JP2001252768A - 多電極パルスアーク溶接制御方法及び溶接装置 - Google Patents

多電極パルスアーク溶接制御方法及び溶接装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶縁さ
れた2本の溶接ワイヤと被溶接物との間に2つのアーク
を発生させて溶接する多電極パルスアーク溶接方法にお
いて、2つのアークの相互間に作用する力によるアーク
の相互干渉によってアーク発生状態が不安定になる。 【解決手段】 本発明は、第2の溶接ワイヤに、第1回
目の第1のピーク電流AIpの通電期間は第2のピーク
電流BIpを通電した後に予め設定した通常値の第2の
ベース電流BIbを通電し、続いて第2回目の上記第1
のピーク電流AIpの通電期間は予め設定した通常値よ
りも大きな値の上記第2のベース電流BIbを通電した
後に上記通常値の第2のベース電流BIbを通電し、上
記第1回目及び第2回目の通電を1組として繰り返して
通電する多電極パルスアーク溶接制御方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1つの溶接トーチ
から互いに電気的に絶縁された2本の溶接ワイヤと被溶
接物との間に2つのアークを発生させて溶接する多電極
パルスアーク溶接方法において、2つのアークの相互間
に作用する力によるアークの相互干渉によってアーク発
生状態が不安定になることを抑制することができる多電
極パルスアーク溶接制御方法及び溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多電極パルスアーク溶接方法では、1つ
の溶接トーチに設けた電気的に絶縁した2つのコンタク
トチップを通して2本の溶接ワイヤを送給して、それら
の溶接ワイヤと被溶接物との間に2つのパルスアークを
発生させて溶接を行う。この溶接方法は、2本の溶接ワ
イヤが同時に溶融するので高溶着量を得ることができる
ので、薄板の溶接では4[m/分]を超える高速溶接を
行うことができ、また、厚板の多層溶接では層数を減ら
して溶接を行うことができ、溶接作業の高効率化を図る
ことができる。かつ、本溶接方法はパルスアーク溶接方
法であるので、スパッタの発生が少なく、美しいビード
外観を得ることができる。この溶接方法は、鉄鋼、ステ
ンレス鋼、アルミニウム合金等の種々の金属に対して使
用することができる。しかしながら、従来技術の多電極
パルスアーク溶接方法では、後述するように、2つのア
ークの相互間に作用する力によるアークの相互干渉によ
ってアーク発生状態が不安定になるという解決すべき課
題がある。以下、従来技術の多電極パルスアーク溶接制
御方法及び溶接装置について説明する。
【0003】図1は、従来技術の多電極パルスアーク溶
接装置(以下、従来溶接装置という)の構成図である。
同図に示すように、この溶接装置は、第1の溶接電源装
置APS、第1のワイヤ送給装置AWF、第2の溶接電
源装置BPS、第2のワイヤ送給装置BWF及び溶接ト
ーチ4から構成されている。溶接トーチ4には、相互に
電気的に絶縁された第1のコンタクトチップA41及び
第2のコンタクトチップB41が装着されており、これ
らのコンタクトチップA41及びB41を通して第1の
溶接ワイヤA1及び第2の溶接ワイヤB1が送給及び給
電されて、被溶接物2との間に第1のアークA3及び第
2のアークB3が発生する。これらの2つのアークによ
って1つの溶融池21が形成される。
【0004】第1の溶接電源装置APSは、一般的なパ
ルスアーク溶接用の溶接電源装置であり、第1のワイヤ
送給装置AWFに送給制御信号Wcを出力すると共に、
第1の溶接ワイヤA1に第1の溶接電圧AVwを供給し
て、その結果、第1の溶接電流AIwが通電する。第1
のワイヤ送給装置AWFは、上記の送給制御信号Wcに
従って第1の溶接ワイヤA1の送給を制御する。また、
第2の溶接電源装置BPS及び第2のワイヤ送給装置B
WFについても、上記と同様であるので説明を省略す
る。
【0005】上記の第1の溶接電源装置APS及び第2
の溶接電源装置BPSでは、図2で後述するように、電
圧フィードバック制御によるアーク長制御及び電流フィ
ードバック制御による電流波形制御の2つの制御が同時
に行われている。従来技術においては、これらの制御は
両電源装置間で完全に独立して行われている。
【0006】図2は、上述した第1の溶接電源装置AP
S及び第2の溶接電源装置BPSの出波形を示す電流・
電圧波形図である。同図(A)は第1の溶接電流AIw
の時間変化を示しており、同図(B)は第1の溶接電圧
AVwの時間変化を示しており、同図(C)は第2の溶
接電流BIwの時間変化を示しており、同図(D)は第
2の溶接電圧BVwの時間変化を示している。以下、同
図を参照して動作を説明する。
【0007】 時刻t1〜t2の期間(第1のピーク
電流通電時間ATp) 同図(A)に示すように、第1のピーク電流通電時間A
Tpの間は第1のピーク電流AIpが通電する。通常、
この第1のピーク電流通電時間ATp及び第1のピーク
電流AIpの両値は、溶接ワイヤがアーク熱によって1
パルス1溶滴移行するように予め設定する。また、同図
(B)に示すように、第1のピーク電流通電時間ATp
の間は第1のピーク電流AIpに対応した第1のピーク
電圧AVpが第1の溶接ワイヤと被溶接物との間に印加
する。
【0008】 時刻t2〜t3の期間 同図(A)に示すように、時刻t2から第1のパルス周
期ATf期間が終了する時刻t3までの間は、溶滴移行
しない範囲で予め設定した第1のベース電流AIbが通
電する。この第1のパルス周期ATfの継続時間は、第
1の溶接電圧AVwの平均値と電源装置の外部から設定
される第1の電圧設定信号AVsとの誤差による周波数
変調制御又はパルス幅変調制御(電圧フィードバック制
御)によって自動的に決定される。一般的に、溶接電圧
の平均値とアーク長とは比例関係にあるので、上記の電
圧フィードバック制御は、溶接品質に重大な影響を及ぼ
すアーク長の制御を行っていることになる。また、同図
(B)に示すように、この期間中は第1のベース電流A
Ibに対応した第1のベース電圧AVbが第1の溶接ワ
イヤと被溶接物との間に印加する。時刻t1以前及び時
刻t3以後の期間は、上記の項及び項の動作を繰り
返して第1の溶接電源装置APSによる溶接が行われ
る。
【0009】 時刻t4〜t5の期間(第2のピーク
電流通電時間BTp) 同図(C)に示すように、第2のピーク電流通電時間B
Tpの間は第2のピーク電流BIpが通電する。通常、
この第2のピーク電流通電時間BTp及び第2のピーク
電流BIpの両値を、前述したように溶接ワイヤがアー
ク熱によって1パルス1溶滴移行するように予め設定す
る。なお、この両値はワイヤ送給速度(溶接電流の平均
値)によって異なる値に設定されるので、上記の第1の
溶接電流AIwの平均値と上記の第2の溶接電流BIw
の平均値とが異なれば、第1のピーク電流通電時間AT
pと第2のピーク電流通電時間BTpとは異なった値と
なり、第1のピーク電流AIpと第2のピーク電流BI
pとは異なった値になる。また、同図(D)に示すよう
に、第2のピーク電流通電時間BTpの間は第2のピー
ク電流BIpに対応した第2のピーク電圧BVpが第2
の溶接ワイヤと被溶接物との間に印加する。
【0010】 時刻t5〜t6の期間 同図(C)に示すように、時刻t5から第2のパルス周
期BTf期間が終了する時刻t6までの間は、溶滴移行
しない範囲で予め設定した第2のベース電流BIbが通
電する。通常、このベース電流の値は、ワイヤ送給速度
(溶接電流の平均値)によって異なる値に設定されるの
で、上記の第1の溶接電流AIwの平均値と上記の第2
の溶接電流BIwの平均値とが異なれば、第1のベース
電流AIbと第2のベース電流BIbとは異なった値と
なる。上記の第2のパルス周期BTfの継続時間は、上
記の項と同様に、第2の溶接電圧BVwの平均値と電
源装置の外部から設定される第2の電圧設定信号BVs
との誤差による周波数変調制御又はパルス幅変調制御
(電圧フィードバック制御)によって自動的に決定され
る。また、同図(D)に示すように、この期間中は第2
のベース電流BIbに対応した第2のベース電圧BVb
が第2の溶接ワイヤと被溶接物との間に印加する。時刻
t4以前及び時刻t6以後の期間は、上記の項及び
項の動作を繰り返して第2の溶接電源装置BPSによる
溶接が行われる。
【0011】上記の項及び項に示す第1の溶接電源
装置APSにおける電圧フィードバック制御及び溶接電
流の通電を制御する電流波形制御並びに上記の項及び
項に示す第2の溶接電源装置BPSにおける電圧フィ
ードバック制御及び電流波形制御は、完全に独立して行
われる。そのために、第1のピーク電流AIp及び第1
のベース電流AIbの通電するタイミングと、第2のピ
ーク電流BIp及び第2のベース電流BIbが通電する
タイミングとは、同図(A)及び(C)に示すようにア
トランダムになる。なお、第1のベース電圧AVbが同
図(B)のイ部に示すように持ち上がる期間は、第2の
ピーク電流BIpの通電期間と一致し、同様に第2のベ
ース電圧BVbが同図(D)のロ部に示すように持ち上
がる期間は、第1のピーク電流AIpの通電期間に一致
する。この現象は、第1のアークと第2のアークとの間
のアークの相互干渉によって発生しており、詳細は図8
で後述する。
【0012】図3は、前述した従来技術の第1の溶接電
源装置APS及び第2の溶接電源装置BPSの回路構成
を示すブロック図である。以下、同図を参照して各回路
ブロックについて説明する。
【0013】第1の溶接電源装置APSは、一点鎖線で
囲んだ範囲内の各回路ブロックから構成されており、以
下これらの回路ブロックについて説明する。出力制御回
路INVは、商用電源を入力として出力制御を行い、ア
ーク負荷に適した出力を供給する。一般的に、この出力
制御回路INVとしては、インバータ制御回路、チョッ
パ制御回路、サイリスタ位相制御回路等が慣用されてい
る。例えば、上記のインバータ制御回路は、商用電源を
整流する1次側整流回路と、整流されたリップルのある
電圧を平滑する平滑回路と、平滑された直流電圧を高周
波交流に変換するインバータ回路と、高周波交流をアー
ク負荷に適した電圧に降圧する高周波変圧器と、降圧さ
れた交流を再び整流する2次側整流回路と、整流された
リップルのある直流を平滑する直流リアクトルとから構
成されており、後述する電流誤差増幅信号Eiに従って
上記のインバータ回路を形成する複数組のパワートラン
ジスタが制御されて出力制御が行われる。
【0014】電圧検出回路VDは、第1の溶接電圧AV
wを検出して平均化した電圧検出信号Vdを出力する。
第1の電圧設定回路AVSは、電源装置の外部に設けら
れており、第1の電圧設定信号AVsを出力する。電圧
誤差増幅増幅回路EVは、フィードバック信号である上
記の電圧検出設定信号Vdと、目標値である第1の電圧
設定信号AVsとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号
Evを出力する。V/F変換回路VFは、上記の電圧誤
差増幅信号Evを入力としてV/F変換を行い、V/F
変換信号Vfを出力する。ピーク電流通電時間設定回路
TPは、予め設定したピーク電流通電時間設定信号Tp
を出力する。モノマルチバイブレータMMは、上記のV
/F変換信号VfがLowレベルからHighレベルに
変化することをトリガとして、上記のピーク電流通電時
間設定信号Tpによって設定した時間だけHighレベ
ルとなる、図2で前述した第1のパルス周期信号ATf
を出力する。
【0015】上記の電圧誤差増幅回路EV、V/F変換
回路VF、ピーク電流通電時間設定回路TP及びモノマ
ルチバイブレータMMによって点線で囲んだ変調回路M
Cが形成される。この変調回路MCは、上記の電圧検出
信号Vdと上記の第1の電圧設定信号AVsとを入力と
してそれらの信号間の誤差による周波数変調制御によっ
て上記の第1のパルス周期信号ATfを出力する。この
変調方式としては、上記の周波数変調制御の他にパルス
幅変調制御も慣用技術として使用されている。
【0016】第1のピーク電流設定回路AIPは、予め
設定した第1のピーク電流設定信号AIpを出力する。
第1のベース電流設定回路AIBは、予め設定した第1
のベース電流設定信号AIbを出力する。第1の切換回
路ASWは、上記の第1のパルス周期信号ATfがHi
ghレベルのときはa側に接続されて上記の第1のピー
ク電流設定信号AIpを第1の電流制御設定信号AIsc
として出力し、上記の第1のパルス周期信号ATfがL
owレベルのときはb側に接続されて上記の第1のベー
ス電流設定信号AIbを第1の電流制御設定信号AIsc
として出力する。電流検出回路IDは、第1の溶接電流
AIwを検出して、電流検出信号Idを出力する。電流
誤差増幅回路EIは、フィードバック信号である電流検
出信号Idと、目標値である第1の電流制御設定信号A
Iscとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力
する。この電流誤差増幅信号Eiに従って出力制御が行
われて、第1の溶接電圧AVwが印加する。
【0017】第1の送給速度設定回路AWSは、電源装
置の外部に設けられており、第1の送給速度設定信号A
Wsを出力する。送給制御回路WCは、第1の送給速度
設定信号AWsを入力として送給制御信号Wcを出力す
る。第1のワイヤ送給装置AWFは、上記の送給制御信
号Wcに従って第1の溶接ワイヤA1の送給を制御す
る。
【0018】次に、第2の溶接電源装置BPS及び第2
のワイヤ送給装置BWFの回路ブロックの説明は、上記
の第1の溶接電圧AVw及び第1の溶接電流AIwを第
2の溶接電圧BVw及び第2の溶接電流BIwに、第1
の電圧設定回路AVS及び第1の電圧設定信号AVsを
第2の電圧設定回路BVS及び第2の電圧設定信号BV
sに、第1のピーク電流設定回路AIP及び第1のピー
ク電流設定信号AIpを第2のピーク電流設定回路BI
P及び第2のピーク電流設定信号BIpに、第1のベー
ス電流設定回路AIB及び第1のベース電流設定信号A
Ibを第2のベース電流設定回路BIB及び第2のピー
ク電流設定信号BIbに、第1のパルス周期信号ATf
を第2のパルス周期信号BTfに、第1の切換回路AS
W及び第1の電流制御設定信号AIscを第2の切換回路
BSW及び第2の電流制御設定信号BIscに、それぞれ
読み替えると同様になるので省略する。結果的に、上記
の第2の溶接電源装置BPSによって第2の溶接電圧B
Vwが印加すると共に、上記の第2のワイヤ送給装置B
WFによって第2の溶接ワイヤB1が送給されて、被溶
接物2との間に第2のアークB3が発生して第2の溶接
電流BIwが通電する。
【0019】上述したように、第1の溶接電源装置AP
S及び第2の溶接電源装置BPSにおいて、電圧フィー
ドバック制御を行う電圧誤差増幅回路EV及び電流フィ
ードバック制御を行う電流誤差増幅回路EIは、両電源
装置間では独立しているために、図2で前述したよう
に、第1の溶接電流AIwと第2の溶接電流BIwとの
通電タイミングはアトランダムになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の多
電極パルスアーク溶接方法では、2つのアークの相互間
に作用する力によってアークの形状が変形するアークの
相互干渉に起因して、アーク長が変動してアーク発生状
態が不安定になる現象が生じる。以下、まずこのアーク
の相互干渉の発生原因について説明し、続いてアークの
相互干渉によって発生する従来技術の問題点について説
明する。
【0021】図4は、単独で発生しているアーク3に作
用する力を説明するためのアーク発生部模式図である。
同図(A)は、発生しているアーク3の形状が溶接ワイ
ヤ1の送給方向(以下、送給方向という)a−bを中心
線として対称形状である場合であり、同図(B)は、発
生しているアーク3の形状が送給方向a−bを中心線と
して対称形状でない場合である。同図(A)に示すよう
に、溶接ワイヤ1と被溶接物2との間にアーク3が発生
しており、溶接電流Iwが通電している。この溶接電流
Iwは、溶接電源装置の図示していないプラス端子から
溶接ワイヤ1→アーク3→被溶接物2と順次に通電した
後にマイナス端子へと戻る。溶接ワイヤ1を通電する電
流によって同図(A)に示すような磁界が形成される。
しかしこの場合は、アーク3の形状が対象形状であるの
で、この磁界によってアーク3に力は作用しない。一
方、アーク3を通電する電流により形成された磁界によ
って、同図(A)に示すようにアーク3を収縮させる力
(以下、アークによる収縮力という)FXが作用する。
したがって、対称形状のアークには、アークによる収縮
力のみが作用する。
【0022】次に、同図(B)においては、溶接ワイヤ
1と被溶接物2との間に、後述する図8(B)の第2の
アークB3のように非対称形状のアーク3がa−c方向
に発生して溶接電流Iwが通電している。この溶接ワイ
ヤ1を通電する電流によって、図示するような磁界が形
成される。この場合には同図(A)とは異なり、アーク
3の形状が対称形状でないので、この磁界によってアー
ク3には力(以下、磁界による力という)FYが作用す
る。一方、アーク3を通電する電流により形成される磁
界によって、同図(B)に示すようにアーク3にはアー
クによる収縮力FXが作用する。上記の磁界による力F
Yはアーク3を送給方向a−bに引き戻すように作用
し、かつ、上記のアークによる収縮力FXはアークの形
状を維持するように作用するので、アークは同図(A)
に示すような対象形状に戻り、その形状を保持する性質
(アークの硬直性)を有する。また、上記の磁界による
力FY及びアークによる収縮力FXの力の大きさは、磁
界を形成する電流値の大きさに比例する。
【0023】次に、従来技術の多電極パルスアーク溶接
方法における2つのアーク相互間に作用する力について
図5〜図8を参照して説明する。図5は、前述した図2
と同様に、従来技術の多電極パルスアーク溶接方法の電
流・電圧波形図であり、同図(A)は第1の溶接電流A
Iwの時間変化を示しており、同図(B)は第1の溶接
電圧AVwの時間変化を示しており、同図(C)は第2
の溶接電流BIwの時間変化を示しており、同図(D)
は第2の溶接電圧BVwの時間変化を示している。前述
したように、第1の溶接電流AIwと第2の溶接電流B
Iwとはアトランダムに通電しているために、それぞれ
のピーク電流とベース電流との通電の組み合わせは下記
の4通りとなる。
【0024】すなわち、時刻t1においては、第1の溶
接電流AIwとして第1のピーク電流AIpが通電し、
かつ、第2の溶接電流BIwとして第2のピーク電流B
Ipが通電している。この状態でのアークの相互干渉に
ついては図6で後述する。次に、時刻t2においては、
第1の溶接電流AIwとして第1のベース電流AIbが
通電し、かつ、第2の溶接電流BIwとして第2のベー
ス電流BIbが通電している。この状態でのアークの相
互干渉については図7で後述する。
【0025】さらに、時刻t3においては、第1の溶接
電流AIwとして第1のピーク電流AIpが通電し、か
つ、第2の溶接電流BIwとして第2のベース電流BI
bが通電している。時刻t4においては、上記とは逆
に、第1の溶接電流AIwとして第1のベース電流AI
bが通電し、かつ、第2の溶接電流BIwとして第2の
ピーク電流BIpが通電している。これらの状態でのア
ークの相互干渉については図8で後述する。
【0026】図6は、2つのアークに通電する第1及び
第2の溶接電流が共にピーク電流である前述した図5の
時刻t1におけるアーク発生部の模式図である。以下、
同図を参照して、この状態でのアークの相互干渉につい
て説明する。同図に示すように、第1の溶接ワイヤA1
には第1のピーク電流AIpが通電して、前述した図4
(A)のときと同様に第1のアークA3が対象形状で発
生している。他方、第2の溶接ワイヤA2には第2のピ
ーク電流BIpが通電して、上記と同様に第2のアーク
B3が対象形状で発生している。
【0027】この状態では、前述した図4(A)のとき
と同様に、第1のアークA3には、第1の溶接ワイヤA
1を通電する第1のピーク電流AIpによる磁界による
力は作用せず、第1のアークA3を通電する第1のピー
ク電流AIpによるアークによる収縮力AFX1のみが
作用する。また、第1のアークA3の周囲には第2の溶
接ワイヤB1を通電する第2のピーク電流BIpによっ
て磁界が形成されており、この磁界に対しては第1のア
ークA3は対象形状ではないために、第1のアークA3
には、上記のアークによる収縮力AFX1に加えて磁界
による力AFZ1が作用する。通常、2つのアークを通
電する電流値が略等しいときは、アーク形状を維持する
力であるアークによる収縮力AFX1が、アーク形状を
変形させる力である磁界による力AFZ1よりも大きい
ので、第1のアークA3の形状は変化しない。同様に、
第2のアークB3の形状も変化しない。
【0028】上述したように時刻t1の状態では、自己
のアークによる収縮力(AFX1及びBFX1)が他方
のアークからの干渉である磁界による力(AFZ1及び
BFZ1)よりも大きいので、アークの形状は変化しな
い。すなわち、2つのアークに略等しい値の電流が通電
しているときは、アークの相互干渉によるアーク発生状
態への影響はほとんどない。
【0029】図7は、2つのアークに通電する第1及び
第2の溶接電流が共にベース電流である前述した図5の
時刻t2におけるアーク発生部の模式図である。同図に
示す状態は、上述した図6において2つのアークを通電
する電流がピーク電流からベース電流に代わっただけで
あり、その動作は同様である。すなわち、自己のアーク
による収縮力(AFX2及びBFX2)が他方のアーク
からの干渉である磁界による力(AFZ2及びBFZ
2)よりも大きいので、アークの形状は変化しない。し
たがって、図6のときと同様に、2つのアークに略等し
い値の電流が通電しているときは、アークの相互干渉に
よるアーク発生状態への影響はほとんどない。
【0030】図8は、第1のアークA3に第1のピーク
電流AIpが通電し、第2のアークB3に第2のベース
電流BIbが通電する前述した図5の時刻t3における
アーク発生部の模式図であり、同図(A)は時刻t3の
時点でのアーク発生状態を示しており、同図(B)は時
刻t3直後のアーク発生状態を示している。以下、同図
を参照して、この状態でのアークの相互干渉について説
明する。
【0031】 同図(A)に示すように、第1の溶接
ワイヤA1には第1のピーク電流AIpが通電し、前述
した図4(A)のときと同様に、第1のアークA3が対
象形状で発生している。他方、第2の溶接ワイヤA2に
は第2のベース電流BIbが通電し、前述した図4
(A)のときと同様に、第2のアークB3が対象形状で
発生している。
【0032】この状態では、第1のアークA3には、第
1のアークA3を通電する第1のピーク電流AIpによ
るアークによる収縮力AFX1が作用する。さらに、第
1のアークA3には、他方の第2の溶接ワイヤB1を通
電する第2のベース電流BIbによる磁界による力AF
Z2が作用する。ここで、第1のピーク電流AIpの値
は第2のベース電流BIbの値に比べてかなり大きな値
であるので、上記のアークによる収縮力AFX1が上記
の磁界による力AFZ2よりも大きくなり、その結果、
第1のアークA3の形状は変化しない。
【0033】他方、第2のアークB3には、第2のアー
クB3を通電する第2のベース電流BIbによるアーク
による収縮力BFX2が作用する。さらに、第2のアー
クB3には、他方の第1の溶接ワイヤA1を通電する第
1のピーク電流AIpによる磁界による力BFZ1が作
用する。ここで、第2のベース電流BIbの値は第1の
ピーク電流AIpの値に比べてかなり小さい値であるの
で、上記のアークによる収縮力BFX2は上記の磁界に
よる力BFZ1よりも小さくなり、その結果、第2のア
ークB3の形状は次の項で説明する同図(B)のよう
に変形する。
【0034】 同図(B)に示すように、時刻t3直
後においても、第1のアークA3の形状は上記項と同
様に変化しない。他方、第2のアークB3は上記項の
動作によって第1のアークA3方向に吸引されるため
に、同図(B)に示すようにアークの陰極点がb点から
c点に移動して、アークの形状も非対称形状に大きく変
形する。この変形した第2のアークB3の状態は、図4
(B)で前述した状態と同じであるので、第2のアーク
B3には、上記項で説明した力に加えて第2の溶接ワ
イヤB1を通電する第2のベース電流BIbによる磁界
による力BFY2が新たに作用する。その結果、BFZ
1=BFX2+BFY2となり第2のアークB3に作用
する力の均衡が保たれることになるので、第2のアーク
B3は同図(B)に示す形状を保持することになる。
【0035】また、第2のアークB3が同図(B)に示
すように変形してアーク長がa−bからa−cに変化す
るために、アーク長は変形前よりも長くなる。アーク長
が長くなると、アーク長に比例する溶接電圧値が大きく
なるので、図5(D)の時刻t3に示すように、第2の
溶接電圧BVwの値は、通常の値よりも持ち上がって大
きな値となる。
【0036】上述したように、自己のアークを通電する
電流値よりも、他方のアークを通電する電流値が大きい
ときは、自己のアークは他方のアークの干渉によって吸
引されて、その形状が変形すると共にアーク長も長くな
る。特に、パルスアーク溶接では、一般的にピーク電流
値は400〜600[A]程度に設定し、ベース電流値
は30〜60[A]程度に設定するために、その電流差
はかなり大きくなり、その結果、上記のアークの相互干
渉は強くなり、アークの変形も大きくなる。
【0037】 上記項及び項の場合とは逆に、第
1のアークA3に第1のベース電流AIbが通電し、第
2のアークB3に第2のピーク電流BIpが通電する前
述した図5の時刻t4においては、第2のアークB3の
形状は変化しないが、他方、第1のアークA3は第2の
アークB3からの干渉によって吸引されて、そのアーク
の形状は変形してアーク長は長くなる。そのために、図
5(B)の時刻t4に示すように、第2の溶接電圧BV
wは持ち上がり通常値よりも大きな値となる。
【0038】上述したように、2つのアークに略等しい
値の電流が通電しているときは、アークの相互干渉の影
響は少ないが、通電する電流値の差が大きいときには、
アークの相互干渉によって通電する電流値の小さな方の
アークは大きく影響されて、その形状が大きく変形す
る。この後者の状態が発生すると、以下に説明するよう
に、アーク発生状態が不安定になり、溶接品質が不良と
なる。すなわち、前述した図5の時刻t3では第2のア
ークB3の形状が、また時刻t4では第1のアークA3
の形状が、上述したアークの相互干渉によって変形して
アーク長も長くなるために、溶滴移行が1パルス1溶滴
移行の安定状態から外れて不安定になり、その結果、ス
パッタの大量発生、ビード外観の悪化、溶け込み不良等
が生じて溶接品質が著しく悪化する。さらに、図5の時
刻t5に示すように、上述したアークの相互干渉によっ
てアーク長が長くなり過ぎるとアークを維持することが
できなくなり、ついにはアーク切れが発生する。溶接中
にアーク切れが頻繁に発生すると、溶け込み不良、ビー
ド外観の悪化等の溶接欠陥が生じる。
【0039】そこで、本発明は、多電極パルスアーク溶
接方法において、2つのアークの相互干渉によって生じ
るアーク発生状態の不安定を抑制することができ、常に
良好な溶接品質を得ることができる多電極パルスアーク
溶接制御方法及び溶接装置を提供する。
【0040】
【課題を解決するための手段】出願時の請求項1の発明
は、図9及び図10に示すように、1つの溶接トーチ4
から互いに電気的に絶縁された第1の溶接ワイヤA1及
び第2の溶接ワイヤB1をそれぞれ予め設定した送給速
度で送給し、上記第1の溶接ワイヤA1には予め設定し
た第1のピーク電流AIpの通電と予め設定した第1の
ベース電流AIbの通電とを1周期とする通電を繰り返
すと共に、上記第2の溶接ワイヤB1には予め設定した
第2のピーク電流BIpの通電と予め設定した第2のベ
ース電流BIbの通電とを1周期とする通電を繰り返
し、上記第1の溶接ワイヤA1及び上記第2の溶接ワイ
ヤB1と被溶接物2との間に2つのアークA3及びB3
を発生させて溶接する多電極パルスアーク溶接制御方法
において、上記第2の溶接ワイヤB1に、上記第1のピ
ーク電流AIpの通電期間は上記第2のピーク電流BI
pを通電し、上記第1のベース電流AIbの通電期間は
上記第2のベース電流BIbを通電する多電極パルスア
ーク溶接制御方法である。
【0041】出願時の請求項2の発明は、図9及び図1
0に示すように、出願時の請求項1に記載する第2の溶
接ワイヤB1の送給速度が、予め設定した第1の溶接ワ
イヤA1の送給速度を微調整した値である出願時の請求
項1の多電極パルスアーク溶接制御方法である。
【0042】出願時の請求項3の発明は、図11及び図
13に示すように、1つの溶接トーチ4から互いに電気
的に絶縁された第1の溶接ワイヤA1及び第2の溶接ワ
イヤB1をそれぞれ予め設定した送給速度で送給し、上
記第1の溶接ワイヤA1には予め設定した第1のピーク
電流AIpの通電と予め設定した第1のベース電流AI
bの通電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、上記
第2の溶接ワイヤB1には予め設定した第2のピーク電
流BIpの通電と予め設定した第2のベース電流BIb
の通電とを1周期とする通電を繰り返し、上記第1の溶
接ワイヤA1及び上記第2の溶接ワイヤB1と被溶接物
2との間に2つのアークA3及びB3を発生させて溶接
する多電極パルスアーク溶接制御方法において、上記第
2の溶接ワイヤに、第1回目の上記第1のピーク電流A
Ipの通電期間は上記第2のピーク電流BIpを通電し
上記第1のベース電流AIbの通電期間は予め設定した
通常値の上記第2のベース電流BIbを通電し、続いて
第2回目の上記第1のピーク電流AIpの通電期間は予
め設定した通常値よりも大きな値の上記第2のベース電
流BIbを通電し上記第1のベース電流AIbの通電期
間は上記通常値の第2のベース電流BIbを通電し、上
記第1回目及び第2回目の通電を1組として繰り返して
通電する多電極パルスアーク溶接制御方法である。
【0043】出願時の請求項4の発明は、図12及び図
13に示すように、出願時の請求項3に記載する第2の
溶接ワイヤB1の送給速度が、予め設定した第1の溶接
ワイヤA1の送給速度を1/2倍した値をさらに微調整
した値である出願時の請求項3の多電極パルスアーク溶
接制御方法である。
【0044】出願時の請求項5の発明は、図12及び図
13に示すように、1つの溶接トーチ4から互いに電気
的に絶縁された第1の溶接ワイヤA1及び第2の溶接ワ
イヤB1をそれぞれ予め設定した送給速度で送給し、上
記第1の溶接ワイヤA1には予め設定した第1のピーク
電流AIpの通電と予め設定した第1のベース電流AI
bの通電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、上記
第2の溶接ワイヤB1には予め設定した第2のピーク電
流BIpの通電と予め設定した第2のベース電流BIb
の通電とを1周期とする通電を繰り返し、上記第1の溶
接ワイヤA1及び上記第2の溶接ワイヤB1と被溶接物
2との間に2つのアークA3及びB3を発生させて溶接
する多電極パルスアーク溶接制御方法において、上記第
2の溶接ワイヤに、第1回目の上記第1のピーク電流A
Ipの通電期間は上記第2のピーク電流BIpを通電し
上記第1のベース電流AIbの通電期間は予め設定した
通常値の上記第2のベース電流BIbを通電し、続いて
第2回目の上記第1のピーク電流AIpの通電期間は予
め設定した通常値よりも大きな値の上記第2のベース電
流BIbを通電し上記第1のベース電流AIbの通電期
間は上記通常値の第2のベース電流BIbを通電し、さ
らに上記第2回目と同様の通電を予め設定した3以上の
整数である第n回目まで繰り返し、上記第1回目乃至第
n回目の通電を1組として繰り返して通電する多電極パ
ルスアーク溶接制御方法である。
【0045】出願時の請求項6の発明は、図12及び図
13に示すように、出願時の請求項5に記載する第2の
溶接ワイヤB1の送給速度が、予め設定した第1の溶接
ワイヤA1の送給速度を1/n倍した値をさらに微調整
した値である出願時の請求項5の多電極パルスアーク溶
接制御方法である。
【0046】出願時の請求項7の発明は、図9乃至図1
3に示すように、出願時の請求項1乃至6に記載する第
1の溶接ワイヤA1を通電する予め設定した第1のピー
ク電流AIpの通電と予め設定した第1のベース電流A
Ibの通電との1周期の時間長さATfが、第1の溶接
ワイヤA1と被溶接物2との間の溶接電圧AVwを検出
した電圧検出信号AVdと予め設定した電圧設定信号A
Vsとの誤差に基づく周波数変調制御又はパルス幅変調
制御によって定まる出願時の請求項1又は請求項2又は
請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6の多電
極パルスアーク溶接制御方法である。
【0047】出願時の請求項8の発明は、図9及び図1
0に示すように、1つの溶接トーチ4から互いに電気的
に絶縁された第1の溶接ワイヤA1及び第2の溶接ワイ
ヤB1をそれぞれ予め設定した送給速度で送給し、上記
第1の溶接ワイヤA1には予め設定した第1のピーク電
流AIpの通電と予め設定した第1のベース電流AIb
の通電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、上記第
2の溶接ワイヤB1には予め設定した第2のピーク電流
BIpの通電と予め設定した第2のベース電流BIbの
通電とを1周期とする通電を繰り返し、上記第1の溶接
ワイヤA1及び上記第2の溶接ワイヤB1と被溶接物2
との間に2つのアークA3及びB3を発生させて溶接す
る多電極パルスアーク溶接装置において、上記第1の溶
接ワイヤA1と被溶接物2との間の溶接電圧AVwを検
出して電圧検出信号Vdを出力する電圧検出回路VD
と、電圧設定信号AVsを出力する電圧設定回路AVS
と、上記電圧検出信号Vd及び上記電圧設定信号AVs
を入力としてそれらの信号間の誤差による周波数変調制
御又はパルス幅変調制御によってパルス周期信号ATf
を出力する変調回路MCと、第1のピーク電流設定信号
AIpを出力する第1のピーク電流設定回路AIPと、
第1のベース電流設定信号AIbを出力する第1のベー
ス電流設定回路AIBと、上記パルス周期信号ATf、
上記第1のピーク電流設定信号AIp及び上記第1のベ
ース電流設定信号AIbを入力として上記パルス周期信
号ATfによって上記第1のピーク電流設定信号AIp
と上記第1のベース電流設定信号AIbとを切り換えて
第1の電流制御設定信号AIscとして出力する第1の切
換回路ASWとから成り、上記第1の電流制御設定信号
AIscによって上記第1のピーク電流AIpの通電開始
及び通電終了と上記第1のベース電流AIbの通電開始
及び通電終了とを制御する第1の溶接電源装置APS並
びに第2のピーク電流設定信号BIpを出力する第2の
ピーク電流設定回路BIPと、第2のベース電流設定信
号BIbを出力する第2のベース電流設定回路BIB
と、上記パルス周期信号ATf、上記第2のピーク電流
設定信号BIp及び上記第2のベース電流設定信号BI
bを入力として上記パルス周期信号ATfによって上記
第2のピーク電流設定信号BIpと上記第2のベース電
流設定信号BIbとを切り換えて第2の電流制御設定信
号BIscとして出力する第2の切換回路BSWとから成
り、上記第2の電流制御設定信号BIscによって上記第
2のピーク電流BIpの通電開始及び通電終了と上記第
2のベース電流BIbの通電開始及び通電終了とを制御
する第2の溶接電源装置BPSから構成される多電極パ
ルスアーク溶接装置である。
【0048】出願時の請求項9の発明は、図9及び図1
0に示すように、出願時の請求項8に記載する第2の溶
接電源装置BPSが、第1の溶接ワイヤA1の予め設定
した第1の送給速度設定信号AWsを入力としてその信
号を微調整した第2の送給速度設定信号BWsを出力す
る送給速度調整回路WBを具備し、上記第2の送給速度
設定信号BWsによって第2の溶接ワイヤB1の送給を
制御する第2の溶接電源装置BPSである出願時の請求
項8の多電極パルスアーク溶接装置である。
【0049】出願時の請求項10の発明は、図11乃至
図13に示すように、1つの溶接トーチ4から互いに電
気的に絶縁された第1の溶接ワイヤA1及び第2の溶接
ワイヤB1をそれぞれ予め設定した送給速度で送給し、
上記第1の溶接ワイヤA1には予め設定した第1のピー
ク電流AIpの通電と予め設定した第1のベース電流A
Ibの通電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、上
記第2の溶接ワイヤB1には予め設定した第2のピーク
電流BIpの通電と予め設定した第2のベース電流BI
bの通電とを1周期とする通電を繰り返し、上記第1の
溶接ワイヤA1及び上記第2の溶接ワイヤB1と被溶接
物2との間に2つのアークA3及びB3を発生させて溶
接する多電極パルスアーク溶接装置において、上記第1
の溶接ワイヤA1と被溶接物2との間の溶接電圧AVw
を検出して電圧検出信号Vdを出力する電圧検出回路V
Dと、電圧設定信号AVsを出力する電圧設定回路AV
Sと、上記電圧検出信号Vd及び上記電圧設定信号AV
sを入力としてそれらの信号間の誤差による周波数変調
制御又はパルス幅変調制御によって第1のパルス周期信
号ATfを出力する変調回路MCと、第1のピーク電流
設定信号AIpを出力する第1のピーク電流設定回路A
IPと、第1のベース電流設定信号AIbを出力する第
1のベース電流設定回路AIBと、上記第1のパルス周
期信号ATf、上記第1のピーク電流設定信号AIp及
び上記第1のベース電流設定信号AIbを入力として上
記第1のパルス周期信号ATfによって上記第1のピー
ク電流設定信号AIpと上記第1のベース電流設定信号
AIbとを切り換えて第1の電流制御設定信号AIscと
して出力する第1の切換回路ASWとから成り、上記第
1の電流制御設定信号AIscによって上記第1のピーク
電流AIpの通電開始及び通電終了と上記第1のベース
電流AIbの通電開始及び通電終了とを制御する第1の
溶接電源装置APS並びに2以上の整数である倍率設定
信号nを出力する倍率設定回路NSと、上記第1のパル
ス周期信号ATfを入力としてその信号と同期しかつそ
の信号の上記倍率設定信号n倍の周期を有する信号に変
換して第2のパルス周期信号BTfを出力する周期変換
回路TCと、第2のピーク電流設定信号BIpを出力す
る第2のピーク電流設定回路BIPと、上記第1のパル
ス周期信号ATfを入力としてその入力信号が上記第1
のピーク電流設定信号AIpに切り換える信号であると
きは予め設定した通常値よりも大きな値の第2のベース
電流設定信号BIbを出力しその入力信号が上記第1の
ベース電流設定信号AIbに切り換える信号であるとき
は予め設定した通常値の上記第2のベース電流設定信号
BIbを出力する第2のベース電流設定回路BIBと、
上記第2のパルス周期信号BTf、上記第2のピーク電
流設定信号BIp及び上記第2のベース電流設定信号B
Ibを入力として上記第2のパルス周期信号BTfによ
って上記第2のピーク電流設定信号BIpと上記第2の
ベース電流設定信号BIbとを切り換えて第2の電流制
御設定信号BIscとして出力する第2の切換回路BSW
とから成り、上記第2の電流制御設定信号BIscによっ
て上記第2のピーク電流BIpの通電開始及び通電終了
と上記第2のベース電流BIbの通電開始及び通電終了
とを制御する第2の溶接電源装置BPSから構成される
多電極パルスアーク溶接装置である。
【0050】出願時の請求項11の発明は、図11乃至
図13に示すように、出願時の請求項10に記載する第
2の溶接電源装置BPSが、第1の溶接ワイヤA1の予
め設定した第1の送給速度設定信号AWsを入力として
その信号を1/n倍してさらに微調整した第2の送給速
度設定信号BWsを出力する送給速度調整回路WBを具
備し、上記第2の送給速度設定信号BWsによって第2
の溶接ワイヤB1の送給を制御する第2の溶接電源装置
BPSである出願時の請求項10の多電極パルスアーク
溶接装置である。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、図13に
示すように、1つの溶接トーチ4から互いに電気的に絶
縁された第1の溶接ワイヤA1及び第2の溶接ワイヤB
1をそれぞれ予め設定した送給速度で送給し、上記第1
の溶接ワイヤA1には予め設定した第1のピーク電流A
Ipの通電と予め設定した第1のベース電流AIbの通
電とを1周期とする通電を繰り返すと共に、上記第2の
溶接ワイヤB1には予め設定した第2のピーク電流BI
pの通電と予め設定した第2のベース電流BIbの通電
とを1周期とする通電を繰り返し、上記第1の溶接ワイ
ヤA1及び上記第2の溶接ワイヤB1と被溶接物2との
間に2つのアークA3及びB3を発生させて溶接する多
電極パルスアーク溶接装置において、上記第1の溶接ワ
イヤA1と被溶接物2との間の溶接電圧AVwを検出し
て電圧検出信号Vdを出力する電圧検出回路VDと、電
圧設定信号AVsを出力する電圧設定回路AVSと、上
記電圧検出信号Vd及び上記電圧設定信号AVsを入力
としてそれらの信号間の誤差による周波数変調制御又は
パルス幅変調制御によって第1のパルス周期信号ATf
を出力する変調回路MCと、第1のピーク電流設定信号
AIpを出力する第1のピーク電流設定回路AIPと、
第1のベース電流設定信号AIbを出力する第1のベー
ス電流設定回路AIBと、上記第1のパルス周期信号A
Tf、上記第1のピーク電流設定信号AIp及び上記第
1のベース電流設定信号AIbを入力として上記第1の
パルス周期信号ATfによって上記第1のピーク電流設
定信号AIpと上記第1のベース電流設定信号AIbと
を切り換えて第1の電流制御設定信号AIscとして出力
する第1の切換回路ASWとから成り、上記第1の電流
制御設定信号AIscによって上記第1のピーク電流AI
pの通電開始及び通電終了と上記第1のベース電流AI
bの通電開始及び通電終了とを制御する第1の溶接電源
装置APS並びに2以上の整数である倍率設定信号nを
出力する倍率設定回路NSと、上記第1のパルス周期信
号ATfを入力としてその信号と同期しかつその信号の
上記倍率設定信号n倍の周期を有する信号に変換して第
2のパルス周期信号BTfを出力する周期変換回路TC
と、第2のピーク電流設定信号BIpを出力する第2の
ピーク電流設定回路BIPと、上記第1のパルス周期信
号ATfを入力としてその入力信号が上記第1のピーク
電流設定信号AIpに切り換える信号であるときは予め
設定した通常値よりも大きな値の第2のベース電流設定
信号BIbを出力しその入力信号が上記第1のベース電
流設定信号AIbに切り換える信号であるときは予め設
定した通常値の上記第2のベース電流設定信号BIbを
出力する第2のベース電流設定回路BIBと、上記第2
のパルス周期信号BTf、上記第2のピーク電流設定信
号BIp及び上記第2のベース電流設定信号BIbを入
力として上記第2のパルス周期信号BTfによって上記
第2のピーク電流設定信号BIpと上記第2のベース電
流設定信号BIbとを切り換えて第2の電流制御設定信
号BIscとして出力する第2の切換回路BSWとから成
り、上記第2の電流制御設定信号BIscによって上記第
2のピーク電流BIpの通電開始及び通電終了と上記第
2のベース電流BIbの通電開始及び通電終了とを制御
する第2の溶接電源装置BPSから構成される多電極パ
ルスアーク溶接装置である。
【0052】
【実施例】以下に説明する本発明の第1及び第2の実施
例の概要を下記に示す。 第1の実施例 図9に示すように、本発明の第1の実施例は、第1の溶
接ワイヤA1には、第1のピーク電流AIpの通電と第
1のベース電流AIbの通電とを1周期とする通電を繰
り返すと共に、第2の溶接ワイヤB1に、上記第1のピ
ーク電流AIpの通電期間は第2のピーク電流BIpを
通電し、上記第1のベース電流AIbの通電期間は第2
のベース電流BIbを通電する多電極パルスアーク溶接
制御方法である。また、上述した第1の実施例のための
溶接装置のブロック図を図10に示す。
【0053】 第2の実施例 図11及び図12に示すように、本発明の第2の実施例
は、第1の溶接ワイヤA1には、第1のピーク電流AI
pの通電と第1のベース電流AIbの通電とを1周期と
する通電を繰り返すと共に、第2の溶接ワイヤB1に、
第1回目の上記第1のピーク電流AIpの通電期間は第
2のピーク電流BIpを通電し上記第1のベース電流A
Ibの通電期間は予め設定した通常値の第2のベース電
流BIbを通電し、続いて第2回目の上記第1のピーク
電流AIpの通電期間は予め設定した通常値よりも大き
な値の上記第2のベース電流BIbを通電し上記第1の
ベース電流AIbの通電期間は予め設定した通常値の上
記第2のベース電流BIbを通電し、さらに上記第2回
目と同様の通電を予め設定した整数である第n回目まで
繰り返し、上記第1回目乃至第n回目の通電を1組とし
て繰り返して通電する多電極パルスアーク溶接制御方法
である。なお、図11は上記のn=2の場合であり、図
12は上記のn=3の場合を例示している。また、上述
した第2の実施例のための溶接装置のブロック図を図1
3に示す。以下、上記の第1及び第2の実施例の詳細に
ついて説明する。
【0054】[実施例1]図9は、本発明の第1の実施
例(以下、実施例1という)の多電極パルスアーク溶接
制御方法を示す電流・電圧波形図であり、同図(A)は
第1の溶接電流AIwの時間変化を示しており、同図
(B)は第1の溶接電圧AVwの時間変化を示してお
り、同図(C)は第2の溶接電流BIwの時間変化を示
しており、同図(D)は第2の溶接電圧BVwの時間変
化を示している。同図に示すように、時刻t1〜t2期
間中は、第1のアークに同図(A)に示すように第1の
ピーク電流AIpが通電しており、このとき第2のアー
クには同図(C)に示すように第2のピーク電流BIp
を通電する。さらに。時刻t2〜t3期間中は、第1の
アークに同図(A)に示すように第1のベース電流AI
bが通電しており、このとき第2のアークには同図
(C)に示すように第2のベース電流BIbを通電す
る。したがって、第1のピーク電流AIpの通電と第2
のピーク電流BIpの通電とは同期しており、かつ、第
1のベース電流AIbの通電と第2のベース電流BIb
の通電とは同期している。そのために、2つのアークを
通電する電流値はどの期間中も略等しい値となるので、
2つのアークの相互干渉によるアーク発生状態への影響
はなく、常に安定したアーク発生状態を維持することが
できる。
【0055】図10は、上述した実施例1の多電極パル
スアーク溶接制御方法を実施するための溶接装置のブロ
ック図である。同図において、図3で前述した従来溶接
装置と同一の回路ブロックには同一の符号を付してお
り、説明は省略する。以下、点線で示す図3とは異なる
回路ブロックである第1の溶接電源装置APSの変調回
路MC並びに第2の溶接電源装置BPSの第2の切換回
路BSW及び送給速度調整回路WBについて説明する。
第1の溶接電源装置APSの変調回路MCの出力信号で
ある第1のパルス周期信号ATfを第2の溶接電源装置
BPSに出力する。第2の溶接電源装置BPSの第2の
切換回路BSWは、上記の第1のパルス周期信号ATf
がHighレベルのときはa側に接続されて第2のピー
ク電流設定信号BIpを第2の電流制御設定信号BIsc
として出力し、上記信号がLowレベルのときはb側に
接続されて第2のベース電流設定信号BIbを第2の電
流制御設定信号BIscとして出力する。第2の溶接電源
装置BPSの送給速度調整回路WBは、第1の送給速度
設定信号AWsを入力として、その値を中心値として微
調整した第2の送給速度設定信号BWsを出力する。
【0056】上述した実施例1の溶接装置においては、
第2の溶接電源装置BPSの電圧フィードバック制御を
第1の溶接電源装置APSの電圧フィードバック制御に
よって併用して、第1のピーク電流AIpと第2のピー
ク電流BIpとの通電のタイミング及び第1のベース電
流AIbと第2のベース電流BIbとの通電のタイミン
グを同期させている。また、第2の溶接ワイヤB1の送
給速度は、第1の送給速度設定信号AWsを微調整した
第2の送給速度設定信号BWsによって制御される。
【0057】[実施例2]図11は、本発明の第2の実
施例(以下、実施例2という)の多電極パルスアーク溶
接制御方法を示す電流・電圧波形図であり、同図(A)
は第1の溶接電流AIwの時間変化を示しており、同図
(B)は第1の溶接電圧AVwの時間変化を示してお
り、同図(C)は第2の溶接電流BIwの時間変化を示
しており、同図(D)は第2の溶接電圧BVwの時間変
化を示している。また、同図は後述するパルス周期の倍
率nが2の場合を例示している。したがって、同図
(C)に示す第2の溶接電流BIwの第2のパルス周期
BTfは、同図(A)に示す第1の溶接電流AIwの第
1のパルス周波ATfの2倍になっている。以下、同図
を参照して各期間の動作を説明する。
【0058】第1のアークには、時刻t1〜t2期間中
の第1のピーク電流AIpの通電と時刻t2〜t3期間
中の第1のベース電流AIbの通電とを1周期(時刻t
1〜t3期間)とする通電を繰り返して行う。他方、第
2のアークには、時刻t1〜t2期間中の第1回目の上
記第1のピーク電流AIpの通電期間は第2のピーク電
流BIpを通電し、時刻t2〜t3期間中の上記第1の
ベース電流AIbの通電期間は通常値の第2のベース電
流BIbを通電し、続いて時刻t3〜t4期間中の第2
回目の上記第1のピーク電流AIpの通電期間は通常値
よりも大きな値の上記第2のベース電流BIbを通電
し、時刻t4〜t5期間中の上記第1のベース電流AI
bの通電期間は通常値の上記第2のベース電流BIbを
通電し、上記第1回目の通電(時刻t1〜t3期間)及
び第2回目の通電(時刻t3〜t5期間)を1組として
繰り返して通電する。
【0059】上述したように、時刻t1〜t3期間及び
時刻t4〜t5期間中は、2つのアークを通電する電流
値は略等しいので、2つのアークの相互干渉によるアー
ク発生状態への影響はなく、安定したアーク発生状態で
ある。一方、時刻t3〜t4期間中のアーク発生状態
は、前述した図8(A)の状態と同様である。図8
(A)では、第2のアークB3には磁界による力BFZ
1及びアークによる収縮力BFX2が作用しており、B
FZ1>BFX2であるので、第2のアークB3は変形
する。しかし、図11では、第2のアークB3には通常
値よりも大きな値の第2のベース電流BIbが通電して
いるので、アークによる収縮力BFX2は図8(A)の
ときよりも大きくなる。その結果、BFZ1<BFX2
となるので、第2のアークB3は変形しないで安定した
アーク発生状態を維持することができる。上記の第2の
ベース電流BIbの通常値よりも大きな値としては、B
FZ1<BFX2となるように設定する。その設定値は
80〜150[A]程度となる。
【0060】図12は、上述した実施例2において倍率
nが3のときの多電極パルスアーク溶接制御方法を示す
電流・電圧波形図であり、同図(A)は第1の溶接電流
AIwの時間変化を示しており、同図(B)は第1の溶
接電圧AVwの時間変化を示しており、同図(C)は第
2の溶接電流BIwの時間変化を示しており、同図
(D)は第2の溶接電圧BVwの時間変化を示してい
る。ここで倍率n=3であるので、同図(C)に示す第
2の溶接電流BIwの第2のパルス周期BTfは、同図
(A)に示す第1の溶接電流AIwの第1のパルス周期
ATfの3倍になっている。また、同図において時刻t
1〜t5期間の動作は、図11の時刻t1〜t5期間と
同様であり、時刻t5〜t6期間の動作は、図11の時
刻t3〜t5期間と同様であるので説明は省略する。
【0061】さらに、上記の倍率nが4のときには、図
11において時刻t5の後に時刻t3〜t5期間と同様
の通電を3回追加する。したがって、倍率がnのときに
は、時刻t5の後に時刻t3〜t5期間と同様の通電を
n−2回追加することになる。
【0062】図13は、図11及び図12で上述した実
施例2の多電極パルスアーク溶接制御方法を実施するた
めの溶接装置のブロック図である。同図において、図3
及び図10で前述した溶接装置と同一の回路ブロックに
は同一の符号を付しており、説明は省略する。以下、点
線で示す図3及び図10とは異なる回路ブロックである
第2の溶接電源装置BPSの倍率設定回路NS、周期変
換回路TC、第2のベース電流設定回路BIB、第2の
切換回路BSW及び送給速度調整回路WBについて説明
する。倍率設定回路NSは、2以上の整数である倍率設
定信号nを出力する。周期変換回路TCは、第1の溶接
電源装置APSから出力された第1のパルス周期信号A
Tf及び上記の倍率設定信号nを入力として、前述した
ように、その信号と同期しかつその信号のn倍の周期を
有する信号に変換して第2のパルス周期信号BTfを出
力する。なお、前述した図11ではこの倍率設定信号n
が2の場合であり、図12ではこの倍率設定信号nが3
の場合を例示する。第2のベース電流設定回路BIB
は、上記の第1のパルス周期信号ATfを入力として、
その入力がLowレベルのときは予め設定した通常値の
第2のベース電流設定信号BIbを出力し、その入力信
号がHighレベルのときは予め設定した通常値よりも
大きな値の第2のベース電流設定信号を出力する。第2
の切換回路BSWは、上記の第2のパルス周期信号BT
fがHighレベルのときはa側に接続されて第2のピ
ーク電流設定信号BIpを第2の電流制御設定信号BI
scとして出力し、上記信号がLowレベルのときはb側
に接続されて上記の第2のベース電流設定信号BIbを
第2の電流制御設定信号BIscとして出力する。送給速
度調整回路WBは、第1の送給速度設定信号AWsを入
力として、その値を上記の倍率nで除算した値を中心値
として微調整した第2の送給速度設定信号BWsを出力
する。
【0063】上述した実施例2の溶接装置においては、
上記の倍率nの設定によって、第2の溶接ワイヤB1の
送給速度を第1の溶接ワイヤA1の送給速度の1/n倍
に調整することができると共に、第2の溶接電源装置B
PSは、上記の第2のパルス周期信号BTfによる電圧
フィードバック制御によって、その送給速度に対応した
溶接電圧を出力することができる。すなわち、実施例1
では2つの溶接ワイヤの送給速度は略等しい値である必
要があるが、実施例2では一方の溶接ワイヤの送給速度
を他方の1/n倍に調整することができる。したがっ
て、溶接施工における溶接条件の選定の自由度が拡大す
るので、本発明の溶接方法の適用範囲が広くなる。
【0064】前述した図9〜図13の実施例では、第1
の溶接電源装置APSの電圧フィードバック制御を基準
として第2の溶接電源装置BPSの電圧フィードバック
制御を行っている。反対に第2の溶接電源装置BPSの
電圧フィードバック制御を基準として第1の溶接電源装
置APSの電圧フィードバック制御を行うようにしても
よい。
【0065】図14は、本発明の効果を示すためのアー
ク切れ回数の比較図である。図3に示す従来溶接装置及
び図13に示す本発明(実施例2)の溶接装置を使用し
て、溶接中に発生したアーク切れ回数の比較を行った。
このときの主な溶接条件は以下のとおりである。すなわ
ち、第1の溶接電流AIwは400[A]であり、第1
の溶接電圧AVwは32[V]であり、他方、第2の溶
接電流BIwは200[A]であり、第2の溶接電圧B
Vwは28[V]ある。したがって、倍率nは2の場合
である。試験方法としては、溶接速度5[m/分]でビ
ード長が50[cm]の溶接を10回繰り返して行い、1
回の溶接当りのアーク切れ回数を計数して比較した。
【0066】同図に示すように、従来技術では1回の溶
接当り18回もアーク切れが発生して、スパッタも多く
発生して、不良なビード外観となった。これに対して、
本発明では、アーク切れは1回も発生しないで良好な溶
接品質となった。
【0067】図15は、本発明の効果を示すためのスパ
ッタ発生量の比較図である。図3に示す従来溶接装置及
び図13に示す本発明(実施例2)の溶接装置を使用し
て、溶接中に発生したスパッタ発生量の比較を行った。
このときの主な溶接条件は前述した図14のときと同様
である。試験方法としては、溶接速度5[m/分]の溶
接を行い、その溶接中に発生した1分間当りのスパッタ
発生量を測定して比較した。同図に示すように、従来技
術では22[g/分]と大量のスパッタが発生して、不
良なビード外観となった。これに対して、本発明では7
[g/分]と従来技術の場合の1/3に減少して、良好
な溶接品質となった。
【0068】
【本発明の効果】本発明は、多電極パルスアーク溶接方
法において2つのアークの相互干渉によって発生するア
ーク形状の変形、アーク長の変動等のアーク発生状態の
不安定を抑制することができ、常に良好な溶接品質を得
ることができる。さらに、実施例2の発明は、一方の溶
接ワイヤの送給速度を他方の溶接ワイヤの送給速度の1
/n倍に調整することができ、かつ、その送給速度に最
適な溶接電圧を電圧フィードバック制御によって出力す
ることができるので、実施例1の発明よりも溶接施工の
適用範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、多電極パルスアーク溶接装置の構成図
である。
【図2】図2は、図1に示す第1の溶接電源装置APS
及び第2の溶接電源装置BPSの出波形を示す電流・電
圧波形図である。
【図3】図3は、図1に示す従来技術の第1の溶接電源
装置APS及び第2の溶接電源装置BPSの回路構成を
示すブロック図である。
【図4】図4は、単独で発生しているアーク3に作用す
る力を説明するためのアーク発生部模式図である。
【図5】図5は、従来技術の多電極パルスアーク溶接方
法の電流・電圧波形図である。
【図6】図6は、2つのアークに通電する第1及び第2
の溶接電流が共にピーク電流である図5の時刻t1にお
けるアーク発生部の模式図である。
【図7】図7は、2つのアークに通電する第1及び第2
の溶接電流が共にベース電流である図5の時刻t2にお
けるアーク発生部の模式図である。
【図8】図8は、第1のアークA3に第1のピーク電流
AIpが通電し、第2のアークB3に第2のベース電流
BIbが通電する図5の時刻t3におけるアーク発生部
の模式図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施例の多電極パルス
アーク溶接制御方法を示す電流・電圧波形図である。
【図10】図10は、実施例1の多電極パルスアーク溶
接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図であ
る。
【図11】図11は、本発明の第2の実施例(以下、実
施例2という)の多電極パルスアーク溶接制御方法を示
す電流・電圧波形図である。
【図12】図12は、実施例2において倍率nが3のと
きの多電極パルスアーク溶接制御方法を示す電流・電圧
波形図である。
【図13】図13は、実施例2の多電極パルスアーク溶
接制御方法を実施するための溶接装置のブロック図であ
る。
【図14】図14は、本発明の効果を示すためのアーク
切れ回数の比較図である。
【図15】図15は、本発明の効果を示すためのスパッ
タ発生量の比較図である。
【符号の説明】
1 溶接ワイヤ 2 被溶接物 21 溶融池 3 アーク 4 溶接トーチ A1 第1の溶接ワイヤ A3 第1のアーク A41 第1のコンタクトチップ AFZ1〜2、BFZ1〜2 磁界による力 AIB 第1のベース電流設定回路 AIb 第1のベース電流、第1のピーク電流設定信号 AIP 第1のピーク電流設定回路 AIp 第1のピーク電流、第1のピーク電流設定信号 AIsc 第1の電流制御設定信号 AIw 第1の溶接電流 APS 第1の溶接電源装置 ASW 第1の切換回路 ATf 第1のパルス周期、第1のパルス周期信号 ATp 第1のピーク電流通電時間 AVb 第1のベース電圧 AVp 第1のピーク電圧 AVS 第1の電圧設定回路 AVs 第1の電圧設定信号 AVw 第1の溶接電圧 AWF 第1のワイヤ送給装置 AWS 第1の送給速度設定回路 AWs 第1の送給速度設定信号 B1 第2の溶接ワイヤ B3 第2のアーク B41 第2のコンタクトチップ BIB 第2のベース電流設定回路 BIb 第2のベース電流、第2のピーク電流設定信号 BIP 第2のピーク電流設定回路 BIp 第2のピーク電流、第2のピーク電流設定信号 BIsc 第2の電流制御設定信号 BIw 第2の溶接電流 BPS 第2の溶接電源装置 BSW 第2の切換回路 BTf 第2のパルス周期、第2のパルス周期信号 BTp 第2のピーク電流通電時間 BVb 第2のベース電圧 BVp 第2のピーク電圧 BVS 第2の電圧設定回路 BVs 第2の電圧設定信号 BVw 第2の溶接電圧 BWF 第2のワイヤ送給装置 BWS 第2の送給速度設定回路 BWs 第2の送給速度設定信号 EI 電流誤差増幅回路 Ei 電流誤差増幅信号 EV 電圧誤差増幅回路 Ev 電圧誤差増幅信号 FX、AFX1〜2、BFX1〜2 アークによる収縮
力 FY、BFY2 磁界による力 ID 電流検出回路 INV 出力制御回路 Iw 溶接電流 MC 変調回路 MM モノマルチバイブレータ NS 倍率設定回路 n 倍率、倍率設定信号 TC 周期変換回路 TP ピーク電流通電時間設定回路 Tp ピーク電流通電時間設定信号 VD 電圧検出回路 Vd 電圧検出信号 VF V/F変換回路 Vf V/F変換信号 WB 送給速度調整回路 WC 送給制御回路 Wc 送給制御信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大縄 登史男 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 牛尾 誠夫 兵庫県川西市緑台4丁目8番48号地 Fターム(参考) 4E082 EB11 EC03 EE04 EE05 EF07 EF14 EF15

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1の溶接ワイヤ及び第2の溶接ワイヤをそれ
    ぞれ予め設定した送給速度で送給し、前記第1の溶接ワ
    イヤには予め設定した第1のピーク電流の通電と予め設
    定した第1のベース電流の通電とを1周期とする通電を
    繰り返すと共に、前記第2の溶接ワイヤには予め設定し
    た第2のピーク電流の通電と予め設定した第2のベース
    電流の通電とを1周期とする通電を繰り返し、前記第1
    の溶接ワイヤ及び前記第2の溶接ワイヤと被溶接物との
    間に2つのアークを発生させて溶接する多電極パルスア
    ーク溶接制御方法において、前記第2の溶接ワイヤに、
    前記第1のピーク電流の通電期間は前記第2のピーク電
    流を通電し、前記第1のベース電流の通電期間は前記第
    2のベース電流を通電する多電極パルスアーク溶接制御
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の溶接ワイヤの送給速度が、予
    め設定した第1の溶接ワイヤの送給速度を微調整した値
    である請求項1の多電極パルスアーク溶接制御方法。
  3. 【請求項3】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1の溶接ワイヤ及び第2の溶接ワイヤをそれ
    ぞれ予め設定した送給速度で送給し、前記第1の溶接ワ
    イヤには予め設定した第1のピーク電流の通電と予め設
    定した第1のベース電流の通電とを1周期とする通電を
    繰り返すと共に、前記第2の溶接ワイヤには予め設定し
    た第2のピーク電流の通電と予め設定した第2のベース
    電流の通電とを1周期とする通電を繰り返し、前記第1
    の溶接ワイヤ及び前記第2の溶接ワイヤと被溶接物との
    間に2つのアークを発生させて溶接する多電極パルスア
    ーク溶接制御方法において、前記第2の溶接ワイヤに、
    第1回目の前記第1のピーク電流の通電期間は前記第2
    のピーク電流を通電し前記第1のベース電流の通電期間
    は予め設定した通常値の前記第2のベース電流を通電
    し、続いて第2回目の前記第1のピーク電流の通電期間
    は予め設定した通常値よりも大きな値の前記第2のベー
    ス電流を通電し前記第1のベース電流の通電期間は前記
    通常値の第2のベース電流を通電し、前記第1回目及び
    第2回目の通電を1組として繰り返して通電する多電極
    パルスアーク溶接制御方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の溶接ワイヤの送給速度が、予
    め設定した第1の溶接ワイヤの送給速度を1/2倍した
    値をさらに微調整した値である請求項3の多電極パルス
    アーク溶接制御方法。
  5. 【請求項5】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1の溶接ワイヤ及び第2の溶接ワイヤをそれ
    ぞれ予め設定した送給速度で送給し、前記第1の溶接ワ
    イヤには予め設定した第1のピーク電流の通電と予め設
    定した第1のベース電流の通電とを1周期とする通電を
    繰り返すと共に、前記第2の溶接ワイヤには予め設定し
    た第2のピーク電流の通電と予め設定した第2のベース
    電流の通電とを1周期とする通電を繰り返し、前記第1
    の溶接ワイヤ及び前記第2の溶接ワイヤと被溶接物との
    間に2つのアークを発生させて溶接する多電極パルスア
    ーク溶接制御方法において、前記第2の溶接ワイヤに、
    第1回目の前記第1のピーク電流の通電期間は前記第2
    のピーク電流を通電し前記第1のベース電流の通電期間
    は予め設定した通常値の前記第2のベース電流を通電
    し、続いて第2回目の前記第1のピーク電流の通電期間
    は予め設定した通常値よりも大きな値の前記第2のベー
    ス電流を通電し前記第1のベース電流の通電期間は前記
    通常値の第2のベース電流を通電し、さらに前記第2回
    目と同様の通電を予め設定した3以上の整数である第n
    回目まで繰り返し、前記第1回目乃至第n回目の通電を
    1組として繰り返して通電する多電極パルスアーク溶接
    制御方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の溶接ワイヤの送給速度が、予
    め設定した第1の溶接ワイヤの送給速度を1/n倍した
    値をさらに微調整した値である請求項5の多電極パルス
    アーク溶接制御方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の溶接ワイヤを通電する予め設
    定した第1のピーク電流の通電と予め設定した第1のベ
    ース電流の通電との1周期の時間長さが、第1の溶接ワ
    イヤと被溶接物との間の溶接電圧を検出した電圧検出信
    号と予め設定した電圧設定信号との誤差に基づく周波数
    変調制御又はパルス幅変調制御によって定まる請求項1
    又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又
    は請求項6の多電極パルスアーク溶接制御方法。
  8. 【請求項8】 1つの溶接トーチから互いに電気的に絶
    縁された第1の溶接ワイヤ及び第2の溶接ワイヤをそれ
    ぞれ予め設定した送給速度で送給し、前記第1の溶接ワ
    イヤには予め設定した第1のピーク電流の通電と予め設
    定した第1のベース電流の通電とを1周期とする通電を
    繰り返すと共に、前記第2の溶接ワイヤには予め設定し
    た第2のピーク電流の通電と予め設定した第2のベース
    電流の通電とを1周期とする通電を繰り返し、前記第1
    の溶接ワイヤ及び前記第2の溶接ワイヤと被溶接物との
    間に2つのアークを発生させて溶接する多電極パルスア
    ーク溶接装置において、前記第1の溶接ワイヤと被溶接
    物との間の溶接電圧を検出して電圧検出信号を出力する
    電圧検出回路と、電圧設定信号を出力する電圧設定回路
    と、前記電圧検出信号及び前記電圧設定信号を入力とし
    てそれらの信号間の誤差による周波数変調制御又はパル
    ス幅変調制御によってパルス周期信号を出力する変調回
    路と、第1のピーク電流設定信号を出力する第1のピー
    ク電流設定回路と、第1のベース電流設定信号を出力す
    る第1のベース電流設定回路と、前記パルス周期信号、
    前記第1のピーク電流設定信号及び前記第1のベース電
    流設定信号を入力として前記パルス周期信号によって前
    記第1のピーク電流設定信号と前記第1のベース電流設
    定信号とを切り換えて第1の電流制御設定信号として出
    力する第1の切換回路とから成り、前記第1の電流制御
    設定信号によって前記第1のピーク電流の通電開始及び
    通電終了と前記第1のベース電流の通電開始及び通電終
    了とを制御する第1の溶接電源装置並びに第2のピーク
    電流設定信号を出力する第2のピーク電流設定回路と、
    第2のベース電流設定信号を出力する第2のベース電流
    設定回路と、前記パルス周期信号、前記第2のピーク電
    流設定信号及び前記第2のベース電流設定信号を入力と
    して前記パルス周期信号によって前記第2のピーク電流
    設定信号と前記第2のベース電流設定信号とを切り換え
    て第2の電流制御設定信号として出力する第2の切換回
    路とから成り、前記第2の電流制御設定信号によって前
    記第2のピーク電流の通電開始及び通電終了と前記第2
    のベース電流の通電開始及び通電終了とを制御する第2
    の溶接電源装置から構成される多電極パルスアーク溶接
    装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の溶接電源装置が、第1の溶接
    ワイヤの予め設定した第1の送給速度設定信号を入力と
    してその信号を微調整した第2の送給速度設定信号を出
    力する送給速度調整回路を具備し、前記第2の送給速度
    設定信号によって第2の溶接ワイヤの送給を制御する第
    2の溶接電源装置である請求項8の多電極パルスアーク
    溶接装置。
  10. 【請求項10】 1つの溶接トーチから互いに電気的に
    絶縁された第1の溶接ワイヤ及び第2の溶接ワイヤをそ
    れぞれ予め設定した送給速度で送給し、前記第1の溶接
    ワイヤには予め設定した第1のピーク電流の通電と予め
    設定した第1のベース電流の通電とを1周期とする通電
    を繰り返すと共に、前記第2の溶接ワイヤには予め設定
    した第2のピーク電流の通電と予め設定した第2のベー
    ス電流の通電とを1周期とする通電を繰り返し、前記第
    1の溶接ワイヤ及び前記第2の溶接ワイヤと被溶接物と
    の間に2つのアークを発生させて溶接する多電極パルス
    アーク溶接装置において、前記第1の溶接ワイヤと被溶
    接物2との間の溶接電圧を検出して電圧検出信号を出力
    する電圧検出回路と、電圧設定信号を出力する電圧設定
    回路と、前記電圧検出信号及び前記電圧設定信号を入力
    としてそれらの信号間の誤差による周波数変調制御又は
    パルス幅変調制御によって第1のパルス周期信号を出力
    する変調回路と、第1のピーク電流設定信号を出力する
    第1のピーク電流設定回路と、第1のベース電流設定信
    号を出力する第1のベース電流設定回路と、前記第1の
    パルス周期信号、前記第1のピーク電流設定信号及び前
    記第1のベース電流設定信号を入力として前記第1のパ
    ルス周期信号によって前記第1のピーク電流設定信号と
    前記第1のベース電流設定信号とを切り換えて第1の電
    流制御設定信号として出力する第1の切換回路とから成
    り、前記第1の電流制御設定信号によって前記第1のピ
    ーク電流の通電開始及び通電終了と前記第1のベース電
    流の通電開始及び通電終了とを制御する第1の溶接電源
    装置並びに2以上の整数である倍率設定信号nを出力す
    る倍率設定回路と、前記第1のパルス周期信号を入力と
    してその信号と同期しかつその信号の前記倍率設定信号
    n倍の周期を有する信号に変換して第2のパルス周期信
    号を出力する周期変換回路と、第2のピーク電流設定信
    号を出力する第2のピーク電流設定回路と、前記第1の
    パルス周期信号を入力としてその入力信号が前記第1の
    ピーク電流設定信号に切り換える信号であるときは予め
    設定した通常値よりも大きな値の第2のベース電流設定
    信号を出力しその入力信号が前記第1のベース電流設定
    信号に切り換える信号であるときは予め設定した通常値
    の前記第2のベース電流設定信号を出力する第2のベー
    ス電流設定回路と、前記第2のパルス周期信号、前記第
    2のピーク電流設定信号及び前記第2のベース電流設定
    信号を入力として前記第2のパルス周期信号によって前
    記第2のピーク電流設定信号と前記第2のベース電流設
    定信号とを切り換えて第2の電流制御設定信号として出
    力する第2の切換回路とから成り、前記第2の電流制御
    設定信号によって前記第2のピーク電流の通電開始及び
    通電終了と前記第2のベース電流の通電開始及び通電終
    了とを制御する第2の溶接電源装置から構成される多電
    極パルスアーク溶接装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の溶接電源装置が、第1の溶
    接ワイヤの予め設定した第1の送給速度設定信号を入力
    としてその信号を1/n倍してさらに微調整した第2の
    送給速度設定信号を出力する送給速度調整回路を具備
    し、前記第2の送給速度設定信号によって第2の溶接ワ
    イヤの送給を制御する第2の溶接電源装置である請求項
    10の多電極パルスアーク溶接装置。
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