JPH10328837A - 交流パルスミグ溶接方法及び溶接装置 - Google Patents

交流パルスミグ溶接方法及び溶接装置

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JPH10328837A
JPH10328837A JP27818197A JP27818197A JPH10328837A JP H10328837 A JPH10328837 A JP H10328837A JP 27818197 A JP27818197 A JP 27818197A JP 27818197 A JP27818197 A JP 27818197A JP H10328837 A JPH10328837 A JP H10328837A
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JP
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pulse
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peak
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JP27818197A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Kamiyama
智之 上山
Takayuki Dewa
孝行 出羽
Kosaku Yamaguchi
耕作 山口
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Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のパルスミグアーク溶接方法は、アー
クによる入熱と移行した溶滴の保有熱量による入熱とが
被溶接部材に加わるために、板厚が1[mm]未満の極薄
板の溶接では溶け落ちが発生して、規則正しい波形状の
「うろこ状ビード」外観を得ることができない。 【解決手段】 ワイヤ先端の発熱量を逆極性期間より
も小にする正極性期間を有する交流パルス電流ACPと
溶滴の移行回数を交流パルスよりも少なくしアーク長を
短くする直流電流DCとを周期的に繰り返してスプレー
移行溶接するガスシールド消耗電極パルスアーク溶接方
法及び溶接装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流パルス電流を
消耗電極(以下、ワイヤという)に供給して溶接する消
耗電極交流パルスアーク溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アルミニウム及びアルミニウム合
金(以下、アルミニウムという)が、建築構造物の内
装、車両、輸送機器等に広く使われるようになってきて
いる。これらの溶接継手が、そのままこれらの構造物の
外面を形成しているので、溶接継手の溶接強度が要求さ
れるだけでなく、最近、溶接ビードの外観が良好である
ことも要求されるようになっている。また、構造物の多
様化にともなって、板厚が1[mm]以下のアルミニウム
を溶接する要求も増加している。そこで、溶接ビード外
観が良好であるアーク溶接方法として、フィラワイヤを
添加するティグ溶接方法が広く採用されている。
【0003】図1は、従来のティグフィラアーク溶接方
法により溶接した規則正しい波形状の「うろこ状ビー
ド」の外観を示す図である。このフィラワイヤ添加ティ
グ溶接方法(以下、ティグフィラアーク溶接という)で
溶接すると、図1に示すように、規則正しい波形状のビ
ード外観(以下、「うろこ状ビード」という)が得られ
る。この溶接ビードの外観は、ミグアーク溶接方法の溶
接ビードよりも美観性があり、板厚が1[mm]以下のア
ルミニウムであっても溶け落ちなどの溶接不良が発生す
ることなく溶接することができる。
【0004】しかし、このティグフィラアーク溶接方法
は、消耗電極を溶融するミグアーク溶接方法に比べて、
溶接速度が遅いために生産効率が悪い。したがって、溶
接速度の速いミグアーク溶接方法によって、ティグフィ
ラアーク溶接方法における「うろこ状ビード」に近い溶
接ビード外観を得ようとする提案がなされている。
【0005】(従来技術1)従来技術1は、特開62−
279087に開示されたパルスミグ溶接方法であっ
て、ベース電流又はベース電圧をスプレー移行と短絡移
行とに切り換えることによって、アルミニウム薄板に溶
け落ちを生じさせることなく「うろこ状ビード」を形成
しようとするものである。
【0006】(従来技術2)図2は、本発明者等が出願
した従来技術(特開平4−33368)の第1パルス電
流群と第2パルス電流群とを周期的に切り換えたパルス
マグ溶接方法を実施する溶接電流波形を示す図である。
従来技術2は、本発明者等が出願した特開平4−333
368に開示されたマグアーク溶接方法であって、例え
ば、図2に示すように、消耗電極を一定のワイヤ送給速
度で送給し、第1パルス電流群PC1のピーク電流値I
p1、ピーク電流通電周期D1、ピーク電流通電時間Tp1
及びベース電流値Ib1の4つのパルス条件を、1パルス
1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行する値に設定して
おき、第2パルス電流群PC2のピーク電流値Ip2、ピ
ーク電流通電周期D2、ピーク電流通電時間Tp2及びベ
ース電流値Ib2の4つのパルス条件の1つ以上を、1パ
ルス1溶滴移行又は1パルス複数溶滴移行する範囲に切
り換えて、ワイヤ突き出し長を変化させ、アーク長を周
期的に切換えて溶接し、溶接中にワイヤ送給速度と溶融
速度とがアンバランスになってアーク長が変動したとき
に、このアーク長の変動を検出して、4つのパルス条件
のいずれか1つ以上を増減させてアーク長を復帰させる
ことによって、「うろこ状ビード」に近い溶接ビード外
観を得ようとするものである。
【0007】(従来技術3)図3は、従来技術(特開平
5−138355)の交流溶接電流通電期間と逆極パル
ス電流通電期間を交互に繰り返す消耗電極式ガスシール
ドアーク溶接方法を実施する溶接電流波形を示す図であ
る。従来技術3は、特開平5−138355に開示され
た消耗電極式ガスシールドアーク溶接方法であって、図
3に示すように、図示していないワイヤの臨界電流値よ
りも大きいピーク電流Ip及びワイヤの臨界電流値より
も小さいベース電流Ibを交互に通電する逆極性直流パ
ルス電流通電期間Tdcと、逆極時にワイヤの臨界電流値
よりも大きいピーク電流Ip及び正極時にワイヤの臨界
電流値よりも小さい負のベース電流Ibを交互に通電す
る交流パルス電流通電期間Tacとを、交互に繰り返す溶
接電流を通電して、「うろこ状ビード」に近い溶接ビー
ド外観を得ようとするものである。
【0008】(従来技術4)図4は、正極時間比率の異
なる第1交流パルス電流と第2交流パルス電流を交互に
繰り返す公知技術の溶接電流波形を示す図である。従来
技術4は、溶接学会で発表された公知技術であって、図
4に示すように、消耗電極を一定のワイヤ送給速度で送
給し、第1の交流パルス電流波形の正極性電流通電時間
Ten1と第2の交流パルス電流波形の正極性電流通電時
間Ten2とを交互に切り換えて通電することによって
「うろこ状ビード」に近い溶接ビード外観を得ようとす
るものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
(従来技術1に対する課題)従来技術1の溶接方法は、
ピーク電流値Ip又はピーク電圧値及びピーク電流通電
時間Tp及びパルス周波数を一定値にしておき、ベース
電流値又はベース電圧値をスプレー移行と短絡移行とに
なるように周期的に大幅に変化させることによって、
「うろこ状ビード」を形成しようとするものである。
【0010】しかし、従来技術1の溶接方法は、スプレ
ー移行と短絡移行とが周期的に繰り返され、短絡移行時
にワイヤ先端が溶融池に接触して溶融球が移行するため
に、図5に示すような溶接ビード外観であって、図1に
示すような「うろこ状ビード」が得られていない。図5
は、上記の従来技術のミグ溶接によって溶接したスパッ
タが付着した波形状が明確でない「うろこ状ビード」外
観を示す図である。
【0011】(従来技術2に対する課題)図2に示す従
来技術2の溶接方法は、第1パルス電流群PC1及び第
2パルス電流群PC2の各ピーク電流に同期して溶滴移
行をさせながらアーク長をワイヤ突き出し長の範囲内で
変化させることによって、板厚1. 5[mm]までのアル
ミニウムの重ね継手、突合わせ継手等の溶接において、
ギャップが存在しても良好な溶接部を得ることができ
る。
【0012】しかし、第1パルス電流群PC1及び第2
パルス電流群PC2は、いずれも溶滴移行をさせるの
で、被溶接部材へのアークによる入熱と移行した溶滴の
保有熱量による入熱とによって、板厚が1[mm]未満の
極薄板の溶接では溶け落ちが発生することがあり、規則
正しい波形状の「うろこ状ビード」外観を得ることがで
きない。
【0013】(従来技術3に対する課題)図3に示す従
来技術3の溶接方法は、逆極性直流パルス電流と交流パ
ルス電流とを周期的に切り換えて通電しているが、逆極
性直流パルス電流通電期間Tdcと交流パルス電流通電期
間Tacとのアーク長変化は、正極性ではベース電流が通
電し逆極性ではベース電流が通電しないのでワイヤ溶融
量に差異を生じて、従来技術1の場合と同様に良好な規
則正しい波形状の「うろこ状ビード」外観を得ようとし
ている。
【0014】しかし、この方法も、逆極性直流パルス電
流通電期間Tdcと交流パルス電流通電期間Tacとの両方
の期間で溶滴移行するために、被溶接部材にアークによ
る入熱と移行した溶滴の保有熱量による入熱とによっ
て、板厚が1[mm]未満の極薄板の溶接では、溶け落ち
が発生することがあり、規則正しい波形状の「うろこ状
ビード」外観を得ることができない。
【0015】(従来技術4に対する課題)図4に示す従
来技術4の溶接方法は、第1の交流パルス電流の正極性
電流通電時間Ten1と第2の交流パルス電流の正極性電
流通電時間Ten2とを異なる値に設定して周期的に切り
換えて通電する方法である。この方法は、第1及び第2
の交流パルス電流の正極性電流のエネルギー供給量En
と逆極性ピーク電流のエネルギー供給量Epとの比En
/(En+Ep)で示される極性比率(以下、EN比率
という)が相違するので、この相違によってワイヤ溶融
量に差が生じて、従来技術1の場合と同様に、良好な規
則正しい波形状の「うろこ状ビード」外観を得ようとす
るものである。
【0016】この方法において、明確な波形状の「うろ
こ状ビード」外観を得るためには、第1の交流パルス電
流の正極性電流通電時間Ten1と第2の交流パルス電流
の正極性電流通電時間Ten2との差を大きくしなければ
ならないために、どちらか一方の正極性電流通電時間を
長く設定しなければならない。しかし、正極性電流通電
時間を長くすると、溶滴移行を困難にさせるために、逆
極性電流通電期間のピーク電流値Ip又はピーク電流通
電時間Tpを大きく設定しなければならない。これらを
大きく設定すると、アークによる入熱と移行した溶滴の
保有熱量による入熱とが被溶接部材に加わるために、板
厚が1[mm]未満の極薄板の溶接では溶け落ちが発生し
て、規則正しい波形状の「うろこ状ビード」外観を得る
ことができない。
【0017】以上の従来技術の課題を基に、本発明が必
要とする要件は次のとおりである。 (1)スパッタの発生を防止する。そのために、短絡移
行をさせないでスプレー移行だけで溶接する。 (2)薄い被溶接材であっても溶け落ちが生じないよう
に被溶接材に加わる入熱を少なくする。そのために、ワ
イヤ先端の発熱量が逆極性期間よりも小となる正極性期
間を有する交流パルス電流を使用する。 (3)明確な波形状の「うろこ状ビード」外観を得るた
めに、周期的にアーク長を大きく変化させる。そのため
に、溶滴の移行回数を小にしてアーク長を小にする期間
と溶滴の移行回数を大にしてアーク長を大にする期間と
を周期的に変化させる。
【0018】本発明が必要とする要件を満たすために、
ワイヤ先端の発熱量が逆極性期間よりも小となる正極性
期間を有する交流パルス電流ACPと溶滴の移行回数を
交流パルスよりも少なくしアーク長を短くする直流電流
DCとを周期的に繰り返してスプレー移行溶接するガス
シールド消耗電極パルスアーク溶接方法及び溶接装置を
提供する。 (4)アルミニウム、マグネシウム等の酸化皮膜を有す
る金属を溶接する場合には、逆極性電流のアークによっ
て酸化皮膜を除去させる。そのために、上記の直流電流
DCを逆極性直流電流DCRにする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の交流パルス溶接
方法及び溶接装置は、従来技術のいずれの問題点をも解
決して、図7又は図11に示すように、ワイヤ先端の発
熱量を逆極性期間よりも小にする正極性期間を有する交
流パルス電流ACPと溶滴の移行回数を交流パルスより
も少なくしアーク長を短くする直流電流DCとを周期的
に繰り返してスプレー移行溶接するガスシールド消耗電
極パルスアーク溶接方法及び溶接装置である。
【0020】請求項1に記載の溶接方法は、図7又は図
11に示すように、直流電流とパルス電流とを周期的に
切換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶
接方法において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ
送給速度で送給し、溶融球を離脱させることができない
値の逆極性直流電流DCRと溶融球を離脱させることが
できる値の交流パルス電流ACPとを周期的に切り換
え、アーク長を変化させてスプレー移行溶接する交流パ
ルスミグ溶接方法である。
【0021】請求項2に記載の溶接方法は、図7に示す
ように、直流電流とパルス電流とを周期的に切換えた溶
接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接方法にお
いて、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送給速度で
送給し、逆極性直流電流DCRを溶融球が離脱すること
ができない範囲の電流値Iepに設定しておき、交流パル
ス電流ACPの逆極性期間(D−Ten)中のピーク電流
値Ip、ピーク電流通電時間Tp、ピーク電流通電周期
D及びベース電流値Ibと交流パルス電流ACPの正極
性期間中の正極性電流値Ien及び正極性電流通電時間T
enとを、逆極性直流電流DCRによって形成された溶融
球を離脱させ、続いて1パルス1溶滴移行又は複数パル
ス1溶滴移行となる値に設定して、給電チップ先端4a
と消耗電極先端1a及び1bとのワイヤ突き出し長Ln
及びLmを変化させて、消耗電極先端と被溶接材表面と
の最短距離のアーク長Lr及びLtを周期的に切り換
え、アーク長を変化させてスプレー移行溶接する交流パ
ルスミグ溶接方法である。
【0022】請求項3に記載の溶接方法は、図11に示
すように、直流電流とパルス電流とを周期的に切換えた
溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接方法に
おいて、請求項2に記載のピーク電流値Ip及びピーク
電流通電時間Tpから定まるピーク電流Pとベース電流
Ibとを合成した逆極性パルス電流IPRと、正極性電
流値Ien及び正極性電流通電時間Tenから定まる正極性
パルス電流IPSとを繰り返す交流パルス電流ACPを
通電し、逆極性直流電流DCRによって形成された溶融
球を離脱させる値に設定した上記のピーク電流Pの第1
のピーク電流P1と、1パルス1溶滴移行又は複数パル
ス1溶滴移行となる値に設定した上記の第2番目以降の
ピーク電流P2とを、ピーク電流通電周期Dで切り換え
て通電してスプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方
法である。
【0023】請求項4に記載の溶接方法は、請求項3に
記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流値Ip1
を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以降のピ
ーク電流値Ip2よりも大に設定してスプレー移行溶接す
る交流パルスミグ溶接方法である。
【0024】請求項5に記載の溶接方法は、請求項3に
記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流通電時
間Tp1を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以
降のピーク電流通電時間Tp2よりも大に設定してスプレ
ー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法である。
【0025】請求項6に記載の溶接方法は、請求項3に
記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流値Ip1
を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以降のピ
ーク電流値Ip2よりも大に設定し、かつ請求項3に記載
のピーク電流通電時間Tpを、第1のピーク電流P1の
第1のピーク電流通電時間Tp1から第2番目以降のピー
ク電流P2の第2番目以降のピーク電流通電時間Tp2に
切り換えてスプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方
法である。
【0026】請求項7に記載の溶接方法は、請求項3に
記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流値Ip1
を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以降のピ
ーク電流値Ip2よりも大に設定し、かつ請求項3に記載
の正極性電流値Ienを、第1のピーク電流P1の第1の
正極性電流値Ien1から第2番目以降のピーク電流P2
の第2番目以降の正極性電流値Ien2に切り換えてスプ
レー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法である。
【0027】請求項8に記載の溶接方法は、請求項3に
記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流通電時
間Tp1を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以
降のピーク電流通電時間Tp2よりも大に設定し、かつ請
求項3に記載の正極性電流値Ienを、第1のピーク電流
P1の第1の正極性電流値Ien1から第2番目以降のピ
ーク電流P2の第2番目以降の正極性電流値Ien2に切
り換えてスプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法
である。
【0028】請求項9に記載の溶接方法は、請求項3に
記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流値Ip1
を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以降のピ
ーク電流値Ip2よりも大に設定し、かつ請求項3に記載
のピーク電流通電時間Tpを、第1のピーク電流P1の
第1のピーク電流通電時間Tp1から第2番目以降のピー
ク電流P2の第2番目以降のピーク電流通電時間Tp2に
切り換え、さらに、請求項3に記載の正極性電流値Ien
を、第1のピーク電流P1の第1の正極性電流値Ien1
から第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以降の正
極性電流値Ien2に切り換えてスプレー移行溶接する交
流パルスミグ溶接方法である。
【0029】請求項10に記載の溶接方法は、請求項3
に記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流値I
p1を、第2番目以降のピーク電流P2の第2のピーク電
流値Ip2よりも大に設定し、かつ請求項3に記載のピー
ク電流通電周期Dを、第1のピーク電流通電周期D1か
ら第2番目以降のピーク電流通電周期D2に切り換えて
スプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法である。
【0030】請求項11に記載の溶接方法は、請求項3
に記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流通電
時間Tp1を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目
以降のピーク電流通電時間Tp2よりも大に設定し、かつ
請求項3に記載のピーク電流通電周期Dを、第1のピー
ク電流通電周期D1から第2番目以降のピーク電流通電
周期D2に切り換えてスプレー移行溶接する交流パルス
ミグ溶接方法である。
【0031】請求項12に記載の溶接方法は、請求項3
に記載の第1のピーク電流P1の第1のピーク電流値I
p1を、第2番目以降のピーク電流P2の第2のピーク電
流値Ip2よりも大に設定し、かつ請求項3に記載の第1
のピーク電流P1の第1のピーク電流通電時間Tp1と、
第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以降のピーク
電流通電時間Tp2とを切り換え、さらに請求項3に記載
のピーク電流通電周期Dを、第1のピーク電流通電周期
D1から第2番目以降のピーク電流通電周期D2に切り
換えてスプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法で
ある。
【0032】請求項13に記載の溶接装置は、図7に示
す溶接方法を実施するパルス周波数制御方式の溶接装置
であって、後述する図15に示すように、消耗電極を予
め設定した一定のワイヤ送給速度で送給するワイヤ送給
制御回路WCと、正極性電流を設定する正極性電流設定
信号Ien及び正極性電流通電時間を設定する正極性電流
通電時間設定信号Tenから定まる正極性パルス電流IP
Sを設定する回路と、ピーク電流値を設定するピーク電
流設定信号Ip及びピーク電流通電時間を設定するピー
ク電流幅設定信号Tpから定まるピーク電流Pとベース
電流Ibとを合成した逆極性パルス電流IPRを設定す
る回路と、上記の正極性パルス電流IPS及び上記の逆
極性パルス電流IPRの繰り返しのピーク電流通電周期
Dを制御するパルス周波数制御信号Vfを出力するパル
ス周波数制御回路VFと、逆極性直流電流通電期間T2
と交流パルス電流通電期間T1とを切り換える通電期間
切換信号Hlを出力する通電期間切換信号発生回路HL
と、正極性パルス電流IPS及び逆極性パルス電流IP
Rをピーク電流通電周期Dで繰り返す交流パルス電流A
CPと逆極性直流電流設定信号Iepで定まる逆極性直流
電流DCRとを通電期間切換信号Hlによって周期的に
切り換える直流電流・交流パルス切換回路SW3とから
成るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置であ
る。
【0033】請求項14に記載の溶接装置は、図11に
示す溶接方法を実施するパルス周波数制御方式の溶接装
置であって、後述する図17に示すように、消耗電極を
予め設定した一定のワイヤ送給速度で送給するワイヤ送
給制御回路WCと、正極性電流を設定する正極性電流設
定信号Ien及び正極性電流通電時間を設定する正極性電
流通電時間設定信号Tenから定まる正極性パルス電流I
PSを設定する回路と、ピーク電流値を設定するピーク
電流設定信号Ip及びピーク電流通電時間を設定するピ
ーク電流幅設定信号Tpから定まる第1のピーク電流P
1とベース電流Ibとを合成した逆極性パルス電流及び
ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号Ip及びピ
ーク電流通電時間を設定するピーク電流幅設定信号Tp
から定まる第2番目以降のピーク電流P2とベース電流
Ibとを合成した逆極性パルス電流IPRを設定する回
路と、上記の正極性パルス電流IPS及び上記の逆極性
パルス電流IPRの繰り返しのピーク電流通電周期Dを
制御するパルス周波数制御信号Vfを出力するパルス周
波数制御回路VFと、逆極性直流電流通電期間T2と交
流パルス電流通電期間T1とを切り換える通電期間切換
信号Hlを出力する通電期間切換信号発生回路HLと、
正極性パルス電流IPS及び逆極性パルス電流IPRを
ピーク電流通電周期Dで繰り返す交流パルス電流ACP
と逆極性直流電流設定信号Iepで定まる逆極性直流電流
DCRとを通電期間切換信号Hlによって周期的に切り
換える直流電流・交流パルス切換回路SW3とから成る
スプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置である。
【0034】請求項15に記載の溶接装置は、図7に示
す溶接方法を実施するピーク電流幅制御方式の溶接装置
であって、後述する図18に示すように、消耗電極を予
め設定した一定のワイヤ送給速度で送給するワイヤ送給
制御回路WCと、正極性電流を設定する正極性電流設定
信号Ien及び正極性電流通電時間を設定する正極性電流
通電時間設定信号Tenから定まる正極性パルス電流IP
Sを設定する回路と、ピーク電流値を設定するピーク電
流設定信号Ip及びピーク電流通電時間を制御するピー
ク電流幅制御信号Vpから定まるピーク電流Pとベース
電流Ibとを合成した逆極性パルス電流IPRを設定す
る回路と、上記の正極性パルス電流IPS及び上記の逆
極性パルス電流IPRの繰り返しのピーク電流通電周期
Dを設定してパルス周波数設定信号Fpを出力するパル
ス周波数設定回路FPと、逆極性直流電流通電期間T2
と交流パルス電流通電期間T1とを切り換える通電期間
切換信号Hlを出力する通電期間切換信号発生回路HL
と、正極性パルス電流IPS及び逆極性パルス電流IP
Rをパルス周波数設定信号Fpで設定した周波数で繰り
返す交流パルス電流ACPと逆極性直流電流設定信号I
epで定まる逆極性直流電流DCRとを通電期間切換信号
Hlによって周期的に切り換える直流電流・交流パルス
切換回路SW3とから成るスプレー移行溶接用交流パル
スミグ溶接装置である。
【0035】請求項16に記載の溶接装置は、図11に
示す溶接方法を実施するピーク電流幅制御方式の溶接装
置であって、後述する図19に示すように、消耗電極を
予め設定した一定のワイヤ送給速度で送給するワイヤ送
給制御回路WCと、正極性電流を設定する正極性電流設
定信号Ien及び正極性電流通電時間を設定する正極性電
流通電時間設定信号Tenから定まる正極性パルス電流I
PSを設定する回路と、ピーク電流値を設定するピーク
電流設定信号Ip及びピーク電流通電時間を制御するピ
ーク電流幅制御信号Vpから定まる第1のピーク電流P
1とベース電流Ibとを合成した逆極性パルス電流及び
第2番目以降のピーク電流値を設定するピーク電流設定
信号Ip及びピーク電流通電時間を制御するピーク電流
幅制御信号Vpから定まるピーク電流P2とベース電流
Ibとを合成した逆極性パルス電流IPRを設定する回
路と、上記の正極性パルス電流IPS及び上記の逆極性
パルス電流IPRの繰り返しのピーク電流通電周期Dを
設定してパルス周波数設定信号Fpを出力するパルス周
波数設定回路FPと、逆極性直流電流通電期間T2と交
流パルス電流通電期間T1とを切り換える通電期間切換
信号Hlを出力する通電期間切換信号発生回路HLと、
正極性パルス電流IPS及び逆極性パルス電流IPRを
パルス周波数設定信号Fpで設定した周波数で繰り返す
交流パルス電流ACPと逆極性直流電流設定信号Iepで
定まる逆極性直流電流DCRとを通電期間切換信号Hl
によって周期的に切り換える直流電流・交流パルス切換
回路SW3とから成るスプレー移行溶接用交流パルスミ
グ溶接装置である。
【0036】請求項17に記載の溶接装置は、請求項1
3に記載のパルス周波数制御回路VFの機能を満たす入
力信号の回路を具体化した溶接装置であって、後述する
図15に示すように、消耗電極を予め設定した一定のワ
イヤ送給速度で送給するワイヤ送給制御回路WCと、ア
ーク電圧を設定するアーク電圧設定信号Vsを出力する
アーク電圧設定回路VSと、アーク電圧設定信号Vsと
アーク電圧検出信号Vdとを入力してその差のアーク電
圧制御信号Cm2を出力するアーク電圧比較回路CM2
と、正極性電流を設定する正極性電流設定信号Ien及び
正極性電流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定
信号Tenから定まる正極性パルス電流IPSを設定する
回路と、ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号I
p及びピーク電流通電時間を設定するピーク電流幅設定
信号Tpから定まるピーク電流Pとベース電流Ibとを
合成した逆極性パルス電流IPRを設定する回路と、ア
ーク電圧制御信号Cm2に対応して、上記の正極性パルス
電流IPS及び上記の逆極性パルス電流IPRの繰り返
しのピーク電流通電周期Dを設定するパルス周波数制御
信号Vfを出力するパルス周波数制御回路VFと、逆極
性直流電流通電期間T2と交流パルス電流通電期間T1
とを切り換える通電期間切換信号Hlを出力する通電期
間切換信号発生回路HLと、正極性パルス電流IPS及
び逆極性パルス電流IPRをピーク電流通電周期Dで繰
り返す交流パルス電流ACPと逆極性直流電流設定信号
Iepで定まる逆極性直流電流DCRとを通電期間切換信
号Hlによって周期的に切り換える直流電流・交流パル
ス切換回路SW3とから成るスプレー移行溶接用交流パ
ルスミグ溶接装置である。
【0037】請求項18に記載の溶接装置は、請求項1
4に記載のパルス周波数制御回路VFの機能を満たす入
力信号の回路を具体化した溶接装置であって、後述する
図17に示すように、消耗電極を予め設定した一定のワ
イヤ送給速度で送給するワイヤ送給制御回路WCと、ア
ーク電圧を設定するアーク電圧設定信号Vsを出力する
アーク電圧設定回路VSと、アーク電圧設定信号Vsと
アーク電圧検出信号Vdとを入力してその差のアーク電
圧制御信号Cm2を出力するアーク電圧比較回路CM2
と、正極性電流を設定する正極性電流設定信号Ien及び
正極性電流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定
信号Tenから定まる正極性パルス電流IPSを設定する
回路と、ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号I
p及びピーク電流通電時間を設定するピーク電流幅設定
信号Tpから定まる第1のピーク電流P1とベース電流
Ibとを合成した逆極性パルス電流及びピーク電流値を
設定するピーク電流設定信号Ip及びピーク電流通電時
間を設定するピーク電流幅設定信号Tpから定まる第2
番目以降のピーク電流P2とベース電流Ibとを合成し
た逆極性パルス電流IPRを設定する回路と、アーク電
圧制御信号Cm2に対応して、上記の正極性パルス電流I
PS及び上記の逆極性パルス電流IPRの繰り返しのピ
ーク電流通電周期Dを設定するパルス周波数制御信号V
fを出力するパルス周波数制御回路VFと、逆極性直流
電流通電期間T2と交流パルス電流通電期間T1とを切
り換える通電期間切換信号Hlを出力する通電期間切換
信号発生回路HLと、正極性パルス電流IPS及び逆極
性パルス電流IPRをピーク電流通電周期Dで繰り返す
交流パルス電流ACPと逆極性直流電流設定信号Iepで
定まる逆極性直流電流DCRとを通電期間切換信号Hl
によって周期的に切り換える直流電流・交流パルス切換
回路SW3とから成るスプレー移行溶接用交流パルスミ
グ溶接装置である。
【0038】請求項19に記載の溶接装置は、請求項1
5に記載のピーク電流幅制御回路VPの機能を満たす入
力信号の回路を具体化した溶接装置であって、後述する
図18に示すように、消耗電極を予め設定した一定のワ
イヤ送給速度で送給するワイヤ送給制御回路WCと、ア
ーク電圧を設定するアーク電圧設定信号Vsを出力する
アーク電圧設定回路VSと、アーク電圧設定信号Vsと
アーク電圧検出信号Vdとを入力してその差のアーク電
圧制御信号Cm2を出力するアーク電圧比較回路CM2
と、アーク電圧制御信号Cm2に対応して、ピーク電流通
電時間を制御するピーク電流幅制御信号Vpを出力する
ピーク電流幅制御回路VPと、正極性電流を設定する正
極性電流設定信号Ien及び正極性電流通電時間を設定す
る正極性電流通電時間設定信号Tenから定まる正極性パ
ルス電流IPSを設定する回路と、ピーク電流値を設定
するピーク電流設定信号Ip及び上記のピーク電流幅制
御信号Vpから定まるピーク電流Pとベース電流Ibと
を合成した逆極性パルス電流IPRを設定する回路と、
上記の正極性パルス電流IPS及び上記の逆極性パルス
電流IPRの繰り返しのピーク電流通電周期Dを設定し
てパルス周波数設定信号Fpを出力するパルス周波数設
定回路FPと、逆極性直流電流通電期間T2と交流パル
ス電流通電期間T1とを切り換える通電期間切換信号H
lを出力する通電期間切換信号発生回路HLと、正極性
パルス電流IPS及び逆極性パルス電流IPRをパルス
周波数設定信号Fpで設定した周波数で繰り返す交流パ
ルス電流ACPと逆極性直流電流設定信号Iepで定まる
逆極性直流電流DCRとを通電期間切換信号Hlによっ
て周期的に切り換える直流電流・交流パルス切換回路S
W3とから成るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接
装置である。
【0039】請求項20に記載の溶接装置は、請求項1
6に記載のピーク電流幅制御回路VPの機能を満たす入
力信号の回路を具体化した溶接装置であって、後述する
図19に示すように、消耗電極を予め設定した一定のワ
イヤ送給速度で送給するワイヤ送給制御回路WCと、ア
ーク電圧を設定するアーク電圧設定信号Vsを出力する
アーク電圧設定回路VSと、アーク電圧設定信号Vsと
アーク電圧検出信号Vdとを入力してその差のアーク電
圧制御信号Cm2を出力するアーク電圧比較回路CM2
と、アーク電圧制御信号Cm2に対応して、ピーク電流通
電時間を制御するピーク電流幅制御信号Vpを出力する
ピーク電流幅制御回路VPと、正極性電流を設定する正
極性電流設定信号Ien及び正極性電流通電時間を設定す
る正極性電流通電時間設定信号Tenから定まる正極性パ
ルス電流IPSを設定する回路と、ピーク電流値を設定
するピーク電流設定信号Ip及び上記のピーク電流幅制
御信号Vpから定まる第1のピーク電流P1とベース電
流Ibとを合成した逆極性パルス電流及びピーク電流値
を設定するピーク電流設定信号Ip及びピーク電流通電
時間を制御するピーク電流幅制御信号Vpから定まる第
2番目以降のピーク電流P2とベース電流Ibとを合成
した逆極性パルス電流IPRを設定する回路と、上記の
正極性パルス電流IPS及び上記の逆極性パルス電流I
PRを繰り返すピーク電流通電周期Dを設定してパルス
周波数設定信号Fpを出力するパルス周波数設定回路F
Pと、逆極性直流電流通電期間T2と交流パルス電流通
電期間T1とを切り換える通電期間切換信号Hlを出力
する通電期間切換信号発生回路HLと、正極性パルス電
流IPS及び逆極性パルス電流IPRをパルス周波数設
定信号Fpで設定した周波数で繰り返す交流パルス電流
ACPと逆極性直流電流設定信号Iepで定まる逆極性直
流電流DCRとを通電期間切換信号Hlによって周期的
に切り換える直流電流・交流パルス切換回路SW3とか
ら成るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置であ
る。
【0040】請求項21に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項16又は請求項18又は請求項20に記載
の第1のピーク電流P1を設定する信号を出力する回路
が、第1のピーク電流設定信号Ip1を出力する第1のピ
ーク電流設定回路IP1であり、第2番目以降のピーク
電流P2を設定する信号を出力する回路が、第2番目以
降のピーク電流設定信号Ip2を出力する第2番目以降の
ピーク電流設定回路IP2であるスプレー移行溶接用交
流パルスミグ溶接装置である。
【0041】請求項22に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項18に記載の第1のピーク電流P1を設定
する信号を出力する回路が、第1のピーク電流幅設定信
号Tp1を出力する第1のピーク電流幅設定回路TP1で
あり、第2番目以降のピーク電流P2を設定する信号を
出力する回路が、第2番目以降のピーク電流幅設定信号
Tp2を出力する第2番目以降のピーク電流幅設定回路T
P2であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置
である。
【0042】請求項23に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項18に記載の第1のピーク電流P1を設定
する信号を出力する回路が、第1のピーク電流設定信号
Ip1及び第1のピーク電流幅設定信号Tp1を出力する第
1のピーク電流設定回路IP1及び第1のピーク電流幅
設定回路TP1であり、第2番目以降のピーク電流P2
を設定する信号を出力する回路が、第2番目以降のピー
ク電流設定信号Ip2及び第2番目以降のピーク電流幅設
定信号Tp2を出力する第2番目以降のピーク電流設定回
路IP2及び第2番目以降のピーク電流幅設定回路TP
2であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置で
ある。
【0043】請求項24に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項16又は請求項18又は請求項20に記載
の第1のピーク電流P1を設定する信号を出力する回路
が、第1のピーク電流設定信号Ip1を出力する第1のピ
ーク電流設定回路IP1であり、第2番目以降のピーク
電流P2を設定する信号を出力する回路が、第2番目以
降のピーク電流設定信号Ip2を出力する第2番目以降の
ピーク電流設定回路IP2であり、さらに、正極性電流
を設定する正極性電流設定信号Ienを出力する正極性電
流設定回路IENが、正極性電流設定信号Ien1を出力
する第1の正極性電流設定回路IEN1及び正極性電流
設定信号Ien2を出力する第2番目以降の正極性電流設
定回路IEN2であるスプレー移行溶接用交流パルスミ
グ溶接装置である。
【0044】請求項25に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項18に記載の第1のピーク電流P1を設定
する信号を出力する回路が、第1のピーク電流幅設定信
号Tp1を出力する第1のピーク電流幅設定回路TP1で
あり、第2番目以降のピーク電流P2を設定する信号を
出力する回路が、第2番目以降のピーク電流幅設定信号
Tp2を出力する第2番目以降のピーク電流幅設定回路T
P2であり、さらに、正極性電流を設定する正極性電流
設定信号Ienを設定する正極性電流設定回路IENが、
正極性電流設定信号Ien1を出力する第1の正極性電流
設定回路IEN1及び正極性電流設定信号Ien2を出力
する第2番目以降の正極性電流設定回路IEN2である
スプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置である。
【0045】請求項26に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項18に記載の第1のピーク電流P1を設定
する信号を出力する回路が、第1のピーク電流設定信号
Ip1及び第1のピーク電流幅設定信号Tp1を出力する第
1のピーク電流設定回路IP1及び第1のピーク電流幅
設定回路TP1であり、第2番目以降のピーク電流P2
を設定する信号を出力する回路が、第2番目以降のピー
ク電流設定信号Ip2及び第2番目以降のピーク電流幅設
定信号Tp2を出力する第2番目以降のピーク電流設定回
路IP2及び第2番目以降のピーク電流幅設定回路TP
2であり、さらに、正極性電流を設定する正極性電流設
定信号Ienを出力する正極性電流設定回路IENが、正
極性電流設定信号Ien1を出力する第1の正極性電流設
定回路IEN1及び正極性電流設定信号Ien2を出力す
る第2番目以降の正極性電流設定回路IEN2であるス
プレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置である。
【0046】請求項27に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項16又は請求項18又は請求項20に記載
の第1のピーク電流P1を設定する信号を出力する回路
が、第1のピーク電流設定信号Ip1を出力する第1のピ
ーク電流設定回路IP1であり、第2番目以降のピーク
電流P2を設定する信号を出力する回路が、第2番目以
降のピーク電流設定信号Ip2を出力する第2番目以降の
ピーク電流設定回路IP2であり、さらに、ピーク電流
通電周期Dを設定する回路が、1パルス1溶滴移行又は
複数パルス1溶滴移行となる値に設定する第1のピーク
電流通電周期D1及び第2番目以降のピーク電流通電周
期D2を設定する回路であるスプレー移行溶接用交流パ
ルスミグ溶接装置である。
【0047】請求項28に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項18に記載の第1のピーク電流P1を設定
する信号を出力する回路が、第1のピーク電流幅設定信
号Tp1を出力する第1のピーク電流幅設定回路TP1で
あり、第2番目以降のピーク電流P2を設定する信号を
出力する回路が、第2番目以降のピーク電流幅設定信号
Tp2を出力する第2番目以降のピーク電流幅設定回路T
P2であり、さらに、ピーク電流通電周期Dを設定する
回路が、1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行
となる値に設定する第1のピーク電流通電周期D1及び
第2番目以降のピーク電流通電周期D2を設定する回路
であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置であ
る。
【0048】請求項29に記載の溶接装置は、請求項1
4又は請求項18に記載の第1のピーク電流P1を設定
する信号を出力する回路が、第1のピーク電流設定信号
Ip1及び第1のピーク電流幅設定信号Tp1を出力する第
1のピーク電流設定回路IP1及び第1のピーク電流幅
設定回路TP1であり、第2番目以降のピーク電流P2
を設定する信号を出力する回路が、第2番目以降のピー
ク電流設定信号Ip2及び第2番目以降のピーク電流幅設
定信号Tp2を出力する第2番目以降のピーク電流設定回
路IP2及び第2番目以降のピーク電流幅設定回路TP
2であり、さらに、ピーク電流通電周期Dを設定する回
路が、1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行と
なる値に設定する第1のピーク電流通電周期D1及び第
2番目以降のピーク電流通電周期D2を設定する回路で
あるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置であ
る。
【0049】請求項30に記載の溶接装置は、請求項2
7又は請求項28又は請求項29に記載の第1のピーク
電流通電周期D1が、第1の正極性電流通電時間設定信
号Ten1を設定する第1の正極性電流通電時間設定回路
TEN1であり、第2番目以降のピーク電流通電周期D
2を設定する回路が、第2番目以降の正極性電流通電時
間設定信号Ten2を設定する第2番目以降の正極性電流
通電時間設定回路TEN2であるスプレー移行溶接用交
流パルスミグ溶接装置である。
【0050】請求項31に記載の溶接装置は、請求項2
7又は請求項28又は請求項29に記載の第1のピーク
電流通電周期D1が、第1のベース電流時間設定信号T
b1を設定する第1のベース電流設定時間回路TB1であ
り、第2番目以降のピーク電流通電周期D2を設定する
回路が、第2番目以降のベース電流時間設定信号Tbを
設定する第2番目以降のピーク電流設定時間回路TB2
であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置であ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、図6乃至図12を参照し
て、本発明の交流パルスミグ溶接方法についての作用を
説明する。
【0052】(図6の説明)図6は、本発明の溶接方法
において、見かけのアーク長Lr又はLtを変化させた
ときのアーク3の広がりの変化を示す説明図である。同
図において、アーク3は、給電チップ4の給電チップ先
端4aから送給される消耗電極1のワイヤ先端1a又は
1bと被溶接材2との間に広がっている。
【0053】アルミニウムのアーク溶接においては、被
溶接材が陰極になる極性のときに、アークは消耗電極の
先端付近から被溶接材2のアルミニウム材の酸化皮膜の
ある部分に飛びやすいために、実際のアーク長L1又は
L2は、ワイヤ先端1aと被溶接材2との表面との最短
距離である見かけのアーク長Lr又はLtよりも大にな
る。
【0054】ワイヤの突き出し長がLnのとき、見かけ
のアーク長はLrであるが、実際のアーク長は最大L21
まで長くなり、次に、ワイヤ突き出し長がLmになる
と、見かけのアーク長はLtであって、実際のアーク長
はL11になる。このように、アルミニウムにおいては、
酸化皮膜にアークが飛びやすいことと、アルミニウムが
低融点で冷却速度がきわめて速いことによって、見かけ
のアーク長をLrとLtとの間で周期的に変化させるこ
とによって、実際のアーク長の変化にともなって溶融池
の大きさを直接的に変化させることができるので、本発
明の交流パルスミグ溶接方法では、ティグフィラアーク
溶接方法と同様に、明確な波形状の「うろこ状ビード」
外観を得ることができる。なお、図6において、第1の
溶接条件設定値と第2の溶接条件設定値とのワイヤ突き
出し長の変化値又は見かけのアーク長の変化値LeはL
e=Lr−Lt=Lm−Lnとなる。
【0055】(図7の説明)図7(A)及び(B)は、
本発明の交流パルスミグ溶接方法に適用する正極性パル
ス電流IPSと逆極性パルス電流IPRとから成る交流
パルス電流ACPと逆極性直流電流DCRとを、切換周
期T1+T2で切り換えて通電する溶接電流の説明図で
ある。同図(A)及び(B)において、逆極性直流電流
DCRは、溶融球が離脱することができない電流値に設
定しておき、交流パルス電流ACPのベース電流値I
b、ピーク電流値Ip、ピーク電流通電周期D及びピー
ク電流通電時間Tpは、各ピーク電流に同期してワイヤ
先端から溶滴が移行する値に設定する。
【0056】図7(A)は、交流パルス電流ACPと逆
極性直流電流DCRとを、切換周期T1+T2で切り換
えて通電する溶接電流である。交流パルス電流ACP
は、正極性電流値Ien及び正極性電流通電時間Tenから
定まる正極性パルス電流IPSと、ピーク電流値Ipで
ピーク電流通電時間Tpのピーク電流P、P、…P及び
ベース電流値Ibでベース電流時間設定信号Tbから定
まるベース電流から成る逆極性パルス電流IPRとを、
ピーク電流通電周期Dで交流パルス電流通電期間T1だ
け繰り返す。逆極性直流電流DCRは、電流値の逆極性
直流電流Iepを逆極性直流電流通電期間T2だけ通電す
る。上記の交流パルス電流通電期間T1及び逆極性直流
電流通電期間T2は、図7(B)に示すように、切換周
期T1+T2、例えば1[Hz]から15[Hz]まで
の低周波で切り換える。このときの交流パルス電流AC
Pのピーク電流値Ip及びピーク電流通電時間Tpは、
いずれも後述する図8で示される範囲内で設定される。
【0057】(図8の説明)図8は、直径1.2[mm]
のアルミニウム合金ワイヤA5183及びアルゴン10
0%のシールドガスを用いて、溶接電流平均値100
[A]でアーク長を3[mm]にした交流ミグアーク溶接
において、正極性電流値Ienを50[A]とし、正極性
期間の通電時間Tenを2[ms]としたときのピーク電流
通電時間Tp[ms](横軸)とピーク電流値Ip[A]
(縦軸)との関係において、ピーク電流に同期して溶滴
が移行する範囲を示した図である。同図において、1パ
ルス1溶滴移行の範囲は、図面内の斜線で示した1P1
Dで示す範囲内である。
【0058】図8において、1パルス1溶滴移行の範囲
1P1Dよりもピーク電流値Ip又はピーク電流通電時
間Tp又はその両者を減少させると、複数のピーク電流
の内1つのピーク電流と溶滴移行とが同期する複数パル
ス1溶滴移行の状態が発生している。この複数パルス1
溶滴移行範囲nP1Dにおいては、スパッタの発生が無
いので1パルス1溶滴移行範囲1P1Dと同様に実用範
囲である。
【0059】上記に対して、ピーク電流値Ip又はピー
ク電流通電時間Tp又はその両者を複数パルス1溶滴移
行範囲nP1Dよりも減少させると、短絡が発生し始
め、ピーク電流値Ipと溶滴移行とが同期しなくなり、
短絡によってスパッタが発生する。したがって、この短
絡移行範囲DPRは、ティグフィラアーク溶接のような
「うろこ状ビード」を得ることができない。
【0060】次に、図8において、ピーク電流値Ip及
びピーク電流通電時間Tpを、同図の斜線の1パルス1
溶滴移行1P1Dの範囲よりも増加させてアーク長を長
くすると、ある時点のピーク電流と次のピーク電流とを
繰り返すピーク電流通電周期Dの間に、複数の溶滴が移
行する。これらの溶滴移行は、ピーク電流に同期する1
パルス複数溶滴移行範囲1PnDとなる。
【0061】この範囲よりもさらに、ピーク電流値Ip
及びピーク電流通電時間Tpが大になると、ワイヤ先端
の溶融金属が糸状に細く伸びて、溶滴移行がピーク電流
の通電時間と同期しないストリーミング移行範囲STR
となる。この範囲STRにおいては、ワイヤ突き出し長
の変動又はワイヤ送給速度の変動に対してアーク長が即
時に追従することができないために、短絡が発生してス
パッタが発生する。
【0062】(図9の説明)図9は、直径1.2[mm]
のアルミニウム合金ワイヤA5183及びアルゴン10
0%のシールドガスを用いて、溶接電流平均値100
[A]でアーク長を3[mm]にして交流ミグアーク溶接
をしたとき、図8から得られた1P1D範囲内のピーク
電流値Ip=320[A]、ピーク電流通電時間Tp=
1.4[ms]としたとき、正極性電流通電時間Ten[m
s](横軸)と正極性電流値Ien[A](縦軸)との関
係において、ピーク電流に同期して溶滴が移行する範囲
を示す図である。
【0063】同図において、ピーク電流に同期して溶滴
が移行する範囲内では、溶滴移行に寄与することができ
ない交流パルス電流ACPの正極性電流値Ien及び正極
性電流通電時間Tenに略無関係にパルスに同期した溶滴
移行を形成する。
【0064】(図10の説明)図10(A)及び(B)
は、それぞれ本発明の溶接方法の溶接電流波形を示す図
及び溶滴移行の時間的経過を示す図である。図10
(A)は、図7(A)と同じ関係図であって、交流パル
ス電流通電期間T1のピーク電流値Ip、ピーク電流通
電時間Tp、正極性電流値Ien、正極性電流通電時間T
en及びピーク電流通電周期D及び逆極性直流電流値Iep
及び逆極性直流電流通電期間T2を示す。図10(B)
は、交流パルス電流ACP及び逆極性直流電流DCRの
時間経過の各位置t1乃至t10と消耗電極の先端から
被溶接材に移行する溶滴移行状態との関係を示す。
【0065】同図(A)及び(B)の時間t1からt5
までに対応して、消耗電極の先端が溶融し溶融球が形成
され、溶融球が電極から離脱して被溶接材に移行するこ
とによって、交流パルス電流通電期間T1の各ピーク電
流ごとに溶滴移行が行われる。 次に、逆極性直流電流
通電期間T2は、ワイヤ送給速度とワイヤ溶融量とがバ
ランスするが溶滴が移行しない電流値であるので、ワイ
ヤ先端の溶融球は時間t6乃至t8に示すように、時間
の経過とともに大きく成長し、ワイヤ先端から被溶接材
との間の見かけのアーク長に相当する距離は、交流パル
ス電流通電期間T1の見かけのアーク長よりも短くな
る。
【0066】さらに、逆極性直流電流通電期間T2から
交流パルス電流通電期間T1に切換わると、時間t9で
示したように、逆極性直流電流通電期間T2に成長した
溶融球は、ピーク電流Pで発生した電磁ピンチ力によっ
てワイヤ先端上方の溶融球の付け根である非溶融ワイヤ
部との境界でくびれを発生し、ワイヤ先端から離脱して
時間t10に示すように溶滴が移行する。この作用は、
前述した図8に示すように、溶滴移行前の溶融球の大き
さとは無関係であって、ワイヤ径とワイヤ材質によっ
て、ピーク電流に同期した溶滴移行を形成するピーク電
流値Ipとピーク電流通電時間Tpとから定まる。
【0067】したがって、本発明の溶接方法において、
逆極性直流電流通電期間T2は、溶滴移行をさせない
で、短いアーク長のアーク入熱によって被溶接材を溶融
し、アーク長が長くなる交流パルス電流通電期間T1
は、正極性電流Ienによって溶滴の保有熱量を抑えなが
ら溶滴移行を形成するので、被溶接材へ投入される入熱
を低くしながら周期的にアーク長及びワイヤ溶着量を切
り換えて、極薄板のアルミニウムのミグ溶接であって
も、ティグフィラアーク溶接で得られるような「うろこ
状ビード」を実現することができる。
【0068】(図11の説明)図11(A)及び(B)
は、図7に示す溶接方法において、ピーク電流Pを第1
のピーク電流P1と第2番目以降のピーク電流P2とに
分離して、第1のピーク電流P1と第2番目以降のピー
ク電流P2とのピーク電流値、ピーク電流通電時間及び
ピーク電流通電周期を切り換えた溶接電流波形図であ
る。
【0069】図11(A)及び(B)は、本発明の交流
パルスミグ溶接方法に適用する正極性パルス電流IPS
と逆極性パルス電流IPRとから成る交流パルス電流A
CPと逆極性直流電流DCRとを、切換周期T1+T2
で切り換えて通電する溶接電流の説明図である。同図
(A)及び(B)において、逆極性直流電流DCRは、
溶融球が離脱することができない電流値に設定してお
き、交流パルス電流ACPのベース電流値Ib、ピーク
電流値Ip、ピーク電流通電周期D及びピーク電流通電
時間Tpは、各ピーク電流に同期してワイヤ先端から溶
滴が移行する値に設定する。
【0070】上記の図11の交流パルス電流ACPは、
第1のピーク電流P1と第2番目以降のピーク電流P2
とから形成される。この第1のピーク電流P1が、第1
のピーク電流値Ip1で第1のピーク電流通電時間Tp1の
第1のピーク電流P1及びベース電流値Ibでベース電
流通電時間Tbから定まるベース電流から成る逆極性パ
ルス電流IPRと第1のピーク電流P1が、第1のピー
ク電流値Ien1 及び第1のピーク電流通電時間Ten1 か
ら定まる正極性パルス電流IPSとから形成される。ま
た、第2番目以降のピーク電流P2が、第2番目以降の
ピーク電流値Ip2で第2番目以降のピーク電流通電時間
Tp2の第2番目以降のピーク電流P2及びベース電流値
Ibでベース電流通電時間Tbから定まるベース電流か
ら成る逆極性パルス電流IPRと第2番目以降のピーク
電流P2が、第2番目以降のピーク電流値Ien2で第2
番目以降のピーク電流通電時間Ten2から定まる正極性
パルス電流IPSからとから形成される。
【0071】第1のピーク電流P1と第2番目のピーク
電流P2との期間は、ピーク電流通電周期D1であり、
第2番目以降のピーク電流P2,P2,…の各時間は、
ピーク電流通電周期D2である。交流パルス電流ACP
の1回の通電期間は、ピーク電流通電周期D1とピーク
電流通電周期D2,D2,…とから成る交流パルス電流
通電期間T1である。逆極性直流電流DCRの通電期間
は、電流値Iepの逆極性直流電流から成る逆極性直流電
流通電期間T2である。
【0072】上記の交流パルス電流通電期間T1及び逆
極性直流電流通電期間T2は、図11(B)に示すよう
に、切換周期T1+T2、例えば1[Hz]から15
[Hz]までの低周波で切り換える。このときの交流パ
ルス電流ACPの第1のピーク電流値Ip1、第2番目以
降のピーク電流値Ip2、第1のピーク電流通電時間Tp
1、第2番目以降のピーク電流通電時間Tp2は、いずれ
も後述する図12で示される範囲内で設定される。な
お、同図において第1のピーク電流値Ip1及び第1のピ
ーク電流通電時間Tp1は、第2番目以降のピーク電流値
Ip2及び第2番目以降のピーク電流通電時間Tp2よりも
高い値に設定したが、第1のピーク電流値Ip1が第2番
目以降のピーク電流値Ip2よりも高く設定するか、又は
第1のピーク電流通電時間Tp1が第2番目以降のピーク
電流通電時間Tp2よりも高く設定するかのいずれか一方
だけでもよい。
【0073】前述した図7のように、各ピーク電流Pに
よって1パルス1溶滴移行、特に複数パルス1溶滴移行
させるように、ピーク電流値Ip、ピーク電流通電周期
D、ピーク電流通電時間Tp及びベース電流値Ibを切
り換えなしで設定しておくと、逆極性直流電流DCRに
よって形成された溶融球が、逆極性直流電流DCR直後
のピーク電流Pの初期で移行し、このピーク電流Pの残
りの期間でさらに溶融球が追加形成されて残留溶融球と
なり、このピーク電流P以後のピーク電流に同期して正
確に1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行が行
われないことがある。
【0074】そこで、図11に示すように、請求項4の
構成においては、第1のピーク電流値Ip1と第2番目以
降のピーク電流値Ip2とを切り換えることによって、逆
極性直流電流DCR直後の第1のピーク電流通電時間T
p1に追加形成された残留溶融球を1パルス複数溶滴移行
させ、続いて、第2番目以降のピーク電流P2に同期し
て1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行させる
ことができる。また、請求項7又は請求項10の構成に
おいては、第2番目以降のピーク電流値Ip2、ピーク電
流通電時間Tp2及びベース電流値Ibから成る逆極性パ
ルス電流IPRとベース電流通電時間Tb又は正極性電
流通電時間Tenによって増減させるピーク電流通電周期
Dとを、1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行
が行われるように設定する。
【0075】しかし、第1番目のピーク電流P1と第2
番目のピーク電流P2との間においては、第1番目のピ
ーク電流P1が逆極性直流電流DCRの逆極性直流電流
値Iep及び逆極性直流電流通電期間T2の影響を受ける
ために、第2番目のピーク電流値P2及びこの第2番目
のピーク電流P2に続くピーク電流P2が1パルス1溶
滴移行又は複数パルス1溶滴移行が行われないことがあ
る。
【0076】そこで、さらに、第1のピーク電流値Ip1
と第2番目以降のピーク電流値Ip2との切り換えに加え
て、第1のピーク電流通電周期D1と第2番目以降のピ
ーク電流通電周期D2とを切り換えることによって、第
2番目のピーク電流値P2も、正確に1パルス1溶滴移
行又は複数パルス1溶滴移行を行わせることができる。
この第1のピーク電流通電周期D1と第2番目以降のピ
ーク電流通電周期D2との切り換えは、図7に示すベー
ス電流時間設定信号Tbを第1のベース電流時間設定信
号Tb1と第2番目以降のベース電流時間設定信号Tb2と
の切り換え又は正極性電流通電時間設定信号Tenを第1
の正極性電流通電時間設定信号Ten1と第2番目以降の
正極性電流通電時間設定信号Ten2との切り換えによっ
て行う。
【0077】また、第1のピーク電流値Ip1と第2番目
以降のピーク電流値Ip2との切り換えに加えて、第1の
正極性電流設定信号Ien1と第2番目以降の正極性電流
設定信号Ien2とを切り換えることによって、第2番目
のピーク電流値P2も、正確に1パルス1溶滴移行又は
複数パルス1溶滴移行を行わせることができる。この第
2番目以降の正極性電流設定信号Ien2を第1の正極性
電流設定信号Ien1よりも大に設定することによって、
溶融球を十分に形成させてから、第2番目のピーク電流
値P2も、正確に1パルス1溶滴移行又は複数パルス1
溶滴移行を行わせることができる。
【0078】2以上の設定信号を大から小になる方向に
切り換える場合は、次のとおりである。第1のピーク電
流P1から第2番目以降のピーク電流P2に切り換える
方法として、ピーク電流設定信号Ipとピーク電流幅設
定信号Tpとの両方を大から小になる方向に切り換え
て、逆極性直流電流DCR直後の第1のピーク電流Pに
よって追加形成された残留溶融球を、1パルス複数溶滴
移行させる。この移行によって、このピーク電流P以後
のピーク電流に同期して正確に1パルス1溶滴移行又は
複数パルス1溶滴移を行わせることができる。
【0079】上記の場合、第2番目以降のピーク電流通
電時間Tp2が第1のピーク電流通電時間Tp1よりも大で
あるために、第2番目以降のピーク電流通電時間Tp2に
よって溶融球が追加形成されるので、第2番目以降のピ
ーク電流通電周期D2を第1のピーク電流通電周期D1
よりも小に設定するか、第2番目以降の正極性電流設定
信号Ien2を第1の正極性電流設定信号Ien1よりも小
に設定することによって、次の第2番目以降のピーク電
流P2までに過大な溶融球の形成を抑制することができ
る。
【0080】次に、他方の設定信号を小から大になる方
向に切り換える場合は、次のとおりである。 (1)第1のピーク電流設定信号Ip1を第2番目以降の
ピーク電流設定信号Ip2よりも大にして残留溶融球を移
行させる。同時に、第1のピーク電流幅設定信号Tp1を
第2番目以降のピーク電流幅設定信号Tp2よりも小に設
定して、第1のピーク電流P1による残留溶融球の形成
を抑制する。続いて、第2番目以降のピーク電流幅設定
信号Tp2を大に設定するか、第2番目以降の正極性電流
設定信号Ien2を大に設定して、溶融球を確実に形成さ
せて正確に1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移
行を行わせることができる。
【0081】(2)上記の第1のピーク電流設定信号I
p1を大に設定して第1のピーク電流幅設定信号Tp1を小
にした場合、第1のピーク電流設定信号Ip1が大である
ので、逆極性直流電流DCRによって形成された溶融球
を確実に移行させることができるが、第1のピーク電流
幅設定信号Tp1を小に設定しているために、第2番目の
ピーク電流P2までの溶融球の形成が不十分になって、
第2番目のピーク電流P2に同期して溶融球が移行しな
い場合が生じる。そこで、第1のピーク電流P1から第
2番目のピーク電流P2までの第1のピーク電流通電周
期D1を小に設定するか、第2番目以降の正極性電流設
定信号Ien2を大に設定して、第2番目のピーク電流P
2までの溶融球が十分に形成されて、第2番目のピーク
電流P2に同期して溶滴を移行させる。
【0082】(図12の説明)図12は、直径1.2
[mm]のアルミニウム合金ワイヤA5183及びアルゴ
ン100%のシールドガスを用いて、溶接電流平均値1
00[A]でアーク長を3[mm]にした交流ミグアーク
溶接において、正極性電流値Ienを50[A]とし、正
極性期間の通電時間Tenを2[ms]としたときの第1の
ピーク電流通電時間Tp1[ms](横軸)と第1のピーク
電流値Ip1[A](縦軸)との関係において、移行をと
もなわない逆極性電流の期間T2を変化させたときに、
同期間によって形成された溶融球が移行する範囲を示し
た図である。
【0083】同図において、逆極性直流電流通電期間T
2を変化させたときに第1のピーク電流によって同期間
に形成された溶融球が移行する範囲は、図8に示される
ピーク電流の溶滴移行の範囲にほぼ対応しており、例え
ば、逆極性直流電流通電期間T2が0.5秒を越える場
合には1PnDに相当する範囲で溶融球はワイヤより離
脱することができる 逆極性直流電流通電期間T2が0.5秒以下の場合には
1P1Dに相当する範囲で溶融球はワイヤより離脱する
ことができる 複数パルス1溶滴移行範囲nP1Dにおいては、スパッ
タの発生が無いので1パルス1溶滴移行範囲1P1Dと
同様に実用範囲である。
【0084】しかし、同図のストリーミング移行範囲S
TRで示される範囲においては、過大なピーク電流によ
って溶融球の保有熱量が過大となり、ワイヤから離脱と
同時に溶融球が爆発してビード外観を損ねる また、短絡移行範囲DPRで示される範囲においては、
逆極性直流電流電通期間T2によって形成された溶融球
の離脱ができず母材への短絡が生じスパッタが発生す
る。
【0085】
【実施例】
(方法実施例1…図13の説明)図13は、図10
(A)に示す溶接電流を通電した本発明を実施したビー
ド外観を示す図である。同図の溶接条件は、ピーク電流
値がIp=320[A]、ピーク電流通電時間Tp=
1.4[ms]、ベース電流Ib=50[A]及び正極性
電流値Ien=50[A]及び正極性電流通電時間Ten=
1[ms]の交流パルス電流ACPと、逆極性直流電流通
電期間T2の逆極性直流電流値Iep=50[A]の逆極
性直流電流DCRとを、切換周波数F=2.5[Hz]
で切り換えている。同図に示すビード外観は、図1に示
す従来のティグフィラアーク溶接方法と同様に、規則正
しい波形状の「うろこ状ビード」外観になっている。
【0086】(方法実施例2…図14の説明)図14
は、薄板のアルミニウムマグネシウム合金A5052の
突き合わせ溶接において、突き合わせ面に隙間Gapが
あり、その隙間を0から1.5[mm]まで変化させると
ともに、アルミニウムの板厚も変化させたときに溶け落
ちが無く、溶接が可能な範囲(斜線の範囲)を示す図で
あって、縦軸が隙間Gap[mm]を示し、横軸が板厚
[mm]を示す。同図の溶接条件は、実施例1と同じ電流
波形の条件であり、そのときの溶接電流の平均値Iaは
50[A]乃至80[A]であり、アーク電圧の平均値
Vaは15[V]乃至18[V]である。
【0087】同図において、△印及び破線は、従来技術
の低周波パルスミグアーク溶接方法において溶接可能な
隙間Gapの上限及び板厚の下限を示し、〇印及び実線
は、本発明の交流パルスミグ溶接方法において溶接可能
な隙間Gapの上限及び板厚の下限を示す。同図に示す
ように、本発明の交流パルスミグ溶接方法においては、
溶接が可能な最小板厚は、0.5[mm]であるのに対
し、従来技術では1[mm]である。また、溶接可能な最
大の隙間Gapは、本発明では板厚1[mm]の突き合わ
せで1.5[mm]であるのに対し、従来技術では0.5
[mm]以下である。
【0088】(装置の実施例1…図15の説明)図15
は、図7に示す本発明の溶接方法を実施する溶接装置の
実施例のブロック図であって、アーク電圧を入力してパ
ルス周波数を制御するパルス周波数制御方式の溶接装置
の実施例のブロック図である。図15において、商用電
源ACを入力として、溶接出力制御回路PS1及び極性
切換回路PS2から消耗電極1の給電チップ4と被溶接
材2との間に出力を供給してアークを発生させる。消耗
電極1は、ワイヤ送給モータWMにより回転するワイヤ
送給ローラWRによって供給される。ワイヤ送給制御回
路WCは、溶接電流設定信号Imとワイヤ送給モータW
Mの回転速度を検出するワイヤ送給速度検出回路WDの
送給速度検出信号Wdとを比較するワイヤ送給速度比較
回路CM1のワイヤ送給速度制御信号Cm1を入力とし
て、ワイヤ送給モータWMにワイヤ送給制御信号Wcを
出力する。
【0089】アーク電圧設定回路VSは、アーク電圧を
設定する回路であってアーク電圧設定信号Vsを出力す
る。アーク電圧比較回路CM2はアーク電圧設定信号V
sとアーク電圧検出回路VDのアーク電圧検出信号Vd
とを入力してその差のアーク電圧制御信号Cm2を出力す
る。通電期間切換周波数回路FTは、交流パルス電流通
電期間T1と逆極性直流電流通電期間T2とを切り換え
る通電期間切換信号Hlの切換周波数Fを設定する回路
であって、例えば、30Hz程度までの設定が適切であ
り、通電期間切換周波数信号Ftを出力する。通電比率
設定回路DTは、交流パルス電流通電期間T1と逆極性
直流電流通電期間T2との比率を設定する回路であっ
て、通電比率設定信号Dtを出力する。通電期間切換信
号発生回路HLは、後述する正極性電流通電制御信号D
f2と通電期間切換周波数信号Ftと通電比率設定信号D
tとを入力して、交流パルス電流通電期間T1と逆極性
直流電流通電期間T2とを周期的に切り換えるための通
電期間切換信号Hlを出力する。
【0090】パルス周波数制御回路VFは、通電期間切
換信号Hlとアーク電圧制御信号Cm2とに対応して、パ
ルス周波数制御信号Vfを出力する。ピーク電流幅周波
数信号発生回路DF1は、ピーク電流幅設定信号Tpと
パルス周波数制御信号Vfとからなるピーク電流幅周波
数制御信号Df1を出力する。正極性電流通電時間設定回
路TENは、正極性電流通電時間を設定する正極性電流
通電時間設定信号Tenを出力する。正極性電流通電制御
信号発生回路DF2は、正極性電流通電時間設定信号T
enとピーク電流幅周波数制御信号Df1とからなる正極性
電流通電制御信号Df2を出力する。
【0091】正極性電流設定回路IENは、正極性電流
を設定する正極性電流設定信号Ienを出力する。ベース
電流設定回路IBは、ベース電流を設定するベース電流
設定信号Ibを出力する。正極性ピーク・ベース切換回
路SW1は、正極性電流設定信号Ienとベース電流設定
信号Ibとを正極性電流通電制御信号Df2によって切り
換えて正極性ピーク・ベース切換信号Sw1を出力する。
ピーク電流設定回路IPは、ピーク電流を設定するピー
ク電流設定信号Ipを出力する。
【0092】正逆極性ピーク切換回路SW2は、逆極性
のピーク電流設定信号Ipと正極性ピーク・ベース切換
信号SW1とをピーク電流幅周波数制御信号Df1によって
切り換えて正逆極性ピーク切換信号Sw2を出力する。極
性判別制御回路PJは、正極性電流通電制御信号Df2を
入力して、ベース電流設定信号Ib及びピーク電流設定
信号Ip及び逆極性直流電流設定信号Iepと正極性電流
設定信号Ienとの極性を切り換える極性制御信号Pjを
極性切換回路PS2に出力する。
【0093】直流電流・交流パルス切換回路SW3は、
逆極性直流電流通電期間T2に逆極性直流電流設定信号
Iepを入力して直流電流制御信号Pf1を出力し、次に交
流パルス電流通電期間T1に正逆極性ピーク切換信号S
w2を入力して交流パルス制御信号Pf2を溶接出力制御回
路PS1に出力する。
【0094】図16は、本発明の溶接方法を実施する図
15の溶接装置の正極性パルス電流IPSと逆極性パル
ス電流IPRとから成る交流パルス電流ACPと逆極性
直流電流DCRに関係する信号の波形図である。
【0095】同図において、同図(A)は、パルス周波
数制御信号Vfの波形図であり、ピーク電流通電周期D
ごとに信号を出力する。同図(B)はピーク電流幅周波
数制御信号Df1の波形図であり、ピーク電流通電周期D
ごとにピーク電流通電時間Tpだけ信号を出力する。同
図(C)は正極性電流通電制御信号Df2の波形図であ
り、ピーク電流通電周期Dごとに正極性電流通電時間T
enだけ信号を出力する。同図(D)は通電期間切換信号
Hlの波形図であり、逆極性直流電流通電期間T2だけ
信号を出力する。同図(E)は、正極性ピーク・ベース
切換信号Sw1の波形図であり、ピーク電流通電周期Dご
とにベース電流設定信号Ibと正極性電流設定信号Ien
とを切り換える。
【0096】同図(F)は正逆極性ピーク切換信号Sw2
の波形図であり、ピーク電流通電周期Dごとに、ベース
電流設定信号Ib及び逆極性直流電流設定信号Iepを重
畳した正極性ピーク・ベース切換信号Sw1とピーク電流
設定信号Ipとを切り換える。同図(G)は直流電流制
御信号Pf1及び交流パルス制御信号Pf2の波形図であ
り、ベース電流設定信号Ib及び逆極性直流電流設定信
号Iep及びピーク電流設定信号Ipを重畳したピーク電
流通電周期Dの正逆極性ピーク切換信号Sw2を繰り返し
て交流パルス電流通電期間T1だけ通電し、逆極性直流
電流設定信号Iepを逆極性直流電流通電期間T2だけ通
電する。
【0097】同図(H)は同図(C)と同じ信号波形図
であって、極性制御信号Pjによって、ベース電流設定
信号Ib及び逆極性直流電流設定信号Iep及びピーク電
流設定信号Ipを重畳した正逆極性ピーク切換信号Sw2
と逆極性直流電流設定信号Iepとから成る上記の同図
(G)のうち、正極性電流設定信号Ienの極性を正逆極
性に反転させている。
【0098】(装置の実施例2…図17の説明)図17
は、図11に示す本発明の溶接方法を実施する溶接装置
の実施例のブロック図であって、アーク電圧を入力して
パルス周波数を制御するパルス周波数制御方式の溶接装
置の実施例のブロック図である。
【0099】図17は、図15に示すパルス周波数制御
方式の溶接装置の実施例のブロック図において、第1の
ピーク電流P1及び第2番目以降のピーク電流P2を設
定する回路を備え、これらの第1のピーク電流P1及び
第2番目以降のピーク電流P2の設定信号を、第1第2
ピーク電流切換信号発生回路P12から出力する第1第
2ピーク電流切換信号p12によって切換える。さらに、
第1のベース電流設定回路IB1および第2のベース電
流設定回路IB2の設定信号を第1第2ベース電流切換
信号発生回路B12から出力する第1第2ベース電流切
換信号b12によって切り換える。図17において、図1
5のブロック図と同一機能の回路及び信号は、図15と
同一の符号を付して説明を省略する。
【0100】第1第2ピーク電流切換信号発生回路P1
2は、通電期間切換え信号Hlをセット信号とし、正極
性電流通電制御信号Df2をリセット信号として、第2
番目以降のピーク電流P2の通電時に第1第2ピーク電
流切換信号p12を出力する。第1第2ベース電流切換信
号発生回路B12は、第1第2ピーク電流切換信号p12
をセット信号とし、正極性電流通電制御信号Df2をリ
セット信号として、第2番目以降のベース電流設定回路
IB2の通電時に第1第2ベース電流切換信号b12を出
力する。
【0101】ピーク電流設定信号切換回路SW4は、第
1のピーク電流設定信号Ip1と第2番目以降のピーク電
流設定信号Ip2とを、第1第2ピーク電流切換信号p12
によって切換えてピーク電流設定信号Ipを出力する。
ピーク電流通電期間切換回路SW5は、第1のピーク電
流幅設定信号Tp1と第2番目以降のピーク電流幅設定信
号Tp2とを、第1第2ピーク電流切換信号p12によって
切換えてピーク電流幅設定信号Tpを出力する。ベース
電流切換回路SW6は、第1のベース電流設定信号Ib1
と第2番目以降のベース電流設定信号Ib2とを、第1第
2ベース電流切換信号b12によって切換えてベース電流
設定信号Ibを出力する。
【0102】正極性電流設定信号切換回路SW7は、第
1の正極性電流設定信号Ien1と第2番目以降の正極性
電流設定信号Ien2とを、第1第2ピーク電流切換信号
p12によって切換えて正極性電流設定信号Ienを出力す
る。さらに、正極性電流通電時間切換回路SW8は、第
1の正極性電流通電時間設定信号Ten1と第2番目以降
の正極性電流通電時間設定信号Ten2とを、第1第2ピ
ーク電流切換信号p12によって切換えて正極性電流通電
時間設定信号Tenを出力する。
【0103】図17のブロック図において、第1第2ピ
ーク電流切換信号p12及び第1第2ベース電流切換信号
b12によって、ピーク電流設定信号Ipとピーク電流幅
設定信号Tpとベース電流設定信号Ibと正極性電流設
定信号Ienと正極性電流通電時間設定信号Tenの5つの
設定信号を切換える方式を記載したが、1つ以上の設定
信号を切り換えるようにしてもよい。また、前述した図
11の溶接電流波形を使用した溶接方法で説明したよう
に、複数の設定信号を切り換えるとき、2以上の設定信
号を大から小にする方向に切り換えてもよいし、一方の
設定信号を大から小にする方向に切り換え、他方の設定
信号を小から大にする方向に切り換えてもよい。
【0104】(装置の実施例3…図18の説明)図18
は、図7に示す本発明の溶接方法を実施する溶接装置の
実施例のブロック図であって、アーク電圧を入力してピ
ーク電流幅を制御するピーク電流幅制御方式の溶接装置
の実施例のブロック図である。
【0105】図18において、図15のブロック図と同
一機能の回路及び信号は、図15と同一の符号を付して
説明を省略する。図15の実施例では、パルス周波数制
御回路VFが、アーク電圧制御信号Cm2を入力して、パ
ルス周波数制御信号Vfを出力し、ピーク電流幅周波数
信号発生回路DF1が、ピーク電流幅設定信号Tpとパ
ルス周波数制御信号Vfとからなるピーク電流幅周波数
制御信号Df1を出力したが、図18のブロック図では、
ピーク電流幅制御回路VPがアーク電圧制御信号Cm2を
入力して、ピーク電流幅を制御するピーク電流幅制御信
号Vpを出力し、ピーク電流幅周波数信号発生回路DF
1が、ピーク電流幅制御信号Vpとパルス周波数を設定
する信号を出力するパルス周波数設定信号Fpとからな
るピーク電流幅周波数制御信号Df1を出力している。
【0106】(装置の実施例4…図19の説明)図19
は、図11に示す本発明の溶接方法を実施する溶接装置
の実施例のブロック図であって、アーク電圧を入力して
ピーク電流幅を制御するピーク電流幅制御方式の溶接装
置の実施例のブロック図である。図19は、図18に示
すピーク電流幅制御方式の溶接装置の実施例のブロック
図において、第1のピーク電流P1及び第2番目以降の
ピーク電流P2を設定する回路を備えている。
【0107】図19において、図17のブロック図と同
一機能の回路及び信号は、図17と同一の符号を付して
説明を省略する。図17の実施例では、パルス周波数制
御回路VFが、アーク電圧制御信号Cm2を入力して、パ
ルス周波数制御信号Vfを出力し、ピーク電流幅周波数
信号発生回路DF1が、ピーク電流幅設定信号Tpとパ
ルス周波数制御信号Vfとからなるピーク電流幅周波数
制御信号Df1を出力したが、図19のブロック図では、
ピーク電流幅制御回路VPがアーク電圧制御信号Cm2を
入力して、ピーク電流幅を制御するピーク電流幅制御信
号Vpを出力し、ピーク電流幅周波数信号発生回路DF
1が、ピーク電流幅制御信号Vpとパルス周波数を設定
する信号を出力する第1のパルス周波数設定信号Fp1及
び第2番目以降のパルス周波数設定信号Fp2とからなる
ピーク電流幅周波数制御信号Df1を出力している。
【0108】図19のブロック図は、図17のブロック
図の第1のピーク電流幅設定信号Tp1と第2番目以降の
ピーク電流幅設定信号Tp2とを切り換えるピーク電流通
電時間切換回路SW5の代わりに、第1のパルス周波数
設定信号Fp1を出力する第1のパルス周波数設定回路F
P1及び第2番目以降のパルス周波数設定信号Fp2を出
力する第2番目以降のパルス周波数設定回路FP2を切
り換えるパルス周波数設定切換回路SW9を使用してい
る。
【0109】図19のブロック図は、第1第2ピーク電
流切換信号p12及び第1第2ベース電流切換信号b12に
よって、ピーク電流設定信号Ipとパルス周波数設定信
号Fpとベース電流設定信号Ibと正極性電流設定信号
Ienと正極性電流通電時間設定信号Tenとの5つの設定
信号を切換える方式を記載したが、1つ以上の設定信号
を切り換えるようにしてもよい。
【0110】
【発明の効果】本発明の交流パルスミグアーク溶接方法
は、溶滴を移行させない逆極性直流電流通電期間T2と
溶滴の保有熱量を低く抑制しながら溶滴を移行させるス
プレー移行の交流パルス電流通電期間T1とを周期的に
切り換えることによって、従来技術よりも低入熱でアー
ク長を変化させ、板厚が1[mm]以下のアルミニウムで
あっても溶け落ちなどの溶接不良が発生することなく、
「うろこ状ビード」外観となる溶接ができる。
【0111】請求項2の効果は、請求項1の効果に加え
て、1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移を行わ
せることができる。
【0112】請求項3乃至請求項5の効果は、請求項2
の効果に加えて、下記のとおりである。図11に示すよ
うに、第1のピーク電流P1と第2番目以降のピーク電
流P2とを切り換えることによって、1パルス複数溶滴
移行をさせて、逆極性直流電流DCR直後のピーク電流
Pによって追加形成された残留溶融球を移行させる。こ
の残留溶融球の移行によって、この残留溶融球を追加形
成されたピーク電流P以後のピーク電流に同期して正確
に1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移を行わせ
ることができる。
【0113】請求項6乃至請求項9の効果は、請求項3
の効果に加えて、下記のとおりである。請求項3乃至請
求項5の構成においては、第2番目以降のピーク電流値
Ip2、ピーク電流通電時間Tp、正極性期間中の正極性
電流値Ien、ピーク電流通電周期D及びベース電流値I
bを、1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行が
行われるように設定することができる。しかし、第1番
目のピーク電流P1と第2番目のピーク電流P2との間
においては、第1番目のピーク電流P1が逆極性直流電
流DCRの逆極性直流電流値Iep及び逆極性直流電流通
電期間T2の影響を受けるために、第2番目のピーク電
流値P2及びこの第2番目のピーク電流P2に続くピー
ク電流P2が1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴
移行が行われないことがある。そこで、請求項6の構成
においては、第1のピーク電流P1の第1のピーク電流
値Ip1を、第2番目以降のピーク電流P2の第2番目以
降のピーク電流値Ip2よりも大に設定するとともに、ピ
ーク電流通電時間Tpを、第1のピーク電流P1の第1
のピーク電流通電時間Tp1から第2番目以降のピーク電
流P2の第2番目以降のピーク電流通電時間Tp2に切り
換えることによって、第2番目のピーク電流値P2も、
正確に1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行を
行わせることができる。さらに、請求項7乃至請求項9
の構成においては、交流パルス電流ACPの正極性期間
中の第1の正極性電流値Ien1と第2番目以降の正極性
電流値Ien2とを切り換えることによって、第2番目の
ピーク電流値P2も、正確に1パルス1溶滴移行又は複
数パルス1溶滴移行を行わせることができる。
【0114】請求項10乃至請求項12の効果は、請求
項3の効果に加えて、次の効果がある。請求項3の構成
においては、第2番目以降のピーク電流値Ip2、ピーク
電流通電時間Tp、交流パルス電流ACPの正極性期間
中の正極性電流値Ien、ピーク電流通電周期D及びベー
ス電流値Ibを、1パルス1溶滴移行又は複数パルス1
溶滴移行が行われるように設定することができる。しか
し、第1番目のピーク電流P1と第2番目のピーク電流
P2との間においては、第1番目のピーク電流P1が逆
極性直流電流DCRの逆極性直流電流値Iep及び逆極性
直流電流通電期間T2の影響を受けるために、第2番目
のピーク電流値P2及びこの第2番目のピーク電流P2
に続くピーク電流P2が1パルス1溶滴移行又は複数パ
ルス1溶滴移行が行われないことがある。そこで、請求
項10乃至請求項12の構成においては、第1のピーク
電流通電周期D1と第2番目以降のピーク電流通電周期
D2とを切り換えることによって、第2番目のピーク電
流値P2も、正確に1パルス1溶滴移行又は複数パルス
1溶滴移行を行わせることができる。
【0115】請求項13及び請求項15の効果は、図7
に示す溶接方法を実施する図15又は図18に示す溶接
装置の構成において、請求項2の効果がある。
【0116】請求項14及び請求項16の効果は、図7
に示す溶接方法を実施する図15又は図18に示す溶接
装置の構成の代わりに、図11に示す溶接方法を実施す
る図17又は図19に示す溶接装置の構成の選択次第
で、請求項3乃至請求項12の効果を有する。
【0117】請求項17及び請求項20の効果は、請求
項4乃至請求項12の効果に加えてアーク電圧の最小値
を小にしてアーク長を短くすることができる。
【0118】請求項21乃至請求項29の効果は、それ
ぞれ請求項4乃至請求項12の効果と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来のティグフィラアーク溶接方法に
より溶接した規則正しい波形状の「うろこ状ビード」の
外観を示す図である。
【図2】図2は、本発明者等が出願した従来技術(特開
平4−33368)の第1パルス電流群と第2パルス電
流群とを周期的に切り換えたパルスマグ溶接方法を実施
する溶接電流波形を示す図である。
【図3】図3は、従来技術(特開平5−138355)
の交流溶接電流通電期間と逆極パルス電流通電期間を交
互に繰り返す消耗電極式ガスシールドアーク溶接方法を
実施する溶接電流波形を示す図である。
【図4】図4は、正極時間比率の異なる第1交流パルス
電流と第2交流パルス電流を交互に繰り返す公知技術の
溶接電流波形を示す図である。
【図5】図5は、従来技術のミグ溶接によって溶接した
スパッタが付着した波形状が明確でない「うろこ状ビー
ド」外観を示す図である。
【図6】図6は、本発明の溶接方法において、アーク長
を変化させたときのアークの広がりの変化を示す説明図
である。
【図7】図7(A)及び(B)は、本発明の交流パルス
ミグ溶接方法に適用する正極性パルス電流IPSと逆極
性パルス電流IPRとから成る交流パルス電流ACPと
逆極性直流電流DCRとを、切換周期(T1+T2)で
切り換えて通電する溶接電流の説明図である。
【図8】図8は、直径1.2[mm]のアルミニウム合金
ワイヤを使用して、逆極性直流電流DCRと交流パルス
電流ACPとを周期的に切り換えてミグ溶接したとき、
ピーク電流通電時間Tpとピーク電流値Ipとの関係に
対する溶滴移行形態を示す説明図である。
【図9】図9は、逆極性直流電流DCRと交流パルス電
流ACPとを周期的に切り換えてミグ溶接したときの正
極性電流通電時間Ten[ms](横軸)と正極性電流値I
en[A](縦軸)との関係において、ピーク電流に同期
して溶滴が移行する範囲を示す図である。
【図10】図10(A)及び(B)は、それぞれ本発明
の溶接方法の溶接電流波形を示す図及び溶滴移行の時間
的経過を示す図である。
【図11】図11(A)及び(B)は、図7に示す溶接
方法において、ピーク電流Pを第1のピーク電流P1と
第2番目以降のピーク電流P2とに分離して、第1のピ
ーク電流P1と第2番目以降のピーク電流P2とのピー
ク電流値、ピーク電流通電時間及びピーク電流通電周期
を切り換えた溶接電流波形図である。
【図12】図12は、直径1.2[mm]のアルミニウム
合金ワイヤを使用して、逆極性直流電流DCRと交流パ
ルス電流ACPとを周期的に切り換えてミグ溶接したと
き、第1のピーク電流通電時間Tp1と第1のピーク電流
値Ip1との関係に対する溶滴移行形態を示す説明図であ
る。
【図13】図13は、本発明の溶接方法によって得られ
た規則正しい波形状の「うろこ状ビード」の外観を示す
図である。
【図14】図14は、板厚が1.5[mm]以下のアルミ
ニウム合金の突き合わせ溶接において、突き合わせ面に
隙間Gapがあり、その隙間を変化させるとともに、ア
ルミニウムの板厚も変化させたときに溶け落ちが無く、
溶接が可能な範囲(斜線の範囲)を示す図である。
【図15】図15は、図7に示す本発明の溶接方法を実
施する溶接装置の実施例のブロック図であって、アーク
電圧を入力してパルス周波数を制御するパルス周波数制
御方式の溶接装置の実施例のブロック図である。
【図16】図16は、本発明の溶接方法を実施する図1
5の溶接装置の正極性パルス電流IPSと逆極性パルス
電流IPRとから成る交流パルス電流ACPと逆極性直
流電流DCRに関係する信号の波形図である。
【図17】図17は、図11に示す本発明の溶接方法を
実施する溶接装置の実施例のブロック図であって、アー
ク電圧を入力してパルス周波数を制御するパルス周波数
制御方式の溶接装置の実施例のブロック図である。
【図18】図18は、図7に示す本発明の溶接方法を実
施する溶接装置の実施例のブロック図であって、アーク
電圧を入力してピーク電流幅を制御するピーク電流幅制
御方式の溶接装置の実施例のブロック図である。
【図19】図19は、図11に示す本発明の溶接方法を
実施する溶接装置の実施例のブロック図であって、アー
ク電圧を入力してピーク電流幅を制御するピーク電流幅
制御方式の溶接装置の実施例のブロック図である。
【符号の説明】
1a (第1の)消耗電極先端 1b (第2の)消耗電極先端 2 被溶接材 4a 給電チップ先端 AC 商用電源 ACP 交流パルス電流 B12 第1第2ベース電流切換信号発生回路 b12 第1第2ベース電流切換信号 CM1 ワイヤ送給速度比較回路 Cm1 ワイヤ送給速度制御信号 CM2 アーク電圧比較回路 Cm2 アーク電圧制御信号 D ピーク電流通電周期 D1 第1のピーク電流通電周期 D2 第2番目以降のピーク電流通電周期 DCR 逆極性直流電流 DF1 ピーク電流幅周波数信号発生回路 Df1 ピーク電流幅周波数制御信号 DF2 正極性電流通電制御信号発生回路 Df2 正極性電流通電制御信号 DT 通電比率設定回路 Dt 通電比率設定信号 F 切換周波数 FT 通電期間切換周波数回路 Ft 通電期間切換周波数信号 FP パルス周波数設定回路 FP1 第1のパルス周波数設定回路 FP2 第2番目以降のパルス周波数設定回路 Fp パルス周波数設定信号 Fp1 第1のパルス周波数設定信号 Fp2 第2番目以降のパルス周波数設定信号 HL 通電期間切換信号発生回路 Hl 通電期間切換信号 IB ベース電流設定回路 IB1 第1のベース電流設定回路 IB2 第2番目以降のベース電流設定回路 Ib ベース電流値/ベース電流設定信号 Ib1 第1のベース電流値/ベース電流設定信号 Ib2 第2番目以降のベース電流値/ベース電流設定信
号 IEN 正極性電流設定回路 IEN1 第1の正極性電流設定回路 IEN2 第2番目以降の正極性電流設定回路 Ien 正極性電流値/正極性電流設定信号 Ien1 第1の正極性電流値/正極性電流設定信号 Ien2 第2番目以降の正極性電流値/正極性電流設定
信号 Iep 逆極性直流電流値/逆極性直流電流設定信号 Im 溶接電流設定信号 IP ピーク電流設定回路 IP1 第1のピーク電流設定回路 IP2 第2番目以降のピーク電流設定回路 Ip (逆極性の)ピーク電流値/(逆極性の)ピー
ク電流設定信号 Ip1 (逆極性の)第1のピーク電流値/(逆極性
の)第1のピーク電流設定信号 Ip2 (逆極性の)第2番目以降のピーク電流値/
(逆極性の)第2番目以降のピーク電流設定信号 IPR 逆極性パルス電流 IPS 正極性パルス電流 Lm (第1の)ワイヤ突き出し長 Ln (第2の)ワイヤ突き出し長 Lr (第1の)最短距離のアーク長 Lt (第2の)最短距離のアーク長 P ピーク電流 P1 第1のピーク電流 P2 第2番目以降のピーク電流 P12 第1第2ピーク電流切換信号発生回路 p12 第1第2ピーク電流切換信号 PC1 第1パルス電流群 PC2 第2パルス電流群 Pf1 直流電流制御信号 Pf2 交流パルス制御信号 PJ 極性判別制御回路 Pj 極性制御信号 PS1 溶接出力制御回路 PS2 極性切換回路 SW1 正極性ピーク・ベース切換回路 Sw1 正極性ピーク・ベース切換信号 SW2 正逆極性ピーク切換回路 Sw2 正逆極性ピーク切換信号 SW3 直流電流・交流パルス切換回路 SW4 ピーク電流設定信号切換回路 SW5 ピーク電流通電時間切換回路 SW6 ベース電流切換回路 SW7 正極性電流設定信号切換回路 SW8 正極性電流通電時間切換回路 SW9 パルス周波数設定切換回路 T1 交流パルス電流通電期間 T2 逆極性直流電流通電期間 TEN 正極性電流通電時間設定回路 Ten 正極性電流通電時間/正極性電流通電時間設定
信号 TEN1 第1の正極性電流通電時間設定回路 Ten1 第1の正極性電流通電時間設定信号 TEN2 第2番目以降の正極性電流通電時間設定回路 Ten2 第2番目以降の正極性電流通電時間設定信号 TB1 第1のベース電流設定時間回路 TB2 第2番目以降のピーク電流設定時間回路TB2 Tb ベース電流時間設定信号 Tb1 第1のベース電流時間設定信号 Tb2 第2番目以降のベース電流時間設定信号 TP ピーク電流幅設定回路 TP1 第1のピーク電流幅設定回路 TP2 第2番目以降のピーク電流幅設定回路 Tp ピーク電流通電時間/ピーク電流幅設定信号 Tp1 第1のピーク電流通電時間/第1のピーク電流
幅設定信号 Tp2 第2番目以降のピーク電流通電時間/第2番目
以降のピーク電流幅設定信号 VP ピーク電流幅制御回路 Vp ピーク電流幅制御信号 VD アーク電圧検出回路 Vd アーク電圧検出信号 VF パルス周波数制御回路 Vf パルス周波数制御信号 VS アーク電圧設定回路 Vs アーク電圧設定信号 WC ワイヤ送給制御回路 Wc ワイヤ送給制御信号 WD ワイヤ送給速度検出回路 Wd 送給速度検出信号 WM ワイヤ送給モータ WR 送給ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/23 B23K 9/23 F

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電流とパルス電流とを周期的に切換
    えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接方
    法において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送給
    速度で送給し、溶融球を離脱させることができない値の
    逆極性直流電流と溶融球を離脱させることができる値の
    交流パルス電流とを周期的に切り換え、アーク長を変化
    させてスプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  2. 【請求項2】 直流電流とパルス電流とを周期的に切換
    えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接方
    法において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送給
    速度で送給し、逆極性直流電流を溶融球が離脱すること
    ができない範囲の電流値に設定しておき、交流パルス電
    流の逆極性期間中のピーク電流値、ピーク電流通電時
    間、ピーク電流通電周期及びベース電流値と交流パルス
    電流の正極性期間中の正極性電流値及び正極性電流通電
    時間とを、逆極性直流電流によって形成された溶融球を
    離脱させ、続いて1パルス1溶滴移行又は複数パルス1
    溶滴移行となる値に設定して、給電チップ先端と消耗電
    極先端とのワイヤ突き出し長を変化させて、消耗電極先
    端と被溶接材表面との最短距離のアーク長を周期的に切
    り換え、アーク長を変化させてスプレー移行溶接する交
    流パルスミグ溶接方法。
  3. 【請求項3】 直流電流とパルス電流とを周期的に切換
    えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接方
    法において、請求項2に記載のピーク電流値及びピーク
    電流通電時間から定まるピーク電流とベース電流とを合
    成した逆極性パルス電流と、正極性電流値及び正極性電
    流通電時間から定まる正極性パルス電流とを繰り返す交
    流パルス電流を通電し、逆極性直流電流によって形成さ
    れた溶融球を離脱させる値に設定した前記ピーク電流の
    第1のピーク電流と、1パルス1溶滴移行又は複数パル
    ス1溶滴移行となる値に設定した前記第2番目以降のピ
    ーク電流とを、ピーク電流通電周期で切り換えて通電し
    てスプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の第1のピーク電流の第
    1のピーク電流値を、第2番目以降のピーク電流の第2
    番目以降のピーク電流値よりも大に設定してスプレー移
    行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の第1のピーク電流の第
    1のピーク電流通電時間を、第2番目以降のピーク電流
    の第2番目以降のピーク電流通電時間よりも大に設定し
    てスプレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の第1のピーク電流の第
    1のピーク電流値を、第2番目以降のピーク電流の第2
    番目以降のピーク電流値よりも大に設定し、かつ請求項
    3に記載のピーク電流通電時間を、第1のピーク電流の
    第1のピーク電流通電時間から第2番目以降のピーク電
    流の第2番目以降のピーク電流通電時間に切り換えてス
    プレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の第1のピーク電流の第
    1のピーク電流値を、第2番目以降のピーク電流の第2
    番目以降のピーク電流値よりも大に設定し、かつ請求項
    3に記載の正極性電流値を、第1のピーク電流の第1の
    正極性電流値から第2番目以降のピーク電流の第2番目
    以降の正極性電流値に切り換えてスプレー移行溶接する
    交流パルスミグ溶接方法。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の第1のピーク電流の第
    1のピーク電流通電時間を、第2番目以降のピーク電流
    の第2番目以降のピーク電流通電時間よりも大に設定
    し、かつ請求項3に記載の正極性電流値を、第1のピー
    ク電流の第1の正極性電流値から第2番目以降のピーク
    電流の第2番目以降の正極性電流値に切り換えてスプレ
    ー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の第1のピーク電流の第
    1のピーク電流値を、第2番目以降のピーク電流の第2
    番目以降のピーク電流値よりも大に設定し、かつ請求項
    3に記載のピーク電流通電時間を、第1のピーク電流の
    第1のピーク電流通電時間から第2番目以降のピーク電
    流の第2番目以降のピーク電流通電時間に切り換え、さ
    らに、請求項3に記載の正極性電流値を、第1のピーク
    電流の第1の正極性電流値から第2番目以降のピーク電
    流の第2番目以降の正極性電流値に切り換えてスプレー
    移行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の第1のピーク電流の
    第1のピーク電流値を、第2番目以降のピーク電流の第
    2のピーク電流値よりも大に設定し、かつ請求項3に記
    載のピーク電流通電周期を、第1のピーク電流通電周期
    から第2番目以降のピーク電流通電周期に切り換えてス
    プレー移行溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  11. 【請求項11】 請求項3に記載の第1のピーク電流の
    第1のピーク電流通電時間を、第2番目以降のピーク電
    流の第2番目以降のピーク電流通電時間よりも大に設定
    し、かつ請求項3に記載のピーク電流通電周期を、第1
    のピーク電流通電周期から第2番目以降のピーク電流通
    電周期に切り換えてスプレー移行溶接する交流パルスミ
    グ溶接方法。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の第1のピーク電流の
    第1のピーク電流値を、第2番目以降のピーク電流の第
    2のピーク電流値よりも大に設定し、かつ請求項3に記
    載の第1のピーク電流の第1のピーク電流通電時間と、
    第2番目以降のピーク電流の第2番目以降のピーク電流
    通電時間とを切り換え、さらに請求項3に記載のピーク
    電流通電周期を、第1のピーク電流通電周期から第2番
    目以降のピーク電流通電周期に切り換えてスプレー移行
    溶接する交流パルスミグ溶接方法。
  13. 【請求項13】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及びピーク
    電流通電時間を設定するピーク電流幅設定信号から定ま
    るピーク電流とベース電流とを合成した逆極性パルス電
    流を設定する回路と、 前記正極性パルス電流及び前記逆極性パルス電流の繰り
    返しのピーク電流通電周期を制御するパルス周波数制御
    信号を出力するパルス周波数制御回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をピーク電流通
    電周期で繰り返す交流パルス電流と逆極性直流電流設定
    信号で定まる逆極性直流電流とを通電期間切換信号によ
    って周期的に切り換える直流電流・交流パルス切換回路
    とから成るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装
    置。
  14. 【請求項14】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及びピーク
    電流通電時間を設定するピーク電流幅設定信号から定ま
    る第1のピーク電流とベース電流とを合成した逆極性パ
    ルス電流及びピーク電流値を設定するピーク電流設定信
    号及びピーク電流通電時間を設定するピーク電流幅設定
    信号から定ま第2番目以降のピーク電流とベース電流と
    を合成した逆極性パルス電流を設定する回路と、 前記正極性パルス電流及び前記逆極性パルス電流の繰り
    返しのピーク電流通電周期を制御するパルス周波数制御
    信号を出力するパルス周波数制御回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をピーク電流通
    電周期で繰り返す交流パルス電流と逆極性直流電流設定
    信号で定まる逆極性直流電流とを通電期間切換信号によ
    って周期的に切り換える直流電流・交流パルス切換回路
    とから成るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装
    置。
  15. 【請求項15】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及びピーク
    電流通電時間を制御するピーク電流幅制御信号から定ま
    るピーク電流とベース電流とを合成した逆極性パルス電
    流を設定する回路と、 前記正極性パルス電流及び前記逆極性パルス電流の繰り
    返しのピーク電流通電周期を設定してパルス周波数設定
    信号を出力するパルス周波数設定回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をパルス周波数
    設定信号で設定した周波数で繰り返す交流パルス電流と
    逆極性直流電流設定信号で定まる逆極性直流電流とを通
    電期間切換信号によって周期的に切り換える直流電流・
    交流パルス切換回路とから成るスプレー移行溶接用交流
    パルスミグ溶接装置。
  16. 【請求項16】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及びピーク
    電流通電時間を制御するピーク電流幅制御信号から定ま
    る第1のピーク電流とベース電流とを合成した逆極性パ
    ルス電流及び第2番目以降のピーク電流値を設定するピ
    ーク電流設定信号及びピーク電流通電時間を制御するピ
    ーク電流幅制御信号から定まるピーク電流とベース電流
    とを合成した逆極性パルス電流を設定する回路と、 前記正極性パルス電流及び前記逆極性パルス電流の繰り
    返しのピーク電流通電周期を設定してパルス周波数設定
    信号を出力するパルス周波数設定回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をパルス周波数
    設定信号で設定した周波数で繰り返す交流パルス電流と
    逆極性直流電流設定信号で定まる逆極性直流電流とを通
    電期間切換信号によって周期的に切り換える直流電流・
    交流パルス切換回路とから成るスプレー移行溶接用交流
    パルスミグ溶接装置。
  17. 【請求項17】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 アーク電圧を設定するアーク電圧設定信号を出力するア
    ーク電圧設定回路と、 アーク電圧設定信号とアーク電圧検出信号とを入力して
    その差のアーク電圧制御信号を出力するアーク電圧比較
    回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及びピーク
    電流通電時間を設定するピーク電流幅設定信号から定ま
    るピーク電流とベース電流とを合成した逆極性パルス電
    流を設定する回路と、 アーク電圧制御信号に対応して、前記正極性パルス電流
    及び前記逆極性パルス電流の繰り返しのピーク電流通電
    周期を設定するパルス周波数制御信号を出力するパルス
    周波数制御回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をピーク電流通
    電周期で繰り返す交流パルス電流と逆極性直流電流設定
    信号で定まる逆極性直流電流とを通電期間切換信号によ
    って周期的に切り換える直流電流・交流パルス切換回路
    とから成るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装
    置。
  18. 【請求項18】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 アーク電圧を設定するアーク電圧設定信号を出力するア
    ーク電圧設定回路と、 アーク電圧設定信号とアーク電圧検出信号とを入力して
    その差のアーク電圧制御信号を出力するアーク電圧比較
    回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及びピーク
    電流通電時間を設定するピーク電流幅設定信号から定ま
    る第1のピーク電流とベース電流とを合成した逆極性パ
    ルス電流及びピーク電流値を設定するピーク電流設定信
    号及びピーク電流通電時間を設定するピーク電流幅設定
    信号から定まる第2番目以降のピーク電流とベース電流
    とを合成した逆極性パルス電流を設定する回路と、 アーク電圧制御信号に対応して、前記正極性パルス電流
    及び前記逆極性パルス電流の繰り返しのピーク電流通電
    周期を設定するパルス周波数制御信号を出力するパルス
    周波数制御回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をピーク電流通
    電周期で繰り返す交流パルス電流と逆極性直流電流設定
    信号で定まる逆極性直流電流とを通電期間切換信号によ
    って周期的に切り換える直流電流・交流パルス切換回路
    とから成るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装
    置。
  19. 【請求項19】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 アーク電圧を設定するアーク電圧設定信号を出力するア
    ーク電圧設定回路と、 アーク電圧設定信号とアーク電圧検出信号とを入力して
    その差のアーク電圧制御信号を出力するアーク電圧比較
    回路と、 アーク電圧制御信号に対応して、ピーク電流通電時間を
    制御するピーク電流幅制御信号を出力するピーク電流幅
    制御回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及び前記ピ
    ーク電流幅制御信号から定まるピーク電流とベース電流
    とを合成した逆極性パルス電流を設定する回路と、 前記正極性パルス電流及び前記逆極性パルス電流の繰り
    返しのピーク電流通電周期を設定してパルス周波数設定
    信号を出力するパルス周波数設定回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をパルス周波数
    設定信号で設定した周波数で繰り返す交流パルス電流と
    逆極性直流電流設定信号で定まる逆極性直流電流とを通
    電期間切換信号によって周期的に切り換える直流電流・
    交流パルス切換回路とから成るスプレー移行溶接用交流
    パルスミグ溶接装置。
  20. 【請求項20】 直流電流とパルス電流とを周期的に切
    換えた溶接電流を通電して溶接する交流パルスミグ溶接
    装置において、消耗電極を予め設定した一定のワイヤ送
    給速度で送給するワイヤ送給制御回路と、 アーク電圧を設定するアーク電圧設定信号を出力するア
    ーク電圧設定回路と、 アーク電圧設定信号とアーク電圧検出信号とを入力して
    その差のアーク電圧制御信号を出力するアーク電圧比較
    回路と、 アーク電圧制御信号に対応して、ピーク電流通電時間を
    制御するピーク電流幅制御信号を出力するピーク電流幅
    制御回路と、 正極性電流を設定する正極性電流設定信号及び正極性電
    流通電時間を設定する正極性電流通電時間設定信号から
    定まる正極性パルス電流を設定する回路と、 ピーク電流値を設定するピーク電流設定信号及び前記ピ
    ーク電流幅制御信号から定まる第1のピーク電流とベー
    ス電流とを合成した逆極性パルス電流及びピーク電流値
    を設定するピーク電流設定信号及びピーク電流通電時間
    を制御するピーク電流幅制御信号から定まる第2番目以
    降のピーク電流とベース電流とを合成した逆極性パルス
    電流を設定する回路と、 前記正極性パルス電流及び前記逆極性パルス電流を繰り
    返すピーク電流通電周期を設定してパルス周波数設定信
    号を出力するパルス周波数設定回路と、 逆極性直流電流通電期間と交流パルス電流通電期間とを
    切り換える通電期間切換信号を出力する通電期間切換信
    号発生回路と、 正極性パルス電流及び逆極性パルス電流をパルス周波数
    設定信号で設定した周波数で繰り返す交流パルス電流と
    逆極性直流電流設定信号で定まる逆極性直流電流とを通
    電期間切換信号によって周期的に切り換える直流電流・
    交流パルス切換回路とから成るスプレー移行溶接用交流
    パルスミグ溶接装置。
  21. 【請求項21】 請求項14又は請求項16又は請求項
    18又は請求項20に記載の第1のピーク電流を設定す
    る信号を出力する回路が、第1のピーク電流設定信号を
    出力する第1のピーク電流設定回路であり、第2番目以
    降のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第2
    番目以降のピーク電流設定信号を出力する第2番目以降
    のピーク電流設定回路であるスプレー移行溶接用交流パ
    ルスミグ溶接装置。
  22. 【請求項22】 請求項14又は請求項18に記載の第
    1のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第1
    のピーク電流幅設定信号を出力する第1のピーク電流幅
    設定回路であり、第2番目以降のピーク電流を設定する
    信号を出力する回路が、第2番目以降のピーク電流幅設
    定信号を出力する第2番目以降のピーク電流幅設定回路
    であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置。
  23. 【請求項23】 請求項14又は請求項18に記載の第
    1のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第1
    のピーク電流設定信号及び第1のピーク電流幅設定信号
    を出力する第1のピーク電流設定回路及び第1のピーク
    電流幅設定回路であり、第2番目以降のピーク電流を設
    定する信号を出力する回路が、第2番目以降のピーク電
    流設定信号及び第2番目以降のピーク電流幅設定信号を
    出力する第2番目以降のピーク電流設定回路及び第2番
    目以降のピーク電流幅設定回路であるスプレー移行溶接
    用交流パルスミグ溶接装置。
  24. 【請求項24】 請求項14又は請求項16又は請求項
    18又は請求項20に記載の第1のピーク電流を設定す
    る信号を出力する回路が、第1のピーク電流設定信号を
    出力する第1のピーク電流設定回路であり、第2番目以
    降のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第2
    番目以降のピーク電流設定信号を出力する第2番目以降
    のピーク電流設定回路であり、さらに、正極性電流を設
    定する正極性電流設定信号を出力する正極性電流設定回
    路が、正極性電流設定信号を出力する第1の正極性電流
    設定回路及び正極性電流設定信号を出力する第2番目以
    降の正極性電流設定回路であるスプレー移行溶接用交流
    パルスミグ溶接装置。
  25. 【請求項25】 請求項14又は請求項18に記載の第
    1のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第1
    のピーク電流幅設定信号を出力する第1のピーク電流幅
    設定回路であり、第2番目以降のピーク電流を設定する
    信号を出力する回路が、第2番目以降のピーク電流幅設
    定信号を出力する第2番目以降のピーク電流幅設定回路
    であり、さらに、正極性電流を設定する正極性電流設定
    信号を設定する正極性電流設定回路が、正極性電流設定
    信号を出力する第1の正極性電流設定回路及び正極性電
    流設定信号を出力する第2番目以降の正極性電流設定回
    路であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置。
  26. 【請求項26】 請求項14又は請求項18に記載の第
    1のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第1
    のピーク電流設定信号及び第1のピーク電流幅設定信号
    を出力する第1のピーク電流設定回路及び第1のピーク
    電流幅設定回路であり、第2番目以降のピーク電流を設
    定する信号を出力する回路が、第2番目以降のピーク電
    流設定信号及び第2番目以降のピーク電流幅設定信号を
    出力する第2番目以降のピーク電流設定回路及び第2番
    目以降のピーク電流幅設定回路であり、さらに、正極性
    電流を設定する正極性電流設定信号を出力する正極性電
    流設定回路が、正極性電流設定信号を出力する第1の正
    極性電流設定回路及び正極性電流設定信号を出力する第
    2番目以降の正極性電流設定回路であるスプレー移行溶
    接用交流パルスミグ溶接装置。
  27. 【請求項27】 請求項14又は請求項16又は請求項
    18又は請求項20に記載の第1のピーク電流を設定す
    る信号を出力する回路が、第1のピーク電流設定信号を
    出力する第1のピーク電流設定回路であり、第2番目以
    降のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第2
    番目以降のピーク電流設定信号を出力する第2番目以降
    のピーク電流設定回路であり、さらに、ピーク電流通電
    周期を設定する回路が、1パルス1溶滴移行又は複数パ
    ルス1溶滴移行となる値に設定する第1のピーク電流通
    電周期及び第2番目以降のピーク電流通電周期を設定す
    る回路であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装
    置。
  28. 【請求項28】 請求項14又は請求項18に記載の第
    1のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第1
    のピーク電流幅設定信号を出力する第1のピーク電流幅
    設定回路であり、第2番目以降のピーク電流を設定する
    信号を出力する回路が、第2番目以降のピーク電流幅設
    定信号を出力する第2番目以降のピーク電流幅設定回路
    であり、さらに、ピーク電流通電周期を設定する回路
    が、1パルス1溶滴移行又は複数パルス1溶滴移行とな
    る値に設定する第1のピーク電流通電周期及び第2番目
    以降のピーク電流通電周期を設定する回路であるスプレ
    ー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置。
  29. 【請求項29】 請求項14又は請求項18に記載の第
    1のピーク電流を設定する信号を出力する回路が、第1
    のピーク電流設定信号及び第1のピーク電流幅設定信号
    を出力する第1のピーク電流設定回路及び第1のピーク
    電流幅設定回路であり、第2番目以降のピーク電流を設
    定する信号を出力する回路が、第2番目以降のピーク電
    流設定信号及び第2番目以降のピーク電流幅設定信号を
    出力する第2番目以降のピーク電流設定回路及び第2番
    目以降のピーク電流幅設定回路であり、さらに、ピーク
    電流通電周期を設定する回路が、1パルス1溶滴移行又
    は複数パルス1溶滴移行となる値に設定する第1のピー
    ク電流通電周期及び第2番目以降のピーク電流通電周期
    を設定する回路であるスプレー移行溶接用交流パルスミ
    グ溶接装置。
  30. 【請求項30】 請求項27又は請求項28又は請求項
    29に記載の第1のピーク電流通電周期が、第1の正極
    性電流通電時間設定信号を設定する第1の正極性電流通
    電時間設定回路であり、第2番目以降のピーク電流通電
    周期を設定する回路が、第2番目以降の正極性電流通電
    時間設定信号を設定する第2番目以降の正極性電流通電
    時間設定回路であるスプレー移行溶接用交流パルスミグ
    溶接装置。
  31. 【請求項31】 請求項27又は請求項28又は請求項
    29に記載の第1のピーク電流通電周期が、第1のベー
    ス電流時間設定信号を設定する第1のベース電流設定時
    間回路であり、第2番目以降のピーク電流通電周期を設
    定する回路が、第2番目以降のベース電流時間設定信号
    を設定する第2番目以降のピーク電流設定時間回路であ
    るスプレー移行溶接用交流パルスミグ溶接装置。
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