JP3187373B2 - 配線基板 - Google Patents

配線基板

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JP3187373B2 JP21679498A JP21679498A JP3187373B2 JP 3187373 B2 JP3187373 B2 JP 3187373B2 JP 21679498 A JP21679498 A JP 21679498A JP 21679498 A JP21679498 A JP 21679498A JP 3187373 B2 JP3187373 B2 JP 3187373B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも有機樹
脂を含有する絶縁基板と、導電性ペーストを充填してな
るバイアホール導体を具備する配線基板において、バイ
アホール導体の低抵抗化と接続信頼性の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】近年、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の表面に導体配線層を形成
した、いわゆるプリント基板が回路基板や半導体素子を
搭載したパッケージ等に適用されている。このようなプ
リント基板において導体配線層を形成する方法として
は、絶縁基板の表面に銅箔を接着した後、これをエッチ
ングして配線回路を形成する方法、または配線回路に形
成された銅箔を絶縁基板に転写する方法、絶縁基板の表
面に金属メッキ法によって回路を形成する方法等が用い
られている。
【0003】また、配線の多層化に伴い、異なる層間の
導体配線層をバイアホール導体によって電気的に接続す
ることも行われている。このバイアホール導体は多層配
線基板の絶縁基板の所定の箇所にドリル等でバイアホー
ルを開けた後に、バイアホール内の内壁にメッキ等を施
すのが一般的である。
【0004】ところが、上記のような方法では化学的な
メッキ処理を施すのに用いられる薬品が高価であり、処
理時間も長いなど生産性と経済性に難がある。また、内
壁にメッキを施したバイアホール導体は、多層構造にお
ける任意の層間に形成することが難しく、導体配線層の
密度を向上できないという問題がある。
【0005】このような問題に対して、最近では導体配
線層を、銀、銅、ハンダなどの金属粉末と熱硬化性樹脂
や活性剤とを混合した導体ペーストを用い、これを絶縁
基板の表面に塗布したり、バイアホール内に充填し、積
層して多層化する方法が、特許第2603053号、特
公平5−39360、特開昭55−160072等にて
提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
導体ペーストの充填によるバイアホール導体を形成する
方法では、導電性ペースト中の熱硬化性樹脂成分の量が
多く、またバイアホール導体中において金属粉末間の接
触性が充分でないために、バイアホール導体の導電率が
低いという問題があった。
【0007】このような問題に対して、ペースト中に銅
などの粉末とともに、Pb−Snなどの低融点半田を含
有させて銅粉末間を半田によって接続させてバイアホー
ル導体の導電率を高めることも提案されている。
【0008】しかしながら、配線基板中のバイアホール
導体中にPb−Snなどの半田そのものが存在すると、
リフロー工程や信頼性試験時に配線基板が高温に加熱さ
れた場合に、バイアホール導体中の半田成分が溶融し
て、銅箔などからなる配線層とバイアホール導体との接
続状態が変化し、導電性が劣化するという問題があっ
た。
【0009】本発明はこのような欠点を解消し、少なく
とも有機樹脂を含有する絶縁基板を具備し、銅を含む導
電性ペーストの充填によって形成され、高導電率と高い
耐熱性を有し、導体配線層との高い接続信頼性を有する
バイアホール導体を具備する配線基板を提供することを
目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、バイアホー
ル導体の高導電率化について検討を重ねた結果、少なく
とも有機樹脂を含有する絶縁基板と、該絶縁基板の表面
および/または内部に形成された複数層の導体配線層
と、該導体配線層間を電気的に接続するために絶縁基板
内に設けられ、金属成分として少なくとも銅を含有する
金属粉末を充填してなるバイアホール導体とを具備する
配線基板に係わるものであって、そのバイアホール導体
中に錫(Sn)を含有せしめ、その量をSn/(Cu+
Sn)で表される重量比が0.25〜0.75となる割
合とするとともに、バイアホール導体中の銅含有粉末間
にCu3Snの金属間化合物を生成せしめることによ
り、バイアホール導体の高導電率化と耐熱性を向上させ
ることができ、これによって、260℃で2分間保持後
の耐熱試験後においてもバイアホール導体の体積固有抵
抗が1×10-4Ω−cm以下の優れた耐熱性を付与する
ことができる。
【0011】また、前記バイアホール導体は、X線回折
測定において、2θ=57.5°付近に存在するCu
Snのピーク高さをH1 、2θ=60°付近に存在
するCu6 Sn5 のピーク高さをH2 とした時、H1
2 が0.5以上である場合にはさらに優れた耐熱性を
具備することができる。
【0012】なお、前記バイアホール導体中には、全金
属成分中35重量%以下の割合でPbを含有していても
よい。
【0013】また、本発明の配線基板によれば、前記導
体配線層を銅箔によって形成し、バイアホール導体内の
前記銅箔表面に、Cu3 Snの金属間化合物を生成せし
めることにより、銅箔からなる導体配線層とバイアホー
ル導体とを強固に結合することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の配線基板の一例を示す概
略断面図を図1に示した。本発明の配線基板は、少なく
とも有機樹脂を含有する絶縁層1a〜1dを複数層積層
してなる絶縁基板1を有し、その絶縁基板1の表面およ
び内部には、回路パターンに形成された複数層の導体配
線層2が被着形成されている。そして、異なる層間の導
体配線層2を接続するために、バイアホール導体3が設
けられている。
【0015】このバイアホール導体3には、銅粉末、銀
を表面に被覆した銅粉末、銀−銅合金粉末などの少なく
とも銅を含む粉末が充填されてなるものであるが、本発
明においては、このバイアホール導体3中には、さらに
錫(Sn)を含有するとともに、このバイアホール導体
3中の銅含有粉末間に少なくともCu3Snで表される
金属間化合物を含有せしめたものである。
【0016】Cu3 Snは、銅(Cu)と錫(Sn)と
が3:1の比率からなる結晶性化合物であり、銅(C
u)と錫(Sn)の金属間化合物としては、前記Cu3
Sn以外に、Cu6 Sn5 があるが、本発明によれば、
少なくともCu含有量の多いCu3 Snを少なくとも存
在させることによって、バイアホール導体の耐熱性と高
電気伝導性を付与することができる。なお、本発明にお
いては、Cu6 Sn5 がCu3 Snとともに存在しても
よい。
【0017】図2のバイアホール導体の組織を示す概略
図に示すように、銅含有粉末4間、さらには銅含有粉末
4と導体配線層2との間に前記金属間化合物5が存在
し、銅含有粉末間および銅含有粉末と導体配線層2間を
強固に接続している。
【0018】本発明においては、このCu3 Snの生成
を促進させるために、バイアホール導体中の銅(Cu)
および錫(Sn)とのSn/(Cu+Sn)で表される
重量比が0.25〜0.75、特に0.30〜0.7
0、さらには0.35〜0.65となる割合で含有され
る。
【0019】これは、前記重量比率が0.25よりも小
さいと、金属間化合物の生成量が少なくなる結果、銅含
有粉末間および銅含有粉末と導体配線層間との接続性が
低くなるために、バイアホール導体を介した2つの導体
配線層間の導電率が低く、しかもリフロー時の耐熱性が
劣る、即ち、240〜260℃の温度でリフローした場
合に、バイアホール導体における金属粉末間や、バイア
ホール導体と導体配線層との接触状態が容易に変化して
バイアホール導体を介した2つの導体配線層間の導電率
が低下するためである。
【0020】また、前記重量比率が0.75よりも大き
いと、銅の絶対量が少なくなるために前記金属間化合物
の生成量が少なく、しかもCuとの金属間化合物を形成
できなかった未反応の錫がバイアホール導体内に、錫ま
たは低融点の錫合金として残存して、同様にリフロー
(240〜260℃)時の耐熱性が劣化する。即ち、リ
フロー時に未反応の錫あるいは低融点の錫合金が溶融し
て、バイアホール導体における金属粉末間や、バイアホ
ール導体と導体配線層との接触状態が容易に変化してバ
イアホール導体を介した2つの導体配線層間の導電率が
低下しやすくなるためである。
【0021】また、本発明によれば、バイアホール導体
内には、少なくともCu3 Snが存在し、他の金属間化
合物としてCu6 Sn5 と共存していてもよいが、Cu
3 SnはCu6 Sn5 よりも導電率が高い。従って、上
記金属間化合物としてはCu3 Sn化合物が多量に存在
し、Cu6 Sn5 化合物がCu3 Sn化合物間に点在す
るか、または存在しないことが望ましい。
【0022】より具体的には、バイアホール導体のX線
回折測定において、2θ=57.5°付近に存在するC
3 Snのピーク高さをH1 、2θ=60°付近に存在
するCu6 Sn5 のピーク高さをH2 とした時、H1
2 が0.5以上、特に1.0以上であることが望まし
い。
【0023】なお、本発明によれば、バイアホール導体
中には、前記銅、錫、銀以外に、Pbを含有してもよい
が、その場合、Cu3 Snの生成とともに、CuSnP
3の金属間化合物が形成されやすくなる。このCuS
nPb3 は、高抵抗であるために、バイアホール導体の
導電率が低下することから、Pbの含有量は、全金属成
分中35重量%以下、特に30重量%以下、さらには2
5重量%以下であることが望ましい。
【0024】本発明における配線基板は、バイアホール
導体を上記のような組成および組織によって構成するこ
とにより、260℃で2分間保持する耐熱試験後におい
てもバイアホール導体の体積固有抵抗が1×10-4Ω−
cm以下、特に5×10-5Ω−cm以下の非常に優れた
導電性を維持することができる。
【0025】また、バイアホール導体中には、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱
硬化性樹脂やセルロース等の樹脂が含まれる場合もあ
る。
【0026】本発明の多層配線基板における絶縁層1a
〜1dは、少なくとも有機樹脂を含む絶縁材料から構成
され、具体的には、有機樹脂としては例えば、PPE
(ポリフェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイ
ミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フ
ッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂が望ましく、とりわ
け原料としてガラス転移点が180℃以上の熱硬化性樹
脂であることが望ましい。また、この有機樹脂中には、
基板全体の強度を高めるために、フィラー成分を複合化
させることもできる。フィラーとしては、SiO2 、A
2 3 、ZrO2 、TiO2 、AlN、SiC、Ba
TiO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3
の無機質フィラーが好適に使用される。また、ガラスや
アラミド樹脂からなる不織布、織布などに上記樹脂を含
浸させて用いてもよい。このようにフィラー成分と複合
化する場合、有機樹脂とフィラーとは体積比率で30:
70〜70:30の比率で複合化することが望ましい。
【0027】さら、導体配線層2としては、銅、アルミ
ニウム、金、銀の群から選ばれる少なくとも1種、また
は2種以上の合金からなることが望ましく、特に、銅、
または銅を含む合金からなる厚さ5〜40μmの金属箔
によって形成することが、バイアホール導体を両端を封
止して外気の影響を防止でき、しかも導体ペーストを充
填して形成したバイアホール導体との電気的な接続性に
優れることから最も望ましい。
【0028】(ペースト調製方法)本発明の配線基板の
バイアホール導体中に充填する際の導体ペーストの調製
方法について説明すると、まず、金属成分として、銅粉
末、銀を被覆した銅粉末、銅−銀合金粉末などの銅含有
粉末に対して、錫粉末、あるいはPb−Snなどの合金
からなる半田粉末を、金属成分中の錫(Sn)と銅(C
u)とのSn/(Cu+Sn)で表される重量比が0.
25〜0.75となる割合に配合する。そして、この金
属成分100重量部に対して、樹脂分を1〜6重量部、
溶剤を1〜4重量部の割合で添加する。
【0029】使用する銅含有粉末は、導電性が優れ、分
散性がよい電解銅粉が最も望ましく、平均粒径は0.5
〜5μmが望ましい。これは0.5μmよりも小さい
と、表面が酸化して粉末間の導電性が低下し、5μmよ
りも大きいと、バイアホール導体への粉末の充填率が低
下し抵抗が増大するためである。また、前記錫粉末もし
くは半田粉末の平均粒径は1〜15μmがよい。これ
は、1μmよりも小さいと表面が酸化して高抵抗化し、
15μmよりも大きいと充填率が低下するとともに錫が
局在化して耐熱性を損ねるためにである。
【0030】樹脂分としては、銅含有粉末や錫含有粉末
の分散性、接着性、耐熱性、保存性、耐候性などの観点
から、アミン系硬化剤や酸無水物と反応するビスフェノ
ールA、或いはビスフェノールF、エポキシ樹脂、トリ
アリルイソシアヌレート樹脂などの熱硬化性樹脂の他、
セルロースなども使用できる。
【0031】また、溶剤としては、樹脂分や溶解可能な
溶剤であればよく、例えば、イソプロピルアルコール、
テルピネオール、2−オクタノール、ブチルカルビトー
ルアセテート等が用いられる。
【0032】上記のようにして調合された組成物を攪拌
脱泡機や3本ロールなどで混練することによりペースト
を作製できる。この混練において、金属粉末と熱硬化性
樹脂が混ざり、錫を主体とした粉末の硬化時の酸化を防
ぐことができる。
【0033】(配線基板作製方法)次に、前記導体ペー
ストを用いて、配線基板を製造する方法について説明す
る。まず、図3(a)に示すように未硬化または半硬化
状態の軟質の絶縁シート11に対して、レーザー加工や
マイクロドリルなどによってバイアホール12を形成す
る。そして、図3(b)に示すように、そのバイアホー
ル12内に、前述したようにして調製された導体ペース
トを充填してバイアホール導体13を形成する。導体ペ
ーストの充填はスクリーン印刷によって行うことができ
る。
【0034】次に、絶縁シート11の表面に、導体配線
層14を形成する。この導体配線層14の形成は、a)
絶縁シートの表面に金属箔を貼り付けた後、エッチング
処理して回路パターンを形成する方法、b)絶縁シート
表面にレジストを形成して、メッキにより金属層を形成
する方法、c)転写シート表面に金属箔を貼り付けた
後、エッチング処理して回路パターンを形成した後、こ
の金属箔の回路パターンを絶縁シート表面に転写させる
方法、等が挙げられるが、この中でも、絶縁シートをエ
ッチングやメッキ液などに浸漬する必要がなく、バイア
ホール導体内への薬品の侵入を防止する上では、c)の
転写法が最も望ましい。
【0035】そこで、c)転写法による導体配線層を例
にして以下に説明する。図3(c)に示すように、転写
シート15の表面に、金属箔からなる導体配線層14を
形成する。この導体配線層14は、転写シート15の表
面に金属箔を接着剤によって接着した後、この金属箔の
表面にレジストを回路パターン状に塗布した後、エッチ
ング処理およびレジスト除去を行って形成される。この
時、金属箔からなる導体配線層14露出面は、エッチン
グ等により表面粗さ(Ra)0.1〜5μm、特に0.
2〜4μm程度に粗化されていることが望ましい。
【0036】次に、図3(c)に示すように、導体配線
層14が形成された転写シート15を前記バイアホール
導体13が形成された軟質の絶縁シート11の表面に位
置合わせして加圧積層した後、転写シート15を剥がし
て導体配線層14を絶縁シート11に転写させることに
より一単位の配線層aが形成される。
【0037】この時、絶縁シート11が軟質状態である
ことから、導体配線層14は、絶縁シート11の表面に
埋設され、実質的に絶縁シート11表面と導体配線層1
4の表面が同一平面となるように加圧積層する。この時
の加圧積層条件としては、圧力20kg/cm2 以上、
温度60〜140℃が適当である。
【0038】そして、上記のようにして作製された一単
位の配線層aおよび同様にして作製された一単位の配線
層b,cを図3(e)に示すように積層圧着し、所定の
温度に加熱することにより絶縁シート中の熱硬化性樹脂
を完全硬化させることにより多層化された配線基板を作
製することができる。
【0039】この時の加熱硬化温度は、絶縁シート中の
熱硬化性樹脂が完全に硬化するに充分な温度であると同
時に、バイアホール導体中の銅と錫を反応せしめ、Cu
3 Sn、Cu6 Sn5 が生成可能な温度であることが要
求され、150℃以上に設定される。
【0040】より具体的には、錫粉末を用いた場合に
は、錫粉末の融点が232℃であることから、およそ1
90℃以上に加熱する。また、Pb−Sn等の半田粉末
を用いた場合には、Pb,Snの比率によって融点が異
なることから、その比率に応じて、錫粉末あるいは半田
粉末が半溶融または完全溶融する温度に加熱すればよい
が、Cu3 Snの生成のためには180℃以上であるこ
とが望ましい。
【0041】この加熱によって、溶融した錫成分が銅含
有粉末中の銅成分と反応し、Cu3Sn、Cu6 Sn5
などの金属間化合物が生成されるが、この反応による前
記金属間化合物の生成量は、加熱温度と加熱時間によっ
て定められ、例えば、Sn成分として、Sn粉末を配合
した場合、未反応のSnは、電子顕微鏡写真によって観
察した時に、Snの凝集部として確認される。また、半
田粉末を用いた場合も同様にSnおよびPbの凝集部が
確認されるが、本発明によれば、最終的には、バイアホ
ール導体中のSn成分のほとんどが前記金属間化合物に
変換されており、上記未反応のSnや半田部が実質的に
存在しないことが望ましい。
【0042】上記の製造方法によれば、絶縁シートへの
バイアホール形成や積層化と、導体配線層の形成工程を
並列的に行うことができるために、配線基板における製
造時間を大幅に短縮することができる。また、本発明の
多層配線基板によれば、ドリルを用いてスルーホールを
形成し、そのホール内壁に金属メッキ層を形成すること
もできる。
【0043】なお、上記の製造方法では、絶縁シートの
完全硬化およびバイアホール導体におけるCu3 Sn、
Cu6 Sn5 等の金属間化合物のための加熱処理を多層
化後に一括して行ったが、この加熱処理は、積層前に個
々の絶縁シートに対して施した後、積層して多層化する
ことも可能である。
【0044】本発明によれば、配線基板における銅を含
有するバイアホール導体中に加熱処理によって生成され
たCu3 Sn、Cu6 Sn5 の金属間化合物は、導電性
に優れるとともに、銅含有粉末間、あるいは銅粉末と導
体配線層間との強固に接合している。しかも、この金属
間化合物は、錫粉末や半田粉末に比較して耐熱性に優れ
るために、260℃で2分間保持する耐熱試験を行って
も、銅含有粉末間、あるいは銅粉末と導体配線層間との
接合状態が変化することがなく、導電性の変化のない安
定した高導電率を有するバイアホール導体を有する配線
基板を作製することができる。
【0045】
【実施例】本発明におけるバイアホール導体の特性を評
価をするために、以下のようにして単層の配線基板を作
製した。
【0046】まず、銀被覆銅粉末(平均粒径5μm、銀
含有量6重量%)と、Pb−Sn合金(平均粒径10μ
m、Pb:Sn重量比=38:62、融点=約183
℃)を表1に示す割合で調合した金属成分に対して、熱
硬化性樹脂であるビスフェノールFとアミン系硬化剤か
らなるエポキシ樹脂を4.0重量部、溶剤として2−オ
クタノールを2.0重量部添加し、3本ロールで混練し
て導電性ペーストを調製した。
【0047】一方、ポリフェニレンエーテル樹脂40体
積%と、シリカを60体積%からなるBステージの絶縁
シートに対して、マイクロドリルによって直径が200
μmのバイアホールを形成し、そのバイアホール内に前
記のようにして調製した導電性ペーストをにして充填し
た。
【0048】そして、導電性ペーストを埋め込んだBス
テージ状態の絶縁シートの両面に、厚さ12μmの銅箔
からなる導体配線層を転写法により前記バイアホール導
体の両端を挟持するように張り合わせた後、表1に示す
条件で熱処理を施した。
【0049】そして、熱処理後のバイアホール導体の体
積固有抵抗を測定した。また、260℃の半田雰囲気中
に2分間保持させる耐熱試験を施し、この試験後のバイ
アホール導体の体積固有抵抗を測定し、表1に示した。
なお、この体積固有抵抗の測定は、バイアホール導体を
両側から挟持する金属箔からなる導体配線層間の抵抗を
測定したものである。
【0050】また、各配線基板のバイアホール導体に対
して、X線回折測定を行い、2θ=57.5°付近に存
在するCu3 Snのピーク高さをH1 、2θ=60°付
近に存在するCu6 Sn5 のピーク高さをH2 とした時
のH1 /H2 ピーク比を求め、表1に示した。なお、表
1中の試料No.5、6、7、9のバイアホール導体のX
線回折チャートを図4に示した。
【0051】
【表1】
【0052】表1の結果に示される通り、Sn/(Cu
+Sn)重量比が25重量%よりも低い場合(試料No.
1〜4)、Cu3 Sn化合物の生成がないか、あるいは
量が少なく、耐熱試験後のΩ−cmが2.6×10-4Ω
−cm以上にまで増大し、耐熱性の低いものであった。
また、Sn/(Cu+Sn)重量比が75重量%を超え
てもCu3 Snの生成が認められず、耐熱試験後の抵抗
も高いものであった。
【0053】さらに、熱処理温度が低すぎてCu3 Sn
の生成が認められない場合には、優れた導電性と耐熱性
は発揮されなかった。なお、X線ピーク強度比において
は、H1 /H2 のピーク比が0.5以上では、耐熱試験
後においても3×10-5Ω−cm以下の優れた耐熱性と
高導電性を示した。
【0054】
【発明の効果】以上詳述べたように、本発明の配線基板
によれば、銅を含む粉末を充填して形成されたバイアホ
ール導体において、錫を特定の割合で含有させるととも
に、特定の銅と錫との金属間化合物を生成せしめること
により、バイアホール導体の導電率を向上させることが
できるとともに、銅含有粉末間、あるいは銅粉末と導体
配線層間を強固に接合し、半田耐熱試験後においても、
導電性の変化のない安定性を有するために配線基板とし
ての信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における配線基板の概略断面図である。
【図2】本発明の配線基板におけるバイアホール導体の
組織を示す概略図である。
【図3】本発明における配線基板の製造方法を説明する
ための工程図である。
【図4】本発明の実施例におけるバイアホール導体のX
線回折測定チャートを示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 導体配線層 3 バイアホール導体 4 銅含有粉末 5 金属間化合物 5a Cu3 Sn 5b Cu6 Sn

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも有機樹脂を含有する絶縁基板
    と、該絶縁基板の表面および/または内部に形成された
    複数層の導体配線層と、該導体配線層間を電気的に接続
    するために絶縁基板内に設けられ、金属成分として少な
    くとも銅を含有する金属粉末を充填してなるバイアホー
    ル導体とを具備する配線基板において、前記バイアホー
    ル導体中に錫(Sn)を前記銅(Cu)とのSn/(C
    u+Sn)で表される重量比が0.25〜0.75とな
    る割合で含有するとともに、少なくとも前記銅含有粉末
    間にCu3Snで表される金属間化合物が存在すること
    を特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】前記バイアホール導体のX線回折測定にお
    いて、2θ=57.5°付近に存在するCu3Snのピ
    ーク高さをH1、2θ=60°付近に存在するCu6Sn
    5のピーク高さをH2とした時、H1/H2が0.5以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 【請求項3】前記バイアホール導体中に、全金属成分中
    35重量%以下の割合でPbが含まれていることを特徴
    とする請求項1記載の配線基板。
  4. 【請求項4】前記導体配線層が銅箔によって形成され、
    前記バイアホール導体内の前記銅箔表面に、Cu3Sn
    の金属間化合物が存在することを特徴とする請求項1記
    載の配線基板。
  5. 【請求項5】260℃で2分間保持後のバイアホール導
    体の体積固有抵抗が1×10-4Ω−cm以下であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の配
    線基板。
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