JP6556197B2 - 金属粒子 - Google Patents
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先に、本明細書において使用する用語について、次の通りに定義しておく。
(1)金属というときは、金属元素単体のみならず、複数の金属元素を含む合金、金属間化合物、コンポジット構造、又それらの組み合わせを含むことがある。
(2)ナノとは、1μm(1000nm)以下の大きさをいう。
(3)金属マトリックスとは、その他の成分でバルク化したときに、それらを支持する母材となる金属又は合金のことをいう。
(4)合金構造とは、金属マトリックスおよびナノサイズの金属間化合物がエンドタキシャル接合している構造を意味する。
(5)エンドタキシャル接合構造とは、金属・合金となる物質中に他(金属間化合物)の物質を析出させた、対象となる物質間との結晶格子レベルでの接合状態にて結晶粒を構成する構造(例えば合金間、金属間、金属間化合物間)である。
金属粒子の組成材料は、接合すべき相手方の材料に応じて適宜選定される。例えば、Cu、Al、Ni、Sn、Ag、Au、Pt、Pd、Si、B、Ti、Bi、In、Sb、Ga、Zn、Cr、Co、希土類の群から選択された低融点の金属の少なくとも一種と高融点の金属の少なくとも一種とを含むことができる。
被接合物となる金属/合金体101,501の組成によっては、8Cu・92Snの組成の金属粒子を単独で用いてもよい。これとは異なって、SnAgCu系合金の金属粒子及び/またはCuの金属粒子との混合組成の粉末をもちいてもよい。この場合の具体的な組成としてしては、SnAgCu系合金の金属粒子を10〜20質量%の範囲とし、Cuの金属粒子を10〜20質量%の範囲とし、残部を8Cu・92Snの金属粒子とするような組成である。
図1に示された8Cu・92Snの金属粒子1は、図中のスケール表示からすると、10μm以下の粒径を持っている。
8Cu・92Snの金属粒子1は、図1、図2から理解されるように、金属マトリックスおよびナノサイズの金属間化合物を有し、少なくともその内部において、金属間化合物Cu6Sn5と金属マトリックスとがエンドタキシャル接合で構成された、合金構造(合金ナノコンポジット構造)を形成している。
金属マトリックスが金属間化合物とエンドタキシャル接合で構成された、合金構造は、粉末粒子成形時にナノ化された金属間化合物が粒子内部で、金属マトリックスとエンドタキシャル接合状態で析出することで発現する。また、本発明の金属粒子1において、エンドタキシャル接合形成で構成された、合金構造は、金属粒子1の内部に3次元に広がっている。
図9において、金属マトリクスはSn−Cu合金を含み、金属間化合物および金属マトリクスの接合界面は、Sn−Cu合金と、金属間化合物とが、格子間レベルで接合している。すなわち、エンドタキシャル接合を形成している。
図10から、金属マトリクスのSn−Cu合金と金属間化合物との界面での接合がエンドタキシャル接合であることが観察された。
なお、本発明の金属粒子は、外殻とコア部とを有し、前記コア部が前記合金構造を含み、コア部を覆う前記外殻も又、合金構造から実質上構成されるものであることができる。
例えば次のような条件が挙げられる。
皿形回転ディスク1004:内径60mm、深さ3mmの皿形ディスクを用い、毎分8万〜10万回転とする。
粒状化室1001:9×10-2Pa程度まで減圧する性能を有する真空槽を使用して減圧した上で、15〜50℃の窒素ガスを供給しつつ排気を同時に行って、粒状化室1001内の気圧を1×10−1Pa以下とする。
これら条件により製造された金属粒子の粒径は、例えば直径20μm以下であり、典型的には2μm〜15μmである。
金属粒子1からなるプリホームシートを得るには、金属粒子1を含む粉末を、たとえば冷間圧接法を用いた金属間接合によって処理することによって得ることができる。冷間圧接法を用いた金属間接合それ自体は、種々知られている。本発明においては、それらの公知技術を適用することができる。例えば、対向する向きに回転する一対の圧接ローラの間に、本発明に係る金属粒子1を含む粉末を供給し、圧接ローラから粉末に対して圧力を加えて、粉末を構成する金属粒子1に金属間接合を生じさせる。実際の処理に当たっては、圧接ローラから粉末に100℃前後の熱を加えることが望ましい。これにより金属粒子1からなるプリホームシートが得られる。
あるいは、金属粒子1を用いて接合層22を効率的に形成するため、例えば、金属粒子1を有機ビヒクル中に混在させた導電性ペーストを形成する。
そして、接合すべき2つの部材の一方の面にこの導電性ペーストを塗布し、焼成(焼き付け処理)することで接合部が形成される。焼き付け処理温度は、例えば250℃であり、焼き付け処理時間は適宜調整される。
第1層301と第2層302との間の結合は、金属間拡散結合である。
超えたあたりから、全サイクル(1000サイクル)に渡って、せん断強度が約35MPaで安定するという試験結果が得られた。
しかしながら、金属粒子1の組成材料は、接合すべき相手方の材料に応じて適宜選定され、例えば、Cu、Al、Ni、Sn、Ag、Au、Pt、Pd、Si、B、Ti、Bi、In、Sb、Ga、Zn、Cr、Co、希土類の群から選択された低融点の金属の少なくとも一種と高融点の金属の少なくとも一種とから選択される。したがって、耐熱性に優れた高信頼性及び高品質の接合部300を得るため、選択した材料に応じてその都度、性能試験を行ないつつ質量比を適宜値に決定する必要がある。
本発明者は、金属粒子を得るために選択した材料が変わっても、上述のような耐熱性に優れた高信頼性及び高品質の接合部300が常に得られるための普遍的な理論や条件を鋭意研究した。
こうした構造を持つ金属粒子1をペースト状、或いはシート状に加工し、これを溶融固化させる際に、次のような構造の再構成が進行する。
図7(A)に示す初期状態では、金属粒子1はCu6Sn5の金属間化合物のバスケット構造61を有し、バスケット構造61は金属マトリックス62中に分布している。
図7(B)に示す溶融固化後は、金属間化合物からなるバスケット構造61の分離・再結合が行なわれ、金属間化合物からなる新たな3次元構造63が金属マトリックス62中に形成されている。
断面では金属間化合物64が金属マトリックス65中に島状に分布して見えているが、奥行き方向を含めると金属間化合物64の3次元構造が形成されている。
すなわち、本発明者は、金属粒子1中において金属間化合物が占める体積比をある範囲内に収めれば、金属粒子1を得るために選択した材料が変わっても、上述のような耐熱性に優れた高信頼性及び高品質の接合部300が常に得られるのではと考えた。
実験例1において、左端の数値は、金属粒子1に含まれる金属間化合物の体積比を示している。
上述したように金属粒子1は、選択した融点の異なる2種以上の金属組成の溶融金属を強制的に作られた遠心場内に供給して遠心力等により小滴として飛散させて作られる。
そして、出来上がった金属粒子1は、金属間化合物が金属マトリックス中にある割合で含まれている必要がある。
また、金属間化合物も分子式からその質量が分かる。
したがって、金属間化合物が所望の体積比を持った金属粒子1は、選択した2種以上の金属の質量を適宜決定することで得られる。
さらに、このようにして得られた金属粒子1について、ナノコンポジット3次元構造をなす金属間化合物が金属粒子1中において所望の体積比となっているか否かをXRD(X線回折装置)で測定した。
得られた接合部の性能試験は、280℃の高温保持試験(HTS)であり、100時間経過後のせん断強度を測定した。
せん断強度が40MPaに満たず接合部が破断した場合を×で示し、接合部のせん断強度が40MPaを超えた場合を○で示し、せん断強度が50MPaを超えた場合を◎で示した。
1% 接合部試験×
3% 接合部試験○
10% 接合部試験◎
15% 接合部試験◎
40% 接合部試験◎
75% 接合部試験◎
85% 接合部試験○
90% 接合部試験×
そして、本発明は、金属粒子1の溶融後、金属粒子1が持つ3次元構造の金属間化合物が再構築され、高信頼性及び高品質の接合部が得られるための原理であるため、CuとSnの組み合わせ以外の組み合わせ、例えば、Cu、Al、Ni、Sn、Ag、Au、Pt、Pd、Si、B、Ti、Bi、In、Sb、Ga、Zn、Cr、Co、希土類の群から選択された低融点の金属の少なくとも一種と高融点の金属の少なくとも一種との組み合わせにも無論適用される。
なお、本発明の金属粒子1は、接合部を形成する際に用いられるのみに限定されず、その用途は任意である。
16 半導体素子
1602 基板
1604 接合電極
18 配線部材
100,500 基板
101,500 金属/合金体
300 接合部
1001 粒状化室
1002 蓋
1003 ノズル
1004 皿形回転ディスク
1005 回転ディスク支持機構
1006 粒子排出管
1007 電気炉
1008 混合ガスタンク
1009 配管
1010 配管
1011 弁
1012 排気装置
1013 弁
1014 排気装置
1015 自動フィルター
1016 微粒子回収装置
Claims (3)
- CuおよびSnからなる金属粒子であって、
前記金属粒子は、Sn−Cu合金からなる金属マトリックスとCuおよびSnからなるナノサイズの金属間化合物を有し、
前記金属粒子の少なくとも内部において、金属マトリックスおよび金属間化合物がエンドタキシャル接合で構成された合金構造が存在することを特徴とする金属粒子。 - 前記金属間化合物は前記金属粒子中に体積比で3%以上85%以下の割合で含まれていることを特徴とする請求項1記載の金属粒子。
- 前記金属間化合物は前記金属粒子中に体積比で10%以上75%以下の割合で含まれていることを特徴とする請求項2記載の金属粒子。
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