JP3370632B2 - 導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法 - Google Patents

導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法

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JP3370632B2 JP36328399A JP36328399A JP3370632B2 JP 3370632 B2 JP3370632 B2 JP 3370632B2 JP 36328399 A JP36328399 A JP 36328399A JP 36328399 A JP36328399 A JP 36328399A JP 3370632 B2 JP3370632 B2 JP 3370632B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、絶縁基板内部に
配線回路やビアホール導体等の導体配線層を形成した配
線基板の導体配線層用として好適な導体ペーストおよび
それを用いた少なくとも有機樹脂を含有する絶縁基板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の
熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の表面に導体配線層を形成
した、いわゆるプリント基板が、回路基板や半導体素子
を搭載したパッケージ等に適用されている。このような
プリント基板において、導体配線層を形成する方法とし
ては、絶縁基板の表面に銅箔を接着した後、これをエッ
チングして配線回路を形成する方法、または、配線回路
に形成された銅箔を絶縁基板に転写する方法、絶縁基板
の表面に金属メッキ法によって回路を形成する方法等が
用いられている。
【0003】また、導体配線層および異なる層間の導体
配線層を電気的に接続するビアホール導体が多用され、
該ビアホール導体として、銀、銅等の金属粉末にトリア
リルイソシアヌレートや液状エポキシ系樹脂と硬化剤と
を混合した導電性ペーストを塗布、または充填する方法
が提案されている。
【0004】一方、導電性ペーストとしては、例えば、
特開平4−91111号公報に記載されるように、ポリ
フェニレンエーテルとトリアリルイソシアヌレートとの
混合物、またはそれらをクロロホルム等を添加して溶解
し、この溶液に対して、銀、銅等の金属粉末を添加、混
合した溶液を用い、シート状導電体を作製することが記
載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エポキシ系樹脂等を含有する導電性ペーストでは、耐熱
性が200℃程度と低く、配線基板を半田実装する場合
に導体配線中のエポキシ系樹脂が変質してしまう恐れが
あった。
【0006】また、トリアリルイソシアヌレートを用い
た導電性ペーストでは、ペーストとして必要な粘度とす
るために、トリアリルイソシアヌレートを所定量添加す
る必要があるが、このペースト中のトリアリルイソシア
ヌレートが絶縁基板側にしみだしてしまい、絶縁基板の
導体配線、特にビアホール導体と接する部分で局所的に
トリアリルイソシアヌレートの含有割合が増大してしま
い、絶縁基板を加熱硬化する際に、絶縁基板の硬化を阻
害したり、硬化後も残存したトリアリルイソシアヌレー
トが200℃以上の高温で半田実装を行う場合に絶縁基
板に膨れが生じたり、絶縁基板内にボイドが発生して絶
縁抵抗が劣化し信頼性を低下させるという問題があっ
た。
【0007】また、特開平4−91111号公報のポリ
フェニレンエーテルとトリアリルイソシアヌレートとを
含有する溶液では、ポリフェニレンエーテルの融点が高
いためにポリフェニレンエーテルが固体状で残存して溶
液の均質性が低く、また、これを溶解するためにはクロ
ロホルム等の特定の溶剤を添加しなければならず、溶剤
に制限があるために作業性が悪いという問題があった。
【0008】したがって、本発明は、上記課題を解決す
るためになされたものであり、具体的には、耐熱性が高
く、かつ配線基板の絶縁性を損ねることがないととも
に、保形性とビアホール等への埋込充填性等の作業性に
優れた導体ペーストおよびそれを用いた配線基板を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対して検討を重ねた結果、導電性粉末を主成分とする
導体ペースト中に、特定の比率でトリアリルイソシアヌ
レートとトリアリルイソシアヌレートプレポリマーを含
有せしめることにより、耐熱性が高く、絶縁基板の絶縁
性を損なうことがないとともに、ペーストの保形性やビ
アホールへの充填性を高めた作業性に優れた導体ペース
トとなることを知見した。
【0010】すなわち、本発明の導体ペーストは、トリ
アリルイソシアヌレート5〜20重量%と、トリアリル
イソシアヌレートプレポリマー0.25〜8重量%と、
導電性粉末80〜94重量%との割合で含有することを
特徴とするものである。
【0011】ここで、前記トリアリルイソシアヌレート
プレポリマーの重量平均分子量が1500〜70000
であること、導電性粉末が、金、銀、パラジウム、銅、
ニッケル、錫および鉛の群から選ばれる少なくとも1種
であることが望ましい。
【0012】また、本発明の配線基板の製造方法は、少
なくとも有機樹脂を含有する未硬化あるいは半硬化状態
の絶縁シートにビアホールを形成する工程と、前記ビア
ホール内にビアホール導体を充填する工程と、前記ビア
ホール導体形成部を含む前記絶縁シート表面に導体配線
層を形成する工程と、前記絶縁シートを積層して一体化
し、前記有機樹脂の硬化温度に加熱して一括硬化する工
程とを具備するものであって、前記ビアホール導体およ
び/または前記導体配線層を形成するために、トリアリ
ルイソシアヌレート5〜20重量%と、トリアリルイソ
シアヌレートプレポリマー0.25〜8重量%と、導電
性粉末80〜94重量%との割合で含有する導電性ペー
ストを用いることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の導体ペーストは、トリア
リルイソシアヌレート5〜20重量%と、トリアリルイ
ソシアヌレートプレポリマー0.25〜8重量%と、導
電性粉末80〜94重量%との割合で含有するものであ
る。
【0014】すなわち、トリアリルイソシアヌレートの
含有量が5重量%より少ないとペーストの粘度が高すぎ
てビアホール内への埋込性が悪くなり、導体配線の抵抗
が増大する。
【0015】逆に20重量%より多いとペーストとして
の粘度が低く保形性が低下して絶縁基板の表面からペー
ストがにじむ恐れがあるとともに、ペースト中の導電性
粒子の含有割合が低下してビアホール導体の抵抗が増大
する。トリアリルイソシアヌレートの特に望ましい範囲
は、6重量%以上、さらに8重量%以上、18重量%以
下、さらに15重量%以下であり、8〜15重量%が最
適である。
【0016】なお、前記トリアリルイソシアヌレート
は、分子量が約250のモノマーであるが、これに前記
トリアリルイソシアヌレートを重合させた前記トリアリ
ルイソシアヌレートプレポリマーを所定の比率で配合さ
せることにより、ペーストの保形性を高めてしみだにじ
みを抑制し、ビアホールへの埋込充填性を高めることが
できるとともに、絶縁基板を硬化する際にビアホール導
体中のトリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルイ
ソシアヌレートプレポリマーが硬化物を形成して硬化後
のビアホール導体の保形成をも高めることができる。
【0017】さらに、トリアリルイソシアヌレートプレ
ポリマーの含有量が0.25重量%より少ないとペース
ト中のトリアリルイソシアヌレートの粒子同士を付着さ
せる力が低下して、ビアホール内に導体ペーストを充填
した後、ビアホールの上表面付近に存在するトリアリル
イソシアヌレートが重力によって沈降し、該上表面の導
電性粒子間が空隙となってしまい、取扱いや振動等によ
って前記導電性粒子の一部が絶縁基板表面に飛散する結
果、隣接するビアホール間に前記飛散した導電性粒子が
介在すると絶縁抵抗が劣化して信頼性に悪影響を及ぼし
たり、場合によってはショートする恐れがあるためであ
る。
【0018】また、スクリーン印刷等を行う場合、トリ
アリルイソシアヌレートの導電性粉末間を付着する力が
低いためにペースト中のトリアリルイソシアヌレートの
みが優先的に流出して粘度が変化し連続して印刷するこ
とができないためである。
【0019】逆に8重量%より多いとトリアリルイソシ
アヌレートプレポリマーを完全に溶解することができず
ペーストの均質性が低下し、作業性が悪くなるためであ
る。トリアリルイソシアヌレートプレポリマーの特に望
ましい範囲は、0.3重量%以上、さらに0.5重量%
以上、7重量%以下、さらに5重量%以下であり、0.
5〜5重量%が最適である。
【0020】さらに、前記トリアリルイソシアヌレート
と前記トリアリルイソシアヌレートプレポリマーとの含
有比率は溶解性および粘度調整の点で、前記トリアリル
イソシアヌレート100重量部に対して前記トリアリル
イソシアヌレートプレポリマーが5〜40重量部、特に
10〜30重量部であることが望ましい。
【0021】また、ペーストの粘度を所定の範囲とし、
保形性およびビアホール等への充填性を高めるため、お
よびトリアリルイソシアヌレートと導電性粒子との分離
を抑制し、かつペーストとして保形性およびビアホール
への埋込充填性を高めるために、トリアリルイソシアヌ
レートプレポリマーの重量平均分子量が1500〜70
000のであることが望ましい。
【0022】一方、導電性粉末としては、金、銀、パラ
ジウム、銅、ニッケル、錫および鉛の群から選ばれる少
なくとも1種であることが望ましく、具体的には、上記
の純粋な金属およびそれらの合金あるいは混合物、さら
には上記から選ばれる金属の核に他の金属を被覆したも
のを用いることができる。特に、絶縁基板へのマイグレ
ーション抑制およびコストの点で銅が好ましく、化学的
安定性を考慮すると銀を被覆した銅粉末が最適である。
また、銅粉末間を錫−鉛の半田もしくは鉛フリー半田で
接続させてビアホール導体の導電率を高めることもでき
るが、この場合には、Cu3Snを析出させて耐熱性を
高めることが望ましい。
【0023】上記導電性粉末は、80〜94重量%、特
に86〜93重量%であることが重要である。すなわ
ち、前記導電性粉末の配合量が80重量%未満である
と、スクリーン印刷による導体配線の形成、特にペース
トをビアホール等に埋め込むための粘度調整が困難であ
るのとともに、抵抗値が高くなるためである。逆に、前
記導電性粉末の配合量が94重量%を超えると、ビアホ
ールに埋め込むための粘度調整が困難である。
【0024】尚、本発明において、トリアリルイソシア
ヌレートとトリアリルイソシアヌレートプレポリマー以
外に、トリメタリルイソシアヌレートやトリアリルシア
ヌレートを併用して配合することもできる。
【0025】さらに、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進
剤等を配合することが可能である。熱硬化性樹脂として
は、特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂やポリ
イミド樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができ
る。また、硬化剤や硬化促進剤としては、エポキシ樹脂
等に使用されるものであれば特に限定されるものではな
く、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、ジシアン
ジアミド、芳香族アミン類、ジアミノマレオニトリル、
ヒドラジッド等を、硬化促進剤としてイミダゾール類、
ベンジルジメチルアミン等をそれぞれ例示することがで
きる。
【0026】さらにこれら硬化剤や硬化促進剤としての
効果を有するラジカル重合開始剤として、ハイドロパー
オキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアリルパー
オキサイド等の有機過酸化物を0.25〜3重量%の割
合で配合するのが好ましい。この有機過酸化物は導体配
線中のトリアリルイソシアヌレートの硬化を促進するこ
とから該硬化温度を30℃以上、特に50℃以上低下さ
せることができる。
【0027】また、ペースト中にはラジカル反応禁止剤
等は導体配線中のトリアリルイソシアヌレートの硬化を
抑制することから添加しないことが望ましい。
【0028】さらに、導体配線ペースト中には、粘度調
整のために、例えば、イソプロピルアルコール、テオピ
ネオール、2−オクタール、ブチルカルビトールアセテ
ート等を微量添加することもできるが、絶縁基板および
導体配線を熱硬化させる際に溶剤成分が揮発し、導体配
線中の充填密度が低下するとともに、揮発気体により絶
縁層間に膨れを生じる等の問題があるために、溶剤を実
質的に含有しないことが望ましい。
【0029】ペーストの調製方法にあたっては、上記組
成物を攪拌脱泡機、プラネタリーミキサ、回転ミルや3
本ロール等で混練することにより所定粘度の導電性ペー
ストを作製することができる。
【0030】また、上記混合方法により混合された導体
ペーストの粘度については、印刷した時にダレ、にじみ
が生じずファインピッチのビアホール導体を形成するこ
とができ、また、ペーストをビアホール内への埋込充填
性を高める上で、せん断速度=100s-1において20
〜1000Pa・sであることが望ましい。
【0031】次に、上記導電性ペーストを用いて配線基
板を作製する方法について説明する。まず、図1(a)
に示すように未硬化または半硬化状態の軟質の絶縁シー
ト11に対して、レーザー加工やマイクロドリルなどに
よってビアホール12を形成する。
【0032】配線基板1は、少なくとも熱硬化性樹脂を
含む絶縁材料から構成されるが、具体的には、有機樹脂
としては例えば、PPE(ポリフェニレンエーテル)、
BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の
合成樹脂およびそれらの混合物が使用可能であるが、と
りわけ誘電特性がよく、吸水率が低い点でPPE(ポリ
フェニレンエーテル)を含有することが望ましい。
【0033】また、この有機樹脂の中には、基板全体の
強度を高めるために、フィラーを複合化させることもで
きる。フィラーとしては、SiO2、Al23、Zr
2、TiO2、AlN、SiC、BaTiO3、SrT
iO3、ゼオライト、CaTiO3等の無機質フィラーが
好適に使用される。また、ガラスやアラミド樹脂からな
る不織布、織布等に上記樹脂を含浸させて用いてもよ
い。このようにフィラーと複合化する場合、有機樹脂と
フィラーとは体積比率で30:70〜70:30の比率
で複合化することが望ましい。
【0034】そして、図1(b)に示すように、そのビ
アホール12内に、前述したようにしてせん断速度=1
00s-1において、20〜1000Pa・sに調製され
た導電性ペーストをスクリーン印刷等によって充填して
ビアホール導体13を形成する。本発明の導電性ペース
トによれば、ビアホールからのペーストの流出を防止
し、ビアホールへのペーストの埋込充填性を高めること
ができる。また、導体ペーストの粘度が上記範囲であれ
ば、ビアホール内へ充填したペーストの上面の一部が絶
縁基板表面に対して突出するように形成でき、これを後
述する導体配線層の形成時または絶縁基板の積層時に圧
縮することによってビアホール導体と導体配線層との接
続性を高めることもできる。
【0035】そして、ペースト充填後に、所望により、
有機バインダの融点以下に冷却することにより、ビアホ
ール内の導電性ペーストの粘度を、せん断速度=100
-1において、760〜2500Pa・sに高めること
によりビアホール中のペーストの保形性を高め、ペース
トのビアホールからのダレの発生やにじみを防止でき
る。
【0036】また、ペースト充填時にビアホールの反対
面を減圧吸引するか、または多孔質シートを裁置してビ
アホール内へ充填されたペースト中の保形性に支障ない
余剰のトリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルイ
ソシアヌレートプレポリマー等の樹脂成分を取り除くこ
とによってビアホール導体の抵抗を低減させたり、導電
性粒子の充填密度を高めることができ、接続信頼性を向
上させる効果がある。
【0037】次に、ビアホール導体13を形成した絶縁
シート11の表面に、導体配線層14を形成する。導体
配線層14としては、銅、アルミニウム、金、銀のうち
から選ばれる少なくとも1種、または2種以上の合金、
特に、銅あるいは銅を含む合金からなる厚さ5〜40μ
mの金属箔によって形成することにより、ビアホール導
体13を両端を封止して外気の影響を防止でき、しかも
導電性ペーストを充填して形成したビアホール導体13
との電気的な接続性に優れることから最も望ましい。
【0038】この金属箔による導体配線層14の形成
は、a)絶縁シートの表面に金属箔を貼り付けた後、エ
ッチング処理して回路パターンを形成する方法、b)絶
縁シート表面にレジストを形成して、メッキにより金属
箔層を形成する方法、c)転写シート表面に金属箔を貼
り付けた後、エッチング処理して回路パターンを形成し
た後、この金属箔の回路パターンを絶縁シート表面に転
写させる方法、等が挙げられるが、この中でも、絶縁シ
ートをエッチングやメッキ液などに浸漬する必要がな
く、ビアホール導体内への薬品の侵入を防止する上で
は、c)の転写法が最も望ましい。
【0039】そこで、c)転写法による導体配線層を例
にして以下に説明する。図1(c)に示すように、転写
シート15の表面に、金属箔からなる導体配線層14を
形成する。この導体配線層14は、転写シート15の表
面に金属箔を接着剤によって接着した後、この金属箔の
表面にレジストを回路パターン状に塗布した後、エッチ
ング処理およびレジスト除去を行って形成される。この
時、金属箔からなる導体配線層14露出面は、エッチン
グ等により表面粗さ(Ra)0.1〜5μm、特に0.
2〜4μm程度に粗化されていることが望ましい。
【0040】次に、図1(d)に示すように、導体配線
層14が形成された転写シート15を前記ビアホール導
体13が形成された軟質の絶縁シート11の表面に位置
合わせして加圧積層した後、転写シート15を剥がして
導体配線層14を絶縁シート11に転写させることによ
り配線層aが形成される。
【0041】この時、絶縁シート11が軟質状態である
ことから、導体配線層14は、絶縁シート11の表面に
埋設され、実質的に絶縁シート11表面と導体配線層1
4の表面が同一平面となるように加圧積層する。この時
の加圧積層条件としては、圧力2MPa以上、温度60
〜240℃が適当である。
【0042】そして、上記のようにして作製された一単
位の配線層aおよび同様にして作製された一単位の配線
層b、cを図1(e)に示すように積層圧着し、所定の
温度に加熱することにより絶縁シート11中の熱硬化性
樹脂を完全硬化させることにより多層化された配線基板
1を作製することができる。
【0043】上記の転写シートからの回路転写の製造方
法によれば、絶縁シートへのビアホール形成や積層化
と、導体配線層の形成工程を並列的に行うことができる
ために、配線基板における製造時間を大幅に短縮するこ
とができる。
【0044】なお、上記の製造方法では、絶縁シートの
完全硬化およびビアホール導体の加熱処理を多層化後に
一括して行ったが、この加熱処理は、積層前に個々の絶
縁シートに対して施し硬化した後、積層して多層化する
ことも可能である。
【0045】また、上記導体ペーストはビアホール導体
形成用として用いる場合について説明したが、本発明は
これに限定されるものではなく、本発明の導体ペースト
を前記導体配線層用として用いることもでき、この場合
でも、導体配線層の保形性を高めるという効果がある。
【0046】
【実施例】まず、平均粒径5μmの表1に示す導電性粉
末(Ag被覆Cu粉末については銀含有量3重量%)
を、トリアリルイソシアヌレートとトリアリルイソシア
ヌレートプレポリマーとを表1に示す割合で調合し、こ
れにジアリルパーオキサイドを1重量%添加して、3本
ロールで混練して導体ペーストを調製した。なお、試料
No.15については、トリアリルイソシアヌレートお
よびトリアリルイソシアヌレートプレポリマーに代え
て、エポキシ樹脂にアミン系硬化剤を添加してものを調
整した。また、直径20mmのコーン型粘度計を用い
て、せん断速度100s-1における粘度を測定し、表1
に示した。
【0047】一方、ポリフェニレンエーテル樹脂40体
積%と、シリカを60体積%からなるBステージの絶縁
シートに対して、マイクロドリルによって直径が200
μmのビアホールをビアホールの中心間の間隔500μ
mで2つ形成し、そのビアホール内に前記のようにして
調製した導体ペーストを充填した。
【0048】そして、導体ペーストを埋め込んだBステ
ージ状態の絶縁シートの両面に、厚さ12μmの銅箔か
らなる導体配線層を転写法により前記ビアホール導体の
両端を挟持するように貼り合わせた後、200℃で、2
MPaの圧力で、60分間硬化処理を行い、単層の配線
基板を作製した。
【0049】得られた配線基板におけるビアホール導体
の体積固有抵抗率(表中ではビア抵抗と記載)を測定
し、表1に示した。なお、この体積固有抵抗の測定は、
ビアホール導体を両側から挟持する金属箔からなる導体
配線層間の抵抗を測定したものである。
【0050】また、硬化後の配線基板を200℃に加
熱、冷却した後、絶縁基板のビアホール導体形成部周囲
について外観検査を行い、配線基板の膨れやボイドの発
生、絶縁基板間に存在する不要な導電性粒子の有無を確
認した。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、導電性粉末の含
有量が80重量%より少ない試料No.1ではビアホー
ル導体中の導電性粉末の割合が低く、ビアホール間の抵
抗が高くなり、かつ絶縁基板間にペーストのにじみが見
られた。また、導電性粉末の含有量が94重量%より多
い試料No.4では、ペーストの粘度が高くビアホール
内への埋込充填性が低く、ビアホール間の抵抗値が増大
した。
【0053】また、トリアリルイソシアヌレートプレポ
リマーを添加しない試料No.5では、ビアホール内へ
充填したペーストの上表面の有機物分が減少し、取扱い
によって導電性粉末の一部が絶縁基板表面に飛散した結
果、絶縁基板間に導電性粒子の存在が見られた。逆に、
トリアリルイソシアヌレートプレポリマーの添加量が8
重量%を越える試料No.9ではペーストの粘度が高く
ビアホール内への埋込充填性が低く、ビアホールの抵抗
値が増大した。さらに、トリアリルイソシアヌレートに
代えてエポキシ樹脂を有機バインダとして添加した試料
No.15では、耐熱性が低く、硬化後、半田リフロー
のための加熱によって絶縁基板内に膨れやボイドの発生
が見られた。
【0054】これに対して、本発明に従いトリアリルイ
ソシアヌレートとトリアリルイソシアヌレートプレポリ
マーとを所定の比率で添加した試料No.2、3、6〜
8、10〜14では、いずれも硬化後絶縁基板内に導電
性粒子が飛散することなく、またビアホール導体の抵抗
が8.5×10-5Ω・cm以下、半田リフローのための
加熱によっても膨れやボイドの発生がないものであっ
た。
【0055】
【発明の効果】以上詳述べたように、本発明の導体ペー
ストは、耐熱性が高く、かつ配線基板の絶縁性を損ねる
ことがないとともに、保形性とビアホール等への埋込充
填性等の作業性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の一例についての概略断面図
である。
【符号の説明】
1 配線基板 11 絶縁シート 12 ビアホール 13 ビアホール導体 14 導体配線層 15 転写シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 139/04 C09D 139/04 (56)参考文献 特開 平9−232727(JP,A) 特開 昭63−227671(JP,A) 特開 平4−91111(JP,A) 特開 平4−7369(JP,A) 特開 昭58−42651(JP,A) 特開 平3−166255(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/00 - 1/24 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリアリルイソシアヌレート5〜20重量
    %と、トリアリルイソシアヌレートプレポリマー0.2
    5〜8重量%と、導電性粉末80〜94重量%との割合
    で含有することを特徴とする導体ペースト。
  2. 【請求項2】前記トリアリルイソシアヌレートプレポリ
    マーの重量平均分子量が1500〜70000であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の導体ペースト。
  3. 【請求項3】前記導電性粉末が、金、銀、パラジウム、
    銅、ニッケル、錫および鉛の群から選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1または2記載の導
    体ペースト。
  4. 【請求項4】少なくとも有機樹脂を含有する未硬化ある
    いは半硬化状態の絶縁シートにビアホール導体を形成す
    る工程と、前記ビアホール導体形成部を含む前記絶縁シ
    ート表面に導体配線層を形成する工程と、前記絶縁シー
    トを積層して一体化し、前記有機樹脂の硬化温度に加熱
    して一括硬化する工程とを具備することを特徴とする配
    線基板の製造方法であって、トリアリルイソシアヌレー
    ト5〜20重量%と、トリアリルイソシアヌレートプレ
    ポリマー0.25〜8重量%と、導電性粉末80〜94
    重量%との割合で含有する導電性ペーストを塗布または
    充填して前記ビアホール導体および/または前記導体配
    線層を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
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