JP2000036664A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法

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JP2000036664A
JP2000036664A JP12712499A JP12712499A JP2000036664A JP 2000036664 A JP2000036664 A JP 2000036664A JP 12712499 A JP12712499 A JP 12712499A JP 12712499 A JP12712499 A JP 12712499A JP 2000036664 A JP2000036664 A JP 2000036664A
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wiring
wiring board
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board
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Sadashi Nakamura
禎志 中村
Daizo Ando
大蔵 安藤
Toshio Sugawa
俊夫 須川
Hideki Higashiya
秀樹 東谷
Katsuhide Tsukamoto
勝秀 塚本
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度で低コストの多層配線基板およびその
製造方法を提供する。 【解決手段】 所定の絶縁層と配線層を備える第一の配
線基板101と、所定の絶縁層と配線層を備える第二の配
線基板102とが、導電体105が充填された貫通孔104を備
えた基板接合体106を介して積層される。第一の配線基
板101の表層の配線層107と第二の配線基板102の表層の
配線層108とが導電体105を介して電気的に接続され、配
線層107,108の少なくとも一方が基板接合体106に埋設さ
れる。これにより、別々に形成された配線基板101,102
を一体化し、基板接合体106に設けられた貫通孔104内の
導電体105により電気的に接合することができ、高密度
で低コストの多層配線基板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の電子部品を
その表面に搭載して電気的に接続することにより電子回
路を形成することができる多層配線基板に関し、特に小
型半導体パッケージCSP(Chip Size Package)や半導
体ベアーIC(Integrated Circuit)の実装に適した高密
度な多層配線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型高密度化に伴い、
産業用にとどまらず広く民生用機器の分野においてもL
SI(Large Scale Integration)等の半導体チップを高
密度に実装できる多層配線回路基板が安価に供給される
ことが強く要望されてきている。このような多層配線回
路基板では微細な配線ピッチで形成された複数層の配線
パターン間を高い接続信頼性で電気的に接続できること
が重要である。
【0003】このような高精度化、多機能化された電子
機器の要求に対し、ドリル加工と銅貼積層板のエッチン
グやめっき加工による従来のプリント配線基板ではもは
やこれらの要求を満足させることは極めて困難となり、
このような問題を解決するために新しい構造を備えたプ
リント配線基板や高密度配線を目的とする製造方法が開
発されつつある。現在高密度配線基板として代表的なも
のを次に掲げる。
【0004】第1には、従来の両面あるいは多層配線基
板をコアー基板とし、より小さなビアホールを有する電
気絶縁層やよりファインな配線層を積層してゆくビルド
アップ配線基板と呼ばれているものがある(本多進”ビ
ルドアップ多層配線基板技術の現状と課題”、回路実装
学界誌、Vol.11、No.7、P462-468 (1996))。
【0005】より小さなビアホールを有する電気絶縁層
は、感光性の電気絶縁材料や化学エッチ可能な材料を用
いフォトエッチやケミカルエッチにより小さな孔を形成
することで製造される。最近ではプラズマあるいは、レ
ーザで電気絶縁層に穴を開ける方法も開発されている。
この場合は、材料に感光性や化学エッチング特性を付加
する必要がなく電気絶縁性の材料の選択肢が広がり都合
がよい。
【0006】第2には、孔に充填した導電性ペーストを
有するプリプレグに銅箔を積層してゆくスタック配線基
板がある(岡野裕幸”全層IVH構造を有する樹脂多層基
板”1995マイクロエレクトロニクスシンポジウム、p163
(1995))(一般的にはビルドアップ多層配線基板とし
て分類されることが多い)。プリプレグの代わりに接着
剤付きのフィルムを使ったものも研究されている(竹ノ
内啓一他”ポリイミド多層基板の開発”第10回回路実
装学術講演大会、講演論文集、p81-82 (1996))。
【0007】第3には薄膜多層を使う方法であり、第1
のビルドアップ多層基板と類似している。
【0008】これは、従来のセラミック多層基板をコア
ー基板としその表面に無機あるいは有機の電気絶縁層と
蒸着、スパッタまたは鍍金とフォトエッチによりパター
ン化した導体配線層を積層した薄膜多層基板である。薄
膜技術を使うために現在では最も高密度の配線基板に位
置づけされている。電気絶縁層に感光性のポリイミドを
用いた例がもっとも多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、それぞ
れの配線基板には問題がある。ビルドアップ多層配線基
板やスタック配線基板は内層のコアーに従来の低密度で
あるガラスエポキシ貫通ビアホール多層基板を用いるた
めに、より高密度の配線基板が得にくい。より高密度の
配線基板を得るにはビルドアップ電気絶縁層と配線層を
増やす必要があり、平坦化など技術的に困難になるか、
またはコストが高くなる等の問題を抱えている。薄膜多
層基板においてもコストが高くなるという問題を有して
いる。
【0010】本発明は、前記従来の問題を解決した低コ
ストで高密度の多層配線基板およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の多層配線基板は、所定の絶縁層と配線層とを
備える第一の配線基板と、所定の絶縁層と配線層とを備
える第二の配線基板とが、導電体が充填された貫通孔を
備えた基板接合体を介して積層されてなり、前記第一の
配線基板の表層の配線層と前記第二の配線基板の表層の
配線層とが前記導電体を介して電気的に接続されてお
り、前記第一の配線基板の表層の配線層と前記第二の配
線基板の表層の配線層の少なくとも一方が、前記基板接
合体に没入(埋設)されていることを特徴とする。
【0012】このような構成をとることにより、別々に
形成された2枚の配線基板を一体化し、基板接合体に設
けられた貫通孔内の導電体により両配線基板の配線層を
電気的に接合することができる。この際、少なくとも一
方の配線層が基板接合体に没入(埋設)されることによ
り、貫通孔内の導電体に充分な圧縮がかかり、その結
果、導電体の導体成分が緻密化され、初期抵抗値が低
く、高信頼性を有するビアホール接続が可能になる。
【0013】次に本発明の第1の構成にかかる多層配線
基板の製造方法は、所定の絶縁層と配線層とを備える第
一の配線基板を、所定の絶縁層と配線層とを備える第二
の配線基板に、貫通孔に導電体が充填された基板接合体
を介して重ねる工程と、前記基板接合体を介して重ねら
れた前記第一の配線基板と前記第二の配線基板とを加熱
加圧することにより、前記第一の配線基板の表層に設け
られた配線層と前記第二の配線基板の表層に設けられた
配線層の少なくとも一方を前記基板接合体に没入(埋
設)するとともに、前記第一の配線基板の表層に設けら
れた配線層と前記第二の配線基板の表層に設けられた配
線層とを前記基板接合体に設けられた前記貫通孔に充填
された前記導電体を介して電気的に接続する工程とを有
することを特徴とする。
【0014】このような構成をとることにより、基板接
合体を介して重ねられた2枚の配線基板を加熱加圧する
という簡便な方法で、少なくとも一方の配線層を基板接
合体中に没入(埋設)し、2枚の配線基板を機械的、電
気的に接合することができる。しかも、接合の際に少な
くとも一方の配線層が基板接合体に没入(埋設)される
ことにより、貫通孔内の導電体に充分な圧縮がかかり、
その結果、導電体の導体成分が緻密化され、初期抵抗値
が低く、高信頼性を有するビアホール接続が可能にな
る。
【0015】また、本発明の第2の構成にかかる多層配
線基板の製造方法は、前記第1の製造方法において第一
の配線基板としてビルドアップ配線基板を用いたもので
あって、その具体的構成は、平板状の支持基材の表面に
ビルドアップ法により所定の層数積層されたビルドアッ
プ配線基板を、所定の絶縁層と配線層とを備える第二の
配線基板に、貫通孔に導電体が充填された基板接合体を
介して重ねる工程と、前記基板接合体を介して重ねられ
た前記ビルドアップ配線基板と前記第二の配線基板とを
加熱加圧することにより、前記ビルドアップ配線基板の
表層に設けられた配線層と前記第二の配線基板の表層に
設けられた配線層の少なくとも一方を前記基板接合体に
没入(埋設)するとともに、前記ビルドアップ配線基板
の表層に設けられた配線層と前記第二の配線基板の表層
に設けられた配線層とを前記基板接合体に設けられた前
記貫通孔に充填された前記導電体を介して電気的に接続
する工程と、前記支持基材を除去する工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0016】ここでビルドアップ法とは、基板表面に電
気絶縁層と配線層を順次積層することにより多層配線基
板を製造する方法で、通常、電気絶縁層にフォトエッチ
やケミカルエッチあるいはレーザー加工でビアホールを
形成し、ビアホールの接続や配線層をCuめっきで形成
したものである。通常、ビルドアップ配線基板はコアと
なる配線基板上に順次積層するため、上層ほど位置合わ
せ精度が悪くなる。本発明の第2の製造方法によればビ
ルドアップ配線基板と第二の配線基板(コア基板)を別
々に形成し基板接合体を介して接続するため、位置合わ
せ精度を向上させることができ、また別々に検査して良
品のみを接合するため、歩留まりを向上させることがで
きる。またビルドアップ配線基板を支持基材上に形成し
ておき、第二の配線基板と基板接合体を介して重ね、加
熱加圧した後に支持基材を除去するという簡便な方法で
多層配線基板を製造することができる。
【0017】上記の第1又は第2の製造方法において、
積層前の基板接合体が、少なくとも厚さ方向に被圧縮性
を有すると、加熱加圧の際、配線層を没入(埋設)しや
すく、また、貫通孔内の導電体に充分な圧縮力を付与す
ることができるため、より信頼性の高いビアホールを得
ることができる。
【0018】上記において、「基板接合体が被圧縮性を
有する」とは、例えば基板接合体が内部に空孔を有する
多孔質基材からなることによって圧縮可能な性質を有す
ることを意味する。多孔質基材からなる場合の好ましい
空孔率は2〜35体積%である。空孔率がこれより低い
と圧縮が困難であり、導電体と配線層との電気的接続抵
抗が高くなったり、接続不良を生じたりする。一方、空
孔率がこれより高いと、圧縮時に圧縮方向に対して垂直
方向の基板接合体の変形が大きくなったり、空孔内に導
電性樹脂が侵入したりして、導電性樹脂が十分に圧縮さ
れなくなるので、導電体と配線層との電気的接続抵抗が
高くなる。
【0019】また、上記の第1又は第2の製造方法にお
いて、積層前の基板接合体を構成する材料が、ガラス繊
維不織布または有機繊維不織布のいずれか一方またはそ
れらの混合材料と、半硬化状態の熱硬化性樹脂との複合
材料であるのが好ましい。かかる好ましい構成によれ
ば、多層配線基板の電気特性と機械特性がさらに向上す
る。
【0020】また、積層前の基板接合体において、基板
接合体の貫通孔に充填された導電体は基板接合体表面か
ら突出しているほうが好ましい。かかる好ましい構成に
よれば、導電体を介して両配線層の電気的接続を低抵抗
かつ確実に行なうことができる。
【0021】また、基板接合体に設けられた貫通孔に充
填された導電体が導電ペーストであると、貫通孔内の導
電ペーストに圧縮がかかった際、導電ペースト中の樹脂
成分が貫通孔内より排出され導電ペースト中の導体成分
が緻密化され、初期抵抗値が低く、高信頼性を有するビ
アホール接続が得やすくなるので好ましい。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0023】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例における多層配線基板の製造方法を示す工程断面図で
ある。
【0024】まず、図1(a)に示すように、所定の絶縁
層と配線層を備える第一の配線基板101と、所定の絶
縁層と配線層を備える第二の配線基板102をそれぞれ
準備した。本実施例では第一の配線基板101と第二の
配線基板102として、ガラスエポキシ配線基板を用い
た例で説明する。ガラスエポキシ配線基板は、絶縁層と
してガラス織布にエポキシ樹脂を含浸した複合材料を用
い、配線層として銅を用いた基板で、電気絶縁性、耐湿
性、寸法安定性等にすぐれており、情報通信機器に多く
用いられている。各配線層間の電気的接続は、絶縁層を
貫通するスルーホール103によりなされている。スル
ーホール103の壁面内は銅めっきされており、層間の
電気的接続を行う。以下、説明を簡便にするために第一
の配線基板101と第二の配線基板102として、両面
ガラスエポキシ配線基板で説明する。なお、本実施例で
は、スルーホール103内はエポキシ樹脂等で充填され
ている配線基板を用いている。
【0025】さらに、上記第一の配線基板101と第二
の配線基板102とを、所定位置に形成された貫通孔1
04に導電ペースト105が充填された被圧縮性を有す
る基板接合体106を介して重ね合わせた。
【0026】基板接合体106の構成材料としては、電
気絶縁性の材料で、例えば、ガラスエポキシ系樹脂、フ
ェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アラミド樹脂等の材料を用いることができるが、一
般的にはアラミド不織布にエポキシ樹脂を含浸させてこ
れを半硬化状態(Bステージ状態)にしたプリプレグを
用いることができる。このプリプレグにレーザー加工で
所定の位置に孔加工を行い、この貫通孔104に例えば
Ag、CuあるいはAg-Cu合金等の導体成分を含有
する導電ペースト105を充填する。このとき、導電ペ
ースト105を基板接合体の表面から突出するように形
成しておくと、導電ペースト105が良好に圧縮され
て、第一の配線基板101と第二の配線基板102との
電気的接続を低抵抗に行なうことができる。本実施例で
は、アラミド繊維の不織布にエポキシ樹脂を含浸させた
厚み約0.1mmのプリプレグにCO2レーザーを用い
て所望の位置に孔加工を施し、その貫通孔104の中に
Cuペーストを表面からやや突出するように充填した。
【0027】次いで、図1(b)に示すように、基板接合
体106を介して重ねられた第一の配線基板101と第
二の配線基板102とを加熱圧縮した。本実施例では、
圧力45〜55kg/cm2、温度200℃で60分加
熱圧縮した。これにより、第一の配線基板101の表面
に突出している配線層107と第二の配線基板102の
表面に突出している配線層108が基板接合体106の
エポキシ樹脂中に没入した。このとき同時に、導電ペー
スト105は配線層107と配線層108に挟まれてい
るため、内部に充填されている導電ペースト105が圧
縮されて配線層107と配線層108とが電気的に接続
された。
【0028】なお、本実施例では第一の配線基板101
と第二の配線基板102として、ガラスエポキシ配線基
板を用いた例で説明したが、ガラスエポキシ配線基板に
限るものではない。他にフレキシブル基板や紙フェノー
ル基板、ALIVH基板(松下電器産業(株)の商標)等を
用いることができる。特にALIVH基板を用いた際は、ALI
VH基板の任意の絶縁層間にビアホールを形成できるとい
う特徴と相まって配線自由度の大きな多層配線基板を実
現することができる。
【0029】また、本実施例では、第一の配線基板10
1と第二の配線基板102の両方の配線層107、10
8が突起している場合について説明したが、どちらか一
方が突起している場合でも同様の効果を奏する。
【0030】また、導電ペースト105と接触する第一
の配線基板101の配線層107の表面、及び/又は、
第二の配線基板102の配線層108の表面に粗化処理
を施しておくと、導電ペースト105による接続信頼性
が向上する。本実施例では、加熱加圧に先だって、第一
の配線基板101の配線層107の表面と第二の配線基
板102の配線層108の表面を、水酸化ナトリウム1
5g/リットル、リン酸ナトリウム12g/リットル、
亜塩素酸ナトリウム30g/リットルを用いた黒化処理
を施すことにより、0.5μm程度の粗度で粗面化して
おいた。黒化処理により銅箔表面に生成される膜は絶縁
膜であるが、極めて薄いため、加熱加圧時に容易に破れ
て導通させることができる。
【0031】また、粗化の方法としては、電解銅めっき
を用いることもできる。すなわち、銅箔を作成する条件
よりも電流密度を上昇し、銅をこぶ状に異常析出させる
方法が一般的に知られている。本方法を用いると銅箔表
面に生成される膜は銅であり、より安定した接続を得る
ことができる。
【0032】また、本実施例では、基板接合体としてア
ラミド繊維の不織布にエポキシ樹脂を含浸させたプリプ
レグを用いた例について説明したが、これに限るもので
はない。例えば、ガラス繊維不織布にエポキシ樹脂を含
浸させたプリプレグを用いることもできる。この場合、
ガラス繊維は吸湿性がないため、より耐湿特性に優れた
配線基板を得ることができる。また、ガラス繊維表面の
改質処理を施すことによりエポキシ樹脂との密着性を向
上させることができるため、より機械的に優れた配線基
板を得ることができる。
【0033】(実施例2)次に本発明の第2の実施例に
おける多層配線基板の製造方法について図2、図3を参
照しながら説明する。
【0034】まず、図2(a)に示すように、支持基材2
11の片面に導体層212が形成されたものを準備す
る。このような材料としては、例えば古川サーキットフ
ォイル(株)製のアルミキャリア付き銅箔(商品名はU
TC銅箔)が市販されている。この材料は以下のように
して作成される。支持基材211として厚さ40μm程
度のアルミニウム箔の片面にジンケート処理を行い、数
千オングストローム(数百nm)程度のZnやCrででき
た層を被着し、その後、導体層212として、電解めっ
きにて厚さ5〜20μm程度の銅を析出させる。続いて
導体層212の表面に、例えば黒化処理やソフトエッチ
ング処理、または電解めっきによる粒成長等の方法によ
り粗化処理を行う。また、上記ジンケート処理により形
成される層の厚さや膜質を調整することにより、支持基
材211と導体層212間の密着力を所望の強さに調整
することができる。本実施例では、支持基材211とし
て厚さ40μmのアルミニウム箔を、導体層212とし
て厚さ9μmの銅を形成したUTC銅箔を用いた。
【0035】次に、図2(b)に示すように導体層212
の表面に、感光性を有する電気絶縁樹脂層213をスク
リーン印刷法により塗布し、100℃程度の温風乾燥を
行った。この電気絶縁樹脂層213の塗布方法として
は、他にカーテンコート法、スプレー法、ダイコート
法、スピンコート法等が用いられる。また、電気絶縁樹
脂としては、例えばエポキシ樹脂、エポキシ−アクリレ
ート樹脂、耐熱アクリレート樹脂等が用いられる。この
電気絶縁樹脂層213の厚みとしては、良好な電気絶縁
性を確保するために、40〜100μm程度であること
が好ましい。本実施例では乾燥後40〜50μmとなる
よう塗布した。
【0036】次に、図2(c)に示すように、所定の位置
にフォトリソグラフィ法を用いて孔加工を施し、全体を
150℃で30分間、温風により加熱して硬化させた。
【0037】上記実施例では孔加工方法としてフォトリ
ソグラフィ法を用いたが、CO2、YAG,エキシマ等
のレーザーにより孔加工を行うこともできる。この場
合、電気絶縁樹脂に感光性を付与する必要がないので、
より絶縁層としての電気特性、機械特性を高めることが
できる。
【0038】次に、図2(d)に示すように、電気絶縁樹
脂層213の表面に粗化処理を施す。このときの粗化処
理方法としては、例えば、バフ研磨やホーニング処理の
ような物理的な研磨処理や、過マンガン酸処理や硫酸ク
ロム処理のような化学的な研磨処理を用いることができ
る。化学的な研磨処理を用いればより緻密な粗化処理が
行え、電気絶縁樹脂層213表面に形成される導体層の
ピール強度をより向上させることができる。また、孔2
14の壁面も粗化処理され、より密着強度を高めること
ができる。本実施例では、電気絶縁樹脂層213の表面
にバフ研磨を施した後、さらに過マンガン酸を用いた化
学研磨を施し、電気絶縁樹脂層213の表面と孔214
の壁面を1〜3μm程度の粗度で粗化した。
【0039】次に、図2(e)に示すように、粗化処理を
行った電気絶縁樹脂層213の表面に無電解銅めっきに
より厚さ約0.3μmの導電層を形成し、前記導電層を
通電路として電解銅めっきを行い厚さ25μmの導体層
207を形成した。
【0040】次に、図2(f)に示すように、フォトリソ
グラフィ法により導体層207をパターニングして所望
のパターンの配線層を得た。さらに、水酸化ナトリウム
15g/l、リン酸ナトリウム12g/l、亜塩素酸ナ
トリウム30g/lを用いた黒化処理を施すことによ
り、導体層(配線層)207の表面を5μm程度の粗度
で粗化処理を行い第一の配線基板としてのビルドアップ
配線基板201が完成した。
【0041】なお、上記実施例では、2層までの形成方
法について説明したが、上記工程を繰り返すことで所望
層数の多層配線基板を得ることができる。
【0042】また、配線の形成方法として、導体層20
7のうち不必要な部分を薬品で溶解除去し、必要な導体
パターンだけを残すというサブトラクティブ法について
説明したが、パターン形成方法としては、本方法に限る
ものではなく、アディティブ法を用いても良い。アディ
ティブ法とは、導体層を形成していない素材上に、回路
設計に基づく導体パターン部だけに導電性材料を析出固
着させて導体パターンを形成する製造方法である。アデ
ィティブ法を本発明に用いる場合、アルミニウム箔を出
発材料にすれば良い。
【0043】以下、実施例1と同様に、図3(g)に示す
ように、上記のようにして作成されたビルドアップ配線
基板201と、第二の配線基板としてのガラスエポキシ
配線基板202とを、所定位置に形成された貫通孔20
4に導電ペースト205が充填された被圧縮性を有する
基板接合体206を介して重ね合わせた。本実施例では
実施例1と同様に、基板接合体206としてアラミド繊
維の不織布にエポキシ樹脂を含浸させてこれを半硬化状
態(Bステージ状態)にした厚み約0.1mmのプリプ
レグにCO2レーザーを用いて所望の位置に孔加工を施
し、その貫通孔204の中にCuペーストを表面からや
や突出するように充填したものを用いた。また、第二の
配線基板としてのガラスエポキシ配線基板202に設け
られた貫通スルーホール203内はエポキシ樹脂等で充
填されている。
【0044】次に、図3(h)に示すように、基板接合体
206を介して重ねられたビルドアップ配線基板201
と第二の配線基板のガラスエポキシ配線基板202とを
加熱圧縮した。これにより、ビルドアップ配線基板20
1の表面に突出している配線層207とガラスエポキシ
配線基板202の表面に突出している配線層208が基
板接合体206のエポキシ樹脂中に没入した。このとき
同時に、導電ペースト205は配線層207と配線層2
08に挟まれているため、貫通孔204内部に充填され
ている導電ペースト205が圧縮されて配線層207と
配線層208とが電気的に接続された。このとき配線層
207、208の表面に施した粗化処理による表面粗度
が荒いほど信頼性は高くなる。しかしながら、あまり粗
度が荒いと、微細パターンを形成することが困難とな
る。本実施例では上記点に鑑み平均粗度で5μmに設定
した。
【0045】また、ここで大切なことは、ビルドアップ
配線基板201に設けたビアホール214と基板接合体
206に設けた導電ペースト205が充填された貫通孔
204が重なりあわないように設計的な配慮を加えてお
く点である。この理由は、ビアホール214の中央部は
ほぼ電気絶縁樹脂層213の厚さ分ほど陥没しており、
そのため、貫通孔204と重なりあうと貫通孔204内
の導電ペースト205を充分に圧縮することができない
ためである。そのため、接続抵抗は非常に高くなり、信
頼性も悪化する。場合によっては断線状態に至ることも
ある。
【0046】次に、図3(i)に示すように、支持基材2
11を溶解除去した。本実施例では支持基材211とし
てアルミニウムを用いているため、銅との選択エッチン
グが可能である。エッチング液としては、例えば塩酸等
を用いることができる。除去方法としては機械的に支持
基材211を除去することもできる。この場合、すべて
の接合界面の中で、支持基材211と導体層212間の
密着力が最も弱くなるように、支持基材211と導体層
212間のジンケート処理層を形成しておくことによ
り、機械的に支持基材211を剥離除去することができ
る。剥離除去の方が溶解除去よりも、より簡便である
が、微細パターンを形成している場合は剥離時に断線す
ることもあり、パターンにより使い分ければ良い。支持
基材211の除去後は導体層212が露出している。こ
の際、導体層212の表面にジンケート処理層が残って
いても、本処理層は一般に銅箔の防錆処理に用いられる
ものと同じ材質のため、多層配線基板として悪影響を及
ぼすことはない。
【0047】最後に、図3(j)に示すように、導体層2
12を所定の回路パターンになるようにパターニング
し、最外層の導体回路を形成することにより多層配線基
板を得た。本多層配線基板においては、所望のパターン
に形成された導体層212が表面に露出しており、ここ
に部品が実装される。ここで、導体層212は粗化処理
後に電気絶縁樹脂層213と密着しているので、密着強
度は大きく、部品実装部の剥離現象を防止することがで
きる。
【0048】上記実施例のように、支持基材上にビルド
アップ配線基板を形成し、基板接合体を介して第二の配
線基板に転写形成する方法は、ガラスエポキシ多層配線
基板に微細配線層を順次積層して形成していく、いわゆ
る通常のビルドアップ配線基板と比較して、 (1) 微細配線層は支持基材上に別プロセスで形成できる
ため、プロセス条件等の自由度が増し、高性能にでき
る。 (2) 支持基材上に微細配線層を形成した後に第二の配線
基板に積層転写するため、位置あわせがラフにできるた
め、歩留まりが向上する。さらに大面積で製造すること
ができる。 という効果が生じる。
【0049】また、第二の配線基板としてALIVH基板
(松下電器産業(株)の商標)を用いた場合、表層に形
成された微細配線層を有するビルドアップ配線基板によ
り狭ピッチパターンをより広いピッチに拡げ、配線収容
性に優れたALIVH基板で配線することができるため、ガ
ラスエポキシ配線基板に微細配線層を順次積層する従来
のビルドアップ配線基板と比較して配線がし易く、より
小型な基板を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】上記説明より明らかなように本発明方法
によれば、所定の絶縁層と配線層を備える第一の配線基
板と、所定の絶縁層と配線層を備える第二の配線基板と
が、導電体が充填された貫通孔を備えた基板接合体を介
して積層されてなり、前記第一の配線基板の表層に形成
された配線層と前記第二の配線基板の表層に形成された
配線層とが前記導電体を介して電気的に接続されてお
り、前記第一の配線基板の表層に形成された配線層と前
記第二の配線基板の表層に形成された配線層の少なくと
も一方の前記配線層が前記基板接合体に埋設されている
ことにより、別々に形成された2枚の配線基板を一体化
し、基板接合体に設けられた貫通孔内の導電体により電
気的に接合することができ、高密度で低コストの多層配
線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における多層配線基板
の製造工程を示す工程断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施例における多層配線基板
の前半の製造工程を示す工程断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施例における多層配線基板
の後半の製造工程を示す工程断面図である。
【符号の説明】
101 第一の配線基板 102 第二の配線基板 103、203 スルーホール 104、204 貫通孔 105、205 導電ペースト 106、206 基板接合体 107、108、207、208 配線層 201 ビルドアップ配線基板 202 ガラスエポキシ配線基板(第二の配線基板) 211 支持基材 212 導体層 213 電気絶縁樹脂層 214 孔(ビアホール)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須川 俊夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 東谷 秀樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 塚本 勝秀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の絶縁層と配線層とを備える第一の
    配線基板と、所定の絶縁層と配線層とを備える第二の配
    線基板とが、導電体が充填された貫通孔を備えた基板接
    合体を介して積層されてなり、前記第一の配線基板の表
    層の配線層と前記第二の配線基板の表層の配線層とが前
    記導電体を介して電気的に接続されており、前記第一の
    配線基板の表層の配線層と前記第二の配線基板の表層の
    配線層の少なくとも一方が、前記基板接合体に没入され
    ていることを特徴とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】 所定の絶縁層と配線層とを備える第一の
    配線基板を、所定の絶縁層と配線層とを備える第二の配
    線基板に、貫通孔に導電体が充填された基板接合体を介
    して重ねる工程と、 前記基板接合体を介して重ねられた前記第一の配線基板
    と前記第二の配線基板とを加熱加圧することにより、前
    記第一の配線基板の表層に設けられた配線層と前記第二
    の配線基板の表層に設けられた配線層の少なくとも一方
    を前記基板接合体に没入するとともに、前記第一の配線
    基板の表層に設けられた配線層と前記第二の配線基板の
    表層に設けられた配線層とを前記基板接合体に設けられ
    た前記貫通孔に充填された前記導電体を介して電気的に
    接続する工程とを有することを特徴とする多層配線基板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 平板状の支持基材の表面にビルドアップ
    法により所定の層数積層されたビルドアップ配線基板
    を、所定の絶縁層と配線層とを備える第二の配線基板
    に、貫通孔に導電体が充填された基板接合体を介して重
    ねる工程と、 前記基板接合体を介して重ねられた前記ビルドアップ配
    線基板と前記第二の配線基板とを加熱加圧することによ
    り、前記ビルドアップ配線基板の表層に設けられた配線
    層と前記第二の配線基板の表層に設けられた配線層の少
    なくとも一方を前記基板接合体に没入するとともに、前
    記ビルドアップ配線基板の表層に設けられた配線層と前
    記第二の配線基板の表層に設けられた配線層とを前記基
    板接合体に設けられた前記貫通孔に充填された前記導電
    体を介して電気的に接続する工程と、 前記支持基材を除去する工程とを有することを特徴とす
    る多層配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 積層前の前記基板接合体は被圧縮性を有
    する請求項2又は3に記載の多層配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 積層前の前記基板接合体を構成する材料
    が、ガラス繊維不織布または有機繊維不織布と、半硬化
    状態の熱硬化性樹脂との複合材料である請求項2〜4の
    いずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 積層前の前記基板接合体において、前記
    基板接合体の貫通孔に充填された前記導電体が前記基板
    接合体表面から突出している請求項2〜5のいずれかに
    記載の多層配線基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板接合体に設けられた貫通孔に充
    填された導電体が、導電ペーストである請求項2〜6の
    いずれかに記載の多層配線基板の製造方法。
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