにより単層、または多層化され
た配線基板Aを作製することができる。
【0038】特に硬化温度は、前記Cr、Ni、Zrの
少なくとも1種と、Snとの金属間化合物5を形成する
ために、硬化温度が200℃以上であることが望まし
く、この温度が240℃よりも低いと、ビア導体と内部
の配線回路層9の接触部において前記金属間化合物が生
成されにくいためである。
【0039】上記の転写シート10からの配線回路層9
の転写の製造方法によれば、絶縁シート6へのビアホー
ル7形成や積層化と、配線回路層9の形成工程を並列的
に行うことができるために、配線基板における製造時間
を大幅に短縮することができる。また、本発明の多層配
線基板によれば、絶縁基板を貫通するドリルを用いて貫
通孔を形成し、その貫通孔内壁に金属メッキ層を形成す
ることもできる。
【0040】なお、上記の製造方法では絶縁シートの完
全硬化およびビア導体の加熱処理を多層化後に一括して
行ったが、この加熱処理は、積層前に個々の絶縁シート
に対して施し硬化した後、積層して多層化することも可
能である。
【0041】さらに、図1では、多層化された配線基板
について示したが、本発明によればこれに限定されるも
のではなく、単層の配線基板であってももちろんよい。
【0042】
【実施例】本発明における配線基板の特性を評価するた
めに、以下のようにして単層の配線基板を作製した。
【0043】まず、BTレジン、PPE(ポリフェニレ
ンエーテル)またはポリイミド熱硬化性樹脂に平均粒径
が5μmの球状溶融SiO2を50体積%加え、これに
溶媒として酢酸ブチル、トルエン、MEK(メチルエチ
ルケトン)等を加え、さらに有機樹脂の硬化を促進させ
るための触媒を添加し、攪拌翼が公転および自転する攪
拌機により1時間混合した後、スラリーをドクターブレ
ード法により厚さ50μmの絶縁シートを作製した。こ
れらの絶縁シートを150mm□にカットし、CO2
ーザーにより直径100μmのビアホールを30×30
個(900個)形成した。
【0044】このビアホールに、金属成分として、銅−
銀合金粉末50質量%と、Pb−Sn半田(Sn37質
量%)を50質量%の割合で混合したもの100質量部
に、さらに有機樹脂として、エポキシ樹脂を加え、混合
し、導体ペーストを作製した。また、比較のために、S
nを含まない導体ペーストも合わせて調製した。そし
て、上記のビアホールに、上記の各導体ペーストをスク
リーン印刷法によって充填した。
【0045】一方、38μmのPETフィルムに、予め
両面に、Cr、Ni、Zrのメッキ層を表1の膜厚で形
成した厚さ12μmの電解銅箔を貼り合わせて転写用の
銅箔付きフィルムを準備した。
【0046】そして、この銅箔表面にドライフィルムレ
ジストを貼付し、露光、炭酸ナトリウムによる現像、塩
化第二鉄によるエッチングを行い台形の形成角60°の
形成角を持つ配線回路層を形成した。その後、水酸化ナ
トリウムによるレジストの剥離を行い、PETフィルム
上に配線パターンを形成した。この後、10%の蟻酸に
より配線回路層表面(プリプレグへの埋め込み側)を表
面粗さRz3.0μmに粗化した。
【0047】次に、ビア導体を形成した絶縁シートにP
ETフィルム上に作製した配線回路層を位置合わせして
貼り合わせ、130℃、500MPaで熱圧着し、PE
Tフィルムを剥がすことによって、絶縁シート表面に配
線回路層を転写した。
【0048】その後、同様にしてビア導体および配線回
路層を形成した絶縁シートを貼り合わせ、140℃、5
00MPaで熱圧着した後、200〜240℃で、40
0MPaの圧力で、60分間硬化処理を行い、ビア導体
900個のディジーチェーン(ビア導体をすべて直列で
接続した回路)を有する多層配線基板を作製した。
【0049】得られた配線基板におけるディジーチェー
ンの両端の体積固有抵抗率を測定し、初期抵抗として表
1に示した。さらに、85℃、85%相対湿度において
1000時間経過後の導通抵抗(テスト1)と、95%
相対湿度中、−55〜+125℃の温度範囲において1
000サイクル後の導通抵抗(テスト2)を測定し、さ
らに、150℃、1000時間経過後の導通抵抗(テス
ト3)を測定し、それぞれの条件における(初期抵抗と
テスト後の抵抗差/初期抵抗)×100(%)で表され
る抵抗変化率を計算しそれぞれ表1に示した。
【0050】また、X線回折測定によってビア導体と配
線回路層との接続部付近におけるSn金属間化合物の生
成の有無を確認した。結果は、表1に示した。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果から明らかなように、配線回路
層にCr、Ni、Zrの少なくとも1種を含む金属層を
形成し、ビア導体との接続部にCrSn、NiSn、Z
rSnの金属間化合物を形成した本発明品は、初期抵抗
が1×10-4Ωcm以下と低く、しかもテスト1〜3の
耐久性試験においても、抵抗変化率が6%以下と小さ
く、信頼性の高い配線基板を得ることができた。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の配線基板
によれば、配線回路層とビア導体との接続抵抗を下げる
ことができるとともに、配線回路層とビア導体とを強固
に結合することができために、優れた耐久性を示し、多
くのビア導体を有する高密度配線基板においても、形成
される回路の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の概略断面図である。
【図2】図1における配線回路層形成部分の要部拡大断
面図である。
【図3】本発明の配線基板を製造方法を説明するための
工程図である。
【符号の説明】
1a〜1d 絶縁層 1 絶縁基板 2 配線回路層 3 ビア導体 4 金属層 5 金属間化合物 6 絶縁シート 7 ビアホール 8 ビア導体 9 配線回路層 10 転写シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/40 H05K 3/40 K 3/46 3/46 G N S Fターム(参考) 4E351 AA02 BB01 BB30 BB33 BB35 BB49 CC01 CC03 CC06 CC11 CC17 DD04 DD11 DD17 DD19 DD21 EE01 EE03 GG02 GG09 5E317 AA24 BB02 BB11 BB12 BB15 CC25 CD27 GG03 GG14 5E343 AA02 AA16 BB04 BB15 BB16 BB24 BB38 BB44 BB52 BB67 BB71 DD56 DD62 DD76 EE21 GG01 5E346 AA12 AA15 AA16 AA22 AA32 AA43 AA51 CC32 CC37 CC41 DD12 DD16 DD17 DD22 DD32 EE06 EE07 EE09 EE13 EE18 FF18 GG15 GG17 GG19 GG22 GG28 HH07 HH11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも有機樹脂を含有する絶縁層の表
    面に配線回路層が形成され、配線回路層間を接続するた
    めに前記絶縁層を貫通して形成されたビアホール内に少
    なくともSnを含有する導体ペーストを充填してビア導
    体を形成してなる配線基板であって、前記配線回路層の
    絶縁層と接する表面にCr、Ni,Zrの少なくとも1
    種を含む金属層が形成されており、前記ビア導体と金属
    層との接触部に、Cr、Ni、Zrの少なくとも1種
    と、Snとの金属間化合物が存在することを特徴とする
    配線基板。
  2. 【請求項2】前記配線回路層表面に存在する金属層の厚
    みが5〜100nmであることを特徴とする請求項1記
    載の配線基板。
  3. 【請求項3】前記配線回路層が金属箔を加工したもので
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
  4. 【請求項4】 a)少なくとも熱硬化性有機樹脂を含有
    する軟質の絶縁シートの所定箇所にビアホールを形成
    し、このビアホール内に少なくともSnを含む導体ペー
    ストを充填してビア導体を形成する工程と、 b)前記絶縁シート表面に、少なくとも絶縁シート側に
    Cr、Ni、Zrの少なくとも1種を含む金属層を形成
    した配線回路層を形成する工程と、 c)前記ビア導体および前記配線回路層が形成された絶
    縁シートを所定の温度で加熱して熱硬化させるととも
    に、前記ビア導体と前記配線回路層との接触部にCr−
    Sn、Sn−Ni、Sn−Zrのいずれかの金属間化合
    物を生成せしめる工程とを具備することを特徴とする配
    線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】さらに、前記b)工程と、c)工程の間
    に、前記a)b)を経て作製されたビア導体および配線
    回路層を具備する絶縁シートを複数枚積層する工程と、
    を具備することを特徴とする請求項4記載の配線基板の
    製造方法。
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