JP4791030B2 - アーク溶接の極性制御方法 - Google Patents
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Description
トーチスイッチがオフ状態で溶接電流が通電しているときにトーチスイッチを所定時間内にオン/オフするクリック操作をしたときは前記極性切換信号を変化させて極性を切り換えることを特徴とするアーク溶接の極性制御方法である。
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接の電流制御方法を実施するための溶接電源PSのブロック図である。同図はティグ溶接用の溶接電源の例である。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1において、同図(A)に示すように、トーチスイッチがオンされてトーチスイッチ信号TsがHighレベルになると、同図(B)に示すように、起動信号OnがHighレベルになり、同図(E)に示すように、アークが発生して溶接電流設定信号Irによって定まる溶接電流Iwが通電を開始する。時刻t2において、トーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがLowレベルになっても上記の溶接電流Iwの通電は維持される。同図(C)に示すタイマ信号Tmは、同図(A)に示すトーチスイッチ信号TsがHighレベルに変化した時点から所定時間だけHighレベルになる。同図では時刻t1〜t2の期間が上記の所定時間よりも長いためにクリック操作とはならないので、同図(D)に示す電流増減信号ΔI=0のままである。
時刻t3において、トーチスイッチがオンされると、同図(C)に示すように、タイマ信号Tmが時刻t4までの所定時間Highレベルとなる。この所定時間内にトーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがHighレベル/Lowレベルになるとクリック操作したと判別して、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔIは時刻t4においてΔd(マイナス値)になる。この結果、同図(E)に示すように、溶接電流IwはIr+Δdに減少する。同様に、時刻t5〜t6のトーチスイッチのクリック操作によって、同図(D)に示す電流増減信号ΔI=Δdとなり、同図(E)に示すように、溶接電流IwはIr+Δd+Δdとなりさらに減少する。
時刻t7においてトーチスイッチがオンされると、同図(C)に示すように、タイマ信号Tmが時刻t8までの所定時間Highレベルとなる。この所定時間内にトーチスイッチがダブルクリック操作されるとトーチスイッチ信号TsはHighレベル/Lowレベル/Highレベル/Lowレベルになり、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔIは時刻t8においてΔu(プラス値)になる。この結果、同図(E)に示すように、溶接電流IwはIr+Δd+Δd+Δuとなり増加する。以後、上記の動作を繰り返し、トーチスイッチがクリック操作されると溶接電流IwはΔdだけ減少し、ダブルクリック操作されると溶接電流IwはΔuだけ増加する。
図3は、本発明の実施の形態2に係る上述した図2に対応するタイミングチャートである。以下、図2とは異なる点について説明する。図2ではトーチスイッチがクリック操作されると溶接電流IwがΔdだけ減少したが、同図ではΔuだけ増加する。同様に、図2ではトーチスイッチがダブルクリック操作されると溶接電流IwがΔuだけ増加したが、同図ではΔdだけ減少する。すなわち、同図(A)に示すように、時刻t3〜t4の所定時間中にトーチスイッチがダブルクリック操作されると、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔI=Δdとなり、同図(E)に示すように、溶接電流IwはΔdだけ減少する。また、同図(A)に示すように、時刻t7〜t8の所定時間中にトーチスイッチがクリック操作されると、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔI=Δuとなり、同図(E)に示すように、溶接電流IwはΔuだけ増加する。これ以外は図2の動作と同一である。
本発明の実施の形態3に係るアーク溶接の電流制御方法は、実施の形態1におけるアーク溶接がパルスアーク溶接である場合である。図4は、パルスアーク溶接における溶接電流Iwの波形図である。予め定めたピーク期間Tp中は予め定めたピーク電流Ipを通電し、予め定めたベース期間Tb中は予め定めたベース電流Ibを通電する。パルス周期Tfはピーク期間Tp及びベース期間Tbからなる。したがって、パルスアーク溶接の溶接電流Iwは、ピーク電流Ipの通電及びベース電流Ibの通電をパルス周期Tfごとに繰り返して通電するパルス波形溶接電流である。
上述した図3では、トーチスイッチをダブルクリック操作すると溶接電流値Iwが予め定めた減少値Δdだけ減少し、クリック操作すると予め定めた増加値Δuだけ増加した。実施の形態4では、上述した実施の形態3と同様にパルスアーク溶接において、トーチスイッチをダブルクリック操作するとピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibが予め定めた減少値Δdだけ減少して溶接電流Iwが減少し、クリック操作するとピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibが予め定めた増加値Δuだけ増加して溶接電流Iwが増加する。これ以外は実施の形態3と同様である。
本発明の実施の形態5は、上述したトーチスイッチのクリック操作によって電極プラス極性と電極マイナス極性とを溶接中に切り換えて溶接するアーク溶接の極性制御方法である。以下、図面を参照して説明する。
時刻t1において、同図(A)に示すように、トーチスイッチがオンされてトーチスイッチ信号TsがHighレベルになると、同図(B)に示すように、起動信号OnがHighレベルになり、溶接ワイヤの送給及び溶接電源の出力が開始し、同図(E)に示すように、溶接電流Iwが通電してアークが発生する。このときに、同図(D)に示す極性切換信号SaはHighレベルであるので、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの極性は電極プラス極性EPとなる。時刻t2において、トーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがLowレベルになっても、同図(B)に示すように、起動信号OnはHighレベルのままであるので、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの通電は継続する。同図(C)に示すタイマ信号Tmは、同図(A)に示すトーチスイッチ信号TsがHighレベルに変化した時点から所定時間だけHighレベルになる。同図では時刻t1〜t2の期間がこの所定時間よりも長いためにクリック操作とはならないので、同図(D)に示す極性切換信号Saは変化しない。
時刻t3において、トーチスイッチがオンされると、同図(C)に示すように、タイマ信号Tmが時刻t4までの所定時間Highレベルとなる。この所定時間内にトーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがHighレベル/Lowレベルになるとクリック操作したと判別して、同図(D)に示すように、タイマ信号TmがLowレベルに変化する時刻t4において極性切換信号SaはLowレベルに変化する。これに応動して、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの極性は電極マイナス極性ENに切り換わる。時刻t5においても同様にトーチスイッチがクリック操作されると、同図(D)に示すように、極性切換信号SaはHighレベルに変化する。これに応動して、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの極性は電極プラス極性EPに切り換わる。上述したように、トーチスイッチのクリック操作を行うごとに、溶接電流Iwの極性が切り換わる。これによって、溶接作業者は、溶接を行いながらトーチスイッチの操作によって溶接個所に応じた出力極性を間単に選択することができ良好な溶接品質を得ることができる。
図9は、本発明の効果の一例を示す上述した図10に対応する溶接ビード2aの外観及び溶接電流Iwの時間変化を示す図である。溶接作業者は溶接を行いながらビード幅Wを監視してビード幅Wが広くなってきたときはトーチスイッチをクリック操作して溶接電流Iwを減少させる。逆に、ビード幅Wが狭くなってきたときにはトーチスイッチをダブルクリック操作して溶接電流Iwを増加させる。溶接中に上記の操作を繰り返すことによって、溶接電流Iwの通電値を制御することができ、ビード幅Wを一定値に保つことができる。ビード幅Wが一定値であればほぼ溶け込みも一定値になる。
2 被溶接物
2a 溶接ビード
3 アーク
4 溶接トーチ
AD 加算回路
EA 誤差増幅回路
EA2 第2誤差増幅回路
Ea 誤差増幅信号
EN 電極マイナス極性
EP 電極プラス極性
Ib ベース電流
IBR ベース電流設定回路
Ibr ベース電流設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
Ip ピーク電流
IPR ピーク電流設定回路
Ipr ピーク電流設定信号
IR 溶接電流設定回路
Ir 溶接電流設定信号
Irc 電流制御設定信号
Iw 溶接電流
MC 電源主回路
MC2 第2電源主回路
ON 起動回路
On 起動信号
PS 溶接電源
SA 極性切換信号生成回路
Sa 極性切換信号
SW 切換回路
Tb ベース期間
Tbr ベース期間設定値
TF パルス周期タイマ回路
Tf パルス周期(タイマ信号)
TM タイマ回路
Tm タイマ信号
Tp ピーク期間
Tpr ピーク期間設定値
TS トーチスイッチ
Ts トーチスイッチ信号
UD 電流増減回路
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vw 溶接電圧
W ビード幅
Δd 減少値
ΔI 電流増減信号
Δu 増加値
Claims (1)
- 溶接トーチに取り付けられたトーチスイッチをオンにすると溶接ワイヤの送給及び溶接電流の通電を開始し、その後にトーチスイッチをオフにしても溶接ワイヤの送給及び溶接電流の通電を継続すると共に、予め定めた極性切換信号に応じて溶接中に電極プラス極性と電極マイナス極性とを切り換えて溶接するアーク溶接の極性制御方法において、
トーチスイッチがオフ状態で溶接電流が通電しているときにトーチスイッチを所定時間内にオン/オフするクリック操作をしたときは前記極性切換信号を変化させて極性を切り換えることを特徴とするアーク溶接の極性制御方法。
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