JP4791030B2 - アーク溶接の極性制御方法 - Google Patents

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本発明は、トーチスイッチの操作によって出力極性を変化させるためのアーク溶接の極性制御方法に関するものである。
ティグ溶接、消耗電極ガスシールドアーク溶接等のアーク溶接では、溶接トーチにトーチスイッチが設けられており、このトーチスイッチの操作によって溶接開始、溶接終了、溶接電流値の切り換えを行っている。例えば、トーチスイッチをオンにすると溶接開始信号が溶接電源に入力されて溶接電流の通電が開始する。トーチスイッチをオフにすると溶接終了信号が溶接電源に入力されて溶接電流の通電が停止する。また、溶接電源のフロントパネルで「自己保持モード」を選択した場合、トーチスイッチのオンで溶接電流の通電が開始し、オフにしてもそのまま溶接電流の通電を継続して自己保持し、その後にオンしてオフ(以下、オン/オフと表記する)にすると溶接電流の通電を停止する。自己保持の後に溶接トーチを引き上げてアーク切れを起こさせることで溶接電流の通電を停止させる方法もある。
特許文献1に記載する従来技術1では、トーチスイッチの第1回目のオンから第2回目のオンまでの第1の期間中は第1の溶接電流を通電し、第2回目のオンから次のオンまでの第2の期間中は第2の溶接電流を通電し、以後トーチスイッチのオン操作ごとに上記の第1の期間と上記の第2の期間とを交互に繰り返し、トーチスイッチを所定時間内にオン/オフ/オン/オフするダブルクリック操作を行ったときは溶接電流の通電を停止する。
特許文献2に記載する従来技術2では、溶接トーチにトーチスイッチ以外に可変抵抗器等の溶接電流調整器を設け、溶接作業者が溶接を行いながらこの溶接電流調整器を調整することによって電流値を所望値に変化させることができる。一般的に、溶接電源に接続されるリモートコントロールボックスによって溶接電流値は設定される。このために、溶接作業者が溶接しながら溶接電流値を調整するのは困難であった。従来技術2はこの問題を改善するものである。
特開2000−218367号公報 実用新案登録第3030953号公報
図10は、被溶接物2に一定値の溶接電流Iwを通電して溶接したときの溶接ビード2aの外観および溶接電流Iwの時間変化を示す図である。同図から明らかなように、溶接後半部分では被溶接物2の温度が溶接によって上昇しているために、溶接ビード2aのビード幅Wが溶接進行に伴って広くなっている。同時に溶け込みも次第に深くなっている。このために、ビード幅W及び溶け込みを一定値に保ち良好な溶接品質を得るためには、溶接進行に伴って溶接電流値Iwを適正値に変化させる必要がある。溶接作業者による手動溶接では、溶接作業者が溶接を行いながらビード幅Wを目視して溶接電流値Iwを調整することになる。上述した従来技術2によれば溶接を行いながら溶接電流Iwを調整することができる。しかしながら、溶接作業者は溶接トーチを微妙に操作しながらトーチスイッチを操作しさらに上記の溶接電流調整器までを同時に調整しなければならず、溶接作業者への負担が重くなる。さらに、ビード幅Wを一定値に保つためには溶接電流値Iwを微細に調整する必要があるが、可変抵抗器等の溶接電流調整器では微細な調整を再現性よく行うのは困難である。さらに、従来技術2では、溶接トーチに溶接電流調整器を追加して設ける必要があり、溶接トーチの価格が高価になるという問題もある。
そこで、本発明では、溶接が進行してもビード幅及び溶け込みを一定値に保つことができるトーチスイッチ操作によるアーク溶接の極性制御方法を提供することを目的とする
請求項1の発明は、溶接トーチに取り付けられたトーチスイッチをオンにすると溶接ワイヤの送給及び溶接電流の通電を開始し、その後にトーチスイッチをオフにしても溶接ワイヤの送給及び溶接電流の通電を継続すると共に、予め定めた極性切換信号に応じて溶接中に電極プラス極性と電極マイナス極性とを切り換えて溶接するアーク溶接の極性制御方法において、
トーチスイッチがオフ状態で溶接電流が通電しているときにトーチスイッチを所定時間内にオン/オフするクリック操作をしたときは前記極性切換信号を変化させて極性を切り換えることを特徴とするアーク溶接の極性制御方法である。
本発明によれば、トーチスイッチのクリック操作によって溶接中に簡単に電極プラス極性と電極マイナス極性とを切り換えることができる。電極プラス極性と電極マイナス極性とでは溶接ワイヤの送給速度が同一であってもビード幅、溶込み等を変化させることができる。このために、本発明は、従来技術の課題を溶接電流値を直接制御する代わりに溶接進行状態又は溶接個所に応じて出力極性を切り換えることによって、溶接ビード、溶込み等が良好な溶接を行うことができる。さらに、本発明では一般的な溶接トーチをそのまま使用することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態1〜4は、本発明の参考となる実施の形態である。実施の形態5が、本発明に対応している。

[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るアーク溶接の電流制御方法を実施するための溶接電源PSのブロック図である。同図はティグ溶接用の溶接電源の例である。以下、同図を参照して説明する。
電源主回路MCは、商用交流電源(3相200V等)を入力として、後述する起動信号OnがHighレベルのときは後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御、サイリスタ位相制御等の出力制御を行い、アーク3を発生させるための溶接電流Iwを出力する。溶接トーチ4の先端に取り付けられた非消耗電極1と被溶接物2との間に溶接電流Iwが通電するアーク3が発生する。
トーチスイッチTSは、溶接トーチ4に取り付けられており、トーチスイッチTSをオンにするとHighレベルになりオフにするとLowレベルになるトーチスイッチ信号Tsを出力する。起動回路ONは、このトーチスイッチ信号Tsが第1回目にHighレベルになるとHighレベルになり、その後は溶接電流Iwが通電しなくなるまでその状態を維持する起動信号Onを出力する。タイマ回路TMは、上記のトーチスイッチ信号TsがLowレベルからHighレベルに変化した時点から所定時間だけHighレベルとなるタイマ信号Tmを出力する。電流増減回路UDは、上記のタイマ信号TmがHighレベルの間にトーチスイッチ信号TsがHighレベル/Lowレベルと変化した(クリック操作)ときは予め定めた減少値Δdだけマイナス値となり、上記のタイマ信号TmがHighレベルの間にトーチスイッチ信号TsがHighレベル/Lowレベル/Highレベル/Lowレベルと変化した(ダブルクリック操作)ときは予め定めた増加値Δuだけプラス値となる電流増減信号ΔIを出力する。すなわち、トーチスイッチTSがクリック操作されると電流増減信号ΔI=Δd(マイナス値)となり、ダブルクリック操作されると電流増減信号ΔI=Δu(プラス値)となる。
溶接電流設定回路IRは、予め定めた溶接電流設定信号Irを出力する。加算回路ADは、上記の溶接電流設定信号Irに上記の電流増減信号ΔIが変化するごとに加算して電流制御設定信号Ircを出力する。すなわち、Irc=Ir+ΔI(1)+ΔI(2)+…+ΔI(n)となる。したがって、電流制御設定信号Ircは、溶接電流設定信号Irを初期の値としてトーチスイッチTSがクリック操作されると上記のΔdだけ減少し、ダブルクリック操作されると上記のΔuだけ増加する。電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して電流検出信号Idを出力する。誤差増幅回路EAは、上記の電流制御設定信号Ircと上記の電流検出信号Idとの誤差を増幅して誤差増幅信号Eaを出力する。これにより、電流制御設定信号Ircに相当する溶接電流Iwが通電する。
図2は、上述した溶接電源PSの各信号のタイミングチャートである。同図(A)はトーチスイッチ信号Tsの。同図(B)は起動信号Onの、同図(C)はタイマ信号Tmの、同図(D)は電流増減信号ΔIの、同図(E)は電流制御設定信号Irc(溶接電流Iw)の時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
(1)時刻t1〜t3の期間
時刻t1において、同図(A)に示すように、トーチスイッチがオンされてトーチスイッチ信号TsがHighレベルになると、同図(B)に示すように、起動信号OnがHighレベルになり、同図(E)に示すように、アークが発生して溶接電流設定信号Irによって定まる溶接電流Iwが通電を開始する。時刻t2において、トーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがLowレベルになっても上記の溶接電流Iwの通電は維持される。同図(C)に示すタイマ信号Tmは、同図(A)に示すトーチスイッチ信号TsがHighレベルに変化した時点から所定時間だけHighレベルになる。同図では時刻t1〜t2の期間が上記の所定時間よりも長いためにクリック操作とはならないので、同図(D)に示す電流増減信号ΔI=0のままである。
(2)時刻t3〜t7の期間
時刻t3において、トーチスイッチがオンされると、同図(C)に示すように、タイマ信号Tmが時刻t4までの所定時間Highレベルとなる。この所定時間内にトーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがHighレベル/Lowレベルになるとクリック操作したと判別して、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔIは時刻t4においてΔd(マイナス値)になる。この結果、同図(E)に示すように、溶接電流IwはIr+Δdに減少する。同様に、時刻t5〜t6のトーチスイッチのクリック操作によって、同図(D)に示す電流増減信号ΔI=Δdとなり、同図(E)に示すように、溶接電流IwはIr+Δd+Δdとなりさらに減少する。
(3)時刻t7以降の期間
時刻t7においてトーチスイッチがオンされると、同図(C)に示すように、タイマ信号Tmが時刻t8までの所定時間Highレベルとなる。この所定時間内にトーチスイッチがダブルクリック操作されるとトーチスイッチ信号TsはHighレベル/Lowレベル/Highレベル/Lowレベルになり、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔIは時刻t8においてΔu(プラス値)になる。この結果、同図(E)に示すように、溶接電流IwはIr+Δd+Δd+Δuとなり増加する。以後、上記の動作を繰り返し、トーチスイッチがクリック操作されると溶接電流IwはΔdだけ減少し、ダブルクリック操作されると溶接電流IwはΔuだけ増加する。
[実施の形態2]
図3は、本発明の実施の形態2に係る上述した図2に対応するタイミングチャートである。以下、図2とは異なる点について説明する。図2ではトーチスイッチがクリック操作されると溶接電流IwがΔdだけ減少したが、同図ではΔuだけ増加する。同様に、図2ではトーチスイッチがダブルクリック操作されると溶接電流IwがΔuだけ増加したが、同図ではΔdだけ減少する。すなわち、同図(A)に示すように、時刻t3〜t4の所定時間中にトーチスイッチがダブルクリック操作されると、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔI=Δdとなり、同図(E)に示すように、溶接電流IwはΔdだけ減少する。また、同図(A)に示すように、時刻t7〜t8の所定時間中にトーチスイッチがクリック操作されると、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔI=Δuとなり、同図(E)に示すように、溶接電流IwはΔuだけ増加する。これ以外は図2の動作と同一である。
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係るアーク溶接の電流制御方法は、実施の形態1におけるアーク溶接がパルスアーク溶接である場合である。図4は、パルスアーク溶接における溶接電流Iwの波形図である。予め定めたピーク期間Tp中は予め定めたピーク電流Ipを通電し、予め定めたベース期間Tb中は予め定めたベース電流Ibを通電する。パルス周期Tfはピーク期間Tp及びベース期間Tbからなる。したがって、パルスアーク溶接の溶接電流Iwは、ピーク電流Ipの通電及びベース電流Ibの通電をパルス周期Tfごとに繰り返して通電するパルス波形溶接電流である。
上述した図2では、トーチスイッチをクリック操作すると溶接電流値Iwが予め定めた減少値Δdだけ減少し、ダブルクリック操作すると予め定めた増加値Δuだけ増加した。実施の形態3では、トーチスイッチをクリック操作するとピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibが予め定めた減少値Δdだけ減少して溶接電流Iwが減少し、ダブルクリック操作するとピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibが予め定めた増加値Δuだけ増加して溶接電流Iwが増加する。
上述した実施の形態3を実施するための溶接電源PSは、上述した図1において電流設定回路IRを図5に示す電流設定回路IRに置換したブロック図となる。以下、図5の電流設定回路IRについて説明する。
ピーク電流設定回路IPRは、予め定めたピーク電流設定信号Iprを出力する。ベース電流設定回路IBRは、予め定めたベース電流設定信号Ibrを出力する。パルス周期タイマ回路TFは、予め定めたピーク期間設定値Tprによって定まる期間はHighレベルになり、続く予め定めたベース期間設定値Tbrによって定まる期間はLowレベルになり、以後この動作を繰り返すパルス周期タイマ信号Tfを出力する。切換回路SWは、上記のパルス周期タイマ信号TfがHighレベルのときはa側に切り換わり上記のピーク電流設定信号Iprを電流設定信号Irとして出力し、Lowレベルのときはb側に切り換わり上記のベース電流設定信号Ibrを電流設定信号Irとして出力する。
図6は、実施の形態3に係る上述した図2に対応するタイミングチャートである。以下、図2とは異なる点について説明する。同図(A)に示すように、時刻t1においてトーチスイッチがオンされると、予め定めたピーク電流設定信号Ipr及びベース電流設定信号Ibrに相当するパルス波形溶接電流Iwが通電する。同図(A)に示すように、時刻t3〜t4の所定時間中にトーチスイッチがクリック操作されると、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔI=Δdとなり、同図(E)に示すように、ピーク電流及びベース電流からなる溶接電流IwはΔdだけ減少する。また、同図(A)に示すように、時刻t7〜t8の所定時間中にトーチスイッチがダブルクリック操作されると、同図(D)に示すように、電流増減信号ΔI=Δuとなり、同図(E)に示すように、ピーク電流及びベース電流からなる溶接電流IwはΔuだけ増加する。これ以外は図2の動作と同一である。上記においては、ピーク電流及びベース電流を共に増減させる場合について説明したが、ピーク電流又はベース電流の片方だけを増減させても良い。また、ピーク電流とベース電流とでそれぞれ異なる減少値Δd及び増加値Δuを設定しても良い。
[実施の形態4]
上述した図3では、トーチスイッチをダブルクリック操作すると溶接電流値Iwが予め定めた減少値Δdだけ減少し、クリック操作すると予め定めた増加値Δuだけ増加した。実施の形態4では、上述した実施の形態3と同様にパルスアーク溶接において、トーチスイッチをダブルクリック操作するとピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibが予め定めた減少値Δdだけ減少して溶接電流Iwが減少し、クリック操作するとピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibが予め定めた増加値Δuだけ増加して溶接電流Iwが増加する。これ以外は実施の形態3と同様である。
上述した実施の形態3及び4では、トーチスイッチのクリック操作又はダブルクリック操作によってピーク電流Ip及び/又はベース電流Ibを増減させている。これに加えて、ピーク期間Tp、ベース期間Tb、ピーク電流の立上りの時間、立下りの時間等の電流波形パラメータを同時に増減しても良い。これによって、アークの指向性、アークの広がり、アークの感触等を溶接電流値の増減に応じて適正化することができる。
[実施の形態5]
本発明の実施の形態5は、上述したトーチスイッチのクリック操作によって電極プラス極性と電極マイナス極性とを溶接中に切り換えて溶接するアーク溶接の極性制御方法である。以下、図面を参照して説明する。
図7は、本発明の実施の形態5に係るアーク溶接の極性制御方法を実施するための溶接電源PSのブロック図である。同図は、溶接中に出力極性を切り換える機能を有する消耗電極アーク溶接電源の場合である。同図において上述した図1と同一のブロックには同一符号を付してそれらの説明は省略する。また、消耗電極である溶接ワイヤ1は、通常と同様に定速送給されており、この送給制御に関するブロックについては慣用技術であるので図面への記載は省略する。以下、図1とは異なる点線で示すブロックについて同図を参照して説明する。
第2電源主回路MC2は、商用交流電源(3相200V等)を入力として、後述する起動信号OnがHighレベルのときは後述する誤差増幅信号Eaに従ってインバータ制御による出力制御を行うと共に、後述する極性切換信号Saの値に応じて極性切換用スイッチング素子によって出力極性を切り換えて、アーク3を発生させるための溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。ここで、上記の極性切換信号Sa=Highレベルのときは溶接ワイヤ1が陽極となり被溶接物2が陰極となる電極プラス極性EPとなり、Sa=Lowレベルのときは溶接ワイヤ1が陰極となり被溶接物2が陽極となる電極マイナス極性ENとなる。溶接ワイヤ1は図示していないワイヤ送給装置の送給ロールによって溶接トーチ4内を通って送給され、被溶接物2との間にアーク3が発生する。
極性切換信号生成回路SAは、タイマ信号TmがHighレベルの間にトーチスイッチ信号TsがHighレベル/Lowレベルと変化(クリック操作)したときは、タイマ信号TmがLowレベルに変化した時点でその値が変化する極性切換信号Saを出力する。すなわち、トーチスイッチTSのクリック操作が行われるごとに、この極性切換信号Saの値はHighレベルからLowレベル又はその逆へと変化する。上述したように、極性切換信号Sa=Highレベルのときは電極プラス極性EPとなり、Sa=Lowレベルのときは電極マイナス極性ENとなる。
電圧設定回路VRは、予め定めた電圧設定信号Vrを出力する。電圧検出回路VDは、溶接電圧Vwを検出して電圧検出信号Vdを出力する。第2誤差増幅回路EAは、上記の電圧設定信号Vrと上記の電圧検出信号Vdとの誤差を増幅して誤差増幅信号Eaを出力する。消耗電極アーク溶接には定電圧特性の溶接電源が使用されるので、この第2誤差増幅回路EA2によって定電圧特性を形成する。
図8は、上述した溶接電源PSの各信号のタイミングチャートである。同図(A)はトーチスイッチ信号Tsの、同図(B)は起動信号Onの、同図(C)はタイマ信号Tmの、同図(D)は極性切換信号Saの、同図(E)は溶接電流Iwの時間変化を示す。以下、同図を参照して説明する。
(1)時刻t1〜t3の期間
時刻t1において、同図(A)に示すように、トーチスイッチがオンされてトーチスイッチ信号TsがHighレベルになると、同図(B)に示すように、起動信号OnがHighレベルになり、溶接ワイヤの送給及び溶接電源の出力が開始し、同図(E)に示すように、溶接電流Iwが通電してアークが発生する。このときに、同図(D)に示す極性切換信号SaはHighレベルであるので、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの極性は電極プラス極性EPとなる。時刻t2において、トーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがLowレベルになっても、同図(B)に示すように、起動信号OnはHighレベルのままであるので、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの通電は継続する。同図(C)に示すタイマ信号Tmは、同図(A)に示すトーチスイッチ信号TsがHighレベルに変化した時点から所定時間だけHighレベルになる。同図では時刻t1〜t2の期間がこの所定時間よりも長いためにクリック操作とはならないので、同図(D)に示す極性切換信号Saは変化しない。
(2)時刻t3以降の期間
時刻t3において、トーチスイッチがオンされると、同図(C)に示すように、タイマ信号Tmが時刻t4までの所定時間Highレベルとなる。この所定時間内にトーチスイッチがオフされてトーチスイッチ信号TsがHighレベル/Lowレベルになるとクリック操作したと判別して、同図(D)に示すように、タイマ信号TmがLowレベルに変化する時刻t4において極性切換信号SaはLowレベルに変化する。これに応動して、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの極性は電極マイナス極性ENに切り換わる。時刻t5においても同様にトーチスイッチがクリック操作されると、同図(D)に示すように、極性切換信号SaはHighレベルに変化する。これに応動して、同図(E)に示すように、溶接電流Iwの極性は電極プラス極性EPに切り換わる。上述したように、トーチスイッチのクリック操作を行うごとに、溶接電流Iwの極性が切り換わる。これによって、溶接作業者は、溶接を行いながらトーチスイッチの操作によって溶接個所に応じた出力極性を間単に選択することができ良好な溶接品質を得ることができる。
[効果]
図9は、本発明の効果の一例を示す上述した図10に対応する溶接ビード2aの外観及び溶接電流Iwの時間変化を示す図である。溶接作業者は溶接を行いながらビード幅Wを監視してビード幅Wが広くなってきたときはトーチスイッチをクリック操作して溶接電流Iwを減少させる。逆に、ビード幅Wが狭くなってきたときにはトーチスイッチをダブルクリック操作して溶接電流Iwを増加させる。溶接中に上記の操作を繰り返すことによって、溶接電流Iwの通電値を制御することができ、ビード幅Wを一定値に保つことができる。ビード幅Wが一定値であればほぼ溶け込みも一定値になる。
本発明において、トーチスイッチのクリック操作及びダブルクリック操作を判別する所定時間としては0.2〜1.0秒程度が適当である。この値はトーチスイッチの種類によってスイッチの操作具合が異なるので適正値に設定すれば良い。また、電流を増減させる減少値Δd、増加値Δuは同一値であっても良く、その値は被溶接物によって異なるが数A〜数十A程度である。また、実施の形態1〜4においてはティグ溶接の場合について説明したが、消耗電極ガスシールドアーク溶接の場合も同様である。ただし、消耗電極ガスシールドアーク溶接の場合には、溶接電流値はワイヤ送給速度によって制御されるので、トーチスイッチのクリック操作又はダブルクリック操作によってワイヤ送給速度を所定値だけ増減すれば良い。
本発明の実施の形態1に係る溶接電源PSのブロック図である。 図1に示す溶接電源の各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2に係る図2に対応するタイミングチャートである。 パルスアーク溶接の電流波形図である。 本発明の実施の形態3に係る電流設定回路IRのブロック図である。 実施の形態3に係る溶接電源の各信号のタイミングチャートである。 本発明の実施の形態5に係る溶接電源PSのブロック図である。 図7に示す溶接電源の各信号のタイミングチャートである。 本発明の効果の一例を示す溶接ビード2aの外観及び溶接電流Iwの時間変化を示す図である。 従来技術の課題を説明するための溶接ビード2aの外観及び溶接電流Iwの時間変化を示す図である。
符号の説明
1 非消耗電極/消耗電極
2 被溶接物
2a 溶接ビード
3 アーク
4 溶接トーチ
AD 加算回路
EA 誤差増幅回路
EA2 第2誤差増幅回路
Ea 誤差増幅信号
EN 電極マイナス極性
EP 電極プラス極性
Ib ベース電流
IBR ベース電流設定回路
Ibr ベース電流設定信号
ID 電流検出回路
Id 電流検出信号
Ip ピーク電流
IPR ピーク電流設定回路
Ipr ピーク電流設定信号
IR 溶接電流設定回路
Ir 溶接電流設定信号
Irc 電流制御設定信号
Iw 溶接電流
MC 電源主回路
MC2 第2電源主回路
ON 起動回路
On 起動信号
PS 溶接電源
SA 極性切換信号生成回路
Sa 極性切換信号
SW 切換回路
Tb ベース期間
Tbr ベース期間設定値
TF パルス周期タイマ回路
Tf パルス周期(タイマ信号)
TM タイマ回路
Tm タイマ信号
Tp ピーク期間
Tpr ピーク期間設定値
TS トーチスイッチ
Ts トーチスイッチ信号
UD 電流増減回路
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
Vw 溶接電圧
W ビード幅
Δd 減少値
ΔI 電流増減信号
Δu 増加値

Claims (1)

  1. 溶接トーチに取り付けられたトーチスイッチをオンにすると溶接ワイヤの送給及び溶接電流の通電を開始し、その後にトーチスイッチをオフにしても溶接ワイヤの送給及び溶接電流の通電を継続すると共に、予め定めた極性切換信号に応じて溶接中に電極プラス極性と電極マイナス極性とを切り換えて溶接するアーク溶接の極性制御方法において、
    トーチスイッチがオフ状態で溶接電流が通電しているときにトーチスイッチを所定時間内にオン/オフするクリック操作をしたときは前記極性切換信号を変化させて極性を切り換えることを特徴とするアーク溶接の極性制御方法。
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