JP2002284941A - 射出成形用軟質樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

射出成形用軟質樹脂組成物およびその用途

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JP2002284941A JP2002004804A JP2002004804A JP2002284941A JP 2002284941 A JP2002284941 A JP 2002284941A JP 2002004804 A JP2002004804 A JP 2002004804A JP 2002004804 A JP2002004804 A JP 2002004804A JP 2002284941 A JP2002284941 A JP 2002284941A
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ethylene
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soft resin
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Tomoya Matayoshi
吉 智 也 又
Naoto Yasaka
坂 直 登 八
Masayoshi Yamaguchi
口 昌 賢 山
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の射出成形用軟質樹脂組成物は、
(A)コモノマーが炭素原子数3〜10のα-オレフィンのエチレン・α-オレフィン
共重合体と(B)ホ゜リエチレンとを特定割合で含有してなり、該
成分(A)は、ショアA硬度が40〜95、MFR2.16が1.0〜20g
/10分、密度が855〜900kg/m3であり、該成分(B)は、M
FR2.16が0.1〜100g/10分、密度が910〜925kg/m3、温
度190℃における溶融張力MT(g)とMFR2.16(g/10
分)とが下記の関係式を満たすことを特徴とする。MT
> 2.2×(MFR2.16-0.84本発明の射出成形品
は、上記組成物からなり、その表面に塗装が施されてい
てもよい。本発明の玩具および日用雑貨は、上記射出成
形品からなる。 【効果】本発明によれば、柔軟性を有するとともに、半
透明で外観に優れる射出成形品を生産性よく調製できる
射出成形用軟質樹脂組成物、およびその射出成形品たと
えば軟質玩具、日用雑貨に利用できる射出成形品を提供
できる。また塗膜密着性に優れる射出成形品の塗装品を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、射出成形用軟質樹脂組成
物およびその用途に関し、さらに詳しくは、エチレン・
α- オレフィン共重合体を含有するポリオレフィン組成
物であって、柔軟性、透明性および風合いに優れ、軟質
玩具、日用雑貨などの用途においても好適に用いられる
射出成形品を生産性よく調製することができる射出成形
用軟質樹脂組成物およびその射出成形品、さらにはその
塗装品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリオレフィン、たとえばショア
A硬度が40〜95の範囲にある比較的柔軟なエチレン
・α- オレフィン共重合体、特にショアA硬度が40〜
70のエチレン・α- オレフィン共重合体は、低結晶性
ないし非晶性であることから、この共重合体単体のまま
射出成形した場合、主に次に取り上げる成形上の不具合
が発生し易い。
【0003】すなわち、射出により溶融樹脂を所望の金
型に充填した後、金型から成形品を取り出すのに十分な
固化状態に達するまでの時間(以下、冷却時間と称す
る)が長くかかるという成形上の不具合、およびヒケ、
バリ等の成形欠陥を生ずるという成形上の不具合が発生
しやすい。冷却時間が長くかかるということは、成形サ
イクルが長くかかることを意味し、射出成形品の生産性
の低下をもたらす。また、ヒケ、バリ等の成形欠陥が生
ずるということは、射出成形品の不良発生率を高めるこ
とを意味し、このような欠陥は、成形品には発生しては
ならないものである。特に結晶性の低い柔軟なエチレン
・α- オレフィン共重合体ほど、固化速度が遅くなるた
め、上記のような成形上の不具合が発生し易い。
【0004】この固化速度のみを速めることを目的とす
る場合には、低結晶性ないし非晶性のエチレン・α- オ
レフィン共重合体に、無機フィラー等の充填材、結晶性
の高いポリプロピレンやポリエチレンなど、比較的固化
速度の速い樹脂をブレンドすればよい。しかしながら、
このような方法によれば、エチレン・α- オレフィン共
重合体の固化速度は速くなるものの、エチレン・α- オ
レフィン共重合体が本来的に有する柔軟性、半透明性が
損なわれるという欠点がある。
【0005】また、エチレン・α- オレフィン共重合体
に対して良好な接着性を示す塗料、プライマーは存在せ
ず、エチレン・α- オレフィン共重合体からなる成形品
は、塗装が不可欠な用途には適していなかった。したが
って、低結晶性ないし非晶性のエチレン・α- オレフィ
ン共重合体が本来的に有する柔軟性を維持しつつ、か
つ、透明性の大幅な低下を伴うことのない、半透明で外
観に優れる射出成形品を生産性よく調製することができ
る射出成形用軟質樹脂組成物、およびその射出成形品さ
らには塗膜密着性に優れる射出成形品の出現が望まれて
いる。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、低結晶性ないし
非晶性のエチレン・α- オレフィン共重合体が本来的に
有する柔軟性を維持しつつ、かつ、透明性の大幅な低下
を伴うことのない、半透明で外観に優れる射出成形品を
生産性よく調製することができる射出成形用軟質樹脂組
成物、およびその射出成形品たとえば軟質玩具、日用雑
貨に利用できる射出成形品を提供することを目的として
いる。
【0007】本発明は、さらに、塗料による彩色仕上げ
された、塗膜密着性に優れる上記射出成形品を提供する
ことをも目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る射出成形用軟質樹脂組成物
は、 (A)エチレンと炭素原子数3〜10のα- オレフィン
とからなるエチレン・α- オレフィン共重合体94〜9
9重量部、および (B)ポリエチレン1〜6重量部 [成分(A)と成分(B)の合計量は100重量部であ
る。]を含有してなり、該エチレン・α- オレフィン共
重合体(A)は、 i)ショアA硬度(JIS K 6253)が40〜95であり、 ii)メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.
16kg)MFR2.16が1.0〜20g/10分であり、 iii)密度(ASTM D 1505)が855〜900kg/m3
であり、該ポリエチレン(B)は、 i)メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.
16kg)MFR2.16が0.1〜100g/10分であり、 ii)密度(ASTM D 1505)が910〜925kg/m3
あり、 iii)温度190℃における溶融張力MT(g)と、メ
ルトフローレート(ASTMD 1238,190℃、荷重2.16kg)
MFR2.16(g/10分)とが、 MT > 2.2×(MFR2.16-0.84 の関係を満たすことを特徴としている。
【0009】本発明に係る成分(A)と成分(B)とか
らなる射出成形用軟質樹脂組成物は、ショアA硬度が9
0以下であることが好ましい。本発明に係る射出成形用
軟質樹脂組成物としては、前記エチレン・α- オレフィ
ン共重合体(A)のショアA硬度(JIS K 6253)HA
と、前記射出成形用軟質樹脂組成物のショア硬度(JIS
K 6253)HABとの比(HAB/HA)が1.00〜1.0
5の範囲内にあることが好ましい。
【0010】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)としては、 iv)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3で
あり、 v)メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重10
kg)MFR10(g/10分)と前記MFR2.16(g/1
0分)との比(MFR10/MFR2.16)が5〜20であ
ることが好ましい。
【0011】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、2種以上のエチレン・α-オレフィン共重合
体(A)の混合物であってもよい。本発明に係る射出成
形品は、前記のような、本発明に係る射出成形用軟質樹
脂組成物からなることを特徴としている。本発明に係る
射出成形品は、その表面に塗装が施されていてもよい。
【0012】本発明に係る射出成形品の塗装品として
は、前記射出成形品の表面に、α,β- モノエチレン性
不飽和基を有するモノマーでグラフト重合されたスチレ
ン系エラストマー樹脂からなるプライマーを塗布した後
に前記塗装を施すことにより、塗料による彩色仕上げが
なされている射出成形品が好ましい。特に、前記射出成
形品の表面に、前記プライマーと光重合開始剤との混合
品を塗布し、その塗布面にUV処理を施した後に塗装を
施すことにより、塗料による彩色仕上げがなされている
射出成形品が好ましい。
【0013】本発明に係る玩具および日用雑貨は、前記
のような、本発明に係る射出成形品からなることを特徴
としている。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る射出成形用軟
質樹脂組成物およびその用途について具体的に説明す
る。本発明に係る射出成形用軟質樹脂組成物は、エチレ
ン・α- オレフィン共重合体(A)とポリエチレン
(B)とを含有している。
【0015】エチレン・α- オレフィン共重合体(A) 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、エチレンと炭素原子数3〜10のα- オレフ
ィンとからなる非結晶性ないし低結晶性のランダム共重
合体である。この共重合体(A)は、ショアA硬度(JI
S K 6253)HAが40〜95、好ましくは50〜95、
さらに好ましくは60〜90の軟質エチレン・α- オレ
フィン共重合体である。また、この共重合体(A)のメ
ルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)
MFR2.16が1.0〜20g/10分、好ましくは1.
0g/10分以上10.0g/10分未満、さらに好ま
しくは1.0〜8.0g/10分であることが望まし
い。このメルトフローレートがこの範囲内であれば、特
に射出成形時の成形性、金型離型性に優れ、製品に永久
歪みが残ったりすることが少なく、柔軟性に優れた成形
品が得られる。この共重合体(A)の密度(ASTM D 150
5)が855〜900kg/m3、好ましく880〜90
0kg/m3である。
【0016】エチレン・α- オレフィン共重合体(A)
は、温度190℃、荷重10kgで測定されたメルトフ
ローレート(ASTM D 1238)MFR10と上記MFR2.16
との比(MFR10/MFR2.16)が5〜20であること
が望ましい。また、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が1
〜3、好ましくは1.5〜3の範囲内にあることが望ま
しい。分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲内にあるエ
チレン・α- オレフィン共重合体(A)を用いると、射
出成形時の離形性に優れ、成型品のベトツキが少ない組
成物が得られる。
【0017】上記の分子量分布(Mw/Mn)は、ミリ
ポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測
定した。分離カラムは、TSK GNH HTであり、カ
ラムサイズは直径72mm、長さ600mmであり、カ
ラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼ
ン[和光純薬工業(株)製]および酸化防止剤としてB
HT[武田薬品工業(株)製]0.025重量%を用
い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量
%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検
出器として示差屈折計を用いた。分子量が既知のエチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)を標準試料とし
て、MwおよびMnを算出した。
【0018】エチレンと共重合させるα- オレフィン
は、炭素原子数3〜10のα- オレフィンであり、具体
的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、4-
メチル-1- ペンテンなどが挙げられる。これらのうちで
も、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ンが好ましい。これらのα- オレフィンは、単独で、あ
るいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】エチレン・α- オレフィン共重合体(A)
は、エチレンから導かれる単位を80〜95モル%の量
で、炭素原子数3〜10のα- オレフィンから導かれる
単位を5〜20モル%の量で含有していることが望まし
い。エチレン・α- オレフィン共重合体(A)の組成
は、通常10mmφの試料管中で約200mgのエチレ
ン・α- オレフィン共重合体を1mlのヘキサクロロブ
タジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペク
トルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MH
z、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.
2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して決定され
る。
【0020】また、エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、これらの単位の他に、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含
有していてもよい。エチレン・α- オレフィン共重合体
(A)としては、具体的には、エチレン・プロピレンラ
ンダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合
体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合
体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン
・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。これ
らの内でも、エチレン・プロピレンランダム共重合体、
エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘ
キセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダ
ム共重合体などが特に好ましく用いられる。これらの共
重合体は、2種以上併用してもよい。
【0021】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン共重合体(A)は、X線回折法により測定される結
晶化度が通常40%以下、好ましくは10〜30%であ
る。上記のようなエチレン・α- オレフィン共重合体
(A)は、バナジウム系触媒またはメタロセン系触媒
(たとえばWO97/10295に記載されているメタロセン系
触媒)などを用いる従来公知の方法により製造すること
ができる。
【0022】エチレン・α- オレフィン共重合体(A)
は、エチレン・α- オレフィン共重合体(A)およびポ
リエチレン(B)の合計量100重量部に対して、94
〜99重量部、好ましくは95〜99重量部の割合で用
いられる。ポリエチレン(B) 本発明で用いられるポリエチレン(B)は、ASTM
D1238に従い、190℃、2.16kg荷重の条件
下に測定されるメルトフローレート(MFR2. 16)が
0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/1
0分、さらに好ましくは3〜30g/10分である。
【0023】また、このポリエチレン(B)の密度(AS
TM D 1505)は、910〜925kg/m3、好ましくは
915〜925kg/m3である。密度は、190℃に
おける2.16kg荷重でのメルトフローレート(MF
2.16)測定時に得られるストランドを120℃で1時
間熱処理し1時間かけて室温まで除冷したのち、密度勾
配管で測定される。
【0024】また、このポリエチレン(B)は、長鎖分
岐の度合を表わすスウェル比、すなわち毛細式流れ特性
試験機を用い、190℃の条件下で内径(D)2.0m
m、長さ15mmのノズルより押出速度10mm/分で
押し出したストランドの径(Ds)と、ノズル内径Dと
の比(Ds/D)が1.3以上であることが望ましい。
【0025】ポリエチレン(B)は、温度190℃にお
ける溶融張力MT(g)と、メルトフローレート(ASTM
D 1238,190℃、荷重2.16kg)MFR2.16(g/10
分)とが、 MT > 2.2×(MFR2.16-0.84、 好ましくは、MT > 4.0×(MFR2.16-0.84、 より好ましくは、MT > 4.5×(MFR2.16
-0.84、 さらに好ましくは、MT > 4.8×(MFR2.16
-0.84、 の関係を満たすことを特徴とする。この範囲であれば、
特に射出成形性および得られる射出成形品の外観に優れ
る。
【0026】この溶融張力(MT)は、次のようにして
測定することができる。すなわち、エチレン・α- オレ
フィン共重合体ペレットを190℃で溶融し、ノズル
(L=8mm、D=2.095mm)から15mm/分
の速度で押し出されたストランドを15m/分の速度で
引っ張った時の溶融張力を測定する。なお、本発明にお
いて用いられるポリエチレン(B)は、本発明の目的を
損なわない範囲であれば、他のα- オレフィン、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル等の重合性単量体との共重合
体であってもよい。
【0027】本発明のポリエチレン(B)は、上記のよ
うな性質を有していれば特に制限なく用いることがで
き、製造方法にも何ら制限はないが、その中でも高圧
(ラジカル)法低密度ポリエチレン(HPLDPE)が
好ましい。これはいわゆる高圧ラジカル重合により製造
される長鎖分岐を有する分岐の多いポリエチレンであ
る。その他の成分本発明に係る射出成形用軟質樹脂組成
物には、上記エチレン・α- オレフィン共重合体(A)
およびポリエチレン(B)のほかに、必要に応じて、公
知の顔料、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アン
チブロッキング剤、離型剤、静電防止剤、充填材、核
剤、着色剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない
範囲で配合することができる。
【0028】上記充填剤の例としては、カーボンブラッ
ク、アスベスト、タルク、シリカ、シリカアルミナなど
が挙げられる。射出成形用軟質樹脂組成物の調製 本発明に係る射出成形用軟質樹脂組成物は、上記のエチ
レン・α- オレフィン共重合体(A)と、ポリエチレン
(B)と、必要に応じて配合される上記添加剤とを、種
々の従来公知の方法で溶融混合することにより調製され
る。
【0029】すなわち、本発明に係る射出成形用軟質樹
脂組成物は、上記各成分を同時に、または逐次的に、た
とえばヘンシェルミキサー、V型ブレンダー、タンブラ
ーミキサー、リボンブレンダー等に装入して混合した
後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミ
キサー等の混練装置で溶融混練することによって得られ
る。
【0030】押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等
の混練性能に優れた混練装置を使用すると、各成分がよ
り均一に分散された軟質樹脂組成物が得られる。また、
これらの任意の段階で必要に応じて前記添加剤、たとえ
ば酸化防止剤などを添加することもできる。本発明の組
成物は、成分(A)と成分(B)からなる組成物のショ
アA硬度(JIS K 6253)HABが、下限は好ましくは40
以上、より好ましくは50以上、さらに好ましくは70
以上、特に好ましくは75以上であり、上限は好ましく
は95以下、特に好ましくは90以下であり、例えば、
具体的には、40〜95、好ましくは50〜95、さら
に好ましくは70〜95、特に好ましくは75〜90で
ある。ショアA硬度が上記範囲にあると、特に90以下
であれば柔軟性に優れる。
【0031】一般に、ポリオレフィン組成物では、柔軟
性を付与することで金型離型性等の成形性に劣るが、本
発明の組成物を上記範囲とすることで、成形性良く柔軟
な射出成形品を得ることができる。上記のようにして得
られる、射出成形用軟質樹脂組成物全体のメルトフロー
レート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)MFR2.16
が1.0〜100g/10分、好ましくは1〜50g/
10分、さらに好ましくは3〜30g/10分であるこ
とが望ましい。特に、前記エチレン・α- オレフィン共
重合体(A)のショアA硬度(JIS K 6253)HAと、こ
の射出成形用軟質樹脂組成物のショア硬度(JIS K 625
3)HABとの比(HAB/HA)が1.00〜1.05の範
囲内にあることが好ましい。ショアA硬度HABが高い射
出成形用軟質樹脂組成物は、柔軟性が必要とされる玩具
の用途には向かない。
【0032】射出成形品 本発明に係る射出成形品は、上記のようにして得られ
た、本発明に係る射出成形用軟質樹脂組成物から、所望
の形状に射出成形することにより得られる。本発明に係
る射出成形品は、表面に塗装が施されていてもよい。こ
の塗装を行なう際に、まず射出成形品の表面に、α,β
- モノエチレン性不飽和基でグラフト重合されたスチレ
ン系エラストマー樹脂からなるプライマーを塗布し、次
いで、そのプライマー塗布面に、塗料を塗装機たとえば
スプレー塗装機などを用いてに塗装するのが塗膜の密着
性の観点から好ましい。このような塗装により、射出成
形品に塗料による彩色仕上げがなされる。
【0033】また、射出成形品表面に、上記プライマー
と光重合開始剤との混合品を塗布し、その塗布面にUV
処理を施した後に塗装を施して、塗料による彩色仕上げ
を行なってもよい。上記のα,β- モノエチレン性不飽
和基でグラフト重合されたスチレン系エラストマー樹脂
からなるプライマーは、たとえば従来公知のスチレン−
エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−
エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−イ
ソブチレン−スチレン共重合体、水添スチレン−エチレ
ン−ブテン−スチレン共重合体、水添スチレン−イソブ
チレン−スチレン共重合体等のスチレン系エラストマー
樹脂に、α,β- モノエチレン性不飽和基を有するモノ
マーをグラフト重合させることにより得られる。
【0034】このようなモノマーとしては、具体的に
は、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒド
ロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、
イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス- ビシクロ
[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸等
の不飽和カルボン酸;塩化マレニル、マレイミド、無水
マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等の不
飽和カルボン酸の誘導体などが挙げられる。
【0035】上記グラフト重合は、従来公知のグラフト
重合方法を用いて、行なうことができる。たとえば、上
記スチレン系エラストマー樹脂を溶融させてα,β- モ
ノエチレン性不飽和基を有するモノマー(グラフトモノ
マー)を添加してグラフト重合を行なう方法、上記スチ
レン系エラストマー樹脂を溶媒に溶解させて、このグラ
フトモノマーを添加してグラフト重合を行なう方法があ
る。
【0036】これらの方法において、ラジカル開始剤の
存在下にグラフト重合を行なうと、上記不飽和カルボン
酸等のグラフトモノマーを効率よくグラフト重合させる
ことができる。この場合、ラジカル開始剤は、上記ラン
ダム共重合体組成物100重量部に対して、通常は0.
001〜1重量部の量で用いられる。このようなラジカ
ル開始剤としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物など
が用いられる。
【0037】また、上記光重合開始剤としては、紫外線
照射によりラジカルを発生する化合物であればよく、た
とえばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
フェノン、3,3,4,4-テトラベンゾフェノンなどが挙げら
れる。光重合開始剤の使用量は、通常0.01〜10重
量%程度である。玩具および日用雑貨 本発明に係る玩具および日用雑貨は、上述した本発明に
係る射出成形品であり、未塗装であってもよいし、また
塗装されていてもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、低結晶性ないし非晶性
のエチレン・α- オレフィン共重合体が本来的に有する
柔軟性を維持しつつ、透明性の大幅な低下を伴うことの
ない、半透明で外観に優れる射出成形品を生産性よく調
製することができる射出成形用軟質樹脂組成物、および
その射出成形品たとえば軟質玩具、日用雑貨に利用でき
る射出成形品を提供することができる。これらの射出成
形品は、未塗装品でってもよいし、また塗装品であって
もよい。本発明においては、塗料による彩色仕上げされ
た、塗膜密着性に優れる射出成形品(玩具、日用雑貨)
を提供することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例で用いたエチレン・α- オレ
フィン共重合体およびポリエチレンは、次の通りであ
る。エチレン・α- オレフィン共重合体(A) (1)エチレン・1-ブテン共重合体(EBR1) ・MFR2.16(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):4
g/10分 ・MFR10/MFR2.16:5 ・密度(ASTM D 1505):885kg/m3 ・Mw/Mn:2.0 ・ショアA硬度(JIS K 6253):85 (2)エチレン・1-ブテン共重合体(EBR2) ・MFR2.16(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):4
g/10分 ・MFR10/MFR2.16 :5 ・密度(ASTM D 1505):888kg/m3 ・Mw/Mn:2.0 ・ショアA硬度(JIS K 6253):87 (3)エチレン・1-ブテン共重合体(EBR3) ・MFR2.16(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):4
g/10分 ・MFR10/MFR2.16 :6 ・密度(ASTM D 1505):892kg/m3 ・Mw/Mn:2.0 ・ショアA硬度(JIS K 6253):90ポリエチレン(B) ○ 高圧法低密度ポリエチレン(HPLDPE) ・MFR2.16(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):3
g/10分 ・密度(ASTM D 1505):917kg/m3 ・溶融張力(MT;190℃):150mN(=15.3
g)他の樹脂 (1)高密度ポリエチレン(HDPE) ・MFR2.16(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):2
0g/10分 ・密度(ASTM D 1505):965kg/m3 (2)ホモポリプロピレン(PP) ・MFR2.16(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg):6
0g/10分 ・融点(Tm):160℃
【0040】
【実施例1、2および比較例1〜6】実施例1、2およ
び比較例1では、上記エチレン・1-ブテン共重合体(E
BR1)および高圧法低密度ポリエチレン(HPLDP
E)を、第1表に示す割合で、スクリュー径が40mm
の単軸押出機を用い、樹脂温度を約210℃として軟質
樹脂組成物のペレットを作製した。
【0041】また、比較例2では、エチレン・1-ブテン
共重合体(EBR1)とのみからなる軟質樹脂、比較例
3では、上記エチレン・1-ブテン共重合体(EBR2)
のみからなる軟質樹脂、比較例4では、上記エチレン・
1-ブテン共重合体(EBR3)のみからなる軟質樹脂、
比較例5では、エチレン・1-ブテン共重合体(EBR
1)と上記高密度ポリエチレン(HDPE)とからなる
樹脂組成物、比較例6では、エチレン・1-ブテン共重合
体(EBR2)と上記ホモポリプロピレン(PP)とか
らなる樹脂組成物をメルトブレンドによりペレットを作
製した。
【0042】次いで、これらの樹脂(組成物)を用い、
樹脂温度を150℃、金型温度を30℃とした射出成形
により冷却時間の短縮、成形欠陥(ヒケ、バリ)の有無
を調べ、冷却時間、成形欠陥および透明性を評価した。
これらの結果を第2表および図5〜8に示す。(1)冷
却時間と(2)成形欠陥の評価方法の詳細を以下に説明
する。 (1)冷却時間の評価方法 成形品の冷却時間は、金型内に溶融樹脂が射出された
後、金型内から取り出しに十分な成形品の固化状態が得
られるまで、金型を閉じたまま放置しておく時間であ
る。
【0043】成形品の固化が十分な状態とは、金型より
成形品を取り出す際、成形品にかかる外力や自重によ
り、デザイン上の許容寸法を逸脱するような永久変形
が、成形品に発生しない程度に固化している状態をい
う。ここで成形品にかかる外力とは、離型時の突き出し
ピンによる成形品の突き出し、および離型直後のハンド
リング時に成形品にかかる力を意味する。
【0044】そこで、射出成形直後の成形品の固化状態
について、定量的な判断ができるように次の二つの評価
方法を用いた。すなわち、(A)突き出しピンによる離
型後、成形品に残る突き出しピン跡の窪み深さ(以降、
単に「窪み深さ」と称する)、および(B)室温で固化
が十分に進行した成形品の硬度に対する、離型直後の成
形品硬度の比率(以降、単に「硬度率」と称する)であ
る。
【0045】(A)の窪み深さは、突き出しピンによる
離型時の成形品の金型に対する粘着性、摩擦力と大きく
関与しており、窪み深さが浅いほど離型がスムーズであ
り、金型に対する粘着性、摩擦力が小さいことを意味す
る。一方、(B)の硬度率は、冷却直後での成形品の固
化の進行度を表わし、これが100%に近いほど固化が
進行しており、離型直後のハンドリング時の外力や自重
による永久変形が生じにくいことを意味する。
【0046】冷却時間の適性な評価のためには、(A)
および(B)の両方を同時に考慮するのが望ましい。な
ぜなら、(A)のみが優れ、(B)のみが劣るような場
合、たとえば離型剤等の使用により、成形品の金型に対
する粘着性は小さくなる。そのため、突き出しピンによ
る成形品の離型はスムーズとなり、窪み深さは小さくな
る。しかし、取り出し直後の成形品は、固化が進行して
いないため、ハンドリング時の外力や自重により、成形
品に永久変形を生じ得る。一方、(B)の硬度率は高い
が、(A)の窪み深さが大きい場合、たとえば成形品の
固化が速いため、離型後の永久変形は生じにくい。しか
し、成形品の収縮率が極端に小さいようなときは、離型
の際、成形品と金型との間で生ずる大きな摩擦力によ
り、突き出しピンの作動時に成形品に永久変形を生じ得
る。いずれにしても、このような永久変形は、成形品に
生じてはならないものである。したがって、(A)およ
び(B)の両方を成形品の取り出しの必要条件とし、冷
却時間の短縮効果を評価するのが望ましいといえる。
【0047】そこで、実施例1、2および比較例1〜6
の樹脂(組成物)に対し、(A)射出後の冷却時間に伴
う窪み深さ、および(B)硬度率の変化を調べることに
より、冷却時間の短縮効果を評価した。成形品のサイ
ズ、および射出成形条件を含め、(A)および(B)の
評価試験方法の詳細を以下に説明する。(A)窪み深さおよび(B)硬度率の評価試験方法 図1に示すように、(A)窪み深さおよび(B)硬度率
の評価試験に供する成形品の調製の際に用いた射出成形
用金型1は、可動側金型1aと固定側金型1bとからな
り、その可動側金型1aにキャビティー2aが設けら
れ、固定側金型1bは平滑な状態となっている。これら
の金型1a、1bの内部は、冷却水の通水が可能であ
り、金型1の温度を一定に保持できる。図1は、可動側
金型1aと固定側金型1bが閉じた状態を示し、図1中
の符号3は金型パーティング面を示し、符号4はランナ
ー部を示し、符号5はゲート部を示す。
【0048】図2に示すように、この金型1から得られ
る成形品2bのサイズは、127×12.8×6.4m
mの直方体形状である。所定の時間冷却した後、金型1
a、1bが開いたときには、キャビティー2側に成形品
2bが残る。その後の離型の過程では、可動側金型1a
に設けられているキャビティー2aに設置されている3
ヵ所の円柱状(直径6mm)の突き出しピン(図示せ
ず)が、所定の速度で長さ約14mmにわたり成形品2
bを突き出すことにより、成形品2bが金型1aより離
型される。その際、成形品2bに形成される突き出しピ
ン跡の位置・形状は、図2に示す通りである。図2中の
符号6は突き出しピン跡を示す。
【0049】窪み深さを測定する場合、サンプル間の窪
み深さの差が明瞭となるように突き出しピンの突き出し
速度を低速とした。離型後は成形品2bの固化状態の安
定化のため、室温で約半日〜1日放置した。その後、図
3に示すようにゲート側に近い位置の突き出しピン跡6
に対して窪み深さDを測定した。また、硬度率を測定す
る場合、窪み深さの影響が小さくなるように窪み深さの
測定時より突き出しピンの突き出し速度は高速の条件を
選定した。成形品2bが突き出しピンにより突き出され
た後、成形品2bに形成された窪み側の面を下にして、
厚さ約10mmのベニア製合板7の上に置いた。突き出
しピンによる成形品2bの突き出し後、10秒経過後に
図4に示す矢印の位置のショアA硬度を、簡易ショアA
硬度計[京都高分子計器社製、商品名 ASKER]を
用い測定した。なお、固化が急速に進行する状態での測
定であるため、硬度計の針を押し込んだ後約1秒経過後
の瞬間値を読み取り、硬度H0とした。室温で固化が十
分進行した状態の硬度をH1とすると、硬度率は次式で
与えられる。
【0050】硬度率(%)=H1/H0×100 これらの評価に用いた射出成形機および主要な成形条件
は次の通りである。射出成形機:名機製作所社製、M−
50AIIDM、型締力50トン シリンダー設定温度:H1/H3/H4/H5=150/150
/150/120(℃) 金型温度:30℃ 射出圧力:一次/保圧=10/10(%) 射出速度:一次/保圧=15/10(%) 計量ストローク:30mm 一次/保圧切替位置:10mm 突き出しピン速度:窪み深さ測定の場合は20%(低
速) 硬度率測定の場合は50%(標準) 冷却時間:30秒、20秒、15秒、10秒 (2)成形欠陥の評価方法 離型後の成形品に対し、目視によりヒケ、バリの発生の
有無を観察した。 (3)透明性の評価方法 成形品に対し、目視により透明性の状態を観察した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】一般に、エチレン・α- オレフィン共重合
体では、硬度の増加に伴い、溶融状態から凝固過程での
固化速度が速まるため、射出成形での冷却時間が短くな
り、ヒケ、バリの成形欠陥も発生しにくくなる。そこ
で、室温で十分固化が進行した状態での硬度が同等の条
件下で、本発明の効果を検証した。まず、室温で固化が
十分進行した状態のショアA硬度(硬度率100%時)
が87である実施例1、比較例3、5、6の結果に基づ
き、実施例1、2の冷却時間の短縮効果、およびヒケ、
バリの成形欠陥の抑制効果を説明する。
【0055】第2表、図5、6に示すように冷却時間を
30秒から成形品の自重による変形が著しくなる15秒
の範囲で、実施例1は、比較例3、5、6より同一冷却
時間での窪み深さが小さく、かつ硬度率は高い。これ
は、比較例3でのエチレン・1-ブテン共重合体(EBR
2)単体、および比較例5でのHDPEを2重量部添加
したエチレン・1-ブテン共重合体(EBR1)からなる
組成物、比較例6でのPPを2重量部添加したエチレン
・1-ブテン共重合体(EBR2)からなる組成物と比
べ、実施例1のHPLDPEを3重量部添加したエチレ
ン・1-ブテン共重合体(EBR1)は、冷却時間が短い
ことを意味している。
【0056】次いで、第1表に示したショアA硬度(硬
度率=100%)が90である実施例2、比較例1、4
の場合、第2表、図7、8に示すように、実施例2は比
較例1、4と比べて同一冷却時間で窪み深さが小さく、
かつ硬度率が高い。このように、HPLDPEの添加率
が高すぎると、もはや冷却時間の短縮効果は無いことを
意味している。
【0057】また、比較例2、3、5、6では、離型後
の成形品にヒケ、バリがやや認められるのに対し、実施
例1、2ではヒケ、バリが認められない。さらに、比較
例1、5では、ともにエチレン・α- オレフィン共重合
体単体がもつ半透明性の特長を大幅に損うこととなり、
好ましくない。以上の実施例および比較例から、本発明
に係る射出成形用軟質樹脂組成物は、従来のエチレン・
α- オレフィン共重合体の柔軟性を維持しつつ、かつ透
明性の大幅な低下を伴うことのない、射出成形時の冷却
時間の短縮、およびヒケ、バリの成形欠陥を抑制し得る
射出成形用軟質ポリオレフィン樹脂組成物であるといえ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例、比較例において、(A)窪み
深さおよび(B)硬度率の評価試験に供する成形品の調
製の際に用いた射出成形用金型の模式斜視図である。
【図2】図2は、図1の金型を用いて調製された成形品
の模式斜視図である。
【図3】図3は、図2に示す成形品の窪み深さの測定個
所を示す模式断面図である。
【図4】図4は、図2に示す成形品のショアA硬度測定
位置を説明するための模式平面図および模式断面図であ
る。
【図5】図5は、ショアA硬度(硬度率100%時)が
87の実施例1、比較例3、5、6の成形品おける冷却
時間と窪み深さとの関係を示すグラフである。
【図6】図6は、ショアA硬度(硬度率100%時)が
87の実施例1、比較例3、5、6の成形品おける冷却
時間と硬度率との関係を示すグラフである。
【図7】図7は、ショアA硬度(硬度率100%時)が
90の実施例2、比較例1、4の成形品おける冷却時間
と窪み深さとの関係を示すグラフである。
【図8】図8は、ショアA硬度(硬度率100%時)が
90の実施例2、比較例1、4の成形品おける冷却時間
と硬度率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・・・ 射出成形用金型 1a・・・ 可動側金型 1b・・・ 固定側金型 2a・・・ キャビティー 2b・・・ 成形品 3・・・・・ 金型パーティング面 4・・・・・ ランナー部 5・・・・・ ゲート部 6・・・・・ 突き出しピン跡 7・・・・・ ベニヤ製合板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:04) B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 31:00 B29L 31:00 (72)発明者 山 口 昌 賢 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AB16 AB52 BA01 4F071 AA15 AA18 AF26 AF30 AH19 BA01 BB05 BC07 4F206 AA03 AH59 JA07 JF01 JF21 JW50 4J002 BB032 BB051 GC00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレンと炭素原子数3〜10のα-
    オレフィンとからなるエチレン・α- オレフィン共重
    合体94〜99重量部、および (B)ポリエチレン1〜6重量部 [成分(A)と成分(B)の合計量は100重量部であ
    る。]を含有してなり、該エチレン・α- オレフィン共
    重合体(A)は、 i)ショアA硬度(JIS K 6253)が40〜95であり、 ii)メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.
    16kg)MFR2.16が1.0〜20g/10分であり、 iii)密度(ASTM D 1505)が855〜900kg/m3
    であり、該ポリエチレン(B)は、 i)メルトフローレート(ASTM D 1238,190℃、荷重2.
    16kg)MFR2.16が0.1〜100g/10分であり、 ii)密度(ASTM D 1505)が910〜925kg/m3
    あり、 iii)温度190℃における溶融張力MT(g)と、メ
    ルトフローレート(ASTMD 1238,190℃、荷重2.16kg)
    MFR2.16(g/10分)とが、 MT > 2.2×(MFR2.16-0.84 の関係を満たすことを特徴とする射出成形用軟質樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】前記成分(A)と成分(B)とからなる射
    出成形用軟質樹脂組成物のショアA硬度が90以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用軟質樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
    (A)のショアA硬度(JIS K 6253)HAと、前記射出
    成形用軟質樹脂組成物のショア硬度(JIS K 6253)HAB
    との比(HAB/HA)が1.00〜1.05の範囲内に
    あることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用軟質
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
    (A)は、iv)ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
    ー(GPC)により求めた分子量分布(Mw/Mn)が
    1〜3であり、v)メルトフローレート(ASTM D 123
    8,190℃、荷重10kg)MFR10(g/10分)と前記M
    FR2.16(g/10分)との比(MFR10/MF
    2.16)が5〜20であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の射出成形用軟質樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記エチレン・α- オレフィン共重合体
    (A)が、2種以上のエチレン・α-オレフィン共重合
    体(A)の混合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の射出成形用軟質樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記ポリエチレンが、高圧法低密度ポリエ
    チレンである、請求項1に記載の射出成形用軟質樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の射出成形
    用軟質樹脂組成物からなることを特徴とする射出成形
    品。
  8. 【請求項8】表面に塗装が施されていることを特徴とす
    る請求項7に記載の射出成形品。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の射出成形品の表面に、
    α,β- モノエチレン性不飽和基を有するモノマーでグ
    ラフト重合されたスチレン系エラストマー樹脂からなる
    プライマーを塗布した後に前記塗装を施すことにより、
    塗料による彩色仕上げがなされていることを特徴とする
    請求項8に記載の射出成形品。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の射出成形品の表面に、
    請求項9に記載のプライマーと光重合開始剤との混合品
    を塗布し、その塗布面にUV処理を施した後に塗装を施
    すことにより、塗料による彩色仕上げがなされているこ
    とを特徴とする請求項8に記載の射出成形品。
  11. 【請求項11】請求項7〜10のいずれかに記載の射出
    成形品からなることを特徴とする玩具。
  12. 【請求項12】請求項7〜10のいずれかに記載の射出
    成形品からなることを特徴とする日用雑貨。
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