JP2002283050A - パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法 - Google Patents

パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法

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JP2002283050A JP2001092784A JP2001092784A JP2002283050A JP 2002283050 A JP2002283050 A JP 2002283050A JP 2001092784 A JP2001092784 A JP 2001092784A JP 2001092784 A JP2001092784 A JP 2001092784A JP 2002283050 A JP2002283050 A JP 2002283050A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピーク期間Tp中は溶滴移行をさせる値のピ
ーク電流Ipを通電し、続けてベース期間Tb中は溶接
ワイヤの溶融を促進させない値のベース電流Ibを通電
する消耗電極パルスアーク溶接にあって、溶接電源装置
の外部特性を、上記ピーク期間Tp中は定電圧特性に制
御し、上記ベース期間Tb中は定電流特性に制御するピ
ーク電流変調制御方法において、溶接中に外乱によって
アーク長が大きく変化すると、ピーク電流値Ipも大き
く変化して1パルス1溶滴移行の電流範囲外になるため
に、大粒のスパッタが発生して不良なビード外観とな
る。 【解決手段】 本発明は、上記ピーク期間Tp中は、溶
接電源装置の外部特性を、−5[V/100A]以下−2
0[V/100A]以上の範囲内でワイヤ送給速度、溶接
ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少なくとも1つ以上
に対応して適正値に変化する傾きSsを有する垂下特性
L2に制御するピーク電流変調制御方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、消耗電極パルスア
ーク溶接電源装置において、外部特性を形成するための
出力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】消耗電極パルスアーク溶接において、良
好な溶接品質を得るためには溶接中のアーク長を適正値
に維持する必要がある。このアーク長を適正値に維持す
るための溶接電源装置の出力制御方法としては、図3で
後述するように、周波数変調制御、パルス幅変調制御、
ピーク電流変調等がある。本発明では、図3で後述する
ように、溶接ワイヤを複数使用する多電極パルスアーク
溶接において、上記の出力制御方法の中で優れた特質を
有するピーク電流変調制御方法を対象とする。以下、従
来技術のピーク電流変調制御方法について説明する。
【0003】図2は、パルスアーク溶接の電流・電圧波
形図である。同図(A)は出力電流Ioの時間変化を示
し、同図(B)は出力電圧Voの時間変化を示し、同図
(C1)〜(C3)は各時刻におけるアーク発生状態を
示す。以下、同図を参照して説明する。
【0004】 時刻t1〜t2の期間(ピーク期間T
p) 予め定めたピーク期間Tp(約1〜3[ms]の範囲)中
は、同図(B)に示すように、予め定めたピーク電圧設
定値Vspに相当するピーク電圧Vpが溶接ワイヤ・被溶
接物間に印加する。このピーク電圧設定値Vspによっ
て、適正なアーク長となるようにピーク電圧Vpを設定
する。一方、この期間中は、同図(A)に示すように、
上記のピーク電圧Vpとアーク負荷によって定まるピー
ク電流Ipが通電する。したがって、ピーク電流Ipの
値は、ピーク電圧Vp及びアーク負荷によって変化す
る。ただし、スパッタの付着のない良好なビード外観を
得るためには、このピーク電流Ipの変化幅は、1パル
ス1溶滴移行の電流範囲内であることが必要である。直
径1.2[mm]の軟鋼ワイヤでは、この電流範囲は約4
00〜550[A]の範囲となる。また、このときのア
ーク発生状は、同図(C1)に示すように、大電流値の
ピーク電流Ipの通電によって、溶接ワイヤ1の溶融が
促進されてワイヤ先端部に溶滴1aが形成された状態と
なる。
【0005】 時刻t2〜t3の期間(ベース期間T
b) 予め定めたベース期間Tb(約2〜20[ms]の範囲)
中は、同図(A)に示すように、溶接ワイヤの溶融を促
進させない値に予め定めたベース電流Ibが通電する。
このベース電流Ibの値は、30〜80[A]程度であ
る。一方、この期間中は、同図(B)に示すように、上
記のベース電流Ibの通電に対応したベース電圧Vbが
印加する。このときのアーク発生状態は、同図(C2)
に示すように、ピーク期間Tp終了直後に溶滴がワイヤ
先端から離脱して被溶接物2へ移行する。その後は、同
図(C3)に示すように、ベース電流Ibの値が小さい
ために溶接ワイヤの溶融はほとんど行われず、ワイヤ送
給によってワイヤ先端位置が被溶接物2に接近する。
【0006】上述したように、溶接ワイヤ1はピーク期
間Tp中のみ溶融し、ベース期間Tb中はほとんど溶融
しない。ここで、ワイヤ送給速度をWf[mm/s]とす
ると、時刻t1〜t3期間中のワイヤ送給量はWf1=W
f×(Tp+Tb)[mm]となる。他方、ピーク期間T
p中のワイヤ溶融量をWm1[mm]とすると、アーク長を
一定値に維持するためには、Wf1=Wm1が成立する必要
がある。上記のワイヤ溶融量Wm1は、ピーク期間Tpの
時間長さとピーク電流値Ipとの積に比例する。ピーク
期間Tpが一定値のときには、ピーク電流Ipの値によ
ってワイヤ溶融量Wm1が変化する。また、ワイヤ溶融量
Wm1とワイヤ送給量Wf1との差によって、時刻t1〜t
3期間中のアーク長が変化する。したがって、ピーク電
流Ipの値の変化によってアーク長を制御することがで
きる。このアーク長を制御するための出力制御方法を、
ピーク電流変調制御方法という。
【0007】図3は、上述したパルス電流変調制御方法
の優れた特質を説明するための2電極パルスアーク溶接
における電流波形図である。同図は、同図(A)に示す
ように、2本の溶接ワイヤA1及びB1を使用して、同
時に2つのアークA3及びB3を発生させて行う2電極
パルスアーク溶接の場合である。同図(B1)及び(B
2)は、出力制御方法が周波数変調制御の場合であり、
同図(B1)は第1のアークA3を通電する第1の出力
電流AIoの時間変化を示し、同図(B2)は第2のア
ークB3を通電する第2の出力電流BIoの時間変化を
示す。また、同図(C1)及び(C2)は、出力制御方
法がパルス電流変調制御の場合であり、同図(C1)は
第1のアークA3を通電する第1の出力電流AIoの時
間変化を示し、同図(C2)は第2のアークB3を通電
する第2の出力電流BIoの時間変化を示す。以下、同
図を参照して説明する。
【0008】 周波数変調制御の場合 同図(B1)に示すように、第1のアークA3には、時
刻t1〜t2の予め定めたピーク期間Tp中は予め定め
たピーク電流Ipを通電し、続けて時刻t3までの第1
のパルス周期Tf1の期間中は予め定めたベース電流Ib
を通電する。周波集変調制御では、出力電圧Voの平均
値が予め定めた電圧設定値と等しくなるように、上記の
第1のパルス周期Tf1を制御してアーク長制御を行う。
したがって、第1のパルス周期Tf1はアーク負荷の変動
に応じて、毎周期ごとに刻々と変化する。他方、同図
(B2)に示すように、第2のアークB3にも。上記と
同様に、時刻t1〜t2のピーク期間Tp中はピーク電
流Ipを通電し、続けて時刻t4までの第2のパルス周
期Tf2の期間中はベース電流Ibが通電する。2つのア
ークA3及びB3はそれぞれ独立して周波数変調制御
(アーク長制御)されているために、上記の第1のパル
ス周期Tf1の時間長さと上記の第2のパルス周期Tf2の
時間長さとは異なった値となる。このために、時刻t1
〜t2のピーク期間Tpは同期を取ることができても、
次のピーク期間Tpの同期を取ることはできない。
【0009】2電極パルスアーク溶接では、隣接して2
つのアークA3及びB3が発生するために、互いに干渉
してアーク発生状態が不安定になりやすい。これを解決
するためには、2つのアークA3及びB3を通電する大
電流値のピーク電流Ipを完全に同期させて通電する方
法が提案されている。しかし、上述したように、周波数
変調制御では、2つのアークのピーク電流Ipを完全に
同期させて通電することはできないために、アークの相
互干渉を抑制してアーク発生状態を安定化することはで
きない。
【0010】また、図は省略しているが、パルス幅変調
制御では、上記のパルス周期Tfを一定値とし、ピーク
期間Tpを変化させてアーク長制御を行う。このため
に、パルス幅変調制御においても、ピーク期間Tpの完
全な同期を取ることはできず、その結果、アークの相互
干渉を抑制してアーク発生状態を安定化することはでき
ない。
【0011】 ピーク電流変調制御の場合 同図(C1)に示すように、第1のアークA3には、時
刻t1〜t2の予め定めたピーク期間Tp中はピーク電
流Ip1が通電し、続けて時刻t2〜t3の予め定めたベ
ース期間Tb中は予め定めたベース電流Ibが通電す
る。他方、同図(C2)に示すように、第2のアークB
3には、上記と同様にピーク期間Tp中はピーク電流I
p2が通電し、続いて上記と同様にベース期間Tb中はベ
ース電流Ibが通電する。したがって、2つのアークA
3及びB3を通電するピーク電流Ip1及びIp2の完全な
同期を取ることができるので、アークの相互干渉を抑制
してアーク発生状態を安定化することができる。上述し
たように、多電極アーク溶接においては、ピーク電流変
調制御は、他の変調制御にはない優れた特質を有してい
る。
【0012】図4は、上述した従来技術のピーク電流変
調制御方法を搭載した溶接電源装置PSのブロック図で
ある。以下、同図を参照して説明する。出力制御回路I
NVは、商用交流電源(3相200[V]等)を入力と
して、インバータ制御、サイリスタ位相制御等によっ
て、後述する誤差増幅信号Eaに従ってアーク負荷に適
した出力電圧Vo及び出力電流Ioを出力する。直流リ
アクトルDCLは、出力電流Ioの平滑を行う。溶接ワ
イヤ1は、ワイヤ送給装置の送給ロール5aによって溶
接トーチ4を通って送給されて、被溶接物2との間でア
ーク3が発生する。
【0013】電圧検出回路VDは、直流リアクトルDC
Lによる平滑前の出力電圧を検出して、電圧検出信号V
dを出力する。ピーク電圧設定回路VSPは、予め定め
たピーク電圧設定信号Vspを出力する。この信号Vsp
は、溶接電源装置の外部から設定される場合もある。電
圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧検出信号Vdとピー
ク電圧設定信号Vspとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅
信号Evを出力する。電流検出回路IDは、出力電流I
oを検出して、電流検出信号Idを出力する。ベース電
流設定回路ISBは、予め定めたベース電流設定信号I
sbを出力する。この信号Isbは、溶接電源装置の外部か
ら設定される場合もある。電流誤差増幅回路EIは、上
記の電流検出信号Idとベース電流設定信号Isbとの誤
差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
【0014】切換タイマ回路TPBは、予め定めたピー
ク期間Tp中はHighレベルとなり、続けて予め定め
たベース期間Tb中はLowレベルとなり、これらの出
力を繰り返す切換信号Tpbを出力する。切換回路SW
は、上記の切換信号TpbがHighレベルのときはa側
に切り換って上記の電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信
号Eaとして出力し、上記の切換信号TpbがLowレベ
ルのときはb側に切り換って上記の電流誤差増幅信号E
iを誤差増幅信号Eaとして出力する。したがって、切
換信号TpbがHighレベルとなるピーク期間Tp中は
ピーク電圧設定信号Vspを目標値とする定電圧制御によ
って溶接電源装置の外部特性は定電圧特性となり、他
方、切換信号TpbがLowレベルとなるベース期間Tb
中はベース電流設定信号Isbを目標値とする定電流制御
によって溶接電源装置の外部特性は定電流特性となる。
【0015】図5は、上述したピーク電流変調制御方法
によるアーク長制御を説明するための外部特性・アーク
特性関係図である。同図はピーク期間中の外部特性L1
を示しており、横軸はピーク電流Ipを示し、縦軸はピ
ーク電圧Vpを示す。以下、同図を参照して説明する。
図4の説明の項で前述したように、ピーク期間Tp中は
ピーク電圧設定信号Vspを目標値とする定電圧制御によ
って溶接電源装置の外部特性L1は定電圧特性となる。
一般的に、溶接電源装置の内部インピーダンスの影響に
よって、上記の定電圧特性L1の傾きSsは−2[V/
100A]程度となる。
【0016】アーク長が適正値の定常状態のときのアー
ク特性を特性Y1とすると、上記の外部特性L1とアー
ク特性Y1との交点P1が、定常状態での動作点とな
る。この動作点P1では、ピーク電流IpはIp1[A]
となり、ピーク電圧Vpはピーク電圧設定信号Vspに相
当するVp1[V]となる。この動作点P1の定常状態に
おいて、ワイヤ送給速度の変動、溶融池の不規則運動、
手触れ等によるチップ・被溶接物間距離の変動等(以
下、外乱という)によって、過渡的にアーク長が長くな
ると、それに応じてアーク特性は特性Y1から特性Y2
へと変化する。外部特性L1は変化しないので、外部特
性L1とアーク特性Y2との交点P2が変化後の動作点
となる。この動作点P2では、ピーク電流Ipは減少し
てIp2[A]となり、ピーク電圧Vpはアーク長が長く
なったために増加してVp2[V]となる。図2の説明の
項で前述したように、ピーク電流Ipが動作点P1のと
きのIp1[A]から動作点P2のときのIp2[A]へと
減少するために、ワイヤ溶融速度Wmは動作点P1のと
きのWm1[mm/s]から動作点P2のときのWm2[mm/s]
へと小さくなる。一方、ワイヤ送給速度Wf[mm/s]は
溶接中は一定値である。動作点P1のときはアーク長は
適正値に維持されているので、Vf=Wm1となる。しか
し、動作点P2では、ワイヤ送給速度Wf>ワイヤ溶融
速度Wm2となるので、アーク長は短くなる方向へと変化
する。この変化は、動作点P2が外部特性L1上を右方
向へと移動して動作点P1に戻るまで続く。したがっ
て、外乱によって過渡的に長くなったアーク長は、上記
の動作点の移動に伴い適正値の定常状態に戻る。
【0017】上記の動作を具体的な数字によって説明す
ると、以下のようになる。以下の説明は、直径1.2
[mm]の軟鋼ワイヤを使用したパルスアーク溶接の場合
である。上記の動作点P1でのピーク電流Ip1=500
[A]、ピーク電圧Vp1=45[V]とする。外乱によ
ってアーク長が少し長くなり、その結果、動作点P2の
ピーク電圧Vp2=46[V]に増加すると、ピーク電流
Ip2=500+(1/−2)×100=450[A]へ
と減少する。図2の説明の項で前述したように、この変
化後のピーク電流Ip2=450[A]は、1パルス1溶
滴移行の電流範囲内にある。
【0018】上述したように、溶接中に外乱によってア
ーク長が過渡的に長くなると、定電圧特性L1によって
ピーク電流Ipが減少してワイヤ溶融量が小さくなり、
その結果、アーク長は元の状態に引き戻される。逆に、
溶接中に外乱によってアーク長が短くなると、定電圧特
性L1によってピーク電流Ipが増加してワイヤ溶融量
が大きくなり、その結果、アーク長は元の状態に引き戻
される。この作用を、一般的に、外部特性によるアーク
長の自己制御作用という。
【0019】図6は、上述したアーク長が過渡的に長く
なったときの電流波形・アーク長関係図である。同図
(A)は出力電流Ioの時間変化を示し、同図(B1)
〜(B6)は各時刻におけるアーク発生状態を示す。同
図は、時刻t1〜t2の期間中に外乱によってアーク長
が瞬間的に長くなった場合である。以下、同図を参照し
て説明する。
【0020】 時刻t1以前の期間(動作点P1) 時刻t1以前の動作点は図5で前述した動作点P1とな
るので、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp1
[A]となり、ベース電流はIb[A]となる。また、
同図(B1)に示すように、アーク長は適正値のLa1
[mm]の定常状態にある。 時刻t1〜t2の期間(動作点P2) 時刻t1〜t2の期間中に、同図(B2)に示すよう
に、外乱によってアーク長がLa2[mm]へと瞬間的に長
くなる。 時刻t2〜t3の期間(動作点P2) 前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によっ
て、時刻t2〜t3の期間中の動作点はP2となり、同
図(A)に示すように、ピーク電流はIp2[A]へと減
少するし、同図(B3)に示すように、アーク長はLa3
[mm]へと短くなる方向へ変化する。
【0021】 時刻t3〜t4の期間(動作点P2か
ら動作点P1への移動途中) 前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によっ
て、時刻t3〜t4の期間中の動作点はP2からP1へ
の移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク
電流はIp21[A]へと増加する方向へ変化し、同図
(B4)に示すように、アーク長はLa31[mm]へと短
くなる方向へ変化する。 時刻t4〜t5の期間(動作点P2から動作点P1
への移動途中) 前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によっ
て、時刻t4〜t5の期間中の動作点はP2からP1へ
の移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク
電流はIp22[A]へと増加する方向へ変化し、同図
(B5)に示すように、アーク長はLa32[mm]へと短
くなる方向へ変化する。 時刻t5以降の期間(動作点P1) 時刻t5以降の期間中の動作点はP1となるので、同図
(A)に示すように、ピーク電流はIp1[A]へと戻
り、同図(B6)に示すように、アーク長はLa1[mm]
へと戻る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】図7は、本発明の解決
課題を説明するための前述した図5に対応する外部特性
・アーク特性関係図である。同図はピーク期間中の外部
特性L1を示しており、横軸はピーク電流Ipを示し、
縦軸はピーク電圧Vpを示す。また、同図に示す外部特
性L1及びアーク特性Y1は、図5のときと同一であ
る。以下、同図を参照して説明する。
【0023】前述した図5のときと同様に、外部特性L
1とアーク特性Y1との交点P1が定常状態での動作点
となる。この動作点P1では、ピーク電流IpはIp1
[A]となり、ピーク電圧Vpはピーク電圧設定信号V
spに相当するVp1[V]となる。この動作点P1の定常
状態において、外乱によって過渡的にアーク長が非常に
長くなると、アーク特性は特性Y1から特性Y3へと変
化する。外部特性L1は変化しないので、外部特性L1
とアーク特性Y3との交点P3が変化後の動作点とな
る。この動作点P3では、ピーク電流Ipは大きく減少
してIp3[A]となり、ピーク電圧Vpはアーク長が非
常に長くなったために大きく増加してVp3[V]とな
る。したがって、同図に示すように、動作点P3でのピ
ーク電流値Ip3は、1パルス1溶滴移行の電流範囲外の
値となる。このために、動作点P3では、1パルス1溶
滴移行とならないために、大粒のスパッタが発生して不
良なビード外観となる。
【0024】前述した図5のときと同様に、上記の動作
を具体的な数字によって説明すると、以下のようにな
る。以下の説明は、直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤを使
用したパルスアーク溶接の場合である。動作点P1での
ピーク電流Ip1=500[A]、ピーク電圧Vp1=45
[V]とする。外乱によってアーク長が非常に長くな
り、動作点P3のピーク電圧Vp3=48[V]へと増加
すると、ピーク電流Ip3=500+(3/−2)×10
0=350[A]へと減少する。したがって、変化後の
ピーク電流Ip3=350[A]は、前述したように、約
400〜550[A]の1パルス1溶滴移行の電流範囲
外の値となる。
【0025】前述したように、パルスアーク溶接では、
ピーク電流Ipの通電によって1パルス1溶滴移行させ
ることで、溶滴移行を微細化してスパッタの付着のない
良好なビード外観を得ることができる。しかし、上述し
たように、外乱によってアーク長が大きく変化すると、
定電圧特性L1によってピーク電流がIp3[A]へと大
きく減少する。このために、ピーク電流値Ip3が1パル
ス1溶滴移行の電流範囲外となり、1パルス1溶滴移行
が維持されなくなるために、溶滴移行が大粒になり、大
粒のスパッタの付着した不良なビード外観となる。前述
したように、直径1.2[mm]の軟鋼ワイヤの場合、1
パルス1溶滴移行をさせる電流範囲は約400〜550
[A]の範囲である。したがって、Ip3=350[A]
では、1パルス1溶滴移行させることはできない。ピー
ク電流Ipの変化幅を400〜550[A]の範囲内に
収めるためには、アーク長の変化に伴うピーク電圧Vp
の変化幅が+2〜−1[V]の非常に狭い範囲内での変
化である必要がある。しかしながら、実際の溶接におい
て、外乱によるアーク長の変化に伴うピーク電圧Vpの
変化幅は、±5[V]程度になることも多い。したがっ
て、従来技術のピーク電流変調制御方法では、常に1パ
ルス1溶滴移行の状態を維持することができない場合が
生じるために、常にスパッタの付着のない良好なビード
外観を得ることは困難であった。
【0026】そこで、本発明では、溶接中に外乱によっ
てアーク長が大きく変化したときでも、1パルス1溶滴
移行の状態を維持したままでピーク電流値Ipが変化し
て、アーク長を元の適正値に戻すことができるピーク電
流変調制御方法を提供する。
【0027】
【課題を解決するための手段】出願時の請求項1の発明
は、図8〜11に示すように、予め定めたピーク期間T
p中は溶滴移行をさせる値のピーク電流Ipを通電し、
続けて予め定めたベース期間Tb中は溶接ワイヤの溶融
を促進させない値のベース電流Ibを通電する消耗電極
パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法において、上
記ピーク期間Tp中は上記溶接電源装置の外部特性を垂
下特性に制御し、上記ベース期間Tb中は上記溶接電源
装置の外部特性を略定電流特性に制御するパルスアーク
溶接電源装置の出力制御方法である。
【0028】出願時の請求項2の発明は、図12に示す
ように、出願時の請求項1に記載するピーク期間Tp中
の垂下特性の傾きSsが、−5[V/100A]以下−2
0[V/100A]以上の範囲内の値である出願時の請求
項1に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方
法である。
【0029】出願時の請求項3の発明は、図12〜13
に示すように、出願時の請求項2に記載するピーク期間
Tp中の垂下特性の傾きSsが、ワイヤ送給速度、溶接
ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少なくとも1つ以上
に対応して適正値に変化する出願時の請求項2に記載す
るパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の一例は、図
1(図8と同一図)に示すように、予め定めたピーク期
間Tp中は溶滴移行をさせる値のピーク電流Ipを通電
し、続けて予め定めたベース期間Tb中は溶接ワイヤの
溶融を促進させない値のベース電流Ibを通電する消耗
電極パルスアーク溶接電源装置の出力制御方法におい
て、上記ピーク期間Tp中は、溶接電源装置の外部特性
を、−5[V/100A]以下−20[V/100A]以上の
範囲内でワイヤ送給速度、溶接ワイヤの直径又は被溶接
物の材質の少なくとも1つ以上に対応して適正値に変化
する傾きSsを有する垂下特性L2に制御し、上記ベー
ス期間Tb中は溶接電源装置の外部特性を略定電流特性
に制御するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法
(ピーク電流変調制御方法)である。
【0031】
【実施例】[実施例1]以下に説明する実施例1の発明
は、出願時の請求項1の発明に対応する。実施例1の発
明は、予め定めたピーク期間Tp中は溶接電源装置の外
部特性を前述した従来技術のときの定電圧特性ではなく
垂下特性に制御し、予め定めたベース期間Tb中は溶接
電源装置の外部特性を前述した従来技術と同様に略定電
流特性に制御するピーク電流変調制御方法である。以
下、図面を参照して、実施例1の発明について説明す
る。
【0032】図8は、実施例1のピーク電流変調制御方
法を説明するための前述した図7に対応する外部特性・
アーク特性関係図である。同図はピーク期間中の外部特
性L2を示しており、横軸はピーク電流Ipを示し、縦
軸はピーク電圧Vpを示す。また、同図において、ピー
ク期間Tp中の外部特性L2は、傾きSs=−10[V
/100A]を有する垂下特性に制御されている。アーク
特性Y1及びY3は、図7のときと同一である。以下、
同図を参照して説明する。
【0033】前述した図7と同様に、外部特性L2とア
ーク特性Y1との交点P1が定常状態での動作点とな
る。この動作点P1では、ピーク電流IpはIp1[A]
となり、ピーク電圧Vpはピーク電圧設定信号Vspに相
当するVp1[V]となる。この動作点P1の定常状態に
おいて、前述した図7のときと同様に、外乱によって過
渡的にアーク長が非常に長くなると、アーク特性は特性
Y1から特性Y3へと変化する。外部特性L2は変化し
ないので、外部特性L2とアーク特性Y3との交点P4
が変化後の動作点となる。この動作点P4では、ピーク
電流IpはIp4[A]となり、ピーク電圧Vpはアーク
長が非常に長くなったために増加してVp4[V]とな
る。
【0034】前述した図7のときと同様に、上記の動作
を具体的な数字によって説明すると、以下のようにな
る。動作点P1でのピーク電流Ip1=500[A]、ピ
ーク電圧Vp1=45[V]とする。外乱によってアーク
長が非常に長くなり、動作点P4のピーク電圧Vp4が4
8[V]に増加すると、ピーク電流Ip4=500+(3
/−10)×100=467[A]へと減少する。この
ピーク電流Ip4=467[A]は1パルス1溶滴移行の
電流範囲内にあるので、溶滴移行は微細化してスパッタ
の発生量は非常に少ない。かつ、アーク長の変化に応じ
てピーク電流値Ipが変化してアーク長を元の適正値に
戻す外部特性によるアーク長の自己制御作用も有してい
る。
【0035】さらに、溶接中に外乱によってアーク長が
上記の場合よりもさらに大きく変化しても、変化後のピ
ーク電圧Vpが+10〜−5[V]の変化であれば、ピ
ーク電流Ipは400〜550[A]の1パルス1溶滴
移行の電流範囲内の変化となるので、スパッタの付着の
ない良好なビード外観を得ることができる。
【0036】図9は、図8で上述したアーク長が過渡的
に長くなったときの電流波形・アーク長関係図である。
同図(A)は出力電流Ioの時間変化を示し、同図(B
1)〜(B6)は各時刻におけるアーク発生状態を示
す。同図は、前述した図6のときと同様に、時刻t1〜
t2の期間中に外乱によってアーク長が、適正値La1
[mm]からLa2[mm]へと長くなった場合である。以
下、同図を参照して説明する。
【0037】 時刻t1以前の期間(動作点P1) 時刻t1以前の動作点は図8で前述した動作点P1とな
るので、同図(A)に示すように、ピーク電流はIp1
[A]となり、ベース電流はIb[A]となる。また、
同図(B1)に示すように、アーク長は適正値のLa1
[mm]となる。 時刻t1〜t2の期間(動作点P4) 時刻t1〜t2の期間中に、同図(B2)に示すよう
に、外乱によってアーク長がLa2[mm]へと瞬間的に長
くなる。 時刻t2〜t3の期間(動作点P4) 前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によっ
て、時刻t2〜t3の期間中の動作点はP4となり、同
図(A)に示すように、ピーク電流はIp4[A]に減少
し、同図(B3)に示すように、アーク長はLa4[mm]
へと短くなる方向へ変化する。
【0038】 時刻t3〜t4の期間(動作点P4か
ら動作点P1への移動途中) 前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によっ
て、時刻t3〜t4の期間中の動作点はP4からP1へ
の移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク
電流はIp41[A]へと増加する方向へ変化し、同図
(B4)に示すように、アーク長はLa41[mm]へと短
くなる方向へ変化する。 時刻t4〜t5の期間(動作点P4から動作点P1
への移動途中) 前述した外部特性によるアーク長の自己制御作用によっ
て、時刻t4〜t5の期間中の動作点はP4からP1へ
の移動の途中となり、同図(A)に示すように、ピーク
電流はIp42[A]へと増加する方向へ変化し、同図
(B5)に示すように、アーク長はLa42[mm]へと短
くなる方向へ変化する。 時刻t5以降の期間(動作点P4) 時刻t5以降の期間中の動作点はP1となるので、同図
(A)に示すように、ピーク電流はIp1[A]へと戻
り、同図(B6)に示すように、アーク長は適正値La1
[mm]へと戻る。上述したピーク電流Ip1、Ip2、Ip
4、Ip41及びIp42は、1パルス1溶滴移行の電流範囲
内にあるので、スパッタの付着のない良好なビード外観
となる。
【0039】図10は、実施例1のピーク電流変調制御
方法を実施するための外部特性制御溶接電源装置CPS
のブロック図である。同図において、前述した図4と同
一回路ブロックには同一符号を付し、それらの説明は省
略する。以下、図4とは異なる回路ブロックである点線
で示す外部特性傾き設定回路SS及び外部特性制御回路
VSCについて、同図を参照して説明する。
【0040】外部特性傾き設定回路SSは、予め定めた
100[A]当たりの外部特性傾き設定信号Ssを出力
する。外部特性制御回路VSCは、上記の外部特性傾き
設定信号Ss、電流検出信号Id及びピーク電圧設定信
号Vspを入力として、下式の演算を行い、外部特性を形
成するための電圧制御設定信号Vscを出力する。 Vsc=(Ss/100)×(Id−Ist)+Vsp (1)式 ただし、基準電流値Ist[A]は予め定めた定数であ
る。この外部特性の制御方法については、図11で後述
する。
【0041】図11は、外部特性の制御方法を説明する
ための外部特性図である。同図において、横軸は電流検
出信号Idを示し、縦軸は電圧制御設定信号Vscを示
す。同図はピーク期間Tp中の外部特性であるので、横
軸の電流検出信号Idはピーク電流Ipに対応し、縦軸
の電圧制御設定信号Vscはピーク電圧Vpに対応する。
以下、同図を参照して説明する。
【0042】同図において、横軸に示す電流検出信号I
dの値が予め定めた定数の基準電流値Ist[A]である
ときの、縦軸に示す電圧制御設定信号Vscの値がピーク
電圧設定信号Vspとなる(P5点)。かつ、外部特性L
3の傾きがSs[V/100A]であるので、外部特性L
3の直線の式は、前述した(1)式で表わされる。ここ
で、電流検出信号Idの値がP5点のId1(Ist)
[A]からP6点のId2[A]に変化すると、(1)式
によって下記のようにVsc2[V]が演算される。 Vsc2=(Ss/100)×(Id2−Ist)+Vsp 同様に、電流検出信号Idの値がP7点のId3[A]に
変化すると、(1)式によって下記のようにVsc3
[V]が演算される。 Vsc3=(Ss/100)×(Id3−Ist)+Vsp 上述したように、電流検出信号Idに対応した電圧制御
設定信号Vscを(1)式に基づいて演算することによっ
て、予め定めた外部特性傾きSsを有する所定の外部特
性(垂下特性)を形成することができる。
【0043】[実施例2]以下に説明する実施例2の発
明は、出願時の請求項2の発明に対応する。実施例2の
発明は、前述した実施例1の発明におけるピーク期間T
p中の垂下特性の傾きSsが、−5[V/100A]以下
−20[V/100A]以上の範囲内の値であるピーク電
流変調制御方法である。以下、実施例2の発明につい
て、図12を参照して説明する。
【0044】実施例2のピーク電流変調制御方法は、前
述した図10の外部特性制御溶接電源装置CPSによっ
て実施することができる。すなわち、図10の外部特性
傾き設定信号Ssの値を、−5以下−20以上の範囲内
で所定値に設定すればよい。図12は、種々の溶接条件
下におぇる外部特性傾きSsの適正範囲を示す図であ
る。同図において、横軸はワイヤ送給速度[m/分]を
示し、縦軸はピーク期間Tp中の外部特性の傾きSs
[V/100A]を示す。同図は、溶接ワイヤが直径1.
2[mm]の軟鋼ワイヤ、直径1.6[mm]の軟鋼ワイ
ヤ、直径1.2[mm]のステンレス鋼(SUS)ワイヤ
及び直径1.2[mm]のアルミニウム合金(Al)ワイ
ヤであるときの、ワイヤ送給速度に対する外部特性傾き
Ssの適正値を示す。同図から明らかなように、外部特
性傾きSsの適正範囲は、−5以下−20以上の範囲で
あることがわかる。
【0045】[実施例3]以下に説明する実施例3の発
明は、出願時の請求項3の発明に対応する。実施例3の
発明は、前述した実施例2の発明におけるピーク期間T
p中の垂下特性の傾きSsが、ワイヤ送給速度、溶接ワ
イヤの直径又は被溶接物の材質の少なくとも1つ以上に
対応して適正値に変化するピーク電流変調制御方法であ
る。以下、図13を参照して実施例3の発明について説
明する。
【0046】実施例3のピーク電流変調制御方法を実施
するための溶接電源装置のブロック図は、前述した図1
0の外部特性傾き設定回路SSを後述する図13の回路
に置換したブロック図となる。上記以外の回路ブロック
は図10と同一であるので、それらの説明は省略する。
図13は、実施例3の外部特性傾き設定回路SSのブロ
ック図である。外部特性傾き設定回路SSは、ワイヤ送
給速度、溶接ワイヤの直径及び被溶接物の材質に対応し
た適正値の外部特性傾き設定信号Ssを出力する。ワイ
ヤ送給速度、溶接ワイヤの直径及び被溶接物の材質に対
応した外部特性傾きSsの適正値は、前述した図12の
ようになる。例えば、ワイヤ送給速度が10[m/分]
であり、溶接ワイヤの直径が1.2[mm]であり、被溶
接物の材質が軟鋼のときの外部特性傾きSsの適正値
は、同図に示すように、−9[V/100A]となる。ま
た、ワイヤ送給速度が10[m/分]であり、溶接ワイ
ヤの直径が1.2[mm]であり、被溶接物の材質がアル
ミニウム合金のときの外部特性傾きSsの適正値は、同
図に示すように、−20[V/100A]となる。
【0047】上述した実施例1〜3においては、パルス
アーク溶接法として直流パルスアーク溶接法について説
明したが、交流パルスアーク溶接法についても同様であ
る。すなわち、交流パルスアーク溶接において、電極プ
ラス極性のピーク期間中は外部特性を垂下特性に制御
し、電極プラス極性のベース期間中及び電極マイナス極
性の電極マイナス期間中は外部特性を略定電流特性に制
御するピーク電流変調制御方法である。また、上述した
実施例1〜3において、ベース期間Tb中の外部特性を
略定電流特性としたが、略定電流特性には急な傾きSs
を有する垂下特性を含んでいる。
【0048】
【発明の効果】本発明では、ピーク期間Tp中の外部特
性を垂下特性とすることによって、溶接中に外乱によっ
てアーク長が大きく変化しても、常に1パルス1溶滴移
行の電流範囲内でピーク電流Ipが変化してアーク長を
適正値速やかに戻すので、スパッタの付着のない良好な
ビード外観を得ることができる。さらに、実施例3の発
明では、ピーク期間Tp中の外部特性の傾きSsがワイ
ヤ送給速度、溶接ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少
なくとも1つ以上に対応して適正値に変化するので、種
々の溶接条件下においても上記の効果を発揮することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態を例示する外部特性・アーク特性関
係図
【図2】パルスアーク溶接の電流・電圧波形図
【図3】2電極パルスアーク溶接の電流波形図
【図4】従来の溶接電源装置のブロック図
【図5】従来技術のときの外部特性・アーク特性関係図
【図6】従来技術のときの電流波形・アーク長関係図
【図7】解決課題を説明するための外部特性・アーク特
性関係図
【図8】実施例1の外部特性・アーク特性関係図
【図9】実施例1の電流波形・アーク長関係図
【図10】実施例1の溶接電源装置のブロック図
【図11】実施例1の外部特性図
【図12】外部特性の傾きの適正範囲図
【図13】実施例3の外部特性傾き設定回路SSのブロ
ック図
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ 1a 溶滴 2 被溶接物 3 アーク 4a 溶接トーチのコンタクトチップ 5a ワイヤ送給装置の送給ロール A1 第1の溶接ワイヤ A3 第1のアーク AIo 第1の出力電流 B1 第2の溶接ワイヤ B3 第2のアーク BIo 第2の出力電流 CPS 外部特性制御溶接電源装置 DCL 直流リアクトル Ea 誤差増幅信号 EI 電流誤差増幅回路 Ei 電流誤差増幅信号 EV 電圧誤差増幅回路 Ev 電圧誤差増幅信号 Ib ベース電流 ID 電流検出回路 Id 電流検出信号 INV 出力制御回路 Io 出力電流 Ip ピーク電流 ISB ベース電流設定回路 Isb ベース電流設定(値/信号) Ist 基準電流値 L1〜L3 外部特性 La アーク長 P1〜P7 動作点 PS 溶接電源装置 SS 外部特性傾き設定回路 Ss 外部特性傾き(設定信号) SW 切換回路 Tb ベース期間 Tf パルス周期 Tp ピーク期間 TPB 切換タイマ回路 Tpb 切換信号 Vb ベース電圧 VD 電圧検出回路 Vd 電圧検出信号 Vo 出力電圧 Vp ピーク電圧 VSC 外部特性制御回路 Vsc 電圧制御設定信号 VSP ピーク電圧設定回路 Vsp ピーク電圧設定(値/信号) Y1〜Y3 アーク特性

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定めたピーク期間中は溶滴移行をさ
    せる値のピーク電流を通電し、続けて予め定めたベース
    期間中は溶接ワイヤの溶融を促進させない値のベース電
    流を通電する消耗電極パルスアーク溶接電源装置の出力
    制御方法において、 前記ピーク期間中は前記溶接電源装置の外部特性を垂下
    特性に制御し、前記ベース期間中は前記溶接電源装置の
    外部特性を略定電流特性に制御するパルスアーク溶接電
    源装置の出力制御方法。
  2. 【請求項2】 ピーク期間中の垂下特性の傾きが、−5
    [V/100A]以下−20[V/100A]以上の範囲内の
    値である請求項1に記載するパルスアーク溶接電源装置
    の出力制御方法。
  3. 【請求項3】 ピーク期間中の垂下特性の傾きが、ワイ
    ヤ送給速度、溶接ワイヤの直径又は被溶接物の材質の少
    なくとも1つ以上に対応して適正値に変化する請求項2
    に記載するパルスアーク溶接電源装置の出力制御方法。
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