JPH11251751A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents
配線基板およびその製造方法Info
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- JPH11251751A JPH11251751A JP4709798A JP4709798A JPH11251751A JP H11251751 A JPH11251751 A JP H11251751A JP 4709798 A JP4709798 A JP 4709798A JP 4709798 A JP4709798 A JP 4709798A JP H11251751 A JPH11251751 A JP H11251751A
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Abstract
バイアホール導体との接続信頼性に優れた配線基板とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】有機樹脂を含有する絶縁層2に形成したバ
イアホール内に金属粉末を含む導体ペーストを充填して
バイアホール導体5を形成した後、その両端にAg、A
l、Au、Cd、Cr、Ni、Pb、Sn、Th、T
i、Tl、ZnおよびZrの群から選ばれる少なくとも
1種の金属を含む金属層8を形成し、その金属層8の表
面に銅箔などの配線回路層9を被着形成した後、配線回
路層9とバイアホール導体5間に所定のパルス電流を印
加して、配線回路層9とバイアホール導体5とを金属層
8を介して接続し、配線回路層9と金属層8との金属粒
子間を、銅と金属層中の金属成分との合金からなるネッ
ク部Aによって機械的に強固に、且つ電気的に低抵抗に
接続する。
Description
脂を含む絶縁基板の表面および/または内部に、金属粉
末を含む配線回路層を形成した、半導体素子収納用パッ
ケージなどに適した配線基板とその製造方法に関するも
のであり、特に、配線回路層とバイアホール導体との接
続信頼性の向上に関するものである。
素子を収納するパッケージに使用される多層配線基板と
して、アルミナ等の絶縁層とW,Moなどの高融点金属
からなる配線層とを具備したセラミック多層配線基板が
多用されているが、このようなセラミック配線基板は、
硬くて脆い性質を有することから、製造工程または搬送
工程において、セラミックの欠けや割れ等が発生しやす
く、また、焼結前のグリーンシートにメタライズペース
トを印刷して、印刷後のシートを積層して焼結する場
合、焼結により得られる基板に反り等の変形や寸法のば
らつき等が発生しやすいという問題があり、回路基板の
超高密度化やフリップチップ等のような基板の平坦度の
厳しい要求に対して十分に対応できないという問題があ
った。
表面に銅箔を接着した後、これをエッチングして微細な
回路を形成した基板や、銅などの金属粉末を含むペース
トを絶縁層に印刷して配線層を形成した後、これを積層
し、あるいは積層後に、所望位置にマイクロドリルやパ
ンチング等によりバイア用の孔明けを行い、そのバイア
内壁にメッキ法により金属を付着させて配線層を接続し
て多層化したプリント配線基板が提案されている。ま
た、絶縁層としては、その強度を高めるために、樹脂に
対して、粉末状あるいは繊維状の無機質フィラーを分散
させた基板も提案されており、これらの複合材料からな
る絶縁層上に多数の半導体素子を搭載したマルチチップ
モジュール(MCM)等への適用も検討されている。
線の超微細化、精密化の要求に対応して、バイアホール
導体をホール内に金属粉末を含む導体ペーストを充填し
て形成し、且つ金属箔からなる配線回路層を具備した高
密度に多層化された配線基板を作製する試みが行われて
いる。この導体ペーストの充填によってバイアホール導
体を形成する方法は、従来のメッキ法によりスルーホー
ル導体を形成するのに対して、バイアホール導体を任意
の箇所に設けることができるために、特に高密度配線化
に適した方法として注目されている。
金属を含む導体ペースト中には、絶縁層への印刷性およ
びホールへの充填性を高めるとともに、金属粒子を互い
に結合させるために結合用樹脂を配合させており、しか
も金属粒子表面には、高抵抗の酸化膜が生成されやすい
ことから、金属粒子の接触界面には、樹脂や酸化膜が介
在するために、通常の銅箔や銅メッキにより形成された
回路またはスルーホール導体よりも抵抗値が高いという
問題点があった。
している関係上、銅や銀等の低抵抗金属を焼結できるよ
うな温度で処理することができないために、配線とバイ
アホール導体間の接続信頼性が低く、ヒートサイクルや
ヒートショック等による熱変形さらには振動により、銅
箔からなる配線回路層とバイアホール導体間との導体抵
抗が増大するという問題があるのが現状である。
加熱を行うことなど様々な改良も行われているが、これ
らの加熱処理においても十分な効果が得られておらず、
場合によっては、通電加熱によっては通電時に発生する
熱によって絶縁層に対して悪影響を及ぼすなどの問題が
あった。
路層と、導体ペーストを充填して形成したバイアホール
導体との接続信頼性に優れた配線基板とその製造方法を
提供するものである。
に対して検討を重ねた結果、銅を含有する金属粉末を含
む導体ペーストを充填して形成したバイアホール導体と
絶縁層表面に形成された配線回路層間に、銅以外の特定
の金属を被着させ、前記配線回路層とバイアホール導体
間にパルス電流を印加することで、配線回路層とバイア
ホール導体との接触部に放電を起こし、電気の導通を妨
げていた樹脂や酸化膜を除去すると同時に、配線回路層
とバイアホール導体中の銅を含む金属粒子とを銅以外の
特定金属を主体とする金属層を介して接続し、金属層と
配線回路層との接触部を絶縁層に影響を与えることな
く、部分的に強固に接合することができる結果、バイア
ホール導体と配線回路層との接続信頼性に優れた高信頼
性の配線回路層を形成することができることを知見し
た。
有する絶縁基板と、該絶縁基板表面および/または内部
に配設された銅を主体とする配線回路層と、前記配線回
路層間を電気的に接続するために設けられ、少なくとも
銅を含有する平均粒径が3〜10μmの金属粉末を充填
してなるバイアホール導体を具備する多層配線基板にお
いて、前記バイアホール導体中の銅を含有する金属粉末
が、Ag、Al、Au、Cd、Cr、Ni、Pb、S
n、Th、Ti、Tl、ZnおよびZrの群から選ばれ
る少なくとも1種の金属粉末を主体とする金属層を介し
て前記配線回路層と電気的に接続してなり、前記金属層
中の金属粉末と前記配線回路層が、前記金属層中の主体
となる金属と金属箔中の金属との合金からなるネック部
によって結合してなることを特徴とするものである。
は、有機樹脂を含有する絶縁層に形成したバイアホール
内に、銅を含有する平均粒径3〜10μmの金属粉末を
含む第1の導体ペーストを充填してバイアホール導体を
形成する工程と、Ag、Al、Au、Cd、Cr、N
i、Pb、Sn、Th、Ti、Tl、ZnおよびZrの
群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む第2の導体
ペーストを前記バイアホール導体端部に被着する工程
と、前記第2の導体ペーストが被着された前記バイアホ
ール導体端部に銅を主体とする配線回路層を形成する工
程と、前記配線回路層と前記バイアホール導体間にパル
ス電流を印加して、前記配線回路層と前記第2の導体ペ
ースト中の金属粒子との接触部分に、前記Ag、Al、
Au、Cd、Cr、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、T
l、ZnおよびZrの群から選ばれる少なくとも1種の
金属と前記配線回路層中の金属との合金からなるネック
部を形成する工程と、を具備することを特徴とするもの
であり、印加するパルス電流の電流密度が1〜2000
A/cm2 、パルス幅が0.01〜1000msec.
であることを特徴とする。なお、前記少なくとも銅を含
有する金属粉末は、銀を被覆した銅粉末からなることが
望ましい。
金属粒子と配線回路層とが、溶接によって形成されたネ
ック部を介して接続された構造からなるために、バイア
ホール導体中の金属粒子と、銅を主体とする配線回路層
とを高い電気伝導性をもって強固に接続できる結果、過
酷な条件下でも電気抵抗の変化のない安定した配線基板
を提供できる。
ール導体間に所定の金属層を介してパルス電流を印加す
ることで、電気の導通を妨げていた有機樹脂や酸化膜を
除去すると同時に、バイアホール導体中の金属粒子間、
および配線回路層とバイアホール導体との接触部に放電
を起こし、配線回路層とバイアホール導体を形成してい
る金属粒子との接触部を絶縁層に影響を与えることな
く、部分的に溶接できる結果、配線層の抵抗を格段に下
げることができ、さらに配線回路層の接続信頼性を向上
させることができるというものである。
u、Cd、Cr、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、T
l、ZnおよびZrの群から選ばれる少なくとも1種の
金属は、いずれも銅と合金を形成して900℃以下の融
点の合金となる特性を有するものであり、かかる特性を
利用し、配線回路層とバイアホール中の金属粒子との間
に前記金属層を介在させてパルス電流を印加すると、バ
イアホール導体中の銅含有粉末と配線回路層間に直接電
流を印加する場合に比較して、低い電流で配線回路層中
の銅と上記金属との合金からなるネック部の成長を助長
できるために、配線回路層とバイアホール導体との結合
力を高めることができる結果、配線回路層とバイアホー
ル導体との抵抗変化のない信頼性の高い配線基板を提供
できるのである。
する。図1は本発明の配線基板の構造を説明するための
概略断面図である。図1に示すように、本発明の配線基
板1は、有機樹脂を含む複数の絶縁層2a〜2dを積層
してなる絶縁基板3の表面および内部に配線回路層4が
配設され、さらに、異なる層の配線回路層4を電気的に
接続するためのバイアホール導体5とを具備するもので
ある。本発明によれば、バイアホール導体5は、少なく
とも銅を含有する金属粉末を充填して形成されたもので
ある。また、銅を主体とする配線回路層4は、少なくと
も銅、あるいは銅含有合金からなる金属箔からなること
が望ましい。
拡大図に示すように、バイアホール導体5中の金属粒子
6が、Ag、Al、Au、Cd、Cr、Ni、Pb、S
n、Th、Ti、Tl、ZnおよびZrの群から選ばれ
る少なくとも1種の金属粉末7を主体とする金属層8を
介して前記配線回路層4と電気的に接続してなり、その
金属層8中の金属粒子7と配線回路層4としての例えば
銅箔9とが、ネック部Aによって接合してなるものであ
る。このネック部Aは、金属粒子7と銅箔9との界面に
おけるいわゆる焼結によって形成されたものであり、そ
の幅Lは、金属粒子7の粒子径の1/5以上、特に2/
5以上であることが望ましい。
5よりも小さいと、配線回路層4とバイアホール導体5
との十分に強固な接続ができずに、ヒートサイクルやヒ
ートショック等により、配線回路層4とバイアホール導
体中の金属粒子との接触部分が不安定となる結果、配線
回路層4とバイアホール導体間の抵抗が大きくなる場合
がある。
ール導体中の銅含有金属粒子6も、前記金属粒子7と銅
含有金属粒子6中の金属成分を含む合金からなるネック
部Bによって接合されている。このようなネック部A、
Bの成長によって、銅を主体とする配線回路層4とバイ
アホール導体5中の金属粒子6とを金属層8を介して機
械的に強固に且つ電気的に低抵抗で接続することができ
る。
およびネック部Bは、いずれもAg、Al、Au、C
d、Cr、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、Tl、Zn
およびZrの群から選ばれる少なくとも1種の金属と銅
との合金からなるものである。
ることから、後述するパルス電流の印加によって、部分
的な焼結が進行して強固なネック部を容易に形成するこ
とができるとともに、有機樹脂を含有する絶縁層に対し
て悪影響を与えることのない条件であってもネックの成
長を助長することができる。
なくとも銅を含有する金属粒子であって、例えば、銅粉
末、銅粉末表面に他の金属が被覆された被覆銅粉末、銅
と他の金属との合金粉末などが使用できるが、銅の酸化
防止の上では、銀被覆銅粉末が最も望ましい。また、こ
の金属粒子の平均粒径が3〜10μm、特に3〜7μ
m、最適には3〜5μmであることが必要であり、平均
粒径が3μmよりも小さいか、あるいは10μmを超え
ると、いずれも導体ペーストの印刷性およびバイアホー
ルへの充填性が悪くなり、バイアホール導体の金属粉末
の充填密度が低下することにより、抵抗が高くなってし
まう。
的特性、耐熱性、および機械的強度を有する熱硬化性樹
脂、例えば、アラミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、フェニレンエーテル樹
脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ユリア樹脂、メラ
ミン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、アリル樹脂等が、単独または組み合わせ
で含む。
るいは配線基板全体の強度を高めるために有機樹脂に対
してフィラーを複合化させることもできる。有機樹脂と
複合化されるフィラーとしては、SiO2 、Al
2 O3 、ZrO2 、TiO3 、AlN、SiC、BaT
iO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 、ほ
う酸アルミニウム等の無機質フィラーが好適に用いられ
る。また、ガラスやアラミド樹脂からなる不織布、織布
などに上記樹脂を含浸させて用いてもよい。なお、有機
樹脂とフィラーとは、体積比率で15:85〜50:5
0の比率で複合化されるのが適当である。これらの中で
も、絶縁層の加工性、強度等の点で、エポキシ樹脂、イ
ミド樹脂、フェニレンエーテル樹脂と、シリカまたはア
ラミド不織布との混合物であることが最も望ましい。
下の方法によって作製される。まず、図3に示すよう
に、非硬化または半硬化の軟質状態の絶縁層10に対し
て、所定の箇所にバイアホール11を形成する(図3
(a))。
たは熱硬化性有機樹脂とフィラーなどの組成物を混練機
や3本ロールなどの手段によって十分に混合し、これを
圧延法、押し出し法、射出法、ドクターブレード法など
によってシート状に成形する。そして、所望により熱処
理して熱硬化性樹脂を半硬化させる。半硬化には、樹脂
が完全硬化するに十分な温度よりもやや低い温度に加熱
する。
ンチング、サンドブラスト、あるいは炭酸ガスレーザ、
YAGレーザ、及びエキシマレーザ等の照射による加工
など公知の方法が採用される。
1内に、少なくとも銅を含有する平均粒径が3〜10μ
mの金属粉末を含む導体ペーストを充填してバイアホー
ル導体12を形成する(図3(b))。
ストは、銅粉末、銀粉末、銀被覆銅粉末、銅銀合金など
の、平均粒径が3〜10μm、特に3〜7μm、最適に
は3〜5μmの低抵抗金属粉末と、粉末100重量部に
対して樹脂結合剤を2重量部以下、特に0.05〜1重
量部の割合で含み、さらには、適当な溶剤等を含む。
む場合もある。金属粉末の平均粒径が3μmよりも小さ
いと、金属粉末同士の接触抵抗が増加してバイアホール
導体の抵抗が高くなる傾向にあり、10μmを越えると
バイアホール導体の低抵抗化が難しくなる傾向にある。
導体ペースト中の溶剤としては、用いる結合用有機樹脂
が溶解可能な溶剤であればよく、例えば、イソプロピル
アルコール、テルピネオール、2−オクタノール、ブチ
ルカルビトールアセテート等が用いられる。
は、前述した種々の絶縁層を構成する有機樹脂の他、セ
ルロースなども使用される。この有機樹脂は、前記金属
粉末同士を互いに接触させた状態で結合するとともに、
金属粉末を絶縁シートに接着させる作用をなしている。
この有機樹脂は、金属ペースト中において、2重量部を
越えると金属粒子間に樹脂が介在することになり粉末同
士を十分に接触させることが難しくなり、バイアホール
導体の抵抗が大きくなるためである。
端に、Ag、Al、Au、Cd、Cr、Ni、Pb、S
n、Th、Ti、Tl、ZnおよびZrの群から選ばれ
る少なくとも1種の金属を含有する導体ペーストを印刷
して金属層13を被着形成する(図3(c))。この金
属層13の形成方法としては、ペーストでの印刷、メッ
キ、金属ボールの埋込み等により形成することができ
る。
導体長さの1〜30%が適当である。これは、30%を
超えると、Ag等の金属自体の抵抗が銅よりも高いこと
からバイアホール導体全体の抵抗が高くなる恐れがある
ためである。
したバイアホール導体12端部に銅を主体とする配線回
路層14を形成する(図3(d))。配線回路層14の
形成は、1)絶縁層の表面に銅箔を貼り付けた後、エッ
チング処理して回路パターンを形成する方法、2)転写
フィルム表面に銅箔を貼り付け、銅箔をエッチング処理
して回路パターンを形成した後、この銅箔からなる配線
回路層を絶縁層表面に転写させる方法等が好適に採用さ
れる。
配線回路層14を絶縁層10表面に埋め込むとともに、
配線回路層14とバイアホール導体12間にパルス電流
を印加して、配線回路層14とバイアホール導体12と
の接触部分を溶接する(図3(e))。
にパルス電流を印加すると、配線回路層14とバイアホ
ール導体12間に、前記Ag、Al、Au、Cd、C
r、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、Tl、Znおよび
Zrの群から選ばれる少なくとも1種の金属を主体とす
る金属層13が介在していることから、銅を主体とする
配線回路層14と金属層13との接触部、および金属層
13とバイアホール導体12とが、いわゆる放電焼結し
て、配線回路層14と金属層13、金属層13とバイア
ホール導体12中の各金属粒子間の接触部には、図2に
示したように、Ag、Al、Au、Cd、Cr、Ni、
Pb、Sn、Th、Ti、Tl、ZnおよびZrの群か
ら選ばれる少なくとも1種の金属と銅を含む合金による
ネック部が成長し、配線回路層14とバイアホール導体
12とを金属層13を介して、強固に且つ導電性を妨げ
る介在物なしに接続することが可能になり、この結果、
通電加熱のみでは達成されなかった低抵抗の配線回路層
とバイアホール導体との強固で高信頼性の接続構造を、
その周辺の絶縁層に悪影響を及ぼすことなく、形成する
ことができるのである。
と金属層13、あるいは金属層13とバイアホール導体
12中の各金属粒子間のネックの幅が平均で金属粒子粒
径の1/5以上、特に2/5以上となるように電流を印
加することが必要である。
加するパルス電流の最適条件としては、電流密度が1〜
2000A/cm2 、パルス幅が0.01〜1000m
sec.の条件が良好に用いられ、電流密度が1A/c
m2 より低いと、溶接されずに金属粒子間の界面に存在
する酸化膜や樹脂の除去が難しく、また2000A/c
m2 を越えると、部分的に発熱が起こり絶縁基板を傷め
る場合があるためである。また、望ましくは、このパル
ス電流の印加は、パルス列におけるパルス間隔が0.0
1〜1000msec、印加時間が5秒〜5分間、特に
10秒〜1分間が望ましい。なお、パルス電流の印加
は、配線層が形成された絶縁層に対して、平板電極を1
0kg/cm2 以上の圧力で押し当てて行うことが望ま
しい。
形波であることが望ましい。正弦波等も用いられるが矩
形波が最も効果的である。また、パルス電流が、直流パ
ルスであることが望ましい。それは、正弦波よりも矩形
波のほうが、粒子間の放電が起こりやすく、表面の清浄
効果が高く、パルス電流は交流よりも直流のほうが一旦
清浄された粒子表面に汚れ等が付着しにくいためであ
る。
線層に通電により加熱処理を施すことにより、さらに配
線層の低抵抗化を図ることができる。通電処理は、電流
密度1〜4000A/cm2 の直流、交流でもよく、通
電による加熱温度は100〜350℃の範囲が適当であ
る。この時の温度が100℃よりも低いと、電気抵抗を
下げる効果が小さく、350℃を越えると絶縁層や配線
回路層を構成する樹脂が分解する場合がある。この通電
加熱によって、金属粒子間の接点が発熱し粉末同士の結
合力をさらに高めることができる。
流の印加と同時に行うことができる。具体的には、直流
のパルス電流と直流電流とをあわせた波形、つまり直流
電流波形の上部が矩形波となった電流を印加すると通電
加熱による作用と、パルス電流印加による放電溶接作用
とを同時に付加することができる。
に、絶縁層10中の樹脂が完全に硬化するに十分な温度
で熱処理することにより、単一の配線基板を作製するこ
とができる。また、配線基板を作製する場合には、上記
のようにして、配線回路層およびバイアホール導体を形
成した後、パルス電流の印加処理により溶接処理を施し
た未硬化あるいは半硬化状態の単一配線基板を複数層積
層圧着した後、絶縁層中に含まれる熱硬化性樹脂が十分
に硬化する温度で加熱して完全硬化させることにより多
層配線基板を作製することができる。
路層と絶縁層との密着強度を高める上では、絶縁層の配
線回路層の形成箇所および/または転写シート表面の配
線回路層表面の表面を0.1μm以上、特に0.3μm
〜3μm、最適には0.3〜1.5μmに粗面加工する
ことが望ましい。また、バイアホール導体の両端を配線
回路層によって封止する上で、配線回路層は、5〜40
μmの厚さの銅を主体とする金属箔からなることが望ま
しい。
体積%、フェニレンエーテル樹脂30体積%を用いてス
ラリーを調整し、このスラリーを用いてドクターブレー
ド法によってキャリアシート上に塗布し、これを50℃
の温度で60分間乾燥して厚み120μmの絶縁層を完
成した。
直径が0.1mmのスルーホールを形成し、そのホール
内に平均粒径5.3μm、銀を銅100重量部に対して
3重量部含有する銀被覆銅粉末99.8重量部、セルロ
ース0.2重量部、溶剤として2−オクタノール10重
量部とを混合して調製した導電性ペーストを充填してバ
イアホール導体を形成した。さらに、表1、表2に示す
平均粒径が3〜5μmの金属粉末を含有するペーストを
そのバイアホール導体の両端に25μm(バイアホール
導体長さの17%相当)の厚みで印刷した。
挟む表裏面に、予め、銅箔からなる配線回路層が形成さ
れた転写フィルムをそれぞれ積層して、50kg/cm
2 の圧力で圧着した後、転写フィルムを剥がして配線回
路層を転写させた。その後、120℃に加熱してペース
ト中の有機溶剤を揮散除去した後、さらに200℃で1
時間加熱して絶縁層を完全に硬化させて配線基板を得
た。
導体の両端の配線回路層間に表1に示す電流密度および
パルス幅で30秒間パルス電流を印加した。なお、パル
ス間間隔はパルス幅と同じにした。また、一部の基板に
対しては、さらに、表1、表2に示す条件で通電加熱を
行った。
る配線回路層の初期抵抗値を測定した。また、85℃、
85%相対湿度において1000時間経過後の導通抵抗
(テスト1)と、95%相対湿度中、−55〜+125
℃の温度範囲において1000サイクル後の導通抵抗
(テスト2)を測定し、それぞれの条件における抵抗変
化率〔(1000サイクル後の抵抗−初期抵抗)/初期
抵抗〕×100(%)を計算し表1、表2に示した。
導体との接触状況を走査型電子顕微鏡写真により観察
し、溶接によるネックの成長の有無と、そのネック幅/
金属粒子径の平均を求め、表1、表2に示した。さら
に、X線マイクロアナライザーによって配線回路層と金
属層との界面におけるネック部の金属成分を検査しその
結果を表1、表2に示した。
バイアホール導体との間に、Ag、Al、Au、Cd、
Cr、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、Tl、Znおよ
びZrの群から選ばれる少なくとも1種の金属層を介在
させて、パルス電流を印加することにより、配線回路層
と金属層との接触部分、即ち、銅箔と金属粒子との接触
部にネック幅/金属粒子粒径の比率が1/5以上の互い
の金属の合金からなるネック部を形成した試料は、配線
回路層−バイアホール導体−配線回路層間の初期抵抗を
4×10-5Ω・cm以下まで低下させることができた。
化が5%以下の優れた耐久性を示し、長期にわたり接続
信頼性の高いことが確認された。また、それらの試料に
おいては、金属層とバイアホール導体中の各金属粒子間
もバイアホール導体中の金属粒子の粒径に対して1/5
以上のネック部が形成されていることも確認した。
い試料No.7、9、15、17、20、22、24、2
6、28、32、37、38、40では、いずれも初期
抵抗が4×10-5Ω・cmよりも高く、しかも熱サイク
ル試験における抵抗変化が5%を超えるものであり、配
線回路層とバイアホール導体との接続信頼性に欠けるも
のであった。
よれば、配線回路層とバイアホール導体中の金属粒子間
の接触部をネック部の形成によって強固に接続すること
ができるために、配線回路層の比抵抗を大幅に低減する
ことができるとともに、ヒートサイクルやヒートショッ
ク等の熱変形や振動による接続信頼性の低下を抑制する
ことができる。これにより、配線層の微細化と高密度化
に十分に対応することができ、超微細化、精密化の要求
の応えうることのできる高信頼性の多層配線板を作製す
ることができる。
断面図である。
との接触部分の要部拡大断面図である。
工程図である。
Claims (5)
- 【請求項1】有機樹脂を含有する絶縁基板と、該絶縁基
板表面および/または内部に配設された銅を主体とする
配線回路層と、前記配線回路層間を電気的に接続するた
めに設けられ、少なくとも銅を含有する平均粒径が3〜
10μmの金属粉末を充填してなるバイアホール導体を
具備する多層配線基板において、前記バイアホール導体
中の銅を含有する金属粉末が、Ag、Al、Au、C
d、Cr、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、Tl、Zn
およびZrの群から選ばれる少なくとも1種の金属粉末
を主体とする金属層を介して前記配線回路層と電気的に
接続してなり、前記金属層中の金属粒子と前記配線回路
層が、前記金属層中の主体となる金属と金属箔中の金属
との合金からなるネック部によって結合してなることを
特徴とする配線基板。 - 【請求項2】前記少なくとも銅を含有する金属粉末が、
銀を被覆した銅粉末からなる請求項1記載の配線基板。 - 【請求項3】有機樹脂を含有する絶縁層に形成したバイ
アホール内に、銅を含有する平均粒径3〜10μmの金
属粉末を含む第1の導体ペーストを充填してバイアホー
ル導体を形成する工程と、Ag、Al、Au、Cd、C
r、Ni、Pb、Sn、Th、Ti、Tl、Znおよび
Zrの群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む第2
の導体ペーストを前記バイアホール導体端部に被着する
工程と、前記第2の導体ペーストが被着された前記バイ
アホール導体端部に銅を主体とする配線回路層を形成す
る工程と、前記配線回路層と前記バイアホール導体間に
パルス電流を印加して、前記配線回路層と前記第2の導
体ペースト中の金属粒子との接触部分に、前記Ag、A
l、Au、Cd、Cr、Ni、Pb、Sn、Th、T
i、Tl、ZnおよびZrの群から選ばれる少なくとも
1種の金属と前記配線回路層中の金属との合金からなる
ネック部を形成する工程と、を具備することを特徴とす
る配線基板の製造方法。 - 【請求項4】印加するパルス電流の電流密度が1〜20
00A/cm2 、パルス幅が0.01〜1000mse
c.であることを特徴とする請求項3記載の配線基板の
製造方法。 - 【請求項5】前記少なくとも銅を含有する金属粉末が、
銀を被覆した銅粉末からなる請求項3記載の配線基板の
製造方法。
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