JP6357271B1 - 柱状導体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールド性、導電性、耐熱性に優れた柱状導体構造を提供する。
【解決手段】基板100の厚み方向に設けられた貫通孔102内に導体を充填した柱状導体構造Aであって、柱状導体構造Aは、貫通孔102の壁面または底面と接する第1層103と、その表面に設けられた第2層104と、第2層104の内側で貫通孔102を充填する充填層105とを有し、第1層103は、厚さ0.1μmから10μmの金属層であり、第2層104は、厚さ1μmから10μmの第1金属間化合物を含む層からなり、充填層105は、第2金属間化合物1051と合金1052とからなり、第2金属間化合物1051は、充填層105中、少なくとも5質量%を占め、第2金属間化合物1051は、合金1052中に分散されている、柱状導体構造A。
【選択図】図1

Description

本発明は、柱状導体構造に関する。
例えば、半導体デバイスにおいては、これまで、基板上に半導体チップを平面的に配置し、その間を配線で接続する方法がとられてきた。しかし、この方法では、実装面積が半導体チップの数とともに増加するとともに、配線長も増加してしまうので、半導体デバイスの小型大容量化、高性能化及び低消費電力化を実現することが困難である。微細化技術が極限まで進んだ現状では、半導体チップの微細化、小型化をとおして、大容量化、高性能化及び低消費電力化を実現することは、限界に来ている。
そこで、半導体チップを積層し、チップ間を貫通電極で接続するいわゆるTGV(Through Glass Via)方式に係る三次元配置の半導体デバイスの開発が進められている。TGV技術を使えば、大量の機能を小さな占有面積の中に詰め込めるようになるし、また、素子同士の重要な電気経路が劇的に短く出来るために、処理の高速化が導かれる。
TGV方式に係る三次元配置の半導体デバイスを実現する代表的な技術は、めっき技術を適用して貫通電極を形成するめっき方法、及び、微細空間を持つシリコン基板を、真空圧に減圧した真空チャンバー内で溶融金属槽に挿入し、シリコン基板が溶融金属とほぼ同じ温度に達した後、真空チャンバー内を例えば大気圧以上に加圧して、溶融金属を微細空間に充填し、硬化させて、溶融凝固導体でなる貫通導体を形成する溶融金属充填方法である。
しかし、高アスペクト比を持つ微細空間内に、空隙や硬化後変形などを生じさせることなく、その底部まで充填材を充分に充填することは困難を極める。そのような技術的困難性を克服し得る先行技術として、特許文献1及び2に記載された充填方法及び装置が知られている。
特許文献1に記載された技術は、ウエハに存在する微細空間に溶融金属を充填し硬化させる方法であって、前記微細空間内の前記溶融金属に対し、大気圧を超える強制外力を印加したままで、前記溶融金属を冷却し硬化させる工程を含む。前記強制外力は、プレス圧、射出圧又は転圧から選択された少なくとも1種で与えられ、前記微細空間の他端側を閉じた状態で、前記微細空間の開口する開口面側から前記溶融金属に印加される。特許文献2は、特許文献1に記載された方法を実施するための装置を開示している。
上述した特許文献1、2に記載された技術によれば、微細空間内の導体構造に空隙やボイドなどを生じることなく、微細空間を充填物によって満たし得ること、微細隙間で冷却された硬化金属の凹面化を回避し得ること、及び、工程の簡素化、歩留りの向上などに寄与し得ること、等の優れた作用効果を得ることができる。
特許文献1、2に開示された発明は、TGV(through Glass via)技術の実用化に極めて有用な技術であるが、昨今のパワー半導体等の適用については、導体構造のさらなるシールド性、導電性、耐熱性の向上が求められる。
また、特許文献3には、3次元集積化技術においてシリコンボードの貫通孔にシリコン貫通配線(TSV)を形成する方法であって、シリコンボードに用意されている小さい径の貫通孔の内部の空間を、溶融されたはんだで充填させる技術を開示している。具体的には、貫通孔にCu粉末を導入した後に、Sn粉末を加熱して溶融する製造方法を開示していている。しかし、特許文献3に開示された技術では、貫通孔の入口でCuとSnとが反応し、金属間化合物が瞬時に生成され、貫通孔の内部に導体構造を形成することができないという問題点があった。
特許第4278007号公報 特許第4505540号公報 特許第6021125号公報
本発明の課題は、シールド性、導電性、耐熱性に優れた柱状導体構造を提供することにある。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、有底孔または貫通孔の内部を充填する充填層の微細な構造を特定化することにより、上記課題を解決できることを見い出した。
すなわち本発明は、以下の通りである。
1.基板の厚み方向に設けられた有底孔内または貫通孔内に導体を充填した柱状導体構造であって、
前記柱状導体構造は、前記有底孔または前記貫通孔の壁面または底面と接する第1層と、前記第1層の表面に設けられた第2層と、前記第2層の内側で前記有底孔または前記貫通孔を充填する充填層とを有し、
前記第1層は、厚さ0.1μmから10μmの金属層であり、
前記第2層は、厚さ1μmから10μmの第1金属間化合物を含む層からなり、
前記充填層は、第2金属間化合物と合金とからなり、
前記第2金属間化合物は、前記充填層中、少なくとも5質量%を占め、かつ
前記第2金属間化合物は、前記合金に分散されている、
柱状導体構造。
2.前記1に記載された柱状導体構造であって、
前記第1層は、Snと金属間化合物を形成し得る金属を含み、
前記第2層における前記第1金属間化合物は、Snと前記第1層の金属との金属間化合物からなり、
前記充填層は、SnまたはSn合金を含む、
柱状導体構造。
3.前記1または前記2に記載された柱状導体構造であって、
前記基板は、絶縁基板である、
柱状導体構造。
4.前記1または前記2に記載された柱状導体構造であって、
前記基板は、半導体基板であり、
前記有底孔または前記貫通孔の壁面または底面と、前記第1層との間に絶縁層が存在する、
柱状導体構造。
5.前記1〜4のいずれかに記載の柱状導体構造を有する、半導体装置。
本発明の柱状導体構造は、基板の厚み方向に設けられた有底孔または貫通孔の壁面または底面と接する第1層と、前記第1層の表面に設けられた第2層と、前記第2層の内側で前記有底孔または前記貫通孔を充填する充填層とを有し、前記第1層および前記第2層の厚さを特定範囲に定めるとともに、前記充填層を、金属間化合物と合金相とからなるものとし、該金属間化合物の量および形態を特定化しているため、シールド性、導電性、耐熱性に優れた柱状導体構造を提供することができる。
本発明の柱状導体構造を説明するための概略断面図である。 本発明の金属粒子の製造に好適な製造装置の一例を説明するための図である。 実施例で得られた本発明の金属粒子の断面STEM-EDS Mapping SEM像である。 実施例で作成された本発明の柱状導体構造の断面のSEM像である。 参考例1で作成された柱状導体構造の断面のSEM像である。 参考例2で作成された柱状導体構造の断面のSEM像である。
以下、本発明を図面を参照しながらさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
図1は、本発明の柱状導体構造を説明するための概略断面図である。
図1において、本発明の柱状導体構造Aは、例えば絶縁基板100の厚み方向に設けられた有底孔内または貫通孔102内に導体を充填した構造である(図1は貫通孔を示している)。貫通孔102の孔径は、例えば80μm以下、具体的には20μm〜60μm程度であり、深さは、孔径とのアスペクト比が、1以上、好ましくは5以上となる値である。基板100が例えばガラス基板である場合には、貫通孔12がガラス面内に多数設けられる。
柱状導体構造Aは、貫通孔102の壁面または底面と接する第1層103と、第1層103の表面に設けられた第2層104と、第2層104の内側で貫通孔102を充填する充填層105とを有する。
第1層103は、厚さ0.1μmから10μmの金属層であり、例えばSnと金属間化合物を形成し得る金属から構成される層が好ましい。該金属としてはCuが好適である。第1層は、例えばCuを貫通孔12の表面にめっきやスパッタリング等の手法を用いて設けることができる。
第2層104は、厚さ1μmから10μmの第1金属間化合物を含む層からなり、第1金属間化合物は、低融点金属と、高融点金属とを含むことができ、例えば、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、SiおよびNiの群から選択された材料によって構成することができる。
充填層105は、第2金属間化合物1051と合金1052とからなる。第2金属間化合物1051は、低融点金属と、高融点金属とを含むことができ、例えば、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、SiおよびNiの群から選択された材料によって構成することができる。第2金属間化合物1051は、充填層105中、少なくとも5質量%を占め、かつ第2金属間化合物1051は、合金1052中に分散されている。また本発明の好適な形態によれば、第2金属間化合物1051の少なくとも1部が第2層104と結合し、かつ第2金属間化合物1051A同士が互いに結合し、充填層105の貫通孔102間を横断するように、骨格構造を構成している。このような構造によれば、柱状導体構造Aの導電性および耐熱性をさらに高めることができる。
また、第2金属間化合物1051は、冷却時の体積収縮や、導体の粒成長、結晶成長を抑制し得る。したがって、柱状導体構造Aのマイクロクラック発生を抑制できる。
なお、充填層105の合金1052は、低融点金属または合金により構成され得、柱状導体構造Aのシールド性に寄与している。
上記のような本発明の柱状導体構造Aは、下記で説明する金属粒子(以下、本発明の金属粒子と呼ぶことがある)を用いて形成することができる。なお、下記で説明する本発明の金属粒子は、SnおよびCuからなるものであるが、本発明は該形態に制限されない。第2層104および充填層105は、低融点金属と、高融点金属とを含むことができ、例えば、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、SiおよびNiの群から選択された材料によって構成することができることは、上述の通りである。
本発明の金属粒子は、例えば、8質量%Cuおよび92質量%Snを組み合わせた原材料(以下8Cu・92Snと称する)から製造することができる。例えば、8Cu・92Snを溶融し、これを窒素ガス雰囲気中で高速回転する皿形ディスク上に供給し、遠心力により該溶融金属を小滴として飛散させ、減圧下で冷却固化させる等によって、本発明の金属粒子を得ることができる。なお、上記形態において本発明の金属粒子は、CuおよびSn以外の、その他の元素の含有を排除するものではない。
本発明の金属粒子の製造に好適な製造装置の一例を図2を参照して説明する。粒状化室1は上部が円筒状、下部がコーン状になっており、上部に蓋2を有する。蓋2の中心部には垂直にノズル3が挿入され、ノズル3の直下には皿形回転ディスク4が設けられている。符号5は皿形回転ディスク4を上下に移動可能に支持する機構である。また粒状化室1のコーン部分の下端には生成した粒子の排出管6が接続されている。ノズル3の上部は粒状化する金属を溶融する電気炉(高周波炉)7に接続されている。混合ガスタンク8で所定の成分に調整された雰囲気ガスは配管9及び配管10により粒状化室1内部及び電気炉7上部にそれぞれ供給される。粒状化室1内の圧力は弁11及び排気装置12、電気炉7内の圧力は弁13及び排気装置14によりそれぞれ制御される。ノズル3から皿形回転ディスク4上に供給された溶融金属は皿形回転ディスク4による遠心力で微細な液滴状になって飛散し、減圧下で冷却されて固体粒子になる。生成した固体粒子は排出管6から自動フィルター15に供給され分別される。符号16は微粒子回収装置である。
溶融金属を減圧化で冷却固化させる過程は、本発明の金属粒子の結晶構造を形成するために重要である。
例えば次のような条件が挙げられる。
皿形回転ディスク4:内径60mm、深さ3mmの皿形ディスクを用い、毎分8万〜10万回転とする。
粒状化室1:9×10−2Pa程度まで減圧する性能を有する真空槽を使用して減圧した上で、15〜50℃の窒素ガスを供給しつつ排気を同時に行って、粒状化室1内の気圧を1×10−1Pa以下とする。
これら条件により製造された金属粒子の粒径は、例えば直径20μm以下であり、典型的には2μm〜15μmである。
製造された本発明の金属粒子は、シート状あるいはペースト状に加工することもできる。本発明の金属粒子からなるシートは、当該金属粒子を、例えば、対向する向きに回転しかつ加熱された一対の圧接ローラーの間に供給し、圧接することにより得ることができる。また、本発明の金属粒子からなるペーストは、本発明の金属粒子を有機ビヒクル中に混在させることにより得ることができる。なお、前記シートまたは前記導電性ペーストには、本発明の効果を損ねない範囲において、SnAgCu系合金粒子および/またはCu粒子のような他の粒子を加え、金属粒子との混合物としてもよい。これら他の粒子は、必要に応じてSiのような金属でコートされていてもよい。
上記のようにして製造された本発明の金属粒子を用いて、本発明の柱状導体構造Aを作成する形態について説明する。本発明の柱状導体構造Aは、例えば特許第5450780号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
まず、絶縁基板100の貫通孔102の表面に、例えばCuを厚さ0.1μmから10μmとなるように、めっきやスパッタリング等の公知の手法を用いて設ける。
続いて、本発明の金属粒子を、貫通孔102上に設置し、還元雰囲気下、230℃〜280℃に加熱しながら加圧させ、硬化させる。このような工程において、加熱により本発明の金属粒子が溶融し、貫通孔102の中に入り込み、第1層であるCuと反応して第1金属間化合物(例えばCuSnを含む)を含む第2層が、厚さ1μmから10μmの範囲でもって形成される。同時に、充填層105が、本発明の金属粒子の構造と同じ構造でもって形成される。本発明の金属粒子は、SnおよびCuを含む金属間化合物結晶(例えばCuSnを含む)が、Sn合金中ナノサイズの金属間化合物が含まれた結晶で構成された粒子である。金属粒子の生成時、Sn合金中に金属間化合物が析出し、析出された金属間化合物は溶融されないまま、溶融された合金とともに貫通孔に充填され、本発明の柱状導体構造Aの耐熱性をさらに高めることができる。
還元雰囲気を形成するための還元剤としては、好ましくは、カルボン酸(R-COOH、Rは一価の官能基)の蒸気を用いることができる。カルボン酸としては、例えば蟻酸、酢酸、アクリル酸、プロピオン酸、ブチリック酸、カプロン酸、蓚酸、コハク酸、サリチル酸、 マロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、乳酸、カプリン酸等があり、それらから1つ選択するか、あるいは複数を選択して混合してもよい。これらのカルボン酸の中でも、蟻酸が適している。カルボン酸による還元作用は、一般的にはその沸点を超える温度、例えば200℃以上の温度において顕著になるので、還元雰囲気は、この温度範囲を満たすようにするのが好ましい。
また、本発明の金属粒子を加熱する際は、チャンバ内を減圧雰囲気にすることが好ましい。減圧処理の後、該チャンバの内圧を増圧する差圧充填方式を採用してもよい。このような手段により、本発明の金属粒子を、貫通孔102内に確実に充填することができる。また、加熱時は、絶縁基板100を超音波等によって振動を与えると、充填作業を円滑に行うことができる。
上記では、基板として絶縁基板100を例にとり説明したが、本発明で使用される基板は、ウエハ、回路基板、積層基板、半導体基板、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)等、微細な貫通孔102を有するものが広く含まれる。具体的には、TGV(Through Glas Via)で代表される貫通孔、非貫通孔(盲孔)等である。とくに、本発明における基板としては半導体基板が好適であり、本発明の柱状導体構造として有底孔または貫通孔の壁面または底面と第1層との間に絶縁層が存在する形態が挙げられ、このように、本発明の柱状導体構造は、半導体装置として採用するのが有用である。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
実施例1
原材料として8Cu・92Snを用い、図2に示す製造装置により、直径約3〜13μmの金属粒子を製造した。
その際、以下の条件を採用した。
皿形回転ディスク4:内径60mm、深さ3mmの皿形ディスクを用い、毎分8万〜10万回転とした。
粒状化室1:9×10−2Pa程度まで減圧する性能を有する真空槽を使用して減圧した上で、15〜50℃の窒素ガスを供給しつつ排気を同時に行って、粒状化室1内の気圧を1×10−1Pa以下とした。
図3は、実施例で得られた本発明の金属粒子の断面STEM-EDS Mapping SEM像である。図3から、本発明の金属粒子が金属間化合物結晶とSn合金とを含むことが観察される。
続いて、得られた本発明の金属粒子を用いて、図1に示すような本発明の柱状導体構造を作成した。
まず、絶縁基板100の貫通孔102の表面に、めっき法によりCuをめっきした。これにより、厚さ約2μmのCuからなる第1層103を形成した。なお、貫通孔102の内径は約20〜60μmである。
続いて、前記第1層103を形成した絶縁基板100を真空チャンバー内に導入し、本発明の金属粒子を、貫通孔102上に設置し、蟻酸からなる還元雰囲気下、250℃〜280℃に加熱して溶融させ、さらに本発明の金属粒子を2〜8MPaで加圧し、貫通孔102中に本発明の金属粒子を充填し、硬化させ、第2層104および充填層105を形成した。
図4は、実施例で作成された本発明の柱状導体構造の断面のSEM像である。
図4から、第1金属間化合物(CuSnを含む)を含む第2層104が、厚さ1.5μmでもって形成されたことが認められた。第2層104は、溶融した本発明の金属粒子と第1層103であるCuとの反応により形成されたものである。また、充填層105は、Sn合金に分散した第2金属間化合物1051(CuSnを含む、SnおよびCuを含む金属間化合物結晶)からなり、充填層105は分散された金属間化合物と合金相で構成していることが認められた。柱状導体構造中ではマイクロクラック等の欠陥が認められず、金属間化合物による高いシールド性が明らかとなった。
上記で作成された本発明の柱状導体構造の耐熱性を確認するのに加熱炉300℃に10分間放置後の形状変化に溶融膨張変化が無いことを映像で確認できた。その結果、本発明の柱状導体構造の高い耐熱性が確認された。
参考例1
実施例1において、本発明の金属粒子を使用せず、貫通孔102にCu粉末を導入した後に、Sn粉末を加熱して溶融し、上記の加熱工程および加圧工程を実施したこと以外は、実施例1を繰り返した。
図5は、参考例1で作成された柱状導体構造の断面のSEM像である。
図5の結果から、参考例1では、貫通孔の入口でCuとSnとが反応し、金属間化合物が瞬時に生成され、貫通孔にはCu粉末のみが残存し、貫通孔の内部に導体構造を形成することができなかった。
参考例2
実施例1において、本発明の金属粒子を使用せず、市販のSnAgCu系接合材(SAC)を用いたこと以外は、実施例1を繰り返した。しかし、柱状導体構造の耐熱性を調べようとしたところ、図6Bに示すようにSACが溶融して噴出してしまい、図6Aに示すようにSAC噴出後は貫通孔はほとんど空隙状態となり、耐熱性の試験を実施することができなかった。
以上、添付図面を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
1 粒状化室
2 蓋
3 ノズル
4 皿形回転ディスク
5 回転ディスク支持機構
6 粒子排出管
7 電気炉
8 混合ガスタンク
9 配管
10 配管
11 弁
12 排気装置
13 弁
14 排気装置
15 自動フィルター
16 微粒子回収装置
100 絶縁基板
102 貫通孔
103 第1層
104 第2層
105 充填層
1051 第2金属間化合物
1052 合金
A 柱状導体構造

Claims (4)

  1. 基板の厚み方向に設けられた有底孔内または貫通孔内に導体を充填した柱状導体構造であって、
    前記柱状導体構造は、前記有底孔または前記貫通孔の壁面または底面と接する第1層と、前記第1層の表面に設けられた第2層と、前記第2層の内側で前記有底孔または前記貫通孔を充填する充填層とを有し、
    前記第1層は、厚さ0.1μmから10μmの金属層であり、
    前記第2層は、厚さ1μmから10μmの第1金属間化合物を含む層からなり、
    前記充填層は、第2金属間化合物とSn合金からなり、
    前記第2金属間化合物は、前記充填層中、少なくとも5質量%を占め
    前記第1層は、Snと金属間化合物を形成し得る金属を含み、
    前記第2層における前記第1金属間化合物は、Snと前記第1層の金属との金属間化合物からなり、
    前記第2金属間化合物は、Cu Sn を含むSnおよびCuを含む金属間化合物結晶からなり、前記第2金属間化合物は、前記Sn合金に分散している、
    柱状導体構造。
  2. 請求項に記載された柱状導体構造であって、
    前記基板は、絶縁基板である、
    柱状導体構造。
  3. 請求項に記載された柱状導体構造であって、
    前記基板は、半導体基板であり、
    前記有底孔または前記貫通孔の壁面または底面と、前記第1層との間に絶縁層が存在する、
    柱状導体構造。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の柱状導体構造を有する、半導体装置。
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