JP2000077804A - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

配線基板およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000077804A
JP2000077804A JP24536398A JP24536398A JP2000077804A JP 2000077804 A JP2000077804 A JP 2000077804A JP 24536398 A JP24536398 A JP 24536398A JP 24536398 A JP24536398 A JP 24536398A JP 2000077804 A JP2000077804 A JP 2000077804A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
melting point
low melting
powder
conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24536398A
Other languages
English (en)
Inventor
Riichi Sasamori
理一 笹森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP24536398A priority Critical patent/JP2000077804A/ja
Publication of JP2000077804A publication Critical patent/JP2000077804A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】安価で、かつ高導電性で、且つ耐熱衝撃性等の
機械的特性に優れた導体配線層を具備した配線基板とそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも有機樹脂を含む絶縁層1と、絶
縁層1の表面及び/または内部に、銅を主成分とする銅
含有粉末5と、銅との合金化によって低融点合金を形成
し得る金属を主成分とする低融点化金属粉末6とを含む
導体配線層2が形成され、導体配線層2に1〜2000
A/cm2 、パルス幅が0.01〜1000msec.
のパルス電流を印加して、銅含有粉末5と、低融点化金
属粉末6との接触部に、低融点合金からなるネック部7
を形成して、低抵抗化および耐熱信頼性の向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも有機樹
脂を含む絶縁層の表面および/または内部に、金属粉末
を含む導体配線層を形成した、半導体素子収納用パッケ
ージなどに適した配線基板とその製造方法に関するもの
であり、特に、導体配線層の耐熱信頼性の向上および低
抵抗化の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、配線基板、例えば、半導体素子
を収納するパッケージに使用される配線基板として、ア
ルミナ等の絶縁層とW,Moなどの高融点金属からなる
配線層とを具備したセラミック配線基板が多用されてい
るが、このようなセラミック配線基板は、硬くて脆い性
質を有することから、製造工程または搬送工程におい
て、セラミックスの欠けや割れ等が発生しやすく、ま
た、焼結前のグリーンシートにメタライズペーストを印
刷して、印刷後のシートを積層して焼結する場合、焼結
により得られる基板に反り等の変形や寸法のばらつき等
が発生しやすいという問題があり、回路基板の超高密度
化やフリップチップ等のような基板の平坦度の厳しい要
求に対して十分に対応できないという問題があった。
【0003】そこで、最近では、樹脂を含む絶縁層表面
に銅箔を接着した後、これをエッチングして微細な回路
を形成した基板や、銅などの金属粉末を含むペーストを
絶縁層に印刷して配線層を形成した後、これを積層し、
あるいは積層後に、所望位置にマイクロドリルやパンチ
ング等によりビア用の孔開けを行い、そのビア内壁にメ
ッキ法により金属を付着させて配線層を接続して多層化
したプリント配線基板が提案されている。また、絶縁層
としては、その強度を高めるために、樹脂に対して、粉
末状あるいは繊維状の無機質フィラーを分散させた基板
も提案されており、これらの複合材料からなる絶縁層上
に多数の半導体素子を搭載したマルチチップモジュール
(MCM)等への適用も検討されている。
【0004】以上のようなプリント配線板の多層化、配
線の超微細化、精密化の要求に対応して、樹脂を含む絶
縁層の表面に銅などの低抵抗金属を含む導体ペーストで
回路パターンを印刷したり、ビアホール中に導体ペース
トを充填した高密度に多層化された配線基板を作製する
試みが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低抵抗
金属を含む導体ペースト中には、絶縁層への印刷性を高
めるとともに、金属粉末を互いに結合させるために樹脂
を配合させることから、粉末の接触界面には、樹脂が介
在しやすく、通常の銅箔や銅メッキにより形成された回
路よりも抵抗値が高いという問題があった。
【0006】そのため、ペースト中の低抵抗金属として
は銀が多用されている。銀が主導体成分として用いられ
る理由は、導電率が高いこと、銅等の卑金属に比べ化学
的安定性が高いこと等による。しかしながら、銀はコス
トが非常に高く、さらに銀が大気中湿気と直流電界との
相互作用により、銀配線相互間を移行する現象、いわゆ
るマイグレーションが生じるために、回路設計上の制約
が多く、使用条件によっては信頼性に問題があった。こ
れに対して、銅は、抵抗率もある程度低く、銀に比較し
て安価に入手できるものの、表面が酸化しやすいことか
ら、特殊な方法で貯蔵する必要があるなどの問題があっ
た。
【0007】そこで、これらの問題を解決するために、
銅粒子の表面に低抵抗率の銀を被覆して、導体抵抗率の
低減と銅粒子の酸化を抑制した導電材料が特開昭56−
101739号、特開平8−138437号等にて提案
されている。
【0008】しかしながら、これらの銀被覆銅粒子を用
いた場合においても、これらの粒子を結合するために全
固形分あたり3重量%以上の樹脂が必要とされており、
この樹脂分が粒子間の接触部に介在して接触抵抗が高く
なり、導体配線層の抵抗値を低減するには至っておら
ず、さらには、銀が単独で存在することからマイグレー
ションが生じるという問題があるのが現状である。
【0009】また、この樹脂分を加熱分解したり、通電
加熱を行うことなど様々な改良も行われているが、これ
らの加熱処理においても充分な効果が得られておらず、
場合によっては、加熱によって絶縁層に対して悪影響を
及ぼす等の問題があった。
【0010】さらに、金属粉末間の接続が点接触となっ
ているため、電流パスに有効な面積が小さいため、電流
密度が低く、導体層の抵抗値が高くなるという問題があ
った。
【0011】また、樹脂分が熱分解により除去された場
合には、導体配線層中の金属粉末が絶縁層の有機樹脂と
大きな熱膨張差を有するとともに、粉末間の接着強度が
低いために、熱履歴により導体配線層内の金属粉末間お
よび/または導体配線層間の接続性が低下するという問
題があった。
【0012】本発明は、上記のような欠点が生ぜず、安
価で、低抵抗率で、かつ耐熱信頼性に優れた導体配線層
を具備した配線基板とその製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
に対して検討を重ねた結果、導体配線層を形成する主導
体成分として銅を主成分とする銅含有粉末と、銅との合
金化によって低融点合金を形成し得る金属を主成分とす
る低融点化金属粉末の混合粉末とを用い、この混合粉末
を用いて形成された導体配線層に対してパルス電流を印
加することで、金属粒子間の接点付近に放電を起こし、
電気の導通を妨げていた金属粉末表面の樹脂や酸化物を
除去すると同時に、銅含有粒子と低融点化金属粒子との
接触部を溶接して銅と低融点化金属との合金からなるネ
ック部を形成することにより電流パスに有効な面積を増
し、配線層の抵抗値を格段に下げることができるととも
に、配線回路層やビアホール導体の導体配線層内、ある
いは配線回路層とビアホール導体との接続部における金
属粉末間の接着強度を高めることができることから、熱
履歴による金属粉末間の接続性の低下を防止することが
でき、プリント配線基板の超微細化、精密化が可能であ
り、かつ耐熱信頼性にも優れる導体配線層を形成するこ
とができることを知見した。
【0014】即ち、本発明の配線基板は、少なくとも有
機樹脂を含む絶縁層と、該絶縁層の表面及び/または内
部に、銅を主成分とする銅含有粉末と、Ga、In、M
g、Pr、Sb、Th、Ti、ZnおよびZrの群から
選ばれる少なくとも1種の低融点化金属粉末とを含む導
体配線層が形成されてなり、前記導体配線層中における
少なくとも前記銅含有粉末と、前記低融点化金属粉末と
の接触部に、銅と前記低融点化金属との合金からなるネ
ック部が形成されてなることを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の配線基板の製造方法として
は、少なくとも有機樹脂を含む絶縁層の表面及び/また
は内部に、銅を主成分とする銅含有粉末15〜95重量
%と、Ga、In、Mg、Pr、Sb、Th、Ti、Z
nおよびZrの群から選ばれる少なくとも1種の低融点
化金属粉末5〜85重量%とを含む導体配線層を形成し
た後、該導体配線層に電流密度が1〜2000A/cm
2 、パルス幅が0.01〜1000msec.のパルス
電流を印加して、少なくとも前記銅含有粉末と、前記低
融点化金属粉末との接触部を溶接して、少なくとも銅と
前記低融点化金属との合金からなるネック部を生成する
ことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の配線基板は、基本的には
図1の概略断面図に示すように、絶縁層1と導体配線層
2によって構成される。また、導体配線層2は、絶縁層
の表面または絶縁層間に形成された配線回路層3と、異
なる層の配線回路層3間を接続するスルーホール導体ま
たはビアホール導体4により構成される。
【0017】本発明における絶縁層1は、絶縁材料とし
ての電気的特性、耐熱性、および機械的強度を有する熱
硬化性樹脂、例えば、アラミド樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂、フェニレンエ
ーテル樹脂、ビスマイレイドトリアジン樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂等が、単独または組
み合わせで含む。
【0018】また、上記の絶縁層1中には、絶縁層ある
いは配線基板全体の強度を高めるために、有機樹脂に対
してフィラーを複合化させることもできる。有機樹脂と
複合化されるフィラーとしては、SiO2 、Al
2 3 、ZrO2 、TiO2 、AlN、SiC、BaT
iO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 、ほ
う酸アルミニウム等の無機質フィラーが好適に用いられ
る。また、ガラスやアラミド樹脂からなる不織布、織布
などに上記樹脂を含浸させて用いてもよい。なお、有機
樹脂とフィラーとは、体積比率で15:85〜50:5
0の比率で複合化されるのが適当である。これらの中で
も、絶縁層の加工性、強度等の点で、エポキシ樹脂、イ
ミド樹脂、フェニレンエーテル樹脂と、シリカまたはア
ラミド不織布との混合物であることが最も望ましい。
【0019】本発明によれば、導体配線層2は、図2の
概略図に示すように、銅を主成分とする銅含有粒子5
と、銅との合金化によって低融点合金を形成し得る金属
を主成分とする低融点化金属粒子6とを含むものであ
る。
【0020】導体配線層中の銅含有粉末5および低融点
化金属粉末6は、通常、図3に示すように、粉末5、5
間および5、6間は点接触している。これに対して、本
発明によれば、図2に示すように、粉末5、5間に低融
点化金属粉末6との合金層が介在したり、銅含有粉末5
と低融点化金属粉末6間の接触部が溶接されることによ
りネック部7が形成され,しかも少なくともネック部7
は粉末5の銅成分と粉末6の低融点化金属の成分により
合金化した金属合金によって形成されている。
【0021】このネック部7の幅Lは、粉末5の粒径の
1/5以上であることが低抵抗化を達成する上で望まし
い。また、粉末間の非接触部においても、銅含有粉末の
表面には、銅成分と低融点化金属成分が混入した金属合
金からなる被膜が形成されていることが耐酸化性および
耐マイグレーション性の点で望ましい。
【0022】このうち、銅含有粉末5は平均粒径が3〜
10μm、特に3〜8μm、最適には3〜7μmである
ことが望ましい。これは平均粒径が3μmよりも小さい
か、あるいは10μmよりも大きくなるといずれも導体
ペーストの印刷性および充填性が悪くなるとともに、銅
含有粒子の充填密度が低下することにより導体の抵抗値
が高くなってしまうためである。
【0023】この銅含有粉末5には、全量中1〜30重
量%、特に1〜15重量%の割合の銀を、銅との合金あ
るいは銀被覆銅の形態で含有することにより、導電率の
向上および銅の酸化を抑制することができる。銀の含有
量を上記範囲としたのは、銀含有量が1重量%よりも少
ないと従来の銅粉末と同様に耐酸化性が悪くなり、銀含
有量が30重量%よりも多くなると銀のマイグレーショ
ンが起こりやすくなるためである。
【0024】また、低融点化金属粉末6の平均粒径は、
1〜10μm、特に1〜5μm、さらには1〜3μmで
あることが望ましい。これは、平均粒径が1μmよりも
小さいか、あるいは平均粒径が10μmよりも大きい
と、導体ペーストの印刷性および充填性が低下するとと
もに、銅含有粉末との接触点が十分でなく、抵抗値を下
げる効果が減ずるためである。
【0025】さらに、低融点化金属粉末6の含有量は、
全導体成分中5〜85重量%、特に5〜50重量%であ
ることが望ましい。これは、5重量%より少ない場合、
銅含有金属粉末とのネック部が充分形成されず粒子間の
接着性を高める効果および体積固有抵抗値を下げる効果
が小さいためであり、また、85重量%より多い場合、
導体層の抵抗値が上昇するとともに、溶接による収縮が
大きくなり配線回路層とビアホール導体との接続部の接
触が悪くなるためである。
【0026】低融点化金属粉末6の材質としては、銅と
の合金を形成するとともに融点を低下させる金属である
ことが重要であり、具体的には、Ga、In、Mg、P
r、Sb、Th、Ti、ZnおよびZrが使用可能であ
る。また、これらの金属は単体であってもよいが、上記
金属の群から選ばれる複数の金属の合金、または混合粉
末の形態であってもよい。
【0027】また、低融点化金属は、銅と比較して体積
固有抵抗値が高いことから独立した粒子として存在する
と、銅含有粉末5間に介在し、電流パスを妨げる場合が
あるため、独立した粒子として存在する場合には、銅含
有粉末5の3重点粒界等に存在し、電流パスを妨げない
ことが望ましい。
【0028】また、本発明の配線基板における導体配線
層中には、前記銅含有粉末5間の結合をとるために樹脂
結合剤が配合されていてもよく、このような結合剤とし
ては、印刷性の点でセルロース系、ポリエチレングリコ
ール等のグリコール系の樹脂およびトリアジン系の反応
性モノマー等が好適に使用されるが、その他、絶縁層形
成材料として、上述した熱硬化性樹脂等を用いることも
できる。この樹脂結合剤は、その量が多くなるほど、粒
子間に介在して接触抵抗を増大させる傾向にあるため、
2重量%以下、特に0.05〜1重量%であることが印
刷性および導体配線層の低抵抗化を図る上で望ましい。
【0029】なお、本発明の配線基板における導体配線
層2のうち、絶縁層表面の導体配線層3には、半導体素
子等の電子部品との接合性および外部回路基板の配線層
との接続性に優れるとともに耐食性に優れたニッケルや
金などの金属をメッキ法により1〜20μmの厚みで被
着形成させておくことにより、導体配線層が酸化腐食す
ることを有効に防止することができるとともに、導体配
線層の電子部品あるいは外部回路基板との電気接続を容
易、かつ強固に行うことができる。
【0030】また、本発明の銅含有粉末5と低融点化金
属粉末6とからなる導体配線層2は、絶縁層1の表面や
層間に形成される配線回路層3および/または配線回路
層間を接続するスルーホール導体やビアホール導体4の
いずれに適用してもよいが、特に、配線回路層間を接続
するスルーホール導体やビアホール導体4に好適であ
る。その場合、絶縁層1の表面や層間に形成される配線
回路層は、金属箔によって形成することも可能である。
【0031】さらに、本発明によれば、銅含有粉末5と
低融点化金属粉末6とのネック部7の形成は、必ずしも
全ての配線回路層に対して施されている必要はなく、例
えば、外的応力が付加されやすい表面あるいは内部配線
回路層や、ビアホール導体やスルーホール導体の一部の
配線回路層に対して施すことも可能である。
【0032】本発明の配線基板の製造方法によれば、ま
ず、前述したような熱硬化性樹脂、あるいは熱可塑性樹
脂と無機質フィラーとを用いて、これに適当な硬化剤、
溶剤を添加混合してスラリー状となし、これをドクター
ブレード法、カレンダーロール法、圧延法等によりシー
ト状に成形して絶縁層1を作製する。所望によりこれを
加熱硬化させて半硬化あるいは完全硬化させて作製され
る。また、絶縁層1としては、上記以外にプリプレグ等
を用いることもできる。
【0033】次に、導体ペーストの作製方法としては、
銅含有粉末15〜95重量%に対し、低融点化金属粉末
5〜85重量%を添加する。その他に、該金属混合粉末
100重量%に対して樹脂結合剤を2重量%以下、特に
0.05〜1重量%の割合で、また、場合によっては、
適当な溶剤や硬化剤を添加してもよい。銅含有粉末5と
低融点化金属粉末6の平均粒径に大きな差がある場合に
は、導体層内の金属粉末の充填性が向上する。
【0034】本発明によれば、銅含有粉末と低融点化金
属粉末の両者を粉末として混合することにより合金や被
覆粉末に比べて安価である。
【0035】そして、上記絶縁層に、上記導体ペースト
を用いて銅含有粉末5および低融点化金属粉末6を含む
導体配線層2を形成する。適用する導体配線層として
は、絶縁層の表面や絶縁層間に形成される配線回路層3
および/または配線回路層間を接続するスルーホール導
体やビアホール導体4のいずれでもよいが、配線回路層
間を接続するスルーホール導体やビアホール導体4に好
適であり、絶縁層の表面や絶縁層間に形成される配線回
路層3としては、金属箔を使用することも可能である。
また、ネック部7は、配線基板中に部分的に形成されて
いてもよい。
【0036】導体配線層を形成する場合には、銅含有粉
末5を主体とする導体ペーストを、スクリーン印刷法、
グラビア印刷法などの周知の印刷方法によって厚さ10
〜35μmの厚みで印刷する。また、スルーホール導体
やビアホール導体4を形成する場合には、絶縁層1にス
ルーホールやビアホールなどを形成し、そのホール内に
導体ペーストを充填する。
【0037】この時に用いる導体ペーストとしては、固
形成分として、銅含有粉末5と、低融点化金属粉末6の
総量100重量部に対して樹脂結合剤を2重量部以下、
特に0.05〜1重量部の割合で含み、さらには、適当
な溶剤等を含む。また、場合によっては、適当な硬化剤
を含む場合もある。
【0038】また、多層化する場合には、例えば、導体
ペーストによって導体配線層が形成された複数の絶縁層
を積層し、30kg/cm2 以下の圧力で圧着する。こ
の圧着は、導体配線層が軟化した状態で行われることが
望ましく、樹脂結合剤が熱硬化性樹脂の場合には、半硬
化状態で積層圧着することにより絶縁層を密着すること
ができ、さらには絶縁層間に接着剤を介在させて積層す
ることもできる。
【0039】さらに、このようにして作製された配線基
板における導体配線層に対して、40kg/cm2
上、特に60kg/cm2 以上の圧力を印加することに
よって、導体配線層内の銅含有粉末および/または低融
点化金属粉末間の接触点を増すとともに、金属粉末間の
接触部が変形し、粉末間を面接触に近い形で接合するこ
とが望ましい。この時の圧力が40kg/cm2 よりも
小さいと、粉末間の面接触が不十分となり、導体配線層
の低抵抗化を図ることが難しい。
【0040】導体配線層に対して40kg/cm2 以上
の圧力を印加する方法としては、導体配線層が形成され
た配線基板をプレス機等によって加圧したり、さらに
は、加熱しながら加圧するホットプレス機によって行っ
てもよい。
【0041】このようにして作製された配線基板におい
ては、導体配線層における金属粉末の表面には、配線層
中に含まれる樹脂によって粉末表面に薄い樹脂膜が存在
したり、大気中の酸素によって酸化した薄い酸化膜が形
成されている。
【0042】そこで、本発明によれば、上記のように作
製された配線基板における導体配線層に対して、パルス
電流を印加する。この配線層にパルス電流を連続して連
続して印加すると金属粒子間にプラズマ放電を生じる。
このプラズマにより金属粒子表面の酸化膜や付着物が除
去され、いわゆる溶接された状態となって、金属粒子同
士が導電性を妨げる介在物なしに接触することが可能に
なり、この結果、通電加熱のみでは達成されなかった低
抵抗の配線層を、その周辺の絶縁層に悪影響を及ぼすこ
となく形成することができるのである。
【0043】このパルス電流の印加は、電流を印加する
導体配線層の両端に電極を押し当ててパルス電流を印加
する。印加するパルス電流の最適条件としては、電流密
度が1〜2000A/cm2 、パルス幅が0.01〜1
000msec.の条件が良好に用いられ、電流密度が
1A/cm2 より低いと、溶接されずに金属粉末間の界
面に存在する酸化膜や樹脂の除去が難しく、また200
0A/cm2 を越えると、部分的に発熱が起こり絶縁層
を傷める場合があるためである。また、望ましくは、パ
ルス列によるパルス間隔は0.01〜1000mse
c.であり、且つ電流の印加は、0.1秒〜5分間、特
に1秒〜30秒間が望ましい。
【0044】また、パルス電流の低周波領域での1パル
スの形状が、矩形波であることが望ましい。正弦波等も
用いられるが矩形波が最も効果的である。また、パルス
電流が、直流パルスであることが望ましい。それは、正
弦波よりも矩形波のほうが、粒子間の放電が起こりやす
く、表面の清浄効果が高く、パルス電流は交流よりも直
流のほうが一旦清浄された粒子表面に汚れ等が付着しに
くいためである。
【0045】さらに、上記パルス電流の印加の後に、配
線層に通電により加熱処理を施すことにより、さらに配
線層の低抵抗化を図ることができる。通電処理は、電流
密度1〜4000A/cm2 の直流、交流のどちらでも
よく、通電による加熱温度は100〜350℃の範囲が
適当である。この時の温度が100℃よりも低いと、電
気抵抗を下げる効果が小さく、350℃を越えると絶縁
層や導体配線層を構成する樹脂が分解する場合がある。
この通電加熱によって、金属粉末間の接点が発熱し粉末
同士の結合力をさらに高めることができる。
【0046】また、この通電加熱は、前述したパルス電
流の印加と同時に行うことができる。具体的には、直流
のパルス電流と直流電流とをあわせた波形、つまり直流
電流波形の上部が矩形波となった電流を印加すると通電
加熱による作用と、パルス電流印加による放電溶接作用
とを同時に付加することができる。
【0047】低融点化金属自身の融点が低い場合には、
上記のパルス電流印加および通電加熱処理により、低融
点化金属が一旦溶融し、再析出したものであってもよ
く、この場合、低融点化金属粉末は、銅含有金属間を埋
めるような形状となる。これにより、粉末間はより強固
に接合されることから金属粉末間の接続性もさらに向上
する。
【0048】上記の導体配線層に印加するパルス電流を
制御することにより導体抵抗率5×10-5以下の低抵抗
化を実現することが可能となる。また、熱履歴による配
線回路層やビアホール導体の導体配線層中、あるいは配
線回路層とビアホール導体との接続部における金属粉末
間の接続性の低下を防止することができるため、熱履歴
による導体配線層および配線層間の抵抗率の変化が小さ
くなる。これにより、配線基板における導体配線層の超
微細化、精密化の要求に応えることのできるとともに、
耐熱信頼性にも優れた高信頼性の配線基板を提供するこ
とができる。
【0049】
【実施例】実施例1 平均粒径が約5μmの略球形の酸化珪素70体積%、イ
ミド樹脂30体積%を用いてスラリーを調整し、このス
ラリーを用いてドクターブレード法によってキャリアシ
ート上に塗布し、これを50℃の温度で60分間乾燥し
て厚み120μmの絶縁層を作製した。
【0050】次に、前記絶縁層の表面に、銅粉末と表1
の組成の金属の混合粉末99.8重量部、セルロース
0.2重量部、溶剤として2−オクタノール10重量部
とを混合してなる導電性ペーストを調製し、スクリーン
印刷法により線幅0.5mm、ギャップ0.4mmの櫛
歯パターンを印刷した。また、絶縁層の一部に直径が
0.1mmのビアホールを形成し、そのホール内に上記
のペーストを充填した。
【0051】次に、上記のようにして導体配線層を形成
した絶縁層を8層作製し、これを位置合わせして積層圧
着した。そして、この積層物をプレス機内にセットし、
50kg/cm2 の圧力を印加した。さらに120℃に
加熱してペースト中の有機溶剤を揮散除去した。その
後、250℃で5時間処理して、熱硬化性樹脂を完全硬
化させて配線基板を作製した。
【0052】得られた配線基板に対して、導体配線層の
両極端に表1に示す電流密度およびパルス幅で30秒間
パルス電流を印加した。なお、パルス間間隔はパルス幅
と同じにした。
【0053】そして、これらの処理後の配線基板におけ
る導体配線層の初期体積固有抵抗を測定した。また、相
対湿度95%雰囲気中、−55℃〜+125℃の温度変
化を1000サイクル繰り返した後の導通抵抗(テスト
1)と、大気中、150℃で1000時間放置した後の
導通抵抗(テスト2)とを測定し、それぞれの条件にお
ける(テスト後抵抗値/初期抵抗値−1)×100
(%)で表される抵抗変化率を計算し、表1に示した。
また、導体配線層の銅含有粉末と低融点化金属粉末との
接触状況を走査型電子顕微鏡写真(SEM)により観察
し、溶接によるネック部の存在の有無を確認し、溶接に
より形成されたネック幅の金属粉末の粒径に対する比率
を測定しその平均を求めた。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果から明らかなように、低融点化
金属粉末を添加していない試料No.1およびパルス電
流を印加していない試料No.2、5、13、16、1
9、22、25、28、31では、導体抵抗率が高く、
テスト1、テスト2での抵抗の変化率も大きかった。さ
らに、低融点化金属粉末の含有量が85重量%を越える
試料No.12では、溶接による収縮が大きくなり、配
線回路層とビアホール導体との接続部で接続不良が生
じ、導体抵抗率は測定不能となった。
【0056】一方、導体配線層に対して電流密度が1〜
2000A/cm2 、パルス幅0.01〜1000ms
ec.のパルス電流を印加したその他の本発明試料は、
SEM観察から粉末間の接触部が溶接によるネックの成
長が観察された。また、このネックの成長が見られた各
試料に対して、EPMA(X線マイクロアナライザー)
によりネック部の成分を分析した結果、いずれもネック
部から銅と各々の低融点化金属の両方の成分が検出さ
れ、ネック部が合金になっていることがわかった。
【0057】また、本発明の試料は、導体抵抗率が63
μΩ・cm以下であった。また、テスト1、テスト2で
の抵抗の変化率もそれぞれ4.6%以下、4.5%以下
の優れた特性を有するものであった。
【0058】実施例2 実施例1における導体ペーストに添加する銅粉末を銀被
覆銅粉末に代える以外は、実施例1と同様にして試料を
作製し、評価した。結果は、表2に示した。
【0059】
【表2】
【0060】表2の結果から明らかなように、低融点化
金属粉末を添加していない試料No.34では、テスト
1、テスト2での抵抗の変化率も大きかった。また、パ
ルス電流を印加していない試料No.35では、導体抵
抗率が高く、耐熱衝撃性も低くなった。また、テスト
1、テスト2での抵抗の変化率も大きかった。さらに、
低融点化金属粉末の含有量が85重量%を越える試料N
o.40では、溶接による収縮が大きくなり、配線回路
層とビアホール導体との接続部で接続不良が生じ、導体
抵抗率は測定不能となった。
【0061】一方、導体配線層に対して電流密度が1〜
2000A/cm2 、パルス幅0.01〜1000ms
ec.のパルス電流を印加したその他の本発明試料は、
SEM観察から粉末間の接触部が溶接によるネックの成
長が観察された。また、このネックの成長が見られた各
試料に対して、EPMA(X線マイクロアナライザー)
によりネック部の成分を分析した結果、いずれもネック
部から銅と各々の低融点化金属の両方の成分が検出さ
れ、ネック部が合金になっていることがわかった。
【0062】また、本発明の試料は、導体抵抗率が9.
7μΩ・cm以下であった。また、テスト1、テスト2
での抵抗の変化率もそれぞれ5.3%以下、4.1%以
下の優れた特性を有するものであった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の配線基板に
よれば、導体配線層を銅含有粉末と低融点化金属粉末と
の混合物により形成することにより、導電性に優れてお
り、パルス電流を印加することにより、粉末表面の樹脂
や酸化物を除去し、粒子同士の接触部を溶接することが
できるために、導体配線層の導体抵抗率を大幅に低減す
ることができる。さらに、ネック部の形成により、粒子
間が強固に接合されているため、耐熱衝撃性等の機械的
特性にも優れている。これにより、配線層の微細化と高
密度化に充分に対応することができ、超微細化、精密化
の要求に応えうることのできる高信頼性の配線基板を作
製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の概略断面図を示す。
【図2】本発明における導体配線層中の銀被覆銅粉末の
接触状態を説明するための要部拡大図である。
【図3】従来における導体配線層中の銀被覆銅粉末の接
触状態を説明するための要部拡大図である。
【符号の説明】
1 絶縁層 2 導体配線層 3 配線回路層 4 スルーホール導体/ビアホール導体 5 銅含有粉末 6 低融点化金属粉末 7 ネック部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも有機樹脂を含む絶縁層と、該絶
    縁層の表面および/または内部に、銅を主成分とする銅
    含有粉末と、Ga、In、Mg、Pr、Sb、Th、T
    i、ZnおよびZrの群から選ばれる少なくとも1種の
    低融点化金属粉末とを含む導体配線層が形成されてな
    り、前記導体配線層中における少なくとも前記銅含有粉
    末と、前記低融点化金属粉末との接触部に銅と前記低融
    点化金属との合金からなるネック部が形成されてなるこ
    とを特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】少なくとも有機樹脂を含む絶縁層の表面お
    よび/または内部に、銅を主成分とする銅含有粉末15
    〜95重量%と、Ga、In、Mg、Pr、Sb、T
    h、Ti、ZnおよびZrの群から選ばれる少なくとも
    1種の低融点化金属粉末5〜85重量%とを含む導体配
    線層を形成した後、該導体配線層にパルス電流を印加し
    て、前記銅含有粉末と、前記低融点化金属粉末との接触
    部を溶接して、少なくとも銅と前記低融点化金属との合
    金とからなるネック部を生成したことを特徴とする配線
    基板の製造方法。
  3. 【請求項3】印加するパルス電流の電流密度が1〜20
    00A/cm2 、パルス幅が0.01〜1000mse
    c.であることを特徴とする請求項3記載の配線基板の
    製造方法。
JP24536398A 1998-08-31 1998-08-31 配線基板およびその製造方法 Pending JP2000077804A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24536398A JP2000077804A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 配線基板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24536398A JP2000077804A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 配線基板およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000077804A true JP2000077804A (ja) 2000-03-14

Family

ID=17132559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24536398A Pending JP2000077804A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 配線基板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000077804A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100753468B1 (ko) 2005-03-11 2007-08-31 삼성전기주식회사 배선 재료, 배선 기판 및 배선 기판의 형성방법
JP2008160150A (ja) * 2008-02-15 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 基板の製造方法
WO2011136203A1 (ja) * 2010-04-26 2011-11-03 株式会社エッチ.エム.イー. 温度センサ素子及びこれを用いた放射温度計、並びに温度センサ素子の製造方法と、フォトレジスト膜を用いた多重層薄膜サーモパイル及びこれを用いた放射温度計、並びに多重層薄膜サーモパイルの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100753468B1 (ko) 2005-03-11 2007-08-31 삼성전기주식회사 배선 재료, 배선 기판 및 배선 기판의 형성방법
JP2008160150A (ja) * 2008-02-15 2008-07-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 基板の製造方法
WO2011136203A1 (ja) * 2010-04-26 2011-11-03 株式会社エッチ.エム.イー. 温度センサ素子及びこれを用いた放射温度計、並びに温度センサ素子の製造方法と、フォトレジスト膜を用いた多重層薄膜サーモパイル及びこれを用いた放射温度計、並びに多重層薄膜サーモパイルの製造方法
JP2015227880A (ja) * 2010-04-26 2015-12-17 株式会社エッチ.エム.イー 温度センサ素子及びこれを用いた放射温度計、並びに温度センサ素子の製造方法と、フォトレジスト膜を用いた多重層薄膜サーモパイル及びこれを用いた放射温度計、並びに多重層薄膜サーモパイルの製造方法
US9759613B2 (en) 2010-04-26 2017-09-12 Hme Co., Ltd. Temperature sensor device and radiation thermometer using this device, production method of temperature sensor device, multi-layered thin film thermopile using photo-resist film and radiation thermometer using this thermopile, and production method of multi-layered thin film thermopile

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3051700B2 (ja) 素子内蔵多層配線基板の製造方法
US6787884B2 (en) Circuit component, circuit component package, circuit component built-in module, circuit component package production and circuit component built-in module production
JPH11126978A (ja) 多層配線基板
JP3187373B2 (ja) 配線基板
JP2001044590A (ja) 配線基板
JP3595152B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3574738B2 (ja) 配線基板
JP2000077804A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3554171B2 (ja) 回路基板の製造方法
JPH09293968A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JPH1154864A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3550281B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3472523B2 (ja) 電気素子内蔵配線基板
JPH10178249A (ja) 配線基板およびその製造方法
JPH11103165A (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JPH11103142A (ja) 配線基板およびその製造方法
JPH1154865A (ja) 多層配線基板およびその製造方法
JPH10178247A (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3597952B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP3064237B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JPH09293952A (ja) 配線基板の製造方法
JP2931565B2 (ja) 配線基板およびその製造方法
JP4863543B2 (ja) 導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法
JPH11186680A (ja) 配線基板
JP3112258B2 (ja) 回路基板とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040420

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02