JPH11186680A - 配線基板 - Google Patents

配線基板

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JPH11186680A
JPH11186680A JP35431397A JP35431397A JPH11186680A JP H11186680 A JPH11186680 A JP H11186680A JP 35431397 A JP35431397 A JP 35431397A JP 35431397 A JP35431397 A JP 35431397A JP H11186680 A JPH11186680 A JP H11186680A
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JP
Japan
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hole conductor
metal
metal particles
copper
conductor
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JP35431397A
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English (en)
Inventor
Riichi Sasamori
理一 笹森
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくとも金属粒子の充填により形成されたビ
アホール導体に対して、ビアホール導体の変形なく、低
抵抗化を図った配線基板を提供する。 【解決手段】少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板1内
に、少なくとも銅などの低抵抗金属からなる金属粒子4
を充填したビアホール導体3を配設してなり、ビアホー
ル導体3に対してパルス電流の印加を制御してビアホー
ル導体3を金属粒子4同士が金属粒子4の平均粒径の
0.1〜0.9倍の幅を有するネック部5を介して互い
に結合してなる3次元網目状構造体により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機樹脂を含む絶
縁基板中に、銅などの金属粒子を充填してなるビアホー
ル導体を配設してなる、半導体素子収納用パッケージな
どに適した配線基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、配線基板、例えば、半導体素子
を収納するパッケージに使用される多層配線基板とし
て、アルミナなどの絶縁層とW,Moなどの高融点金属
からなる配線層とを具備した多層セラミック配線基板が
多用されているが、このようなセラミック多層配線基板
は、硬くて脆い性質を有することから、製造工程または
搬送工程において、セラミックスの欠けや割れ等が発生
しやすく、また、焼結前のグリーンシートにメタライズ
インクを印刷して、印刷後のシートを積層して焼結する
場合、焼成により得られる基板に反り等の変形や寸法の
ばらつき等が発生しやすいという問題があり、回路基板
の超高密度化やフリップチップ等のような基板の平坦度
の厳しい要求に対して十分に対応できないという問題が
あった。
【0003】そこで、最近では、有機樹脂を含む絶縁層
表面に銅箔を接着した後、これをエッチングして微細な
回路を形成した基板や、銅などの金属粉末を含むインク
を絶縁層に印刷して配線層を形成した後、これを積層
し、あるいは積層後に、所望位置にマイクロドリルやパ
ンチング等によりビア用の孔明けを行い、そのビア内壁
にメッキ法により金属を付着させて配線層を接続して多
層化することが行われている。また、絶縁層としては、
その強度を高めるために、有機樹脂に対して、粉末状あ
るいは繊維状の無機質フィラーを分散させた基板も提案
されており、これらの複合材料からなる絶縁層上に多数
の半導体素子を搭載したマルチチップモジュール(MC
M)等への適用も検討されている。
【0004】上記のようなプリント基板の多層化、配線
の超微細化、精密化の要求に対応して、ビアホール導体
内壁にメッキを施す方法では、ビアホール導体の形成箇
所が限られるなど、回路設計上制約を受けることから、
ビアホール導体を、セラミック多層基板と同様にビアホ
ール内に銅などの金属粒子を含む導体ペーストを充填す
ることにより、設計上の制約を受けることなく、高密度
に多層化された配線基板を作製する試みが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属粒
子を含む導体ペースト中には、絶縁層への印刷性を高め
るとともに、金属粉末を互いに結合させるために有機樹
脂を配合されることから、粉末の接触界面には、有機樹
脂が介在しやすいために、ビアホール内壁にメッキを施
したものに比較して抵抗値が高いという問題があった。
そのため、導体ペーストを充填した後に、樹脂分を加熱
分解したり、さらには、充填後のビアホール導体に通電
加熱を行う事など様々な改良が行われている。
【0006】しかしながら、このようにして得られたビ
アホール導体中においても樹脂分や汚れ等を完全に除去
することができなかったり、樹脂分が除去できてもCu
等の金属粒子表面に存在する酸化膜等を除去するには至
らず低抵抗化を図ったとしてもせいぜい7×10-4Ω−
cm程度であり低抵抗化が難しいのが現状であり、その
結果、配線層の微細化、高密度化が困難であるという欠
点を有していた。
【0007】そこで、本発明者は、先に金属粒子を充填
したビアホール導体に対して、パルス電流を印加するこ
とにより、金属粒子同士を放電溶接、あるいは放電焼結
することにより、ビアホール導体の低抵抗化を図ること
を提案した。
【0008】しかしながら、かかる方法は、ビアホール
導体の低抵抗化には非常に効果的であっても、銅などの
金属粒子同士の焼結の進行によって焼成収縮する結果、
例えば、ビアホール導体が円柱体からなる場合、図3に
示すようにビアホール導体11の半径方向の収縮によっ
て太鼓状に変形する。その結果、ビアホール導体11内
の絶縁層12との間に空隙が形成されて、この空隙に例
えばメッキ液が浸透したり、あるいは配線基板による気
密性が損なわれたり、導体配線層13との電気的な接触
が損なわれる等の弊害が生じることがわかった。
【0009】従って、本発明は、少なくとも金属粒子の
充填により形成されたビアホール導体に対して、ビアホ
ール導体の変形なく、低抵抗化を図った配線基板を提供
することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題について鋭意検討した結果、ビアホール導体中
に、少なくとも銅等の金属粒子を充填してビアホール導
体を作製した後、該ビアホール導体に対して、所定のパ
ルス電流を印加して、金属粒子間の接触部を溶接、ある
いは焼結することによりネック部を形成し、そのネック
部を大きさを所定範囲に制御しながら、3次元網目状構
造体を形成することにより、ビアホール導体の焼成収縮
に伴う変形を抑制しながら、低抵抗化を図ることができ
ることを見いだし、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の配線基板は、少なくとも有
機樹脂を含む絶縁基板内に、少なくとも金属粒子を充填
したビアホール導体を配設してなり、前記ビアホール導
体が、前記金属粒子同士が前記金属粒子の平均粒径の
0.1〜0.9倍の幅を有するネック部を介して互いに
結合してなる3次元網目状構造体から形成されることを
特徴とするものである。
【0012】また、前記金属粒子は、銅と、銅以外の金
属との複合体から形成されること、その場合、前記金属
粒子同士のネック部が、前記銅と、銅以外の金属との合
金によって形成されることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の配線基板の一例
を示す概略断面図である。本発明の配線基板は、図1に
示すように、絶縁層が多層に積層された絶縁基板1の表
面および内部に、複数層の導体配線層2が形成されてい
る。そして、異なる層の各導体配線層2間は、ビアホー
ル導体3によって電気的に接続される。
【0014】絶縁基板1は、少なくとも有機樹脂を含む
絶縁材料からなるもので、有機樹脂としては例えば、熱
硬化性のポリフェニレンエーテル樹脂、ビスマレイミド
トリアジン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ
素樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂等を含む。
【0015】また、上記の絶縁基板1中には、絶縁基板
あるいは配線基板全体の強度を高めるために、有機樹脂
に対して無機質フィラーを複合化させるのが望ましい。
有機樹脂と複合化される無機質フィラーとしては、Si
2 、Al2 3 、ZrO2、TiO2 、AlN、Si
C、BaTiO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaT
iO3 、ほう酸アルミニウム等の公知の材料が使用で
き、さらには、ガラスクロスに樹脂を含浸させたシート
(プリプレグ)を用いても良い。フィラーの形状は平均
粒径が20μm以下、特に10μm以下、最適には7μ
m以下の略球形状の粉末の他、平均アスペクト比が2以
上、特に5以上の繊維状のものや平板状のもの、さらに
は、織布物も使用できる。なお、有機樹脂と無機質フィ
ラーとの複合材料においては、有機樹脂:無機質フィラ
ーとは、体積比率で15:85〜50:50の比率で複
合化されるのが適当である。
【0016】一方、導体配線層2は、配線基板に搭載さ
れる半導体素子などの電子部品を相互に、あるいは外部
に電気的に接続するための導電路を形成するもので、例
えば、銅、銀、アルミニウム、金の群から選ばれる少な
くとも1種、または2種以上の合金を主体とする低抵抗
金属を含むものであり、特に、銅または銅を含む合金が
最も望ましい。また、場合によっては、導体組成物とし
て回路の抵抗調整のためにNi−Cr合金などの高抵抗
の金属を混合、または合金化してもよい。
【0017】さらには、配線層の低抵抗化のために、前
記低抵抗金属よりも低融点の金属、例えば、半田、錫な
どの低融点金属を導体組成物中の金属成分中にて2〜2
0重量%の割合で含んでもよい。
【0018】導体配線層2は、上記の金属、またはそれ
を含む合金からなる金属箔、または金属メッキによって
形成される他、後述するような導体ペーストをスクリー
ン印刷等の手法によって印刷塗布して形成されるもので
ある。
【0019】また、ビアホール導体3は、少なくとも金
属粒子が充填して形成されるものであって、一般に導体
ペーストの充填によって形成される。本発明におけるビ
アホール導体に充填される導体ペースト中には、上記の
金属粒子以外に、有機樹脂や溶媒が含まれる。この有機
樹脂は、ペーストを充填する際の粘度調整のためのもの
であり、ビアホール導体の低抵抗化のためには、この有
機樹脂は電気伝導性を阻害することから低温で分解でき
るものが最も望ましい。好適な樹脂としては、パラフィ
ン、エチルセルロース、ニトロセルロース等が挙げられ
る。また、溶媒はビアホール導体形成後に残存すると、
導体配線層を形成した時に気化し導体配線層の変形をも
たらすために溶媒は、実質的には、最終製品中には残存
していないことが望ましい。
【0020】ビアホール導体は、金属粒子の集合体によ
って形成されるが、一般にこれらの金属粉末の表面には
大気中の酸素と反応して酸化膜が存在する。このような
酸化膜や粉末間を結合させるための前記有機樹脂は金属
粉末間の導通を妨げている。
【0021】これに対して、本発明におけるビアホール
導体によれば、隣接する金属粒子同士がネック部を介し
て互いに結合してなる3次元網目状構造体から形成され
ている。これにより粒子間には酸化膜や有機樹脂を介す
ることなく、粒子同士が直に互いに接続されるために、
低抵抗のビアホール導体が形成されるのである。
【0022】そのビアホール導体の3次元網目状構造体
の典型的な構造を図2に示した。図2によれば、ビアホ
ール導体内の金属粒子4同士は、その接触点においてネ
ック部5が形成されている。そして、ネック部5を介し
て金属粒子4同士が3次元的に互いに結合しながら、網
目状構造を形成している。このネック部5は、例えば、
後述するパルス電流等の印加により形成されるものであ
り、溶接あるいは焼結作用によって形成されたものであ
る。
【0023】ネック部5の形成は、粒子4間の電気伝導
性を高め、さらにはビアホール導体の低抵抗化を図る上
で非常に重要である。しかし、ネック部5の幅が大きい
ほどその電気伝導路が確保される反面、溶接あるいは焼
結作用が進行していることを意味し、同時にビアホール
導体の収縮、さらには、ビアホール導体の変形をもたら
すことになるのである。
【0024】従って、本発明によれば、このネック部5
の幅xが金属粒子4の平均粒径の0.1〜0.9、特に
0.2〜0.8倍であることが重要である。従って、ネ
ック部の幅xが金属粒子の平均粒径の0.1倍よりも小
さいと、ビアホール導体の低抵抗化を図ることが難し
く、0.9倍よりも大きいと、ビアホール導体の変形が
生じてしまうことを意味する。なお、ネック部5の幅x
は、各金属粒子4間同士のネック部の幅の平均値であ
る。
【0025】上記3次元網目状構造において、金属粒子
4の平均粒径は0.3〜20μmであることが望まし
い。これは、平均粒径が0.3μmよりも小さいと、金
属粉末同士の接触抵抗が増加してビアホール導体の抵抗
が高くなる傾向にあり、また、ネック部形成時にビアホ
ール導体の収縮率が増大する傾向にあり、ビアホール導
体の変形が大きくなりやすくなる。また、平均粒径が2
0μmを越えると、金属粒子の接触部の絶対数が低下
し、ビアホール導体全体の低抵抗化が難しくなる傾向に
ある。
【0026】金属粒子は、銅、金、銀、アルミニウム等
の低抵抗金属を主体とするものであって、さらには、こ
れらの主金属と他の金属との合金、あるいは他の金属を
表面に被覆した複合体、混合体のいずれでもよい。それ
らの中でも、低抵抗化とともにネック部形成の容易性の
点から、銅を主成分とすることが望ましい。
【0027】さらには、銅に対して、銅以外の他の金
属、特に低抵抗化や合金化により融点を低下せしめる金
属との複合体からなることが望ましい。用いられる銅以
外の他の金属としては、Al、Ag、Au、Cd、N
i、Pb、Sn、Th、Ti、Tl、Zn、Zr等が挙
げられる。これらは、銅に対して30重量%以下の割合
で複合化される。最適には、銅以外の金属は、銅粒子表
面に被覆されている方が、ネック部形成時に銅との合金
化による低融点化によって容易にネック部を形成するこ
とができる。
【0028】金属粒子として、上記のような銅と、銅以
外の他の金属との複合体を用いた場合、前記3次元網目
状構造における金属粒子間のネック部は、銅と、銅以外
の他の金属との合金によって形成されることが望まし
い。
【0029】さらに、本発明におけるビアホール導体に
よれば、ビアホール導体を円柱体と仮定した場合、ビア
ホール導体の長手方向(配線基板表面に対して垂直方
向)おける金属粒子間のネック部の幅x1 に対して、ビ
アホール導体の半径方向(配線基板表面に対して平行方
向)における金属粒子間のネック部の幅x2 が小さいこ
とが望ましい。かかる構造によれば、ビアホール導体の
半径方向での金属粒子間のネック部の形成を小さくする
ことによりビアホール導体の半径方向での収縮を抑制す
ることができる結果、ビアホール導体の変形度の低減す
ることができる。
【0030】望ましくは、x2 /x1 は0.5〜0.9
である。
【0031】また、本発明の配線基板においては、ビア
ホール導体の絶縁基板表面に露出した表面には、ニッケ
ルや金等の耐食性に優れ、且つ半導体素子等の電子部品
との接合性および外部電気回路基板の配線層との接続性
に優れる金属をメッキ法により1〜20μmの厚みで被
着形成させておくことにより、ビアホール導体が酸化腐
食することを有効に防止することができるとともに、ビ
アホール導体の電気部品あるいは外部電気回路基板との
電気的接続を容易、かつ強固に行うことができる。
【0032】次に、本発明の配線基板を作製するための
具体的な方法について説明する。まず初めに、有機樹脂
を含む絶縁層を作製する。この絶縁層は、前述したよう
な熱硬化性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と無機質フィラ
ーとを用いて、これに適当な硬化剤、溶剤を添加混合し
てスラリー状となし、これをドクターブレード法、カレ
ンダーロール法、圧延法等によりシート状に成形する。
あるいは、これを加熱硬化させて半硬化あるいは完全硬
化させて作製される。また、絶縁層としては、上記以外
にプリプレグ等を用いることもできる。
【0033】次に、このシート状成形体に対して、マイ
クロドリル、レーザー等によりビアホールを形成し、そ
のビアホール内に、金属粉末、有機樹脂、溶剤を混練し
て調製した導体ペーストを充填してビアホール導体を形
成する。
【0034】また、このシート状成形体の表面に、導体
配線層を形成する。導体配線層を形成する方法として
は、シート状成形体の表面に金属箔を接着した後、フォ
トレジスト法等により配線パターンを形成する方法、金
属メッキ法によって形成する方法、あるいは前述したよ
うな金属粉末を含む導体ペーストを、スクリーン印刷
法、グラビア印刷法などの周知の印刷方法によって印刷
形成する方法等がある。
【0035】好適には、樹脂フィルム表面に金属箔を接
着した後、フォトレジスト法等によって配線パターンを
形成した後、シート状成形体の表面に転写することが望
ましい。この転写法によれば、シート状成形体をフォト
レジスト法等により化学薬品に浸漬する必要がなく、ビ
アホール導体への溶剤の浸透や、薬品によるシート状成
形体へのダメージを軽減できる。なお、シート状成形体
表面に形成される導体配線層の厚さは10〜35μmが
適当である。
【0036】このようにして作製された配線基板のビア
ホール導体においては、金属粉末の表面には、導体中に
含まれる有機樹脂によって粉末表面に薄い樹脂膜が存在
したり、大気中の酸素によって酸化し薄い酸化膜が形成
されている。
【0037】そこで、本発明によれば、上記のようにし
て作製された配線基板におけるビアホール導体に対し
て、パルス電流を印加することによってビアホール導体
の低抵抗化を図るとともに、ビアホール導体を金属粒子
による3次元網目状構造体に変換させる。
【0038】このビアホール導体にパルス電流を印加す
ると金属粒子間に放電が生じる。この放電により金属粒
子表面の酸化膜や付着物が除去され、いわゆる溶接、あ
るいは部分的に焼結した状態となり、金属粒子同士が互
いにネック部を形成し、全体として3次元網目状構造体
を形成することになる。
【0039】しかし、このパルス電流の印加条件によっ
ては、金属粒子同士のネック部の成長が大きくなり、過
度に焼結が進行すると収縮が起こり、ビアホール導体の
変形をもたらす結果となってしまうため、本発明では、
前述した通り、金属粒子間のネック部の幅xが金属粒子
の平均粒径の0.1〜0.9、特に0.2〜0.8倍と
なるように制御することが必要である。また、ネック部
の幅は、金属粒子の材質とパルス電流印加条件によって
変化するために、用いる金属粒子の材質に応じてパルス
電流の印加条件を適宜制御することが必要である。
【0040】このように、本発明によれば、パルス電流
の印加によって、金属粒子同士が導電性を妨げる介在物
なしに接触することが事が可能になり、この結果、通電
加熱のみでは達成できなかった5×10-5Ω−cm以下
の低抵抗化を実現することが可能となる。また、同時に
ネック部の成長を制御して3次元網目状構造体を形成す
ることにより、パルス電流の印加によるビアホール導体
の変形を防止し信頼性の高いビアホール導体を形成でき
る。
【0041】また、このパルス電流の印加は、ビアホー
ル導体に対して、長手方向に電流を印加することが望ま
しい。これにより、パルス化された電流による瞬間的な
電流の流れがビアホール導体内の金属粒子間のうち、ビ
アホール導体に対して長手方向に電流が流れやすく、半
径方向に流れにくくなり、半径方向側のネック部の成長
を長手方向側よりも小さくすることができる結果、半径
方向側のネック部幅を長手方向側のネック部幅よりも小
さくすることができる。
【0042】パルス電流の印加条件としては、用いる金
属粒子により制御する必要があるが、およそ電流密度1
〜2000A/cm2 のパルス電流、1パルスの通電時
間3秒以下、パルス間隔が3秒以下の条件が良好に用い
られ、電流密度が1A/cm2未満では、放電溶接され
ずに金属粉末間の界面に存在する酸化膜や有機樹脂の除
去が難しく、また2000A/cm2 を越えると、部分
的に発熱が起こり絶縁層を傷める場合があるためであ
る。また、1パルスの通電時間が3秒を越えると放電溶
接させるための処理時間が長くなり、パルス間隔は3秒
を越えると処理時間が長くなり実用的でない。望ましく
は、1パルスの通電時間、パルス間隔ともに1秒以下、
最適には0.02〜0.1秒である。
【0043】また、パルス電流は、矩形波であることが
望ましい。正弦波等も用いられるが矩形波が瞬間的な電
流の印加による放電性を高める上で最も効果的である。
また、パルス電流は、直流パルスであることが望まし
い。それは、正弦波よりも矩形波のほうが、粒子間の放
電が起こりやすく、表面の清浄作用が高く、パルス電流
は交流よりも直流の方が一旦清浄された粒子表面に汚れ
等が付着しにくいためである。
【0044】さらに、本発明によれば、上記パルス電流
の印加ののちに、ビアホール導体に通電による加熱処理
を施して、ビアホール導体の低抵抗化を図ることもでき
る。
【0045】一般には、通電処理は、電流密度1〜40
00A/cm2 の直流、交流のいずれでもよく、通電に
よる加熱温度は100〜350℃の範囲が適当である
が、ビアホール導体の3次元網目状構造が損なわれない
ようにその条件を制御することが必要である。また、こ
の通電加熱処理は、前述したパルス電流の印加処理と同
時に行うことができる。具体的には、直流のパルス電流
と直流電流とを合わせた波形、つまり直流電流波形の上
部が矩形波となった電流を印加すると通電加熱による作
用と、パルス電流印加による放電溶接作用とを同時に付
加することができる。
【0046】このパルス電流の印加および通電加熱処理
は、ビアホール導体のみに限られず、例えば、導体配線
層を導体ペーストの印刷によって形成した場合には、そ
の導体配線層に対して処理を施して同様の効果を発揮さ
せることもできる。
【0047】上記のようにしてパルス電流の印加、さら
には通電加熱処理を施した、複数のシート状成形体を積
層圧着して多層化した後、加熱処理して成形体中の熱硬
化性樹脂を完全に硬化することにより、多層配線基板を
作製することができる。
【0048】
【実施例】絶縁層として、有機樹脂としてポリフェニレ
ンエーテル樹脂を用い、さらに無機フィラーとして球状
シリカを用い、これらを有機樹脂:無機フィラーが体積
比で40:60となる組成物を用い、これをドクターブ
レード法によって厚さ120μmの半硬化状態の絶縁シ
ートを形成した。そして、この絶縁シートに直径が0.
1mmのスルーホールを形成した。
【0049】一方、平均粒径が5.3μmの表面に銀を
被覆した銅粉(Ag含有量3重量%)100重量部、セ
ルロース0.1重量部、2−オクタノール6重量部とか
らなる導体ペーストを調製し、絶縁シートのビアホール
内にこのペーストをを充填してビアホール導体を形成し
た。
【0050】そして、樹脂フィルムに接着された厚さ1
2μmの金属箔をフォトレジスト法により配線パターン
状に形成した後、その金属箔を絶縁シートの両面にスル
ーホール導体を塞ぐ位置に転写して導体配線層を形成し
た。
【0051】次に、上記導体配線層を通じてビアホール
導体に表1に示す条件でパルス電流印加処理を施した。
パルス電流の印加は平板電極を20kg/cm2 の圧力
で配線層に押し当てながら30秒間実施した。なお、パ
ルス間間隔は、パルス幅と同じにした。また、一部の基
板に対しては、表1に示す条件で通電による加熱処理を
行った。なお、表1の試料のうち試料No.16、19に
ついてはパルス電流と通電加熱とを同時に行った。
【0052】その後、このパルス電流と通電加熱処理を
施した絶縁シートを200℃で1時間加熱処理して、絶
縁シート中の熱硬化性樹脂を完全硬化させて評価用の配
線基板を作製した。
【0053】得られた配線基板に対して、ビアホール導
体間の比抵抗を測定し、その結果を表1に示した。な
お、ビアホール導体の断面を走査型電子顕微鏡写真によ
り観察して、任意の金属粒子間のネック部の幅を50箇
所測定し、その平均を求め、金属粒子の平均粒径(5.
3μm)との比率を求めるとともに、写真からの3次元
網目状構造の形成の有無を判断した。
【0054】また、ビアホール導体の断面において、図
3に示したように、ビアホール導体内のビアホール直径
aに対するビアホール中の導体の径の最小径bの比率
(b/a)を求め、表1に示した。
【0055】上記の導体インクにおいて、銀被覆銅粉に
代えて平均粒径5.8μmの銅紛、平均粒径が3.1μ
mの銀紛、平均粒径が6.1μmの銀−銅合金粉を用い
る以外は、上記とまったく同様にして配線基板を作製
し、同様に評価を行なった。
【0056】
【表1】
【0057】表1の結果によれば、パルス電流を全く施
さない試料No.1では、ネック部の形成が全くなく抵抗
も7.9×10-5Ω−cmと非常に大きいものであっ
た。また、パルス電流を印加した試料であっても、ネッ
ク部の幅が金属粒子の平均粒径の0.1倍未満の試料N
o.3では、低抵抗化が達成されず、また、ネック部の幅
が金属粒子の平均粒径の0.9倍を越える試料No.1
3、14、21、22では、抵抗が非常に低いものの3
次元網目状構造が形成されず、しかもビアホール導体の
変形度が非常に大きいものであった。
【0058】また、通電加熱処理のみの試料No.2で
は、ネック部の形成が非常に小さく、パルス電流により
処理を行った場合に比較して抵抗が大きいものであっ
た。
【0059】これらの比較例に対して、所定幅のネック
部を形成した3次元網目状構造体を形成した本発明試料
は、いずれも低い抵抗と、変形の小さいビアホール導体
を形成することができた。なお、本発明の試料は、いず
れもビアホール導体の長手方向(配線基板表面に対して
垂直方向)おける金属粒子間のネック部の幅x1 に対し
て、ビアホール導体の半径方向(配線基板表面に対して
平行方向)における金属粒子間のネック部の幅x2 が小
さいものであった。
【0060】また、ビアホール導体と金属箔からなる導
体配線層間もネック部の形成が観察され、導体配線層と
ビアホール導体間も良好且つ強固な電気的接続が形成さ
れていることを確認した。
【0061】さらに、ネック部についてX線マイクロア
ナライザーでEPMA分析を行った結果、銅と、銅以外
の金属との複合体を金属粒子として用いた試料では、い
ずれも銅と、銅以外の金属との合金によってネック部が
形成されていることを確認した。
【0062】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の配線基板に
よれば、少なくとも金属粒子が充填されたビアホール導
体の低抵抗化とともに、ビアホール導体の変形を抑制す
ることができる結果、配線基板における配線層の微細化
および高密度化に十分対応することのできる高信頼性の
配線基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の一例を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明におけるビアホール導体の3次元網目状
構造体を説明するための概略図である。
【図3】ビアホール導体の変形を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 導体配線層 3 ビアホール導体 4 金属粒子 5 ネック部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも有機樹脂を含む絶縁基板内に、
    少なくとも金属粒子を充填したビアホール導体を配設し
    てなり、前記ビアホール導体が、前記金属粒子同士が前
    記金属粒子の平均粒径の0.1〜0.9倍の幅を有する
    ネック部を介して互いに結合してなる3次元網目状構造
    体から形成されることを特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】前記金属粒子は、銅と、銅以外の金属との
    複合体から形成される請求項1記載の配線基板。
  3. 【請求項3】前記金属粒子同士のネック部が、前記銅
    と、銅以外の金属との合金によって形成されている請求
    項1記載の配線基板。
JP35431397A 1997-12-24 1997-12-24 配線基板 Pending JPH11186680A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010123760A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Denso Corp 導電用充填材料およびその充填方法
JP2011199250A (ja) * 2010-02-25 2011-10-06 Panasonic Corp 多層配線基板、及び多層配線基板の製造方法
US8158503B2 (en) 2006-03-28 2012-04-17 Fujitsu Limited Multilayer interconnection substrate and method of manufacturing the same

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